JP2000058205A - グラウンド強化板とグラウンド強化板付きコネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明はコネクタに関し、コネクタを機器に配
設する際の設計上の制約に適宜対応してアース接続を確
実にする構造にすることが課題である。 【解決手段】絶縁体と該絶縁体に設けられた複数のコン
タクトの接続部との周囲を囲繞する前面側のシェルと後
面側のシールドシェルとを有するコネクタの前記シール
ドシェルに取り付けられるもので、中央部１ａに前記コ
ンタクト用の貫通孔１ｂが所要数で所定の位置に配設さ
れ、前記中央部１ａから上下に延設される上・下平坦部
１ｃ，１ｄは、前記シールドシェルの上・下のシールド
平坦部に各々被せられ、かつ、その被せられた上面と下
面とが少なくとも前記上下のシールド平坦部からそれぞ
れ直交して起立させられた端面と面一になるように形成
されているグラウンド強化板１である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、コネクタに係り、
例えば、コネクタを機器に配設する際の設計上の制約に
適宜対応してアース接続を確実にする構造にしたコネク
タに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、貫通型コンデンサ１１ａ
を有する複数のコンタクト１１と、絶縁体１２と、シェ
ル１３およびシールドシェル１４からなるコネクタ１０
は、図８に示すように、前記複数本のコンタクト１１が
それぞれ圧入され固定された絶縁体１２の接続部側を除
いた略全体に、前記シェル１３とシールドシェル１４と
が被冠されていなるものが知られている。

【０００３】前記コネクタ１０は、通常、相手側コネク
タと接続される側のシェル１３の両端部に取付孔１３ａ
が設けられて、それによってネジ等で機器の框体１５に
固定され、コンタクト１１の接続部のシールドのため、
前記シェル１３が前記シールドシェル１４と当接し、該
シールドシェル１４若しくは框体１５との当接面を介し
て、前記シェル１３がグラウンドに落とされている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記コネクタにおいて
は、シェル１３をグラウンドに落とすには、当該シェル
１３の前面１３ｂを框体１５に当接させて行うのが一般
的であるが、框体１５にコネクタ１０を固定する場所や
配置の都合により、若しくは、框体１５のコネクタ取付
面の材質が非導通体であったりした場合に、コネクタ１
０の上端面と下端面とでグラウンドを採るようにしたい
場合もある。

【０００５】しかしながら、コネクタ１０の上・下端面
は、シェル１３とシールドシェル１４との両端面１３
ｃ，１４ａ（１３ｄ，１４ｂ）を合わせた両板厚分の小
面積しか得られない。よって、グラウンドを採る場所が
狭くて設計配置上の障害となったり、部品組立作業にお
いて手間がかかり非能率的となったり、シールドの性能
特性も不十分であったりするという課題がある。本発明
に係るコネクタは、このような課題を解消するために提
案されるものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係るグラウンド
強化板の上記課題を解決するための要旨は、絶縁体と該
絶縁体に設けられた複数のコンタクトの接続部との周囲
を囲繞する前面側のシェルと後面側のシールドシェルと
を有するコネクタの前記シールドシェルに取り付けられ
るもので、中央部に前記コンタクト用の貫通孔が所要数
で所定の位置に配設され、前記中央部から上下に延設さ
れる上・下平坦部は、前記シールドシェルの上・下のシ
ールド平坦部に各々被せられ、かつ、その被せられた上
面と下面とが少なくとも前記上下のシールド平坦部から
それぞれ直交して起立させられた端面と面一になるよう
に形成されていることである。

【０００７】また、本発明に係るグラウンド強化板付き
コネクタの上記課題を解決するための要旨は、絶縁体
と、該絶縁体の貫通孔に装着されるコンタクトと、前記
絶縁体とコンタクトの接続部を囲繞する前面側のシェル
と後面側のシールドシェルとでなるコネクタであって、
前記シールドシェルに上記グラウンド強化板が固着さ
れ、当該シールドシェルの上・下のシールド平坦部にそ
れぞれ直交して起立させられた端面と面一にされたグラ
ウンド強化板の上・下平坦部によってグラウンド用面積
が確保されていることである。

【０００８】本発明に係るグラウンド強化板とグラウン
ド強化板付きコネクタによれば、コネクタの上下にグラ
ウンド用の平坦部が広く確保されることになり、しか
も、シールドシェルの立ち上がった端面と面一にされて
いるので、当該コネクタを取り付ける框体側の設計上の
要請に応じることが出来て、部品配置や部品取付が容易
となる。また、前記グラウンド強化板をシールドシェル
に被せて設けることで、コネクタのシールド特性も向上
するものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】次に、本発明に係るグラウンド強
化板１と、そのグラウンド強化板付きコネクタ２につい
て図面を参照して説明する。なお、発明の理解容易のた
め従来例に対応する部分には従来例と同一符号を付けて
説明する。

【００１０】前記グラウンド強化板１は、図１乃至図４
に示すように、例えば、バネ鋼や燐青銅等の金属製であ
って、図３に示すように、上下方向で凹部にされた中央
部１ａに、貫通型コンデンサを有するコンタクト１１を
挿通させるための貫通孔１ｂが、所要数で所定の位置に
配設されている。

【００１１】前記中央部１ａから上下に延設されコ字型
に屈曲された跨設部１ｇ，１ｈを介して前後方向に屈曲
形成された上・下の各平坦部１ｃ，１ｄは、従来例にお
いて説明したシールドシェル１４の上・下のシールド平
坦部１４ｃ，１４ｄに各々被せられるものである。

【００１２】更に、その被せられた上の平坦部１ｃの上
面と、下の平坦部１ｄの下面とが、少なくとも前記上・
下のシールド平坦部１４ｃ，１４ｄからそれぞれ直交し
て起立させられたフランジ１４ｈの端面１４ａ，１４ｂ
と面一になるように形成されている。

【００１３】グラウンド強化板１における前記上の平坦
部１ｃの左右方向の両端部には、高さａにして内側にコ
字状に曲げて形成した受け部１ｅ，１ｅが各々設けら
れ、前記下の平坦部１ｄにおける左右方向の両端部にも
同様の受け部１ｆ，１ｆが設けられている。

【００１４】以上のようにしてグラウンド強化板１が形
成されるものであり、次に、これが取り付けられるコネ
クタ１０側のシールドシェル１４の形状について説明す
る。当該シールドシェル１４は、図５に示すように、金
属製で中央部１４ｅが凹部に形成され、コンタクト１１
の挿通用の貫通孔１４ｆが所要数で所定の位置に配設さ
れている。

【００１５】前記中央部１４ｅに前記グランド強化板１
の中央部１ａが、互いに形状大きさが略同じで、各々の
貫通孔１４ｆと貫通孔１ｂとの位置を合わせて、重ね合
わされ収まるものである。

【００１６】前記中央部１４ｅの全外縁に亘り形成され
る凸部１４ｇの外縁部からフランジ１４ｈが延設されて
いる。該フランジ１４ｈの左右方向には、組立用のネジ
等が挿通される貫通孔１４ｉが設けられている。このシ
ールドシェル１４の内部空間１４ｊ（図５（ロ）参照）
に、絶縁体１２が収納されるものである。

【００１７】この他、シェル１３と絶縁体１２とは、従
来例において説明した（図８参照）ものと同様であるの
で、重複した説明を省略する。

【００１８】以上の構成により、グラウンド強化板付き
コネクタ２に係る組立を説明すると、図６に示すよう
に、絶縁体１２にコンタクト１１を圧入して保持させ
る。この絶縁体１２を、シールドシェル１４の前方側か
らその内部空間１４ｊに、コンタクト１１を貫通孔１４
ｆへ挿通させて、収納させる。

【００１９】前記シールドシェル１４に、その前方側か
ら、コンタクト１１の先端側の接続部を囲繞するシェル
１３を、取付孔１３ａと取付孔１４ｊにネジ・ナット等
を挿通させて、締結して取り付け中間組立体を形成す
る。

【００２０】次に、図７に示すように、コンタクト１１
の後方側からコンデンサ１１ａを差し入れて絶縁体１２
の凹部に納める。そして、グラウンド強化板１を、その
中央部１ａの貫通孔１ｂに各コンタクト１１をそれぞれ
挿通させながらシールドシェル１４の中央部１４ｅに重
ね合わせ、かつ、跨設部１ｇ，１ｈを凸部１４ｇに被
せ、上・下の平坦部１ｃ，１ｄを弾性的に若干拡開させ
ながらシールドシェル１４の上・下シールド平坦部１４
ｃ，１４ｄに被せて、前記中間組立体に取り付ける。

【００２１】前記コンデンサ１１ａと、コンタクト１
１，シールドシェル１４及びグラウンド強化板１とを半
田付けする。その後でエポキシ樹脂３を充填しておく。

【００２２】前記グラウンド強化板１の上・下の平坦部
１ｃ，１ｄにおけるその上面と下面とが、シェル１３と
シールドシェル１４との上・下の端面１３ｃ，１４ａ及
び端面１３ｄ，１４ｂと面一若しくは略面一となる。こ
れにより、グラウンド用面積が前記平坦部１ｃ，１ｄに
よって広く確保されるものである。

【００２３】また、前記上・下平坦部１ｃ，１ｄにおけ
る左右方向の両端にある受け部１ｅ，１ｅと受け部１
ｆ，１ｆとが、シールドシェル１４の上・下シールド平
坦部１４ｃ，１４ｄの表面と当接して、その高さａを維
持し、前記面一状態を維持するものである。前記コンタ
クト１１の後端側は、図７に示すように、所定の方向に
向けて屈曲される。

【００２４】このように、従来のコネクタ１０に対して
本発明のグラウンド強化板１を固着してグラウンド強化
板付きコネクタ２が形成される。当該グラウンド強化板
付きコネクタ２を機器の框体１５に取り付ける場合に、
前記グラウンド強化板１の上・下の平坦部１ｃ，１ｄが
存在することで、框体側の設計上の要請に応じて、例え
ば、グラウンドにコモン端子を電気的に落としてアース
を採ることが出来るようになる。また、グラウンド強化
板１がシールドシェル１４に被せて追加されたことで、
電気的なシールド特性が更に改善されることになる。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るグラ
ウンド強化板は、絶縁体と該絶縁体に設けられた複数の
コンタクトの接続部との周囲を囲繞する前面側のシェル
と後面側のシールドシェルとを有するコネクタの前記シ
ールドシェルに取り付けられるもので、中央部に前記コ
ンタクト用の貫通孔が所要数で所定の位置に配設され、
前記中央部から上下に延設される上・下平坦部は、前記
シールドシェルの上・下のシールド平坦部に各々被せら
れ、かつ、その被せられた上面と下面とが少なくとも前
記上下のシールド平坦部からそれぞれ直交して起立させ
られた端面と面一になるように形成されているので、コ
ネクタの上下にグラウンド用の平坦部が広く確保され、
しかも、シールドシェルの立ち上がった端面と面一にさ
れているので、当該コネクタを取り付ける框体側の設計
上の要請に応じて設計自由度が広がり、しかも部品配置
や部品取付が容易となるという優れた効果を奏するもの
である。

【００２６】本発明に係るグラウンド強化板付きコネク
タは、絶縁体と、該絶縁体の貫通孔に装着されるコンタ
クトと、前記絶縁体とコンタクトの接続部を囲繞する前
面側のシェルと後面側のシールドシェルとでなるコネク
タであって、前記シールドシェルに前記グラウンド強化
板が固着され、当該シールドシェルの上・下のシールド
平坦部にそれぞれ直交して起立させられた端面と面一に
されたグラウンド強化板の上・下平坦部によってグラウ
ンド用面積が確保されているので、框体側の設計上の要
請に応じたものとなると共に、コネクタのシールド特性
も更に向上するという優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るグラウンド強化板の正面図であ
る。

【図２】同本発明に係るグラウンド強化板の底面図であ
る。

【図３】同本発明に係るグラウンド強化板の側面図であ
る。

【図４】同本発明に係るグラウンド強化板の背面図であ
る。

【図５】同本発明に係るグラウンド強化板付きコネクタ
におけるシールドシェルの正面図（イ）、底面図
（ロ）、側面図（ハ）、背面図（ニ）である。

【図６】同本発明に係るグラウンド強化板付きコネクタ
の中間組立図である。

【図７】同本発明に係るグラウンド強化板付きコネクタ
の、一部を破断して示す正面図である。

【図８】従来例に係るコネクタの使用状態を示す説明図
（イ）と、シェル側からみた正面図（ロ）である。

【符号の説明】

１ グラウンド強化板、１ａ 中央部、１ｂ 貫通孔、
１ｃ 上の平坦部、１ｄ 下の平坦部、１ｅ，１ｆ 受
け部、１ｇ，１ｈ 跨設部、２ グラウンド強化板付き
コネクタ、１１ コンタクト、１１ａ コンデンサ、１
２ 絶縁体、１３シェル、１３ａ 取付孔、１３ｂ 前
面、１３ｃ 上の端面、１３ｄ 下の端面、１４ シー
ルドシェル、１４ａ，上の端面、１４ｂ 下の端面、１
４ｃ 上のシールド平坦部、１４ｄ 下のシールド平坦
部、１４ｅ 中央部、１４ｆ 貫通孔、１４ｇ 凸部、
１４ｈ フランジ、１４ｉ 貫通孔、１４ｊ 内部空
間、１５ 機器の框体。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】絶縁体と該絶縁体に設けられた複数のコン
   タクトの接続部との周囲を囲繞する前面側のシェルと後
   面側のシールドシェルとを有するコネクタの前記シール
   ドシェルに取り付けられるもので、 中央部に前記コンタクト用の貫通孔が所要数で所定の位
   置に配設され、 前記中央部から上下に延設される上・下平坦部は、前記
   シールドシェルの上・下のシールド平坦部に各々被せら
   れ、かつ、その被せられた上面と下面とが少なくとも前
   記上下のシールド平坦部からそれぞれ直交して起立させ
   られた端面と面一になるように形成されていること、 を特徴とするグラウンド強化板。
2. 【請求項２】絶縁体と、該絶縁体の貫通孔に装着される
   コンタクトと、前記絶縁体とコンタクトの接続部を囲繞
   する前面側のシェルと後面側のシールドシェルとでなる
   コネクタであって、 前記シールドシェルに請求項１に記載のグラウンド強化
   板が固着され、 当該シールドシェルの上・下のシールド平坦部にそれぞ
   れ直交して起立させられた端面と面一にされたグラウン
   ド強化板の上・下平坦部によってグラウンド用面積が確
   保されていること、 を特徴とするグラウンド強化板付きコネクタ。