JP2000068708A - 誘電体共振器装置、送受共用装置および通信装置 - Google Patents

誘電体共振器装置、送受共用装置および通信装置

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JP2000068708A
JP2000068708A JP10235550A JP23555098A JP2000068708A JP 2000068708 A JP2000068708 A JP 2000068708A JP 10235550 A JP10235550 A JP 10235550A JP 23555098 A JP23555098 A JP 23555098A JP 2000068708 A JP2000068708 A JP 2000068708A
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dielectric resonator
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で且つ複数の共振器から成る誘電体共振
器装置および無負荷Qの高い共振器を備えた誘電体共振
器装置を構成し、また、その誘電体共振器装置を用いた
送受共用装置および通信装置を構成する。 【解決手段】 キャビティ2内に誘電体コア1を設けて
6重モードの共振器を構成し、キャビティ2内に同軸共
振器用導体6a,6bを結合用共振器として設ける。こ
れにより結合用共振器は6重モードの各モードの誘電体
共振器に並列結合して、複数の共振器から成る誘電体共
振器フィルタとして作用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多重モードの誘
電体共振器を備えた誘電体共振器装置と、それを用いた
送受共用装置および通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】誘電体内の電磁波が誘電体と空気との境
界で全反射を繰り返しながら、元の位置に同位相で戻っ
てくることにより共振する誘電体共振器は、小型で無負
荷Q(Qo)の高い共振器として用いられる。そのモー
ドには、断面が円形や矩形の誘電体棒を、その誘電体棒
を伝搬するTEモードやTMモードのs・λg/2(λ
gは管内波長、sは整数)の長さで切断した時に得られ
るTEモードやTMモードがある。そして、断面のモー
ドがTM01モードで上記s=1の場合、TM01δモ
ードの共振器が得られ、断面のモードがTE01モード
でs=1の場合、TE01δモードの誘電体共振器が得
られる。
【0003】これらの誘電体共振器は図17に示すよう
に、誘電体共振器の共振周波数を遮断する円形導波管ま
たは矩形導波管をキャビティとして、その中に円柱形状
のTM01δモードの誘電体コアまたはTE01δモー
ドの誘電体コアが配置される。
【0004】図18は上記2つのモードの誘電体共振器
における電磁界分布を示す図である。ここで実線は電
界、破線は磁界をそれぞれ示している。
【0005】このような誘電体コアを用いた誘電体共振
器によって複数段の誘電体共振器装置を構成する場合、
キャビィティ内に複数の誘電体コアを配列することにな
る。図17に示した例では、(A)のTM01δモード
の誘電体コアをその軸方向に配列するか、(B)のTE
01δモードの誘電体コアを同一平面に沿って配置する
ことになる。
【0006】このような誘電体共振器装置において、外
部結合をとる場合は、ループやアンテナ等のプローブを
共振器(共振系)内に挿入して、磁界結合または電界結
合させるようにしていた。
【0007】ところがループやアンテナを用いた外部結
合では、共振系に導体(金属)が挿入されるため、電磁
界分布に摂動が加わり、モード間の不要な結合が生じた
り共振周波数が変動してしまう。またループやアンテナ
を共振器内部に挿入することにより、電流の経路が摂動
を受け、無負荷Qが劣化する。また一つのキャビティ内
に入出力結合用のループまたはアンテナが存在するの
で、ループ間またはアンテナ間での不要な結合が生じや
すい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一方、上述の問題を解
消するものとして、誘電体共振器に結合するTEMモー
ドまたは準TEMモードの共振器を設けて、その共振器
によって外部結合をとるようにしたものが特開昭63−
232602号、実公平6−6561号、および実開平
6−44201号が示されている。
【0009】しかしながらこのような従来の誘電体共振
器装置においては、外部結合用のTEMモードまたは準
TEMモードの共振器を設ける分大型化し、フィルタを
構成する場合に、使用する共振器の段数の増加にともな
って装置全体が更に大型化するという問題があった。
【0010】一方、複数の共振器から成る装置を小型化
する技術の一つとして、誘電体共振器の多重モードを利
用する方法がある。すなわちキャビティ内に多重モード
で共振する誘電体コアを配置し、それらのモードのうち
所定のモードを利用して、複数の共振器を等価的に従属
接続した共振器装置を構成することができる。ところ
が、このような多重モードの誘電体共振器に対して上記
TEMモードや準TEMモードの外部結合用の共振器を
組み合わせる場合に、多重モードの誘電体共振器の各モ
ードのうち所定のモードにのみ外部結合用の共振器を結
合させることは設計上困難である。
【0011】この発明の目的は、小型で且つ複数の共振
器から成る誘電体共振器装置を提供すること、および無
負荷Qの高い共振器を備えた誘電体共振器装置を提供す
ることにある。
【0012】また、この発明の他の目的は、上記誘電体
共振器装置を用いた送受共用装置および通信装置を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明の誘電体共振器
は、請求項1に記載のとおり、キャビティ内に複数のモ
ードで共振する誘電体コアと、該誘電体コアの所定の複
数の共振モードに並列結合する結合用共振器と、該結合
用共振器を励振する外部結合手段とを設ける。この構造
により、誘電体コアによる複数の共振モードの共振器が
結合用共振器に並列結合された誘電体共振器装置が得ら
れる。
【0014】前記結合用共振器としては、請求項2に記
載のとおり、線状または棒状の導体とし、この導体とキ
ャビティとによって同軸共振器を構成する。また請求項
3に記載のとおり、結合用共振器として、柱状の誘電体
とキャビティとによってTMモードの誘電体共振器を構
成する。
【0015】これらの結合用共振器は、誘電体コアの複
数の共振モードのうち単一のモードに選択的に結合する
のではなく、複数の共振モードにそれぞれ結合させるも
のであるため設計が容易となる。
【0016】また、請求項4に記載のとおり、結合用共
振器と誘電体コアとの間に、所定方向を向くスリットを
形成した導体板を配置する。これにより、結合用共振器
は上記スリットの向きに応じた誘電体コアの共振モード
と選択的に結合する。
【0017】また、この発明は、請求項5に記載のとお
り、上記誘電体共振器装置により送信フィルタと受信フ
ィルタを構成し、入力ポートと入出力ポートとの間に送
信フィルタを設け、入出力ポートと出力ポートとの間に
受信フィルタを設けることによって送受共用装置を構成
する。また請求項6に記載のとおり上記誘電体共振器装
置または送受共用装置を高周波回路部に設けて通信装置
を構成する。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明の第1の実施形態に係る
誘電体フィルタの構成を図1〜図8を参照して説明す
る。
【0019】図1は誘電体共振器部分の斜視図である。
同図において1は略直方体形状の誘電体コア、2は角筒
形状のキャビティ、3は誘電体コア1をキャビティ2の
略中央部に支持するための支持体である。キャビティ2
の外周面には導電体膜を形成していて、2つの開口面に
は導電体膜を形成した誘電体板または金属板を配置して
略直方体形状のシールド空間を構成する。後に示すよう
に、キャビティ2の開口面に他のキャビティの開口面を
対向させ、所定の共振モードの電磁界を結合させる。
【0020】図1に示した支持体3は、通常、誘電体コ
ア1より低誘電率のセラミック材料を用い、誘電体コア
1とキャビティ2の内壁面との間にそれぞれ配置して焼
成一体化する。
【0021】図2〜4は図1に示した誘電体コア1によ
る共振モードを示している。これらの図においてx,
y,zは図1に示した3次元方向の座標軸であり、図2
〜図4では2次元の各面における断面図をそれぞれ示し
ている。図2〜図4における実線の矢印は電界ベクト
ル、破線の矢印は磁界ベクトル、“・”記号および
“×”記号は電界または磁界の方向を示している。な
お、図2〜図4ではx,y,zの3方向のTM01δモ
ード、同じく3方向のTE01δモードの合計6つの共
振モードについてのみ示している。実際にはこれらの高
次の共振モードも存在するが、通常はこれらの基本モー
ドを用いる。
【0022】図5は上記6重モードの誘電体共振器を用
いた誘電体フィルタの構成を示す斜視図である。誘電体
コア1は図1に示したものと同様であり、この誘電体コ
ア1をキャビティ2の中央部分に設けて6重モードの誘
電体共振器を構成する。6a,6bは同軸共振器用の導
体であり、それぞれの一端をキャビティ2に接続(短
絡)するとともにそれぞれの他端を開放端としている。
これらの同軸共振器用導体6a,6bとキャビティ2と
によって、同軸共振器用導体6a,6bを内導体、キャ
ビティ2を外導体とする同軸共振器を構成する。また、
これらの同軸共振器用導体6a,6bは図に示すように
y−z平面に平行で且つx−z平面に対して45度に傾
けて配置している。7a,7bはそれぞれ信号入出力用
の同軸コネクタであり、それぞれの中心導体を同軸共振
器用導体6a,6bの所定位置に接続している。これに
より同軸コネクタからの入力信号は同軸共振器を励振
し、また、同軸共振器の励振信号を外部へ出力する。
【0023】上記誘電体コア1と同軸共振器用導体6
a,6bとの間にはそれぞれ結合板5a,5bを設けて
いる。後述するようにこれらの結合板5a,5bには同
軸共振器と誘電体コア1の6重モードのそれぞれの共振
器との結合量を調整するためのスリットを形成してい
る。
【0024】図6は上記結合板5a,5b上での6つの
共振モードの電流分布を示している。この結合板に、電
流の向きを遮る方向に(電流の向きに直交する方向に)
延びるスリットを設けると、その共振モードの磁界がス
リットから漏れて結合板を挟む双方の共振器が磁界結合
することになる。
【0025】図7は上記結合板に形成するスリットの例
を示している。図6に示した電流分布と対比すれば明ら
かなように、スリットS1はTM01δ-xモードを除く
他の5つのモードの電流を遮る(電流経路を遠回りさせ
る)向きに形成している。またスリットS2はTE01
δ-xモード以外の5つのモードの電流を遮る向きに形成
している。従ってこの2つのスリットS1,S2によっ
て、6つの全てのモードの磁界が漏れることになる。一
方、図7の(B)に示すように、同軸共振器用導体6
a,6bをスリットに対して垂直となるように、x−z
面に対して45度に傾けているので、同軸共振器はスリ
ットS1,S2から漏れる磁界に結合する。結局、同軸
共振器は誘電体共振器の6つの全てのモードと磁界結合
することになる。なお、このように結合用共振器として
同軸共振器を用いれば、結合用共振器を設けることによ
る新たなスプリアスも殆ど生じることがない。
【0026】図8は上記誘電体フィルタの等価回路図で
ある。同図において準TEMモードの共振器は上記同軸
共振器である。このように同軸共振器が誘電体コアによ
る6重モードの各モードの共振器と同時に並列結合した
誘電体フィルタが構成される。各モードの共振周波数は
誘電体コアの所定箇所に周波数調整用の孔や溝を形成す
ることによって定める。また同軸共振器と各共振モード
との結合量は結合板に形成するスリットの寸法、位置、
向きまたは形状によって定める。
【0027】なお、図5において同軸コネクタ7a,7
bの中心導体は誘電体コア1による多重モードの誘電体
共振器の共振系に入らないので、その電磁界分布に摂動
を与えることがなく、モード間の不要な結合が発生した
り共振周波数が変動することはない。また入出力の結合
ループ間で不要な結合も生じない。
【0028】上記の例では、同軸共振器用導体に同軸コ
ネクタの中心導体を直接接続したが、同軸共振器に磁界
結合する結合ループを設けてもよい。
【0029】次に第2の実施形態に係る誘電体フィルタ
の構成を図9〜図12を参照して説明する。第1の実施
形態では6つの共振モードをそれぞれ1段の独立した共
振器として用いたが、この第2の実施形態ではいくつか
の共振モード同士の結合も利用する。
【0030】図9は1段目の共振器をTM01δ-y、2
段目の共振器をTE01δ-z、3段目の共振器をTM0
1δ-xとする場合の各モードの電磁界分布を示してい
る。(B)は結合すべき2つの共振モードの結合関係を
示す図である。(B)の左側に示す図は1段目のTM0
1δ-yモードと2段目のTE01δ-zモードの電界分布
を重ねて表したものである。ここでa点とb点での電界
の強さのバランスを崩すことによって、TM01δ-y
ードからTE01δ-zモードへエネルギーが移る。従っ
て同図の(C)の左側に示すように、例えば結合調整用
孔Haの内径を広げて結合調整用孔Hbとの大きさに差
をもたせることによって、1段目のTM01δ-yモード
の共振器と、2段目のTE01δ-zモードの共振器との
結合の強さを定める。
【0031】同様に(B)の右側に示す図は、2段目の
TE01δ-zモードと3段目のTM01δ-xモードの電
界分布を重ねて表したものである。ここでc点とd点で
の電界の強さのバランスを崩すことによって、TE01
δ-zモードからTM01δ-xモードへエネルギーが移
る。従って同図の(C)の右側に示すように、例えば結
合調整用孔Hcの内径を広げて結合調整用孔Hdとの大
きさに差をもたせることによって、2段目のTE01δ
-zモードの共振器と、3段目のTM01δ-xモードの共
振器との結合の強さを定める。
【0032】図10は1段目の共振器をTE01δ-x
2段目の共振器をTM01δ-z、3段目の共振器をTE
01δ-yとする場合の各モードの電磁界分布を示してい
る。(B)は結合すべき2つの共振モードの結合関係を
示す図である。(B)の左側に示す図は1段目のTE0
1δ-xモードと2段目のTM01δ-zモードの電界分布
を重ねて表したものである。ここでe点とf点での電界
の強さのバランスを崩すことによって、TE01δ-x
ードからTM01δ-zモードへエネルギーが移る。従っ
て同図の(C)の左側に示すように、例えば結合調整用
孔Heの内径を広げて結合調整用孔Hfとの大きさに差
をもたせることによって、1段目のTE01δ-xモード
の共振器と、2段目のTM01δ-zモードの共振器との
結合の強さを定める。
【0033】同様に(B)の右側に示す図は、2段目の
TM01δ-zモードと3段目のTE01δ-yモードの電
界分布を重ねて表したものである。ここでg点とh点で
の電界の強さのバランスを崩すことによって、TM01
δ-zモードからTE01δ-yモードへエネルギーが移
る。従って同図の(C)の右側に示すように、例えば結
合調整用孔Hgの内径を広げて結合調整用孔Hhとの大
きさに差をもたせることによって、2段目のTM01δ
-zモードの共振器と、3段目のTE01δ-yモードの共
振器との結合の強さを定める。
【0034】図11は上記合計6つのモードを用いた誘
電体フィルタの構成を示す斜視図である。第1の実施形
態の場合と異なり、ここでは8a,8bで示す誘電体柱
をキャビティ2の内部に設けてTM101モードの共振
器とTM011モードの共振器を構成し、これらを結合
用共振器としている。また、キャビティ2に同軸コネク
タ7a,7bを設け、それらの中心導体を結合ループ4
a,4bに接続している。結合ループ4aは誘電体柱8
aによる共振器と磁界結合し、結合ループ4dは誘電体
柱8bによる共振器と磁界結合する。
【0035】図11において誘電体柱8aによるTM1
01モードは誘電体コア1によるTM01δ-yモードお
よびTE01δ-xモードにそれぞれ磁界結合する。また
誘電体柱8bによるTM011モードは誘電体コア1に
よるTM01δ-xモードおよびTE01δ-yモードにそ
れぞれ磁界結合する。
【0036】結合板5a,5bには誘電体柱8a,8b
による共振モードの磁界が通る方向にスリットSa,S
bを設けている。これらの誘電体柱8a,8bによる結
合用共振器は、誘電体コアの複数の共振モードのうち唯
一のモードに選択的に結合させるのではなく、この例で
は2つの共振モードにそれぞれ結合させるものであるた
め、その分設計が容易となる。たとえばTM01δ-x
ードとTE01δ-yモードのいずれか一方にのみ結合用
共振器を結合させるといった難易度の高い設計が要求さ
れるようなことがない。
【0037】図12は上記誘電体フィルタの等価回路図
である。このように3段の共振器が従属接続された共振
器回路をTMモードの結合用共振器に対してそれぞれ並
列結合させた回路が構成される。
【0038】なお、図11において同軸コネクタ7a,
7bに設けた結合ループ4a,4dは誘電体コア1によ
る多重モードの誘電体共振器の共振系に入らないので、
その電磁界分布に摂動を与えることがなく、モード間の
不要な結合が発生したり共振周波数が変動することはな
い。また入出力の結合ループ間で不要な結合も生じな
い。また、このように結合用共振器としてTMシングル
モードの誘電体共振器を用いれば、結合用共振器による
無負荷Qの低下も殆どない。
【0039】図13は第3の実施形態に係る誘電体フィ
ルタの構成を示す斜視図である。図11に示した例と異
なり、結合板5a,5bの一部を切り欠くとともに、結
合ループ4b,4cを設けている。結合ループ4bは誘
電体柱8aによるTM101モードと磁界結合し、誘電
体コア1によるTM01δ-yモードと磁界結合する。ま
た結合ループ4cは誘電体柱8bによるTM011モー
ドと磁界結合し、誘電体コア1によるTM01δ-xモー
ドと磁界結合する。その他の構成は第2の実施形態の場
合と同様である。従って全体の等価回路は図14に示す
ようになる。このようにTM01δ-yモードの磁界強度
の強い箇所に結合ループ4bを設けたことによりTM1
01モードとTM01δ-yモードとの結合が強くなる。
同様に、TM01δ-xモードの磁界強度の強い箇所に結
合ループ4cを設けたことによりTM011モードとT
M01δ-xモードとの結合が強くなる。
【0040】このようにして並列結合させる2組の共振
器回路を所定のバランス状態にして、所定のフィルタ特
性を得る。なお、結合ループ4b,4cは補助的に使用
するだけであるので、これによる無負荷Qの低下は少な
い。
【0041】次に、送受共用装置の構成例を図15に示
す。ここで送信フィルタと受信フィルタは上記の各実施
形態に示した構成から成る誘電体フィルタである。送信
フィルタは送信信号の周波数を通過させて受信信号の周
波数を阻止し、受信フィルタは受信信号の周波数を通過
させて、送信信号の周波数を阻止する。送信フィルタの
出力ポートと受信フィルタの入力ポートとの接続位置
は、その接続点から、送信フィルタの最終段の共振器の
等価的な短絡面までの電気長が、受信信号の周波数の波
長で1/4波長の奇数倍となり、且つ上記接続点から、
受信フィルタの初段の共振器の等価的な短絡面までの電
気長が、送信信号の周波数の波長で1/4波長の奇数倍
となる関係としている。これにより、送信信号と受信信
号とを確実に分岐させる。
【0042】このように、共通に用いるポートと個別の
ポートとの間に複数の誘電体フィルタを設けることによ
って、同様にしてダイプレクサやマルチプレクサを構成
することができる。
【0043】図16は上記送受共用器(デュプレクサ)
を用いた通信装置の構成を示すブロック図である。この
ように、送信フィルタの入力ポートに送信回路、受信フ
ィルタの出力ポートに受信回路をそれぞれ接続し、デュ
プレクサの入出力ポートにアンテナを接続することによ
って、通信装置の高周波部を構成する。
【0044】なお、その他に上記ダイプレクサやマルチ
プレクサ等を多重モード誘電体共振器で構成し、これら
の回路素子を用いて通信装置を構成することにより、小
型で高効率な通信装置を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】請求項1〜4に係る発明によれば、外部
結合のためのループやアンテナ等のプローブが複数のモ
ードで共振する誘電体共振器の共振系に挿入されないの
で、電磁界分布への摂動が低減され、モード間の不要な
結合や入出力のプローブ間の不要な結合が発生しにくく
なり、プローブによる無負荷Qの低下も低減される。し
かも結合用共振器は、誘電体コアの複数の共振モードの
うち単一のモードに選択的に結合するのではなく、複数
の共振モードにそれぞれ結合させるものであるため設計
が容易となる。
【0046】また、請求項4に係る発明によれば、誘電
体コアによる複数の共振モードのうち所定のモードに結
合用共振器を選択的に容易に結合させることができる。
【0047】また、請求項5に係るに発明によれば、Q
の高いフィルタ特性を有し且つ小型の送受共用装置を構
成することができる。
【0048】また、請求項6に係る発明によれば、小型
で高効率な通信装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る誘電体フィルタに用いる
多重モード誘電体共振器の構成を示す斜視図
【図2】同誘電体共振器の各モードにおける電磁界分布
を示す断面図
【図3】同誘電体共振器の各モードにおける電磁界分布
を示す断面図
【図4】同誘電体共振器の各モードにおける電磁界分布
を示す断面図
【図5】誘電体フィルタの全体の構成を示す斜視図
【図6】同誘電体フィルタにおける結合板上での各モー
ドの電流分布を示す図
【図7】同結合板に対するスリットの形成例を示す図
【図8】誘電体フィルタの等価回路図
【図9】第2の実施形態に係る誘電体フィルタに用いる
多重モード誘電体共振器の順次結合する各モードの電磁
界分布および結合調整用孔の構成を示す図
【図10】第2の実施形態に係る誘電体フィルタに用い
る多重モード誘電体共振器の順次結合する各モードの電
磁界分布および結合調整用孔の構成を示す図
【図11】第2の実施形態に係る誘電体フィルタの全体
の構成を示す斜視図
【図12】同誘電体フィルタの等価回路図
【図13】第3の実施形態に係る誘電体フィルタの全体
の構成を示す斜視図
【図14】同誘電体フィルタの等価回路図
【図15】送受共用装置の構成を示す図
【図16】通信装置の構成を示す図
【図17】従来の誘電体共振器装置の構成を示す一部破
断斜視図
【図18】従来のシングルモードの誘電体共振器におけ
る電磁界分布の例を示す図
【符号の説明】
1−誘電体コア 2−キャビティ 3−支持体 4−結合ループ 5−結合板 6−同軸共振器用導体 7−同軸コネクタ 8−誘電体柱 H−結合調整用孔 S−スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊勢 智之 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5J006 HC03 HC14 JA01 KA03 LA02 LA21 NA02 NA03 ND05 NE14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビティ内に複数のモードで共振する
    誘電体コアと、該誘電体コアの所定の複数の共振モード
    に並列結合する結合用共振器と、該結合用共振器を励振
    する外部結合手段とを設けたことを特徴とする誘電体共
    振器装置。
  2. 【請求項2】 前記結合用共振器を、線状または棒状の
    導体とし、当該導体と前記キャビティとにより同軸共振
    器を構成するものである請求項1に記載の誘電体共振器
    装置。
  3. 【請求項3】 前記結合用共振器を、柱状の誘電体と
    し、当該誘電体と前記キャビティとによりTMモードの
    誘電体共振器を構成するものである請求項1に記載の誘
    電体共振器装置。
  4. 【請求項4】 前記結合用共振器と前記誘電体コアとの
    間に、所定方向を向くスリットを形成した導体板を配置
    した請求項1、2または3に記載の誘電体共振器装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のうちいずれかに記載の誘
    電体共振器装置により送信フィルタと受信フィルタを構
    成し、入力ポートと入出力ポートとの間に前記送信フィ
    ルタを設け、前記入出力ポートと出力ポートとの間に前
    記受信フィルタを設けて成る送受共用装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のうちいずれかに記載の誘
    電体共振器装置または前記送受共用装置を高周波回路部
    に設けて成る通信装置。
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