JP2000056485A - 静電記録装置 - Google Patents

静電記録装置

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JP2000056485A
JP2000056485A JP22427398A JP22427398A JP2000056485A JP 2000056485 A JP2000056485 A JP 2000056485A JP 22427398 A JP22427398 A JP 22427398A JP 22427398 A JP22427398 A JP 22427398A JP 2000056485 A JP2000056485 A JP 2000056485A
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JP
Japan
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toner
developer
carrier
electrostatic recording
recording apparatus
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JP22427398A
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English (en)
Inventor
Katsuhiko Suzuki
克彦 鈴木
Takao Umeda
高雄 梅田
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Koki Holdings Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Koki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速印刷で優れた定着性が得られ、連続印刷に
おいて熱ロールの損傷がなく、現像剤が優れた流動性を
有し、連続印刷において現像剤の抵抗変化のない、安定
した画像が得られる静電記録装置の提供。 【解決手段】静電記録装置において、トナーは、ポリエ
ステル樹脂と着色剤を主成分とした非磁性トナーの内部
に、ポリプロピレンから成る離型剤と、低分子量のポリ
エチレンから成る定着性向上剤と、界面活性剤から成る
潤滑剤を内添し、前記トナー表面に疎水性シリカから成
る流動化剤を添加したものであって、前記トナーのガラ
ス転移点温度がプレヒータ通過後の用紙温度よりも低
く、現像機内温度より高く設定してあり、かつ現像機下
部に設けられている現像剤排出経路表面にテフロン被膜
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電記録装置に係
り、特に連続して繰返し多数枚の画像を高速印刷する場
合であっても安定した画像を得ることのできる静電記録
装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法においては、光導電性感光体
を帯電、露光し、感光体上に静電潜像を形成する。その
後、この静電潜像を着色剤を含むトナーによって現像
し、得られたトナー像を記録紙等の記録媒体上に転写、
定着して記録画像が得られる。このような工程が繰り返
し長時間行われる。
【0003】最近では情報機器の発展に伴い、光導電性
感光体の露光にレーザビームを用いるレーザプリンタが
発達している。
【0004】静電潜像をトナーを用いて現像する方法に
は、トナーおよびキャリアから成る二成分現像剤を用い
る二成分現像法、あるいはトナーのみからなる一成分現
像法があり、各々の現像方法に関して種々提案されてい
る。特に、前記レーザプリンタでは、高速化、高画質化
の要求からトナーおよびキャリアから成る二成分現像剤
を用いる二成分現像法が採用されている。
【0005】印刷速度1000mm/sec以上のレー
ザプリンタにスチレン・アクリル系樹脂のトナーおよび
キャリアから成る二成分現像剤を用いて高速化した場
合、次の問題がある。
【0006】(1)感光体上の静電潜像にトナーを付着
させて可視化する場合、レーザプリンタの高速化に伴
い、要求する画質を得るため、現像装置のマグロール本
数の増加や回転数を高くする必要がある。そのため、現
像機内部で移動している現像剤に与えるストレスが増加
し、キャリアの表面にトナー成分の一部が融着するスペ
ントという現象が発生し易くなる。この現象が発生する
と現像剤の帯電特性が悪くなり、画像背景部の汚れ等が
発生し、画質に悪影響を及ぼす。そして、前記現像剤を
用いて高速化した場合、トナー自体の耐久性が弱いた
め、スペントの発生が著しく増加する。
【0007】(2)感光体上から記録紙等の記録媒体上
に転写されたトナー像を定着する定着工程において、熱
ローラ、フラッシュ等の熱定着方式を採用した場合、レ
ーザプリンタの高速化に伴い、定着工程を通過する時間
が短縮し、熱エネルギーが低下する。その状態で前記現
像剤を採用した場合、定着強度が低下する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記課題を解決すべ
く、トナーのバインダとして、トナー自体に耐久性があ
り、シャープメルトな熱特性を有するポリエステル系樹
脂を選び、印刷速度400mm/secクラスのプリンタ
で使用されているポリエステル系樹脂のトナーとキャリ
アから成る二成分現像剤を用いて、印刷速度が1000
mm/sec以上にした場合、次の問題が発生した。
【0009】(a)レーザプリンタの印刷速度が100
0mm/sec以上の高速機になると、従来のポリエス
テル系樹脂のトナーを使用した場合には定着強度が低下
する。
【0010】(b)定着工程においてオフセット現象が
発生し、前記トナーは、フッ素系樹脂被膜を表面に形成
した熱ロールに付着する。そして、その付着したトナー
は、熱ロールを清掃する機能とオイルを塗布する機能と
を有するフェルトに移る。ポリエステル樹脂は熱硬化性
があるため、フェルトに移ったトナーは硬化して前記熱
ロール表面のフッ素系樹脂を削ってしまう。このため、
長期寿命が要求される高速機では問題となる。
【0011】その他の課題として、(c)前記二成分現
像剤をマシンから排出する場合、投入現像剤量に対して
約25%しか排出されず、現像剤がマシン内部に残留す
るという現像剤流動性の問題がある。
【0012】(d)前記二成分現像剤を用いて連続印刷
を行うと現像剤抵抗が変化し、画像濃度が低下する。
【0013】本発明の目的は(1)高速印刷で優れた定
着性が得られ、(2)連続印刷において熱ロールの損傷
がなく、(3)現像剤が優れた流動性を有し、(4)連
続印刷において現像剤の抵抗変化のない、安定した画像
が得られる静電記録装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的は、像担持体上
に形成された静電潜像をトナーを用いて顕像化し、該ト
ナー像を記録媒体上に転写し、記録媒体上に転写された
トナー像を定着工程により定着して記録画像を得る静電
記録装置において、前記トナーは、ポリエステル樹脂と
着色剤を主成分とした非磁性トナーの内部に、ポリプロ
ピレンから成る離型剤と、低分子量のポリエチレンから
成る定着性向上剤と、界面活性剤から成る潤滑剤を内添
し、前記トナー表面に疎水性シリカから成る流動化剤を
添加したものであって、前記トナーのガラス転移点温度
がプレヒータ通過後の用紙温度よりも低く、現像機内温
度より高く設定してあり、かつ現像機下部に設けられて
いる現像剤排出経路表面にテフロン被膜を形成すること
によって達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】(実施例1)以下、本発明を詳細
に説明する。
【0016】図1は実験に使用した静電記録装置の印写
プロセスを示す図である。
【0017】光導電性を有する感光体1は、帯電器2の
コロナ放電により、その表面が一様に帯電される。その
後、レーザ光3の露光により、感光体1の表面に潜像が
形成される。感光体1に対向し、かつ近接して設置され
ている多段ロール現像機4内には、トナー5と、そのト
ナー5を現像領域まで搬送するための磁性キャリア6と
が一定の割合で配合された現像剤7が入っており、潜像
にトナー5を供給して現像する。感光体1に付着したト
ナー5は、転写器9により、電気的に用紙8上に転写さ
れる。その後、予備加熱のためのプレヒータ10(表面
温度80〜100℃)を通過後、ロール表面にフッ素系
樹脂の被膜を形成し、内部にヒータランプを有し、その
ヒータランプの発熱によりロール表面が高温に加熱され
たヒートロール11(表面温度170〜200℃)と、
用紙8をヒートロール11に圧着させるバックアップロ
ール12とからなるヒートロール定着装置を通過するこ
とで用紙8にトナー5が完全に定着され、最終画像が得
られる。
【0018】図1はヒートロールニップ前の予備加熱手
段にプレヒータ10を設けた構成であるが、これ以外の
ヒートロールニップ前の予備加熱手段としては、用紙8
をヒートロール11に巻き付ける方式でも良い。また、
多段ロール現像機4の下部には、現像剤7が寿命に達し
たときにこれを交換するため、現像剤7を外部に排出す
るための現像剤排出経路13がある。現像剤排出経路1
3の表面には、現像剤7がスムーズに排出されるように
テフロンの被膜が形成されている。
【0019】このような印写プロセスにおいて、本実施
例で用いたトナー5は、ポリエステル樹脂と着色剤とを
主成分とした非磁性トナーの内部に、ポリプロピレンか
ら成る離型剤と、低分子量のポリエチレンから成る定着
性向上剤と、界面活性剤から成る潤滑剤とを内添し、ト
ナー5の表面に疎水性シリカから成る流動化剤を添加し
たものであって、トナー5は、レーザプリンタの高速化
に伴う定着エネルギの不足に対応し、所望の定着性を得
るため、トナー5のガラス転移点温度がプレヒータ10
通過後の用紙温度Bよりも低く設定されている。レーザ
プリンタの高速化に伴う定着エネルギの不足に関し、印
刷速度400mm/secクラスのプリンタでは、前記
用紙温度Bは100℃近い温度になるが、1000mm
/sec以上のプリンタになると、前記用紙温度Bは7
5〜90℃と低くなる。また、所望する画質を得るため
には、感光体1と現像機4のマグロール4aとの周速比
を1.2以上にする必要があり、感光体1の高速化に伴
い、感光体1との周速比を維持するため、現像機4の駆
動条件も高速化する。そのため、現像剤7には駆動条件
の高速化によるストレス増加と現像機4内の発熱量アッ
プによる熱のダメージの両方が加えられる。高速印刷に
おいて、長期安定した画質を得るには、それらのストレ
スに対応し、現像機4内での耐久性と保存性とを確保す
ることが重要である。そこで、トナー5のバインダには
靭性に優れたポリエステル樹脂を選定し、トナー5のガ
ラス転移点温度が現像機4内の温度Aより高いように設
定することで、現像機4内での耐久性と保存性とを確保
した。
【0020】図2はトナーに内添するポリプロピレン、
低分子量のポリエチレン等から成るワックス量を変化さ
せた時の非オフセットバンド領域と保存性について確認
した結果である。
【0021】ワックス量の増加に伴って、非オフセット
バンド領域が広がっていく傾向にある。これはワックス
量が増加することでトナーが溶け易くなり、低温側の非
オフセットバンドが広がるためである。一方、保存性に
ついては、ワックス量の増加に伴い悪くなる傾向にあ
る。そこで、非オフセットバンド領域と保存性を考えた
場合、図に示す斜線部分で使用するのが好ましく、この
場合のワックス量としては1.5〜4.0重量%で両立
することがわかった。
【0022】図3はトナーに内添するワックス量を変化
させた時のトナーの軟化点を確認した結果である。
【0023】トナーの軟化点に関与するものに定着性と
保存性がある。ワックス量が1.5重量%以下だと軟化
点が高くなり、定着性が目標値未達となる。また、ワッ
クス量が4.0重量%以上だと軟化点が低くなり、保存
性が目標値未達となる。以上のことからも定着性向上剤
であるワックス量を1.5〜4.0重量%の範囲で添加
するのが好ましい。
【0024】図4はトナーに内添するワックス量を前記
範囲で添加した各サンプルのガラス転移点を確認した結
果である。
【0025】図の中に予備定着部のプレヒータ通過後の
用紙温度と現像機駆動時の温度上昇の最大値を示す。
【0026】前記したワックス量を添加にした場合のガ
ラス転移点は、予備定着部のプレヒータ通過後の用紙温
度より低く、現像機駆動時の温度より高いという条件を
満足しており、良好な定着性と保存性とを両立すること
を確認した。
【0027】トナーガラス転移点、軟化点は次のように
して測定することができる。
【0028】ガラス転移点は、示差走査熱量測定法(D
SC)に従い、トナー約10mgを一定の昇温速度(1
0℃/分)で、窒素雰囲気中で、室温から約150℃ま
で加熱し、ベースラインと吸熱ピークの傾斜との交点よ
りガラス転移点を求める。一方、軟化点は、高架式フロ
ーテスターを用い、過重20kgf/cm2ないし30
kgf/cm2、ノズルの直径1mm、ノズルの長さ1
mm、予備加熱80℃で数分間加熱後、昇温速度6℃/
分とし、試料量約1gを測定記録した際、フローテスタ
ーのプランジャー降下量−温度曲線(軟化流動曲線)に
おけるS字曲線の高さの1/2における温度(1/2流
出温度)を軟化点として定義する。
【0029】図5は各キャリアサンプルの帯電特性を示
す図である。
【0030】現像剤の帯電特性が安定していないと画質
に悪影響を及ぼす。帯電量がチャージアップする傾向が
あると画像濃度が低下する。帯電量が低下するとかぶり
が増加する等の画質に悪影響を及ぼすため、長時間安定
した画質を得るためには、安定した帯電特性が要求され
る。そこで、安定した帯電特性が得られるキャリアの組
成を決定するため、キャリアコート材の組成を変えた5
種類のサンプルキャリアの帯電特性を確認した。各サン
プルキャリアの組成は以下のようになっている。
【0031】・キャリアAはフッ素/アクリルの比率が
90:10でコート量が0.75重量% ・キャリアBはフッ素/アクリルの比率が70:30でコー
ト量が0.75重量% ・キャリアCはフッ素/アクリルの比率が50:50でコー
ト量が3重量% ・キャリアDはフッ素/アクリルの比率が40:60でコー
ト量が3重量% ・キャリアEはフッ素/アクリルの比率が35:65でコー
ト量が5.5重量% の5種類のキャリアを用いて、帯電特性を確認した。結
果、キャリアA,B,Cは、印刷頁数の増加に伴って帯
電量がチャージアップする傾向がある。キャリアDとキ
ャリアEが印刷頁数の増加に伴ってチャージアップする
傾向もなく、帯電特性がより安定しており、キャリアの
組成としては、フッ素/アクリルの比率が35〜50/
50〜65、コート量で3〜5.5重量%のものが優れ
ている。
【0032】現像剤Aとして、トナーは、体積平均粒径
が10〜12μm、ガラス転移点が56℃、軟化点が1
10℃のポリエステル系正帯電トナーとし、キャリア
は、重量平均粒径が90μm〜130μmの導電剤を含有
し、キャリアのコート材があるフッ素・アクリルコート
とし、その比率を35〜50:50〜65とし、コート
量が3〜5.5重量%添加されたマグネタイト系キャリ
アより成る現像剤を用いて実験を行った。
【0033】前記トナーのバインダーのポリエステル樹
脂は線状ポリエステル、架橋ポリエステルを組み合わせ
て製造してある。トナーの内部に離型剤としてポリプロ
ピレン、定着性向上ワックスとして低分子量のポリエチ
レンを上記範囲のワックス量で内添し、トナーの表面に
は流動化剤として無機微粒子の疎水性シリカをトナーに
対して0.5重量%外添した。前記疎水性シリカは表面
に疎水性基を有する。その他に帯電制御剤が添加されて
いる。
【0034】前記の現像剤Aを用い、印刷速度1000
mm/sec以上の反転現像で100万頁の連続印刷試験
を行った。以下に連続印刷試験結果を述べる。
【0035】図6は定着後の画像濃度と用紙背景部の汚
れの経時変化を調べたものである。画像濃度の測定法と
して、マイクロデンシドメータを用い、定着画像の反射
濃度を測定した。結果、100万頁印刷後も安定して画
像濃度1.4を維持できることがわかった。
【0036】用紙背景部の汚れの測定法は、未使用の記
録紙の反射濃度と白紙を印刷した記録紙の反射濃度との
差分を現すもので、数値が小さい方が用紙背景部の汚れ
は少ないと判断する。結果、100万頁印刷後も目標と
する1.0%以下を維持できることがわかった。
【0037】図7はキャリアの表面にトナー成分の一部
が融着する現象であるスペントの経時変化を調べたもの
である。
【0038】スペントの測定法として、カーボンアナラ
イザを用いて行う。これはトナーとキャリアとを分離
し、キャリアを約1200℃で燃焼させる。その時に発
生する二酸化炭素を分析し、キャリア単位重量当たりの
カーボン量を算出し、スペント量とする。結果、100
万頁印刷によるスペントの増加がほとんどないことがわ
かった。
【0039】前記現像剤Aを用いた連続印刷試験では画
像濃度、用紙背景部の汚れ、スペント等については良好
であることがわかったが、定着工程の熱ロールの損傷、
現像剤抵抗の変化、マシンからの排出に関する現像剤流
動性等で問題が発生した。
【0040】熱ロールの損傷問題は、ポリエステル樹脂
が熱硬化性であるため、定着工程の熱ロールを削り、熱
ロールの寿命著しく短くするという問題が発生した。
【0041】そこで、熱硬化したトナーの表面を滑りや
すくするため、前記トナーに界面活性剤から成る潤滑剤
を内添した。この対策を現像剤Bに採用し検討した。
【0042】(実施例2)トナーに界面活性剤から成る
潤滑剤を内添した以外は前記現像剤Aと同様にした現像
剤。これを現像剤Bと略称する。この現像剤Bを用い
て、実施例1と同じ条件で10万頁の連続印字試験を行
い、定着工程の熱ロール膜厚の摩耗量を調べた。結果を
表1に示す。なお、表1中の摩耗量は変化分を百分率で
表したものである。
【0043】
【表1】
【0044】表1の評価結果からわかるように、スチレ
ン・アクリル系トナーを使用した場合の摩耗量に比べ、
前記現像剤Aを使用した場合の摩耗量が増加しているの
がわかる。
【0045】そのため、前記対策を行った現像剤Bを使
用した場合の摩耗量を調べると前記スチレン・アクリル
系トナーの摩耗量と同じになり、熱ロール削れについて
効果があることがわかった。
【0046】その他の効果としては、トナーの表面が滑
りやすくなるため、スペント抑制効果もある。
【0047】前記現像剤Bの残課題としては、現像剤抵
抗の変化、マシンからの排出に関する現像剤流動性等で
ある。
【0048】(実施例3)前記現像剤Bの連続印刷中の
現像剤抵抗の変化を調べると図8のようになることがわ
かった。この図8の縦軸の流れ込み電流とは、感光体か
ら現像機に流れ込む電流を測定し、現像剤の抵抗変化に
よる流れ込み電流の変化を調べる。結果、初期−200
μAあってものが、100万頁印刷後は初期の10%で
ある−20μAに変化した。これは現像剤抵抗が高抵抗
化したこと示している。
【0049】現像剤の抵抗が小さいと現像時の電流値が
大きくなり、現像性能が向上し、高画像濃度現像が可能
となる。一方、現像剤抵抗が大きいと、前記と同一条件
で現像した場合、現像時の電流値が小さくなり、現像性
能が低下し、画像濃度が低下する。
【0050】したがって、長時間安定した画質を得るに
は、現像剤抵抗が変化しないのが好ましい。現像剤抵抗
の増大する原因としては、キャリア表面のコーティング
材の剥離やスペント増加等が考えられる。前記したよう
に画質に悪影響を及ぼすスペントの発生はないことはわ
かっているため、現像剤抵抗に影響を及ぼす微弱スペン
トが発生している。前記流れ込み電流の変化を見ると、
印刷頁数20万頁以降安定している。そこで、現像剤抵
抗の変化を少なくするため、現像剤抵抗初期値を高抵抗
化することを現像剤Cで検討した。
【0051】キャリアに含有される導電材の量を50%
に削減した以外は前記現像剤Bと同様にした現像剤。こ
れを現像剤Cと略称する。この現像剤Cを用いて、実施
例1と同じ条件で10万頁の連続印字試験を行った。前
記現像剤Cの現像剤抵抗変化を確認するため、感光体か
ら現像機への流れ込み電流を調べると図9のようになる
ことがわかった。結果、前記現像剤Cの流れ込み電流の
初期値が前記現像剤Bの半分になり、10万頁までの変
化範囲が狭くなっている。したがって、現像剤抵抗初期
値を高抵抗にすることで現像剤抵抗の変化を少なくでき
ることがわかった。
【0052】前記現像剤Cの残課題としては、マシンか
らの排出に関する現像剤流動性である。
【0053】(実施例4)前記現像剤Cは、連続印刷試
験終了後にマシンから現像剤を排出する際、投入現像剤
量の25%しか排出されないという残課題がある。現像
剤がスムーズに排出されるようにするには、前記現像剤
Cの流動性を更に向上する必要があるため、トナー表面
に添加される流動化剤量の増加を検討すると、前記現像
剤A〜Cは、疎水性シリカがトナーに対して0.5重量
%添加であった。これをトナーに対して1.0重量%に
増加する対策を行った。トナー表面に添加される流動化
剤量である疎水性シリカをトナーに対して1.0重量%
に増加した以外は、前記現像剤Cと同様にした現像剤。
これを現像剤Dと略称する。
【0054】その他の現像剤流動性向上対策としては、
キャリア粒径の調整、具体的には100μm以下のキャ
リアをカットした以外は前記現像剤Cと同様の現像剤。
これを現像剤Eと略称する。
【0055】前記2種類の現像剤についても実施例1と
同じ条件で連続印字試験を行った。結果を表2に示す。
なお表2中の排出率とは、排出現像剤重量を投入現像剤
重量で割った数値を百分率で表したものである。
【0056】
【表2】
【0057】表2の評価結果から明らかなように、前記
2種類の対策は、前記現像剤の流動性を向上させた。そ
のため、マシンからの排出についても良好な結果が得ら
れた。
【0058】現像剤流動性向上対策としては、前記2種
類の対策のいづれかひとつを実行すれば良い。もしくは
前記2種類の対策をどちらも行うと更に流動性に裕度が
出て良い。
【0059】また、ポリエステル樹脂は分子末端あるい
は分子主鎖中に未反応の水酸基やカルボキシル基を多く
含むため、吸湿し易く、高湿時のトナーの電気特性、保
存性等が問題になる。
【0060】その問題に対して、現像剤の流動性を向上
させるために添加量を増やした流動化剤としての疎水性
シリカがポリエステル樹脂の分子末端基にある未反応の
水酸基やカルボキシル基と反応し、耐環境性(高湿時)
に強くなることがわかった。
【0061】(実施例4)ヒートロールとバックアップ
ロール対からなるヒートロール定着装置後に行われる加
熱手段を図10で説明する。
【0062】ヒートロール11とバックアップロール1
2の間に用紙8が搬送され、ニップされた後、巻き付け
治具14により更にヒートロール11に巻き付けること
でニップ領域が拡大し、高速化による不足していた定着
エネルギを補うことができる。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、高速印刷で優れた定着
性が得られ、連続印刷において熱ロールの損傷がなく、
現像剤が優れた流動性を有し、連続印刷において現像剤
の抵抗変化のない、安定した画像が得られる静電記録装
置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】静電記録装置の印写プロセスを示す説明図。
【図2】トナーに内添されるワックス量と非オフセット
バンド、保存性の関係を示す説明図。
【図3】トナーに内添されるワックス量と軟化点の関係
を示す説明図。
【図4】各サンプルトナーのガラス転移点を示す説明
図。
【図5】キャリアコート材組成と帯電特性の関係を示す
説明図。
【図6】連続印刷による画像濃度、用紙背景部の汚れの
変化を示す説明図。
【図7】連続印刷によるスペントの変化を示す説明図。
【図8】連続印刷による流れ込み電流の変化を示す説明
図。
【図9】改良現像剤による流れ込み電流の変化を示す説
明図。
【図10】ヒートロール定着装置後の加熱手段を示す説
明図。
【符号の説明】
1…感光体、2…帯電器、3…レーザ光、4…現像器、
4a…マグロール、5…トナー、6…キャリア、7…現
像剤、8…用紙、9…転写器、10…プレヒータ、11
…ヒートロール、12…バックアップロール、13…現
像剤排出経路、14…巻き付け治具、A…現像機内温度
測定箇所、B…プレヒータ通過後の用紙温度測定箇所。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/08 507 G03G 9/10 311 15/20 102 351 15/08 507L 507X Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA08 BA02 BA06 CA02 CA08 CA11 CA13 CB03 CB13 DA05 DA06 EA03 EA07 FA02 FB02 2H033 AA09 AA25 BB01 BB12 2H068 FC08 FC13 2H077 AC16 AD02 AD06 AE06 CA19 EA03 FA13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体上に形成された静電潜像をトナ
    ーを用いて顕像化し、該トナー像を記録媒体上に転写
    し、記録媒体上に転写されたトナー像を定着工程により
    定着して記録画像を得る静電記録装置において、 前記トナーは、ポリエステル樹脂と着色剤を主成分とし
    た非磁性トナーの内部に、ポリプロピレンから成る離型
    剤と、低分子量のポリエチレンから成る定着性向上剤
    と、界面活性剤から成る潤滑剤を内添し、前記トナー表
    面に疎水性シリカから成る流動化剤を添加したものであ
    って、前記トナーのガラス転移点温度がプレヒータ通過
    後の用紙温度よりも低く、現像機内温度より高く設定し
    てあり、かつ現像機下部に設けられている現像剤排出経
    路表面にテフロン被膜を形成したことを特徴とする静電
    記録装置。
  2. 【請求項2】 前記定着性向上剤の添加量は1.5〜
    4.0重量%であることを特徴とする請求項1記載の静
    電記録装置。
  3. 【請求項3】 前記流動化剤の添加量は0.5〜1.0
    重量%であることを特徴とする請求項1記載の静電記録
    装置。
  4. 【請求項4】 トナーとキャリアから構成される乾式二
    成分現像剤の磁性キャリアの添加コート量は3〜5.5
    重量%であることを特徴とする請求項1記載の静電記録
    装置。
  5. 【請求項5】 前記磁性キャリアのキャリア表面にはフ
    ッ素系樹脂とアクリル系樹脂の混合物からなる被膜が形
    成されており、フッ素樹脂が35〜50%、アクリル素
    樹脂が50〜65%の割合で配合されており、前記現像
    剤のトナーの帯電極性は正であることを特徴とする請求
    項1記載の静電記録装置。
  6. 【請求項6】 前記現像剤の磁性キャリアがマグネタイ
    トキャリアであることを特徴とする請求項1記載の静電
    記録装置。
  7. 【請求項7】 ヒートロールとバックアップロール対か
    らなるヒートロール定着装置の後に加熱手段を設けたこ
    とを特徴とする請求項1記載の静電記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8086146B2 (en) 2005-11-09 2011-12-27 Ricoh Company, Ltd. Image forming method and apparatus for effectively supplying developer

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