JP2000063962A - 円筒型保持炉、銅の製錬装置及び銅の製錬方法 - Google Patents

円筒型保持炉、銅の製錬装置及び銅の製錬方法

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JP2000063962A JP10234709A JP23470998A JP2000063962A JP 2000063962 A JP2000063962 A JP 2000063962A JP 10234709 A JP10234709 A JP 10234709A JP 23470998 A JP23470998 A JP 23470998A JP 2000063962 A JP2000063962 A JP 2000063962A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製銅炉へ供給される溶融マットの流量を正確
に把握して安定した製銅炉の操業を可能にする円筒型保
持炉の提供を課題とする。 【解決手段】 中空円筒状の容器を横置きにして溶融マ
ットの受け入れ口及び供給口を設けた保持炉本体31
と、保持炉本体31を円周方向に傾転させる駆動機構3
4と、保持炉本体31の傾転角度を検出するエンコーダ
35と、保持炉本体31の全体重量を検出するロードセ
ル36と、エンコーダ35及びロードセル36から入力
された検出値を演算処理して駆動機構34に傾転速度の
制御信号を出力する演算装置37とを備え、演算装置3
7が、溶融マット供給中の重量減少速度から実際に供給
された溶融マット実供給量を算出し、溶融マット実供給
量を傾転角度の変化量から算出される理論供給量と比較
した結果に応じて、溶融マット実供給量が一定となるよ
う駆動機構34に出力する制御信号を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅鉱石から銅アノ
ード(精製銅)を産出する銅溶錬工程において好適に用
いられる円筒型保持炉、銅の製錬装置及び銅の製錬方法
に関するもので、特に溶融マット(カワ)の供給が定量
化されるものに関する。
【0002】
【従来の技術】銅の製錬装置(方法)には、大別する
と、三菱法のように連続的に製錬を行う連続製錬装置
(方法)と、自溶炉、ノランダ炉等の溶錬炉とPS転炉
やHoboken転炉等バッチ式の転炉を用いるバッチ
式の製錬装置(方法)とがある。
【0003】図5は三菱法と呼ばれている従来の連続製
錬装置の概要を示したもので、樋により連結された3つ
の炉、すなわち溶錬炉1、分離炉2及び製銅炉(C炉)
3で構成されている。原料の銅鉱石は溶錬炉1で溶解さ
れ、生成された溶融マット(カワ)及びスラグ(カラ
ミ)が樋4aを通って分離炉2に送られる。分離炉2で
は、比重の差により上層のスラグと下層の溶融マットと
に分離される。銅を主成分とする溶融マットはサイフォ
ン2aより抜き出され、樋4bを通って最後の製銅炉3
へ送られる。この製銅炉3において、ランス5より溶剤
と酸素富化空気とが供給され、溶融マット中の硫化鉄、
ついで硫黄が優先的に酸化されて除去され、粗銅が得ら
れる。
【0004】このような連続製錬装置においては、樋4
bを通って分離炉2から製銅炉3へ送られる溶融マット
の量を正確に把握して管理することが望まれる。すなわ
ち、通常製銅炉3においては、供給された溶融マットの
量や炉内温度に応じて、溶剤の供給量、吹き込む空気の
量や酸素の含有率等を変え、産出される粗銅及びスラグ
の温度を適正範囲に保ちつつ粗銅の残留硫黄やスラグに
逃げる銅量をも適正範囲に保って溶体抜き出し口の閉塞
を防止しながら最も効率のよい操業条件とするように、
制御されている。したがって、製銅炉3内へ供給する溶
融マットの量を正確に把握し、管理することは、製銅炉
の連続操業上最も重要なコントロール因子であり品質の
制御や効率のよい操業にも欠かせないものである。
【0005】分離炉2から製銅炉3へ供給される溶融マ
ットの流量を把握するための従来技術としては、レーザ
ー距離計を用いて樋4bを流れる溶融マットの液面高さ
を測定する方法がある。このレーザー距離計は、レーザ
ー光を発する発光器と、その反射光を受ける受光器とよ
りなり、受光器で受ける反射光の入射角度から溶融マッ
ト表面までの距離を算出するもので、高温の溶融マット
に直接触れることなく測定できるという利点がある。な
お、溶融マットの流量は、樋4bの断面と液面高さとの
関係により推測される。
【0006】また、図6は従来よりあるバッチ式の製錬
装置例を示したもので、符号の11は溶錬炉、12は保
持炉、13は製銅炉(C炉)、14は精製炉(A炉)で
あって、溶錬炉11で生成された溶融マットは、レード
ル15及びクレーン16を備えている移送手段17によ
り保持炉12へ移送される。保持炉12は溶融マットを
一時的に貯留しておくものであり、ここに貯留された溶
融マットはさらに、保持炉12から樋18を通って製銅
炉13へ導かれる。製銅炉13に導かれた溶融マット
は、酸化により粗銅が生成される。
【0007】このように保持炉12が組み込まれた製錬
装置においても、保持炉12から製銅炉13へ導かれる
溶融マットの量を正確に把握することが製銅炉の連続安
定操業に欠かせないものである。しかし、この場合も、
樋18を流れる溶融マットの流量を把握するには、目視
の他には上述したレーザー距離計を用いるしかなかっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た溶融マットの流量測定方法には、次のような問題があ
る。まず第1に、目視により溶融マットの流量を判断す
る方法では、単に測定者の経験に頼る割合が大きいもの
であるため、個人差が大きくなるなどその信頼性には疑
問が残るものである。次に、上述したレーザー距離計を
用いる従来の測定方法では、溶融マットが流れる樋の各
面(両側面及び底面)に鋳付きが生じて成長した場合な
ど、溶融マットの液面高さの変化と流量との関係が不規
則に変化することになる。しかしながら、このような変
化を認識して測定値に反映するのは極めて困難なことで
あり、したがって、鋳付きの状況に応じて測定精度が大
きく変化して一定にならないという問題があった。
【0009】したがって、従来の測定方法では溶融マッ
トの流量を正確に把握することはできず、また、上述し
た鋳付きや溶錬炉の炉況変化などのために、製銅炉へ実
際に供給される溶融マットの量が変化するので、製銅炉
の操業が不安定になるという問題が生じてくる。このた
め、製銅炉以降の精製工程が大きく乱れるばかりか、場
合によっては製銅炉の操業が不可能になって生産量が大
幅に減少してしまう。
【0010】そこで本発明の課題は、製銅炉へ供給され
る溶融マットの流量を正確に把握して安定した製銅炉の
操業を可能にする円筒型保持炉、そして、この円筒型保
持炉を備えた銅の製錬装置及び銅の製錬方法を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明においては以下の手段を採用した。請求項1に
記載の円筒型保持炉は、中空円筒状の容器を横置きにし
て溶融マットの受け入れ口及び供給口を設けた保持炉本
体と、該保持炉本体を円周方向に傾転させる駆動機構
と、前記保持炉本体の傾転角度を検出する傾転角度検出
手段と、前記保持炉本体の全体重量を検出する秤量手段
と、前記傾転角度検出手段及び前記秤量手段から入力さ
れた検出値を演算処理して前記駆動機構に傾転速度の制
御信号を出力する制御手段とを備え、前記制御手段が、
前記溶融マット供給中の重量減少速度から実際に供給さ
れた溶融マット実供給量を算出し、該溶融マット実供給
量を前記傾転角度の変化量から算出される理論供給量と
比較した結果に応じて、前記溶融マット実供給量が一定
となるよう前記駆動機構に出力する制御信号を補正し、
かつ保持炉内部または前記供給口の異常を検知すること
を特徴とするものである。
【0012】このような円筒型保持炉によれば、重量減
少速度から算出した溶融マット実供給量を傾転角度の変
化量から算出された理論供給量と比較し、この比較結果
に基づき溶融マット実供給量が一定となるよう補正され
た制御信号が駆動機構に出力されるので、円筒型保持炉
の傾転速度は、溶融マット実供給量を一定に保つよう自
動的に制御される。また、溶融マット実供給量と理論供
給量とが大きく異なる場合には、円筒型保持炉の内部形
状及び(又は)供給口の形状が鋳付きの成長又はレンガ
の欠落等により大きく変化していることを意味し、した
がって、速やかに異常を検知して警報を発することがで
きる。鋳付きの成長及びレンガ又は鋳付きの欠落は時に
溶融マット流量の大巾な変化をもたらし、通常、ロード
セルのみによる流量コントロールでは追随できず、製銅
炉操業が大巾に乱れるため、上記の異常検知機構は、製
銅炉の安定操業維持上極めて重要である。警報が発せら
れた場合は、ただちに現場確認を行ない、必要によって
は操業を停止して異常の解除を行なうことが必要であ
る。
【0013】請求項2に記載の銅の製錬装置は、鉱石か
ら溶融マットとスラグとを生成する溶錬炉と、前記スラ
グと分離された前記溶融マットをバッチ式で受け入れて
製銅炉へ連続的に供給する円筒型保持炉と、前記溶融マ
ットを前記円筒型保持炉まで搬送する運搬手段と、前記
保持炉から連続的に供給された溶融マットを連続的に精
錬して粗銅及びスラグを産出する製銅炉とを具備し、前
記円筒型保持炉が、中空円筒状の容器を横置きにして溶
融マットの受け入れ口及び供給口を設けた保持炉本体
と、該保持炉本体を円周方向に傾転させる駆動機構と、
前記保持炉本体の傾転角度を検出する傾転角度検出手段
と、前記保持炉本体の全体重量を検出する秤量手段と、
前記傾転角度検出手段及び前記秤量手段から入力された
検出値を演算処理して前記駆動機構に傾転速度の制御信
号を出力する制御手段とを備え、前記制御手段が、前記
溶融マット供給中の重量減少速度から実際に供給された
溶融マット実供給量を算出し、該溶融マット実供給量を
前記傾転角度の変化量から算出される理論供給量と比較
した結果に応じて、前記溶融マット実供給量が一定とな
るよう前記駆動機構に出力する制御信号を補正し、かつ
保持炉内部または前記供給口の異常を検知することを特
徴としている。
【0014】このような銅の製錬装置によれば、円筒型
保持炉において、重量減少速度から算出した溶融マット
実供給量を傾転角度の変化量から算出された理論供給量
と比較し、この比較結果に基づき溶融マット実供給量が
一定となるよう補正された制御信号が駆動機構に出力さ
れるので、円筒型保持炉の傾転速度は、製銅炉へ供給す
る溶融マット実供給量を一定に保つよう自動的に制御さ
れる。このため、一定の流量で円筒型保持炉から溶融マ
ットの供給を受ける製銅炉は、その操業管理が容易にな
る。また、溶融マット実供給量と理論供給量とが大きく
異なる場合には、円筒型保持炉の内部形状及び供給口の
形状が鋳付きの成長又はレンガの欠落等により大きく変
化していることを意味しているので、このことから速や
かに異常を検知して警報を発することができる。この異
常検知機構は、前述のごとく、製銅炉の安定操業上極め
て有効なものである。
【0015】請求項3に記載の銅の製錬装置によれば、
前記制御信号の補正は、前記溶融マット実供給量が前記
理論供給量より小さい場合に前記傾転速度を上げ、前記
溶融マット実供給量が前記理論供給量より大きい場合前
記傾転速度を下げる方向になされることを特徴としてい
る。
【0016】このような銅の製錬装置によれば、溶融マ
ット実供給量が理論供給量より小さい場合に傾転速度を
上げて不足分を補い、溶融マット実供給量が理論供給量
より大きい場合に傾転速度を下げて超過分を減らすよう
に補正するので、溶融マット実供給量は一定となるよう
制御される。
【0017】請求項4に記載の銅の製錬装置によれば、
前記傾転角度検出手段をエンコーダとし、前記秤量手段
をロードセルとしたことを特徴としている。
【0018】このような銅の製錬装置によれば、エンコ
ーダで円筒型保持炉の傾転角度を検出し、ロードセルで
円筒型保持炉の総重量を検出することが可能になる。
【0019】請求項5に記載の銅の製錬方法は、鉱石か
ら溶融マットとスラグとを生成する溶錬炉と、前記スラ
グと分離された前記溶融マットをバッチ式で受け入れて
製銅炉へ連続的に供給する円筒型保持炉と、前記溶融マ
ットを前記円筒型保持炉まで搬送する運搬手段と、前記
保持炉から連続的に供給された溶融マットを連続的に精
錬して粗銅及びスラグを産出する製銅炉とを具備し、前
記円筒型保持炉が、中空円筒状の容器を横置きにして溶
融マットの受け入れ口及び供給口を設けた保持炉本体
と、該保持炉本体を円周方向に傾転させる駆動機構と、
前記保持炉本体の傾転角度を検出する傾転角度検出手段
と、前記保持炉本体の全体重量を検出する秤量手段と、
前記傾転角度検出手段及び前記秤量手段から入力された
検出値を演算処理して前記駆動機構に傾転速度の制御信
号を出力する制御手段とを備え、前記制御手段が、前記
溶融マット供給中の重量減少速度から実際に供給された
溶融マット実供給量を算出し、該溶融マット実供給量を
前記傾転角度の変化量から算出される理論供給量と比較
した結果に応じて前記駆動機構に出力する制御信号を補
正することにより、前記溶融マット実供給量を定量化す
ることを特徴としている。
【0020】このような銅の製錬方法によれば、溶融マ
ット実供給量と理論供給量とを比較した結果により駆動
機構に出力する制御信号を自動的に補正でき、溶融マッ
ト実供給量が容易かつ正確に定量化されるので、製銅炉
及びその後工程の操業管理が容易な銅の精錬方法とな
る。
【0021】請求項6に記載の銅の製錬方法は、前記制
御信号の補正は、前記溶融マット実供給量が前記理論供
給量より小さい場合に前記傾転速度を上げ、前記溶融マ
ット実供給量が前記理論供給量より大きい場合前記傾転
速度を下げる方向になされることを特徴としている。
【0022】このような銅の製錬方法によれば、溶融マ
ット実供給量が理論供給量より小さい場合に傾転速度を
上げて不足分を補い、溶融マット実供給量が理論供給量
より大きい場合に傾転速度を下げて超過分を減らすよう
に補正するので、溶融マット実供給量は一定となるよう
制御される。
【0023】請求項7に記載の銅の製錬方法は、前記溶
融マット実供給量と前記理論供給量とが所定値以上に大
きく異なる時は警報を発し、前記円筒型保持炉内または
前記円筒型保持炉の供給口に生じた異常を検知するよう
にしたことを特徴とするものである。
【0024】このような銅の製錬方法によれば、鋳付き
などを原因とする供給口閉塞やレンガの欠落による供給
口の拡大のような異常を速やかに検知できるので、溶融
マット流量の急激な変化による製銅炉操業の乱れを未然
に回避することが可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に
係る銅の製錬装置の構成を示す図であり、符号の21は
溶錬炉、23は製銅炉(C炉)、25は精製炉(A炉)
であって、製銅炉23の上流側には円筒型保持炉30が
設けられている。これらの各炉は、溶錬炉21と円筒型
保持炉30との間が運搬手段50で連結され、さらに、
円筒型保持炉30と製銅炉23との間が導入路26で、
また製銅炉23と精製炉25との間が導入路27で、そ
れぞれ連結されている。
【0026】溶錬炉21は、原料の銅鉱石を溶解させて
溶融マット(カワ)及びスラグ(カラミ)を生成するた
めの炉である。この溶錬炉21では、主として精鉱バー
ナーから導入される酸化富化空気あるいは高温熱風とと
もに、供給された乾燥した銅精鉱(微粉精鉱)を溶解、
酸化することによって、硫化銅及び硫化鉄の混合物を主
成分とする溶融マットと、銅精鉱中の脈石や溶剤及び酸
化鉄などからなるスラグとが生成分離される。こうして
分離された溶融マットはタップホールより抜き出され、
運搬手段50によって円筒型保持炉30へ搬送される。
【0027】ここで搬送手段50の構成を説明する。こ
こで採用している搬送手段50は、レードル51、搬送
台車52及びクレーン53を主な構成要素としており、
レードル51に溶錬炉21から汲み出された溶融マット
は、レードル51に入れられたままの状態で搬送台車5
2に載せられ、円筒型保持炉30の近傍の吊り上げ位置
まで搬送される。吊り上げ位置に到達したレードル51
は、クレーン53で吊り上げられた後に平行移動して円
筒型保持炉30の上方まで運ばれる。そして、レードル
51の後方を支持しているクレーン51の支持索を巻き
上げることによって、レードル51の後部(円筒型保持
炉30と反対側)が持ち上げられて傾斜する。この結
果、レードル51で搬送してきた溶融マットは、円筒型
保持炉30に設けられている後述する受け入れ口32か
ら保持炉内へ流出して移される。なお、レードル51は
密閉された搬送通路54を通るので、搬送中の溶融マッ
トから生ずるガスの管理がしやすい構造となっており、
発生したガスは適切に処理した後ベンチレーション55
から大気に放出される。
【0028】次に、円筒型保持炉30の構造を説明す
る。この円筒型保持炉30は、中空円筒状の容器本体3
1を横置きにしたもので、容器本体31の上方には溶融
マットを受け入れるための受け入れ口32が設けられ、
また、容器本体31の側面部分には製銅炉23へ溶融マ
ットを供給するための供給口33が設けられている。さ
らにこの容器本体31は、容器全体を傾転させるための
駆動機構34を備えている。この駆動機構34は、容器
本体31に受け入れた溶融マットを製銅炉23へ供給す
る際に用いるもので、横置きされた容器本体31を円周
方向へ回動させる機能を有している。一般的な駆動機構
34は、たとえば電動モータなどの駆動源と、駆動源及
び容器本体側の両方に設けられて互いに噛合する歯車機
構と、駆動源の制御部などを具備しており、駆動源の作
動に応じて容器本体31を所望の速度で所望の方向(左
右両方向)へ傾転(回転)させるように構成したもので
ある。図示の例では、右方向(時計方向)への傾転量を
増すことで供給口33が下方へ移動するので、容器本体
31内の溶融マットが徐々に供給口33から流出し、導
入路26を通って製銅炉23へ供給される。
【0029】この円筒型保持炉30には、さらに傾転角
度検出手段として設けたエンコーダ35と、秤量手段と
して設けたロードセル36とが取り付けられている。一
方のエンコーダ35は、上述した駆動機構34によって
実際に円周方向に傾転した保持炉本体31の傾転角度
(傾転量)を検出するものであり、その検出値は制御手
段として設けた演算装置(CPU)37に入力される。
もう一方のロードセル36は、円筒型保持炉30の重量
に保持炉内に貯留されている溶融マットの重量を加えた
総(全体)重量を検出するものであり、その検出値は、
エンコーダ35の検出値と同様に演算装置37に入力さ
れる。これにより、円筒型保持炉30は、実際に傾転し
た容器本体30の傾転角度の変化量と共に、実際に供給
した溶融マットの重量の変化量を連続して、あるいは所
定の時間毎に、検知することが可能である。
【0030】さて、エンコーダ35及びロードセル36
から検出値の入力を受ける演算装置37では、入力され
た各検出値を以下に説明するように演算処理した結果に
基づき、上述した駆動装置34に傾転速度(単位時間当
たりの傾転角度変化量)の制御信号を出力する。
【0031】エンコーダ35から入力された傾転角度
は、その変化量から溶融マットの理論供給量を算出する
のに用いられる。以下、溶融マットの理論供給量の算出
を図2に基づいて説明する。なお、図2の円は円筒型保
持炉30の断面を示しており、ここでは容器本体31の
傾転角度がθ1 からθ2 に変化した場合、すなわち傾転
角度が増加した場合に排出される溶融マット排出量を溶
融マットの理論供給量として算出する。ここではまた、
単位時間(秒)当たりの溶融マット供給量(Kg)を溶
融マット供給速度(Kg/秒)と呼ぶことにする。
【0032】まず最初に、容器本体31の半径(内径)
をrとすると、 y=r cosθ の関係が成り立つ。したがって、斜線部Sの面積は、下
記のようになる。
【数1】
【0033】また、容器本体31の軸方向の長さをL
(cm)、内径r(cm)、溶融マットの比重をαとす
れば、溶融マット排出重量W(Kg)は次の式で表され
る。
【数2】 ここで、溶融マットの比重αを70パーセントCuの場
合の5と設定すると、溶融マット排出重量W(Kg)は
下記のように表される。
【数3】
【0034】続いて、時間Δt=t2−t1(秒)の間
にΔθ=θ2−θ1(rad)だけ円筒型保持炉30を
傾転させた時(傾転速度ω=Δθ/Δt)の溶融マット
供給速度V(Kg/秒)は、下記の式で表される。
【数4】 したがって、単位時間当たりの傾転角度θの変化である
傾転速度ω(rad/秒)は下記の式で表される。
【数5】 Δt秒間で傾転角度がθ1 からθ2 まで、すなわち(θ
2 −θ1 )rad傾転させるとすれば、次のような式に
なる。
【数6】
【0035】たとえば、ある時刻t1 までの傾転角度θ
1 を読みとり、時刻t2 までに傾転角度がθ2 になるま
で傾転させる場合の傾転角度θ2 は、(θ2−θ1)が
きわめて小さいので下記の式で表される。
【数7】 これをたとえば、Δt=t2 −t1 =1秒毎にチェック
するとすれば、(1)式は次のように表される。
【数8】 ここで、θ1 は、傾転角度がθ2 の場合(現在)より1
秒前の時点における傾転角度である。
【0036】上述した(1)式に基づいて書いたグラフ
が図3に示されている。このグラフによれば、目標とす
る溶融マット供給速度V(Kg/秒)を与えることによ
り、時間tに対する傾転角度θ、すなわち傾転速度が求
められる。図3においては、目標とする3つの溶融マッ
ト供給速度V1 、V2 、V3 が示されており、これ
らの傾転速度は、容器本体31の断面形状が円形である
ことから、溶融マットの排出量を一定に保とうとすれ
ば、時間tが経過するにつれて速くなる。図4は、容器
本体31の中心Cからの距離h(図2参照)と傾転速度
ωm (rad/分)との関係を目標とする溶融マット
供給速度V1 、V2 、V3 毎に示したものであり、
距離hが大きくなるにつれて、すなわち残量が少なくな
るにつれて傾転速度ωも大きくなるのがわかる。
【0037】また、ロードセル36から入力された重量
の変化は、実際に円筒型保持炉30から排出されて製銅
炉23へ供給される溶融マットの重量を算出するのに使
用される。すなわち、ロードセル36から入力される検
出値は円筒型保持炉30に貯留された溶融マットの重量
を含むものであるから、供給時における検出重量の変化
量、すなわち減少量は全て溶融マットが実際に供給され
た重量であると判断でき、この値を溶融マット実供給量
と呼ぶ。こうして算出された溶融マット実供給量は実測
値であり、単位時間当たりの溶融マット実供給量は、上
述した目標値又は理論値の溶融マット供給速度V(Kg
/秒)に対応する溶融マット実供給速度Vact (Kg/
秒)としてとらえることができる。
【0038】そこで、演算装置37では、目標として設
定した溶融マット供給速度Vと実際に供給されている溶
融マット実供給速度Vact とを比較する。そして、両速
度V及びVact の差が所定(許容)値より大きい場合、
次のようにして新目標供給速度Vnew を設定する。 Vnew =V−(Vact −V)=2V−Vact こうして定めた新目標設定値Vnew を随時上述した
(1)式のVの代わりに入れてやれば、傾転角度、すな
わち傾転速度の自動補正が可能になる。なお、(1)式
のVを(V1 +a)とし、目標値V1 及び補正値aを別
々に手動で入力できるようにしておいてもよい。
【0039】これまでの説明は、円筒型保持炉30の内
部がきれいな場合を考えていたが、実際の操業では炉内
に鋳付きの成長やレンガの破損が存在する。このため、
炉内の有効面積Sは変化しており、これに対する補正も
必要となる。このように補正が必要となる異常は、溶融
マット実供給量と理論供給量との比較により推定が可能
である。そこで補正用の定数(以下、補正定数と呼ぶ)
Kを用いることで、補正が可能にしてある。この補正定
数Kを用いた式は、(1)から次のように変形される。
なお、補正定数Kは、溶融マット実供給量と理論供給量
との比較結果に応じて、自動的に時間または角度に応じ
て変化させることも可能である。
【数9】 すなわち、(3)式においては、溶融マット供給速度V
と補正定数Kとを変えて傾転角度θを時間tに応じて制
御するが、溶融マット供給速度Vは自動でも手動でも補
正できるようにし、また、補正定数Kは手動で補正でき
るようにしておくとよい。
【0040】図1の符号の23は、円筒型保持炉30か
ら連続して溶融マットの供給を受ける製銅炉であり、ラ
ンス23aより溶剤と酸素富化空気の供給を受け、溶融
マット中の硫化鉄、ついで硫黄を優先的に酸化させて除
去することによって粗銅を生産する炉である。この製銅
炉23では、安定した品質の粗銅を生産するため、そし
て安定した操業を続けるためには、溶融マットの供給量
に応じて溶剤及び酸素富化空気の供給量などを管理する
ことが重要である。したがって、円筒型保持炉30から
供給される溶融マットの流量を正確に把握でき、管理で
きることは非常に好都合である。なお、製銅炉23で得
られた粗銅は、精製炉25へ送られる。
【0041】以下、上述した製錬装置による銅の製錬方
法を、溶融マットの流れに従い順に説明する。溶錬炉2
1において生成された溶融マット及びスラグは溶錬炉2
1内部にて分離され、溶融マットがレードル51に順次
抜き出される。こうして抜き出された溶融マットは、レ
ードル51と共に搬送台車52に載せられて搬送された
後、クレーン53に吊り上げられて円筒型保持炉30の
上方まで運ばれる。ここで溶融マットは、レードル51
から円筒型保持炉30に移される。すなわち、円筒型保
持炉30への溶融マットの受け入れは、バッチ式で行わ
れる。
【0042】こうして円筒型保持炉30に所定の量が移
された溶融マットは、以後連続的に製銅炉23へ供給さ
れる。この場合の溶融マット供給量、すなわち溶融マッ
ト供給速度Vは、生産計画等の諸条件によって目標値が
定められる。したがって、目標となる溶融マット供給速
度Vが決まれば、図3に示したグラフから供給量を一定
に保つ理論上の円筒型保持炉30の傾転速度(rad/
秒)が求められるので、この傾転速度の制御信号が演算
装置37から駆動機構34へ出力され、この制御信号に
より傾転速度を変化させて溶融マットの供給量を一定に
保つ。この時、傾転速度、すなわち単位時間当たりの傾
転角度の変化は、エンコーダ35の検出値をフィードバ
ックして制御される。
【0043】一方、傾転式の円筒型保持炉30に取り付
けられたエンコーダ35及びロードセル36からは、溶
融マットの供給中連続して、あるいは所定の時間(例え
ば1秒)毎に、傾転角度と総重量の検出値が演算装置3
7に入力される。このため、エンコーダ35の検出値か
らは実際の傾転速度ωが算出され、また、ロードセル3
6の検出値からは実際の溶融マット供給量(以下、溶融
マット実供給量と呼ぶ)に相当する重量変化(すなわ
ち、溶融マット実供給速度Vact )が算出される。
【0044】こうして算出された溶融マット実供給速度
Vact は、目標として定めた理論上の供給速度Vと比較
される。この速度差(Vact −V)が大きいと、実際に
製銅炉23へ供給されている溶融マットの量が目標値と
かけ離れていることになるので、後工程の制御や製品の
品質に悪影響を及ぼす恐れがある。したがって、予め許
容できる速度差を定めておき、実際の速度差がその所定
値よりも大きい場合には新たに新目標供給速度Vnew を
演算処理により設定する。この新目標供給速度Vnew
は、上述したように、V−(Vact −V)=2V−Vac
t で与えられる。すなわち、溶融マット実供給速度Vac
t が大きすぎて速度差が大きくなった場合には、新目標
供給速度Vnew は小さくなり、これとは逆に、溶融マッ
ト実供給速度Vact が小さすぎて速度差が大きくなった
場合には、新目標供給速度Vnew は大きくなる。換言す
れば、溶融マット実供給量が目標値の理論供給量よりも
大きすぎる場合には、新目標供給速度Vnew を小さくし
て傾転速度を下げ、これとは逆に、溶融マット実供給量
が目標値の理論供給量よりも小さすぎる場合には、新目
標供給速度Vnew を大きくして傾転速度を上げるように
補正された制御信号を出力することで、溶融マットの実
供給量が常に一定となるように駆動機構34に出力する
制御信号を補正している。
【0045】上述した新目標供給速度Vnew の補正で
は、最初に目標として定めた理論上の溶融マット供給速
度Vを比較の基準としていたが、エンコーダ35で検出
した実際の傾転量(速度)から算出される溶融マット理
論実供給量(速度)Vs を比較の基準としてもよい。こ
の溶融マット理論実供給量(速度)Vs を基準値として
採用すれば、たとえば噛合部などで発生する駆動機構3
4の誤差も吸収することができるようになり、単に目標
値と比較するよりもより現実にあった正確な補正が可能
になる。
【0046】ところで、理論的にはエンコーダ35で検
出した実際の傾転速度を最初の目標値と比較して補正す
ることも可能であるが、実際の装置では鋳付きや損傷な
どがあるため、溶融マットの出口形状などが変化するこ
ともある。このため、溶融マットの供給量は不安定にな
り、傾転角度だけでは必ずしも正確な供給量を維持でき
ないことがある。また、ロードセル36だけによる制御
では、エンコーダ35の検出値に基づく傾転角度のフィ
ードバック制御を実施できないので、傾転角度の調整に
よる溶融マット供給量の補正を正確に行うことはできな
い。そして、これらのいずれの方法においても、円筒型
保持炉30の内部または供給口33における鋳付きの成
長又はレンガ欠落などの異常を速やかに検知することは
できない。
【0047】このように、円筒型保持炉30から製銅炉
23へ供給される溶融マットの流量は定量化されて一定
に保たれ、かつ操業上の異常が速やかに検知され、適切
な対処を行うことにより操業の混乱を防止できるので、
製銅炉23での処理操作及びその後工程の生産管理が容
易になり、製錬装置全体としての管理が容易になり、ま
た、品質のよい製品を効率よく生産できるようになる。
【0048】
【発明の効果】本発明の円筒型保持炉、銅の製錬装置及
び銅の製錬方法によれば、次のような効果を奏する。 (1)円筒型保持炉から製銅炉へ供給する溶融マット供
給量の目標(理論)値と、実際に供給されている溶融マ
ット実供給量とを比較し、その結果に応じて円筒型保持
炉の傾転速度(角度)を補正するので、溶融マットの供
給量は正確で一定の流量を維持することができる。ま
た、操業上の異常を速やかに検知して適切な対処を行う
ことが可能になるので、操業の混乱を未然に防止するこ
ともできる。したがって、変動のない溶融マットの供給
を受ける製銅炉の操業及びその後工程の粗銅精製操業で
は、大幅な容易化、安定化及び省力化を達成でき、生産
性の低下や操業の不安定化につながる要因が取り除かれ
るので、品質や生産性の大幅な向上に大きな効果を奏す
る。 (2)操業が安定化することにより、操業停止時に必要
なバーナー用燃料(重油など)、粗銅精製工程で使用す
る保温及び還元用燃料、さらには樋保温用燃料などを削
減できるので、省エネルギーやコストの削減にも効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る銅の製錬装置の構成
を示す図である。
【図2】溶融マットの理論供給量の算出を説明するため
の円筒型保持炉の断面図である。
【図3】時間t(秒)の経過と単位時間当たりの傾転角
度θ(rad/秒)、すなわち傾転速度ωとの関係を目
標の溶融マット供給速度V(Kg/秒)毎に示したグラ
フである。
【図4】容器本体の容器中心Cからの距離hと円筒型保
持炉の傾転速度ωとの関係を目標の溶融マット供給速度
V毎に示したグラフである。
【図5】従来の三菱法による連続製錬装置の概要を示す
図である。
【図6】従来のバッチ式製錬装置例の概要を示す図であ
る。
【符号の説明】
21 溶錬炉 23 製銅炉(C炉) 26 樋 25 精製炉(A炉) 30 円筒型保持炉 31 容器本体 32 受け入れ口 33 供給口 34 駆動機構 35 エンコーダ(傾転角度検出手段) 36 ロードセル(秤量手段) 37 演算装置(制御手段) 50 運搬手段 51 レードル 52 搬送台車 53 クレーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 598113298 ポート ケンブラ・コッパー ピティワイ リミテッド オーストラリア エヌエスダブリュ 2505 ポート ケンブラ ミリタリー ロード (番地なし) (72)発明者 林 峰夫 東京都千代田区大手町一丁目5番1号 三 菱マテリアル株式会社内 (72)発明者 長谷川 望 東京都千代田区大手町一丁目5番1号 三 菱マテリアル株式会社内 (72)発明者 中尾 靖 東京都千代田区丸の内二丁目6番1号 古 河機械金属株式会社内 (72)発明者 斎藤 雅典 オーストラリア エヌエスダブリュ 2505 ポート ケンブラ ミリタリー ロード (番地なし) ポート ケンブラ・コッパ ー ピティワイ リミテッド内 (72)発明者 渡辺 泰史 オーストラリア エヌエスダブリュ 2505 ポート ケンブラ ミリタリー ロード (番地なし) ポート ケンブラ・コッパ ー ピティワイ リミテッド内 Fターム(参考) 4K001 AA09 BA06 DA03 DA05 GA04 GA05 GA07 GB11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空円筒状の容器を横置きにして溶融マ
    ットの受け入れ口及び供給口を設けた保持炉本体と、該
    保持炉本体を円周方向に傾転させる駆動機構と、前記保
    持炉本体の傾転角度を検出する傾転角度検出手段と、前
    記保持炉本体の全体重量を検出する秤量手段と、前記傾
    転角度検出手段及び前記秤量手段から入力された検出値
    を演算処理して前記駆動機構に傾転速度の制御信号を出
    力する制御手段とを備え、 前記制御手段が、前記溶融マット供給中の重量減少速度
    から実際に供給された溶融マット実供給量を算出し、該
    溶融マット実供給量を前記傾転角度の変化量から算出さ
    れる理論供給量と比較した結果に応じて、前記溶融マッ
    ト実供給量が一定となるよう前記駆動機構に出力する制
    御信号を補正し、かつ保持炉内部または前記供給口の異
    常を検知することを特徴とする円筒型保持炉。
  2. 【請求項2】 鉱石から溶融マットとスラグとを生成す
    る溶錬炉と、前記スラグと分離された前記溶融マットを
    バッチ式で受け入れて製銅炉へ連続的に供給する円筒型
    保持炉と、前記溶融マットを前記円筒型保持炉まで搬送
    する運搬手段と、前記保持炉から連続的に供給された溶
    融マットを連続的に精錬して粗銅及びスラグを産出する
    製銅炉とを具備し、 前記円筒型保持炉が、中空円筒状の容器を横置きにして
    溶融マットの受け入れ口及び供給口を設けた保持炉本体
    と、該保持炉本体を円周方向に傾転させる駆動機構と、
    前記保持炉本体の傾転角度を検出する傾転角度検出手段
    と、前記保持炉本体の全体重量を検出する秤量手段と、
    前記傾転角度検出手段及び前記秤量手段から入力された
    検出値を演算処理して前記駆動機構に傾転速度の制御信
    号を出力する制御手段とを備え、 前記制御手段が、前記溶融マット供給中の重量減少速度
    から実際に供給された溶融マット実供給量を算出し、該
    溶融マット実供給量を前記傾転角度の変化量から算出さ
    れる理論供給量と比較した結果に応じて、前記溶融マッ
    ト実供給量が一定となるよう前記駆動機構に出力する制
    御信号を補正し、かつ保持炉内部または前記供給口の異
    常を検知することを特徴とする銅の製錬装置。
  3. 【請求項3】 前記制御信号の補正は、前記溶融マット
    実供給量が前記理論供給量より小さい場合に前記傾転速
    度を上げ、前記溶融マット実供給量が前記理論供給量よ
    り大きい場合前記傾転速度を下げる方向になされること
    を特徴とする請求項2に記載の銅の製錬装置。
  4. 【請求項4】 前記傾転角度検出手段をエンコーダと
    し、前記秤量手段をロードセルとしたことを特徴とする
    請求項2または請求項3に記載の銅の製錬装置。
  5. 【請求項5】 鉱石から溶融マットとスラグとを生成す
    る溶錬炉と、前記スラグと分離された前記溶融マットを
    バッチ式で受け入れて製銅炉へ連続的に供給する円筒型
    保持炉と、前記溶融マットを前記円筒型保持炉まで搬送
    する運搬手段と、前記保持炉から連続的に供給された溶
    融マットを連続的に精錬して粗銅及びスラグを産出する
    製銅炉とを具備し、 前記円筒型保持炉が、中空円筒状の容器を横置きにして
    溶融マットの受け入れ口及び供給口を設けた保持炉本体
    と、該保持炉本体を円周方向に傾転させる駆動機構と、
    前記保持炉本体の傾転角度を検出する傾転角度検出手段
    と、前記保持炉本体の全体重量を検出する秤量手段と、
    前記傾転角度検出手段及び前記秤量手段から入力された
    検出値を演算処理して前記駆動機構に傾転速度の制御信
    号を出力する制御手段とを備え、 前記制御手段が、前記溶融マット供給中の重量減少速度
    から実際に供給された溶融マット実供給量を算出し、該
    溶融マット実供給量を前記傾転角度の変化量から算出さ
    れる理論供給量と比較した結果に応じて前記駆動機構に
    出力する制御信号を補正することにより、前記溶融マッ
    ト実供給量を定量化することを特徴とする銅の製錬方
    法。
  6. 【請求項6】 前記制御信号の補正は、前記溶融マット
    実供給量が前記理論供給量より小さい場合に前記傾転速
    度を上げ、前記溶融マット実供給量が前記理論供給量よ
    り大きい場合前記傾転速度を下げる方向になされること
    を特徴とする請求項5に記載の銅の製錬方法。
  7. 【請求項7】 前記溶融マット実供給量と前記理論供給
    量とが所定値以上に大きく異なる時は警報を発し、前記
    円筒型保持炉内または前記円筒型保持炉の供給口に生じ
    た異常を検知するようにしたことを特徴とする請求項5
    または請求項6に記載の銅の製錬方法。
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