JP2000061590A - 金属薄帯製造装置 - Google Patents

金属薄帯製造装置

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JP2000061590A
JP2000061590A JP10240818A JP24081898A JP2000061590A JP 2000061590 A JP2000061590 A JP 2000061590A JP 10240818 A JP10240818 A JP 10240818A JP 24081898 A JP24081898 A JP 24081898A JP 2000061590 A JP2000061590 A JP 2000061590A
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gas flow
roll
cooling
molten metal
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JP10240818A
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Junichi Murakami
潤一 村上
Akinobu Kojima
章伸 小島
Yutaka Yamamoto
豊 山本
Teruhiro Makino
彰宏 牧野
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Alps Alpine Co Ltd
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャンバのような大がかりで、かつ作業性に
劣る付帯設備を設けることなく、溶湯ノズル近傍の酸素
濃度を低減できる金属薄帯製造装置を提供する。 【解決手段】 冷却ロール1と、溶湯ノズル2と、溶湯
吹き出し部先端部分から金属薄帯が冷却面1aから剥離
する位置1bまで冷却面1aを覆う大気遮断手段60
と,冷却ロール1の回転方向後方に位置するロール表面
大気遮断手段61と、金属薄帯が冷却面1aから剥離す
る位置からロール表面大気遮断手段61の位置まで冷却
面1aを覆い、かつ冷却面1aから離間するロール外周
大気遮断手段68と、溶湯ノズル2周囲に少なくとも2
種類の不活性ガスを供給する第1ガスフロー供給手段
と、金属薄帯が冷却面1aから剥離する位置から大気遮
断手段60が設けられている位置までの間にあって、冷
却面1aに向けて不活性ガスを供給する第2ガスフロー
供給手段とを具備してなる金属薄帯製造装置を採用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非晶質金属等の金
属薄帯を製造する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属薄帯を製造する方法として、単一の
冷却ロールを用いる単ロール法が現在最も普及してい
る。図11には、単ロール法を実施するための従来の金
属薄帯製造装置の要部を示す。単ロール法は、冷却ロー
ル101を高速で回転させつつその冷却面頂部に近接し
た溶湯ノズル102から溶融金属103を噴出すること
により、溶融金属103を冷却ロール101の冷却面で
急冷凝固させつつ、冷却ロールの回転方向(矢印A方
向)に引き出すというものである。
【0003】溶湯ノズル102から噴出した溶融金属1
03は、溶湯ノズル102の先端と冷却ロール101の
冷却面との間で溜まり、金属溜まり104を形成し、冷
却ロール101の回転に伴って金属溜まり104から、
逐次溶融金属103が引き出され、冷却ロール101の
表面上で急冷凝固し、薄帯105が連続的に形成され
る。
【0004】単ロール法に供される材料が酸化されやす
い組成からなる場合には、材料の酸化により溶湯ノズル
102が詰まり、溶融金属の噴出が滞ることがあった。
この問題点を解消するために、従来の単ロール法におい
ては、金属薄帯製造装置全体をチャンバ内に配置し、こ
のチャンバ内を不活性ガス雰囲気とすることにより、溶
湯ノズル近傍の酸素濃度を低減して材料の酸化を防止す
る方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、チャンバ内を
不活性ガス雰囲気とする方法は、溶湯ノズル詰まりを防
止する上では極めて有効な手段であるが、装置全体がチ
ャンバ内にあるため作業性の点で課題があった。例え
ば、従来の単ロール法では、1チャージ毎にチャンバを
開放して溶融母材を溶解炉またはるつぼに装填し、再度
チャンバを密閉した後に不活性ガス雰囲気に置換すると
いう煩雑な作業が必要であった。また、チャンバ内を不
活性ガス雰囲気に保持するための付帯設備のコストが大
きいという課題もあった。
【0006】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたものであり、チャンバのような大がかりで、かつ
作業性に劣る付帯設備を設けることなく、溶湯ノズル近
傍雰囲気の酸素濃度を低減することが可能な金属薄帯の
製造装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】溶湯ノズルの詰まりを防
止するために、溶湯ノズル近傍のみを不活性ガス雰囲気
とすることにより酸素量を低減することができれば、従
来のように薄帯製造装置全体を不活性ガス雰囲気下に置
く必要はない。そして、溶湯ノズル近傍のみを不活性ガ
ス雰囲気とする設備であれば、従来のチャンバに比べて
作業性の向上、また、設備コスト低減を図ることが可能
となる。また、冷却ロールの冷却面に沿って冷却ロール
の回転により溶湯ノズル近傍に巻き込まれる大気を充分
に遮断することが可能であれば、溶湯ノズル近傍の酸素
濃度をより低減することができ、酸化されやすい材料で
あっても溶湯ノズルの詰まりを防止できると期待され
る。そこで本発明者等は、この点に着目して検討を行っ
たところ、冷却ロールの回転による大気の溶湯ノズル周
囲への巻き込みを防止する大気遮断手段およびロール表
面大気遮断手段を適所に設けるとともに、不活性ガスを
溶湯ノズル周囲に供給する第1のガスフロー手段と、不
活性ガスを冷却面に供給する第2のガスフロー供給手段
とを設けることにより、溶湯ノズル周囲の酸素量を効率
よく低減することができることを知見するにいたった。
また、不活性ガスとして、少なくとも2種類の不活性ガ
スを使用することで、より一層効率よく酸素量を低減す
ることができることを見い出した。
【0008】本発明の金属薄帯製造装置は、以上の知見
に基づきなされたものであり、回転する冷却ロールの冷
却面に金属溶湯を噴出させ、該金属溶湯を前記冷却面で
冷却して金属薄帯を得る金属薄帯製造装置であって、前
記冷却ロールと、前記冷却ロールと離間して前記冷却面
に向けて金属溶湯を噴出する溶湯ノズルと、少なくとも
前記溶湯ノズルの溶湯吹き出し部先端部分から少なくと
も前記金属薄帯が前記冷却面から剥離する位置まで、前
記冷却ロールの回転方向に沿って前記冷却面を覆い、前
記冷却ロールの回転による大気の巻き込みを防止する大
気遮断手段と、前記溶湯ノズルと前記冷却ロールとが対
向する位置よりも前記冷却ロールの回転方向後方に位置
して前記冷却面に接し、前記冷却ロールの回転により前
記冷却面に沿って前記溶湯ノズル周囲に巻き込まれる大
気を遮断するロール表面大気遮断手段と、少なくとも前
記金属薄帯が前記冷却面から剥離する位置から前記ロー
ル表面大気遮断手段が設けられる位置まで、前記冷却ロ
ールの回転方向に沿って延在して、前記冷却ロールを取
り囲むようにして前記冷却面を覆い、かつ前記冷却面か
ら離間するロール外周大気遮断手段と、前記溶湯ノズル
周囲に少なくとも2種類の不活性ガスを供給する第1ガ
スフロー供給手段と、少なくとも前記金属薄帯が前記冷
却面から剥離する位置から、前記大気遮断手段が設けら
れている位置までの間にあって、前記冷却面と離間して
前記冷却面に向けて不活性ガスを供給する第2ガスフロ
ー供給手段とを具備してなることを特徴とする。
【0009】本発明において、不活性ガスとは、 N2
He、Ar、Kr、Xe、Rnのことをいう。
【0010】このような金属薄帯製造装置では、第1ガ
スフロー供給手段から供給された少なくとも2種類の不
活性ガスが、溶湯ノズルの近傍に流れ込み、前記2種類
の不活性ガスのうち重い方の不活性ガスが、大気遮断手
段60内の軽い方の不活性ガスの下に重い不活性ガス層
を形成し、パドル付近の不活性ガスの濃度を上昇させる
ことにより、また、第2ガスフロー供給手段から供給さ
れた不活性ガスが、冷却ロールの冷却面上を冷却ロール
の回転方向に沿って流れ、ロール表面大気遮断手段を不
活性ガスが通過して溶湯ノズルの近傍に流れ込むことに
より、溶湯ノズル近傍の酸素濃度を低減することができ
る。
【0011】また、本発明の金属薄帯製造装置は、先に
記載の金属薄帯製造装置であって、前記第1ガスフロー
供給手段が、前記溶湯ノズルと前記冷却ロールとが対向
する位置よりも前記冷却ロールの回転方向後方に位置す
る第1のガスフローノズルおよび第2のガスフローノズ
ルと、前記溶湯ノズルと前記冷却ロールとが対向する位
置よりも前記冷却ロールの回転方向前方に位置する第3
のガスフローノズルおよび第4のガスフローノズルと、
前記溶湯ノズルの先端を囲むように設置され、前記溶湯
ノズルの先端を囲むように不活性ガスを供給する中空環
状の第6のガスフローノズルとを備えてなることを特徴
とする。
【0012】このような金属薄帯製造装置とした場合、
前記溶湯ノズルと前記冷却ロールとが対向する位置を基
準として、前記冷却ロールの回転方向前方および後方の
位置と、前記溶湯ノズルの先端を囲む位置とから不活性
ガスを供給することができ、溶湯ノズル近傍の酸素濃度
をより一層低減することができる。
【0013】また、第6のガスフローノズルを溶湯ノズ
ルの先端を囲むように設置し、前記第6のガスフローノ
ズルの外周位置と内周位置との中心の位置よりも若干内
側の位置に設けられた多数の孔から、溶湯ノズルの先端
を囲むようにガスをフローするものとした場合、第6の
ガスフローノズルからの第6のガスフローによって、溶
湯ノズル近傍の酸素濃度を、より一層低減することがで
きる。また、第6のガスフローノズルは、その外径と内
径の中心の位置に複数の孔を環状に設けてなるものとす
ることや、孔に代えて、環状スリットを設けてなるもの
とすることもできる。また、渦巻状に形成してなるもの
とし、溶湯ノズルの先端を2重に取り囲むようにしても
よい。
【0014】さらにまた、本発明の金属薄帯製造装置
は、先に記載の金属薄帯製造装置であって、前記第1の
ガスフローノズルは、前記冷却ロールの略接線方向から
前記溶湯ノズルの先端方向に向けて設置され、他のガス
フローノズルが供給する不活性ガスよりも重い不活性ガ
スをガスフローするようにされ、前記第2のガスフロー
ノズルは、前記溶湯ノズルと前記第1のガスフローノズ
ルとの間に設置され、前記第1のガスフローノズルから
のガスフロー上にガスフローするようにされていること
を特徴とする。
【0015】このような金属薄帯製造装置とした場合、
前記第1のガスフローノズルから供給された重い方の不
活性ガスが、前記第2のガスフローノズルからのガスフ
ローによって、溶湯ノズル近傍の冷却ロール上に載置さ
れ、溶湯ノズル近傍の不活性ガスの濃度が上昇するの
で、溶湯ノズル近傍の酸素濃度をより一層低減すること
ができる。さらに、前記不活性ガスは、N2とArであ
ることが望ましい。
【0016】また、本発明の金属薄帯製造装置は、先に
記載の金属薄帯製造装置であって、前記大気遮断手段
が、前記溶湯ノズルの位置よりも前記冷却ロールの回転
方向前方の正面に設けられたロール正面大気遮蔽板と、
前記溶湯ノズルの位置よりも前記冷却ロールの回転方向
前方の両側面に前記冷却ロールを挟むように設けられて
前記ロール正面大気遮蔽板と当接する一対のロール前方
大気遮蔽板と、前記冷却ロールの回転方向の前方から後
方に向けて延在し、前記ロール前方大気遮蔽板の上端縁
と当接して前記冷却ロールの上方に位置するロール上方
大気遮断板と、前記冷却ロールを挟んで前記ロール前方
大気遮断板及び前記ロール外周大気遮断手段と当接する
一対のロール側面大気遮断板とを少なくとも具備してな
り、前記ロール上方大気遮断板は、 前記冷却ロールの
回転方向の後方に向けて進むに従って、前記冷却ロール
の前記冷却面に接近するように設けられ、前記溶湯ノズ
ルの前記溶湯吹き出し部先端部分は、前記ロール上方大
気遮断板に設けられたノズル取り付け孔を貫通して前記
冷却ロールの前記冷却面を望むように配置されたことを
特徴とする。
【0017】このような金属薄帯製造装置とした場合、
大気遮断手段が、冷却ロールの回転方向前方及び後方に
設けられているので、冷却ロールの回転に伴って回転方
向前方及び後方から溶湯ノズル近傍に巻き込まれる大気
を遮断することができる。また、冷却ロールの回転方向
前方の上面に設けられてロール前方大気遮蔽板の上端縁
と当接するロール上方大気遮断板が設けられ、前記ロー
ル上方大気遮断板が、冷却ロールの回転方向前方から後
方に向けて延在し、冷却ロールの回転方向後方に進むに
従って冷却ロールの冷却面に接近するように設けられて
いるので、ロール外周大気遮断手段内部の溶湯ノズル近
傍の空間が狭くなって、溶湯ノズル近傍の雰囲気の組成
分布が影響を受けることがないので、均一な特性の金属
薄帯を製造できる。さらにまた、溶湯ノズルの溶湯吹き
出し部先端部分は、ノズル取り付け孔を貫通して冷却ロ
ールに望むように配置されており、溶湯ノズル本体とる
つぼと加熱コイルとは、ロール上方大気遮断板の外側に
位置しているので、大気遮断手段に対して溶湯ノズルの
着脱を容易にすることができる。また、大気遮断手段内
部の雰囲気を維持したまま、るつぼへの溶融母材のチャ
ージを容易に行うことができるものとなる。
【0018】前記第1ガスフロー供給手段からのガス流
量は200〜600l/min.であることが好まし
い。それは、 流量が200l/min未満では、溶湯ノズル
2近傍雰囲気の酸素量低減に効果がなく、一方、600
l/minを超えても、ガスフローによる周囲からの大気の
巻き込みが原因となり、酸素濃度低減効果が減じて供給
量に見合う効果が望めないからである。
【0019】また、前記第2ガスフロー供給手段からの
ガス流量は180〜380l/min.であることが好
ましい。それは、流量が180l/min未満では、 やはり
溶湯ノズル近傍雰囲気の酸素量低減に効果がなく、一
方、380l/minを超えても、上記第1のガスフロー供
給手段の場合と同様の理由により、供給量に見合う効果
が望めないからである。
【0020】さらに、本発明の金属薄帯製造装置は、
先に記載の金属薄帯製造装置であって、前記溶湯ノズル
の位置よりも前記冷却ロールの回転方向前方に大気滞留
部が設けられたことを特徴とする。
【0021】このような金属薄帯製造装置とした場合、
冷却ロールの回転方向前方に大気滞留部が設けられてい
るので、大気滞留効果により、ロール外周大気遮断手段
内部への大気の巻き込みを防止することができる。
【0022】前記大気滞留部は、前記ロール外周大気遮
断手段の内部に設けられることもできるし、外部に設け
ることもできる。また、この大気滞留部は、前記大気遮
断手段の開口部面積より大の開口面積を有するようにす
ることが好ましい。さらに、前記大気滞留部は、その内
部を複数の仕切板により区切られたものであってもよ
い。
【0023】したがって、本発明によれば、チャンバの
ような大がかりで、作業性に劣る付帯設備を設けること
なく、溶湯ノズル近傍雰囲気の酸素濃度を低減すること
ができ、また、連続生産することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態である金
属薄帯製造装置を図面を参照して説明する。図1、図2
及び図3において、本実施の形態に係る金属薄帯製造装
置は、回転する冷却ロール1の冷却面1aに金属溶湯を
噴出させ、この金属溶湯を冷却面1aで冷却して金属薄
帯を得るものである。この金属薄帯製造装置は、冷却ロ
ール1と、溶湯を保持するるつぼ3の下端部に連接され
る溶湯ノズル2と、溶湯ノズル2及びるつぼ3の外周に
捲回・配置された加熱コイル4と、少なくとも溶湯ノズ
ル2の溶湯吹き出し部先端部分から少なくとも金属薄帯
が冷却面1aから剥離する位置1bまで、冷却ロール1
の回転方向に沿って冷却面1aを覆い、冷却ロール1の
回転による大気の巻き込みを防止する大気遮断手段60
と、溶湯ノズル2と冷却ロール1とが対向する位置より
も冷却ロール1の回転方向の反対方向に位置して冷却面
1aに接するロール表面大気遮断手段であるロール表面
大気遮断板61と、ロール外周大気遮断手段であるロー
ル外周大気遮断板68と、不活性ガスを溶湯ノズル2近
傍にフローするための第1ガスフロー供給手段である第
1〜第4および第6のガスフローノズル51、52、5
3、54、56と、冷却ロール1の冷却面1aに向けて
不活性ガスをフローする第2ガスフロー供給手段である
第5のガスフローノズル55と、大気滞留部80とから
基本的に構成されている。
【0025】冷却ロール1は、図示しないモータにより
矢印(反時計)方向へ回転駆動される。冷却ロール1の
冷却面1aは、炭素鋼、例えば JIS S45Cなどの
Fe基合金、または真鍮(Cu−Zn合金)、あるいは
純Cuで構成することが望ましい。冷却ロール1の冷却
面1aが真鍮あるいは純Cuであると、熱伝導性が高い
ことから、冷却効果が高く、溶湯の急冷に適している。
冷却効果を向上させるためには、内部に水冷構造を設け
ることが望ましい。
【0026】図2において、るつぼ3内で溶解された溶
融金属は、下端部の溶湯ノズル2から冷却ロール1の冷
却面1aに向けて噴出される。るつぼ3の上部は、供給
管7を介してArガスなどのガス供給源8に接続される
と共に、供給管7には、圧力調整弁9と電磁弁10とが
組み込まれ、供給管7において圧力調整弁9と電磁弁1
0との間には圧力計11が組み込まれている。また、供
給管7には補助管12が並列的に接続され、補助管12
には圧力調整弁13、流量調整弁14、流量計15が組
み込まれている。したがって、ガス供給源8からるつぼ
3内にArガスなどのガスを供給して溶湯ノズル2から
溶湯を冷却ロール1に向けて噴出する。
【0027】金属薄帯の製造時には、冷却ロール1を高
速で回転させつつ、その頂部付近、もしくは、頂部より
やや前方に近接配置した溶湯ノズル2から溶湯を噴出す
ることにより、冷却ロール1の表面で急速冷却して固化
させつつ冷却ロール1の回転方向に帯状となして引き出
す。溶湯ノズル2の溶湯吹き出し口は矩形状を有する
が、吹出し幅(冷却ロール1の回転方向の幅)は、0.
1〜0.8mm程度であることが望ましい。0.1mm未満
であると溶湯の組成によっては溶湯ノズル詰まりが生じ
やすくなり、また、0.8mmを超えると十分な冷却が困
難な場合があるからである。
【0028】金属薄帯製造時の冷却ロール1と溶湯ノズ
ル2との間隔は、0.1〜0.8mmの範囲で選択すれば
よい。0.1mm未満では溶湯の噴出が困難となり、溶湯
ノズル2の破損を引き起こすおそれがあるからであり、
また、0.8mmを超えると良好な性状の薄帯製造が困難
となるからである。冷却ロール1と溶湯ノズル2との間
隔が調整できるように、るつぼ3は、図示しない昇降手
段により昇降可能である。冷却ロール1は、金属薄帯製
造開始後から、温度上昇により表面が熱膨張して径が拡
大するため、冷却ロール1と溶湯ノズル2との間隔を製
造開始後に徐々に大きくしていくことが板厚精度の高い
薄帯を製造するためには望ましい。
【0029】また、図1に示すように、冷却ロール1の
回転方向前下方には、薄帯誘導板70とスクレイパー7
2とが備えられている。冷却面1aにおいて溶湯が冷却
されて形成された金属薄帯は、スクレイパー72により
冷却ロール1から剥離されて薄帯誘導板70に案内さ
れ、更に通過口641を通過して金属薄帯製造装置の外
部に放出される。従って、スクレイパー72の近傍が、
冷却面1aから金属薄帯が剥離する位置1bとなる。
【0030】更に、ロール表面大気遮断板61は、図
1、図2及び図3に示すように、溶湯ノズル2と冷却ロ
ール1とが対向する位置よりも、冷却ロール1の回転方
向後方に位置しており、鋭角の先端部を有する板状構造
を有し、その鋭角の先端部を冷却ロール1の表面に接触
するようにして配置されている。このロール表面大気遮
断板61は、冷却ロール1の表面に付着してくる大気の
パドル付近への巻き込みを遮断することを目的として配
置するものであり、冷却ロール1を高速で回転する際
に、冷却ロール1の表面に付着して、パドル付近へ巻き
込まれようとする大気を掻き取るようにして遮断する。
【0031】ロール外周大気遮断手段であるロール外周
大気遮断板68は、前記金属薄帯が冷却面1aから剥離
する位置1bから、ロール表面大気遮断板61(ロール
表面大気遮断手段)が設けられる位置まで、冷却ロール
1の回転方向に沿って延在して冷却ロール1を取り囲ん
で冷却面1aを覆い、冷却面1aと離間して設けられて
いる。
【0032】第1ガスフロー供給手段による不活性ガス
の供給は、溶湯ノズル2を基準として後方側に設置され
る第1および第2のガスフローノズル51、52、前方
側に設置される第3および第4のガスフローノズル5
3、54、前記溶湯ノズル2の先端を囲むように設置さ
れる第6のガスフローノズル56からのガスフローによ
って供給することが望ましい。
【0033】図2において、第1のガスフローノズル5
1は、溶湯ノズル2を基準として後方側に設置されるガ
スフロー供給を行うための手段のうちの1つである。こ
の第1のガスフローノズル51は、冷却ロール1の後方
のほぼ接線方向から溶湯ノズル2の先端近傍(以下、パ
ドル生成部)にガスをフローするためのものである。そ
して、第1のガスフローノズル51は、図10に示すよ
うに、幅5mmの比較的細いスリット510を有し、ある
程度速い流速でガスをフローする。
【0034】第2のガスフローノズル52は、後方側に
設置されるガスフロー供給を行うための手段のうちのも
う1つである。この第2のガスフローノズル52は、第
1のガスフローノズル51からのガスフロー上にガスフ
ローし、第1のガスフローノズル51から供給されたガ
スフローを大気と遮断して、大気が巻き込まれるのを防
止するガスフローを供給するために、溶湯ノズル2と第
1のガスフローノズル51との間に設置されている。そ
して、第2のガスフローノズル52は、図9に示すよう
に、第1のガスフローノズル51より広い20mmのスリ
ット520を有し、第1のガスフローより遅い流速でガ
スフローを行う。
【0035】また、図2に示すように、第1および第2
のガスフローノズル51、52を、ロール表面大気遮断
板61と溶湯ノズル2との間に設置しているので、ロー
ル表面大気遮断板61により大気を遮断した直後に、不
活性ガスフローが供給されることになり、パドル生成部
付近の酸素濃度低減効果を向上させる。なお、大気のパ
ドル生成部付近への巻き込みをさらに効果的に遮断する
ために、ロール表面大気遮断板61を複数設けても良
い。
【0036】第3のガスフローノズル53は、溶湯ノズ
ル2を基準として前方側に設置されるガスフロー供給を
行うための手段のうちの1つである。この第3のガスフ
ローノズル53は、冷却ロール1の回転方向前方からの
大気の巻き込みを防止することを目的とするものであ
る。第3のガスフローノズル53の形状は、図9に示す
ように、第2のガスフローノズル52と同様であるが、
スリット540の幅を2.5mmと狭くしている。
【0037】第4のガスフローノズル54は、図1に示
すように、溶湯ノズル2の前方側に設置されるガスフロ
ー供給を行うための手段のうちのもう1つである。ロー
ル外周大気遮断手段60の先端上部に設置され、冷却ロ
ール1の前方正面方向にある開口部641からの大気の
巻き込みを防止することを目的とするものである。第4
のガスフローノズル54の形状は、図9に示すように、
第2、第3のガスフローノズル52、53と同様である
が、スリット550の幅を3mmとしている。
【0038】第6のガスフローノズル56は、前記溶湯
ノズル2の先端を囲むように設置されるガスフロー供給
を行うための手段である。この第6のガスフローノズル
56は、溶湯ノズル2の先端を囲むようにガスをフロー
するためのものである。そして、第6のガスフローノズ
ル56は、図12に示すように、外径6mmのパイプ5
61を外径57mm内径45mmの環状に形成してなる
環状パイプからなるものである。前記第6のガスフロー
ノズル56には、その外周位置と内周位置との中心の位
置よりも若干内側の位置に、外径1.5mmの多数の孔
562が3.5mmのピッチ563で環状に設けられて
いる。
【0039】以上の第1〜第4および第6のガスフロー
ノズル51、52、53、54、56は、単独で用いる
ことは勿論、複数を組み合わせて使用することができ
る。パドル生成部付近の酸素低減効果は、第1および第
2のガスフローノズルが最も大きい。
【0040】第1〜第4および第6のガスフローノズル
51、52、53、54、56には、図2の第1のガ
スフローノズル51について例示するように、圧力調整
弁16が接続された接続管17を介してガス供給源18
に接続される。
【0041】また、第2ガスフロー供給手段による不活
性ガスの供給は、 図1に示すように、冷却ロール1の
冷却面1aに向けてなされるものであって、大気遮断手
段60が設けられている位置から、より好ましくは冷却
面1aから金属薄帯が剥離する位置1bから、ロール表
面大気遮断板61が設けられている位置までの間で行う
ことが望ましい。
【0042】図1において、第2ガスフロー供給手段で
ある 第5のガスフローノズル55は、冷却面1aと離
間して冷却ロール1のほぼ真下に位置しており、ロール
外周大気遮断板68の任意の位置に形成された孔68a
から冷却面1aを望むように設けられて、冷却面1aに
向けてガスをフローできるようになっている。第5のガ
スフローノズル55は、図10に示すように、幅2.5
mmの比較的細いスリット550を有し、ある程度大きな
流量でガスをフローする。
【0043】第5のガスフローノズルから供給された不
活性ガスは、冷却ロール1の回転により冷却面1a上を
冷却ロール1の回転方向に沿って流れ、ロール表面大気
遮断板61の近傍に達する。ロール表面大気遮断板61
は、冷却面1aに接して配置されているが、前記ロール
表面大気遮断板61と冷却面1aとの間には微小な隙間
がある。この隙間を、冷却面1aに沿って流れてきた不
活性ガスが通過して、溶湯ノズル2の近傍に流れ込み、
パドル生成部付近の酸素濃度を低減することが可能とな
る。また、ロール外周大気遮断板68を設けることによ
り、パドル生成部付近の酸素濃度をより低減できる。こ
の理由は、冷却面1aがロール外周大気遮断板68に覆
われているため、第5のガスフローノズル55から冷却
面1aに沿ってロール表面大気遮断板61に向けて流れ
る不活性ガスが、ロール表面大気遮断板61に至るまで
の間に拡散することがなく、より多くの不活性ガスがロ
ール表面大気遮断板61を通過してパドル生成部近傍に
流れ込むからである。
【0044】このように、冷却ロール1のほぼ真下に
第5のガスフローノズル55を設置し、溶湯ノズル2の
位置を基準として冷却ロール1の回転方向後方にロール
表面大気遮断板61を設け、更に溶湯ノズル2の周囲
に、第1〜第4および第6のガスフローノズル51、5
2、53、54、56を設置することにより、パドル生
成部付近における酸素濃度の低減を行うことが可能にな
る。
【0045】また、第5のガスフローノズルを設置する
位置は、冷却ロール1の真下に限られず、金属薄帯が冷
却面1aから剥離する位置1bの近傍からロール表面大
気遮断板61が設けられている位置の間にあればよい。
例えば、図4に示すように、金属溶湯が冷却ロール1か
ら剥離する位置1bの近傍であっても良い。この場合、
第5のガスフローノズル55は、ロール前方大気遮断板
63を貫通して冷却ロール1の側方から冷却面1aを望
むように設置される。この場合の第5のガスフローノズ
ル55からフローされた不活性ガスは、冷却ロール1の
回転方向に沿ってロール表面大気遮断板61に向けて流
れると共に、冷却ロールの回転方向の反対方向に向けて
溶湯ノズル2の方向に流れる。
【0046】また、第6のガスフローノズル56は、図
12に示すように、その外周位置と内周位置との中心の
位置よりも若干内側の位置に、複数の孔562を環状に
設けてなるものとすることができるが、図13に示すよ
うに、外周位置と内周位置との中心の位置に複数の孔5
64を環状に設けてなる第6のガスフローノズル566
とすることや、図14に示すように、図13に示す孔5
64に代えて、環状スリット565を設けてなる第6の
ガスフローノズル567とすることもできる。また、図
21に示すように、渦巻状に形成してなる第6のガスフ
ローノズル568とし、溶湯ノズル2の先端を2重に取
り囲むようにしてもよい。
【0047】本発明の金属薄帯製造装置を用いて薄帯を
製造するにあたっては、冷却ロール1を回転させる前か
ら、第1〜第6のガスフローノズル51〜56により不
活性ガスを供給することが望ましい。これは、冷却ロー
ル1回転後に不活性ガスを供給する場合に比べて、冷却
ロール1回転前からガスフローを行った方が、酸素濃度
の低下が速くなるからである。したがって、溶湯ノズル
2近傍雰囲気の酸素濃度を測定し、所定の酸素濃度に達
した後に冷却ロール1の回転を行うようにすれば生産効
率上望ましい。
【0048】本発明において、第1ガスフロー供給手段
による不活性ガスの供給条件としては、流量200〜1
800l/min.、より好ましくは1760l/min.の条件下
で行えばよい。それは、流量が200l/min未満では、
溶湯ノズル2近傍雰囲気の酸素量低減に効果がなく、一
方、1800l/minを超えても、ガスフローによる周囲
からの大気の巻き込みが原因となり、酸素濃度低減効果
が減じてしまい、供給量に見合う効果が望めないからで
ある。
【0049】その場合、前記第1のガスフローノズル5
1からのガスフローである第1のガスフローは、流量3
30〜530l/min、 前記第2のガスフローノズル52
からのガスフローである第2のガスフローは、流量18
0〜380l/min、前記第3のガスフローノズル53か
らのガスフローである第3のガスフローは、流量150
〜350l/min、前記第4のガスフローノズル54から
のガスフローである第4のガスフローは、流量400〜
600l/min、前記第6のガスフローノズル56からの
ガスフローである第6のガスフローは、流量200〜4
00l/minとすることが望ましい。第1〜第4および第
6のガスフローのより望ましい範囲は、各々、第1のガ
スフロー;流量380〜480l/min、最も好ましくは
430l/min、第2のガスフロー;流量230〜330l
/min、最も好ましくは280l/min、第3のガスフロ
ー;流量150〜350l/min、最も好ましくは250l
/min、第4のガスフロー;流量400〜600l/min、
第6のガスフロー;流量200〜400l/min流速であ
る。特に、第4のガスフローの流量を450l/min以
上、最も好ましくは500l/minとすれば、パドル生成
部付近の酸素濃度をより低減することが可能になる。
【0050】本発明において、第2ガスフロー供給手段
による不活性ガスの供給条件としては、流量250〜7
50l/min.、より好ましくは500l/min.の条件下で行
えばよい。それは、流量が250l/min未満では、 やは
り溶湯ノズル近傍雰囲気の酸素量低減に効果がなく、一
方、750l/minを超えても供給量に見合う効果が望め
ないからである。従って、第5のガスフローノズル55
からのガスフローである第5のガスフローは、流量25
0〜750l/minとすることが望ましい。第5のガスフ
ローのより望ましい範囲は、 流量400〜600l/mi
n、最も好ましくは500l/minである。
【0051】本発明の金属薄帯の製造方法に用いる不活
性ガスとしては、 N2、 He、Ar、Kr、Xe、R
nから選ばれる少なくとも2種類の不活性ガスを使用す
ることができ、N2とArであることが望ましい。ま
た、不活性ガスは、第1のガスフローには、第2〜第6
のガスフローよりも重い不活性ガスを使用することが望
ましい。より望ましくは、第1のガスフローとして、空
気よりも重い不活性ガスを使用する。
【0052】次に、大気遮断手段60について説明す
る。図1、図2及び図4に示すように、本発明に係る大
気遮断手段60は、溶湯ノズル2の位置を基準にして、
冷却ロール1の回転方向前方の正面に位置するように設
けられたロール正面大気遮断板64と、冷却ロール1の
回転方向前方に位置して冷却ロール1を挟むように設け
られ、ロール正面大気遮断板64と当接する一対のロー
ル前方大気遮断板63、63と、冷却ロール1の回転方
向前方の上方に位置してロール前方大気遮断板63、6
3の上端縁と当接するように設けられたロール上方大気
遮断板62と、冷却ロール1を挟んでロール前方大気遮
断板63、63及びロール外周大気遮断手段と当接する
一対のロール側面大気遮断板67、67とを少なくとも
具備してなるものである。
【0053】前記ロール前方大気遮断板63は、図1及
び図4に示すように、冷却ロール1の両側面前方からの
大気の巻き込みを遮断することを目的として設置するも
のである。また、ロール正面大気遮断板64は、冷却ロ
ール1の冷却面に対向する前方からの大気の巻き込みを
遮断することを目的として設置するものである。本実施
の形態においては、ロール正面大気遮断板64は、ロー
ル前方大気遮断板63の前端および略中央部の2箇所に
設置しているが、必要に応じて1ヶ所でも3ヶ所以上設
けても良い(図1、図4参照)。この場合、溶湯ノズル
2近傍の雰囲気の酸素濃度を更に低減させることが期待
できる。なお、ロール正面大気遮断板64の中央部に
は、薄帯通過口641が設けられており、薄帯製造時に
は、この薄帯通過口641を薄帯が通過する。
【0054】また、ロール上方大気遮断板62は、図1
及び図4に示すように、溶湯ノズル2の位置を基準にし
て、 冷却ロール1の回転方向の前方から後方に向けて
延在し、ロール前方大気遮断板63の上端縁に載置、固
定されて、冷却ロール1の上方に位置するものである。
このロール上方大気遮断板62は、冷却ロール1の上方
からの大気の巻き込みを遮断することを目的として設置
されたものである。このロール上方大気遮断板62は、
冷却ロール1の回転方向の後方に向けて進むに従って、
冷却ロール1の冷却面1aの頂部に接近するように設
けられている。また、図3に示すように、ロール上方大
気遮断板62には、ノズル取り付け孔621が設けられ
ている。溶湯ノズル2は、このノズル取り付け孔621
を貫通して、溶湯ノズル2の溶湯吹き出し部先端部分2
1が冷却ロール1の冷却面1aを望むように配置され
る。るつぼ3は、図2に示すように、筒3aに収納され
ている。この筒3aは、ノズル取り付け孔621を塞い
で大気の流入を防止している。更に、ロール上方大気遮
断板62には、図2及び図3に示すように、第3のガス
フローノズル53が貫通するための孔622が設けられ
ている。第3のガスフローノズル53は、この孔622
を貫通してノズルの先端が冷却ロール1の冷却面を望む
ように配置される。この第3のガスフローノズル53に
より、不活性ガスフローをロール回転方向前方からパド
ル生成部付近に向けて供給する。
【0055】ロール上方大気遮断板62が、冷却ロール
1の冷却面1aに接近するように設けられるので、パド
ル生成部付近の空間が狭くなる。このような狭い空間に
向けて、第1〜3および第6のガスフローノズル51、
52、53、54によって、常に多量の不活性ガスが供
給されるので、パドル生成部付近における不活性ガスの
濃度が非常に高くなり、逆に酸素濃度は著しく低減され
る。
【0056】また、溶湯ノズル2は、溶湯吹き出し部先
端部分21のみが、ロール上方大気遮断板62を貫通し
ている。溶湯ノズル2の本体部分は、ロール上方大気遮
断板62の上に、即ち大気遮断手段60の外側に位置す
る。従って、溶湯ノズル2の本体と、るつぼ3と、これ
らに捲回された加熱コイル4は、大気遮断手段60の外
側に位置することとなる。従って溶湯ノズル2は、大気
遮断手段60に対して着脱が容易となる。
【0057】図1及び図4に示すように、ロール上方大
気遮断板62は、冷却ロール1の回転方向前方から前記
冷却面に向けて平坦に延びているが、これに限られず、
図5に示すように、冷却ロール1の回転方向前方から冷
却面1aに向けて大気遮断手段60の内側に湾曲しつつ
延びるロール上方大気遮断板65であっても良い。この
ロール上方大気遮断板65によれば、開口部641から
流入する大気を遮断して、パドル生成部付近の酸素濃度
を低減することが可能になる。更に、図6に示すよう
に、ロール上方大気遮断板62に、大気遮断手段60の
内側に向けて突出する少なくとも1以上の仕切板66を
設けても良い。仕切板66を形成することにより、開口
部641からの大気の流入を遮って、パドル生成部付近
の酸素濃度をより低減することが可能となる。また、こ
の仕切板66は、図6に示すように冷却ロール1の回転
方向に向けて突出するのみでなく、垂直下側に向けて突
出させても酸素濃度の低減効果が得られる。
【0058】ロール側面大気遮断板67は、図1、図4
及び図7に示すように、冷却ロール1より大径の円板状
を有し、冷却ロール1の両側面に接触、配置される。ま
た、ロール側面大気遮断板67は、ロール前方大気遮断
板63から冷却ロール1の後方に向けて延設される。こ
のロール側面大気遮断板67は、冷却ロール1の側面か
らの大気の巻き込みを遮断することを目的として設置す
るものである。尚、ロール側面大気遮断板67とロール
前方大気遮断板63は、一体であっても良い。
【0059】前記冷却ロール1は、ロール外周大気遮断
板68と一対のロール側面大気遮断板67とにより区画
された空間に配置される。ロール外周大気遮断板68
は、ロール表面大気遮断板61による大気遮断効果をよ
り向上することができる。
【0060】また、大気遮断手段60として、図7に示
すように、ロール後方大気遮断板69を設けても良い。
ロール後方大気遮断板69は、冷却ロール1の幅より大
きい幅を有する平板状構造を有するものであり、冷却ロ
ール1の後方下部からの大気の巻き込みを遮断すること
を目的として設置される。
【0061】以上の各大気遮断板61〜65、67〜6
9は、単独で用いることは勿論、複数で用いることもで
きる。全ての大気遮断板61〜65、67〜69を設置
すると冷却ロール1をほぼ取り囲むことになり、前記第
1〜第6のガスフローノズル51〜56からのガスフロ
ーによって、パドル生成部付近の酸素濃度低減効果を最
も向上することができる。
【0062】また、図1及び図4〜図6に示す金属薄帯
製造装置には、ロール正面大気遮断板64が2ヶ所に設
置されており、この間の空間が大気滞留部80となる。
図1及び図4〜図7においては、大気滞留部80は、大
気遮断手段60の外側に設けられているが、大気遮断手
段60の内部に設けることもできる。また、大気滞留部
80は、大気遮断手段60の開口部面積より大の開口面
積を有するようにすれば、大気滞留効果を向上させるこ
とができる。 さらに、大気滞留部80は、複数の仕切
板により区切ることによっても大気滞留効果を向上させ
ることができる。
【0063】図1及び図4〜図6に示す金属薄帯製造装
置は、小容量のるつぼ3を用いているので、大量の金属
薄帯を連続的に製造する場合には、図8に示す基本構成
からなる金属薄帯製造装置に、本発明のガスフロー、大
気遮断手段、大気滞留部を適用することができる。すな
わち、図8に示す金属薄帯製造装置は、溶融金属19
は、溶解炉20に保持されており、この溶解炉20の底
部流出口から流出管21を経由してタンディッシュ22
に供給される。タンディッシュ22の底部には、溶湯ノ
ズル2が設けられており、この溶湯ノズル2から高速回
転する冷却ロール1の表面に噴出され、凝固し、薄帯が
形成される。この装置によると、タンディッシュ22内
の溶融金属が減少した場合に、逐次溶解炉20から溶湯
をタンディッシュ22に補充することができるので、連
続生産に適する。
【0064】本発明に適用して有効な材料としては、以
下が掲げられる。 Febxy ただし、Mは、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo, W
から選ばれた1種または2種以上の元素(Zr,Hf,N
bのいずれかを必ず含む)であり、bは75原子%以上
93原子%以下、xは0.5原子%以上18原子%以
下、yは4原子%以上9原子%以下。 (Fe1-aabxy ただし、Zは、Ni,Coのうち1種または2種、 M
は、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれ
た1種または2種以上の元素(Zr,Hf,Nbのいずれ
かを必ず含む)であり、aは0.2以下、bは75原子
%以上93原子%以下、xは0.5原子%以上18原子
%以下、yは4原子%以上9原子%以下。
【0065】Febxyz ただし、Mは、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo, W
から選ばれた1種または2種以上の元素(Zr,Hf,N
bのいずれかを必ず含む)、XはCu,Ag,Cr,Ru,
Rh,Irから選ばれた1種または2種以上の元素であ
り、bは 75原子%以上93原子%以下、xは0.5
原子%以上18原子%以下、yは4原子%以上9原子%
以下、Zは5原子%以下。
【0066】(Fe1-aabxyz ただし、Zは、Ni,Coのうち1種または2種、M
は、 Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれ
た1種または2種以上の元素(Zr,Hf,Nbのいずれ
かを必ず含む)、XはCu,Ag,Cr,Ru,Rh,Ir
から選ばれた1種または2種以上の元素であり、aは
0.2以下、bは75原子%以上93原子%以下、xは
0.5原子%以上18原子%以下、yは4原子%以上9
原子%以下、Zは5原子%以下。
【0067】FebxyX't ただし、Mは、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo, W
から選ばれた1種または2種以上の元素(Zr,Hf,N
bのいずれかを必ず含む)、X'はSi,Al,Ge,Ga
から選ばれた1種または2種以上の元素であり、bは7
5原子%以上93原子%以下、xは0.5原子%以上1
8原子%以下、yは4原子%以上9原子%以下、tは4
原子%以下。
【0068】(Fe1-aabxyX't ただし、Zは、Ni,Coのうち1種または2種、M
は、 Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれ
た1種または2種以上の元素(Zr,Hf,Nbのいずれ
かを必ず含む)、X'はSi,Al,Ge,Gaから選ばれ
た1種または2種以上の元素であり、aは0.2以下、
bは75原子%以上93原子%以下、xは0.5原子%
以上18原子%以下、yは4原子%以上9原子%以下、
tは4原子%以下。
【0069】FebxyzX't ただし、Mは、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo, W
から選ばれた1種または2種以上の元素(Zr,Hf,N
bのいずれかを必ず含む)、XはCu,Ag,Cr,Ru,
Rh,Irから選ばれた1種または2種以上の元素、X'
はSi,Al,Ge,Gaから選ばれた1種または2種以
上の元素であり、bは75原子%以上93原子%以下、
xは0.5原子%以上18原子%以下、yは4原子%以
上9原子%以下、Zは5原子%以下、tは4原子%以
下。
【0070】(Fe1-aabxyzX't ただし、Zは、Ni,Coのうち1種または2種、M
は、 Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれ
た1種または2種以上の元素(Zr,Hf,Nbのいずれ
かを必ず含む)、XはCu,Ag,Cr,Ru,Rh,Ir
から選ばれた1種または2種以上の元素、X'はSi,A
l,Ge,Gaから選ばれた1種または2種以上の元素で
あり、aは0.2以下、bは75原子%以上93原子%
以下、xは0.5原子%以上18原子%以下、yは4原
子%以上9原子%以下、Zは5原子%以下、tは4原子
%以下。
【0071】本発明により以上の組成を有する非晶質の
合金薄帯を得た後に、その結晶化温度以上(例えば、5
00〜600℃)に加熱して徐冷する熱処理を行えば、
100〜200オングストロームの結晶からなる微細結
晶組織を有する軟磁性合金薄帯を得ることができる。
【0072】上述の金属薄帯製造装置は、大気遮断手段
60と、ロール表面大気遮断手段61と、ロール外周大
気遮断手段68と、第1ガスフロー供給手段と、第2ガ
スフロー供給手段とを備えているので、第1ガスフロー
供給手段から供給された少なくとも2種類の不活性ガス
が、溶湯ノズル2の近傍に流れ込み、前記2種類の不活
性ガスのうち重い方の不活性ガスが、大気遮断手段60
内の軽い方の不活性ガスの下に重い不活性ガス層を形成
し、パドル生成部付近の不活性ガスの濃度を上昇させる
ことにより、また、第2ガスフロー供給手段から供給さ
れた不活性ガスが、冷却ロール1の冷却面1a上を冷却
ロール1の回転方向に沿って流れ、ロール表面大気遮断
手段61を不活性ガスが通過してパドル生成部付近に流
れ込むことにより、パドル生成部付近の酸素濃度を低減
することができる。
【0073】また、第1ガスフロー供給手段が、溶湯ノ
ズル2と冷却ロール1とが対向する位置よりも前記冷却
ロール1の回転方向後方に位置する第1のガスフローノ
ズル51および第2のガスフローノズル52と、前記冷
却ロール1の回転方向前方に位置する第3のガスフロー
ノズル53および第4のガスフローノズル54と、溶湯
ノズル2の先端を囲むように設置され、前記溶湯ノズル
の先端を囲むように不活性ガスを供給する中空環状の第
6のガスフローノズル56、566、567、568と
を備えてなるものであるので、冷却ロール1の回転方向
前方および後方の位置と、溶湯ノズル2の先端を囲む位
置とから不活性ガスを供給することができ、パドル生成
部付近の酸素濃度をより一層低減することができる。
【0074】さらに、第1のガスフローノズル51を、
冷却ロール1の接線方向から溶湯ノズル2の先端方向に
向けて設置し、他のガスフローノズルが供給する不活性
ガスよりも重い不活性ガスをガスフローするようにし
て、前記第2のガスフローノズル52を、溶湯ノズル2
と第1のガスフローノズル51との間に設置し、前記第
1のガスフローノズル51からのガスフロー上に ガス
フローするようにしたので、第1のガスフローノズル5
1から供給された重い方の不活性ガスが、第2のガスフ
ローノズル52からの第2のガスフローによって、パド
ル生成部付近の冷却ロール上に載置され、パドル生成部
付近の不活性ガスの濃度が上昇するので、パドル生成部
付近の酸素濃度をより一層低減することができる。
【0075】さらにまた、第6のガスフローノズル56
が、中空環状であり、溶湯ノズル2の先端を囲むように
設置され、前記第6のガスフローノズル56の外周位置
と内周位置との中心の位置よりも若干内側の位置に設け
られた多数の孔から、溶湯ノズル2の先端を囲むように
ガスをフローするものであるので、第6のガスフローノ
ズル56からの第6のガスフローによって、パドル生成
部付近の酸素濃度を、より一層低減することができる。
【0076】また、上述の金属薄帯製造装置には、冷却
ロール1を取り囲んで冷却面1aを覆うロール外周大気
遮断手段であるロール外周大気遮断板68が設けられ
て、このロール外周大気遮断板68の任意の位置から冷
却面1aに望むように第5のガスフローノズル55が設
置されているので、第5のガスフローノズル55から冷
却面1aに沿ってロール表面大気遮断板61に向けて流
れる不活性ガスが、ロール表面大気遮断板61に至るま
での間に拡散することがなく、より多くの不活性ガスが
ロール表面大気遮断板61を通過することによりパドル
生成部近傍に流れ込んで、パドル生成部付近の酸素濃度
をより低減することができる。
【0077】また、上述の金属薄帯製造装置において
は、溶湯ノズル2の溶湯吹き出し部先端部分21が大気
遮断手段60により覆われ、溶湯ノズル2の本体及びる
つぼ3が大気遮断手段60の外側に配置されているの
で、大気遮断手段60内部の雰囲気を維持したまま、る
つぼ3への 溶融母材のチャージを容易に行うことがで
きる。
【0078】また、上述の金属薄帯製造装置には、大気
遮断手段60が冷却ロール1の回転方向前方及び後方に
設けられているので、冷却ロール1の回転に伴って回転
方向前方及び後方から パドル生成部付近に巻き込まれ
る大気を遮断することができる。更に、冷却ロールの回
転方向前方には、 大気滞留部80が設けられているの
で、大気滞留効果により、大気遮断手段60内部への大
気の巻き込みを防止することができる。
【0079】上述の金属薄帯製造装置には、冷却ロール
1の回転方向前方の上面に設けられて、ロール前方大気
遮断板63の上端縁と当接するロール上方大気遮断板6
2が設けられており、このロール上方大気遮断板62
は、冷却ロール1の回転方向前方から後方に向けて延在
し、冷却ロール1の回転方向後方に進むに従って冷却ロ
ール1の冷却面1aに接近するように設けられているの
で、大気遮断手段60内部のパドル生成部付近の空間が
狭くなって、パドル生成部付近の雰囲気の組成分布の影
響を受けることがなく、均一な特性の金属薄帯を製造で
きる。また、溶湯ノズル2の溶湯吹き出し部先端部分2
1は、ノズル取り付け孔621を貫通して冷却ロール1
に望むように配置されており、溶湯ノズル2本体とるつ
ぼ3と加熱コイル4とは大気遮断手段60の外側に位置
しているので、溶湯ノズル2は、大気遮断手段60に対
して着脱が容易にすることができると共に、溶湯ノズル
2は、大気遮断手段60に対して位置を自在に変更でき
るので、冷却ロール1と溶湯ノズル2との間隔を調整す
ることにより、常に均一な板厚の薄帯を製造できる。
【0080】上述の金属薄帯製造装置においては、ロー
ル上方大気遮断板62が、冷却ロール1の回転方向後方
に向けて大気遮断手段60の内側に湾曲しつつ延びてい
るので、パドル生成部付近への大気の巻き込みを遮断す
ることができる。また、上述の金属薄帯製造装置におい
ては、ロール上方大気遮断板62に、大気遮断手段60
の内側に向けて突出する仕切板66が設けられているの
で、パドル生成部付近への大気の巻き込みを遮断するこ
とができる。
【0081】上述の金属薄帯製造装置には、冷却ロール
1の回転方向前下方に、薄帯誘導板70とスクレイパー
72とが備えられ、更に、ロール正面大気遮断板64に
は、金属薄帯が通過する通過口641が設けられている
ので、金属薄帯は、スクレイパー72により冷却ロール
1から剥離されて薄帯誘導板70に案内され、更に通過
口641を通過して、金属薄帯製造装置の外部に円滑に
放出させることができる。
【0082】
【実施例】
【試験例1】上述した金属薄帯製造装置に、図12〜図
14に示す第6のガスフローノズル56、566、56
7のいずれかを備え、第6のガスフローの流量と酸素濃
度との関係を調べた。なお、試験例1において、冷却ロ
ール1には、直径300mmのものを用い、溶湯ノズル
2の位置は、冷却ロール1の頂部の前方4mmの位置に
設置した。
【0083】第1〜第6のガスフローノズル51〜56
からのガスフローである第1〜第6のガスフローおよび
大気遮断板を下記の条件とし、大気滞留部を図1に示す
形態とした場合の酸素濃度測定を行った。フローガスと
しては、ArとN2を用いた。 Arガスをフローするに
当たっては、スケールファクターを使用して流量を揃え
た。酸素濃度の測定には、東レ(株)製のLC−700
Hを用い、溶湯ノズル2の前方側の冷却ロール1の表面
から0.3mmの位置にて行った。 なお、冷却ロール1は
停止状態とし、溶湯ノズル2からの溶湯の噴出は行わず
に酸素濃度を測定した。また、ガスフロー流量は、
(株)ユタカ製流量用パネル付型流量計F−7を使用し
て測定した。
【0084】[ガスフロー条件] 第1のガスフロー(流量:432l/min、不活性ガス:
Ar) 第2のガスフロー(流量:280l/min、不活性ガス:
2) 第3のガスフロー(流量:250l/min、不活性ガス:
2) 第4のガスフロー(流量:500l/min、不活性ガス:
2) 第5のガスフロー(流量:500l/min、不活性ガス:
2) 第6のガスフロー(流量:100〜600l/min、不活
性ガス:N2) [大気遮断板条件] ロール表面大気遮断板、ロール前方大気遮断板、ロール
上方遮断板 ロール正面大気遮断板、ロール側面大気遮断板、ロール
外周大気遮断板
【0085】その結果を、図15に示す。図15におい
て、符号56Aは、 図12に示す第6のガスフローノ
ズル56を、符号56Bは、図13に示す第6のガスフ
ローノズル566を、符号56Cは、図14に示す第6
のガスフローノズル567を示している。図15より、
図12示す外周位置と内周位置との中心の位置よりも若
干内側の位置に、孔562を設けてなる第6のガスフロ
ーノズル56を使用した場合、図13に示す外周位置と
内周位置との中心の位置に、孔564を設けてなる第6
のガスフローノズル566よりも酸素濃度が低くなるこ
とが確認できた。また、図14に示す第6のガスフロー
ノズル567は、 流量を500l/min以上とした場合、
図12に示す第6のガスフローノズル56よりも酸素濃
度が低くなることが確認できた。
【0086】
【試験例2】試験例1と同様の金属薄帯製造装置に、第
6のガスフローノズルを備えていない場合と、図12に
示す第6のガスフローノズル56を備え、第6のガスフ
ローの流量を100l/min、200l/min、300l/mi
n、400l/min、500l/min、600l/minとした場合
における 不活性ガスフロー時間と酸素濃度との関係を
調べた。
【0087】第1〜第6のガスフローおよび大気遮断板
の条件を試験例1と同様とし、ガスフロー開始後5分経
過してから 冷却ロール1を100rpmで回転し、2分経
過後に冷却ロール回転の回転数を2000rpmにあげて
3分間回転し、さらに、冷却ロールを2000rpmにし
てから1分後に、溶湯ノズル2を冷却ロール1の冷却面
1aに接近させて、試験例1と同様にして酸素濃度測定
を行った。
【0088】その結果を、図16に示す。図16より、
第6のガスフローノズル56からの第6のガスフローを
供給することで、酸素濃度を低下させることができるこ
とが確認できた。また、図12に示す第6のガスフロー
ノズル56は、冷却ロール1が低回転(100rpm)の
時は、流量を200l/minとした場合に、最も低い酸素
濃度を得ることができるが、不活性ガスを供給して10
分経過した後においては、流量を300l/minとした場
合に、最も低い酸素濃度が得られることが確認できた。
さらにまた、不活性ガスを供給して10分経過した後、
すなわち冷却ロール1を高回転(2000rpm)で回転
させて3分経過した後の酸素濃度は、 流量を200l/m
inとした場合、0.037%であった。また、流量を3
00l/minとした場合、0.035%であった。
【0089】
【試験例3】試験例2と同様の金属薄帯製造装置に、図
13に示す第6のガスフローノズル566を備え、第6
のガスフローの流量を100l/min、200l/min、30
0l/min、400l/min、500l/min、600l/minとし
た場合における不活性ガスフロー時間と酸素濃度との関
係を試験例2と同様にして調べた。
【0090】その結果を、図17に示す。図17より、
図13に示す第6のガスフローノズル566は、流量を
300l/minとした場合に、最も低い酸素濃度を得るこ
とができることが確認できた。また、流量を300l/mi
nとした場合、不活性ガスを供給して 10分経過した後
の酸素濃度は、0.21%であった。
【0091】
【試験例4】試験例2と同様の金属薄帯製造装置に、図
14に示す第6のガスフローノズル567を備え、第6
のガスフローの流量を100l/min、200l/min、30
0l/min、400l/min、500l/min、600l/minとし
た場合における不活性ガスフロー時間と酸素濃度との関
係を試験例2と同様にして調べた。
【0092】その結果を、図18に示す。図18より、
図14に示す第6のガスフローノズル567は、冷却ロ
ール1が低回転(100rpm)の時は、流量を300l/m
inとした場合に、最も低い酸素濃度を得ることができる
が、不活性ガスを供給して10分経過した後において
は、流量を600l/minとした場合に、最も低い酸素濃
度を得ることができることが確認できた。また、不活性
ガスを供給して10分経過した後の酸素濃度は、流量を
300l/minとした場合、0.219%であった。ま
た、流量を600l/minとした場合、0.0219%で
あった。
【0093】試験例2〜試験例4の結果から、 図12
に示す第6のガスフローノズル56は、図13に示す第
6のガスフローノズル566よりも、酸素濃度を低下さ
せることができ、図14に示す第6のガスフローノズル
567よりも、少ないガス供給量で酸素濃度を0.1%
以下とすることができ、優れた効果が得られることを確
認できた。このことから、ガス供給量と酸素濃度を低下
させる効果とを考慮した場合、図12示す第6のガスフ
ローノズル56を使用し、 流量を300l/minとするの
が好ましいことがあきらかとなった。
【0094】
【試験例6】試験例2と同様の金属薄帯製造装置に、図
21に示す第6のガスフローノズル568を備え、試験
例1のガスフロー条件のうち、第6のガスフローを下記
の条件とした場合における不活性ガスフロー時間と酸素
濃度との関係を試験例2と同様にして調べた。 [ガスフロー条件] 第6のガスフロー(流量:600l/min、不活性ガス:
2
【0095】
【試験例7】試験例2と同様の金属薄帯製造装置に、図
21に示す第6のガスフローノズル568を備え、試験
例6のガスフロー条件のうち、第1、第2のガスフロー
を下記の条件とした場合における不活性ガスフロー時間
と酸素濃度との関係を試験例2と同様にして調べた。
【0096】[ガスフロー条件] 第1のガスフロー(流量:300l/min、不活性ガス:
2) 第2のガスフロー(流量:280l/min、不活性ガス:
2
【0097】
【試験例8】試験例2と同様の金属薄帯製造装置に、図
21に示す第6のガスフローノズル568を備え、試験
例6のガスフロー条件のうち、第1、第2のガスフロー
ノズル51、52からのガスフローである第1、第2の
ガスフローを下記の条件とした場合における不活性ガス
フロー時間と酸素濃度との関係を試験例2と同様にして
調べた。
【0098】[ガスフロー条件] 第1のガスフロー(流量:432l/min、不活性ガス:
Ar) 第2のガスフロー(流量:280l/min、不活性ガス:
Ar)
【0099】試験例6〜試験例8において、試験例6
は、本発明の実施例であり、試験例7および試験例8
は、従来例である。試験例6〜試験例8の結果を、図1
9に示す。図19において、符号Dは、試験例6の結果
を、 符号Eは、試験例7の結果を、符号Fは、試験例
8の結果を示している。
【0100】図19より、不活性ガスの種類をArとN
2の2種類とした試験例6では、 1種類である試験例6
および試験例7と比較して、低い酸素濃度が得られるこ
とが確認できた。
【0101】
【試験例9】試験例2と同様の金属薄帯製造装置に、図
12に示す第6のガスフローノズル56を備え、試験例
1のガスフロー条件のうち、第6のガスフローを下記の
条件としたガスフロー条件で、第1〜第6のガスフロー
の中から選ばれる1つのガスフローのみとした場合にお
ける不活性ガスフロー時間と酸素濃度との関係を試験例
2と同様にして調べた。
【0102】[ガスフロー条件] 第6のガスフロー(流量:300l/min、不活性ガス:
Ar)
【0103】その結果を、図20に示す。図20より、
第1〜第6のガスフローの中で、 酸素濃度を低下させ
るためには、第6のガスフローがとくに重要であること
が確認できた。
【0104】
【発明の効果】本発明の金属薄帯製造装置には、大気遮
断手段と、 ロール表面大気遮断手段と、ロール外周大
気遮断手段と、第1ガスフロー供給手段と、第2ガスフ
ロー供給手段とを少なくとも具備しているので、第1ガ
スフロー供給手段から供給された少なくとも2種類の不
活性ガスが、溶湯ノズルの近傍に流れ込み、前記2種類
の不活性ガスのうち重い方の不活性ガスが、大気遮断手
段内の軽い方の不活性ガスの下に重い不活性ガス層を形
成し、パドル生成部付近の不活性ガスの濃度を上昇させ
ることにより、また、第2ガスフロー供給手段から供給
された不活性ガスが、冷却ロールの冷却面上を冷却ロー
ルの回転方向に沿って流れ、ロール表面大気遮断手段を
不活性ガスが通過して溶湯ノズルの近傍に流れ込み、パ
ドル生成部付近の酸素濃度を低減することができる。
【0105】また、第1ガスフロー供給手段が、溶湯ノ
ズルと冷却ロールとが対向する位置よりも前記冷却ロー
ルの回転方向後方に位置する第1のガスフローノズルお
よび第2のガスフローノズルと、前記冷却ロールの回転
方向前方に位置する第3のガスフローノズルおよび第4
のガスフローノズルと、溶湯ノズルの先端を囲むように
設置され、前記溶湯ノズルの先端を囲むように不活性ガ
スを供給する中空環状の第6のガスフローノズルとを備
えてなるものであるので、冷却ロールの回転方向前方お
よび後方の位置と、溶湯ノズルの先端を囲む位置とから
不活性ガスを供給することができ、パドル生成部付近の
酸素濃度をより一層低減することができる。
【0106】さらに、第1のガスフローノズルを、冷却
ロールの接線方向から溶湯ノズルの先端方向に向けて設
置し、他のガスフローノズルが供給する不活性ガスより
も重い不活性ガスをガスフローするようにして、前記第
2のガスフローノズルを、溶湯ノズル2と第1のガスフ
ローノズルとの間に設置し、前記第1のガスフローノズ
ルからのガスフロー上にガスフローするようにしたの
で、第1のガスフローノズルから供給された重い方の不
活性ガスが、第2のガスフローノズルからの第2のガス
フローによって、パドル生成部付近の冷却ロール上に載
置され、パドル生成部付近の不活性ガスの濃度が上昇す
るので、パドル生成部付近の酸素濃度をより一層低減す
ることができる。
【0107】さらにまた、第6のガスフローノズルが、
中空環状であり、溶湯ノズルの先端を囲むように設置さ
れ、前記第6のガスフローノズルの外周位置と内周位置
との中心の位置よりも若干内側の位置に設けられた多数
の孔から、溶湯ノズルの先端を囲むようにガスをフロー
するものであるので、第6のガスフローノズルからの第
6のガスフローによって、パドル生成部付近の酸素濃度
を、より一層低減することができる。
【0108】また、冷却ロールを取り囲んで冷却面を覆
うロール外周大気遮断手段が設けられているので、第2
ガスフロー供給手段から冷却面に沿ってロール表面大気
遮断手段に向けて流れる不活性ガスが、ロール表面大気
遮断手段に至るまでの間に拡散することがなく、より多
くの不活性ガスがロール表面大気遮断手段を通過するこ
とによりパドル生成部近傍に流れ込んで、パドル生成部
付近の酸素濃度をより低減することができる。
【0109】本発明の金属薄帯製造装置においては、溶
湯ノズルの溶湯吹き出し部先端部分が大気遮断手段によ
り覆われ、溶湯ノズルの本体及びるつぼが大気遮断手段
の外側に配置されているので、大気遮断手段内部の雰囲
気を維持したまま、るつぼへの溶融母材のチャージを容
易に行うことができる。
【0110】また、本発明の金属薄帯製造装置には、大
気遮断手段が冷却ロールの回転方向前方及び後方に設け
られているので、冷却ロールの回転に伴って回転方向前
方及び後方からパドル生成部付近に巻き込まれる大気を
遮断することができる。
【0111】本発明の金属薄帯製造装置には、冷却ロー
ルの回転方向前方の上面に設けられてロール前方大気遮
蔽板の上端縁と当接するロール上方大気遮断板が設けら
れており、このロール上方大気遮断板は、冷却ロールの
回転方向前方から後方に向けて延在し、冷却ロールの回
転方向後方に進むに従って冷却ロールの冷却面に接近す
るように設けられているので、ロール外周大気遮断手段
内部のパドル生成部付近の空間が狭くなって、パドル生
成部付近の雰囲気の組成分布の影響を受けることがない
ので、均一な特性の金属薄帯を製造できる。また、溶湯
ノズルの溶湯吹き出し部先端部分は、ノズル取り付け孔
を貫通して冷却ロールに望むように配置されており、溶
湯ノズル本体と、るつぼと、加熱コイルはロール外周大
気遮断手段の外側に位置しているので、大気遮断手段に
対して溶湯ノズルの着脱を容易にすることができる。
【0112】更に、冷却ロールの回転方向前方には大気
滞留部が設けられているので、大気滞留効果により、ロ
ール外周大気遮断手段内部への大気の巻き込みを防止す
ることができる。
【0113】本発明によると、チャンバのような大がか
りで、かつ作業性に劣る付帯設備を設けることなく溶湯
ノズル近傍雰囲気の酸素濃度を低減し、連続生産をする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の金属薄帯製造装置の1実施の形態を
示す図であって、Aは金属薄帯製造装置の側面図であ
り、Bは金属薄帯製造装置の正面図である。
【図2】 図1に示す金属薄帯製造装置の要部を示す構
成図である。
【図3】 図1に示す金属薄帯製造装置の要部を示す斜
視図である。
【図4】 本発明の他の実施の形態である金属薄帯製造
装置を示す図であって、Aは側面図であり、Bは正面図
である。
【図5】 本発明のその他の実施の形態である金属薄帯
製造装置を示す図であって、Aは側面断面図であり、B
は正面図である。
【図6】 本発明の別の実施の形態である金属薄帯製造
装置を示す図であって、Aは側面断面図であり、Bは正
面図である。
【図7】 ロール後方大気遮蔽板を示す図であって、A
は側面図であり、Bは正面図である。
【図8】 連続生産に適した金属薄帯装置の形態を示す
図である。
【図9】 第2、第3、第4のガスフローノズルを示す
図であって、Aは平面図であり、Bは第2のガスフロー
ノズルの正面図であり、Cは第3のガスフローノズルの
正面図であり、Dは第4のガスフローノズルの正面図で
ある。
【図10】 第1、第5のガスフローノズルを示す図で
あって、Aは第1のガスフローノズルの平面図であり、
Bは第1のガスフローノズルの正面図であり、Cは第
5のガスフローノズルの正面図であり、Dは第1、第5
のガスフローノズルの側面図である。
【図11】 単ロール法による薄帯製造を示す図であ
る。
【図12】 第6のガスフローノズルの一例を示す図で
あって、Aは平面図であり、Bは断面図である。
【図13】 第6のガスフローノズルの第2の例を示す
図であって、Aは平面図であり、Bは断面図である。
【図14】 第6のガスフローノズルの第3の例を示す
図であって、Aは平面図であり、Bは断面図である。
【図15】 図12〜図14に示した第6のガスフロー
ノズルを使用した場合のパドル生成部近傍における酸素
濃度と、第6のガスフローの流量との関係を示すグラフ
である。
【図16】 図12に示した第6のガスフローノズルを
使用した場合および第6のガスフローノズルを用いない
場合の パドル生成部近傍における酸素濃度と、冷却ロ
ールの回転速度との関係を示すグラフである。
【図17】 図13に示した第6のガスフローノズルを
使用した場合のパドル生成部近傍における酸素濃度と、
冷却ロールの回転速度との関係を示すグラフである。
【図18】 図14に示した第6のガスフローノズルを
使用した場合のパドル生成部近傍における酸素濃度と、
冷却ロールの回転速度との関係を示すグラフである。
【図19】 不活性ガスを1種類使用した場合および2
種類使用した場合のパドル生成部近傍における酸素濃度
と、冷却ロールの回転速度との関係を示すグラフであ
る。
【図20】 第1〜第6のガスフローノズルから選ばれ
る1つのみを使用した場合のパドル生成部近傍における
酸素濃度と、冷却ロールの回転速度との関係を示すグラ
フである。
【図21】 試験例6〜試験例8に使用した第6のガス
フローノズルを示す図であって、Aは平面図であり、B
は断面図である。
【符号の説明】
1 冷却ロール 1a 冷却面 1b 金属薄帯が剥離する位置 2 溶湯ノズル 3 るつぼ 4 加熱コイル 51 第1のガスフローノズル(第1ガスフロー供給手
段) 52 第2のガスフローノズル(第1ガスフロー供給手
段) 53 第3のガスフローノズル(第1ガスフロー供給手
段) 54 第4のガスフローノズル(第1ガスフロー供給手
段) 55 第5のガスフローノズル(第2ガスフロー供給手
段) 56、566、567、568 第6のガスフローノズ
ル(第1ガスフロー供給手段) 60 大気遮断手段 61 ロール表面大気遮断板(ロール表面大気遮断手
段) 62 ロール上方大気遮断板 63 ロール前方大気遮断板 64 ロール正面大気遮断板 65 ロール上方大気遮断板 66 仕切板 67 ロール側面大気遮断板 68 ロール外周大気遮断板(ロール外周大気遮断手
段) 69 ロール後方大気遮断板 70 薄帯誘導板 72 スクレイパー 80 大気滞留部 641 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 豊 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式 会社内 (72)発明者 牧野 彰宏 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式 会社内 Fターム(参考) 4E004 DB02 HA03 TA01 TA03 TB01 TB04 TB05 TB07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転する冷却ロールの冷却面に金属溶湯
    を噴出させ、該金属溶湯を前記冷却面で冷却して金属薄
    帯を得る金属薄帯製造装置であって、 前記冷却ロールと、 前記冷却ロールと離間して前記冷却面に向けて金属溶湯
    を噴出する溶湯ノズルと、 少なくとも前記溶湯ノズルの溶湯吹き出し部先端部分か
    ら少なくとも前記金属薄帯が前記冷却面から剥離する位
    置まで、前記冷却ロールの回転方向に沿って前記冷却面
    を覆い、前記冷却ロールの回転による大気の巻き込みを
    防止する大気遮断手段と、 前記溶湯ノズルと前記冷却ロールとが対向する位置より
    も前記冷却ロールの回転方向後方に位置して前記冷却面
    に接し、前記冷却ロールの回転により前記冷却面に沿っ
    て前記溶湯ノズル周囲に巻き込まれる大気を遮断するロ
    ール表面大気遮断手段と、 少なくとも前記金属薄帯が前記冷却面から剥離する位置
    から前記ロール表面大気遮断手段が設けられる位置ま
    で、 前記冷却ロールの回転方向に沿って延在して、前
    記冷却ロールを取り囲むようにして前記冷却面を覆い、
    かつ前記冷却面から離間するロール外周大気遮断手段
    と、 前記溶湯ノズル周囲に少なくとも2種類の不活性ガスを
    供給する第1ガスフロー供給手段と、 少なくとも前記金属薄帯が前記冷却面から剥離する位置
    から、前記大気遮断手段が設けられている位置までの間
    にあって、前記冷却面と離間して前記冷却面に向けて不
    活性ガスを供給する第2ガスフロー供給手段とを具備し
    てなることを特徴とする金属薄帯製造装置。
  2. 【請求項2】 前記第1ガスフロー供給手段は、 前記溶湯ノズルと前記冷却ロールとが対向する位置より
    も前記冷却ロールの回転方向後方に位置する 第1のガ
    スフローノズルおよび第2のガスフローノズルと、 前記溶湯ノズルと前記冷却ロールとが対向する位置より
    も前記冷却ロールの回転方向前方に位置する 第3のガ
    スフローノズルおよび第4のガスフローノズルと、 前記溶湯ノズルの先端を囲むように設置され、前記溶湯
    ノズルの先端を囲むように不活性ガスを供給する中空環
    状の第6のガスフローノズルとを備えてなることを特徴
    とする請求項1記載の金属薄帯製造装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のガスフローノズルは、 前記冷却ロールの略接線方向から 前記溶湯ノズルの先
    端方向に向けて設置され、他のガスフローノズルが供給
    する不活性ガスよりも重い不活性ガスをガスフローする
    ようにされ、 前記第2のガスフローノズルは、前記溶湯ノズルと前記
    第1のガスフローノズルとの間に設置され、前記第1の
    ガスフローノズルからのガスフロー上にガスフローする
    ようにされていることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の金属薄帯製造装置。
  4. 【請求項4】 前記不活性ガスは、 N2とArであることを特徴とする 請求項1〜3のいず
    れかに記載の金属薄帯製造装置。
  5. 【請求項5】 前記大気遮断手段は、 前記溶湯ノズルの位置よりも前記冷却ロールの回転方向
    前方の正面に設けられたロール正面大気遮蔽板と、 前記溶湯ノズルの位置よりも前記冷却ロールの回転方向
    前方の両側面に前記冷却ロールを挟むように設けられて
    前記ロール正面大気遮蔽板と当接する一対のロール前方
    大気遮蔽板と、 前記冷却ロールの回転方向の前方から後方に向けて延在
    し、前記ロール前方大気遮蔽板の上端縁と当接して前記
    冷却ロールの上方に位置するロール上方大気遮断板と、 前記冷却ロールを挟んで前記ロール前方大気遮断板及び
    前記ロール外周大気遮断手段と当接する一対のロール側
    面大気遮断板とを少なくとも具備してなり、 前記ロール上方大気遮断板は、前記冷却ロールの回転方
    向の後方に向けて進むに従って、前記冷却ロールの前記
    冷却面に接近するように設けられ、 前記溶湯ノズルの前記溶湯吹き出し部先端部分は、前記
    ロール上方大気遮断板に設けられたノズル取り付け孔を
    貫通して前記冷却ロールの前記冷却面を望むように配置
    されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか
    に記載の金属薄帯製造装置。
  6. 【請求項6】 前記第1ガスフロー供給手段からのガス
    流量は200〜600l/min.であることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれかに記載の金属薄帯製造装
    置。
  7. 【請求項7】 前記第2ガスフロー供給手段からのガス
    流量は180〜380l/min.であることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれかに記載の金属薄帯製造装
    置。
  8. 【請求項8】 前記溶湯ノズルの位置よりも前記冷却ロ
    ールの回転方向前方に大気滞留部が設けられたことを特
    徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の金属薄帯製造
    装置。
JP10240818A 1998-06-09 1998-08-26 金属薄帯製造装置 Withdrawn JP2000061590A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009066650A (ja) * 2007-09-18 2009-04-02 Nippon Yakin Kogyo Co Ltd 連続鋳造開始時の断気方法
JP2011206835A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Josho Gakuen 金属板製造装置及び金属板製造方法

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