JP2000070627A - 異種膜材組み合わせエアフィルタ - Google Patents

異種膜材組み合わせエアフィルタ

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JP2000070627A
JP2000070627A JP10286851A JP28685198A JP2000070627A JP 2000070627 A JP2000070627 A JP 2000070627A JP 10286851 A JP10286851 A JP 10286851A JP 28685198 A JP28685198 A JP 28685198A JP 2000070627 A JP2000070627 A JP 2000070627A
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activated carbon
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hepa
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Yoko Tanabe
庸子 店部
Akira Tanaka
亮 田中
Kei Miyata
圭 宮田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線グラフト重合反応を利用して製造され
るイオン交換フィルタと、活性炭フィルタと、ヘパフィ
ルタ又はウルパフィルタ又はエレクトレットフィルタと
の性能を共に持ち合わせ、かつ、これら三種のフィルタ
を併用することにより、低圧力損失化、小型化、軽量化
でき、かつ防塵面に優れ、および有機物を除去しかつ三
フッ化ボロンによる汚染の心配のない異種膜材組み合わ
せプリーツ型エアフィルタを提供する。 【解決手段】 エレクトレットフィルタを有する膜3
と、活性炭を有する膜1と、放射線グラフト重合反応に
よって製造されるイオン交換フィルタを有する膜2によ
り形成され、気体中の汚染物質を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアフィルタに係
り、気体中に含まれる汚染物質、特に、イオン交換物質
を吸着除去することができる異種膜材組み合わせエアフ
ィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の技術の進歩により、放射線グラフ
ト重合反応を利用して製造されるイオン交換不織布を利
用した化学吸着フィルタや、セルロース系、アクリル系
及びリグニン系繊維を炭化賦活した活性炭素繊維を利用
した吸着フィルタが実用化されている。
【0003】活性炭素繊維やイオン交換繊維が、空気中
に存在するアンモニア等のイオン又はミストに含まれる
フッ酸や塩酸等のイオン物質を、効率よく吸着、除去で
きることは、周知のことである。また、活性炭素繊維
は、例えばトルエン、トリクロルエタン、シクロヘキサ
ン及びメタノール等の有機物を高い効率で吸着、除去す
ることが可能である。
【0004】クリーンルーム等の特殊空間を循環してい
る空気から、ガス状又はミスト状のイオン物質や有機ガ
スを除去するフィルタの必要性が高まっているが、現状
においては、対象成分に応じて選定した既成のイオン交
換フィルタや活性炭フィルタを単に組み合わせて使用し
ている。
【0005】また、クリーンルームで使用している内装
材の露出面積のうち、ヘパ(HEPA)又はウルパ(U
LPA)フィルタ濾材面積は、床面積の約40倍にのぼ
るが、ボロンはLSI製品の動作不良の原因となる。す
なわち、ガラス繊維製のヘパ又はウルパフィルタ濾材に
は約10%もの酸化ボロンが含まれているため、ボロン
の揮発、HFとの反応でできるフッ化ボロンによる汚染
が深刻化している。従って、ガラス繊維製のヘパ又はウ
ルパフィルタに代わり、ポリフッ化エチレン系繊維のヘ
パ又はウルパフィルタあるいはポリフッ化エチレン系繊
維のエレクトレットフィルタが使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】半導体工場等のクリー
ンルームにおいては、トータルの有機物の濃度は非常に
高く、活性炭素繊維の特質は物理吸着であるところか
ら、選択的に製造工程上有害な有機物のみ除去すること
はできない。そのため長寿命の設計をするためには充填
量を上げざるを得ず、この処置は圧力損失の原因にもな
る。しかも、通常プリーツ型フィルタは流路確保のため
セパレータを使用する。これは除去に寄与しない上に、
重量、圧力損失増加の原因になるため、セパレータをな
るべく少なくすることが望まれている。また、繊維を炭
化賦活させて作るため、活性炭素繊維は、むき出しのま
までは発塵する不都合がある。
【0007】活性炭素繊維プリーツ型フィルタは、中性
能フィルタや静電フィルタで包むことにより、発塵を防
止することが可能であり、現に採用されているが、特に
メンテナンス時の発塵は深刻であり、更なる対処策が求
められている。
【0008】また、三フッ化ボロンによる汚染防止に関
してはガラス繊維のヘパ又はウルパフィルタはボロンを
除去できないばかりか、ホウ珪酸ガラスで作られている
ため酸化ボロンを含み、そのため空気中のフッ化水素ガ
スと反応し、フッ化ボロン発生の原因となり、ポリフッ
化エチレン系繊維のヘパ又はウルパフィルタあるいはポ
リフッ化エチレン系繊維のエレクトレットフィルタにつ
いてみても、HFとの反応がないだけで、ボロン自体を
除去できないため、集積度が上がると微量のボロン対策
には不十分となる弱点を有している。
【0009】本発明は、上記種々の問題点を解消するべ
く、放射線グラフト重合反応を利用して製造されるイオ
ン交換フィルタと、活性炭フィルタと、ヘパフィルタ又
はウルパフィルタ又はエレクトレットフィルタとの性能
を共に持ち合わせ、かつ、これら三種のフィルタを併用
することにより、低圧力損失化、小型化、軽量化でき、
かつ防塵面に優れ、および有機物を除去しかつ三フッ化
ボロンによる汚染の心配のない異種膜材組み合わせエア
フィルタを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、大気を濾過
する膜材を、ヘパフィルタ、ウルパフィルタおよびエレ
クトレットフィルタのうち少なくとも1つと、活性炭と
放射線グラフト重合反応によってイオン交換基を導入し
た高分子繊維にて構成することにより解決され、好まし
くは、活性炭の膜材の上流側に放射線グラフト重合反応
によってイオン交換基を導入した高分子繊維を積層し、
さらに活性炭の下流側にヘパフィルタ、ウルパフィルタ
およびエレクトレットフィルタのうち少なくとも1つを
積層し、一体化を可能にした本発明による異種膜材組み
合わせエアフィルタによって解決される。
【0011】又、好ましくは極端にスペースの限られた
箇所にフィルタを設置する場合には、次のフィルタ
(A)〜(C)のいずれかを用いる。 (A)膜通気抵抗の低い活性炭フィルタと、放射線グラ
フト重合反応を利用して製造されるイオン交換フィルタ
と、エレクトレットフィルタとを平板状に積層したもの
(平板状とはプリーツ状織りしていないものをいう)。 (B)下記(ア)、(イ)からなる異種膜材組み合わせ
フィルタ、(ア)膜通気抵抗の高いヘパ、ウルパフィル
タのみプリーツ加工、(イ)膜通気抵抗の低い活性炭フ
ィルタと、放射線グラフト重合反応を利用して製造され
るイオン交換フィルタとを、平板状に積層。 (C)ヘパ、ウルパまたはエレクトレットフィルタ、活
性炭フィルタ、イオン交換フィルタをプリーツ状に共織
りしたもの。 これにより同様に上記課題が解決される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の異種膜材組み合わせプリ
ーツ型エアフィルタの構成においては、イオン交換基を
導入した高分子繊維、活性炭及びガラス繊維製又はポリ
フッ化エチレン系の繊維のヘパ又はウルパフィルタ若し
くはポリプロピレン製のエレクトレットフィルタを用い
るものであり、イオン交換基を導入した高分子繊維は、
有機高分子で構成される基材、例えばポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリマーや綿、羊毛等の天然高分子繊
維や織布等に、先ず電子線やガンマー線等の電離放射線
を照射して多くの活性点を発生させ、これにスルホン
基、カルボキシル基、アミノ基等を持つ単量体を化学結
合させることにより得ることができる。上述のイオン交
換基は、陽イオン単独、陰イオン単独又は陰陽両イオン
の組み合わせの群の中から選ぶことができる。
【0013】上記の電離放射線の照射で発生した活性点
は、非常に反応性が高くラジカルと言われ、上記のよう
な遊離基を持つ単量体を化学結合させることにより、基
材の性質とは別に単量体の持つ性質を付与することがで
き、この技術は、基材に単量体を接ぎ足すようになるた
め、グラフト(接ぎ木)重合法と呼ばれている。
【0014】上記、放射線グラフト重合法によって、例
えばポリエチレン不織布基材にイオン交換基であるスル
ホン基、カルボキシル基、アミノ基等を持つ単量体とし
て、例えばスチレンスルホン酸ナトリウム、アクリル酸
及びアリールアミン酸等を結合させると、脱塩や純水の
製造等に使用されるビーズ状のイオン交換樹脂と呼ばれ
るイオン交換体よりも格段にイオン交換速度の高い不織
布様のイオン交換体を得ることができ、また、イオン交
換基を導入可能な単量体として、例えばスチレン、クロ
ルメチルスチレン、グリシジルメタクリレート、アクリ
ロニトリル及びアクロレイン等を基材として、放射線グ
ラフト重合させた後、イオン交換基を導入しても同様に
基材の形状を保持した状態のイオン交換体とすることが
できる。
【0015】活性炭としては、活性炭素繊維、例えばセ
ルロース系繊維を焼結賦活した構成のものを使用するこ
とができるが、これに制限されるものではなく、エアフ
ィルタ向けとして、発塵が少なく、加工性が良く、粒状
活性炭よりも細孔が微小で比表面積の大なるものであれ
ば市販品を含めていずれの素材のものを用いてもよく、
粒状の活性炭と同様に、有機、無機性の硫黄化合物、油
分及び臭気成分等を吸着除去する。また粒状活性炭を担
持体に組み込んだものでもよい。粒状活性炭でも、粒と
粒の空間を均一に保ち、圧力損失を押さえつつ平板状に
形成することができる。
【0016】本発明は、放射線グラフト重合反応を利用
して製造されるイオン交換フィルタと活性炭フィルタと
ガラス繊維製又はポリフッ化エチレン系の繊維のヘパま
たはウルパフィルタもしくはポリプロピレン製のエレク
トレットフィルタの3つの性能を併せ持つ異種膜材組み
合わせプリーツ型エアフィルタに関し、これを図の例で
示すと、図1は下流となる面にポリフッ化エチレン系繊
維のヘパまたはウルパフィルタもしくはポリプロピレン
製のエレクトレットフィルタ3を、上流に上述のイオン
交換フィルタ2をちょうど活性炭の一例としての活性炭
素繊維1を挟み込むように共にプリーツ状に織り込み一
体化したフィルタユニットを示したものである。また、
図2は、上流側にイオン交換フィルタ2と活性炭素繊維
1を共に織り、下流側にヘパまたはウルパまたはエレク
トレット3を単独に織り、直列方向に重層することで、
小型、軽量、一体化を可能にしたフィルタユニットを示
したものである。
【0017】図1のエアフィルタによる場合、被吸着物
が直接に活性炭素繊維1に接触しない構造となっている
ので、有機物やイオンの除去性能を持たない中性能フィ
ルタや静電フィルタ等の搭載を不要とし、また、活性炭
素繊維1と高分子繊維2、ヘパまたはウルパまたはエレ
クトレット3のフィルタを個々に設置する場合に比し
て、流路確保のためのセパレータを軽減できるので、既
存のこの種のフィルタに比して、低圧力損失且つ軽量、
小型化を可能とする。活性炭素繊維1から発塵しても、
ヘパフィルタ(またはウルパフィルタまたはエレクトレ
ットフィルタ)3により有効に除去される。
【0018】図1の異種膜材組み合わせプリーツ型エア
フィルタには、上記のように利点がある反面、活性炭素
繊維1と高分子繊維2およびヘパフィルタまたはウルパ
フィルタまたはエレクトレットフィルタ3の織り込み数
を同数にすることから、活性炭素繊維1の有機物除去寿
命および高分子繊維2のイオン除去寿命とヘパフィルタ
またはウルパフィルタまたはエレクトレットフィルタ3
のごみ除去寿命との間の差が著しく大きな場合、このフ
ィルタを有効に活用し得ない場合も考慮され、また、活
性炭素繊維1および高分子繊維2とヘパフィルタまたは
ウルパフィルタまたはエレクトレットフィルタ3との間
の膜材の通気度が著しく異なる場合、それぞれ織り込み
数を自由に変えることができないため、処理風量に対す
る圧力損失を下げ得ないことも考慮される。
【0019】上記図1のフィルタに考慮される不都合を
解消するフィルタが、図2または図5に示す形状のフィ
ルタである。かかる構成にすることにより、防塵効果を
持たせることが可能であり、その上、フィルタの有効利
用と処理風量に対する圧力損失の調整を容易とする。
【0020】また、既設のクリーンルームのフィルタフ
ァンユニットは、集塵フィルタのみを装着しているとこ
ろが多く、集積密度が上がりイオンや有機物を除去する
ためにケミカルフィルタを後から設置する場合、フィル
タ奥行き高さ及び所望する処理風量下での圧力損失の条
件が規制されることが多い。つまり圧力損失を大きくし
ないでフィルタ奥行き高さを小さくしたい。その場合、
図5ではなく、図7乃至図9に示す形状のフィルタが有
効である。つまり、膜通気抵抗の高いヘパフィルタ、ウ
ルパフィルタ3のみプリーツ加工とし、活性炭フィルタ
1及び放射線グラフト重合反応を利用して製造されるイ
オン交換フィルタ2は、通気抵抗の低い素材を選び、プ
リーツ加工せず、プリーツ加工フィルタ3の上流に平板
状に積層させ、一体化したフィルタを構成する。このフ
ィルタは、有機物汚染の原因になる接着剤を使用せず、
有機物脱ガスの非常に少ない熱硬化性の樹脂をプリーツ
加工フィルタ3とフィルタ枠との接着のみに使用すれ
ば、活性炭フィルタ1及びイオン交換フィルタ2の両フ
ィルタは、完全なメカニカルシールが可能となる。
【0021】図5は、図2に示す下流側に配置されたヘ
パフィルタ又はウルパフィルタ、又はエレクトレットフ
ィルタ3と同じ小さいピッチで、且つプリーツ幅を大き
くしたものである。これによりヘパフィルタ又はウルパ
フィルタ、又はエレクトレットフィルタ3の圧力損失を
低減できる。図6は、図5に示すヘパフィルタ又はウル
パフィルタ、又はエレクトレットフィルタ3と同じ小さ
いピッチで、また同じプリーツ幅で、つまり密織りで活
性炭素繊維1と、イオン交換フィルタ2とヘパフィルタ
又はウルパフィルタ、又はエレクトレットフィルタ3と
を共織りしたものである。このように、3種のフィルタ
を共織りすることで、図5に示すフィルタと比較してセ
パレータを少なくでき、圧力損失を低減できる。また、
図5に示すフィルタと比較して小型化でき、枠も小さく
できるため、全体重量も小さくできる。
【0022】ヘパ又はウルパフィルタは捕集すべきごみ
が膜に付着してごみを捕集するもので、捕集効率を上げ
ると空気抵抗(圧力損失)を上げることになる。従っ
て、捕集効率を保つためには、圧力損失を下げようがな
い。よって少しでも圧力損失を下げるためには膜量を増
す(全長を長くする)べく、プリーツ状にすることが必
要である。一方、エレクトレットフィルタ、イオン交換
膜、活性炭膜はヘパ又はウルパフィルタと違い、捕集効
率を下げずに圧力損失(空気抵抗)を下げられる。つま
り通気性の良い濾材を使えばよい。従って、ある圧力損
失を得るのにある濾材を使うとプリーツ状にするしかな
いが、他の通気性の優れた濾材を使うと平板状とするこ
とが可能である。
【0023】図7乃至図9は、活性炭素繊維1とイオン
交換フィルタ2とを平板状のフィルタとして、ヘパフィ
ルタ又はウルパフィルタ、又はエレクトレットフィルタ
3をプリーツ状に織り込み、一体化したフィルタであ
る。ここで、活性炭素繊維1とイオン交換フィルタ2と
は枠5に自らの弾性力で押し付けられているので、接着
剤による固定が不要である。
【0024】ここで、図7は上流側に平板状のイオン交
換フィルタ2を配置し、これに積層して平板状の活性炭
素繊維フィルタ1を配置し、下流側にピッチが密のヘパ
フィルタ又はウルパフィルタ、又はエレクトレットフィ
ルタ3をプリーツ状に織り込んで、配置したものであ
る。係る配置によりイオン交換フィルタ2の交換頻度が
高い場合には、最上流に配置することで、その交換が容
易となる。図8は、上流側に平板状の活性炭素繊維フィ
ルタ1を配置し、これに積層して平板状のイオン交換フ
ィルタ2を配置し、下流側にピッチが密のヘパフィルタ
又はウルパフィルタ、又はエレクトレットフィルタ3を
プリーツ状に織り込んで、配置したものである。係る配
置により活性炭素繊維フィルタ1の交換頻度が高い場合
には、最上流に配置することで、その交換が容易とな
る。図9は、上流側に活性炭素繊維1をイオン交換フィ
ルタ2でサンドイッチ状に挟み込んだものである。交換
に際しては、これをパッケージ化して取り替えることが
好ましい。各フィルタの上記交換頻度は各フィルタの膜
量により決まる。
【0025】図7と図5を比較すると、図7のフィルタ
は図5のフィルタよりもセパレータを少なくでき(イオ
ン交換フィルタ2、活性炭フィルタ1のセパレータが不
要)、圧力損失を少なくできる。平板状にした分、図5
のフィルタよりも小さくでき、枠も小さくできるため、
全体重量も小さくできる(図8又は図9のフィルタも同
様の効果を奏する)。また、図7又は図8ともフィルタ
毎(活性炭膜、イオン交換膜、ウルパ膜毎)に交換可能
である。
【0026】通気性の良い濾材を使うことにより、圧力
損失をそのままに、エレクトレットフィルタ3、活性炭
素繊維1、イオン交換フィルタ2の全てを平板状とする
ことができる。図10は、上流側にイオン交換フィルタ
2を、その次に活性炭素繊維フィルタ1を、下流側にエ
レクトレットフィルタ3を、全て平板状として三層に配
置し、かつ一体化したものである。これにより、図5の
ものよりも小型軽量化が図れ、セパレータ不要のため、
圧力損失も低減できる。
【0027】ガラス繊維製またはポリフッ化エチレン系
の繊維製のヘパフィルタ、ウルパフィルタや、ポリプロ
ピレン製のエレクトレットフィルタは次のように作成す
る。すなわち、ガラス繊維またはポリフッ化エチレン系
繊維を集めて、不織布状に加工して、ヘパフィルタ、ウ
ルパフィルタを形成し、ポリプロピレンフィルムを割繊
(シート状のポリプロピレンフィルムを細長く裂く)
し、不織布状に加工して、上述のエレクトレットクフィ
ルタを形成する。
【0028】図2において、活性炭素繊維1と、イオン
交換基を導入した高分子繊維の不織布または織布2とを
一枚の膜形状とすることもできる。その方法としては、
図3に示すように、活性炭素繊維1と、高分子繊維の不
織布または織布2とを重ねて、無数の針4で刺すこと
で、活性炭素繊維1の中に上述の不織布または織布2を
入り込ませる。
【0029】また、イオン交換フィルタ2については、
織り込むことにより作成することもできる。すなわち、
図4に示すように、例えばイオン交換基を導入した高分
子繊維束を縦、横に交叉するように織り込むことでイオ
ン交換フィルタ2を形成する。同様に、活性炭素繊維束
を織り込むことで活性炭素繊維膜1を形成することもで
きる。
【0030】図1および図2の高分子繊維2により、従
来のポリフッ化エチレン系繊維のヘパ又はウルパフィル
タもしくは、ポリプロピレン製のエレクトレットフィル
タのみでは、除去困難であったボロンの除去も容易化す
る。
【0031】活性炭素繊維の発塵が少ない場合は、次の
ような構成も考えられる。すなわち、図1および図2で
は、上流側から順に、高分子繊維(イオン交換フィル
タ)、活性炭素繊維、ヘパフィルタ(またはウルパフィ
ルタ、エレクトレットフィルタ)という配置だが、上流
から順に、ヘパフィルタ(またはウルパフィルタ、エレ
クトレットフィルタ)、高分子繊維、活性炭素繊維とい
う配置とする。高分子繊維と活性炭素繊維とは順序を逆
にしてもよい。ヘパフィルタ(またはウルパフィルタ、
エレクトレットフィルタ)からはそれらの品種選択次第
では、有機物が発生することがあるが、上述構成による
と、この有機物を下流の活性炭素繊維で除去できる。ま
た被吸着物は直接活性炭素繊維に接触しない構造である
のは上述の図1と同じなので上記と同じ効果を奏する。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 (実施例1)既存の活性炭素繊維単独のプリーツ型エア
フィルタと、素材がセルロースの活性炭素繊維と放射線
グラフト重合反応によりスルホン基をポリエチレン不織
布基材に導入したイオン交換繊維とウルパフィルタとを
共織りにし、図1の形状に組み合わせて構成した異種膜
材組み合わせプリーツ型エアフィルタの発塵量を、線速
度(LV)を1.0m/sとして比較した結果、表1に
示すように、本発明の異種膜材組み合わせプリーツ型エ
アフィルタにあっては、粒径が0.1以上の範囲の塵を
全く認めず、既存の活性炭素繊維単独のプリーツ型エア
フィルタの成績を著しく凌駕し、中性能フィルタや静電
フィルタ等防塵機能を持った膜を併用しなくても活性炭
素繊維からの発塵を十分抑制できることが認められた。
【0033】
【表1】
【0034】(実施例2)素材がスルホン基を導入した
ポリエチレンでなるプリーツ型イオン交換フィルタと、
素材がセルロースのプリーツ型活性炭フィルタとプリー
ツ型ウルパフィルタとを個別に3段搭載した場合と、こ
れと濾材重量は変えずに実施例1と同じ異種膜材組み合
わせプリーツ型エアフィルタを製作して設置した場合の
両者の据え付け材を含めた重量を比較した結果、表2に
示すように、枠材とセパレータ及び接着剤を節約できる
分だけ、本発明の異種膜材組み合わせプリーツ型エアフ
ィルタにあっては、従来のものより軽量化することが認
められた。
【0035】
【表2】
【0036】(実施例3)既存のボロン除去フィルタと
して使用されている素材がタールピッチ系の添着活性炭
素繊維と、放射線グラフト重合反応により三級アミノ基
をポリエチレン繊維に導入して製造したイオン交換フィ
ルタのボロンの除去性能を比較した結果、表3および表
4に示すように、イオン交換フィルタが初期除去率及び
500時間後の除去率において、いずれも添着活性炭素
繊維の成績を大きく上回ることが認められた。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】表5は、次の3種類のフィルタの発塵量を
比較したものである。 (i)活性炭素繊維プリーツ型フィルタ、(ii)図5に示す
フィルタ、(iii)図7に示すフィルタ。条件としては、
(i),(ii)の活性炭素繊維は同種濾材で重量が同じであ
り、(ii),(iii)のプリーツ型ウルパは同種濾材を使用
している。また、(iii)の各膜量を決めるに当たり、(i
i),(iii)の全体としての圧力損失が揃うように各膜量
を決めている(活性炭膜、イオン交換膜、ウルパ膜)。
また、(iii)では、活性炭膜、イオン交換膜とも平板状
にするため、プリーツ状のものよりも膜量が減るので、
圧力損失を上げないために、(ii)のものよりも通気性の
良いものを使用する。この結果、図5又は図7に示す構
造のフィルタは、(i)活性炭素繊維プリーツ型フィルタ
と較べて、発塵量がはるかに少ないことが認められる。
なお、図6のフィルタも最下流側にウルパがあるので、
同様の結果を生む。
【0040】
【表5】
【0041】表6は、プリーツ型イオン交換フィルタ、
プリーツ型活性炭素繊維フィルタ、プリーツ型ウルパフ
ィルタを個別に3段搭載したもの(iv)と、図5及び図7
に示すフィルタ(ii),(iii)において、圧力損失を揃え
て寸法、重量を比較したものである。その条件として、
(iii)は(ii)よりも活性炭膜、イオン交換膜ともに通気
性の良いものを使用している。また、(iii)はフィルタ
毎(活性炭膜、イオン交換膜、ウルパ膜毎)に交換可と
している。また、(iii)は(ii)よりもセパレータを少な
くできるので、(iii)の活性炭膜、イオン交換膜、ウル
パ膜の各膜量が(ii)と同じだと圧力損失が(ii)よりも減
ってしまうので、(ii),(iii)の圧力損失をそろえるた
めに(iii)においては、活性炭膜、イオン交換膜、ウル
パ膜の各膜量を適宜、(ii)のものよりも減らすなどして
調整している。ウルパフィルタは(ii)〜(iv)とも同種濾
材を使用し、イオン交換フィルタ、活性炭素繊維フィル
タは(ii),(iv)には同種濾材を使用している。(ii)は(i
v)よりもセパレータを少なくできるので、(ii)において
は(iv)と圧力損失をそろえるために活性炭膜、イオン交
換膜、ウルパ膜の各膜量を(iv)よりも減らして調整して
いる。この結果、図7に示す構造では、図5に示す構造
と比較して大幅に高さ及び重量を低減できることが解
る。また、(ii)は(iv)と比較して高さ、重量を軽減でき
る。さらに、(iii),(ii),(iv)の順でセパレータを少
なくでき、フィルタ枠も少なくでき、小型、軽量化が可
能である。
【0042】
【表6】
【0043】
【発明の効果】本発明の異種膜材組み合わせエアフィル
タによる場合、被吸着物が直接に活性炭に接触しない構
造となっているので、従来、設置が不可欠とされている
有機物やイオンの除去性能を持たない中性能のフィルタ
や静電フィルタ等の搭載を不要とし、また、活性炭と高
分子繊維とヘパまたはウルパまたはエレクトレットフィ
ルタとのフィルタを個々に設置する場合に比して、据え
付け枠材と流路確保のためのセパレータ及び接着材等を
軽減できるので、既存のこの種のフィルタに比して、低
圧力損失且つ軽量化を可能とし、また、活性炭の層の下
流にヘパまたはウルパまたはエレクトレットフィルタの
層を設けたので、防塵効果を持たせることができ、更に
フィルタの有効利用と処理風量に対する圧力損失の調整
を容易とする等、この種のフィルタを改善するところ大
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】活性炭素繊維をイオン交換基を導入した高分子
繊維と、ヘパまたはウルパまたはエレクトレットで挟
み、共にプリーツ状に織り込んだ形状のフィルタユニッ
トを示す図である。
【図2】上流側にイオン交換繊維と活性炭素繊維を共に
織り、下流側にヘパまたはウルパまたはエレクトレット
を単独に織り、直列方向に重層することで一体化を可能
にしたフィルタユニットを示す図である。
【図3】イオン交換繊維と活性炭素繊維とを1つの膜と
して形成する方法を示す説明図である。
【図4】イオン交換繊維の一実施形態を示す平面図であ
る。
【図5】図2に示すフィルタユニットの、ヘパ、または
ウルパまたはエレクトレットのプリーツ幅を大きくした
フィルタユニットの図である。
【図6】図1に示すフィルタユニットのプリーツのピッ
チを短くしたフィルタユニットの図である。
【図7】活性炭素繊維とイオン交換フィルタとを平板状
のフィルタとして、ヘパフィルタ又はウルパフィルタ、
又はエレクトレットフィルタをプリーツ状に織り込み、
一体化したフィルタユニットを示す図である。
【図8】活性炭素繊維とイオン交換フィルタとを平板状
のフィルタとして、ヘパフィルタ又はウルパフィルタ、
又はエレクトレットフィルタをプリーツ状に織り込み、
一体化したフィルタユニットを示す図である。
【図9】活性炭素繊維とイオン交換フィルタとを平板状
のフィルタとして、ヘパフィルタ又はウルパフィルタ、
又はエレクトレットフィルタをプリーツ状に織り込み、
一体化したフィルタユニットを示す図である。
【図10】上流側にイオン交換フィルタを、その次に活
性炭素繊維フィルタを、下流側にエレクトレットフィル
タを、全て平板状として三層に配置し一体化したフィル
タユニットを示す図である。
【符号の説明】
1 活性炭素繊維 2 イオン交換基を導入した高分子繊維 3 ヘパフィルタまたはウルパフィルタまたはエレク
トレットフィルタ 5 枠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮田 圭 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 4D019 AA01 BA03 BA13 BA17 BB02 BB03 BB08 BB10 BC01 BC04 BC05 BD10 CA02 4D058 JA14 JB04 JB14 JB18 JB24 JB25 JB39 JB41 KA23 KA25 KA29 KA30 TA02 TA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エレクトレットフィルタを有する膜と、
    活性炭を有する膜と、放射線グラフト重合反応によって
    製造されるイオン交換フィルタを有する膜により形成さ
    れ、気体中の汚染物質を除去することを特徴とする異種
    膜材組み合わせエアフィルタ。
  2. 【請求項2】 ヘパフィルタ、ウルパフィルタのうち少
    なくとも1つを有するプリーツ状膜と、活性炭を有する
    膜と、放射線グラフト重合反応によって製造されるイオ
    ン交換フィルタを有する膜により形成され、気体中の汚
    染物質を除去することを特徴とする異種膜材組み合わせ
    エアフィルタ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、上記3種類の
    膜を共織りすることによりプリーツ状に一体化してある
    ことを特徴とする異種膜材組み合わせエアフィルタ。
JP10286851A 1998-06-19 1998-10-08 異種膜材組み合わせエアフィルタ Pending JP2000070627A (ja)

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