JP2000071119A - 形鋼の鋸断方法 - Google Patents

形鋼の鋸断方法

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JP2000071119A
JP2000071119A JP24341398A JP24341398A JP2000071119A JP 2000071119 A JP2000071119 A JP 2000071119A JP 24341398 A JP24341398 A JP 24341398A JP 24341398 A JP24341398 A JP 24341398A JP 2000071119 A JP2000071119 A JP 2000071119A
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JP24341398A
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Kazuo Suematsu
和夫 末松
Yoshitomo Katayama
善友 片山
Hiroaki Tauchi
田内  宏明
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 与えられた種々の制約条件のもとで、 注文の
紐付けおよび鋸断順の最適化を、 実用に耐えうる短い処
理時間で導出することを可能とする形鋼の鋸断方法を提
供すること。 【解決手段】 形鋼の鋸断計画作成において、予め圧延
制約条件に基づき圧延順の設定された鋼片の各々に対し
て、 最適化手法を用いて1以上の注文の紐付けとその鋸
断順を個々に組み替えおよびもしくは2以上のまとまり
単位で組み替えた複数の鋸断計画を作成し、次いで前記
各鋸断計画について予め設定された最適性評価式に基づ
き当該操業時における最適解を求めることにより前記鋸
断計画を修正した修正鋸断計画を作成し、この修正鋸断
計画に基づき鋼片の鋸断を行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は形鋼の鋸断方法に関
し、詳しくは与えられた種々の制約条件のもとで、注文
の紐付けおよび鋸断順を最適化した鋸断計画を作成し、
この鋸断計画に基づく形鋼の鋸断方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】H形鋼や山形鋼、溝形鋼、鋼矢板等の形
鋼の圧延による製造は、鋼片、ブルーム、ビームブラン
ク等の圧延素材を加熱炉で所定温度まで加熱した後、粗
圧延機、中間・仕上圧延機で所定形状に圧延成形し、し
かる後熱間鋸断機で注文長さに応じて切断することによ
って行われている。
【0003】以下、連続鋳造された、矩形をした鋼片か
らH形鋼を製造する場合を例にとって説明する。先ず予
め作成された月間単位の粗ロールスケジュールに入力さ
れた注文明細に基づいて鋼片の鋼種、重量などを決定す
る鋼片設計を行う。次に前記鋼片設計結果に基づいて製
造された鋼片の圧延順が、操業の容易さ等の条件を考慮
して決定され、変更・追加などの修正が加わり見直され
た注文の紐付けおよび鋸断順が決定され、一次段階の鋸
断計画が作成される。この一次段階の鋸断計画では、フ
ランジの幅、厚み、ウェブの高さ、厚み等が細かく決め
られており、それぞれの規格に基づいた許容公差や各設
備の操業条件を勘案して注文の紐付けおよび鋸断順が決
定される。以上説明したように鋼片設計をもとに製造さ
れた鋼片の、操業の容易さ等の条件から圧延順を決定
し、その後変更・追加などの修正が加わえられた注文の
紐付けおよびその鋸断順を決定する鋸断計画を、一次鋸
断計画と言う。
【0004】一次鋸断計画が作成されると、一次鋸断計
画で決定された圧延順で鋼片が加熱炉に装入され、所定
温度まで加熱された後、粗圧延機でH形鋼の粗形鋼片に
圧延成形される。次いで中間圧延機、仕上圧延機による
圧延によって注文明細に対応した形状に仕上られる。し
かし、加熱炉装入、粗圧延機、中間圧延機、ならびに仕
上圧延機を通過する毎に発生する、鋼片の伸び変動によ
る歩留り低下及び、疵・曲がりに起因する不良品発生を
最小に抑えるため、鋸断前の適当な時期に一次鋸断計画
を見直すことによって、鋸断計画のブラッシュアップを
行う。
【0005】そしてこのブラッシュアップされた鋸断計
画に従って鋸断することによって最終製品が製造され
る。ところで近年、オンラインで種々のH形鋼を作り分
けする技術が発達し、圧延ロールの組み替えなしに圧延
を継続する、いわゆる1ロールでの圧延量が増大してお
り、例えば1ロールで製造可能なH形鋼の注文本数が2
500〜3000本を超える状況もしばしば発生し、圧
延されるH形鋼の鋼種、サイズ等も多岐にわたるように
なってきている。
【0006】例えばウェブ高さが600mmであるが、
フランジ幅が250mm、300mmと異なるだけでな
くフランジ厚やウェブ厚も異なり、鋼種としても40k
g級、50kg級と異なるH形鋼を1ロールの圧延で作
り分けする操業が積極的に採り入れられるようになって
いる。また、注文長さは6mから30mと範囲が広く、
しかも0.1mピッチで注文長さが決められ、注文の長
さ分布も圧延の都度変化するのが通常である。
【0007】このように1ロールでの圧延量の増大が進
み、フランジ幅、サイズ、鋼種などのパラメータが多数
存在し、圧延の都度品種、注文構成が変動する状況で、
鋸断計画は圧延上の制約条件のみでなく、鋸断後の精整
・倉庫などにおける複雑多岐な作業内容も充分に考慮に
入れて決定する必要がある。また注文明細も圧延開始直
前まで頻々として変更されることが普通であり、それら
を考慮して鋸断計画を立案する必要がある。つまり生産
能力・歩留りの低下ならびに作業者の負荷の増大をきた
すことなく、注文明細に応じたロールスケジュールを設
定し、圧延された鋼片に最適な状態で注文明細を紐付け
し、鋸断順を決定する鋸断計画を効率的に作成すること
は、形鋼圧延工場の死命を制する大きな問題となってい
る。
【0008】係る要請にかかわらず、従来の鋸断計画の
作成では、製品の長さ順、注文本数の多い順などといっ
た簡易なルールで注文の紐付けが行なわれ、各鋼片ごと
の紐付け最終注文で圧延歩留りの調整を行い、その後鋸
断順を決定するといった方法がとられているに過ぎなか
った。また前述した要請を満足すべき鋸断計画の作成を
計算機で実行する試みもなされているが、例えば特公昭
58−30095号公報に開示されているように鋸断前
後の各ラインの能力をバランスさせることによって鋸断
能率のバラツキの限度を定め、素材量と注文数量、注文
分布によって注文充当率と鋸断歩留りのバランスを考慮
した鋸断計画作成方法が提案されているに過ぎない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述したような従来の
鋸断計画では、以下のような問題があった。 (1)圧延歩留りを優先した立案方法であり、品種、注
文構成の変化に追随し、歩留り、生産能力、労働生産性
を最適化した鋸断計画の作成ができない。 (2)二次、三次、・・・と鋸断計画の見直しが進み、
実際の鋸断が近づくに従って、時間的制約が厳しくなる
ため、極く部分的な見直ししか行えず、全体的な最適化
を図ることはできない。
【0010】(3)歩留りは計算で求めることができる
ため、定量的評価が可能であるが、生産能力および労働
生産性は、その影響度を定量的に評価するのが困難であ
り、それを取り込んで鋸断計画を見直しすることはでき
ない。つまり圧延歩留りを優先に考えた従来の立案方法
では、品種、注文構成の変化に追随しかつ実用に耐え得
る時間内で、歩留り、生産能力、労働生産性の最適化を
図った鋸断計画を立案できず、圧延歩留りを優先した鋸
断計画、あるいはオペレータの過去の経験と感に頼り部
分的修正だけを行う鋸断計画とせざるを得ないのが実情
であった。
【0011】本発明は、前述した従来技術における問題
点の抜本的な解決を図るもので、実用に耐えうる短い時
間で最適な鋸断計画を作成し、その作成された鋸断計画
に基づいて効率的に鋸断する方法を提供するものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述した従来の問題点に
ついて、実操業レベルでの多くの実験を繰り返した本発
明者らは、最適化手法の適用により注文の紐付けとその
鋸断順の組み替え、組み合わせを複数作成することによ
って解決の可能性のあることを知見し、さらに実験研究
を繰り返した結果本発明に至ったものであり、その要旨
は以下の通りである。
【0013】第1の発明に係る形鋼の鋸断方法は、圧延
制約条件を満足する圧延順に配列された複数の鋼片の各
々に対して、複数の注文を紐付ける第1段階と、第1段
階で紐付けられた複数の鋼片の各々に対して、予め定め
られた方法に従って1または2以上の注文を単位とする
注文の入れ替えを行って複数の鋸断計画を作成し、その
中から予め定められた最適性評価式を用いて最適な鋸断
計画を探索する第2段階と、第2段階で探索された最適
な鋸断計画に従って各鋼片を鋸断する第3段階と、から
なる。
【0014】本発明にあっては、複数の鋼片全体の鋸断
順序が最適化される。第2の発明に係る形鋼の鋸断方法
は、第2段階が、第1段階で紐付けられた複数の鋼片を
予め定められた特性ごとに組別けする組別け段階と、組
別け段階で組別けされた各組に含まれる複数の鋼片の各
々に対して、予め定められた方法に従って1または2以
上の注文を単位とする注文の入れ替えを行って各組内で
複数の鋸断計画を作成する組内鋸断計画作成段階と、組
内鋸断計画作成段階で作成された複数の鋸断計画の中か
ら予め定められた最適性評価式を用いて各組内の最適な
鋸断計画を探索する組内鋸断計画探索段階と、組内鋸断
計画探索段階で探索された各組内の最適鋸断計画の間で
全体の歩留りが向上するように注文の紐付けおよび鋸断
順序を修正して組別け数に対応した複数の鋸断計画を作
成する鋸断計画作成段階と、からなる。
【0015】本発明にあっては、複数の鋼片を複数の組
に別け、組毎に鋸断順序を最適化したのち、組間で鋼片
の交換が行なわれる。第3の発明に係る形鋼の鋸断方法
は、予め定められた最適な鋸断計画を探索する方法が、
遺伝アルゴリズムを用いて最適な鋸断計画を探索する方
法である。
【0016】本発明にあっては遺伝アルゴリズムを用い
て最適鋸断計画が探索される。第4の発明に係る形鋼の
鋸断方法は、遺伝アルゴリズムを用いて最適な鋸断計画
を探索する方法が、初期解として第1段階で紐付けられ
た複数の鋼片の配列を使用し、世代交代戦略としてエリ
ート保存戦略を使用する。
【0017】本発明にあっては、初期解として第1段階
で紐付けられた配列が、世代交代戦略としてエリート保
存戦略が使用される。第5の発明に係る形鋼の鋸断方法
は、最適性評価式が、歩留り、生産能力、および労働生
産性をそれぞれ数値化した評価値と生産ニーズに応じて
定まる対応する重みとの乗算値の和である。
【0018】本発明にあっては、最適評価式が歩留り、
生産能力、および労働生産性に基づいて決定される。第
6の発明に係る形鋼の鋸断方法は、操業形態に基づく生
産能力および労働生産性の評価値および対応する重み係
数を、精整、倉庫等の設備の操業形態のシミュレーショ
ンモデルを用いたシミュレーションによって求める。
【0019】本発明にあっては、労働生産性の評価値お
よび重み係数がシミュレーション結果に基づいて決定さ
れる。第7の発明に係る形鋼の鋸断方法は、歩留りが圧
延歩留りおよび注文消化比率の少くとも1つにより、生
産能力が、鋸断パス回数、冷却床取込み列数、ローラ矯
正機短尺集中比率、ローラテーブル搬送本数、パイル削
減率、台車積載重量、倍尺材採取間隔および倉庫単一棟
製品集中比率の少くとも1つにより、労働生産性が、パ
レット積載サイクルおよびパイル削減率の少くとも1つ
により、決定される。
【0020】本発明にあっては、歩留り、生産能力およ
び労働生産性が複数のパラメータに基づき決定される。
【0021】
【発明の実施の形態】図1の(A) は、鋸断計画を作成
するための基本的な概念を説明する模式図である。この
図1の(A) において実線a は、製造設備および圧延の
制約条件下で、注文明細に応じて最高の効率が発揮され
るよう鋼片設計に基づき製造、調達された鋼片k1 、k
2 、・・・kn であり、その鋸断順は予め決められてい
る。
【0022】例えばH形鋼のウェブ高さとフランジ幅や
品種毎に決められる製品シリーズ(実線b)、ウェブ
厚、およびフランジ厚を基準に決められる製品サイズ
(実線c)、鋼種(実線d)、その他種々の制約条件を
グルーピングして決められた制約レベル(実線e)等の
圧延制約条件に基づき、注文の紐付けと鋸断順が設定さ
れ、鋸断計画が作成される。本例では注文明細Tに応じ
て先ずH形鋼のウェブ高さとフランジ幅、外法一定H形
鋼あるいはその他通常のH形鋼、高炉材、電炉材等の製
品シリーズを最優先して注文の紐付けが行われる。本例
では実線aの圧延順に対し、ウェブ高600mm×フラン
ジ幅200mmの高炉材を優先して紐付けする例を示して
いる。
【0023】次いで製品シリーズ毎に注文明細に応じて
ウェブ厚、およびフランジ厚を基準として注文が紐付け
られるが、本例ではウェブ高600mm×フランジ幅20
0mmの製品シリーズの中で、ウェブ厚11mm×フランジ
厚17mmのものをを優先する例を示している。さらに特
殊鋼か、40kg級か、50kg級かの鋼種等に応じて
注文が紐付けられ、最後に注文の紐付けの中で許容公差
等の厚み制約、ショット等の表面清浄化処理の有無など
の制約レベルでの注文の紐付けがなされる。これらはそ
のときの注文明細で、当該設備、圧延制約条件などに応
じ最高の効率が発揮されるように製品のシリーズ、サイ
ズ、鋼種、制約レベルごとにグルーピングされた単位グ
ループ(g1、2 、g3 、・・gn 、以下この単位グル
ープを総称して単位グループgと言う)が決定され、そ
の中で最終的に注文明細に紐付いた鋸断順が決定され、
鋸断計画が作成される。
【0024】図1の(B) は前記制約レベル単位のより
具体的な一例を示すもので、例えば制約レベル1は最も
制約条件が厳しく、制約レベル2は制約レベル1に次い
で厳しいもの、制約レベル3は最も制約の緩いものを示
す。最初の単位グループg1 では制約の厳しい制約レベ
ル1を優先的に紐付けし、鋸断順を決めていく。個々の
鋼片例えばk2 において制約レベル1のみでの紐付けで
は端数が生じるような場合、歩留まりを高めるために、
制約レベル2および制約レベル3を組み合せる紐付けが
行われる。従って紐付け割合は、制約レベル1の紐付け
が進む単位グループg1 の後半にいくに従って高くな
る。同様に単位グループg2 では制約レベル2を優先的
に紐付けしていくが、歩留まりを高めるために、制約レ
ベル3の紐付けも行われる。
【0025】さて、本発明においては、前記単位グルー
プgに対して、先ず適当な最適化手法を用いて、1以上
の注文の紐付けとその鋸断順を個々にもしくは2以上の
まとまり単位で組み替えた鋸断計画を複数作成する。最
適化手法としては、山登り法、エキスパートシステム、
遺伝的アルゴリズム等があり、当該条件に適したものを
適宜選択し、適用すればよい。
【0026】複数の鋸断計画の作成後、各々の鋸断計画
について、景気変動、市場動向、事業戦略などによって
決まる生産ニーズに応じて評価式に基づく評価を行い当
該操業下での最適な鋸断計画を求める。図2は本発明の
基本的な構成を示すフロー図であり、最適化手法として
遺伝的アルゴリズム(以下GAと呼ぶ)を用いた実施例
を示すものである。この図1に基づき本発明のより具体
的な鋸断計画の立案方法について説明する。
【0027】本実施例で用いたGAは、周知のように生
物進化(選択淘汰・突然変異)の原理に着想を得たアル
ゴリズムであり、確率的探索・最適化の一手法と考える
ことができ、集団で解探索を行い多目的な最適化問題に
高い効果を発揮するという特徴を有している。この特徴
は、最も有望な解を選んで探索を行うため、単一目的の
場合に高い効果を発揮する山登り法や、探索手順が確立
しておらず経験的ルールによって並び替えが可能なエキ
スパートシステムに比べ、本発明が対象とする探索手順
が確立しておらず、かつ種々の品種、注文構成に応じ、
歩留り向上、生産能力向上、労働生産性向上などの複数
の目的を同時に達成する鋸断計画を作成することに対し
て極めて効果的なものである。
【0028】このGAの基本的枠組みは図3に示す通り
である。まず初期解集団として解候補を乱数などによっ
て複数解生成する(ステップ31)。次に初期解集団の
中から乱数などによってある任意の数の解を選択し、そ
の解に対し交叉(ステップ32)、突然変異(ステップ
33)といった並び替え操作を行う。その結果生成され
た複数の解の中からユーザによって設定される最適性評
価式によって評価を行い(ステップ34)、複数の特定
解を残し、次世代の解候補集団を生成するという世代交
代を行う(ステップ35)。その後上記の処理を設定さ
れた回数繰り返されたかという終了判定を行い(ステッ
プ36)、最終的に解候補集団の中から最適性評価式に
最もかなった解を1つ選択することによって解の最適化
を図るのがGAの基本的手法である。
【0029】このGAを産業上に適用する試みも種々な
されており、例えば公開平6−142725号公報に開
示されている板取り方法、特開平9−94646号公報
に開示されている連続鋳造における鋼片切断制御方法な
どが提案されている。前者の板取り方法は、板取りとい
う2次元問題に対しGAを適用し、鋼片の使用順と注文
の充当順を決定するものであるが、その最適性評価で
は、歩留り、鋼片の製造順と段取りロス時間が配慮され
ているだけに過ぎず、後工程の生産能力や労働生産性に
ついては考慮されていない。また後者の連続鋳造におけ
る鋼片切断制御方法は、連続鋳造される鋳片の切断に対
しGAを適用し、指定長、2次切断回数、切断残屑など
から構成される評価関数が最大となる鋳片長を決定する
ものであるが、本発明が対象とする鋸断計画では前述し
たように鋼片が大量に存在し、鋼片自体の並びも鋸断計
画に影響するのに対し、連続鋳造される鋳片は1つのみ
であるという大きな相違がある。
【0030】本発明は、前述したGAの特徴を最大限活
用し、歩留りや鋸断機以降の精整設備の生産能力を低下
させることなく、かつ倉庫、沿岸などの生産性を向上さ
せるといった複数の目的を同時に満たしつつ、ロールご
とに変化する品種構成や注文構成に柔軟に対応し、極め
て短い処理時間で効率的に製品の鋸断順を決定する形鋼
の鋸断計画の作成に適用したものである。
【0031】図2に示す実施例は、前記図1に基づいて
説明した単位グループg について最適な鋸断計画を策定
するまでの手順を示すフロー図である。図2においてI
は、初期解集団を示し、本実施例では、三つの解候補
(Ia,Ib,Ic)を設定する。即ちこの解候補は、
注文明細の紐付けと鋸断順からなる鋸断計画に相当する
もので、図4に示すように製品の鋸断順を遺伝子座、個
々の製品毎に付与される識別番号を遺伝子とみたてた染
色体で表現する。
【0032】なお、本発明において製品とは前記した注
文明細に従って鋼片から実際に採取された最終製品とし
ての個々の製品のことを言い、言わば鋼片から実際に採
取する実態を指し、個々の製品はユニークであるものと
する。前記製品に対し注文とは同一長さ、同一河岸など
の同一属性でまとまった実態のない情報を指すものとす
る。
【0033】図4に示す初期解Iaは、図1のグループ
gごとに作成された一次鋸断計画をそのまま導入したも
のであり、遺伝子座としての製品の1から7までの鋸断
順と、遺伝子としてその鋸断順に対応した製品の識別N
o. がa〜gへと順次割り振られている。これに対し初
期解Ib,Icは、グループgごとに適宜乱数等によっ
て、遺伝子座と遺伝子の割り振りを行って設定されたも
のである。
【0034】このようにして生成された初期解集団Iに
対してGA手法の交叉、突然変異、縮退防止、最適性評
価処理を行い、世代交代を行わせる。図5および図6は
その具体例を示すもので、まず図5は、初期解集団I の
中から評価値の高い解が高い確率で選択されるように、
後述する最適性評価式によって算出された値に比例した
確率で2つの交叉ペア(親1、親2)を選択し、ユーザ
によって設定された確率で交叉を行い、新たな解候補
(子1、子2)を生成する過程を示す。具体的には、選
択された2つの各親について、クレーンによる一括搬送
が可能な組込み単位や冷却床取込み効率の高い注文の長
さ組み合わせ単位となるように2つの交叉点を決め並び
替えを行うことで、いったん生成された良い並びを維持
したまま、新たな並びを作成することが可能となり、効
率良く短時間で最適な鋸断計画を作成することが可能と
なる。図5で言うならば、親1の遺伝子の並びが<ab
cdefg>から<adaeefg>へ、親2の遺伝子
の並びが<cdaefbg>から<cbcdfbg>へ
と交叉点間のbcdとdaeの並びが変わること無く、
並び替えが行われることを指す。
【0035】通常、前述した交叉による並び替えのみで
は、図5の各染色体の並びのように、遺伝子が重複した
り、欠落しているため実際の鋸断計画として実施できな
い場合が多い。そこで、交叉後の染色体内の重複遺伝子
を排除し、鋸断計画の適正化を図ることによって、GA
の鋸断計画への適用が可能となる。実際に重複遺伝子が
存在し、その遺伝子を排除する場合の具体的説明を子1
が生成されるまでの過程を用いて行う。親1と親2によ
って生成されたの染色体の左(鋸断順の先頭)から交
叉点間に含まれる遺伝子と同一の遺伝子を検索し、その
遺伝子と同一の遺伝子が存在する交叉点間の遺伝子座と
同一の親1の遺伝子座に存在する遺伝子との入れ替えを
行う。つまり交叉点間と同一の遺伝子である左端のa
を、交叉点間に存在する遺伝子aの遺伝子座と同一の遺
伝子座にある親1の遺伝子cに置き換える。同様にeを
dに、dをbに順次置き換えていくことによって重複遺
伝子を排除していき、最終的に子1の<cdaebfg
>という並びを得る。同様に親1と親2の最初の並び替
えで生成された子2<cbcdfbg>は<abcdf
eg>へと並び替えが行われる。以上の並び替えを行っ
た後も、交叉点間の並びである親1のbcdと親2のd
aeの並びは維持されたまま、並び替えが行われ、組込
み単位あるいは長さ組み合わせ単位の並び替えを実現で
きる。
【0036】次に図6は、解候補集団から1つの解候補
を選択し、ユーザが設定した確率で並び替えを行う突然
変異という手順を示す。具体的には同一注文行などの同
一属性の連続した製品並びの中に存在する注文行の異な
る製品を選択し、同一属性の並びの範囲外へ移動させる
ことで、同一注文行から構成される組込み単位などの並
びを実現させることが可能となる。すなわち、同一属性
中に存在する異属性の製品である移動元の遺伝子(d)
と同一属性の連続する並びの範囲外を指す移動先の遺伝
子座(bが存在する遺伝子座)を1つづつ選択し、移動
元の遺伝子を移動先の遺伝子座に移動後、移動元から移
動先までの遺伝子<a,e,b>を移動元の遺伝子座の
方へ一つづつシフトするという並び替えを実施する。
【0037】さらに図2に示すように解候補の集団中に
複数の同一評価値をもつ解が存在する場合、一つの解の
みを残しその他の解については強制的に突然変異を施す
縮退防止を行い、解候補の多様性を維持する。以上の処
理によって得られた解候補集団の中から次の世代の解候
補とすべき解を最適性評価式により選択する世代交代を
実施する。世代交代を実施するにあたっては、世代交代
の繰り返し途中で評価値の高い解が消失することを回避
するため、当該世代の解候補集団中で最も評価値が高い
解候補と次世代解候補の中で最も評価値が高い解候補と
の評価値の比較を行い、前者の方が高い場合は、次世代
候補中の最も評価値が低い解候補を前者の評価値の高い
解候補と入れ替えるエリート保存戦略手法を用いること
が好ましい。このエリート保存戦略手法を適用すること
によって、世代交代の繰り返し途中で評価値が後退する
のを避けられるとともに、前述した初期解集団の中に一
次鋸断計画を含ませておくことで最適解導出までの処理
時間短縮が可能となる。一次鋸断計画としては、歩留り
を最優先としたもの、あるいは精整設備以降の物流を優
先したもの等の中から適宜選定し、利用すればよい。
【0038】ところで図2で用いる最適性評価での最適
性評価式は、精整、倉庫等の各設備における操業形態を
モデル化したシミュレーションによって求められる評価
関数と景気変動、市場動向、事業戦略などの外的、内的
要因で決定された重み係数との演算によって設定すれば
よい。下記(1)式はその一例を示すもので、製造過程
で発生する屑化部分と注文以外の製品鋸断量の総和を最
小化する歩留りの評価値、熱間鋸断機以降の設備能力を
最大活用し、単位時間当たりの生産量を最大化する生産
能力の評価値、倉庫、沿岸荷役時などの作業、とくにク
レーン作業の生産性を最大化する労働生産性の評価値
と、その各評価値に対する当該操業条件下における影響
度合い、即ち重み係数とを演算処理することによって構
成されている。
【0039】 A=ω1 ×α1 +ω2 ×α2 +ω3 ×α3 ・・・・・・・・・・・(1) 但し、A:最適性評価値 α1 :歩留りに関する評価値 α2 :生産能力に関する評価値 α3 :労働生産性に関する評価値 ω1 :生産ニーズによって変化する歩留りに対する重み
係数 ω2 :生産ニーズによって変化する生産能力に対する重
み係数 ω3 :生産ニーズによって変化する労働生産性に対する
重み係数 重み係数ω1、ω2、ω3 は、外的、内的要因によって時々
変化する生産ニーズに対し、それが歩留り、生産能力、
労働生産性等にどの程度影響するかを表わし、過去の実
績や経験あるいはシミュレーション等によって求められ
る。また、歩留り、生産能力、労働生産性に関する評価
値は、シミュレーションなどによって決定される評価関
数から求められる。そして鋸断計画が、両者を演算した
(1)式で最適化されることで、従来の圧延歩留りを優
先したロジックによる鋸断計画の作成から、重み係数を
変化させることで時々変化する状況に応じた鋸断計画の
作成が可能となる。
【0040】尚、前述した歩留りに関する評価値の求め
方をより具体化するには、例えば下記(2)式に基づい
て歩留りに関する評価値α1 を求めればよい。 α1 =ω11×α11+ω12×α12 ・・・・・・・・・・・・・・(2) 但し α1 :歩留りに関する評価値 α11:圧延歩留り α12:注文消化比率 ω11:生産ニーズによって変化する圧延歩留りに対する
重み係数 ω12:生産ニーズによって変化する注文消化比率に対す
る重み係数 この歩留りに関する評価、即ち歩留り要因に対しては、
(総製品重量/総鋼片重量)×100で表される圧延歩
留り(α11)と、(総注文重量/総製品重量)×100
で表される注文消化比率(α12)のいずれか、あるいは
双方から設定すればよく、重み係数ω11、 ω12を予め設
定することによってその選択、および生産ニーズに対応
した歩留りに関する評価値α1 の設定が可能となる。
【0041】一方、生産能力および労働生産性は、鋸断
機を含めた精整以降の各設備との関係が深く、ローラー
テーブル、トランスファーなどの搬送設備の種類数、設
備レイアウト、設備搬送速度、一括搬送本数や各設備間
の干渉などにより大きく影響を受け、前述した歩留り評
価値のような単純な計算では定量的評価が極めて困難で
ある。そのため、鋸断計画の善し悪しは、単純計算可能
な歩留りのみが用いられていた。
【0042】本発明者らは、後述する形鋼の精整、倉庫
等の各設備における操業形態をモデル化し、そのシミュ
レーションモデルを構築して、各々の操業形態に基づく
生産能力、労働生産性に影響を及ぼす要因、その影響度
を求める評価関数と重み係数を前記モデルのシミュレー
ションによって求め、生産能力および労働生産性の定量
的評価を可能とし最適鋸断計画の策定を実現した。
【0043】図7および図8は鋸断機以降の精整設備の
一例を示すもので、図7は熱間鋸断機から製品台車まで
の、また図8は製品倉庫の設備レイアウトである。図7
および図8において1は3連の熱間鋸断機を示し、この
熱間鋸断機1で所定の注文長さに切断された製品2は一
次冷却床3、二次冷却床4で冷却された後、ローラー矯
正機5で矯正操作が行われ、仕分棚6に収納される。ま
た仕分棚6までの各設備は、ローラーテーブル7などの
搬送設備で連接されている。また仕分棚6に収納された
製品は、組込み機8を介して台車9で製品倉庫10に搬
送される。製品倉庫10では製品11が複数の棟間をロ
ーラーテーブル12によって搬送され、クレーン13等
により仕分、搬送され、製品置場14に収納されて出荷
体制を整えることになる。とくに倉庫1棟、2棟は、製
品置場にパレット15を配置し、ローラーテーブルから
直接パレット15に製品の収納を行い、収納が完了する
と空きパレットとの入れ替えを行う直出荷操業を実施し
ている。また倍尺材は8,9,10棟に設置された二次
切断機16で注文長さに切断された後、直出荷と同様に
パレット17に製品を収納し、パレットの入れ替えを行
う。
【0044】尚、図中矢印は製品の流れ方向を示す。こ
のような精整、倉庫設備においては、3連の熱間鋸断機
1による鋸断パス総回数、一次冷却床3、二次冷却床4
の冷却床取込み列数、ローラー矯正機5における短尺集
中比率、ローラテーブル7での搬送本数、仕分棚6によ
るパイル削減率、台車9の積載重量、二次切断機16の
倍尺材採取間隔、倉庫10の1棟から10棟までの倉庫
単一棟製品集中比率等が複雑に絡み合って生産能力に影
響を与える。
【0045】また倉庫1、2棟のパレット積載サイクル
と仕分棚6によるパイル削減率が労働生産性に影響を与
える要因となる。そこで本発明者らは図7に示す精整、
倉庫の各設備のモデル化を行い、製品1本単位でその挙
動をシミュレーションし、生産能力・労働生産性要因、
その影響度を求める評価関数および重み係数を求めた。
勿論、前述した各項目は、実操業で採取したデータに基
づき求めることも可能ではあるが、シミュレーションを
用いることで、種々の品種構成あるいは注文構成に対し
鋸断計画、すなわち製品の流し方の違いによる一貫設備
能力や実操業では実現困難な各設備の単体設備能力を解
析、評価し、定量的に求められたものである。
【0046】下記(3)式は、前述した手法に基づき生
産能力に関する評価値を求める具体的な一例を示すもの
である。 α2 =ω21×α21+ω22×α22+ω23×α23+ω24×α24 +ω25×α25+ω26×α26+ω27×α27+ω28×α28・・・(3) 但し α2 :生産能力に関する評価値 α21:鋸断パス総回数 α22:冷却床取込み列数 α23:ローラー矯正機短尺集中比率 α24:ローラーテーブル搬送本数 α25:パイル削減率 α26:台車積載重量 α27:倍尺材採取間隔 α28:倉庫単一棟製品集中比率 ω21〜ω28:生産ニーズによって変化するそれぞれα21
〜α28に対する重み係数 この生産能力に関する評価、即ち生産能力要因に対して
は、鋸断機の鋸断効率向上を図る指標、すなわち3連の
熱間鋸断機の鋸刃が稼動する回数の総和である鋸断パス
総回数(α21)、冷却床の搬送効率および冷却効率の最
大化を図る指標である冷却床取込み列数(α22)、ロー
ラー矯正機に短尺が集中し搬送効率が低下するのを避け
るための指標であるローラー矯正機短尺集中比率
(α23)、鋸断後の製品を同時に同一棚へ搬送すること
で搬送効率向上を図る指標であるローラテーブル搬送本
数(α24)、仕分棚で同一向け先製品を1つにまとめ組
込み・整流を行い1パイルとすることで仕分棚以降の搬
送効率向上を図る指標であるパイル削減率(α25)、台
車の積載効率向上を図る指標である台車積載重量
(α26)、ラインに製品を滞留させることなく、かつ二
次切断機の稼働率を落とすことなく、オンラインで倍尺
材を二次切断機に供給するための指標である倍尺材採取
間隔(α27)、および製品が倉庫の特定棟に集中し搬送
効率が低下するのを回避する指標である倉庫単一棟製品
集中比率(α28)の内のいずれかあるいは2以上を組み
合わせて設定すればよく、重み係数ω21〜ω28を予め設
定することによってその選択、および生産ニーズに対応
した生産能力に関する評価値α3 の設定が可能となる。
【0047】次に下記(4)式は、前述した手法に基づ
く労働生産性に関する評価値を求める具体的一例を示す
ものである。 α3 =ω31×α31+ω32×α32・・・・・・・・・・・・・・(4) 但し α3 :労働生産性に関する評価値 α31:パレット積載サイクル α32:パイル削減率 ω31:生産ニーズによって変化するパレット積載サイク
ルに対する重み係数 ω32:生産ニーズによって変化するパイル削減率に対す
る重み係数 この労働生産性に関する評価、即ち労働生産性要因に対
しては、直出荷用パレットのパレット回転効率向上を図
る指標であるパレット積載サイクル(α31)、クレーン
などのハンドリング回数と密接に関係したパイル数の低
減を図る指標であるパイル削減率(α32)のいずれか、
あるいは双方から設定すればよく、重み係数ω31、 ω32
を予め設定することによってその選択、および生産ニー
ズに対応した労働生産性に関する評価値α3 の設定が可
能となる。
【0048】以上のようにして最適性評価式の設定を行
い、一次鋸断計画を含んだ初期解集団に対し、最適性評
価式で得られる評価値に比例した確率で任意の2つの解
候補を選択し交叉を行い、次に乱数などによって選択さ
れた解候補に対し突然変異を行い、最後に縮対防止を実
施後、得られた解候補集団の中から最適性評価式に基づ
いて次の世代に残すべく解の選択を行う世代交代までを
所定回数あるいは目標とする評価値に到達するまで順次
繰り返し実施する。所定回数あるいは目標値に到達した
解集団に対し、最適性評価式に基づいて最適な解をただ
1つ選択する処理を圧延順に従いグループ単位に順次行
うことで一次鋸断計画を修正した1ロールの修正鋸断計
画策定が可能となる。
【0049】このように単位グループg毎のGA処理を
行い、最適な鋸断計画を策定することにより歩留まりを
極めて高くすることが可能であるが、その中でも特に圧
延歩留まりを更に高めたいときには、前記図1の(B)
に示したように単位グループg毎に最適な鋸断計画を作
成した後、例えば単位グループg1 とg2 との間、ある
いは単位グループg2 とg3 との間で、製品の入れ替え
を行い、鋼片の紐付け及び鋸断順を修正すればよい。即
ち単位グループgの鋸断計画が作成された後、単位グル
ープg間で、制約のより緩い制約レベルに相当する製品
の入れ替えを行う修正操作を加えた後、前述したGA処
理を再度行い、その結果に基づく圧延歩留まりを算出す
る。その圧延歩留まりが製品の入れ替え前の圧延歩留ま
りより高ければ前記製品の入れ替えを行う修正計画を採
用し、逆に低ければ入れ替え前の元の計画に戻せばよ
い。
【0050】本発明の請求項2の「圧延歩留り設定値を
基準として注文の紐付けおよび鋸断順を修正する」とは
係る修正操作を行うことを言うものであり、圧延歩留り
設定値は、製品の入れ替え前の圧延歩留りをそのまま用
いること、あるいは過去の経験や当該操業条件等に応じ
て予め基準とすべき歩留まりを決めておき、それを用い
ることでもよい。
【0051】尚、以上の説明は、H形鋼の鋸断について
行ったが、H形鋼以外の山形鋼、溝形鋼、鋼矢板などの
形鋼にも適用できることは言うまでもない。
【0052】
【発明の効果】本発明の実施により、 (1) .予め圧延制約条件に基づき圧延順の設定された鋼
片の各々に対して、最適化手法を用いて1以上の注文の
紐付けとその鋸断順を個々に組み替えおよびもしくは2
以上のまとまり単位で組み替えた複数の鋸断計画を作成
し、次いで前記各鋸断計画について予め設定された最適
性評価式に基づき当該操業時における最適解を求めるこ
とにより前記鋸断計画を修正した修正鋸断計画を作成
し、この修正鋸断計画に基づき鋼片の鋸断を行うことが
可能となる。
【0053】(2) .一次鋸断計画はもちろんのこと、二
次、三次・・・と鋸断計画の作成が進み、鋸断間際の時
間的制約が厳しい条件下においても、良い並びを維持し
つつ注文の組み替えあるいは悪い並びを除去しつつ注文
の組み替えを行うというGAの最適化手法を用いること
により、実用に耐えうる短い時間で最適な鋸断計画の策
定が可能となる。
【0054】(3) .精整、倉庫等各設備における操業形
態をモデル化し、各々の操業形態に基づく生産能力およ
び労働生産性に影響を及ぼす要因、その影響度を求める
評価関数および重み係数を前記シミュレーションモデル
によって求め、演算処理を行うことによって鋸断計画の
最適性評価が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋸断計画を作成するための基本的な概念を説明
する模式図であり、(A)は全体模式図を、(B)は制
約レベル単位のより具体的な一例を示す模式図を表す。
【図2】本発明に基づく基本的な構成の一例を示すフロ
ー図である。
【図3】GAの基本的枠組みを示すフロー図である。
【図4】GA処理における染色体表現図である。
【図5】交叉による並び替えの一例を示す概念図であ
る。
【図6】突然変異による並び替えの一例を示す概念図で
ある。
【図7】熱間鋸断機から製品台車までの設備レイアウト
である。
【図8】製品倉庫の設備レイアウトである。
フロントページの続き (72)発明者 田内 宏明 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 Fターム(参考) 4E024 AA09 FF10 GG10 5B049 BB07 CC05 CC21 EE01 EE03 EE31 EE41

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延制約条件を満足する圧延順に配列さ
    れた複数の鋼片の各々に対して、複数の注文を紐付ける
    第1段階と、 前記第1段階で紐付けられた複数の鋼片の各々に対し
    て、予め定められた方法に従って1または2以上の注文
    を単位とする注文の入れ替えを行って複数の鋸断計画を
    作成し、その中から予め定められた最適性評価式を用い
    て最適な鋸断計画を探索する第2段階と、 前記第2段階で探索された最適な鋸断計画に従って各鋼
    片を鋸断する第3段階と、からなる形鋼の鋸断方法。
  2. 【請求項2】 前記第2段階が、 前記第1段階で紐付けられた複数の鋼片を予め定められ
    た特性ごとに組別けする組別け段階と、 前記組別け段階で組別けされた各組に含まれる複数の鋼
    片の各々に対して、予め定められた方法に従って1また
    は2以上の注文を単位とする注文の入れ替えを行って各
    組内で複数の鋸断計画を作成する組内鋸断計画作成段階
    と、 前記組内鋸断計画作成段階で作成された複数の鋸断計画
    の中から予め定められた最適性評価式を用いて各組内の
    最適な鋸断計画を探索する組内鋸断計画探索段階と、 前記組内鋸断計画探索段階で探索された各組内の最適鋸
    断計画の間で全体の歩留りが向上するように注文の紐付
    けおよび鋸断順序を修正して組別け数に対応した複数の
    鋸断計画を作成する鋸断計画作成段階と、からなる請求
    項1に記載の形鋼の鋸断方法。
  3. 【請求項3】 前記予め定められた最適な鋸断計画を探
    索する方法が、 遺伝アルゴリズムを用いて最適な鋸断計画を探索する方
    法である請求項1または2に記載の形鋼の鋸断方法。
  4. 【請求項4】 前記遺伝アルゴリズムを用いて最適な鋸
    断計画を探索する方法が、 初期解として前記第1段階で紐付けられた複数の鋼片の
    配列を使用し、 世代交代戦略としてエリート保存戦略を使用する請求項
    3に記載の形鋼の鋸断方法。
  5. 【請求項5】 前記最適性評価式が、 歩留り、生産能力、および労働生産性をそれぞれ数値化
    した評価値と生産ニーズに応じて定まる対応する重みと
    の乗算値の和である請求項1から4のいずれか1項に記
    載の形鋼の鋸断方法。
  6. 【請求項6】 操業形態に基づく生産能力および労働生
    産性の評価値および対応する重み係数を、精整、倉庫等
    の設備の操業形態のシミュレーションモデルを用いたシ
    ミュレーションによって求める請求項5に記載の形鋼の
    鋸断方法。
  7. 【請求項7】 前記歩留りが圧延歩留りおよび注文消化
    比率の少くとも1つにより、 前記生産能力が、鋸断パス回数、冷却床取込み列数、ロ
    ーラ矯正機短尺集中比率、ローラテーブル搬送本数、パ
    イル削減率、台車積載重量、倍尺材採取間隔および倉庫
    単一棟製品集中比率の少くとも1つにより、 前記労働生産性が、パレット積載サイクルおよびパイル
    削減率の少くとも1つにより、決定される請求項5に記
    載の形鋼の鋸断方法。
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