JP2000070897A - 無機化学物質系産業廃棄物の処理方法 - Google Patents

無機化学物質系産業廃棄物の処理方法

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JP2000070897A
JP2000070897A JP10243538A JP24353898A JP2000070897A JP 2000070897 A JP2000070897 A JP 2000070897A JP 10243538 A JP10243538 A JP 10243538A JP 24353898 A JP24353898 A JP 24353898A JP 2000070897 A JP2000070897 A JP 2000070897A
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cullet
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Takao Hisakado
隆雄 久角
Masaaki Haruhara
正明 春原
Minoru Koda
稔 香田
Takeshi Kamimura
武志 上村
Yoshiaki Ikeda
義昭 池田
Koichi Kamine
孝一 上根
Hideo Nagai
英男 永井
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスやセラミック等の無機化学物質系産業
廃棄物の処理において、汚染物質をガラスの塊中に封入
してしまって外部への拡散を防止するようにする。 【解決手段】 中心部にコアガラスのカレット1、最外
部にシェルターガラスのカレット2、その中間部にその
他の廃棄物ガラスのカレット3、又は他の無機化学物質
系産業廃棄物とガラスカレットの混合物をそれぞれ配置
する。電極4a,4bを介してコアガラスに通電し、そ
のジュール熱でコアガラスを加熱溶融し、その熱によ
り、順次周囲のガラスカレット3及びシェルターガラス
カレット2を溶融軟化させて一つの塊とする。冷却した
ものは、耐風化性、耐久性の優れたシェルターガラスに
より有害物質を内部に閉じ込める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業廃棄物、特
に、ガラスやセラミック等の無機化学物質系産業廃棄物
の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無機化学物質系産業廃棄物としては、例
えば、ブラウン管(化学成分:PbO,CaO,Mg
O,ZnO等)、ビデオカメラやCDピックアップ等の
レンズ製品(化学成分:PbO,BaO,La23,A
23,Sb23,Cd23,BeO,MgO,Ta2
5,Nb25等)、半導体電子製品(化学成分:Ga
As,CdS,GeO2,Gd,Be等)、コンデンサ
製品(化学成分:TiO2,BaO,Ta25等)、そ
の他加工、研磨くず(Ce23,ZrO2,CrO2等)
がある。これらガラス製品やセラミック製品の産業廃棄
物は、人体に有害な重金属等の物質を含んでいるので、
環境保全の上から、その処分には十分な配慮が必要であ
る。
【0003】従来、この種の産業廃棄物は、一般に埋立
てにより投棄していた。しかし、ガラスの中には、その
化学成分が水に容易に溶け出すものも多く、上記の理由
から、特別管理方式の埋立て、即ち、地下水などへの汚
染物質の溶出がないように、漏水防止用のシートを敷き
詰めた投棄場所に埋め立てるといった対策が講じられて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
別管理方式の埋立てにおいても、漏水防止用シートの破
損部から汚染物質が溶出したり、費用や用地問題も多
く、今や環境破壊防止のための最重要課題の一つとなっ
ている。
【0005】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、汚染物質をガラスの塊中に封入してしまって外部へ
の拡散を防止するようにした無機化学物質系産業廃棄物
の処理方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の無機化学物質系産業廃棄物の処理方法は、
中心部にコアガラスのカレット、最外部にシェルターガ
ラスのカレット、その中間部にその他の廃棄物ガラス単
体のカレット又は他の無機化学物質系産業廃棄物とガラ
スカレットの混合物をそれぞれ配置し、前記コアガラス
を加熱溶融して、その熱により、順次周囲の廃棄物ガラ
ス及びシェルターガラスを溶融軟化させた後冷却し、前
記シェルターガラスで被覆した塊とすることを特徴とす
るものである。
【0007】ここで、コアガラスは、通電し易く、発熱
し易い組成のもの、シェルターガラスは、耐風化性、耐
候性のよい組成のものを使用する。
【0008】コアガラスを加熱溶融する手段としては、
高周波加熱による方法、あるいはコアガラス部に挿入し
た電極を介してコアガラス自体に通電し、その時発生す
るジュール熱を利用する方法を採る。
【0009】上記本発明の処理方法によれば、中心部に
配置したコアガラスを加熱溶融することにより、その熱
で周囲のガラスを順次溶融軟化させ、その溶融軟化はシ
ェルターガラスに達する。そして、冷却した塊の状態で
は、耐風化性、耐候性のよいシェルターガラスが汚染物
質を含む廃棄物ガラスやセラミックを封入する。
【0010】したがって、シェルターは、ガラスである
ことが必要条件であるが、シェルターガラスにより封入
される内部のものは、必ずしもガラスのみである必要は
なく、ガラスとその他のセラミック等の混合物でもよ
い。コアガラスは、他のガラスと明確に区別されたもの
というわけではなく、最初に加熱溶融され、そこから周
囲のガラスカレットを溶融軟化していく熱源になるもの
である。ここでいう溶融は、完全に液化して混合される
状態ではなく、軟化して、熱が順次伝導されていく状態
が好ましい。
【0011】ガラスは、常温では電気絶縁体であるが、
高温の状態では導電性を帯びてくる。したがって、挿入
した電極を通してガラス自体に通電すれば、電流が流れ
ることによってジュール熱が発生し、その熱が周囲のガ
ラスを溶融軟化していく。このようにして供給された電
気エネルギーはガラスカレットの溶融のみに使用される
ので、熱効率が非常によく、かつ、ガラス中に含まれる
有害物質を外部に出すことなく、内部に閉じ込めてしま
うことになる。
【0012】なお、コアガラス部に挿入する電極は、略
一列に複数本配置し、最初中央部の一対の電極に通電し
てその間のガラスを溶融した後、その外側の一対の電極
に通電するというように、通電する電極の位置を順次ず
らせてガラスの溶融範囲を広げるようにすれば、溶融が
効率的に行われる。
【0013】また、予め電極間に接続した電熱抵抗体を
コアガラスカレット中に埋設しておけば、通電の初期に
おいてその電熱抵抗体の加熱により、コアガラスの一部
を加熱溶融して、コアガラスに導電性を生じさせること
ができる。電熱抵抗体として、やはり廃棄物である炭化
珪素を用いることも有効である。このコアガラスカレッ
トの初期加熱を高周波により行ってもよい。
【0014】ガラスの塊とした無機化学物質系産業廃棄
物は、地中に埋め込んでも、永久にその状態が保持さ
れ、地下水等への汚染物質の溶出はほとんどなくなる。
また、単に投棄するのでなく、現時点では不要、または
再生コストが高いために廃棄物としているが、近未来で
は貴重な資源として再利用するかも知れない。即ち、現
在の鉱業、採鉱より高効率でピュアーな資源として考え
られる。したがって、それまで保存しておくということ
も可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1における無機化学物質系産業廃棄物の処理方法を
示したものである。図1において、1は、例えば1〜3
mmφの径を有し、中心部に配置されたコアガラスのカ
レット、2は最外部に配置されたシェルターガラスのカ
レット、3はコアガラスカレット1とシェルターガラス
カレット2の間に配置されたその他の廃棄物ガラスのカ
レットである。コアガラスカレット1としては、通電し
易く、発熱し易い組成のものを選択し、シェルターガラ
スカレット2としては、耐風化性、耐候性のよい組成の
ものを選択する。
【0017】なお、コアガラスの組成例を(表1)およ
び(表2)に、シェルターガラスの組成例を(表3)に
それぞれ示す。理化学用ガラスやパイレックス等の硬質
ガラスは耐久性に優れているが、余熱で加熱中に分相が
起き、かえって化学的耐久性が劣化する可能性があり、
シェルターガラスとしては不適性と思われる。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】4a,4bおよび5a,5bは一端がガラ
スカレットの中に挿入された電極であり、一列に適当な
間隔を開けて配置され、少なくとも一対の電極4a,4
bはコアガラスカレット1に接している。そして、電極
4a,4bおよび電極5a,5bの他端を地上に出し
て、ガラスカレットは地中に配置されている。
【0022】そこでまず、一対の電極4a,4bに電圧
を印加すると、コアガラスカレット1に電流が流れ、そ
のためコアガラスにジュール熱が発生してその熱により
温度が上昇し、溶融する。コアガラスが溶融すると、そ
の熱が周囲のその他の廃棄物ガラスカレット3を溶融軟
化していく。溶融軟化した部分が破線で示した範囲に達
すると、電圧印加を、電極4a,4bから電極5a,5
bに切り替える。したがって、電極5a,5b間のガラ
スに電流が流れ、その時発生するジュール熱により更に
溶融軟化する範囲が広がっていき、シェルターガラスカ
レット2に達する。シェルターガラスカレット2も溶融
軟化し、各種ガラスの境界部分は一体的につながること
になる。
【0023】一般にガラスは、常温では電気絶縁体であ
るが、高温の状態では導電性を帯びてくる。したがっ
て、コアガラスカレット1として、通電し易く、発熱し
易い組成のものを配置するわけであるが、通電の初期に
おいて何らかの手段によりコアガラスの一部を加熱溶融
して、コアガラスに導電性を生じさせるようにすれば、
以降はコアガラスに電流が流れ、溶融部分が容易に広が
っていくことになる。そこで、電極4a,4b間に予め
電熱抵抗体、例えばやはり廃棄物である炭化珪素を接続
してコアガラスカレット1中に埋設しておけば、その炭
化珪素の発熱により、周囲のコアガラスカレット1の一
部を加熱溶融することができる。なお、電熱抵抗体の代
りに、外部からの高周波加熱を利用することも考えられ
る。
【0024】このようにして、全体のガラスカレットを
溶融軟化した後、自然冷却すれば、表面をシェルターガ
ラスで被覆した廃棄物ガラスの塊ができる。この塊から
内部に封入された有害物質が溶出しないようにするため
には、シェルターガラスが外部からの影響に十分耐える
特性を備えていることが必要である。即ち、1.化学的
に変化しないこと、2.機械的に外部圧力で割れないこ
と、3.物理的、熱的にクラックが入らないように熱膨
張係数を考慮し、形状も球形に近いものが望ましい。
【0025】シェルターガラスの外側に、同じシェルタ
ーガラスの粒状カレットがあってもよい。即ち、耐久性
のよい粒状カレットの中に廃棄物ガラスの一体化された
岩のような塊があると思えばよい。
【0026】このような本発明方法によりガラスの塊と
したガラス廃棄物は、地中に埋め込んでもよく、また、
単に投棄するのでなく、近未来での貴重な資源として再
利用するために保存してもよい。つまり、現時点では不
要、または再生コストが高いために廃棄物としている
が、鉱業、採鉱より出発する原材料より高効率でピュア
ーな資源として考えられるからである。いずれにして
も、ガラス廃棄物からの汚染物質が地下水等へ溶出する
のを防止することが可能になる。
【0027】(実施の形態2)実施の形態1において
は、廃棄物ガラスの塊は丸めの石や岩のような任意の形
状としたが、保存するものとしては、コストは高くなる
が、レンガやブロックのような定形状にすると管理がし
易く、また熱加工時の規格化が可能になり、作業の再現
性も容易となる。
【0028】図2は、本発明の実施の形態2における無
機化学物質系産業廃棄物の処理方法を示したものであ
る。図2において、図1と同一のものには同一符号を付
してあり、また、6は定形状の耐火物、例えば発泡アル
ミナ製レンガ、7は高周波加熱用の誘導コイルである。
【0029】耐火物6の中に、中心部にコアガラスカレ
ット1、最外部にシェルターガラスカレット2、その中
間部にその他の廃棄物ガラスカレット3が位置するよう
にそれぞれ配置し、コアガラスカレット1の中に一対の
電極4a,4bを挿入する。
【0030】まず、高周波加熱によりコアガラスカレッ
ト1の一部を加熱溶融した後、導電性を生じたコアガラ
スカレット1に電極4a,4bを通して電流を流す。コ
アガラスカレット1に電流が流れると、それによるジュ
ール熱でコアガラスカレット1は容易に溶融し、その熱
により更に回りのガラスカレット3を順次溶融軟化して
いく、溶融軟化がシェルターガラスカレット2の全体に
及び、冷却すれば、定形状耐火物の外箱を有する一体的
な廃棄物ガラスの塊となる。
【0031】耐火物6は通気性があるが、その内側に気
密性のシェルターガラスが他の廃棄物ガラスを覆ってい
るので有害物質が外部に溶出するのを防止する。そし
て、外形は、定形状であるから保存における管理がし易
い。
【0032】なお、コアガラスもシェルターガラスも概
念的な仕分けであり、全体が同一のガラスであってもよ
い。ただし、中心部は通電体、あるいは誘電体であるこ
とが望ましく、容易に発熱することが必要である。ま
た、シェルターガラスは耐風化性、耐久性に富むことが
必須である。
【0033】実施の形態2では、コアガラスカレット1
とシェルターガラスカレット2との間にその他の廃棄物
ガラスカレット3を配置した場合を説明したが、この部
分にセラミックを封入してもよい。この場合、セラミッ
クは非常に高温でなければ軟化せず、ガラス状態になら
ないので、ガラスカレットとセラミックを混合したもの
を配置するとよい。このうち、ガラスカレットが溶融軟
化することによってセラミックを固定化することができ
る。
【0034】電極は、溶融軟化したガラスから引き抜い
て、繰り返し使用することも可能であり、あるいは廃棄
物ガラス中に残してもよい。電極としては、金属全般、
炭化珪素(SiC)、カンタルスーパー(SiC+M
o)等が使用できる。
【0035】次に、具体的実施例を示す。
【0036】(実施例1)図3は、小型定形の処理方法
を示したものである。8は一般耐火粘土を用いた耐火る
つぼであり、市販品もある。ここでは、直径が略15c
mφ,高さが20cmのものを使用し、内容積として、
約7.52×π×20≒3534cm3となる。中に入れ
るガラスカレットの比重を3.5とすると約12kgと
なる。
【0037】1はコアガラスカレットで、B23−Pb
O−Tl2O系の封着用はんだガラス等に鉄などの金属の
微粉末を適量添加したものを300〜500g使用す
る。2はシェルターガラスカレットで、ブラウン管のパ
ネル部ガラスや板ガラスのカレットを耐火るつぼ8の内
壁に沿って厚さ10〜15mmをセットする。3はその
他の廃棄物ガラスカレットで、ブラウン管のネック部ガ
ラス、レンズのフリント系ガラスなど、SiO2−PbO
−Na2O系のガラス(比重約3.5位)である。4a,
4bは黒鉛製の電極であり、最大15kWのパワーをか
けることができ、リード線9により外部の電源(図示せ
ず)に接続される。7は高周波加熱用の誘導コイルであ
り、最大出力10kWである。
【0038】このようにセットした後、まず最初に、高
周波誘導加熱によりコアガラスカレット1を400〜5
00℃程度に発熱させる。コアガラスは液体状になり、
また余熱で周囲のガラスを加熱し、通電可能状態になっ
たとき、直接通電方式に切り替える。最高1000℃の
昇温でブロック状となる。
【0039】(実施例2)図4は、中型準定形の処理方
法を示したものである。11は断熱材としての耐火レン
ガであり、35cm角に地中に埋めて四方に立てる。底
にはレンガを用いない。内容積を35cm(縦)×35
cm(横)×30cm(高さ)とすると、ガラスカレッ
トの比重3.5で、およそ120kgとなる。
【0040】1はコアガラスカレットで、遅延線ガラ
ス,レンズなどのSiO2−PbO系のガラスにNa2Oを
20%位になるように添加する(1〜2kg)。2はシ
ェルターガラスカレットで、板ガラス,びんガラス等の
カレット、3はその他の廃棄物ガラスで、遅延線ガラ
ス,フリント系光学ガラス,ブラウン管のネックガラス
等のカレットおよびその加工スラッジ,スクラップ等の
廃棄物をPbOの含有率が50%位に調整する。
【0041】4a,4bは黒鉛製の電極で、最大45k
W,電圧150V,電流300Aとし、リード線9で外
部の電源に接続する。12は、コアガラスカレット1内
に埋め込み、最初にコアガラスカレット1を加熱するた
めの電熱抵抗体であり、炭化珪素(SiC)が用いられ
ている。
【0042】以上のようにセットし、最初、電熱抵抗体
12に通電することにより発熱させ、コアガラスカレッ
ト1を溶融する。コアガラスにNa2Oを添加することに
より、通電性を良くし、粘性を下げることができる。コ
アガラスの溶融により、ガラス自体に電流が流れ、その
ジュール熱により周囲のガラスを順次溶融軟化してい
く。溶融軟化領域が電極4a,4bまで達すると、通電
電極を電極4a,4bに切り替え、シェルターガラスカ
レット2まで溶融軟化させ、一体的に接合させて一つの
塊とする。
【0043】従来、廃棄物ガラスを耐火物製るつぼに入
れ、電気炉で加熱溶融してガラス化し、有害物質を封じ
込める方法も提案されている(例えば特開平7−804
32号公報)。しかしこの場合は、るつぼ内で液化状態
になるまで加熱されるので、大気中への有害物質の拡散
も起こり得る。
【0044】本発明は、コア部、その他の廃棄物部、シ
ェルター部をセットとし、コア部を発熱させてこれを熱
源とし、その余熱で、内部から周囲に向かって順次溶融
軟化させ、一体化していくところに最大の特徴を有し、
これにより、加熱中における大気への有害物質の拡散も
なく、かつ、耐風化性、耐久性の優れたシェルターガラ
スにより有害物質を内部に閉じ込めることができるもの
である。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ガラスやセラミック等の無機化学物質系産業廃棄物の処
理において、加熱溶融したコア部を熱源として周囲の廃
棄物ガラス及びシェルターガラスを順次加熱軟化してい
き、全体としてガラス化された塊を形成することによ
り、加熱中における大気への有害物質の拡散を防止する
とともに、耐風化性、耐久性の優れたシェルターガラス
により有害物質を内部に閉じ込めることができるので、
環境の汚染を防止することができる。また、現時点では
不要、または再生コストが高いために廃棄物としている
が、近未来では貴重な資源として再利用することも可能
である。
【0046】本発明方法は、廃棄物の量の多少に関係な
く、処理が可能であり、量が少ないときには、加熱手段
として高周波加熱のみでも可能である。また、処理設備
が簡単であるとともに、るつぼや耐火煉瓦を使用しなく
ても処理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における無機化学物質系
産業廃棄物の処理方法を示す模式図
【図2】本発明の実施の形態2における無機化学物質系
産業廃棄物の処理方法を示す模式図
【図3】本発明の具体的実施例1における小型定形の処
理方法を示す図
【図4】本発明の具体的実施例2における中型準定形の
処理方法を示す図
【符号の説明】
1 コアガラスカレット 2 シェルターガラスカレット 3 その他の廃棄物ガラスカレット 4a,4b,5a,5b 電極 6 耐火物 7 誘導コイル 9 リード線 11 耐火レンガ 12 電熱抵抗体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 香田 稔 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 上村 武志 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 池田 義昭 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 上根 孝一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 永井 英男 埼玉県上尾市緑丘5−1−9

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心部にコアガラスのカレット、最外部
    にシェルターガラスのカレット、その中間部にその他の
    廃棄物ガラス単体のカレット又は他の無機化学物質系産
    業廃棄物とガラスカレットの混合物をそれぞれ配置し、
    前記コアガラスを加熱溶融して、その熱により、順次周
    囲のガラス及びシェルターガラスを溶融軟化させた後冷
    却し、前記シェルターガラスで被覆した塊とすることを
    特徴とする無機化学物質系産業廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】 コアガラスは、通電し易く、発熱し易い
    組成のものからなることを特徴とする請求項1記載の無
    機化学物質系産業廃棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】 シェルターガラスは、耐風化性、耐候性
    のよい組成のものからなることを特徴とする請求項1記
    載の無機化学物質系産業廃棄物の処理方法。
  4. 【請求項4】 コアガラスの加熱溶融は、高周波加熱に
    よることを特徴とする請求項1記載の無機化学物質系産
    業廃棄物の処理方法。
  5. 【請求項5】 コアガラスの加熱溶融は、前記コアガラ
    ス部に挿入した電極を介してコアガラス自体に通電し、
    その時発生するジュール熱を利用することを特徴とする
    請求項1記載の無機化学物質系産業廃棄物の処理方法。
  6. 【請求項6】 コアガラス部に挿入する電極は、略一列
    に複数本配置し、最初中央部の一対の電極に通電してそ
    の間のガラスを溶融した後、その外側の一対の電極に通
    電するというように、通電する電極の位置を順次ずらせ
    てガラスの溶融範囲を広げることを特徴とする請求項5
    記載の無機化学物質系産業廃棄物の処理方法。
  7. 【請求項7】 電極への通電の初期において、電極間に
    接続しコアガラスカレット中に埋設した電熱抵抗体、ま
    たは高周波加熱により、予めコアガラスの一部を加熱溶
    融することを特徴とする請求項5または6記載の無機化
    学物質系産業廃棄物の処理方法。
  8. 【請求項8】 電熱抵抗体は、炭化珪素からなることを
    特徴とする請求項7記載の無機化学物質系産業廃棄物の
    処理方法。
JP10243538A 1998-08-28 1998-08-28 無機化学物質系産業廃棄物の処理方法 Pending JP2000070897A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012040471A (ja) * 2010-08-16 2012-03-01 Fujitsu Ltd ガラス封止パッケージ及び使用済み部材の利用方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012040471A (ja) * 2010-08-16 2012-03-01 Fujitsu Ltd ガラス封止パッケージ及び使用済み部材の利用方法

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