JP2000061411A - 薬液槽および薬液槽の製造方法並びに処理装置 - Google Patents

薬液槽および薬液槽の製造方法並びに処理装置

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JP2000061411A
JP2000061411A JP10237461A JP23746198A JP2000061411A JP 2000061411 A JP2000061411 A JP 2000061411A JP 10237461 A JP10237461 A JP 10237461A JP 23746198 A JP23746198 A JP 23746198A JP 2000061411 A JP2000061411 A JP 2000061411A
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Kazuo Oike
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ素樹脂製の液槽本体内に、PFA(パー
フロロアルコキシ樹脂)でフッ素樹脂製の隔壁を溶接し
てオーバーフロー槽を形成する従来方法にあっては、フ
ッ素樹脂とPFAとの接着力はそれほど強くないととも
に本体側の液面とオーバーフロー槽側の液面の差による
液圧が隔壁に作用するため、100℃前後の高温で使用
した場合には剥離するおそれが非常に高いという課題が
あった。 【解決手段】 フッ素樹脂により液槽本体部分(11)
とその周囲の一辺もしくは複数辺にわたって設けられる
オーバーフロー槽部分(12)とを一体に成形するよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐蝕性薬液槽およ
びその製造方法に関し、特に大型基板に対して腐食性の
強い薬液による処理を行なう際に使用される薬液槽に適
用して有効な技術に関し、例えば液晶パネルを構成する
ガラス基板のレジスト膜の除去に使用される高温の濃硫
酸を満たす薬液槽に利用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体集積回路や液晶パネルの製
造プロセスにおいては、半導体基板やガラス基板上に被
着されたレジスト膜の除去方法としては、例えば100
℃に近い高温の濃硫酸を満たした薬液槽内に基板を浸漬
して除去する技術が使用されている。
【0003】かかる処理に使用される薬液槽は、極めて
腐食性の高い濃硫酸で満たされるため耐蝕性の良いポリ
テトラフルオロエチレンに代表されるフッ素樹脂により
構成されることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液晶パ
ネルに使用されるガラス基板は比較的大型(数十cm四
方)であるため、その表面のレジスト除去に用いられる
薬液槽もかなり大型にならざるを得ない。しかるに、液
槽の材料となるフッ素樹脂は加工性が悪いため複雑な構
造が得られにくいとともに、脆弱であるため使用中にク
ラックが発生して液漏れを起こす可能性も高いという欠
点があった。
【0005】さらに、レジスト除去用の薬液槽に関して
詳しく説明すると、レジスト除去用の薬液槽ではガラス
基板から剥離し濃硫酸液表面に浮遊している残滓を除去
するため液槽の側部にオーバーフロー槽を設けた構造が
望ましい。そこで、フッ素樹脂製の液槽本体内に、フッ
素樹脂の溶接剤として知られているPFA(パーフロロ
アルコキシ樹脂)でフッ素樹脂製の隔壁を溶接してオー
バーフロー槽を形成する方法と、液槽本体部分とオーバ
ーフロー槽とを一体に成形する方法について検討した。
【0006】しかし、隔壁を溶接する方法にあっては、
フッ素樹脂とPFAとの接着力はそれほど強くないとと
もに本体側の液面とオーバーフロー槽側の液面の差によ
る液圧が隔壁に作用するため、100℃前後の高温で使
用した場合には剥離するおそれが非常に高くなることが
明らかになった。これに対し、液槽本体部分とオーバー
フロー槽とを一体に成形する方法は、オーバーフロー槽
と本体との隔壁部分の強度が高いという利点がある。
【0007】ところが、液槽本体部分とオーバーフロー
槽とを一体に成形する方法にあっては、本体側の液面と
オーバーフロー槽側の液面の差による液圧を小さくする
ため本体の部分に比べてオーバーフロー槽の部分は底の
浅い構造であることが望ましいが、単純にオーバーフロ
ー槽の部分の底を浅くすると、図1に破線Aで示すよう
に、その下の部分の肉厚が厚くなるため、成形時の残留
応力によりクラックが発生しやすいという問題点がある
ことが明らかになった。
【0008】この発明の目的は、フッ素樹脂からなりか
つオーバーフロー槽を有ししかもオーバーフロー槽と本
体との隔壁部分の強度が高い薬液槽を提供することにあ
る。
【0009】この発明の他の目的は、フッ素樹脂からな
りかつオーバーフロー槽を有する薬液槽を製造するにあ
たりクラックの発生しにくい薬液槽の製造技術を提供す
ることにある。
【0010】この発明のさらに他の目的は、フッ素樹脂
からなりかつ全体として強度の高いオーバーフロー槽を
有する薬液槽を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、フッ素樹脂により液槽本体部分とその周囲
の一辺もしくは複数辺にわたって設けられるオーバーフ
ロー槽部分とを一体に成形するようにしたものである。
これによって、液槽本体部分とオーバーフロー槽部分と
の間の隔壁の強度を高めることができる。
【0012】しかも、オーバーフロー槽は、フッ素樹脂
を掘削することによって形成しかつ本体部分の底よりも
浅い構造とする。オーバーフロー槽の部分も本体部分と
同様に内型もしくは中子を入れて形成することも可能で
あるが、そのようにすると成形の際に隔壁となる部分に
圧力がかかりにくいため充分な強度を有する隔壁が得ら
れにくくなる。一方、フッ素樹脂を掘削してオーバーフ
ロー槽を形成する場合には、切削装置(エンドミル)の
歯が長くなってぶれが大きくなり、精度が低下するおそ
れがあるが、底の深さを浅くすることで精度を高くする
ことができる。
【0013】さらに、オーバーフロー槽の底を本体部分
の底よりも浅い構造とする場合には、オーバーフロー槽
の底の部分の肉厚が側壁の肉厚と同程度となるようにす
る。この場合、最初に槽全体を成形するときに予めオー
バーフロー槽の底が本体部分の底より高くなるように型
を設計しても良いが、オーバーフロー槽の底の部分を成
形後に外側から切削して段差部を形成することで肉厚を
薄くする方が望ましい。
【0014】オーバーフロー槽の底の部分の肉厚が側壁
の肉厚と同程度となることにより熱膨張量の差によるク
ラックの発生が抑制されるとともに、オーバーフロー槽
の底の部分を成形後に外側から切削するようにすれば成
形に用いられる型に段差がなくて済むため材料に圧力が
均等にかかりやすくなり、槽全体の強度が均一かつ高く
なる。
【0015】さらに、オーバーフロー槽の底が本体部分
の底よりも高い構造とした場合には、オーバーフロー槽
の下側にダンパー部材を設けて支えるようにする。これ
によって、オーバーフロー槽部分と本体部分との連結部
に集中荷重が作用して破損するのを回避することがで
き、しかもフッ素樹脂は比較的熱膨張率が高いが、オー
バーフロー槽の下側をダンパー部材で支えるため熱膨張
量の差により応力集中が生じるのを防止することができ
る。
【0016】また、本体部分の液槽の底部の内側角部は
湾曲した形状とするのが望ましい。これによって、液槽
を成形する際に圧力が印加されることによりクラックが
発生するのが防止される。
【0017】さらに、オーバーフロー槽の底部の内側角
部および下面の本体部分との連結部も湾曲した形状とす
るのが望ましい。オーバーフロー槽を加工する際に工具
からかかる圧力によりクラックが発生するのが防止され
る。なお、オーバーフロー槽の底部の内側角部および下
面の本体部分との連結部は湾曲形状の代わりにテーパー
状としてもよい。
【0018】さらに、上記本体液槽部とオーバーフロー
槽部との境界の隔壁の上端には、オーバーフロー槽側に
向かって低くなるテーパーを形成する。これによって、
隔壁の上端が平坦である場合に比べて本槽の側からオー
バーフロー槽の側へ薬液が流れ易くなり、この流れに乗
って本槽側の薬液の表面に浮遊しているレジストなどの
残滓が本槽の側からオーバーフロー槽の側へ流れ込み易
くなる。
【0019】さらに、腐食性の強い薬液で満たされた上
記フッ素樹脂製の薬液槽と、洗浄液で満たされた液槽
と、処理の対象物を上記薬液槽から上記液槽へ移送する
移送手段とを備えたレジスト除去装置のような処理装置
において、上記薬液槽の周囲には、薬液槽を囲むように
耐蝕性の透明材料からなる外槽を配置するようにする。
これによって、薬液槽から液が漏れ出した場合に周囲の
建造物や装置に悪影響を与えるのを防止したり作業者の
安全を保障することができるとともに、外槽が透明であ
るため外部から液漏れ状態を監視することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施例を図
面に基づいて説明する。
【0021】図1は、本発明を一例として高温濃硫酸を
用いたレジスト除去装置の濃硫酸を貯留する薬液槽に適
用した場合の第1の実施例を示す。図1に示すように、
この実施例においては、箱状の液槽本体部分(以下、本
槽と称する)11とその一辺に沿って設けられたオーバ
ーフロー槽12とがフッ素樹脂により一体に成形されて
いる。
【0022】また、上記オーバーフロー槽12は、フッ
素樹脂を掘削することによって形成されかつ本槽11の
部分の底よりも浅い構造とされている。これによって、
本槽11とオーバーフロー槽12との境界には隔壁13
が形成される。この隔壁13は、その上端が削られるこ
とにより本槽11の周壁およびオーバーフロー槽12の
周壁よりも低くなるように形成されている。その結果、
本槽11側の薬液の液面が隔壁13よりも高くなると液
が溢れてオーバーフロー槽12側に流れ込むようにな
る。
【0023】しかも、この実施例では、隔壁13の上面
が本槽11の側からオーバーフロー槽12の側へ向かっ
て低くなるように、テーパー面が形成されている。これ
によって、隔壁13のテーパーが水力工学におけるオリ
フィスと同様に作用して、平坦である場合に比べて本槽
11の側からオーバーフロー槽12の側へ薬液が流れ易
くなり、この流れに乗って本槽11側の薬液の表面に浮
遊しているレジストなどの残滓が本槽11の側からオー
バーフロー槽12の側へ流れ込み易くなっている。
【0024】なお、本槽11側の薬液の表面に浮遊して
いるレジストなどの残滓を本槽11の側からオーバーフ
ロー槽12の側へ流れ込み易くする構造としては、上記
テーパーに他に、隔壁上面に壁面と直交する方向に複数
のV溝を形成した構造が考えられるが、V溝を形成する
際に溝の先端にクラックが発生しやすくなるという欠点
があるので、本実施例のようにテーパー面とするのが望
ましい。
【0025】また、本実施例の薬液槽においては、本槽
11とオーバーフロー槽12との境界の隔壁13および
オーバーフロー槽12の側壁の厚みはエンドミル等によ
る溝掘りの際に横方向の加工量を制御することにより本
槽11の側壁および底壁とほぼ同一の肉厚とされている
とともに、オーバーフロー槽12の底部はオーバーフロ
ー槽の底の部分を成形後に外側(図では下側)から切削
して段差部14を形成することで肉厚が薄くされ、本槽
11の底の肉厚とほぼ同一の肉厚とされている。このよ
うにオーバーフロー槽12の側壁および底壁の厚みが本
槽11のそれとほぼ同一とされることにより、熱膨張量
の相違によるクラックの発生が抑制される。
【0026】図2には、本発明に係る薬液槽の第2の実
施例を示す。この実施例においては、本槽11の底部の
内側角部11aおよびオーバーフロー槽12の底部の内
側角部12aと下面の本槽11との連結部分12bとは
湾曲した形状とされている。湾曲部の曲率半径は、本槽
11およびオーバーフロー槽12の肉厚以上で肉厚の2
倍以下程度とするのが望ましい。
【0027】また、図1や図2の実施例の薬液槽のよう
に、オーバーフロー槽12の底を本槽11の底よりも高
い構造とした場合には、図2に示すように、オーバーフ
ロー槽12の下側にダンパー手段21を設けて支えるよ
うにする。これによって、オーバーフロー槽部分と本体
部分との連結部に集中荷重が作用して破損するのを回避
することができ、しかもフッ素樹脂は比較的熱膨張率が
高いが、オーバーフロー槽の下側をダンパー手段で支え
るため熱膨張量の差によりオーバーフロー槽12が変形
してオーバーフロー槽12と本槽11との連結部などに
応力集中が生じてクラックが発生するのを防止すること
ができる。ダンパー手段21としては、例えば適度な弾
性を有する弾性材料(例えばゴム)からなる支柱や油圧
ダンパー等が考えられる。
【0028】なお、図1および図2の実施例の薬液槽に
おいては、本槽11の一辺に沿ってのみオーバーフロー
槽12が設けられているが、本槽11の周囲全部すなわ
ち四辺に沿ってオーバーフロー槽12を設けるようにし
ても良い。
【0029】図3は、本発明に係る薬液槽の第3の実施
例を示す。図3に示すように、この実施例においては、
本槽11の底およびオーバーフロー槽12の底にそれぞ
れポット部11c,12cが設けられている。そして、
オーバーフロー槽12のポット部12cには循環用パイ
プ22の流入口22aが、また本槽11のポット部11
cには循環用パイプ22の流出口22bが望むように循
環用パイプ22が配設されている。循環用パイプ22の
途中にはポンプ23と浄化装置24とが設けられてお
り、オーバーフロー槽12のポット部12cから回収し
た薬液を浄化してから本槽11のポット部11cへ戻す
ように構成されている。
【0030】従来の薬液槽では、本槽11の底およびオ
ーバーフロー槽12の底にそれぞれ穴あけをして循環用
パイプを接続するのが一般的であったが、ポット部を設
けることで穴あけが不要となり、穴あけに伴うクラック
の発生を回避することができる。オーバーフロー槽12
に設けられたポット部11cはオーバーフロー槽内の薬
液の量が少ないときにも効率よく薬液を回収できるよう
に機能する。また、本槽11の底のポット部11cは、
本槽内の薬液をすべて回収したり交換する際に効率よく
薬液を回収できるように機能する。
【0031】さらに、オーバーフロー槽12のポット部
12cから回収した薬液を浄化してから本槽11のポッ
ト部11cへ戻す際に、それぞれ底の部分から回収して
底の方へ戻すように構成することにより、オーバーフロ
ー槽12ではオーバーフロー量が少ないうちから回収を
開始することができるとともに、本槽11の側では底の
方から表面に向かう流れを作って例えばレジスト除去装
置では薬液により除去されたレジスト等の残滓を薬液の
表面に浮揚させ、オーバーフロー槽12側へ流し込むこ
とができるという利点がある。
【0032】次に、本発明に係る薬液槽の製造の仕方
を、図4を用いて説明する。先ず箱状の外型31内に材
料となるフッ素樹脂の粉末30を、成形後の液槽の底部
の厚みに相当する分だけ投入する(図4(a))。次に
液槽の本槽となる部位に内型32を配置し、この内型3
2とその外側の外型31との間に材料となるフッ素樹脂
の粉末30を追加投入する(図4(b))。続いて蓋状
の外型33を被せてから、型全体を振動装置によって振
動させて材料に振動ストレスを与えて、材料の充填密度
を高めてやるようにするのが望ましい(図4(c))。
【0033】その後、型に均等に水圧をかけて型内部の
フッ素樹脂を加圧成形する。次に内型32を垂直方向に
引き上げて抜く(図4(d))。続いて、型を回転させ
て横向きにした状態で外型31内から成形物としての薬
液槽10を引き抜く(図4(e))。
【0034】次に、焼成を行なって材料としてのフッ素
樹脂を焼き固める。それから、エンドミルのような加工
装置を用いて成形物の厚肉部にオーバーフロー槽12と
なる凹部を形成する(図4(f))。さらに、オーバー
フロー槽12の底部を外側から切削して段差部14を形
成する。これによって、図1に示されているような薬液
槽が完成する。なお、この加工の後に加工歪みを除去す
るため熱処理を施すようにしても良い。
【0035】次に、前記実施例の薬液槽を用いたレジス
ト除去装置の一実施例を、図5を用いて説明する。
【0036】図5において、40は濃硫酸を貯留した2
個の薬液槽10A,10Bと純水を貯留した液槽41
A,41B,41Cと乾燥用の温水槽42とが一列に配
置された反応室で、この反応室20の上部にはフィルタ
を有する換気装置43A〜43Eが設けられている。ま
た、この反応室40内の上記薬液槽10Aの外側(図で
は左側)および温水槽42の外側(図では右側)には、
それぞれガラス基板等の処理対象物を収納したキャリア
44に処理対象物をローディングするためのローダー4
5と、キャリア44から処理対象物をアンローディング
するためのアンローダー46とが配置されている。さら
に、図示しないが、各薬液槽10A,10Bおよび液槽
41A〜41C,温水槽42の背部にはキャリア44を
昇降させたり次の槽へ移送したりする移送手段が設けら
れている。
【0037】特に限定されるものではないが、この実施
例のレジスト除去装置では、100℃に近い高温の濃硫
酸を貯留した2個の薬液槽10Aと10Bがそれぞれの
オーバーフロー槽12同士を互いに接触させた状態で配
置している。これによって、オーバーフロー槽12を下
から支えるダンパー手段を省略している。
【0038】また、2個の薬液槽10Aと10Bの外側
には、これらを囲むように例えば塩化ビニールのような
耐蝕性の透明材料で形成された外槽47が配置されてい
る。これによって、薬液槽10A,10Bから濃硫酸が
漏れ出した場合に周囲の処理室の床や周辺の装置に悪影
響を与えるのを防止したり作業者の安全を保障すること
ができるとともに、外槽47が透明であるため外部から
液漏れ状態を監視することができる。
【0039】なお、図5において、処理物を移送するた
めのキャリア44は薬液槽10A,10Bと同様にフッ
素樹脂で形成されており、液切れを良くするため籠のよ
うな構造にされている。また、液槽41A〜41Cのう
ち41Aはオーバーフロー槽を備えると共に純水を強制
循環させて急速に処理物に付着している濃硫酸およびレ
ジストの残滓を洗い落とせるように構成されている。さ
らに、温水槽42ではキャリア44を斜めに傾斜させて
引き上げることでさらに水切れを良好に行なえるように
構成されている。
【0040】以上の説明では主として本発明者によって
なされた発明をその背景となった利用分野であるレジス
ト除去装置に用いられる薬液槽について説明したが、こ
の発明はそれに限定されるものでなく、液晶パネルの製
造プロセスや半導体製造プロセスにおいて腐食性の強い
薬液を貯留する槽に利用することができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フッ素樹脂からなりかつオーバーフロー槽を有ししかも
オーバーフロー槽と本体との隔壁部分の強度が高い薬液
槽を得ることができるという効果がある。
【0042】しかも、本発明の製造方法によれば、フッ
素樹脂からなりかつオーバーフロー槽を有する薬液槽を
製造するにあたりクラックの発生を防止することができ
るという効果がある。
【0043】さらに、本発明によれば、フッ素樹脂から
なりオーバーフロー槽を有する薬液槽の耐久性を向上さ
せることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した薬液槽の第1の実施例を示す
断面図。
【図2】本発明を適用した薬液槽の第2の実施例を示す
断面図。
【図3】本発明を適用した薬液槽の使用例を示す説明
図。
【図4】本発明に係る薬液槽の製造プロセスを工程順に
示す工程説明図。
【図5】本発明に係る薬液槽を使用した処理装置の一例
としてのレジスト除去装置の構成例を示す正面図。
【符号の説明】
10 薬液槽 11 本槽(本体液槽) 11a 内側角部 11c ポット部 12 オーバーフロー槽 12a 内側角部 12b 連結部 12c ポット部 13 隔壁 21 ダンパー手段 22 循環用パイプ 23 ポンプ 24 浄化装置 31 外型 32 内型 40 処理室 41A〜41C 液槽 42 温水槽 43A〜43E 換気装置 44 キャリア 45 ローダー 46 アンローダー 47 外槽

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素樹脂により液槽本体部分とその周
    囲の一辺もしくは複数辺にわたって設けられたオーバー
    フロー槽部分とを一体に成形するようにしたことを特徴
    とする薬液槽の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記オーバーフロー槽は、成形されたフ
    ッ素樹脂を掘削することによって形成することを特徴と
    する請求項1に記載の薬液槽の製造方法。
  3. 【請求項3】 成形後に上記オーバーフロー槽の底の部
    分を外側から切削してオーバーフロー槽の底が本体部分
    の底より高くなるように形成することを特徴とする請求
    項1または2に記載の薬液槽の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記オーバーフロー槽の底壁の肉厚が側
    壁の肉厚と同程度となるように上記掘削および切削を行
    なうことを特徴とする請求項3に記載の薬液槽の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 フッ素樹脂によりなり、本体液槽とその
    周囲の一辺もしくは複数辺にわたって設けられたオーバ
    ーフロー槽とを有する薬液槽であって、上記本体液槽の
    底部の内側角部は湾曲した形状とされていることを特徴
    とする薬液槽。
  6. 【請求項6】 上記オーバーフロー槽の底部の内側角部
    および下面の本体液槽との連結部が湾曲した形状とされ
    ていることを特徴とする請求項5に記載の薬液槽。
  7. 【請求項7】 上記オーバーフロー槽の下面がダンパー
    手段により支持されていることを特徴とする請求項5ま
    たは6に記載の薬液槽。
  8. 【請求項8】 上記本体液槽の底部およびオーバーフロ
    ー槽の底部にポット部が形成されていることを特徴とす
    る請求項5、6または7に記載の薬液槽。
  9. 【請求項9】 上記本体液槽部とオーバーフロー槽部と
    の境界の隔壁の上端には、オーバーフロー槽側に向かっ
    て低くなるようにテーパーが形成されていることを特徴
    とする請求項5、6、7または8に記載の薬液槽。
  10. 【請求項10】 腐食性の強い薬液で満たされた請求項
    5、6、7、8または9に記載の薬液槽と、洗浄液で満
    たされた液槽と、処理の対象物を槽から槽へ移送する移
    送手段とを備えたことを特徴とする処理装置。
  11. 【請求項11】 上記薬液槽の周囲には、薬液槽を囲む
    ように耐蝕性の透明材料からなる外槽を配置したことを
    特徴とする請求項10に記載の処理装置。
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