JP2000070395A - 類焼防止シ―ト、類焼防止カバ―、消火シ―ト兼防災用被服 - Google Patents
類焼防止シ―ト、類焼防止カバ―、消火シ―ト兼防災用被服Info
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Abstract
性高分子材料層だけでなく、耐火・耐熱・断熱・防水・
弾力・保護性の機能を持つ裏側の基材層との積層構造に
したので、類焼を防ぐ効果をよりいっそう高め、併せて
対象物を確実に保護することができる類焼防止シート、
類焼防止カバー、消火シート兼防災用被服を提供しよう
とするものである。 【解決手段】少なくとも放水を吸水あるいは含水可能な
吸水性高分子材料層を含み、対象物に応じて変形可能な
可撓性を備え、類焼の可能性がある場合にこの類焼防止
シートで対象物を火災から遮断するとともに、多量の水
を類焼防止シートの吸水性高分子材料層に吸収させ、含
水層を形成して類焼を防ぐようにしたことを特徴とする
類焼防止シート。
Description
層を備え、軽量で取扱いや持ち運びが簡単な類焼防止シ
ートに関するものであり、柔軟性を持っていて、縦横に
繋ぎ合わせることが可能なために対象物に対して被覆等
の適用がしやすく、しかも吸水あるいは含水させて確実
に類焼防止を図ることができる類焼防止シートを提供し
ようとするものである。
に形成することによって確実に類焼防止を図ることがで
きる類焼防止カバーを提供しようとするものである。
え、軽量で取扱いや持ち運びが簡単な消火シート兼防災
用被服に関するものであり、積層シート状のため柔軟性
があり対象物に対して被覆等の適用がしやすく、しかも
吸水あるいは含水させて確実に消火あるいは防災を図る
ことができる消火シート兼防災用被服を提供しようとす
るものである。
法等の規定により、様々な耐火構造・設備等が開発さ
れ、また普及している。一般家庭内においては、防火壁
から難燃性建材・難燃性カーテン等の使用、そして消火
器の設置等の防火対策が施されつつある。
り厳しい消防法の規定と、火災報知器や消火栓あるいは
スプリンクラー等の設置が義務づけられている。そして
従業員等に対する防火訓練等の定期的な実施等により、
防火に対する意識の向上も図られている。
は、火元となる火災の発生や失火の際の初期防止をその
対象としている。もちろん自己の責任において、火元と
なることは前記の設備等により防げる可能性が高いが、
近隣で大規模火災が発生した場合には、果たして類焼を
防ぐことができるのであろうか。
物、仏像等の重要文化財の多くは木造である。寺院等の
敷地内の建築物は、一定の間隔・距離があり類焼の可能
性は低いかも知れないが、その多くは間近に山林がある
場合が多い。また近年は水不足や空気が乾燥している場
合が多く、したがって大規模な山林火災が発生した際
に、樹木の伐採や消火剤の散布、放水だけでは類焼を防
ぐことが困難である。この大規模な山林火災の発生は、
日本だけでなく、諸外国においても解決しなければなら
ない問題である。
止カバーは、重要な建築物や仏像、絵画等には専用のカ
バーによって、また通常の場合には、繋ぎ合わせること
が可能なシートによって類焼を防ぐことを目的としてい
る。
は、初期消火のためや避難の際に好適に使用することが
可能な消火シートとして、あるいは防災コート等として
兼用できる消火シート兼防災用被服を提供することを目
的としている。
し、水濡れ被害を防ぐことを目的としたものとしては、
次のような先行技術が知られている。 1)「水塊消化防火方法」(実開昭61−284260
号公報) 含水繊維に吸水させ、水塊とすることにより水濡れ被害
を減少させるようにしたもの。 2)「漏水防止吸水シート」(実開平04−14785
0号公報) 吸水シートを利用し漏水箇所の早期発見と防炎性を目的
としたもの。 3)「吸水シート」(実開平04−234640号公
報) 集合住宅の漏水被害を防ぐことを目的としたもの。 4)「吸水シート構造」(実開平04−132934号
公報) 放水よる室内浸水、水道管破裂時の水除去を目的とした
もの。
等による水濡れ被害の減少であり、水を吸収するための
シートとしての利用である。したがって、対象物の耐熱
や断熱は考慮されておらず、類焼の防止効果は薄い。
り、着衣等に吸水させて防火用としたものとして、次の
ような先行技術が知られている。 5)「簡易断熱シート」(実開平01−145138号
公報) 金属膜と繊維質基体・スポンジ状基体を重合し、吸水シ
ートを利用した避難用頭巾・着衣。 6)「防火用着衣に使用できる複合繊維構造物」(実開
平09−267441号公報) 水を吸収させることにより耐熱性・断熱性・吸水性・保
水性および防火性を有するようにしたもの。 7)「火災等における避難用又は収用物入れボックス」
(実開昭48−94299号公報) 含水層を利用した物入れの発明。 8)「耐火断熱材および耐火断熱容器」(実開平03−
223597号公報) 耐火・断熱の機能を有するが、予め含水層を形成して保
水させておくという発明である。 10)「防火シート」(実開昭61−118728号公
報) 繊維マットとプラスチックシートを脱着自在に係合せし
めた一体化シートに構成している。使用時に吸水させ含
水層を形成させるので耐火性に優れている。溶接工事や
台所の防火等を主目的に発明されているので、軽量且つ
屈曲性にも優れている。ただし、プラスチックシートを
利用しており、そのために対象物の耐熱・防火機能は低
い。
述の通り類焼の防止を主目的とした発明ではない。この
発明の目的は、自らは防ぎようのない近隣火災や巨大火
災・山林火災等からの類焼の防止である。
らない歴史的な文化財が数多く存在する。しかも、その
ほとんどは木造建築物である。これらの重要文化財等
は、必ずや後世にまで残さなければならない。この発明
の類焼防止カバーは、これらの守らなければならない建
築物や仏像、絵画等をはじめとする、個別の国宝や重要
文化財等の類焼を防ぐために発明したものである。
漕等が設置されている場合もあるが、これだけでは背後
に迫った山林火災等から対象物を守り切るのは困難であ
る。またこれらの国宝や重要文化財が存在する場所は、
山中などの消火活動においても不便な所が多いことも事
実である。この発明の類焼防止カバーがあれば、防火漕
等の設備があるだけで非常に顕著な効果が発揮される。
そして国宝や重要文化財等を必ず後世にまで残すことが
可能となるのである。
の類焼防止カバーを用意するのは無理があると考えられ
る。しかし、だからといって歴史的な文化財以外は焼失
しても良いという理由にはならない。そこで、一般的な
建築物の類焼を防止するための、類焼防止シートも考案
した。火災の規模や対象物の大きさは、その時々におい
て当然異なる。そこで類焼防止シートは、状況により大
きさを変えられるよう、縦横に繋ぎ合わすことが可能な
形状とした。また、市街地等の火災の場合には、電柱や
電線等も考慮しなければならない。そこでの使用におい
ては、電線と類焼防止シートが接触する可能性も想定し
て、裏層は絶縁の機能も併せ持つ素材を使用するものと
した。
水層を形成する表側の吸水性高分子材料層だけでなく、
耐火・耐熱・断熱・防水・弾力・保護性の機能を持つ裏
側の基材層との積層構造にしたので、類焼を防ぐ効果を
よりいっそう高め、併せて対象物を確実に保護すること
ができる類焼防止シートもしくは類焼防止カバーを提供
しようとするものである。
ばかりでなく、初期消火のためや避難の際に好適に使用
することが可能な消火シートとして、あるいは防災コー
ト等として兼用できる、新規な消火シート兼防災用被服
を提供することをも目的としている。
トは、少なくとも放水を吸水あるいは含水可能な吸水性
高分子材料層を含み、対象物に応じて変形可能な可撓性
を備え、類焼の可能性がある場合にこの類焼防止シート
で対象物を火災から遮断するとともに、多量の水を類焼
防止シートの吸水性高分子材料層に吸収させ、含水層を
形成して類焼を防ぐようにしたことを特徴とするもので
ある。
子材料層が、ホース類等の給水手段を備えたことをも特
徴とするものである。
ズに形成され、かつ端縁に連結手段を設けることによ
り、個別の対象物を保護するために連結手段で縦横に繋
ぎ合わせることを可能としたことをも特徴とするもので
ある。
材層からなる補強層を形成した上で連結手段を設けたこ
とをも特徴とするものである。
ロープ類であることをも特徴とするものである。
着脱可能なフック類であることをも特徴とするものであ
る。
放水を吸水あるいは含水可能な吸水性高分子材料層を含
み、仏像や絵画等に代表される重要文化財や個別の重要
な対象物の外形に合わせた形状を備え、対象物の全体を
覆う専用カバーとして使用するようにしたことをも特徴
とするものである。
放水を吸水あるいは含水可能な吸水性高分子材料層を含
み、神社仏閣等の巨大建築物類の類焼を防ぐために対象
物の一面の形状に合わせた専用のハーフカバーとして使
用するようにしたことをも特徴とするものである。
放水を吸水あるいは含水可能な吸水性高分子材料層を含
む類焼防止カバーを平常時は乾燥状態で保管し、類焼の
可能性がある場合にこの類焼防止カバーで対象物を火災
から遮断するとともに、多量の水を類焼防止カバーの吸
水性高分子材料層に吸収させ、含水層を形成して類焼を
防ぐようにしたことをも特徴とするものである。
子材料層が、ホース類等の給水手段を備えたことをも特
徴とするものである。
なくとも放水を吸水あるいは含水可能な吸水性高分子材
料層と、防水シート層とを積層して所定サイズの積層シ
ートを形成し、必要に応じて積層シートの吸水性高分子
材料層に含水させて使用するようにしたことを特徴とす
るものである。
定サイズの積層シートが、その適所に連結手段を備えて
いることを特徴とするものである。
結手段が、ボタン、フック、面ファスナ等からなること
を特徴とするものである。
定サイズの積層シートが、消火シートとしての利用の場
合は、吸水性高分子材料層を裏側にして含水させて使用
し、あるいは吸水性高分子材料層を表側にして含水させ
ないで使用するようにしたことを特徴とするものであ
る。
定サイズの積層シートが、防災用被服としての利用の場
合は、吸水性高分子材料層を表側にして含水させて使用
し、あるいは吸水性高分子材料層を裏側にして含水させ
ないで使用するようにしたことを特徴とするものであ
る。
止カバーにおいては、吸水・含水を目的とする吸水性高
分子材料層を表側にして、火災から保護すべき対象物に
適用する。そして、類焼の可能性が高くなった場合に放
水等により表層に水を十分に吸収させて含水層を形成さ
せる。その後火災のために周囲の温度が高くなるにつれ
て、含水層(吸水性高分子材料層)に吸収されていた水
分が少しずつ放出されて水蒸気となる。この蒸発作用に
より、含水層の部分においては温度の上昇が相当長時間
にわたってくい止められるのである。もちろん、定期的
に放水等を続けることにより、さらに防火作用を持続さ
せることができる。
および耐水性のある基材層の防水作用によって、対象物
を水濡れから保護するとともに、基材層の耐熱・断熱・
絶縁等の作用により、より一層高い類焼防止効果が得ら
れる。
は、単に初期消火の際の消火シートとしてばかりでな
く、避難の際の防災コート等としても利用することがで
き、家庭に常備して緊急の際に簡単に使用することがで
きる。
防止カバー、消火シート兼防災用被服の実施の形態を図
面に基づいて詳細に説明する。
シートの一実施例を示す概略断面図である。類焼防止シ
ート1は、図1(a)のように放水を吸水あるいは含水
可能な吸水性高分子材料層2と、耐火および耐水性のあ
る基材層3とで構成されており、対象物に応じて変形可
能な可撓性を備えている。そして、類焼の可能性がある
場合にこの類焼防止シート1で対象物を火災から遮断す
るとともに、多量の水を類焼防止シート1の吸水性高分
子材料層2に吸収させ、図1(b)のように含水層2’
を形成して類焼を防ぐようになっている。
高分子材料層2としては、例えばポリアクリル酸ナトリ
ウム架橋体のような吸水性高分子材料が使用される。こ
れらの吸水性高分子材料には種々のグレードのものが市
販されており、吸水量も容積にして10〜500倍に及
ぶものがあるので、それらを任意に選択使用することが
できる。
ジ状、その他の形態において単独で吸水性高分子材料層
2として使用することができる。また不燃性あるいは難
燃性の繊維等と混紡したり、さらには種々の素材に混合
あるいは結合させることにより類焼防止効果を高めると
ともに、より高い強度の吸水性高分子材料層2を得るこ
とができ、この場合には基材層3を省略することができ
る。
ては、不燃性の材料、例えばアルミその他の金属製シー
ト類、不燃処理および耐水処理を施したキルティング等
の織布あるいは不織布からなる繊維シート類もしくはプ
ラスチックシート類が好適に使用することができる。ま
たこれらと、種々の発泡剤等によって低密度とした、好
ましくは不燃性の断熱層との積層構造物とすることも可
能である。このように構成した耐火および耐水性のある
基材層3は、その他に断熱性、絶縁性、耐熱性等をも備
えており、対象物を確実に保護することができる。
高分子材料層2は、この基材層3上に接着剤によって接
着したり、熱融着や縫製等の手段を使用して積層するこ
とができる。なお吸水性高分子材料層2の表面を不織布
やフィルム等で被覆することもできるが、その場合には
不織布やフィルム等を網状としたり、パンチング等の手
段で通水性のあるものとしておくことが必要である。ま
た、吸水性高分子材料層2には注水口(図示せず)を取
り付けておくことができ、そうすれば水道の蛇口等に接
続して吸水性高分子材料層2に給水することができる。
もちろん、注水口にチューブ類を連結し、これを吸水性
高分子材料層2に沿って敷設しておけばより効果的であ
る。
に形成することが可能であるが、例えば100〜150
cm四方の方形、あるいは長方形に形成することができ
る。そして火災発生時に直ちにこの類焼防止シート1を
浴槽等に貯えられた水中に浸し、水分を充分に含ませた
上で含水層2’の面を下にして、直接燃えている部分に
覆いかぶせて消火するために使用することができる。こ
れは、例えばガスコンロや調理油等の火災の消火に有効
である。
0m程度のサイズとし、さらに図2および図3のように
連結して、建築物や仏像、絵画等をはじめとする、国宝
や重要文化財等の火災から保護すべき対象物に適用する
ことができる。
縁に設けた連結手段であり、4は類焼防止シート1の基
材層3の端縁を表裏いずれかの側に折り返して形成した
補強層、5は補強層4に適宜間隔で設けた複数の小孔、
6はロープ類である。したがってロープ類6を小孔5に
通して複数の類焼防止シート1を縦横に繋ぎ合わせるこ
とにより、建築物や仏像、絵画等をはじめとする、国宝
や重要文化財等の火災から保護すべき対象物に難なく適
用することができるようになった。
類、面ファスナ等のファスナ類、ボタンやホック類、ピ
ン類、凹凸の組み合わせ、超音波加工、ホース類等を連
結手段として使用することもできる。このホース類によ
れば、前記注水口を使用して、あるいは水道の蛇口等に
直接接続して吸水性高分子材料層2に水を十分に給水す
ることができ、また相互に連結すれば、隣接する吸水性
高分子材料層2にも水を給水することができる。
プラスチックパイプや金属製のワイヤ、アングル材等を
用いた骨組みを一体的に組み込んでおくことができる。
そして類焼防止シート1が含水してもその自重に耐える
ことができ、火災から保護すべき対象物が脆弱であって
も、損害を与えないようにしておくことが望ましい。そ
の場合には屋外、屋内のどこにでも設置することができ
る。
連結手段によってその多数を連結することにより、自立
可能な防火壁としても使用することができる。さらに、
屋外においては家屋や電柱、木立等を利用して防火壁を
作り、屋内においては柱やフック(建物に備え付けの、
あるいは類焼防止シート1に予め取り付けておいた)等
を利用して防火壁を作ることができる。
畳んで保存しておき、必要が生じた時に展開して広げて
使用できるようにすることにより、保管をコンパクトに
できるようにすることが望ましい。
性が高くなった場合に、放水や給水等により表側の吸水
性高分子材料層2に水を十分に吸収させて含水層2’を
形成させることにより、防火機能を発揮させることがで
きる。すなわち、火災のために周囲の温度が高くなるに
つれ、含水層2’(吸水性高分子材料層2)に吸収され
ていた水分が少しずつ放出されて気化し、水蒸気とな
る。この作用により、含水層2’の部分において気化熱
が奪われて温度の上昇が相当長時間にわたりくい止める
ことができる。さらに定期的に吸水性高分子材料層2に
放水や給水等を続けることにより、さらに、この作用を
持続させることが可能である。
用により、対象物を水濡れから保護するとともに、基材
層3の持つ耐火・断熱・絶縁等の作用により、より一層
高い類焼防止効果が得られるようになった。
バーの実施例を示すそれぞれ概略断面図である。
可能な吸水性高分子材料層2と、耐火および耐水性のあ
る基材層3とで構成された類焼防止カバー11を、仏像
からなる重要な対象物12の外形に合わせた形状を備え
たものとしたものである。そして対象物12の全体を覆
う専用カバーとして使用するものである。
側の吸水性高分子材料層2に水を十分に吸収させて含水
層2’を形成させることにより、防火機能を発揮させる
ことができる。
可能な吸水性高分子材料層2と、耐火および耐水性のあ
る基材層3とで構成された類焼防止カバー21を、神社
仏閣等の巨大な建築物類22の外形に合わせた形状を備
えたものとしたものである。そして建築物類22の片面
のみを覆う専用のハーフカバーとして使用するものであ
る。この場合にも、使用に際して放水等により表側の吸
水性高分子材料層2に水を十分に吸収させて含水層2’
を形成させることにより、防火機能を発揮させることが
できる。
ー21に予めプラスチックパイプや金属製のワイヤ、ア
ングル材等を用いた骨組みを一体的に組み込んでおくこ
とができる。そして類焼防止カバー21が含水してもそ
の自重に耐えることができ、火災から保護すべき対象物
が脆弱であっても、損害を与えないようにしておくこと
が望ましい。
21に組み込む骨組みとは別に、独立した構造物からな
る骨組みを用意しておき、火災から保護すべき対象物に
備え付けておけばよい。このようにしておけば、類焼防
止シート1や類焼防止カバー21は軽量のままで使用す
ることができ、しかも火災から保護すべき対象物が脆弱
であっても損害を与えないようにすることもできる。
実施例を示す概略断面図である。この例では、建築物の
屋根の内張り(ルーフィング材等)として使用した場合
を示している。すなわち類焼防止シート31は、少なく
とも防水シート層32と吸水性高分子材料層33とを備
えており、瓦等の屋根材34の下に、防水シート層32
が上で吸水性高分子材料層33が下になるよう敷設す
る。
を固定した場合に、降雨等に際して吸水性高分子材料層
33が吸水するので屋根の基礎部分への雨の浸入が防止
でき、しかも吸水した水分は晴天の際に乾燥して吸水性
高分子材料層33は元の状態に復帰する。したがって、
従来の防水シートに釘等を使用して屋根材を固定した場
合のような雨漏りが確実に防止できる。
放水等により吸水性高分子材料層33に水を十分に吸収
させて含水層を形成させることにより、屋根裏全体に防
火機能を持たせて類焼防止の目的を達成することができ
る。したがって、同様に内外壁の壁材等として使用する
こともでき、建築物等になお一層効果的な類焼防止機能
を持たせることができる。
の実施例を示し、含水させて使用する場合を示す概略断
面図、図8は含水させないで使用する場合を示す概略断
面図、図9はその要部平面図である。この消火シート兼
防災用被服は、少なくとも放水を吸水あるいは含水可能
な吸水性高分子材料層42と、防水シート層43とを積
層して所定サイズの積層シート41を形成し、必要に応
じて積層シート41の吸水性高分子材料層42に含水さ
せて使用するものである。
に含水させて使用する場合を示し、(a)は消火シート
として使用する例であり、吸水性高分子材料層42を裏
側にして、吸水性高分子材料層42に含水させて火災に
直接適用するものである。また(b)は防災コートとし
て使用する例であり、吸水性高分子材料層42を表側に
して、吸水性高分子材料層42に含水させて火の粉のか
かる側に適用するものである。
し、(a)は消火シートとして使用する例であり、吸水
性高分子材料層42を表側にして、防水シート層43を
火災に適用して空気の供給を遮断して消火しようとする
ものである。また(b)は防災コートとして使用する例
であり、防水シート層43を表側にして、火の粉のかか
る側に適用するものである。
は、図9のようにその適所に連結手段を備えていること
が望ましい。この連結手段としては、ボタン44、フッ
ク、面ファスナ45等が好適に使用することができる。
図9では頭部の背後に位置する一対の面ファスナ45を
連結し、首の下側に位置する一対のボタン44を連結し
て避難する者が頭部に適用し、防災頭巾として使用する
ことができる。
所定の長さに延長し、防災コートとして使用できるよう
にしたものである。すなわち、この例の防災コートは吸
水性高分子材料層42を表側にして含水させ、これを火
の粉のかかる側に適用するものである。もちろん、表裏
を反転して使用することができる。
説明したが、学童等が災害時や緊急時の避難に際して使
用する、防災頭巾等として利用できることはいうまでも
ない。また、吸水性高分子材料層と防水シート層との2
層構造についての説明が大半であるが、サンドイッチ状
の3層構造や繰り返し積層した多層構造であってもよい
ことはもちろんである。
防止カバーにおいては、吸水・含水を目的とする吸水性
高分子材料層を表側にして、火災から保護すべき対象物
に適用する。そして、類焼の可能性が高くなった場合に
放水等により表層に水を十分に吸収させて含水層を形成
させる。その後火災のために周囲の温度が高くなるにつ
れて、含水層(吸水性高分子材料層)に吸収されていた
水分が少しずつ放出されて水蒸気となる。この蒸発作用
により、含水層の部分においては温度の上昇が相当長時
間にわたってくい止められるのである。もちろん、定期
的に放水等を続けることにより、さらに防火作用を持続
させることができる。
材層の防水作用によって対象物を水濡れから保護すると
ともに、基材層の耐熱・断熱・絶縁等の作用により、よ
り一層高い類焼防止効果が得られる。
は、単に初期消火の際の消火シートとしてばかりでな
く、避難の際の防災用被服としても利用することがで
き、家庭に常備して緊急の際に簡単に使用することがで
きる。
ー、消火シート兼防災用被服の用途を下記に列記する。 (人命を守るための用途) ・消防隊員等が火災現場等において、余りにも火力が強
い場合等に、自分自身の身を守るため、消防服の上から
被るコートもしくは退避コートとしての使用。 ・火災現場内等の人命救助を行なう際、助け出す人を包
み込む救命シート・被らせる救命コート・簡易に防火壁
としての役割を持たせる等の救出シート・火力が衰える
まで被らせておく退避シートとしての使用。 (人命と財物両方を守るための用途) ・ガスコンロ等に被せる消火シートにボタン・フック・
面ファスナ等を備え、災害時に避難する際、吸水させ防
災頭巾・防災避難用コートとしての使用。 ・通常はベッドカバー・ソファーカバー・カーテン・壁
掛け装飾品(給す移送の反対側を表にして絵等が描かれ
たもの)等として使用し、万一の場合に、吸水させ消火
シートまたは防災避難用コートとしての使用。 (財物を守るための用途) ・火災現場等において、消防機器を火災や熱・水漏れ等
から守るためのシート・カバーとしての使用。 ・火災現場等において、車両や航空機等の重要物を守る
ためのシート・カバーとしての使用。 ・重要物の輸送時等に、重要物を完全に守り切るために
の専用カバー・専用ケースとしての使用。 ・建築用資材等として、漏水防止と火災時の防火壁を兼
ね備えるために、壁の内張り、床の内張りとしての使
用。 (火災時の放水による水漏れ被害の減少にも有効) ・建物内等の簡易防火壁としてシートの使用。
明するためのものであり、(a)は吸水前の状態、
(b)は吸水後の状態を示すそれぞれ概略断面図であ
る。
ある。
めの概略斜視図である。
を示す概略図である。
て建築物に適用した例を示す概略図である。
概略断面図である。
おいて、含水させて使用する場合を示し、(a)は消火
シートとして使用する例であり、(b)は防災用被服と
して使用する例である。
おいて、含水させないで使用する場合を示し、(a)は
消火シートとして使用する例であり、(b)は防災用被
服として使用する例である。
し、防災コートとして使用できるようにした概略断面図
である。
Claims (16)
- 【請求項1】 少なくとも放水を吸水あるいは含水可能
な吸水性高分子材料層を含み、対象物に応じて変形可能
な可撓性を備え、類焼の可能性がある場合にこの類焼防
止シートで対象物を火災から遮断するとともに、多量の
水を類焼防止シートの吸水性高分子材料層に吸収させ、
含水層を形成して類焼を防ぐようにしたことを特徴とす
る類焼防止シート。 - 【請求項2】 吸水性高分子材料層が、注水口等の給水
手段を備えてなる請求項1に記載の類焼防止シート。 - 【請求項3】 一定のサイズに形成され、かつ端縁に連
結手段を設けることにより、個別の対象物を保護するた
めに連結手段で縦横に繋ぎ合わせることを可能とした請
求項1または2に記載の類焼防止シート。 - 【請求項4】 端縁に、基材層からなる補強層を形成し
た上で連結手段を設けてなる請求項3に記載の類焼防止
シート。 - 【請求項5】 連結手段がロープ類である請求項3また
は4に記載の類焼防止シート。 - 【請求項6】 連結手段が着脱可能なフック類である請
求項3または4に記載の類焼防止シート。 - 【請求項7】 連結手段が通水可能なホース類である請
求項3または4に記載の類焼防止シート。 - 【請求項8】 少なくとも放水を吸水あるいは含水可能
な吸水性高分子材料層を含み、仏像等に代表される重要
文化財や個別の重要な対象物の外形に合わせた形状を備
え、対象物の全体を覆う専用カバーとして使用するよう
にしたことを特徴とする類焼防止カバー。 - 【請求項9】 少なくとも放水を吸水あるいは含水可能
な吸水性高分子材料層を含み、神社仏閣等の巨大建築物
類の類焼を防ぐために対象物の一面の形状に合わせた専
用のハーフカバーとして使用するようにしたことを特徴
とする類焼防止カバー。 - 【請求項10】 少なくとも放水を吸水あるいは含水可
能な吸水性高分子材料層を含む類焼防止カバーを平常時
は乾燥状態で保管し、類焼の可能性がある場合にこの類
焼防止カバーで対象物を火災から遮断するとともに、多
量の水を類焼防止カバーの吸水性高分子材料層に吸収さ
せ、含水層を形成して類焼を防ぐようにしたことを特徴
とする類焼防止カバー。 - 【請求項11】 吸水性高分子材料層が、注水口等の給
水手段を備えてなる請求項8ないし10のいずれかに記
載の類焼防止カバー。 - 【請求項12】 少なくとも放水を吸水あるいは含水可
能な吸水性高分子材料層と、防水シート層とを積層して
所定サイズの積層シートを形成し、必要に応じて積層シ
ートの吸水性高分子材料層に含水させて使用するように
したことを特徴とする消火シート兼防災用被服。 - 【請求項13】 所定サイズの積層シートが、その適所
に連結手段を備えていることを特徴とする請求項12に
記載の消火シート兼防災用被服。 - 【請求項14】 連結手段が、ボタン、フック、面ファ
スナ等からなることを特徴とする請求項13に記載の消
火シート兼防災用被服。 - 【請求項15】 所定サイズの積層シートが、消火シー
トとしての利用の場合は、吸水性高分子材料層を裏側に
して含水させて使用し、あるいは吸水性高分子材料層を
表側にして含水させないで使用するようにしたことを特
徴とする請求項12ないし14のいずれかに記載の消火
シート兼防災用被服。 - 【請求項16】 所定サイズの積層シートが、防災用被
服としての利用の場合は、吸水性高分子材料層を表側に
して含水させて使用し、あるいは吸水性高分子材料層を
裏側にして含水させないで使用するようにしたことを特
徴とする請求項12ないし14のいずれかに記載の消火
シート兼防災用被服。
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