JP2000057647A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JP2000057647A
JP2000057647A JP10224745A JP22474598A JP2000057647A JP 2000057647 A JP2000057647 A JP 2000057647A JP 10224745 A JP10224745 A JP 10224745A JP 22474598 A JP22474598 A JP 22474598A JP 2000057647 A JP2000057647 A JP 2000057647A
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recording
phase difference
recording layer
optical
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JP10224745A
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Yoshihito Fukushima
義仁 福島
Atsushi Takeuchi
竹内  厚
Hiroyuki Takemoto
宏之 竹本
Kenichi Ito
健一 伊藤
Mineo Moribe
峰生 守部
Takehiko Numata
健彦 沼田
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Fujitsu Ltd
Sony Corp
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Fujitsu Ltd
Sony Corp
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B11/00Recording on or reproducing from the same record carrier wherein for these two operations the methods are covered by different main groups of groups G11B3/00 - G11B7/00 or by different subgroups of group G11B9/00; Record carriers therefor
    • G11B11/10Recording on or reproducing from the same record carrier wherein for these two operations the methods are covered by different main groups of groups G11B3/00 - G11B7/00 or by different subgroups of group G11B9/00; Record carriers therefor using recording by magnetic means or other means for magnetisation or demagnetisation of a record carrier, e.g. light induced spin magnetisation; Demagnetisation by thermal or stress means in the presence or not of an orienting magnetic field
    • G11B11/105Recording on or reproducing from the same record carrier wherein for these two operations the methods are covered by different main groups of groups G11B3/00 - G11B7/00 or by different subgroups of group G11B9/00; Record carriers therefor using recording by magnetic means or other means for magnetisation or demagnetisation of a record carrier, e.g. light induced spin magnetisation; Demagnetisation by thermal or stress means in the presence or not of an orienting magnetic field using a beam of light or a magnetic field for recording by change of magnetisation and a beam of light for reproducing, i.e. magneto-optical, e.g. light-induced thermomagnetic recording, spin magnetisation recording, Kerr or Faraday effect reproducing
    • G11B11/10582Record carriers characterised by the selection of the material or by the structure or form
    • G11B11/10584Record carriers characterised by the selection of the material or by the structure or form characterised by the form, e.g. comprising mechanical protection elements

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ZCAVフォーマットの光磁気ディスクのよ
うに、エンボスピットが予め形成された再生専用領域
と、カー効果を利用して信号が再生される光磁気記録領
域とが隣接するような箇所があっても、クロストークが
少なく、しかも、十分に高い再生出力を得ることができ
るようにする。 【解決手段】 基板の複屈折によって生じる位相差をφ
brとし、記録層のカー楕円効果により生じる位相差をφ
MOとしたとき、グルーブ記録フォーマットの光磁気記録
媒体の場合には、−20゜<φbr<+10゜,−45゜
<(φbr+φMO)<+15゜とし、ランド記録フォーマ
ットの光磁気記録媒体の場合には、−20゜<φbr<+
10゜,−15゜<(φbr+φMO)<+45゜とし、ラ
ンドグルーブ記録フォーマットの光磁気記録媒体の場合
には、−20゜<φbr<+10゜,−15゜<(φbr
φMO)<+15゜とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グルーブ及びエン
ボスピットが形成された基板上に記録層が形成されてな
る光磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】円盤状の光磁気記録媒体である光磁気デ
ィスクの概観を図16に示す。図16に示すように、光
磁気ディスクは、円盤状の記録媒体であり、同心円状又
は螺旋状に記録トラックが形成されてなる。そして、こ
のような光磁気ディスクは、基板上に記録層が形成され
ており、当該記録層のカー効果を利用することにより情
報信号の記録再生が行われる。
【0003】なお、本明細書では、光磁気記録媒体の記
録層の面内方向のうち、記録トラックに直交する方向を
x方向と称し、記録トラックに沿った方向をy方向と称
している。したがって、図16に示すような光磁気ディ
スクでは、当該光磁気ディスクの半径方向がx方向とな
り、記録トラックの接線方向がy方向となる。
【0004】そして、光磁気ディスクから情報信号を再
生する際は、図17に示すように、半導体レーザ等を備
えたレーザ光源100から直線偏光のレーザ光を出射
し、そのレーザ光を対物レンズ101によって光磁気デ
ィスク102の記録層上に集束させる。そして、その戻
り光を第1の偏光ビームスプリッタ103によって取り
出して、位相補償板104及び1/2波長板105を介
して第2の偏光ビームスプリッタ106に入射させ、第
2の偏光ビームスプリッタ106を透過した光を第1の
フォトダイオード107によって検出し、第2の偏向ビ
ームスプリッタ106によって反射された光を第2のフ
ォトダイオード108によって検出する。
【0005】ここで、光磁気ディスク102からの戻り
光は、記録層に記録された情報信号に対応して、その偏
光面がカー効果によって回転する。そして、戻り光の偏
光面が回転すると、図18(a)に示すように、第1の
偏光ビームスプリッタ106を透過した偏光成分を検出
する第1のフォトダイオード107からの出力は、戻り
光の回転方向に応じて増減する。同様に、図18(b)
に示すように、第2の偏光ビームスプリッタ106によ
って反射された偏光成分を検出する第2のフォトダイオ
ード108からの出力も、戻り光の偏光面の回転方向に
応じて増減する。
【0006】ここで、第1のフォトダイオード107か
らの出力が増加したとき、第2のフォトダイオード10
8からの出力は低下し、逆に、第1のフォトダイオード
107からの出力が低下したとき、第2のフォトダイオ
ード108からの出力は増加する。したがって、図18
(c)に示すように、第1のフォトダイオード107か
らの出力と、第2のフォトダイオード108からの出力
との差をとることにより、戻り光の偏光面の回転状態が
検出され、これにより、情報信号が検出される。すなわ
ち、光磁気ディスク102の記録層に記録された情報信
号は、第1のフォトダイオード107からの出力と、第
2のフォトダイオード108からの出力との差信号とし
て検出され再生される(以下、この差信号のことを「M
O信号」と称する。)。
【0007】ところで、近年、更なる高記録密度化を図
るために、ZCAV(Zone Constant Angular Velocit
y)フォーマットと呼ばれる記録フォーマットを採用し
た光磁気ディスクが実用化されている。
【0008】ZCAVフォーマットとは、内外周の線密
度の差を是正するために、図19に示すように、光磁気
ディスクの記録領域を同心円状の複数のバンド110
a,110b,110c,110dに分け、各バンド内
では周波数一定で記録再生を行うようにしたフォーマッ
トである。すなわち、ZCAVフォーマットでは、基本
周波数が同じ領域を1つのバンドとし、記録周波数の違
いにより、全面がいくつかのバンドで分割された構造と
される。
【0009】ZCAVフォーマットでは、同一バンド内
では周波数一定で記録再生ができるように、同一バンド
内のセクタ111はそれぞれ等角度となるように配置さ
れる。したがって、同一バンド内におけるセクタ111
は、周方向にずれないように配置されるが、異なるバン
ド間では、セクタ111の位置が異なるものとなる。す
なわち、ZCAVフォーマットでは、あるバンドに形成
されるセクタ111の位置と、そのバンドに隣接するバ
ンドに形成されるセクタ111の位置とが、周方向にず
れることとなる。
【0010】通常、光磁気ディスクには、セクタ111
の先頭部分に、アドレス等の情報を凹凸パターンによっ
て示すエンボスピットが予め形成されたエンボスピット
領域112があり、他の領域、すなわちエンボスピット
が形成されていない領域が、光磁気記録によってデータ
が書き込まれる光磁気記録領域113となる。
【0011】なお、エンボスピットが予め形成されたエ
ンボスピット領域112からは、反射光量の変化として
信号が再生され、光磁気記録によってデータが書き込ま
れる光磁気記録領域113からは、カー効果を利用して
信号が再生される。
【0012】そして、ZCAVフォーマットでは、上述
したように、あるバンドに形成されるセクタ111の位
置と、そのバンドに隣接するバンドに形成されるセクタ
111の位置とが、周方向にずれるため、図19のA部
分を拡大した図20に示すように、バンドの境界におい
て、セクタ111の先頭に配置されたエンボスピット領
域112が、隣のトラックの光磁気記録領域113に隣
接することとなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、通常、光磁
気ディスクの基板としては、特に大量生産する場合にコ
ストが低く抑えられることから、ポリカーボネート等の
高分子材料を射出成形することで得られる円盤状の射出
成形基板が使用されている。このような高分子材料から
なる基板は一般に光弾性を有しており、そのため、ZC
AVフォーマットを採用した光磁気ディスクでは、以下
のような問題が生じている。
【0014】ZCAVフォーマットを採用した光磁気デ
ィスクでは、図20に示したように、エンボスピット領
域112と光磁気記録領域113とが隣接する箇所があ
る。そして、エンボスピット領域112と光磁気記録領
域113とが隣接すると、エンボスピット114によっ
てエンボスピット114の周りに生じる応力Bにより、
局所的に光磁気ディスクの光学特性が変化する。特に、
光磁気ディスクの基板として広く使用されているポリカ
ーボネート基板のように、光弾性係数の大きい基板で
は、エンボスピット114の周りの応力により、局所的
に光学特性が大きく変化してしまう。
【0015】そして、このような局所的な光学特性の変
化は、MO信号の信号歪みの原因となる。すなわち、Z
CAVフォーマットでは、バンドの境界部分において局
所的に光学特性が変化してしまうために、バンドの境界
部分において上記信号歪みがクロストークとなってMO
信号の信号品質を劣化させてしまうという問題がある。
【0016】なお、このようなクロストークは、光磁気
記録領域113の記録トラックのうち、エンボスピット
領域112に直接隣り合う記録トラックだけでなく、局
所的な光学特性の変化の影響が及ぶ範囲内において、エ
ンボスピット領域112に直接隣り合っていない記録ト
ラックにまで及ぶ。そのため、例えば、エンボスピット
領域112から10トラック程度離れた記録トラックに
おいても、上述のようなクロストークが生じるような場
合がある。
【0017】ところで、上述のような基板の局所的な光
学特性の変化によって生じるクロストークの大きさは、
光磁気ディスクのドライブ装置の光学系によって生じる
位相差や、基板の持つ巨視的な複屈折などにも依存す
る。また、MO信号の強度は、これらの他にも、例え
ば、記録層のカー楕円効果により生じる位相差にも依存
するし、また、記録トラックに沿ってグルーブやランド
が形成されている光磁気ディスクでは、グルーブやラン
ドでの回折効果によって生じる位相差にも依存する。
【0018】このように、MO信号に生じるクロストー
クの大きさは、様々な要因に依存している。したがっ
て、ZCAVフォーマットを採用した光磁気ディスクに
おいて、基板の局所的な光学特性の変化に起因するクロ
ストークを少なくし、しかも、十分に高い再生出力を得
られるようにするには、様々な面から光磁気ディスクの
特性を考慮する必要がある。
【0019】本発明は、以上のような従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、凹凸パターンによって情報を
示すエンボスピットが予め形成されたエンボスピット領
域と、エンボスピットが形成されていない光磁気記録領
域とが隣接していても、局所的な光学特性の変化に起因
するクロストークが少なく、しかも、十分に高い再生出
力を得ることができる光磁気記録媒体を提供することを
目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために検討を進めた結果、基板の複屈折によ
って生じる位相差の大きさと、記録層のカー楕円効果に
よって生じる位相差の大きさとを特定の範囲内にするこ
とで、基板の局所的な光学特性の変化に起因するクロス
トークを低減し、且つ、十分に大きな再生出力が得られ
ることを見いだした。
【0021】以上のような知見に基づく本発明に係る第
1の光磁気ディスクは、記録トラックに沿ってグルーブ
及びランドが形成されるとともに、凹凸パターンによっ
て情報を示すエンボスピットが形成された基板上に、光
磁気記録用の記録層が形成されてなり、グルーブ部分に
光磁気信号が記録されるグルーブ記録フォーマットの光
磁気記録媒体である。そして、記録層の面内方向であっ
て記録トラックに直交する方向をx方向とし、記録層の
面内方向であって記録トラックに沿った方向をy方向と
し、再生光が記録層によって反射されて戻ってきた戻り
光のx方向の偏光成分とy方向の偏光成分との位相差の
うち、基板の複屈折によって生じる位相差をφbr、記録
層のカー楕円効果によって生じる位相差をφMOとしたと
き、下記式(1−1)及び(1−2)を満たすことを特
徴としている。
【0022】 −20゜<φbr<+10゜ ・・・(1−1) −45゜<(φbr+φMO)<+15゜ ・・・(1−2) この光磁気記録媒体では、−20°<φbr<+10°と
しているので、後述するように、局所的な光学特性の変
化に起因するクロストークが非常に少なくなる。しか
も、−45°<(φbr+φMO)<+15°としているの
で、後述するように、グルーブ記録フォーマットで記録
された信号を再生したときに、十分に高い再生出力が得
られる。
【0023】また、本発明に係る第2の光磁気記録媒体
は、記録トラックに沿ってグルーブ及びランドが形成さ
れるとともに、凹凸パターンによって情報を示すエンボ
スピットが形成された基板上に、光磁気記録用の記録層
が形成されてなり、ランド部分に光磁気信号が記録され
るランド記録フォーマットの光磁気記録媒体である。そ
して、記録層の面内方向であって記録トラックに直交す
る方向をx方向とし、記録層の面内方向であって記録ト
ラックに沿った方向をy方向とし、再生光が記録層によ
って反射されて戻ってきた戻り光のx方向の偏光成分と
y方向の偏光成分との位相差のうち、基板の複屈折によ
って生じる位相差をφbr、記録層のカー楕円効果によっ
て生じる位相差をφMOとしたとき、下記式(1−3)及
び(1−4)を満たすことを特徴としている。
【0024】 −20゜<φbr<+10゜ ・・・(1−3) −15゜<(φbr+φMO)<+45゜ ・・・(1−4) この光磁気記録媒体では、−20°<φbr<+10°と
しているので、後述するように、局所的な光学特性の変
化に起因するクロストークが非常に少なくなる。しか
も、−15°<(φbr+φMO)<+45°としているの
で、後述するように、ランド記録フォーマットで記録さ
れた信号を再生したときに、十分に高い再生出力が得ら
れる。
【0025】また、本発明に係る第3の光磁気記録媒体
は、記録トラックに沿ってグルーブ及びランドが形成さ
れるとともに、凹凸パターンによって情報を示すエンボ
スピットが形成された基板上に、光磁気記録用の記録層
が形成されてなり、ランド部分とグルーブ部分の両方に
光磁気信号が記録されるランドグルーブ記録フォーマッ
トの光磁気記録媒体である。そして、記録層の面内方向
であって記録トラックに直交する方向をx方向とし、記
録層の面内方向であって記録トラックに沿った方向をy
方向とし、再生光が記録層によって反射されて戻ってき
た戻り光のx方向の偏光成分とy方向の偏光成分との位
相差のうち、基板の複屈折によって生じる位相差を
φbr、記録層のカー楕円効果によって生じる位相差をφ
MOとしたとき、下記式(1−5)及び(1−6)を満た
すことを特徴としている。
【0026】 −20゜<φbr<+10゜ ・・・(1−5) −15゜<(φbr+φMO)<+15゜ ・・・(1−6) この光磁気記録媒体では、−20°<φbr<+10°と
しているので、後述するように、局所的な光学特性の変
化に起因するクロストークが非常に少なくなる。しか
も、−15°<(φbr+φMO)<+15°としているの
で、後述するように、ランドグルーブ記録フォーマット
で記録された信号を再生したときに、十分に高い再生出
力が得られる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0028】光磁気ディスクの半径方向をx方向、記録
トラックの接線方向をy方向としたとき、光磁気ディス
クからの戻り光のx方向の偏光成分とy方向の偏光成分
とに位相差が無いと、戻り光は直線偏光となり、MO信
号の振幅は最大となる。戻り光のx方向の偏光成分とy
方向の偏光成分とに位相差が生じていると、戻り光は楕
円偏光となり、MO信号の振幅が減少してしまう。
【0029】ここで、位相差には主に、光磁気ディスク
の基板の複屈折によって生じるものと、光磁気ディスク
の記録層のカー楕円効果によって生じるものと、グルー
ブ及びランドでの回折によって生じるものと、ドライブ
装置の光学系によって生じるものとがある。なお、以下
の説明では、基板の複屈折によって生じる位相差を
φbr、カー楕円効果によって生じる位相差をMO、グルー
ブ及びランドでの回折によって生じる位相差をφdiff
ドライブ装置の光学系によって生じる位相差をφop t
称する。また、これらの位相差の合計をφtotalと称す
る。すなわち、φtota l=φbr+φMO+φdiff+φopt
ある。
【0030】ここで、基板の複屈折によって生じる位相
差φbrは、基板のx方向の屈折率をNx、基板のy方向
の屈折率をNy、入射光の真空中での波長をλ0、基板の
厚さをdとすると、下記式(2−1)で表される。
【0031】 φbr=(Ny−Nx)×d×360/λ0 ・・・(2−1) また、カー楕円効果によって生じる位相差φMOは、記録
層によって生じるカー楕円効果のカー楕円率をεk、カ
ー回転角をθkとすると、下記式(2−2)で表され
る。なお、θkとεkは、基板上にグルーブやエンボスピ
ットによる凹凸が形成されていない無い場所での測定値
とする。
【0032】 φMO=tan-1(εk/θk) ・・・(2−2) また、グルーブ及びランドでの回折によって生じる位相
差φdiffは、後述するように、主にグルーブの深さに依
存する。
【0033】ところで、ドライブ装置の光学系によって
生じる位相差φoptは、通常は±15゜以内とするよう
に規定されている。換言すれば、光磁気ディスクは、φ
optに±15゜の変動があったとしても、十分なMO信
号が得られるようにする必要がある。
【0034】一方、MO信号の振幅は、cos(φ
total)にほぼ比例し、φtotal=0゜のときに最大とな
る。そして、通常、光磁気ディスク及びドライブ装置に
は、この最大のMO信号振幅を基準として、位相差の影
響によるMO信号振幅の劣化を3dB程度以下に抑える
ことが要求される。したがって、光磁気ディスク及びド
ライブ装置には、下記式(2−3)及び(2−4)に示
す条件が要求される。
【0035】 20×log(cos(φtotal))>−3 ・・・(2−3) −90°<φtotal<90° ・・・(2−4) 上記式(2−3)及び(2−4)から、−45゜<φ
total<+45゜としなければならないことが分かる。
そして、上述したように、ドライブ装置の光学系の位相
差φoptのスペックは、通常、±15゜以内と規定され
る。したがって、位相差の影響によるMO信号振幅の劣
化を3dB以内に抑えるには、光磁気ディスクに起因す
る位相差の合計(φbr+φMO+φdiff)を、±30゜以
内に抑える必要がある。
【0036】ところで、ZCAVフォーマットの光磁気
ディスクのように、凹凸パターンによって情報を示すエ
ンボスピットが予め形成されたエンボスピット領域と、
エンボスピットが形成されていない光磁気記録領域とが
隣接している光磁気ディスクでは、上述したように、エ
ンボスピット領域のエンボスピットによって生じる応力
の影響により、局所的に光学特性が変動し、この局所的
な光学特性の変動に起因して光磁気記録領域からのMO
信号に信号歪みが生じる。
【0037】図1に、直径1μmの半球形のエンボスピ
ットが形成されたエンボスピット領域に隣接した光磁気
記録領域から検出されるMO信号の例を示す。この図1
は、エンボスピットの横をビームが通過するときのMO
信号の例を示しており、図1の横軸は、MO信号を検出
するために入射されたレーザ光の記録トラック方向(す
なわちy方向)におけるビーム位置を、隣接するエンボ
スピットの位置を基準として示している。
【0038】このとき、MO信号の出力レベルは、信号
歪みがなければ一定となるはずであるが、エンボスピッ
トがあるときは、図1に示すように、MO信号に局所的
な信号歪みが生じる。なお、以下の説明では、図1に示
したMO信号の局所的な歪の大きさCTを、局所的な光
学特性の変動の影響によるクロストークの大きさとして
定義している。
【0039】そして、MO信号の出力レベルやクロスト
ークは、φbr、φMO、φdiff及びφoptに大きく依存す
る。そこで、以下、MO信号の出力レベル及びクロスト
ークと、φbr、φMO、φdiff及びφoptとの関係につい
て、コンピュータを用いて計算して調べた結果や、実際
に光磁気ディスクを試作して調べた結果について説明す
る。
【0040】まず、図2に、φbr=0゜、φMO=−10
゜、φdiff=−10゜としたときの、φoptとMO信号
との関係、及びφoptとクロストークとの関係を示す。
このとき、MO信号の振幅は、φopt=+20゜のとき
に最大となっているが、これは、φb r+φMO+φdiff
−20゜であり、φopt=+20゜のときにφtotal=0
゜となるからである。また、このときのクロストーク
は、φopt=0゜の近傍で最小になっている。
【0041】つぎに、図3に、φbr=+20゜、φMO
−10゜、φdiff=−10゜としたときの、φoptとM
O信号との関係、及びφoptとクロストークとの関係を
示す。このとき、MO信号の振幅は、φopt=0゜のと
きに最大となっているが、これは、φbr+φMO+φdiff
=0゜であり、φopt=0゜のときにφtotal=0゜とな
るからである。また、このときのクロストークは、φ
opt=−20゜の近傍で最小になっている。
【0042】ここで、MO信号を最大とするφoptの値
は非常に重要であり、この値が0゜から大きく外れてい
ると、ドライブ装置の光学系によって生じる位相差のス
ペックであるφopt=±15゜の範囲内において、MO
信号が小さくなってしまう。同様に、クロストークを最
小にするφoptの値も非常に重要であり、この値が0゜
から大きく外れていると、ドライブ装置の光学系によっ
て生じる位相差のスペックであるφopt=±15゜の範
囲内において、クロストークが大きくなってしまう。
【0043】そして、図2及び図3から、φbrは、MO
信号が最大となるφoptの値と、クロストークが最小と
なるφoptの値との両方に影響を与えていることが分か
る。
【0044】つぎに、図4に、φbr=0゜、φMO=0
゜、φdiff=−10゜としたときの、φoptとMO信号
との関係、及びφoptとクロストークとの関係を示す。
このとき、MO信号の振幅は、φopt=+10゜のとき
に最大となっているが、これは、φb r+φMO+φdiff
−10゜であり、φopt=+10゜のときにφtotal=0
゜となるからである。また、このときのクロストーク
は、φopt=0゜の近傍で最小になっている。
【0045】そして、図2及び図4から、φMOは、MO
信号が最大となるφoptの値には影響を与えるが、クロ
ストークが最小となるφoptの値には影響を与えないこ
とが分かる。
【0046】つぎに、図5に、φbr=0゜、φMO=−1
0゜、φdiff=+10゜としたときの、φoptとMO信
号との関係、及びφoptとクロストークとの関係を示
す。このとき、MO信号の振幅は、φopt=0゜のとき
に最大となっているが、これは、φbr+φMO+φdiff
0゜であり、φopt=0゜のときにφtotal=0゜となる
からである。また、このときのクロストークは、φopt
=0゜の近傍で最小となっている。
【0047】そして、図2及び図5から、φdiffは、M
O信号が最大となるφoptの値には影響を与えるが、ク
ロストークが最小となるφoptの値には影響を与えない
ことが分かる。
【0048】以上の結果から、クロストークが最小とな
るφoptの値は、φMO及びφdiffには影響されず、φbr
の影響だけを受けることが分かった。
【0049】つぎに、クロストークが最小になるときの
φoptとφbrとの関係を調べた。結果を図6に示す。図
6から分かるように、φbrをおよそ−20゜〜+10゜
の範囲内としておけば、クロストークが最小になるφ
optを、φoptのスペックである±15゜以内に抑えるこ
とが可能となる。すなわち、−20゜<φbr<+10゜
とすることにより、φoptのスペックを満たしつつ、ク
ロストークを抑えることができる。
【0050】つぎに、光磁気ディスクが満たすべき、φ
br、φMO及びφdiffの範囲を図7に示す。上述したよう
に、位相差の影響によるMO信号振幅の劣化を3dB程
度に抑えるためには、φbr+φMO+φdiffを±30゜以
内に抑える必要がある。そして、上述したように、クロ
ストークを抑えるためには、−20°<φbr<+10°
とすることが好ましい。したがって、図7中の領域Pに
含まれる範囲にすることにより、±15゜以内というφ
optの範囲において、位相差の影響によるMO信号の劣
化を3dB以内に抑えることができ、しかもクロストー
クを小さくすることができる。
【0051】ところで、一般に光磁気ディスクには、サ
ーボ信号を得るために、螺旋状又は同心円上にグルーブ
が形成されている。そして、グルーブが形成されている
光磁気ディスクには、グルーブ部分に光磁気信号が記録
されるグルーブ記録フォーマットのものと、グルーブと
グルーブの間のランドの部分に光磁気信号が記録される
ランド記録フォーマットのものと、グルーブ部分とラン
ド部分の両方に光磁気信号が記録されるランドグルーブ
記録フォーマットのものとがある。
【0052】なお、ランド記録フォーマットの光磁気デ
ィスクとしては、例えば、ISO/IEC15041規
格(640MByte,90mmMO)に準拠した光磁
気ディスクが挙げられる。また、グルーブ記録フォーマ
ットの光磁気ディスクとしては、例えば、ISO/IE
C15286規格(5.2GByte,130mmM
O)に準拠した光磁気ディスクが挙げられる。
【0053】そして、φdiffはグルーブ及びランドでの
光の回折により生じるが、その大きさはグルーブの深さ
に大きく依存する。図8に、トラックピッチ0.85μ
m、デューティ比0.7の領域に信号を記録したとき
の、φdiffとグルーブ深さとの関係をコンピュータで計
算した結果を示す。なお、図8の横軸に示したグルーブ
深さは、換言すれば、基準面から記録面までの距離を表
している。したがって、横軸が正の領域はグルーブ記録
フォーマットの場合に相当しており、横軸が負の領域は
ランド記録フォーマットの場合に相当している。そし
て、この図8から分かるように、グルーブ記録フォーマ
ットの場合と、ランド記録フォーマットの場合とでは、
φdiffの符号が逆になる。
【0054】ところで、一般に良好なサーボ信号を得る
ために、グルーブ記録フォーマットの場合でも、ランド
記録フォーマットの場合でも、ランドグルーブ記録フォ
ーマットの場合でも、グルーブの深さはλ/6±λ/2
4程度とされる。ここで、λは、光磁気ディスクの記録
層に記録された信号の再生に使用される再生光の基板内
での波長であり、真空中での光の波長をλ0、基板の屈
折率をnとすると、λ=λ0/nで表される。
【0055】そして、グルーブの深さがλ/6±λ/2
4程度とされている場合には、図8から分かるように、
グルーブ記録フォーマットの場合、φdiffはおよそ+1
5゜であり、ランド記録フォーマットの場合、φdiff
およそ−15゜である。
【0056】以上のように、記録フォーマットに応じて
φdiffの値が定まるので、光磁気ディスクに起因する位
相差の合計(φbr+φMO+φdiff)を±30゜以内に抑
えるという条件は、φdiffを含まない形に記録フォーマ
ット毎に書き換えることができる。
【0057】すなわち、グルーブ記録フォーマットの場
合には、φdiffはおよそ+15゜となるので、−45゜
<(φbr+φMO)<+15゜という条件を満たすように
してやればよい。このときのφbr及びφMOの満たすべき
範囲を図9に示す。
【0058】すなわち、グルーブ記録フォーマットの光
磁気ディスク場合には、φbr及びφMOを図9中の領域P
1に含まれる範囲にすることにより、±15゜以内とい
うφoptの範囲において、位相差の影響によるMO信号
の劣化を3dB以内に抑えることができ、しかもクロス
トークを小さくすることができる。
【0059】また、ランド記録フォーマットの場合に
は、φdiffはおよそ−15゜となるので、−15゜<
(φbr+φMO)<+45゜という条件を満たすようにし
てやればよい。このときのφbr及びφMOの満たすべき範
囲を図10に示す。
【0060】すなわち、ランド記録フォーマットの光磁
気ディスク場合には、φbr及びφMOを図10中の領域P
2に含まれる範囲にすることにより、±15゜以内とい
うφoptの範囲において、位相差の影響によるMO信号
の劣化を3dB以内に抑えることができ、しかもクロス
トークを小さくすることができる。
【0061】また、ランドグルーブ記録フォーマットの
場合には、ランド部とグルーブ部のそれぞれで特性を満
たさなければならない。したがって、−15゜<(φbr
+φMO)<+15゜という条件を満たすようにしてやれ
ばよい。このときのφbr及びφMOの満たすべき範囲を図
11に示す。
【0062】すなわち、ランドグルーブ記録フォーマッ
トの光磁気ディスク場合には、φbr及びφMOを図11中
の領域P3に含まれる範囲にすることにより、±15゜
以内というφoptの範囲において、位相差の影響による
MO信号の劣化を3dB以内に抑えることができ、しか
もクロストークを小さくすることができる。
【0063】つぎに、本発明を適用した光磁気ディスク
の具体的な実施の形態について説明する。なお、以下の
説明では、第1の光磁気ディスクとして、ランド記録フ
ォーマットを採用した光磁気ディスクについて、その具
体例を挙げて説明する。その後、第2の光磁気ディスク
として、グルーブ記録フォーマットを採用した光磁気デ
ィスクについて、その具体例を挙げて説明する。
【0064】第1の光磁気ディスクは、ZCAVフォー
マットの光磁気ディスクである。そして、トラックピッ
チが0.9μmのランド記録フォーマットを採用した。
また、グルーブの深さはλ/5に設定した。
【0065】そして、この第1の光磁気ディスクは、図
12に示すように、ポリカーボネートからなる基板1
と、基板1の上に形成された記録層2と、記録層2の上
に形成された保護層3とから構成される。ここで、記録
層2は、SiNからなる第1の誘電体膜21と、光磁気
記録用の磁性材料からなる光磁気記録膜22と、SiN
からなる第2の誘電体膜23と、Alからなる反射膜2
4とが積層されてなる。
【0066】また、光磁気記録膜22は、磁気超解像
(MSR:Magnetically induced Super Resolution)
による再生を行えるようにするために、GdFeCo/
GdFeCoSi/TbFeCoの3層構造とされてい
る。
【0067】磁気超解像とは、多層膜間の磁気的交換結
合を利用することで、再生光の波長によって決定される
以上の分解能を得られるようする手法のことである。磁
気超解像には、例えば、ビームスポット内の高温部の磁
化を一方向に揃えて、低温部のみで信号検出を行う方式
(FAD:Front Aperture Detection)や、ビームスポ
ット内の低温部の磁化を一方向に揃えて、高温部のみで
信号検出を行う方式(RAD:Rear Aperture Detectio
n)などがある。いずれの方式も、結果的に再生ビーム
スポットで再生される領域が狭くなるため、再生ビーム
スポットを小さくするのと同じ効果が得られる。
【0068】そして、以上のような構成を有する第1の
光磁気ディスクにおいて、基板1の複屈折によって生じ
る位相差φbrが−4゜となり、記録層2のカー楕円効果
によって生じる位相差φMOが−8゜となるようにした。
【0069】ここで、φbrの値は、基板成形時の樹脂温
度によって制御し、φMOの値は、記録層2を構成する各
膜の膜厚を変えることによって制御した。なお、φbr
値は、基板成形時の樹脂温度等の成形条件によって制御
できるだけでなく、例えば、基板1の材料を変えたりす
ることによっても制御可能である。また、φMOの値も、
記録層2を構成する各膜の膜厚を変えることによって制
御できるだけでなく、例えば、記録層2を構成する各膜
の構成や材質を変えたりすることによっても制御可能で
ある。
【0070】そして、このように作製した第1の光磁気
ディスクに、0.76μm周期のマーク/スペースの繰
り返し信号を記録し、その後、自由にφoptの大きさを
変えることの可能な光学系を用いて再生を行った。な
お、再生に使用した光学系において、再生光の波長λ0
は680nm、再生光を集光する対物レンズの開口数N
Aは0.55とした。
【0071】以上のように記録再生を行い、MO信号の
φopt依存性と、バンド境界でのクロストークのφopt
存性とを測定した。結果を図13に示す。図13から分
かるように、第1の光磁気ディスクでは、±15゜以内
というφoptの範囲において、位相差によるMO信号の
劣化が3dB以内に抑えられており、しかも、クロスト
ークがほぼ最小となっている。
【0072】つぎに、第2の光磁気ディスクについて説
明する。
【0073】第2の光磁気ディスクも、第1の光磁気デ
ィスクと同様、ZCAVフォーマットの光磁気ディスク
である。ただし、第2の光磁気ディスクでは、トラック
ピッチが0.85μmのグルーブ記録フォーマットを採
用した。なお、グルーブの深さは、第1の光磁気ディス
クと同様、λ/5に設定した。
【0074】そして、この第2の光磁気ディスクは、図
14に示すように、ポリカーボネートからなる基板31
と、基板31の上に形成された記録層32と、記録層3
2の上に形成された保護層33とから構成される。ここ
で、記録層32は、SiNからなる第1の誘電体膜41
と、光磁気記録用の磁性材料であるTbFeCoからな
る光磁気記録膜42と、SiNからなる第2の誘電体膜
43と、Alからなる反射膜44とが積層されてなる。
【0075】そして、以上のような構成を有する第2の
光磁気ディスクにおいて、基板31の複屈折によって生
じる位相差φbrが−4゜となり、記録層32のカー楕円
効果によって生じる位相差φMOが−8゜となるようにし
た。
【0076】ここで、φbrの値は、基板成形時の樹脂温
度によって制御し、φMOの値は、記録層32を構成する
各膜の膜厚を変えることによって制御した。なお、φbr
の値は、基板成形時の樹脂温度等の成形条件によって制
御できるだけでなく、例えば、基板31の材料を変えた
りすることによっても制御可能である。また、φMOの値
も、記録層32を構成する各膜の膜厚を変えることによ
って制御できるだけでなく、例えば、記録層32を構成
する各膜の構成や材質を変えたりすることによっても制
御可能である。
【0077】そして、このように作製した第2の光磁気
ディスクに、1.07μm周期のマーク/スペースの繰
り返し信号を記録し、その後、自由にφoptの大きさを
変えることの可能な光学系を用いて再生を行った。な
お、再生に使用した光学系において、再生光の波長λ0
は680nm、再生光を集光する対物レンズの開口数N
Aは0.55とした。
【0078】以上のように記録再生を行い、MO信号の
φopt依存性と、バンド境界でのクロストークのφopt
存性とを測定した。結果を図15に示す。図15から分
かるように、第2の光磁気ディスクでも、第1の光磁気
ディスクと同様、±15゜以内というφoptの範囲にお
いて、位相差によるMO信号の劣化が3dB以内に抑え
られており、しかも、クロストークがほぼ最小となって
いる。
【0079】以上の説明から明らかなように、ZCAV
フォーマットを採用することで、凹凸パターンによって
情報を示すエンボスピットが予め形成されたエンボスピ
ット領域と、エンボスピットが形成されていない光磁気
記録領域とが隣接するようになっても、本発明を適用す
ることにより、局所的な光学特性の変化に起因するクロ
ストークを少なくし、しかも、十分に高い再生出力を得
ることが可能となる。
【0080】なお、本発明は、凹凸パターンによって情
報を示すエンボスピットが予め形成されたエンボスピッ
ト領域と、エンボスピットが形成されていない光磁気記
録領域とが隣接している光磁気ディスクであれば、どの
ような光磁気ディスクにおいても有効であり、その対象
は、ZCAVフォーマットの光磁気ディスクに限られる
ものではない。
【0081】すなわち、本発明は、例えば、凹凸パター
ンによって情報を示すエンボスピットが予め形成されて
なる再生専用領域と、光磁気記録による情報の書き込み
が可能な書き込み可能領域とを備えた、いわゆるパーシ
ャルROMディスクのような光磁気ディスクに対しても
有効である。
【0082】なお、本発明には、局所的な光学特性の変
動に起因するクロストークを低減するという効果がある
が、このようなクロストークはトラックピッチが狭いと
きに特に顕著に現れやすい。したがって、本発明は、ト
ラックピッチが狭いときに特に効果的であり、具体的に
は、トラッキピッチが1.0μm程度以下とされるよう
な場合に特に効果的である。
【0083】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、凹凸パターンによって情報を示すエンボスピ
ットが予め形成されたエンボスピット領域と、エンボス
ピットが形成されていない光磁気記録領域とが隣接して
いても、局所的な光学特性の変化に起因するクロストー
クが少なく、しかも、十分に高い再生出力を得ることが
できる光磁気記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンボスピットの横をビームが通過するときの
MO信号を示す図である。
【図2】φbr=0°,φMO=−10°,φdiff=−10
°における、φoptとMO信号の関係、及びφoptとクロ
ストークの関係を示す図である。
【図3】φbr=20°,φMO=−10°,φdiff=−1
0°における、φoptとMO信号の関係、及びφoptとク
ロストークの関係を示す図である。
【図4】φbr=0°,φMO=0°,φdiff=−10°に
おける、φoptとMO信号の関係、及びφoptとクロスト
ークの関係を示す図である。
【図5】φbr=0°,φMO=−10°,φdiff=10°
における、φoptとMO信号の関係、及びφoptとクロス
トークの関係を示す図である。
【図6】クロストークが最小になるときのφoptとφbr
の関係を示す図である。
【図7】光磁気ディスクが満たすべき、φbrとφMO+φ
diffの範囲を示す図である。
【図8】グルーブ深さとφdiffとの関係を示す図であ
る。
【図9】グルーブ記録フォーマットの光磁気ディスクが
満たすべき、φbrとφMOの範囲を示す図である。
【図10】ランド記録フォーマットの光磁気ディスクが
満たすべき、φbrとφMOの範囲を示す図である。
【図11】ランドグルーブ記録フォーマットの光磁気デ
ィスクが満たすべき、φbrとφMOの範囲を示す図であ
る。
【図12】本発明を適用した第1の光磁気ディスクの要
部拡大断面図である。
【図13】第1の光磁気ディスクにおける、φoptとM
O信号の関係、及びφoptとクロストークの関係を示す
図である。
【図14】本発明を適用した第2の光磁気ディスクの要
部拡大断面図である。
【図15】第2の光磁気ディスクにおける、φoptとM
O信号の関係、及びφoptとクロストークの関係を示す
図である。
【図16】光磁気ディスクの概観を示す斜視図である。
【図17】ドライブ装置の一構成例を示すブロック図で
ある。
【図18】MO信号の検出原理を示す図である。
【図19】ZCAVフォーマットの光磁気ディスクの一
例を示す平面図である。
【図20】図19のAの部分を拡大した図である。
【符号の説明】
1,31 基板、 2,32 記録層、 3,33 保
護層、 21,41第1の誘電体膜、 22,42 光
磁気記録膜、 23,43 第2の誘電体膜、 24,
44 反射膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 厚 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 竹本 宏之 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 伊藤 健一 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 守部 峰生 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 沼田 健彦 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5D075 EE03 FG18 FH04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録トラックに沿ってグルーブ及びラン
    ドが形成されるとともに、凹凸パターンによって情報を
    示すエンボスピットが形成された基板上に、光磁気記録
    用の記録層が形成されてなり、グルーブ部分に光磁気信
    号が記録されるグルーブ記録フォーマットの光磁気記録
    媒体において、 記録層の面内方向であって記録トラックに直交する方向
    をx方向とし、 記録層の面内方向であって記録トラックに沿った方向を
    y方向とし、 再生光が記録層によって反射されて戻ってきた戻り光の
    x方向の偏光成分とy方向の偏光成分との位相差のう
    ち、基板の複屈折によって生じる位相差をφbr、記録層
    のカー楕円効果によって生じる位相差をφMOとしたと
    き、下記式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする
    光磁気記録媒体。 −20゜<φbr<+10゜ ・・・(1) −45゜<(φbr+φMO)<+15゜ ・・・(2)
  2. 【請求項2】 再生光が記録層によって反射されて戻っ
    てきた戻り光のx方向の偏光成分とy方向の偏光成分と
    の位相差のうち、グルーブ及びランドでの回折によって
    生じる位相差をφdiffとしたとき、下記式(3)を満た
    すことを特徴とする請求項1記載の光磁気記録媒体。 −30゜<(φbr+φMO+φdiff)<+30゜ ・・・(3)
  3. 【請求項3】 記録トラックに沿ってグルーブ及びラン
    ドが形成されるとともに、凹凸パターンによって情報を
    示すエンボスピットが形成された基板上に、光磁気記録
    用の記録層が形成されてなり、ランド部分に光磁気信号
    が記録されるランド記録フォーマットの光磁気記録媒体
    において、 記録層の面内方向であって記録トラックに直交する方向
    をx方向とし、 記録層の面内方向であって記録トラックに沿った方向を
    y方向とし、 再生光が記録層によって反射されて戻ってきた戻り光の
    x方向の偏光成分とy方向の偏光成分との位相差のう
    ち、基板の複屈折によって生じる位相差をφbr、記録層
    のカー楕円効果によって生じる位相差をφMOとしたと
    き、 下記式(4)及び(5)を満たすことを特徴とする光磁
    気記録媒体。 −20゜<φbr<+10゜ ・・・(4) −15゜<(φbr+φMO)<+45゜ ・・・(5)
  4. 【請求項4】 再生光が記録層によって反射されて戻っ
    てきた戻り光のx方向の偏光成分とy方向の偏光成分と
    の位相差のうち、グルーブ及びランドでの回折によって
    生じる位相差をφdiffとしたとき、 下記式(6)を満たすことを特徴とする請求項3記載の
    光磁気記録媒体。 −30゜<(φbr+φMO+φdiff)<+30゜ ・・・(6)
  5. 【請求項5】 記録トラックに沿ってグルーブ及びラン
    ドが形成されるとともに、凹凸パターンによって情報を
    示すエンボスピットが形成された基板上に、光磁気記録
    用の記録層が形成されてなり、ランド部分とグルーブ部
    分の両方に光磁気信号が記録されるランドグルーブ記録
    フォーマットの光磁気記録媒体において、 記録層の面内方向であって記録トラックに直交する方向
    をx方向とし、 記録層の面内方向であって記録トラックに沿った方向を
    y方向とし、 再生光が記録層によって反射されて戻ってきた戻り光の
    x方向の偏光成分とy方向の偏光成分との位相差のう
    ち、基板の複屈折によって生じる位相差をφbr、記録層
    のカー楕円効果によって生じる位相差をφMOとしたと
    き、 下記式(7)及び(8)を満たすことを特徴とする光磁
    気記録媒体。 −20゜<φbr<+10゜ ・・・(7) −15゜<(φbr+φMO)<+15゜ ・・・(8)
  6. 【請求項6】 再生光が記録層によって反射されて戻っ
    てきた戻り光のx方向の偏光成分とy方向の偏光成分と
    の位相差のうち、グルーブ及びランドでの回折によって
    生じる位相差をφdiffとしたとき、 下記式(9)を満たすことを特徴とする請求項5記載の
    光磁気記録媒体。 −30゜<(φbr+φMO+φdiff)<+30゜ ・・・(9)
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