JP2000059995A - 電力用高調波・無効電力補償装置 - Google Patents

電力用高調波・無効電力補償装置

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JP2000059995A
JP2000059995A JP10221873A JP22187398A JP2000059995A JP 2000059995 A JP2000059995 A JP 2000059995A JP 10221873 A JP10221873 A JP 10221873A JP 22187398 A JP22187398 A JP 22187398A JP 2000059995 A JP2000059995 A JP 2000059995A
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Japan
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instantaneous
harmonic
power
component
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JP10221873A
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English (en)
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Yasuhiro Komatsu
康▲広▼ 小松
Shigeru Akita
茂 秋田
Kenji Morisada
健二 森貞
Norio Nakazawa
徳郎 中沢
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Nichicon Corp
Original Assignee
Nichicon Corp
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  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
  • Direct Current Feeding And Distribution (AREA)
  • Power Conversion In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷に流れる高調波電流、無効電流・逆相電
流を供給し、系統電流に高調波成分を生じさせない無効
電力補償装置を提供する。 【解決手段】 3相電力系統の負荷電流の高調波電流成
分、無効電流成分または逆相電流成分を供給する電力用
高調波・無効電力補償装置において、上記3相電力系統
の各相瞬時電圧から基本波電圧成分および各次高調波電
圧成分を各相毎に導出し、基本波電圧成分の位相を基本
波ベースで90°遅延させて原系統基本波電圧成分より
90°位相遅れとした基本波電圧成分および各次高調波
電圧成分の位相を各々の高調波次数ベースで90°遅延
させて原系統各次高調波電圧成分より90°位相遅れと
した各次高調波電圧成分を導出する位相遅れ回路を各相
毎に設け、これらを加算回路にて各相毎に合成し、この
出力と各相瞬時電流の積から3相一括の瞬時無効電力を
求める回路を設け、上記3相一括の瞬時無効電力から補
償電流の指令値を算出する回路を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,インバータを主
構成要素とする電力用アクティブフィルタや電力用無効
電力補償装置(SVCともいう)などの電力用高調波お
よび無効電力の補償装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】瞬時有効電力、瞬時無効電力理論を用い
た従来の電力用高調波・無効電力補償装置の補償電流導
出法を特開平7-121254号公報に開示されている電力用高
調波・無効電力補償装置を基に説明する。瞬時有効電力
p、瞬時無効電力qはa相電圧ea、b相電圧eb、c相
電圧ec、a相電流ia、b相電流ib、c相電流icを用
いて次式のように表わされる。
【0003】
【数1】
【0004】ここで、3相4線式の電力系統を考えるこ
とにする。すると、中性線電流i0は次式で与えられ
る。
【0005】
【数2】
【0006】(1)、(2)、(3)式から次式を得
る。
【0007】
【数3】
【0008】(4)式から次式を得る。
【0009】
【数4】
【0010】(4)、(5)式は系統の各部分で成立す
る。よって、系統の電源側を添字S、負荷側を添字L、
電力用高調波・無効電力補償装置側を添字Cで表わし
て、(5)式から次式を得る。
【0011】
【数5】
【0012】電力用高調波・無効電力補償装置が負荷の
瞬時有効電力、瞬時無効電力のうち、その交流成分を供
給する場合、電力用高調波・無効電力補償装置が供給す
る瞬時有効電力pC、瞬時無効電力qC、電源が供給する
瞬時有効電力pS、瞬時無効電力qSは、次式のように表
わすことができる。なお,記号上の−で直流成分を〜で
交流成分を表わすことにする。
【0013】
【数6】
【0014】また、中性線電流iC0をiL0とおけば、
(7)、(9)式から補償電流指令i Ca、iCb、iCc
次式で表わされる。
【0015】
【数7】
【0016】同様にして、(8)、(10)式から系統
電流iSa、iSb、iScは次式で表わされる。
【0017】
【数8】
【0018】(1)式からわかるように、負荷瞬時有効
電力pLは、電圧ea、eb、ecと負荷電流iLa、iLb
Lcの測定値を用いて導出できる。同様に、(2)式か
ら負荷瞬時無効電力qLも電圧ea、eb、ecと負荷電流
La、iLb、iLcの測定値を用いて導出できる。pL
1、qL−1はpL、qLの直流成分であり、適当な回路
によって負荷瞬時有効電力pL、負荷瞬時無効電力qL
ら抽出することができる。したがって、(10)式から
瞬時有効電力pS、瞬時無効電力qSを導出できる。ゆえ
に、(12)式からわかるように電源電流iSa、iSb
Scはこれら瞬時有効電力pS、瞬時無効電力qS
a、eb、ecの測定値を用いて導出することができ
る。よって、電力系統にキルヒホッフの法則を用いるこ
とにより、iSa、iSb、iScから各相補償電流指令
Ca、iCb、iCcを導出できる。
【0019】次に3相3線式電力系統について考える。
すると、次式が与えられる。
【0020】
【数9】
【0021】(14)式を(1)、(2)式に代入し、
次式を得る。
【0022】
【数10】
【0023】(14)式から次式を得る。
【0024】
【数11】
【0025】(13)、(14)式は系統の各部分で成
立する。よって、(15)式から次式を得る。
【0026】
【数12】
【0027】ここで、瞬時有効電力pC、瞬時無効電力
Cを(9)式のように定めると、(9)、(17)式
から補償電流指令iCa、iCbは次式で表される。
【0028】
【数13】
【0029】同様にして、(10)、(18)式から系
統電流iSa、iSbは次式で表される。
【0030】
【数14】
【0031】よって、(13)式とキルヒホッフの法則
より、iSa、iSbから各相補償電流指令iCa、iCb、i
Ccを導出できる。
【0032】次に90°の代わりにθ°だけ遅れた相電
圧を導出する回路を用いる場合について考える。θ°を
90°未満にすれば、90°だけ遅れた相電圧を導出す
る回路よりも、過渡応答特性が良くなり、さらに負荷に
応じてθ°を適当に選ぶことによって(21)式で定義
されるfの交流成分が小さくなり、上記fからfの交流
成分を分離、抽出する回路の過渡応答特性を向上でき
る。
【0033】まず,3相4線式の電力系統について考え
る。
【0034】
【数15】
【0035】(1)、(3)、(21)式から次式を得
る。
【0036】
【数16】
【0037】(22)式から次式を得る。
【0038】
【数17】
【0039】(22)、(23)式は系統の各部分で成
立する。よって、(23)式から次式を得る。
【0040】
【数18】
【0041】電力用高調波・無効電力補償装置が供給す
る瞬時有効電力pC、瞬時無効電力qCを(9)式のよう
に定め、電流iC0が電流iL0と等しいとおけば、
(9)、(25)式から次式を得る。
【0042】
【数19】
【0043】同様にして、(10)、(26)式から系
統電流iSa、iSb、iScは次式で表わされる。
【0044】
【数20】
【0045】よって、電力系統にキルヒホッフの法則を
用いることにより、iSa、iSb、i Scから各相補償電流
指令iCa、iCb、iCcを導出できる。
【0046】次に、3相3線式の電力系統について考え
る。3相3線式の電力系統では、(13)式が成立す
る。(13)式を(1)、(2)、(21)式に代入
し、次式を得る。
【0047】
【数21】
【0048】(29)式から次式を得る。
【0049】
【数22】
【0050】(29)、(30)式は系統の各部分で成
立する。よって、(30)式から次式を得る。
【0051】
【数23】
【0052】電力用高調波・無効電力補償装置が供給す
る瞬時有効電力pC、瞬時無効電力qCを(9)式のよう
に定めると、(9)、(32)式から次式を得る。
【0053】
【数24】
【0054】同様にして、(10)、(33)式から次
式を得る。
【0055】
【数25】
【0056】よって、(13)式とキルヒホッフの法則
より、iSa、iSbから各相補償電流指令iCa、iCb、i
Ccを導出できる。
【0057】
【発明が解決しようとする課題】電力用高調波・無効電
力補償装置において、従来の瞬時有効電力・瞬時無効電
力理論を用いた補償電流指令算出回路を採用した場合、
系統の電源側から流れ込む電流iSa、iSb、iScすなわ
ち系統電流は次式となる。
【0058】
【数26】
【0059】系統電圧が正弦波の場合(基本波成分だけ
が存在する場合)、電圧ea、eb、ecは正弦波の交流
となる。また,定常状態において、負荷側の瞬時有効電
力の直流分pL−1、1/Δは一定値であるから、
Sa、iSb、iScは正弦波となる。しかし、系統電圧に
高調波成分が含まれる場合、電圧ea、eb、ec、1/
Δに高調波成分が含まれ、iSa、iSb、iScに高調波成
分が含まれることになる。この高調波成分は、誘導障害
などをもたらすため好ましくない。これより、従来の方
式が望ましい結果をもたらすのは結局、正弦波対称3相
電圧、正弦波非対称3相電圧の場合に限られ、系統電圧
に高調波成分が含まれる場合には望ましい動作をしない
ことが分かる。
【0060】さらに、従来の方式において、瞬時無効電
力qは下式で表わされていた。
【0061】
【数27】
【0062】しかし、従来の方式においては、系統電圧
に高調波成分が含まれる場合を考慮していないため、各
相瞬時電圧を90°遅らせた電圧を得る方法については
基本波ベース位相についてのみ考慮されている。よっ
て、系統電圧に高調波成分が含まれる場合、瞬時無効電
力qの平均値は無効電力を表わさない。以上が従来の瞬
時有効電力・瞬時無効電力を用いた電力用高調波・無効
電力補償装置の問題点である。
【0063】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたものであり、対称3相電圧、非対称3相
電圧において、系統電圧が正弦波である場合はもちろ
ん、系統電圧に高調波成分が含まれる場合においても、
負荷に流れる高調波電流、また必要ならば無効電流・逆
相電流を供給し、しかも系統電流に高調波成分を生じさ
せない無効電力補償装置を得ることを目的とする。
【0064】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る電力用高調波・無効電力補償装置の補償電流導出回路
は、従来の方式で用いられていた瞬時無効電力とは異な
る新しい瞬時無効電力を用いる手段、上記瞬時無効電力
を導出するために各相瞬時電圧の基本波成分および各次
調波成分を検出しそれぞれの位相を90°遅らせる手
段、上記90°遅らせた電圧と各相電流とから瞬時無効
電力を導出する手段、および上記瞬時無効電力から補償
電流の指令値を導出する手段を備えたものである。
【0065】請求項2、3、4に係わるものは、上記各
相瞬時電圧の基本波成分および各次調波成分をバンドパ
スフィルタ、またはデジタルフィルタを用いて導出し、
これら導出した電圧成分位相を90°遅らせる手段とし
て、位相遅れ回路、またはメモリを用いるものである。
【0066】請求項4に係わるものは、上記各相瞬時電
圧の基本波電圧成分とこの基本波電圧成分より位相を9
0°遅らせた電圧成分とから関数を導出し、これと瞬時
無効電力の直流成分の積から系統電流の指令値を導出
し、これを負荷に流れる電流から引くことにより、補償
電流の指令値を算出するものである。
【0067】請求項5に係わるものは、3相3線式電力
系統において、上記瞬時無効電力を導出するために2相
の電流信号を用いるものである。
【0068】請求項6、7、8、9、10項に係わるも
のは、上記補償電流指令値の導出において、各相電圧を
90°以外の任意の角度θ°だけ遅らせた電圧を用いる
ものである。
【0069】
【発明の実施の形態】この発明の請求項1に係わる電力
用高調波・無効電力補償装置は、対称3相電圧、非対称
3相電圧において、系統電圧が正弦波である場合はもち
ろん、系統電圧に高調波成分が含まれる場合において
も、その平均値が真の無効電力を表わす正しい瞬時無効
電力を用いている。すなわち、本発明では瞬時無効電力
qを、相電流瞬時値と相電圧の基本波成分および各次調
波成分の位相をそれぞれのベースで90°遅らせた電圧
瞬時値の和との積の3相分の和と定義する。なお,90
°進ませた相電圧ではなく、90°遅らせた相電圧を用
いているのは、遅れ電流による無効電力を正とするため
である。系統電圧に高調波成分が含まれる場合、各相瞬
時電圧および各相瞬時電圧をそれぞれの周波数ベースで
90°遅らせた電圧は次のように表わせる。
【0070】
【数28】
【0071】よって、系統電圧に高調波成分が含まれる
場合の瞬時無効電力q−3を式で表せば次のようにな
る。
【0072】
【数29】
【0073】一方、瞬時有効電力pは従来と同様に
(1)式で表わされる。ここで、3相4線式の電力系統
を考えることにする。すると、中性線電流i0は(3)
式で与えられる。
【0074】(1)、(3)、(36)式から次式を得
る。
【0075】
【数30】
【0076】(37)式から次式を得る。
【0077】
【数31】
【0078】(38)、(39)式は系統の各部分で成
立する。よって、系統の電源側を添字S、負荷側を添字
L、電力用高調波・無効電力補償装置側を添字Cで表わ
して、(38)式から次式を得る。
【0079】
【数32】
【0080】電力用高調波・無効電力補償装置が供給す
る瞬時有効電力pC、瞬時無効電力qCを(9)式のよう
に定め、中性線電流iC0をiL0とおけば、(9)、(4
0)式から補償電流指令iCa、iCb、iCcは次式で表わ
される。
【0081】
【数33】
【0082】同様にして、(10)、(41)式から系
統電流iSa、iSb、iScは次式で表わされる。
【0083】
【数34】
【0084】ここで、系統電圧に高調波成分が含まれる
場合、ea、eb、ec、ea'−3、eb'−3、ec'−3
には基本波成分のほかに高調波成分も含まれ、Δ−3に
は直流成分だけでなく交流成分も含まれる。よって、系
統電流iSa、iSb、iScを正弦波にするためには次式の
ようにする必要がある。
【0085】
【数35】
【0086】つまり、ea、eb、ec、ea'−3、eb'
−3、ec'−3が基本波成分のみに、Δ−3が直流成分
のみになるようにしなければならない。ここで、添字に
おける数字は、基本波成分に対する高調波の次数である
(例:ea1→a相電圧の基本波成分)。
【0087】(44)式を用いて系統電流の指令値を算
出し、これを負荷に流れる電流から引くことにより、補
償電流の指令値を算出する。これによって得た補償電流
を系統に流し込むことにより、系統電流iSa、iSb、i
Scは対称3相電圧、非対称3相電圧において、正弦波の
ときはもちろん、高調波成分が含まれる場合においても
電力用高調波・無効電力を補償することができる。
【0088】この発明の方式における(44)式が、従
来方式における(12)式に対応する。系統電圧に高調
波成分が含まれる場合、従来の方式における(12)式
のea、eb、ec、ea'、eb'、ec'には基本波成分だ
けでなく、高調波成分も含まれていた。また、Δ−3に
は直流成分に加えて交流成分が生じた。しかし、対応す
る発明の方式における(44)式のea1、eb1、ec1
a1'、eb1'、ec1'は基本波成分のみであり、また、
Δ1には直流成分のみしか生じない。したがって、(4
4)式からわかるように発明方式では系統各相電流
Sa、iSb、iScに高調波成分が含まれず、良好な動作
を行うことになる。
【0089】請求項2、3に記載した各相瞬時電圧の基
本波成分および各次高調波成分をバンドパスフィルタ、
デジタルフィルタを用いて弁別抽出し、これら抽出した
電圧成分位相をそれぞれの周波数ベースで90°遅らせ
るために位相遅れ回路、遅延読み出しメモリを用いるの
は、基本波及び各次高調波の集まりである各相瞬時電圧
位相をそれぞれの周波数ベースで90°遅らせるために
は各調波成分をそれぞれの成分にわけ、それぞれの調波
にあった位相遅れ回路、遅延読み出しメモリを用いる必
要があるからである。この方式を用いることによって、
系統電圧に高調波成分が含まれる場合においても良好な
動作を行うことができる。
【0090】請求項4に記載した瞬時無効電力から抽出
した直流成分に各相瞬時電圧から導出した基本波電圧と
この基本波電圧の位相を90°遅らせた電圧の関数を乗
じて補償電流の指令値を算出する回路は、(44)式か
ら分かるように、系統電圧に高調波成分が含まれる場合
においても、Δ1に交流成分が含まれず、さらにea1
b1、ec1、ea1'、eb1'、ec1'は基本波成分のみと
なる。よって、系統電流は正弦波となり、良好な動作を
行うことになる。
【0091】請求項5に記載した3相3線式の回路では
次式が成立する。
【0092】
【数36】
【0093】(13)式を(1)、(2)式に代入し、
次式を得る。
【0094】
【数37】
【0095】(45)式から次式を得る。
【0096】
【数38】
【0097】(45)、(46)式は系統の各部分で成
立する。よって、(46)式から次式を得る。
【0098】
【数39】
【0099】ここで、瞬時有効電力pC、瞬時無効電力
Cを(9)式のように定めると、(9)、(48)式
から補償電流指令iCa、iCbは次式で表わされる。
【0100】
【数40】
【0101】同様にして、(10)、(49)式から系
統電流iSa、iSbは次式で表わされる。
【0102】
【数41】
【0103】ここで、系統電圧に高調波成分が含まれる
場合、ea、eb、ec、ea'−3、eb'−3、ec'−3
には基本波成分のほかに高調波成分も含まれ、Δ'−3
には直流成分だけでなく交流成分も含まれる。よって、
系統電流iSa、iSb、iScを正弦波にするためには次式
のようにする必要がある。
【0104】
【数42】
【0105】つまり、ea、eb、ec、ea'−3、eb'
−3、ec'−3が基本波成分のみに、Δ'−3が直流成
分のみになるようにしなければならない。ここで、添字
における数字は、基本波成分に対する高調波の次数であ
る(例:ea1→a相電圧の基本波成分)。
【0106】(52)式を用いて系統電流の指令値を算
出し、これを負荷に流れる電流から引くことにより、補
償電流の指令値を算出する。これによって得た補償電流
を補償装置から系統に流し込むことにより、系統電流i
Sa、iSb、iScは対称3相電圧、非対称3相電圧におい
て、正弦波のときはもちろん、高調波成分が含まれる場
合においても電力用高調波・無効電力を補償することが
できる。
【0107】この発明の方式における(52)式が、従
来方式における(20)式に対応する。系統電圧に高調
波成分が含まれる場合、従来の方式における(20)式
のe a、eb、ec、ea'、eb'、ec'には基本波成分だ
けでなく、高調波成分も含まれていた。また、Δ'−3
には直流成分に加えて交流成分が生じた。しかし、対応
する発明の方式における(52)式のea1、eb1
c1、ea1'、eb1'、ec1'は基本波成分のみであり、
また、Δ1'には直流成分のみしか生じない。したがっ
て、(52)式からわかるように本発明方式では系統各
相電流iSa、iSb、i Scに高調波成分が含まれず、良好
な動作を行うことになる。
【0108】請求項6に記載した、90°の代わりにθ
°だけ遅れた相電圧を導出する回路は、θ°を90°未
満にすれば、90°だけ遅れた相電圧を導出する回路よ
りも、過渡応答特性がよくなり、さらに負荷に応じてθ
°を適当に選ぶことによって、(53)式で定義される
f−3の交流成分が小さくなり、上記f−3から交流成
分を分離、抽出する回路の過渡応答特性を向上できる。
【0109】
【数43】
【0110】(1)、(3)、(53)式から次式を得
る。
【0111】
【数44】
【0112】(54)式から次式を得る。
【0113】
【数45】
【0114】(54)、(55)式は系統の各部分で成
立する。よって、(55)式から次式を得る。
【0115】
【数46】
【0116】電力用高調波・無効電力補償装置が供給す
る瞬時有効電力pC、瞬時無効電力qCを(9)式のよう
に定め、電流iC0が電流iL0と等しいとおけば、
(9)、(57)式から次式を得る。
【0117】
【数47】
【0118】同様にして、(10)、(58)式から系
統電流iSa、iSb、iScは次式で表される。
【0119】
【数48】
【0120】ここで、系統電圧に高調波成分が含まれる
場合、ea、eb、ec、ea''−3、eb''−3、ec''−
3には基本波成分のほかに高調波成分も含まれ、Δ''−
3には直流成分だけでなく交流成分も含まれる。よっ
て、系統電流iSa、iSb、iScを正弦波にするためには
次式のようにする必要がある。
【0121】
【数49】
【0122】つまり、ea、eb、ec、ea''−3、
b''−3、ec''−3が基本波成分のみに、Δ''−3が
直流成分のみになるようにしなければならない。ここ
で、添字における数字は、基本波成分に対する高調波の
次数である(例:ea1→a相電圧の基本波成分)。
【0123】(61)式を用いて系統電流の指令値を算
出し、これを負荷に流れる電流から引くことにより、補
償電流の指令値を算出する。これによって得た補償電流
を補償装置から系統に流し込むことにより、系統電流i
Sa、iSb、iScは対称3相電圧、非対称3相電圧におい
て、正弦波のときはもちろん、高調波成分が含まれる場
合においても電力用高調波・無効電力を補償することが
できる。
【0124】この発明の方式における(61)式が、従
来方式における(28)式に対応する。系統電圧に高調
波成分が含まれる場合、従来の方式における(28)式
のea、eb、ec、ea''、eb''、ec''には基本波成分
だけでなく、高調波成分も含まれていた。また、Δ''に
は直流成分に加えて交流成分が生じた。しかし、対応す
る発明の方式における(61)式のea1、eb1、ec1
a1''、eb1''、ec1''は基本波成分のみであり、ま
た、Δ1''には直流成分のみしか生じない。したがっ
て、(61)式からわかるように本発明方式では系統各
相電流iSa、iSb、iScに高調波成分が含まれず、良好
な動作を行うことになる。よって、(61)式とキルヒ
ホッフの法則より、iSa、iSb、iScから各相補償電流
指令iCa、iCb、iCcを導出できる。
【0125】次に、3相3線式の電力系統について考え
る。3相3線式の電力系統では、(13)式が成立す
る。(13)式を(1)、(53)式に代入し、次式を
得る。
【0126】
【数50】
【0127】(62)式から次式を得る。
【0128】
【数51】
【0129】(62)式は系統の各部分で成立する。よ
って、(63)式から次式を得る。
【0130】
【数52】
【0131】電力用高調波・無効電力補償装置が供給す
る瞬時有効電力pC、瞬時無効電力qCを(9)式のよう
に定めると、(9)、(65)式から次式を得る。
【0132】
【数53】
【0133】同様にして、(10)、(66)式から次
式を得る。
【0134】
【数54】
【0135】ここで、系統電圧に高調波成分が含まれる
場合、ea、eb、ec、ea''−3、eb''−3、ec''−
3には基本波成分のほかに高調波成分も含まれる。よっ
て、系統電流iSa、iSb、iScを正弦波にするためには
次式のようにする必要がある。
【0136】
【数55】
【0137】つまり、ea、eb、ec、ea''−3、
b''−3、ec''−3が基本波成分のみに、Δ'''−3
が直流成分のみになるようにしなければならない。ここ
で、添字における数字は、基本波成分に対する高調波の
次数である(例:ea1→a相電圧の基本波成分)。
【0138】(69)式を用いて系統電流の指令値を算
出し、これを負荷に流れる電流から引くことにより、補
償電流の指令値を算出する。これによって得た補償電流
を補償装置から系統に流し込むことにより、系統電流i
Sa、iSb、iScは対称3相電圧、非対称3相電圧におい
て、正弦波のときはもちろん、高調波成分が含まれる場
合においても電力用高調波・無効電力を補償することが
できる。
【0139】この発明の方式における(69)式が、従
来方式における(35)式に対応する。系統電圧に高調
波成分が含まれる場合、従来の方式における(35)式
のea、eb、ec、ea''、eb''、ec''には基本波成分
だけでなく、高調波成分も含まれていた。また、Δ'''
には直流成分に加えて交流成分が生じた。しかし、対応
する発明の方式における(69)式のea1、eb1
c1、ea1''、eb1''、ec1''は基本波成分のみであ
り、また、Δ1'''には直流成分のみしか生じない。した
がって、(69)式からわかるように本発明方式では系
統各相電流iSa、iSb、iScに高調波成分が含まれず、
良好な動作を行うことになる。よって、(69)式とキ
ルヒホッフの法則より、iSa、iSbから各相補償電流指
令iCa、iCb、iCcを導出できる。
【0140】
【実施例】〔実施例1〕この発明の実施例1を図1に基
づいて説明する。図1の3相4線式電力系統において、
1は電源、2は負荷、3は電圧形インバータで電流制御
ループを有する3相4線式インバータ、5は系統電圧の
瞬時相電圧ea、eb、ecを検出する系統電圧検出器、
7は負荷のa、b、c相瞬時相電流iLa、iLb、iLc
検出する負荷電流検出器、9は位相遅れの無いバンドパ
スフィルタからなり系統電圧検出器5の検出した瞬時相
電圧ea、eb、ecより瞬時相電圧基本波成分ea1、e
b1、ec1を抽出する基本波抽出回路、11は基本波抽出
回路9により抽出された瞬時相電圧基本波成分ea1、e
b1、ec1の位相を基本波ベースで90°遅延させた瞬時
相電圧基本波90°遅延成分ea1'、eb1'、ec1'を導
出する基本波90°遅延回路、13は位相遅れの無いバ
ンドパスフィルタからなり系統電圧検出器5の検出した
瞬時相電圧ea、eb、ecより必要とする次数の瞬時相
電圧高調波成分eak、ebk、eckを抽出する必要次数調
波抽出回路(複数の高調波成分の抽出を必要とする場合
は各次調波に対応した抽出回路を各々具備する)、15
は必要次数調波抽出回路13により抽出された、瞬時相
電圧高調波成分eak、ebk、eckの位相を各々の高調波
次数ベースで90°遅延させた瞬時相電圧高調波90°
遅延成分eak'、ebk'、eck'を導出する必要次数調波
90°遅延回路(複数の高調波成分の遅延を必要とする
場合は各次調波に対応した遅延回路を各々具備する)、
17は基本波及び高調波次数ベースで各々位相を90°
遅延させた各瞬時相電圧成分を加算し、瞬時相電圧各次
調波位相90°遅延成分ea'−3、eb'−3、ec'−3
を合成する加算回路、19は系統電圧検出器5の検出し
た瞬時相電圧ea、eb、ecと、負荷電流検出器7の検
出した負荷瞬時相電流iLa、iLb、iLcから負荷瞬時有
効電力pLを演算する負荷瞬時有効電力演算回路、21
は負荷瞬時有効電力演算回路19により演算された負荷
瞬時有効電力pLより直流成分pL−1を抽出する第一の
直流分抽出回路、22は加算回路17により合成された
瞬時相電圧各次調波位相90°遅延成分ea'−3、eb'
−3、ec'−3と、負荷電流検出器7の検出した負荷瞬
時相電流iLa、iLb、iLcから負荷瞬時無効電力qL
3を演算する負荷瞬時無効電力演算回路、24は負荷瞬
時無効電力演算回路22により演算された負荷瞬時無効
電力qL−3より直流成分qL−4を抽出する第二の直流
分抽出回路、25は基本波抽出回路9により抽出された
瞬時相電圧基本波成分ea1、eb1、ec1と、基本波90
°遅延回路11により遅延された瞬時相電圧基本波90
°遅延成分ea1'、eb1'、ec1'からΔ1を演算するΔ1
演算回路、27は基本波抽出回路9により抽出された瞬
時相電圧基本波成分ea1、eb1、ec1、基本波90°遅
延回路11により遅延された瞬時相電圧基本波90°遅
延成分ea1'、eb1'、ec1'、直流分抽出回路21によ
り抽出された負荷瞬時有効電力直流成分pL−1、直流
分抽出回路24により抽出された負荷瞬時無効電力直流
成分qL−4、Δ1演算回路25により演算されたΔ1
ら系統電流iSa、iSb、iScを演算する系統電流
(iSa、iS b、iSc)演算回路、29は負荷電流検出器
7の検出した負荷瞬時相電流iLa、iLb、iLcと、系統
電流(iSa、iSb、iSc)演算回路27により演算され
た系統電流iSa、iSb、iScから補償電流iCa、iCb
Ccを演算する補償電流(i Ca、iCb、iCc)演算回路
である。補償電流(iCa、iCb、iCc)演算回路29出
力iCa、iCb、iCcに3相4線式インバータ3の出力電
流を追従させる。なお電圧形インバータで電流制御ルー
プを有する3相4線式インバータ3の回路例を図10
に、R及びCの値を適当に選定する事により実現可能な
位相遅れの無いバンドパスフィルタからなる基本波抽出
回路9および必要次数調波抽出回路13の回路例を図1
2に示す。
【0141】次に動作について説明する。負荷瞬時有効
電力演算回路19では(1)式から得られる次式を用い
て負荷瞬時有効電力pLを演算する。
【0142】
【数56】
【0143】負荷瞬時無効電力演算回路22では(3
6)式から得られる次式を用いて負荷瞬時無効電力qL
−3を演算する。
【0144】
【数57】
【0145】Δ1演算回路25では(44)式に従いΔ1
を演算する。系統電流(iSa、iSb、iSc)演算回路2
7では(44)式に従いiSa、iSb、iScを演算する。
補償電流(iCa、iCb、iCc)演算回路29では次式の
如く負荷電流から系統電流を差し引きする事により補償
電流を演算する。
【0146】
【数58】
【0147】補償電流(iCa、iCb、iCc)演算回路2
9の出力が補償電流指令値であり、3相4線式インバー
タ3の出力電流を追従させる。
【0148】〔実施例2〕なお上記実施例1では3相4
線式電力系統の場合を取り扱っているが、3相3線式電
力系統の場合の実施例2を、図2に基づいて説明する。
図2の3相3線式電力系統において、1は電源、2は負
荷、4は電圧形インバータで電流制御ループを有する3
相3線式インバータ、6は系統電圧の瞬時線間電圧ea
−ec、eb−ecを検出する系統電圧検出器、8は負荷
のa、b相瞬時相電流iLa、iLbを検出する負荷電流検
出器、10は位相遅れの無いバンドパスフィルタからな
り系統電圧検出器6の検出した瞬時線間電圧ea−ec
b−ecより瞬時線間電圧基本波成分ea1−ec1、eb1
−ec1を抽出する基本波抽出回路、12は基本波抽出回
路10により抽出された瞬時線間電圧基本波成分ea1
c1、eb1−ec1の位相を基本波ベースで90°遅延さ
せた瞬時線間電圧基本波90°遅延成分ea1'−ec1'、
b1'−ec1'を導出する基本波90°遅延回路、14は
位相遅れの無いバンドパスフィルタからなり系統電圧検
出器6の検出した瞬時線間相電圧ea−ec、eb−ec
り必要とする次数の瞬時線間電圧高調波成分e ak
ck、ebk−eckを抽出する必要次数調波抽出回路(複
数の高調波成分の抽出を必要とする場合は各次調波に対
応した抽出回路を各々具備する)、16は必要次数調波
抽出回路14により抽出された、瞬時線間電圧高調波成
分eak−eck、ebk−eckの位相を各々の高調波次数ベ
ースで90°遅延させた瞬時線間電圧高調波90°遅延
成分eak'−eck'、ebk'−eck'を導出する必要次数調
波90°遅延回路(複数の高調波成分の遅延を必要とす
る場合は各次調波に対応した遅延回路を各々具備す
る)、18は基本波及び高調波次数ベースで各々位相を
90°遅延させた各瞬時線間電圧成分を加算し、瞬時線
間電圧各次調波位相90°遅延成分(ea'−3)−(e
c'−3)、(eb'−3)−(ec'−3)を合成する加算
回路、20は系統電圧検出器6の検出した瞬時線間電圧
a−ec、eb−ecと、負荷電流検出器8の検出した負
荷瞬時相電流iLa、iLbから負荷瞬時有効電力pLを演
算する負荷瞬時有効電力演算回路、21は負荷瞬時有効
電力演算回路20により演算された負荷瞬時有効電力p
Lより直流成分pL−1を抽出する第一の直流分抽出回
路、23は加算回路18により合成された瞬時線間電圧
各次調波位相90°遅延成分(ea'−3)−(ec'−
3)、(eb'−3)−(ec'−3)と、負荷電流検出器
8の検出した負荷瞬時相電流iLa、iLbから負荷瞬時無
効電力qL−3を演算する負荷瞬時無効電力演算回路、
24は負荷瞬時無効電力演算回路23により演算された
負荷瞬時無効電力qL−3より直流成分qL−4を抽出す
る第二の直流分抽出回路、26は基本波抽出回路10に
より抽出された瞬時線間電圧基本波成分ea1−ec1、e
b1−ec1と、基本波90°遅延回路12により遅延され
た瞬時線間電圧基本波90°遅延成分ea1'−ec1'、e
b1'−ec1'からΔ 1'を演算するΔ1'演算回路、28は基
本波抽出回路10により抽出された瞬時線間電圧基本波
成分ea1−ec1、eb1−ec1、基本波90°遅延回路1
2により遅延された瞬時線間電圧基本波90°遅延成分
a1'−ec1'、eb1'−ec1'、直流分抽出回路21によ
り抽出された負荷瞬時有効電力直流成分pL−1、直流
分抽出回路24により抽出された負荷瞬時無効電力直流
成分qL−4、Δ1'演算回路26により演算されたΔ1'
から系統電流iSa、iSbを演算する系統電流(iSa、i
Sb)演算回路、30は負荷電流検出器8の検出した負荷
瞬時相電流iLa、iLbと、系統電流(iSa、iSb)演算
回路28により演算された系統電流iSa、iSbから補償
電流iCa、iCbを演算する補償電流(iCa、iCb)演算
回路、31は補償電流(iCa、iCb)演算回路30によ
り演算された補償電流iCa、iCbから補償電流iCcを演
算する補償電流(iCc)演算回路である。補償電流(i
Ca、iCb)演算回路30出力iCa、iCb及び補償電流
(iCc)演算回路31出力iCcにより3相3線式インバ
ータ4の出力電流を追従させる。なお電圧形インバータ
で電流制御ループを有する3相3線式インバータ4の回
路例を図11に、R及びCの値を適当に選定する事によ
り実現可能な位相遅れの無いバンドパスフィルタからな
る基本波抽出回路10および必要次数調波抽出回路14
の回路例を図12に示す。
【0149】次に動作について説明する。負荷瞬時有効
電力演算回路20では(45)式から得られる次式を用
いて負荷瞬時有効電力pLを演算する。
【0150】
【数59】
【0151】負荷瞬時無効電力演算回路23では(4
5)式から得られる次式を用いて負荷瞬時無効電力qL
−3を演算する。
【0152】
【数60】
【0153】Δ1'演算回路26では(52)式に従いΔ
1'を演算する。系統電流(iSa、i Sb)演算回路28で
は(52)式に従いiSa、iSbを演算する。補償電流
(iCa、iCb)演算回路30では次式の如く負荷電流か
ら系統電流を差し引きする事により補償電流を演算す
る。
【0154】
【数61】
【0155】補償電流(iCc)演算回路31では(1
3)式から得られる次式を用いて補償電流を演算する。
【0156】
【数62】
【0157】補償電流(iCa、iCb)演算回路30及び
補償電流(iCc)演算回路31の出力が補償電流指令値
であり、3相3線式インバータ4の出力電流を追従させ
る。
【0158】〔実施例3〕上記実施例1では3相4線式
電力系統における系統電圧の瞬時相電圧を基本波及び必
要とする高調波次数毎に位相を90°遅延させた電圧を
合成導出した加算回路17の出力と負荷電流とから負荷
瞬時無効電力を演算する場合を述べたが、任意の角度θ
°遅延させた電圧を用いて負荷瞬時有効電力と負荷瞬時
無効電力の関数を演算する場合の実施例3を、図3に基
づいて説明する。
【0159】図3の3相4線式電力系統において、1は
電源、2は負荷、3は電圧形インバータで電流制御ルー
プを有する3相4線式インバータ、5は系統電圧の瞬時
相電圧ea、eb、ecを検出する系統電圧検出器、7は
負荷のa、b、c相瞬時相電流iLa、iLb、iLcを検出
する負荷電流検出器、9は位相遅れの無いバンドパスフ
ィルタからなり系統電圧検出器5の検出した瞬時相電圧
a、eb、ecより瞬時相電圧基本波成分ea1、eb1
c1を抽出する基本波抽出回路、41は基本波抽出回路
9により抽出された瞬時相電圧基本波成分ea1、eb1
c1の位相を基本波ベースでθ°遅延させた瞬時相電圧
基本波θ°遅延成分ea1''、eb1、''、ec1''を導出す
る基本波θ°遅延回路、13は位相遅れの無いバンドパ
スフィルタからなり系統電圧検出器5の検出した瞬時相
電圧ea、eb、ecより必要とする次数の瞬時相電圧高
調波成分eak、ebk、eckを抽出する必要次数調波抽出
回路(複数の高調波成分の抽出を必要とする場合は各次
調波に対応した抽出回路を各々具備する)、43は必要
次数調波抽出回路13により抽出された、瞬時相電圧高
調波成分eak、ebk、eckの位相を各々の高調波次数ベ
ースでθ°遅延させた瞬時相電圧高調波θ°遅延成分e
ak''、ebk''、eck''を導出する必要次数調波θ°遅延
回路(複数の高調波成分の遅延を必要とする場合は各次
調波に対応した遅延回路を各々具備する)、45は基本
波及び高調波次数ベースで各々位相をθ°遅延させた各
瞬時相電圧成分を加算し、瞬時相電圧各次調波位相θ°
遅延成分ea''−3、eb''−3、ec''−3を合成する
加算回路、19は系統電圧検出器5の検出した瞬時相電
圧ea、eb、ecと、負荷電流検出器7の検出した負荷
瞬時相電流iLa、iLb、iLcから負荷瞬時有効電力pL
を演算する負荷瞬時有効電力演算回路、21は負荷瞬時
有効電力演算回路19により演算された負荷瞬時有効電
力pLより直流成分pL−1を抽出する第一の直流分抽出
回路、47は加算回路45により合成された瞬時相電圧
各次調波位相θ°遅延成分ea''−3、eb''−3、
c''−3と、負荷電流検出器7の検出した負荷瞬時相
電流iLa、iLb、iLcから負荷瞬時有効電力と負荷瞬時
無効電力の関数fL−3を演算する負荷瞬時電力関数演
算回路、49は負荷瞬時電力関数演算回路47により演
算された負荷瞬時電力関数fL−3より直流成分fL−4
を抽出する第二の直流分抽出回路、50は基本波抽出回
路9により抽出された瞬時相電圧基本波成分ea1
b1、ec1と、基本波θ°遅延回路41により遅延され
た瞬時相電圧基本波θ°遅延成分ea1''、eb1''、
c1''からΔ1''を演算するΔ1''演算回路、52は基本
波抽出回路9により抽出された瞬時相電圧基本波成分e
a1、eb1、ec1、基本波θ°遅延回路41により遅延さ
れた瞬時相電圧基本波θ°遅延成分ea1''、eb1''、e
c1''、直流分抽出回路21により抽出された負荷瞬時有
効電力直流成分pL−1、直流分抽出回路49により抽
出された負荷瞬時電力関数直流成分fL−4、Δ1''演算
回路50により演算されたΔ1''から系統電流iSa、i
Sb、iScを演算する系統電流(iSa、iSb、iSc)演算
回路、29は負荷電流検出器7の検出した負荷瞬時相電
流iLa、iLb、iLcと、系統電流(iSa、iSb、iSc
演算回路52により演算された系統電流iSa、iSb、i
Scから補償電流iCa、iCb、iCcを演算する補償電流
(iCa、iCb、iCc)演算回路である。補償電流
(iCa、i Cb、iCc)演算回路29の出力iCa、iCb
Ccに3相4線式インバータ3の出力電流を追従させ
る。
【0160】次に動作について説明する。負荷瞬時有効
電力演算回路19では(1)式から得られる次式を用い
て負荷瞬時有効電力pLを演算する。
【0161】
【数63】
【0162】負荷瞬時電力関数演算回路47では(5
3)式から得られる次式を用いて負荷瞬時電力関数fL
−3を演算する。
【0163】
【数64】
【0164】Δ1''演算回路50では(61)式に従い
Δ1''を演算する。系統電流(iSa、iSb、iSc)演算
回路52では(61)式に従いiSa、iSb、iScを演算
する。補償電流(iCa、iCb、iCc)演算回路29では
次式の如く負荷電流から系統電流を差し引きする事によ
り補償電流を演算する。
【0165】
【数65】
【0166】補償電流(iCa、iCb、iCc)演算回路2
9の出力が補償電流指令値であり、3相4線式インバー
タ3の出力電流を追従させる。θ°だけ遅延させた相電
圧を導出する回路は、θ°を90°未満にする事によ
り、90°遅延させた相電圧を導出する回路よりも、過
渡応答性能が良く、さらにθ°を適当に選ぶ事によりf
L−3よりfL−4を抽出する回路の過渡応答性能を向上
させる事が出来る。
【0167】〔実施例4〕上記実施例2では3相3線式
電力系統における系統電圧の瞬時線間電圧を基本波及び
必要とする高調波次数毎に位相を90°遅延させた電圧
を合成導出した加算回路18の出力と負荷電流とから負
荷瞬時無効電力を演算する場合を述べたが、任意の角度
θ°遅延させた電圧を用いて負荷瞬時有効電力と負荷瞬
時無効電力の関数を演算する場合の実施例4を、図4に
基づいて説明する。
【0168】図4の3相3線式電力系統において、1は
電源、2は負荷、4は電圧形インバータで電流制御ルー
プを有するのは3相3線式インバータ、6は系統電圧の
瞬時線間電圧ea−ec、eb−ecを検出する系統電圧検
出器、8は負荷のa、b相瞬時相電流iLa、iLbを検出
する負荷電流検出器、10は位相遅れの無いバンドパス
フィルタからなり系統電圧検出器6の検出した瞬時線間
電圧ea−ec、eb−ecより瞬時線間電圧基本波成分e
a1−ec1、eb1−ec1を抽出する基本波抽出回路、42
は基本波抽出回路10により抽出された瞬時線間電圧基
本波成分ea1−ec1、eb1−ec1の位相を基本波ベース
でθ°遅延させた瞬時線間電圧基本波θ°遅延成分
a1''−ec1''、eb1''−ec1''を導出する基本波θ°
遅延回路、14は位相遅れの無いバンドパスフィルタか
らなり系統電圧検出器6の検出した瞬時線間電圧ea
c、eb−ecより必要とする次数の瞬時線間電圧高調
波成分eak−eck、ebk−eckを抽出する必要次数調波
抽出回路(複数の高調波成分の抽出を必要とする場合は
各次調波に対応した抽出回路を各々具備する)、44は
必要次数調波抽出回路14により抽出された、瞬時線間
電圧高調波成分eak−e ck、ebk−eckの位相を各々の
高調波次数ベースでθ°遅延させた瞬時線間電圧高調波
θ°遅延成分eak''−eck''、ebk''−eck''を導出す
る必要次数調波θ°遅延回路(複数の高調波成分の遅延
を必要とする場合は各次調波に対応した遅延回路を各々
具備する)、46は基本波及び高調波次数ベースで各々
位相をθ°遅延させた各瞬時線間電圧成分を加算し、瞬
時線間電圧各次調波位相θ°遅延成分(ea''−3)−
(ec''−3)、(eb''−3)−(ec''−3)を合成
する加算回路、20は系統電圧検出器6の検出した瞬時
線間電圧ea−ec、eb−ecと、負荷電流検出器8の検
出した負荷瞬時相電流iLa、iLbから負荷瞬時有効電力
Lを演算する負荷瞬時有効電力演算回路、21は負荷
瞬時有効電力演算回路20により演算された負荷瞬時有
効電力pLより直流成分pL−1を抽出する第一の直流分
抽出回路、48は加算回路46により合成された瞬時線
間電圧各次調波位相θ°遅延成分(ea''−3)−
(ec''−3)、(eb''−3)−(ec''−3)と、負
荷電流検出器8の検出した負荷瞬時相電流iLa、iLb
ら負荷瞬時有効電力と負荷瞬時無効電力の関数(fL
3)を演算する負荷瞬時電力関数演算回路、49は負荷
瞬時電力関数演算回路48により演算された負荷瞬時電
力関数fL−3より直流成分fL−4を抽出する第二の直
流分抽出回路、51は基本波抽出回路10により抽出さ
れた瞬時線間電圧基本波成分ea1−ec1、eb1−e
c1と、基本波θ°遅延回路42により遅延された瞬時線
間電圧基本波θ°遅延成分ea1''−ec1''、eb1''−e
c1''からΔ1'''を演算するΔ1'''演算回路、53は基本
波抽出回路10により抽出された瞬時線間電圧基本波成
分ea1−ec1、eb1−e c1、基本波θ°遅延回路42に
より遅延された瞬時線間電圧基本波θ°遅延成分ea1''
−ec1''、eb1''−ec1''、直流分抽出回路21により
抽出された負荷瞬時有効電力直流成分pL−1、直流分
抽出回路49により抽出された負荷瞬時電力関数直流成
分fL−4、Δ1'''演算回路51により演算された
Δ1'''から系統電流iSa、iSbを演算する系統電流(i
Sa、iSb)演算回路、30は負荷電流検出器8の検出し
た負荷瞬時相電流iLa、iLbと、系統電流(iSa
Sb)演算回路53により演算された系統電流iSa、i
Sbから補償電流iCa、iCbを演算する補償電流(iCa
Cb)演算回路、31は補償電流(iCa、iCb)演算回
路30により演算された補償電流iCa、iCbから補償電
流iCcを演算する補償電流(i Cc)演算回路である。補
償電流(iCa、iCb)演算回路30の出力iCa、iCb
び補償電流(iCc)演算回路31の出力iCcに3相3線
式インバータ4の出力電流を追従させる。
【0169】次に動作について説明する。負荷瞬時有効
電力演算回路20では(45)式から得られる次式を用
いて負荷瞬時有効電力pLを演算する。
【0170】
【数66】
【0171】負荷瞬時電力関数演算回路48では(6
2)式から得られる次式を用いて負荷瞬時電力関数fL
−3を演算する。
【0172】
【数67】
【0173】Δ1'''演算回路51では(69)式に従い
Δ1'''を演算する。系統電流(iSa、iSb)演算回路5
3では(69)式に従いiSa、iSbを演算する。補償電
流(iCa、iCb)演算回路30では次式の如く負荷電流
から系統電流を差し引きする事により補償電流を演算す
る。
【0174】
【数68】
【0175】補償電流(iCc)演算回路31では(1
3)式から得られる次式を用いて補償電流を演算する。
【0176】
【数69】
【0177】補償電流(iCa、iCb)演算回路30及び
補償電流(iCc)演算回路31の出力が補償電流指令値
であり、3相3線式インバータ4の出力電流を追従させ
る。θ°だけ遅延させた相電圧を導出する回路は、θ°
を90°未満にする事により、90°遅延させた線間電
圧を導出する回路よりも、過渡応答性能が良く、さらに
θ°を適当に選ぶ事によりfL−3よりfL−4を抽出す
る回路の過渡応答性能を向上させる事が出来る。
【0178】〔実施例5〕上記実施例1、2、3、4で
は系統電圧の相電圧或いは線間電圧を、基本波及び高調
波次数別に位相90°遅延回路或いはθ°遅延回路によ
り遅延させた電圧と負荷電流から負荷瞬時無効電力或い
は負荷瞬時電力関数を演算する事を述べた。この遅延回
路実現には図1、2、3、4に示すアナログ位相遅延回
路の他に、図5に示すようにAD変換回路63、デジタ
ルフィルタ回路64、メモリ回路65、遅延読み出し回
路66、デジタル加算回路67、DA変換回路68を設
け、90°或いはθ°に相当する時間経過後にメモリに
書き込んだ電圧値を読み出し加算合成する事により、遅
延させた電圧を導出するデジタル位相遅延回路が考えら
れ、アナログ位相遅延回路と比べ温度変化に対して位相
誤差の少ない出力が得られる。
【0179】〔実施例6〕この発明以前に実施されてい
た従来例1を、実施例6として図6に基づいて説明す
る。図6の3相4線式電力系統において、1は電源、2
は負荷、3は電圧形インバータで電流制御ループを有す
る3相4線式インバータ、5は系統電圧の瞬時相電圧e
a、eb、ecを検出する系統電圧検出器、7は負荷の
a、b、c相瞬時相電流iLa、iLb、iLcを検出する負
荷電流検出器、32は系統電圧検出器5の検出した瞬時
相電圧ea、eb、ecの位相を基本波ベースで90°遅
延させた瞬時相電圧90°遅延成分ea'、eb'、ec'を
導出する90°遅延回路、19は系統電圧検出器5の検
出した瞬時相電圧ea、eb、ecと、負荷電流検出器7
の検出した負荷瞬時相電流iLa、iLb、iLcから負荷瞬
時有効電力pLを演算する負荷瞬時有効電力演算回路、
21は負荷瞬時有効電力演算回路19により演算された
負荷瞬時有効電力pLより直流成分pL−1を抽出する第
一の直流分抽出回路、34は90°遅延回路32により
遅延された瞬時相電圧90°遅延成分ea'、eb'、ec'
と、負荷電流検出器7の検出した負荷瞬時相電流iLa
Lb、iLcから負荷瞬時無効電力qLを演算する負荷瞬
時無効電力演算回路、36は負荷瞬時無効電力演算回路
34により演算された負荷瞬時無効電力qLより直流成
分qL−1を抽出する第二の直流分抽出回路、37は系
統電圧検出器5の検出した瞬時相電圧e a、eb、e
cと、90°遅延回路32により遅延された瞬時相電圧
90°遅延成分ea'、eb'、ec'からΔを演算するΔ演
算回路、39は系統電圧検出器5の検出した瞬時相電圧
a、eb、ec、90°遅延回路32により遅延された
瞬時相電圧90°遅延成分ea'、eb'、ec'、直流分抽
出回路21により抽出された負荷瞬時有効電力直流成分
L−1、直流分抽出回路36により抽出された負荷瞬
時無効電力直流成分qL−1、Δ演算回路37により演
算されたΔから系統電流iSa、iSb、iScを演算する系
統電流(iSa、iSb、iSc)演算回路、29は負荷電流
検出器7の検出した負荷瞬時相電流iLa、iLb、i
Lcと、系統電流(iSa、iSb、iSc)演算回路39によ
り演算された系統電流iSa、iSb、iScから補償電流i
Ca、iCb、iCcを演算する補償電流(iCa、iCb
Cc)演算回路である。補償電流(iCa、iCb、iCc
演算回路29の出力iCa、iCb、iCcに3相4線式イン
バータ3の出力電流を追従させる。
【0180】〔実施例7〕上記従来例1では3相4線式
電力系統の場合を取り扱っているが、3相3線式電力系
統の場合の従来例2を、実施例7として図7に基づいて
説明する。図7の3相3線式電力系統において、1は電
源、2は負荷、4は電圧形インバータで電流制御ループ
を有する3相3線式インバータ、6は系統電圧の瞬時線
間電圧ea−ec、eb−ecを検出する系統電圧検出器、
8は負荷のa、b相瞬時相電流iLa、iLbを検出する負
荷電流検出器、33は系統電圧検出器6の検出した瞬時
線間電圧ea−ec、eb−ecの位相を基本波ベースで9
0°遅延させた瞬時線間電圧90°遅延成分ea'−
c'、eb'−ec'を導出する90°遅延回路、20は系
統電圧検出器6の検出した瞬時線間電圧ea−ec、eb
−ecと、負荷電流検出器8の検出した負荷瞬時相電流
La、iLbから負荷瞬時有効電力pLを演算する負荷瞬
時有効電力演算回路、21は負荷瞬時有効電力演算回路
20により演算された負荷瞬時有効電力pLより直流成
分pL−1を抽出する第一の直流分抽出回路、35は9
0°遅延回路33により遅延された瞬時線間電圧90°
遅延成分ea'−ec'、eb'−ec'と、負荷電流検出器8
の検出した負荷瞬時相電流iLa、iLbから負荷瞬時無効
電力qLを演算する負荷瞬時無効電力演算回路、36は
負荷瞬時無効電力演算回路35により演算された負荷瞬
時無効電力qLより直流成分qL−1を抽出する第二の直
流分抽出回路、38は系統電圧検出器6の検出した瞬時
線間電圧ea−ec、eb−ecと、90°遅延回路33に
より遅延された瞬時線間電圧90°遅延成分ea'−
c'、eb'−ec'からΔ'を演算するΔ'演算回路、40
は系統電圧検出器6の検出した瞬時線間電圧ea−ec
b−ec、90°遅延回路33により遅延された瞬時線
間電圧90°遅延成分ea'−ec'、eb'−ec'、直流分
抽出回路21により抽出された負荷瞬時有効電力直流成
分pL−1、直流分抽出回路36により抽出された負荷
瞬時無効電力直流成分qL−1、Δ'演算回路38により
演算されたΔ'から系統電流iSa、iSbを演算する系統
電流(iSa、iSb)演算回路、30は負荷電流検出器8
の検出した負荷瞬時相電流iLa、iLbと、系統電流(i
Sa、iSb)演算回路40により演算された系統電流
Sa、iSbから補償電流iCa、iCbを演算する補償電流
(iCa、iCb)演算回路、31は補償電流(iCa
Cb)演算回路30により演算された補償電流iCa、i
Cbから補償電流iCcを演算する補償電流(iCc)演算回
路である。補償電流(iCa、iCb)演算回路30の出力
Ca、iCb及び補償電流(iCc)演算回路31の出力i
Ccに3相3線式インバータ4の出力電流を追従させる。
【0181】〔実施例8〕上記従来例1では3相4線式
電力系統における系統電圧の瞬時相電圧位相を90°遅
延させた電圧と負荷電流とから負荷瞬時無効電力を演算
する場合を述べたが、任意の角度θ°遅延させた電圧を
用いて負荷瞬時無効電力を演算する場合の従来例3を、
実施例8として図8に基づいて説明する。図8の3相4
線式電力系統において、1は電源、2は負荷、3は電圧
形インバータで電流制御ループを有する3相4線式イン
バータ、5は系統電圧の瞬時相電圧ea、eb、ecを検
出する系統電圧検出器、7は負荷のa、b、c相瞬時相
電流iLa、iLb、iLcを検出する負荷電流検出器、54
は系統電圧検出器5の検出した瞬時相電圧ea、eb、e
cの位相を基本波ベースでθ°遅延させた瞬時相電圧θ
°遅延成分ea''、eb''、ec''を導出するθ°遅延回
路、19は系統電圧検出器5の検出した瞬時相電圧
a、eb、ecと、負荷電流検出器7の検出した負荷瞬
時相電流iLa、iLb、iLcから負荷瞬時有効電力pL
演算する負荷瞬時有効電力演算回路、21は負荷瞬時有
効電力演算回路19により演算された負荷瞬時有効電力
Lより直流成分pL−1を抽出する第一の直流分抽出回
路、56はθ°遅延回路54により遅延された瞬時相電
圧θ°遅延成分ea''、eb''、ec''と、負荷電流検出
器7の検出した負荷瞬時相電流iLa、iLb、iLcから負
荷瞬時有効電力と負荷瞬時無効電力の関数fLを演算す
る負荷瞬時電力関数演算回路、58は負荷瞬時電力関数
演算回路56により演算された負荷瞬時電力関数fL
り直流成分fL−1を抽出する第二の直流分抽出回路、
59は系統電圧検出器5の検出した瞬時相電圧ea
b、ecと、θ°遅延回路54により遅延された瞬時相
電圧θ°遅延成分ea''、eb''、ec''からΔ''を演算
するΔ''演算回路、61は系統電圧検出器5の検出した
瞬時相電圧ea、eb、ec、θ°遅延回路54により遅
延された瞬時相電圧θ°遅延成分ea''、eb''、
c''、直流分抽出回路21により抽出された負荷瞬時
有効電力直流成分pL−1、直流分抽出回路58により
抽出された負荷瞬時電力関数直流成分fL−1、Δ''演
算回路により演算されたΔ''から系統電流iSa、iSb
Scを演算する系統電流(iSa、i Sb、iSc)演算回
路、29は負荷電流検出器7の検出した負荷瞬時相電流
La、iLb、iLcと、系統電流(iSa、iSb、iSc)演
算回路61により演算された系統電流iSa、iSb、iSc
から補償電流iCa、iCb、iCcを演算する補償電流(i
Ca、iCb、iCc)演算回路である。補償電流(iCa、i
Cb、iCc)演算回路29の出力iCa、iCb、iCcに3相
4線式インバータ3の出力電流を追従させる。
【0182】〔実施例9〕上記従来例2では3相3線式
電力系統における系統電圧の瞬時線間電圧位相を90°
遅延させた電圧と負荷電流とから負荷瞬時無効電力を演
算する場合を述べたが、任意の角度θ°遅延させた電圧
を用いて負荷瞬時有効電力と負荷瞬時無効電力の関数を
演算する場合の従来例4を、実施例9として図9に基づ
いて説明する。図9の3相3線式電力系統において、1
は電源、2は負荷、4は電圧形インバータで電流制御ル
ープを有する3相3線式インバータ、6は系統電圧の瞬
時線間電圧ea−ec、eb−ecを検出する系統電圧検出
器、8は負荷のa、b相瞬時相電流iLa、iLbを検出す
る負荷電流検出器、55は系統電圧検出器6の検出した
瞬時線間電圧ea−ec、eb−ecの位相を基本波ベース
でθ°遅延させた瞬時線間電圧θ°遅延成分ea''−
c''、eb''−ec''を導出するθ°遅延回路、20は
系統電圧検出器6の検出した瞬時線間電圧ea−ec、e
b−ecと、負荷電流検出器8の検出した負荷瞬時相電流
La、iLbから負荷瞬時有効電力pLを演算する負荷瞬
時有効電力演算回路、21は負荷瞬時有効電力演算回路
20により演算された負荷瞬時有効電力pLより直流成
分pL−1を抽出する第一の直流分抽出回路、57はθ
°遅延回路55により遅延された瞬時線間電圧θ°遅延
成分ea''−ec''、eb''−ec''と、負荷電流検出器8
の検出した負荷瞬時相電流iLa、iLbから負荷瞬時有効
電力と負荷瞬時無効電力の関数fLを演算する負荷瞬時
電力関数演算回路、58は負荷瞬時電力関数演算回路5
7により演算された負荷瞬時電力関数fLより直流成分
L−1を抽出する第二の直流分抽出回路、60は系統
電圧検出器6の検出した瞬時線間電圧ea−ec、eb
cと、θ°遅延回路55により遅延された瞬時線間電
圧θ°遅延成分ea''−ec''、eb''−ec''からΔ'''
を演算するΔ'''演算回路、62は系統電圧検出器6の
検出した瞬時線間電圧ea−ec、eb−ec、θ°遅延回
路55により遅延された瞬時線間電圧θ°遅延成分
a''−ec''、eb''−ec''、直流分抽出回路21によ
り抽出された負荷瞬時有効電力直流成分pL−1、直流
分抽出回路58により抽出された負荷瞬時電力関数直流
成分fL−1、Δ'''演算回路60により演算された
Δ'''から系統電流iSa、iSbを演算する系統電流(i
Sa、iSb)演算回路、30は負荷電流検出器8の検出し
た負荷瞬時電流iLa、iLbと、系統電流(iSa、iSb
演算回路62により演算された系統電流iSa、iSbから
補償電流iCa、iCbを演算する補償電流(iCa、iCb
演算回路、31は補償電流(iCa、iCb)演算回路30
により演算された補償電流iCa、iCbから補償電流iCc
を演算する補償電流(iCc)演算回路である。補償電流
(iCa、iCb)演算回路30の出力iCa、iCb及び補償
電流(iCc)演算回路31の出力iCcに3相3線式イン
バータ4の出力電流を追従させる。
【0183】上記従来例1に示す3相4線式電力系統に
おいて、系統電圧に高調波歪みが含まれる場合、ea
b、ec、ea'、eb'、ec'に高調波成分が含まれるこ
ととなり、またΔに交流成分が含まれることとなるの
で、系統電流iSa、iSb、iScに高調波成分が含まれる
こととなる。さらに負荷瞬時無効電力の演算に際し、瞬
時相電圧位相が基本波ベースで90°位相遅れとなる遅
延回路しか設けていないため、系統電圧に高調波歪みが
含まれる場合には、正確な負荷瞬時無効電力を得ること
が出来ないこととなる。従って従来例において望ましい
高調波、無効電力補償結果が得られるのは、系統電圧に
高調波電圧歪みを含まない正弦波3相電力系統の場合に
限られ、系統電圧に高調波電圧歪みが含まれることが避
けられない一般配電系統のような電源系統においては、
良好な高調波、無効電力補償効果が得られないこととな
る。同様に従来例2、3、4において系統電圧に高調波
電圧歪みが含まれる場合には、良好な高調波、無効電力
補償効果が得られないこととなる。
【0184】
【発明の効果】この発明によれば、上記実施例1に示す
3相4線式電力系統が、系統電圧に高調波電圧歪みが含
まれることが避けられない一般配電系統のような電源系
統の場合であっても、ea1、eb1、ec1、ea1'、
b1'、ec1'は基本波成分のみとなり、さらにΔ1は直
流成分のみとなる。従って、系統電流iSa、iSb、iSc
に高調波成分が含まれないこととなる。また負荷瞬時無
効電力の演算に際し、瞬時相電圧位相が基本波成分及び
高調波成分に対しても各々のベースで90°位相遅れと
なる遅延回路を設けているため、正確な負荷瞬時無効電
力を得ることが出来、良好な高調波、無効電力補償効果
が実現できることとなる。同様に実施例2に示す3相3
線式電力系統が、系統電圧に高調波電圧歪みが含まれる
ことが避けられない一般配電系統のような電源系統の場
合であっても、e a1−ec1、eb1−ec1、ea1'−
c1'、eb1'−ec1'は基本波成分のみとなり、さらに
Δ1'は直流成分のみとなる。従って、系統電流iSa、i
Sbに高調波成分が含まれないこととなる。また負荷瞬時
無効電力の演算に際し、瞬時線間電圧位相が基本波成分
及び高調波成分に対しても各々のベースで90°位相遅
れとなる遅延回路を設けているため、正確な負荷瞬時無
効電力を得ることが出来、良好な高調波、無効電力補償
効果が実現できることとなる。同様に実施例3、4にお
いて系統電圧に高調波電圧歪みが含まれる場合でも、系
統電流iSa、iSb、iScに高調波成分が含まれないこと
となり、また正確な負荷瞬時電力関数を得ることができ
るため、良好な高調波、無効電力補償効果が実現できる
こととなり、工業的実用的にその価値は極めて大なるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例2を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例3を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例4を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施例5を示すブロック図である。
【図6】本発明の従来例1を示すブロック図である。
【図7】本発明の従来例2を示すブロック図である。
【図8】本発明の従来例3を示すブロック図である。
【図9】本発明の従来例4を示すブロック図である。
【図10】本発明において使用する3相4線式アクティ
ブフィルタの回路例を示すブロック図である。
【図11】本発明において使用する3相3線式アクティ
ブフィルタの回路例を示すブロック図である。
【図12】本発明において使用する位相遅れの無いバン
ドパスフィルタからなる、基本波または各次高調波電圧
成分を抽出するための回路例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 電源 2 負荷 3 3相4線式インバータ 4 3相3線式インバータ 5 系統電圧検出器(ea、eb、ec) 6 系統電圧検出器(ea−ec、eb−ec) 7 負荷電流検出器(iLa、iLb、iLc) 8 負荷電流検出器(iLa、iLb) 9 基本波抽出回路(ea1、eb1、ec1) 10 基本波抽出回路(ea1−ec1、eb1−ec1) 11 基本波90°遅延回路(ea1'、eb1'、ec1') 12 基本波90°遅延回路(ea1'−ec1'、eb1'−
c1') 13 必要次数調波抽出回路(eak、ebk、eck) 14 必要次数調波抽出回路(eak−eck、ebk
ck) 15 必要次数調波90°遅延回路(eak'、ebk'、e
ck') 16 必要次数調波90°遅延回路(eak'−eck'、e
bk'−eck') 17 加算回路{(ea'−3)、(eb'−3)、(ec'
−3)} 18 加算回路{(ea'−3)−(ec'−3)、(eb'
−3)−(ec'−3)} 19 負荷瞬時有効電力演算回路(pL=ea×iLa+e
b×iLb+ec×iLc) 20 負荷瞬時有効電力演算回路{pL=(ea−ec
×iLa+(eb−ec)×iLb} 21 直流分抽出回路(pL−1) 22 負荷瞬時無効電力演算回路{(qL−3)=
(ea'−3)×iLa+(eb'−3)×iLb+(ec'−
3)×iLc} 23 負荷瞬時無効電力演算回路[(qL−3)=
{(ea'−3)−(ec'−3)}×iLa+{(eb'−
3)−(ec'−3)}×iLb] 24 直流分抽出回路(qL−4) 25 Δ1演算回路{(44)式} 26 Δ1'演算回路{(52)式} 27 系統電流(iSa、iSb、iSc)演算回路{(4
4)式} 28 系統電流(iSa、iSb)演算回路{(52)式} 29 補償電流(iCa、iCb、iCc)演算回路 30 補償電流(iCa、iCb)演算回路 31 補償電流(iCc)演算回路 32 90°遅延回路(ea'、eb'、ec') 33 90°遅延回路(ea'−ec'、eb'−ec') 34 負荷瞬時無効電力演算回路(qL=ea'×iLa
b'×iLb+ec'×iLc) 35 負荷瞬時無効電力演算回路{qL=(ea'−
c')×iLa+(eb'−ec')×iLb} 36 直流分抽出回路(qL−1) 37 Δ演算回路{(5)式} 38 Δ'演算回路{(15)式} 39 系統電流(iSa、iSb、iSc)演算回路{(1
2)式} 40 系統電流(iSa、iSb)演算回路{(20)式} 41 基本波θ°遅延回路(ea1''、eb1''、ec1'') 42 基本波θ°遅延回路(ea1''−ec1''、eb1''−
c1'') 43 必要次数調波θ°遅延回路(eak''、ebk''、e
ck'') 44 必要次数調波θ°遅延回路(eak''−eck''、e
bk''−eck'') 45 加算回路(ea''−3、eb''−3、ec''−3) 46 加算回路{(ea''−3)−(ec''−3'')、
(eb''−3)−(ec''−3)} 47 負荷瞬時電力関数演算回路{(fL−3)=
(ea''−3)×iLa+(eb''−3)×iLb+(ec''
−3)×iLc} 48 負荷瞬時電力関数演算回路[(fL−3)=
{(ea''−3)−(ec''−3)}×iLa+{(eb''
−3)−(ec''−3)}×iLb] 49 直流分抽出回路(fL−4) 50 Δ1''演算回路{(61)式} 51 Δ1'''演算回路{(69)式} 52 系統電流(iSa、iSb、iSc)演算回路{(6
1)式} 53 系統電流(iSa、iSb)演算回路{(69)式} 54 θ°遅延回路(ea''、eb''、ec'') 55 θ°遅延回路(ea''−ec'',eb''−ec'') 56 負荷瞬時電力関数演算回路(fL=ea''×iLa
b''×iLb+ec''×i Lc) 57 負荷瞬時電力関数演算回路{fL=(ea''−
c'')×iLa+(eb''−e c'')×iLb} 58 直流分抽出回路(fL−1) 59 Δ''演算回路{(23)式} 60 Δ'''演算回路{(30)式} 61 系統電流(iSa、iSb、iSc)演算回路{(2
8)式} 62 系統電流(iSa、iSb)演算回路{(35)式} 63 AD変換回路 64 デジタルフィルタ回路 65 メモリ回路 66 遅延読み出し回路 67 デジタル加算回路 68 DA変換回路
フロントページの続き (72)発明者 森貞 健二 京都府京都市中京区御池通烏丸東入一筋目 仲保利町191番地の4 上原ビル3階 ニ チコン株式会社内 (72)発明者 中沢 徳郎 京都府京都市中京区御池通烏丸東入一筋目 仲保利町191番地の4 上原ビル3階 ニ チコン株式会社内 Fターム(参考) 5G065 AA05 AA06 HA13 LA01 LA02 LA03 MA02 5G066 EA03 FA01 FB11 FC01 FC04 FC13 5H740 BB09 NN01 NN03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3相電力系統の負荷電流の高調波電流成
    分または無効電流成分または逆相電流成分を供給する電
    力用高調波または無効電力補償装置において、上記3相
    電力系統の各相瞬時電圧から基本波電圧成分および各次
    高調波電圧成分を各相毎に導出し、さらに導出した基本
    波電圧成分の位相を基本波ベースで90°遅延させて原
    系統基本波電圧成分より90°位相遅れとした基本波電
    圧成分および導出した各次高調波電圧成分の位相を各々
    の高調波次数ベースで90°遅延させて原系統各次高調
    波電圧成分より90°位相遅れとした各次高調波電圧成
    分を導出する位相遅れ回路を各相毎に設け、これら90
    °位相遅れの基本波電圧成分および90°位相遅れの各
    次高調波電圧成分を加算回路にて各相毎に合成し、この
    出力と各相瞬時電流の積から3相一括の瞬時無効電力を
    求める回路を設け、上記3相一括の瞬時無効電力から補
    償電流の指令値を算出する回路を備えたことを特徴とす
    る電力用高調波・無効電力補償装置。
  2. 【請求項2】 上記3相電力系統の各相瞬時電圧から基
    本波電圧成分および各次高調波電圧成分を位相遅れの無
    い各次調波用バンドパスフィルタ回路を各相毎に設けて
    導出し、さらに導出した基本波電圧成分の位相を基本波
    ベースで90°遅延させて原系統基本波電圧成分より9
    0°位相遅れとした基本波電圧成分および導出した各次
    高調波電圧成分の位相を各々の高調波次数ベースで90
    °遅延させて原系統各次高調波電圧成分より90°位相
    遅れとした各次高調波電圧成分を導出する位相遅れ回路
    を各相毎に設けたことを特徴とする請求項1記載の電力
    用高調波・無効電力補償装置。
  3. 【請求項3】 上記3相電力系統の各相瞬時電圧値を各
    相毎にAD変換し、このデジタル値化された各相瞬時電
    圧値からデジタルフィルタにより基本波および各次高調
    波成分を各相毎に弁別抽出してメモリに書き込み、これ
    らを定められた時間の後に読み出して原系統基本波電圧
    成分より基本波ベースで90°位相遅れとした基本波電
    圧成分および原系統各次高調波電圧成分より各々の高調
    波次数ベースで90°位相遅れとした各次高調波電圧成
    分を各相毎に求めることを特徴とする請求項1記載の電
    力用高調波・無効電力補償装置。
  4. 【請求項4】 上記3相一括の瞬時無効電力から直流成
    分を抽出し、その直流成分に上記3相電力系統の各相瞬
    時電圧から導出した原系統基本波電圧成分より位相遅れ
    の無い基本波電圧成分およびこの基本波電圧成分の位相
    を基本波ベースで90°遅延させて原系統基本波電圧成
    分より90°位相遅れとした基本波電圧成分の関数を乗
    じて電源電流の指令値を算出し、これを負荷電流から引
    くことにより補償電流の指令値を算出する回路を備えた
    ことを特徴とする請求項1から3に記載の電力用高調波
    ・無効電力補償装置。
  5. 【請求項5】 3相3線式電力系統において、この3相
    中の2相の電流信号を用いて上記3相一括の瞬時無効電
    力を求める回路を備えたことを特徴とする請求項1から
    4に記載の電力用高調波・無効電力補償装置。
  6. 【請求項6】 3相電力系統の負荷電流の高調波電流成
    分または無効電流成分または逆相電流成分を供給する電
    力用高調波または無効電力補償装置において、上記3相
    電力系統の各相瞬時電圧から基本波電圧成分および各次
    高調波電圧成分を各相毎に導出し、さらに導出した基本
    波電圧成分の位相を基本波ベースでθ°遅延させて原系
    統基本波電圧成分よりθ°位相遅れとした基本波電圧成
    分および導出した各次高調波電圧成分の位相を各々の高
    調波次数ベースでθ°遅延させて原系統各次高調波電圧
    成分よりθ°位相遅れとした各次高調波電圧成分を導出
    する位相遅れ回路を各相毎に設け、これらθ°位相遅れ
    の基本波電圧成分およびθ°位相遅れの各次高調波電圧
    成分を加算回路にて各相毎に合成し、この出力と各相瞬
    時電流の積から3相一括の瞬時無効電力qと瞬時有効電
    力pの関数f=pcosθ+qsinθを求める回路を
    設けることによって、上記関数fから電源電流の指令値
    を算出し、これを負荷電流から引くことにより補償電流
    の指令値を算出する回路を備えたことを特徴とする電力
    用高調波・無効電力補償装置。
  7. 【請求項7】 上記3相電力系統の各相瞬時電圧から基
    本波電圧成分および各次高調波電圧成分を位相遅れの無
    い各次調波用バンドパスフィルタ回路を各相毎に設けて
    導出し、さらに導出した基本波電圧成分の位相を基本波
    ベースでθ°遅延させて原系統基本波電圧成分よりθ°
    位相遅れとした基本波電圧成分および導出した各次高調
    波電圧成分の位相を各々の高調波次数ベースでθ°遅延
    させて原系統各次高調波電圧成分よりθ°位相遅れとし
    た各次高調波電圧成分を導出する位相遅れ回路を各相毎
    に設けたことを特徴とする請求項6記載の電力用高調波
    ・無効電力補償装置。
  8. 【請求項8】 上記3相電力系統の各相瞬時電圧値を各
    相毎にAD変換し、このデジタル値化された各相瞬時電
    圧値からデジタルフィルタにより基本波および各次高調
    波成分を各相毎に弁別抽出してメモリに書き込み、これ
    らを定められた時間の後に読み出して原系統基本波電圧
    成分より基本波ベースでθ°位相遅れとした基本波電圧
    成分および原系統各次高調波電圧成分より各々の高調波
    次数ベースでθ°位相遅れとした各次高調波電圧成分を
    各相毎に求めることを特徴とする請求項6記載の電力用
    高調波・無効電力補償装置。
  9. 【請求項9】 上記関数fから直流成分を抽出し、その
    直流成分に上記3相電力系統の各相瞬時電圧から導出し
    た原系統基本波電圧成分より位相遅れの無い基本波電圧
    成分およびこの基本波電圧成分の位相を基本波ベースで
    θ°遅延させて原系統基本波電圧成分よりθ°位相遅れ
    とした基本波電圧成分の関数を乗じて電源電流の指令値
    を算出し、これを負荷電流から引くことにより補償電流
    の指令値を算出する回路を備えたことを特徴とする請求
    項6から8に記載の電力用高調波・無効電力補償装置。
  10. 【請求項10】 3相3線式の回路において、この3相
    中の2相の電流信号を用いて上記3相一括の瞬時無効電
    力を求める回路を備えたことを特徴とする請求項6から
    9に記載の電力用高調波・無効電力補償装置。
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