JP2000055743A - 多点計測平均温度計 - Google Patents

多点計測平均温度計

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JP2000055743A
JP2000055743A JP10222575A JP22257598A JP2000055743A JP 2000055743 A JP2000055743 A JP 2000055743A JP 10222575 A JP10222575 A JP 10222575A JP 22257598 A JP22257598 A JP 22257598A JP 2000055743 A JP2000055743 A JP 2000055743A
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thermocouple
sheet
average
thermocouples
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Toshiro Shimizu
利朗 清水
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Anritsu Meter Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多点の温度の平均温度を測定する場合に、各計
測点の温度を算定することなく、直接平均の温度を示す
熱起電力の検出値から平均温度を算出できる多点計測平
均温度計を提供する。 【解決手段】 熱電対2を形成する複数本の第1素線3
aと複数本の第2素線3bのそれぞれの一端側を冷接点
部4の第1結線部4aと第2結線部4bでそれぞれ集合
させて電気的に接続すると共に、第1素線3aの他端側
と第2素線3bの他端側とを接続して複数個の熱電対の
測温部2aを形成して各温度計測点に分散配置し、か
つ、両結線部4a、4b間の各熱電対2側の抵抗値を略
等しく形成し、更に、両結線部4a、4b間の熱起電力
を検出し、冷接点4の基準温度の検出値を併用して、前
記各温度計測点の温度を平均した平均温度を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数の計測点の平
均温度を計測する際に、各計測点毎の温度を検出して平
均演算をすることなく、直接平均温度につながる検出値
から平気温度を算出することができる多点計測平均温度
計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】部屋の壁の熱伝導を測定したり、測温対
象物の平均温度を計測する場合には、通常は、図10に
示すように、測温対象物の多数の部分を熱電対等の接触
式温度計や放射温度計で測定し、この測定した各点の温
度T1、T2・・・Tiを平均して、測温対象物の平均
温度Timを算出している。この計測時の温度Tiと起
電力Eiの電気回路を図11に示す。なお、図10では
分かり易くするために、熱電対の第1素線又は第1補償
導線を実線で、また、第2素線又は第2補償導線を点線
で示してある。(他の図も同様である。)
【0003】しかしながら、このような測定方法を採用
した場合には、測定面が広く、あるいは、計測点の分布
が細かくなって、多数の測定点において温度計測する必
要が生じた場合には、この計測温度の数が著しく多くな
り、各測定点の温度を表示するための多数の温度表示器
5、或いは切換器が必要になり、また、平均温度を算出
するための演算機構が必要となるという問題がある。特
に、個々の測定点の温度を必要とせず、平均温度のみ必
要な場合には、これらの方法では無駄が多い。
【0004】また、一方で、従来の技術においては、微
小な温度差を測定する温度計としても良く使用されてい
る直列熱電対あるいは熱電堆と呼ばれるものがあり、多
点の平均温度を算定する多点計測平均温度計としても使
用されている。この直列熱電対は、図7に示すように熱
電対20の測温部20aを各計測点に配設すると共に、これ
らの熱電対20を形成する第1金属側の第1素線又は第1
補償導線30aと、別の熱電対20を形成する第2金属側の
第2素線又は第2補償導線30bを、冷接点(基準接点)
40部分に設けた接点30cで電気的に接続し、他の部分で
は電気的に絶縁するように結線して、各熱電対を直列状
態に結線している。
【0005】この熱電対20の直列結線により、各熱電対
20の熱起電力Eiが加え合わされるので、この加え合わ
された熱起電力Etを検出して、熱電対の数、即ち、計
測点数で割り算することにより平均熱起電力Etmを求
め、この平均熱起電力Etmに対して、冷接点部分40の
基準温度T0を他の温度計6で計測して、冷接点補償の
補正することにより、平均温度Timを算出している。
【0006】この図7を模式的に示したのが図8であ
り、また、各点の温度をTi、各熱電対部分の起電力を
Ei、各熱電対部分の抵抗値をRiとして電気回路で表
示したのが図9である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この直
列熱電対方式の多点計測平均温度計によると、計測点数
の増加と共に、通常は熱電対1組当たり適当な抵抗値
(例えば20オーム程度)に調整されている熱電対20を
直列結線したことにより、全体の抵抗値Rt=R1+R
2+・・・+Rnが増加し非常に大きくなってしまう上
に、検出する熱起電力の電圧値Vtも各計測点での熱電
対20の熱起電力Eiの総和Etとなり大きくなるので、
入力インピーダンスが計測機器の最大設定値(例えば5
00オーム程度)を越えてしまうので通常の計測機器で
は計測できなくなり、特別な機器を用意する必要がある
という問題がある。
【0008】また、各熱電対20が直列に結線されている
ため、途中の導線が一本でも断線すると、熱起電力を計
測できなくなり、取り扱いが難しいという問題がある。
その上、計測温度の誤差を小さくするために、各熱電対
20の結線場所である接点を同じ冷接点温度T0にする必
要があることから、図7及び図8に示すように、全部の
結線部30cを温度分布が均等な部分40に設けるので、多
数の結線部30cが狭い部分40に集中し、工作が難しくな
り制作コストが嵩んで高価なものになるという問題があ
る。
【0009】これらの問題は、計測点数が増加すると共
に、深刻な問題となってくる。本発明は、上述の問題を
解決するためになされたものであり、その目的は、多点
の温度の平均温度を測定する場合に、各計測点の温度を
算定することなく、直接平均の温度を示す熱起電力の検
出値から平均温度を算出できる多点計測平均温度計を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するための多点計測平均温度計は、次のように構成され
る。 1)熱電対を形成する複数本の第1素線の一端側を冷接
点部の第1結線部で集合させて電気的に接続し、前記熱
電対を形成する前記複数本の第2素線の一端側を前記冷
接点部の第2結線部で集合させて電気的に接続すると共
に、前記第1素線の他端側と前記第2素線の他端側とを
接続して形成した複数個の熱電対の測温部を各温度計測
点に分散配置し、かつ、前記第1結線部と前記第2結線
部の間の各熱電対側の抵抗値を略等しく形成し、更に、
前記第1結線部と前記第2結線部との間の熱起電力を検
出し、該熱起電力の検出値と前記冷接点の基準温度の検
出値とから、前記各温度計測点の温度を平均した平均温
度を算出するように構成される。
【0011】ここでいう第1素線と第1結線部との電気
的な接続、及び、第2素線と第2結線部との電気的な接
続という意味は、直接熱電対を構成する材料で形成され
た素線を導電するように接続することだけではなく、素
線を補償導線などの他の導電体に接続して、この導電体
を接続することも含んでいる。そして、これに使用する
熱電対は例えば白金ロジウムと白金の組み合わせなど、
通常の熱電対の材料を使用することができ、また、導線
も、これらの金属の素線であっても通常の補償導線を使
用してもよい。この素線や導線の長さや太さや材料を調
節したり、途中に抵抗を直列に結線することにより、既
存の温度計測装置で必要とする抵抗の範囲内に合わせる
ことができる。
【0012】この構成により、各熱電対が第1結線部と
第2結線部とに並列に結線され、この第1結線部と第2
結線部の間に発生する熱起電力は、第1結線部と第2結
線部の間の各熱電対の測温部側の抵抗値を略等しくする
と、各熱電対の熱起電力の平均値となるので、各熱電対
毎の熱起電力を計測することなく、また、各計測点の温
度から平均値を求める演算をすることなく、この平均値
を示す熱起電力と基準温度とから各計測点の平均温度を
算出することができる。
【0013】そして、各熱電対は並列に結線されている
ために、一部の熱電対が断線しても、他の熱電対の計測
はそのまま可能で、しかも、測定している平均熱起電力
は、この断線した熱電対を含まない平均起電力となるの
で、この断線した熱電対の測定点の温度が平均温度に反
映されないだけで、その他の測定点の平均温度を計測す
ることができる。
【0014】また、各熱電対が並列結線であるため、回
路全体の抵抗は大きくならず、反対に小さくなるので、
外部抵抗を温度計測器と第1結線部又は第2結線部との
間の直列に連結することにより、既存の温度計測器で十
分計測可能となる。また、各熱電対の抵抗を大きくする
ことが可能になるので、導線途中に抵抗を設けて導線全
体の抵抗を大きくして、計測誤差を生じる要因となる温
度変化による導線部分の抵抗変化分を相対的に小さくす
ることができ、計測精度を上げることが容易にできる。
【0015】また、冷接点が並列結線した第1結線部と
第2結線部になるので、簡単に各熱電対の冷接点側の温
度を一定にすることができ、又、工作も簡単となる。そ
して、前記熱電対の測温部を各温度計測点に配置するに
は、次のようなシートを用いると便利である。
【0016】2)前記熱電対の測温部を少なくとも1枚
のシート上に分散して配設し、該シートを測温対象物に
張り付けて、該測温対象物の平均温度を計測するように
構成することにより、予め用意した計測用のシートを測
温対象物に張り付けるだけで、平均温度の計測ができる
ので、計測作業が非常に簡単となる。
【0017】3)前記シートをシリコンゴムシートと熱
伝導用金属板の積層薄板で形成し、前記熱電対の測温部
を前記シリコンゴムシート側に配設して形成することに
より、測温対象物からの熱を、この熱伝導用金属板によ
りシリコンゴムシート側の熱電対の測温部に効率よく伝
導できる。また、この熱伝導用金属板として磁性体であ
るステンレスシート等を使用すると、磁石を使用してこ
のシートを測温対象物表面に簡単に取り付けることがで
きる。
【0018】4)前記シートを正方形又は長方形に形成
し、該シート上に前記熱電対の測温部を等間隔に配置す
ると共に、該正方形又は長方形の各辺と最寄りの測温部
との距離を前記等間隔の略半分に形成すると、このシー
トを隣接して配置することにより、広い面積に渡って熱
電対を等間隔に配設することが簡単にできる。 5)前記シートを帯状に形成し、該シート上に前記熱電
対の測温部を等間隔に配置した前記熱電対を少なくとも
1枚のシートの各計測位置に配設し、該シートを測温対
象物の張り付けて、測温対象物の平均温度を計測する
と、測温対象物の表面に簡単に等間隔に熱電対を配設し
て、平均温度を測定することができる。
【0019】これらの正方形、長方形や帯状のシートを
使用することにより、壁面などの平面形状だけではな
く、浴槽の外周面や各種容器の表面など立体的な面の温
度分布も簡単に計測することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明に係
る多点計測平均温度計について説明する。本発明の多点
計測平均温度計の第1の実施の形態は、図1に示すよう
に、熱電対2を形成する複数(以下nとする)本の第1
素線3aの一端側を冷接点部4の第1結線部4aで集合
させて電気的に接続し、熱電対2を形成するn本の第2
素線3bの一端側を冷接点部4の第2結線部4bで集合
させて電気的に接続する。
【0021】そして、この第1素線3aの他端側と第2
素線3bの他端側とを接続してn個の熱電対2の測温部
2aを形成し、この測温部2aをシリコンゴムシート1
aとステンレスシート(熱伝導用金属板)1bとを積層
したシート1のシリコンゴムシート1a上の各温度計測
点に相当する位置に分散配置する。言い換えれば、n箇
所の温度計測点に分散配置された各熱電対2の第1金属
側の第1素線3aを冷接点部4で集合させて電気的に接
続して第1結線部4aを形成し、各熱電対2の第2金属
側の第2素線3bを冷接点部4で集合させて電気的に接
続して第2結線部4bを形成する。
【0022】なお、図1では、全部の熱電対2の第1素
線3a、第2素線3bをそれぞれ第1結線部4a、第1
結線部4bに接続して図示すると、図が煩雑になるの
で、一部のみ接続を図示し、他の接続線は省略して図示
している。この熱電対2は例えば第1金属を白金ロジウ
ム、第2金属を白金にした組み合わせなど、通常の熱電
対の材料を使用することができ、また、電気的な接続
は、直接熱電対2を構成する材料で形成された素線3
a、3bを導電するように接続することだけではなく、
素線3a、3bを補償導線などの他の導電体に接続して
この導電体を接続してもよい。
【0023】また、冷接点部4は、熱伝導のよい金属板
の上に電気的な絶縁材を積層して、その上に第1結線部
4a、第2結線部4bを載置して形成し、両結線部4
a、4bの温度が同一になり、しかも、この冷接点部4
の温度T0が計測できるように、べつの温度計6を配設
する。そして、この素線3a、3bや導電体の長さや太
さや材料を調節したりすることにより、第1結線部4a
と第2結線部4bの間の各熱電対2の測温部2a側の抵
抗値Riを略等しく形成する。また、この各熱電対2の
測温部2a側の抵抗値Riを同一に揃えるために、ある
いは、この抵抗値Riを大きくして測温部2aの温度差
によって生じる抵抗の差を減少するために、必要に応じ
て外部抵抗(図示しない)を直列に接続してもよい。
【0024】この各熱電対を並列の結線した第1結線部
4aと第2結線部4bとの間の熱起電力Ecを温度測定
装置5で検出し、また、この第1結線部4aと第2結線
部4bが設けてある冷接点部4の基準温度T0を別の温
度計(熱電対でもよい)6で検出して、この熱起電力E
cの検出値と冷接点部4の基準温度T0の検出値とか
ら、熱起電力Ecの検出値を冷接点の基準温度T0で補
正して、平均温度Tmを算出する。
【0025】なお、この熱起電力Ecの計測に際して
は、必要により、両結線部4a、4bと温度測定装置5
との間に抵抗8を設けて、温度測定装置5で必要とする
抵抗値の範囲内に合わせる。この平均温度Tmは後述す
るように、各熱電対2の測温部2a側の抵抗値Riを略
等しくすると、各測定点の測温部2aの温度の平均値T
imとなるので、平均温度Tmを測定することにより、
目的の平均温度Timを測定できることになる。
【0026】また、このシート1の大きさの一例を上げ
ると、一辺の長さ300mmで、熱電対の数25個、間
隔Lは60mmであり、このシート1を測温対象物9に
張り付けると、測温対象物9からの熱を、この熱伝導用
金属板1bによりシリコンゴムシート1a側の熱電対2
の測温部2aに効率よく伝導できるので、図3に示すよ
うに、予め用意した計測用のシート1を磁石を使用して
測温対象物9に張り付けるだけで、平均温度の計測がで
き、計測作業が非常に簡単となる。
【0027】次に、本発明に係る第2の実施の形態は、
図2に示すように、シート10を帯状に形成し、このシー
ト10上に熱電対2の測温部2aを等間隔D毎に配置して
構成この多点計測平均温度計においては、帯状のシート
10を張り付けたり、巻き付けたりすることにより、狭い
面や曲面上に熱電対2を等間隔Dで配置することが簡単
にできるようになる。
【0028】以上の構成、即ち各熱電対2を並列結線す
ると共に、この並列結線までの各熱電対2の測温部2a
側の抵抗値Riを等しくすることによって、両結線部4
a、4b間の熱起電力Ecが各熱電対2の平均温度Ti
mを示すことは実験的に確認されているが、以下に多点
測定平均温度計の計測原理について説明する。
【0029】図4に示すような、抵抗Riと熱起電力E
iとが直列に結線され、この抵抗Riと熱起電力Eiの
組がn組並列に結線された回路の電圧Ecについて、考
えてみる。(i=1,2,3,・・・・,n) ここで、抵抗Riは上述した、熱電対2の測温部2a側
の抵抗値に相当し、電圧Eiは各熱電対2の熱起電力に
相当し、回路全体の電圧Ecは計測される熱起電力Ec
に相当するので、同じ記号を使用している。
【0030】この回路の電圧Vtは、帆足・ミルマンの
定理により、以下のような計算式で計算される。 Ec=〔(E1/R1)+(E2/R2)+・・・+(En/Rn))〕 ÷〔(1/R1)+(1/R2)+・・・+(1/Rn))〕 =〔Σ(Ei/Ri)〕/〔Σ(1/Ri)〕 なお、Σはi=1からnまでの総和を示す。ここで、R
1=R2=R3=R4・・・=Ri=・・・=Rn と
すると、 Ec=〔(E1+E2+E3+・・・+En)/R1〕 ÷〔(1+1+1+・・・+1)/R1〕 =〔Σ(Ei)〕/〔Σ(1)〕 =Σ(Ei)/n と、式変形されて、計測電圧Ecは、各熱起電力Eiの
平均値Eimとなる。
【0031】つまり、各抵抗値Riがすべて等しい場合
には、計測電圧Ecを計測することにより、平均熱起電
力Σ(Ei)/nを計測できることになる。実用上で
は、各熱電対2の抵抗値Riは測温部2aの温度の影響
を受けるので、同温度で同じ抵抗値Riにセットして
も、温度計測時には僅かではあるが温度差の影響を受け
るので、略等しい抵抗値となり、計測誤差を生じること
になる。
【0032】しかしながら、この熱電対の並列結合方式
においては、各熱電対2の抵抗を大きくすることができ
るので、温度差の影響を受ける部分に比較して素線又は
補償導線などの導線部分を長くしたり、温度差の影響を
受けない部分に抵抗を接続することにより、測温部2a
の温度差によって発生する各抵抗値Ri間の差を小さく
することができるので、容易にこの温度差による誤差を
小さくすることができる。また、各抵抗値Riの間に誤
差があっても、これらの誤差が互いに打ち消し合う場合
もあるので、実用的な誤差範囲内に計測誤差を納めるこ
とができる。
【0033】そして、一部の熱電対、例えばi=2の熱
電対が断線した場合には、R2が無限大になるので、E
2/R2と1/R2がゼロになるので、計測電圧Ecは
R2の項を除いたn−1個の平均値Ec’となり、断線
した熱電対を除いたn−1個の測定点の温度の平均値と
なる。 Ec’=〔(E1+E3+・・・+En)/(n−
1)〕 このことにより、一部の熱電対が断線しても、その部分
を除いて、平均温度を計測できることが分かる。
【0034】以上の多点計測平均温度計によれば、次の
ような効果を奏することができる。以上の構成により、
各熱電対2が並列結線された両結線部4a、4bの間に
発生する熱起電力Ecは、各熱電対2の熱起電力Eiの
平均値Eimとなるので、各熱電対2の熱起電力Eiを
計測することなく、また、各計測点の温度Tiから平均
値Timを求める演算をすることなく、この平均熱起電
力Emと基準温度T0とから各計測点の平均温度Tim
を算出することができる。
【0035】しかも、熱電対2は並列配置の結線である
ため、回路全体の抵抗Rtは大きくならず、小さくなる
ので必要に応じて外部抵抗8を直列に接続することによ
り簡単に、既存の計測器5で十分計測可能となる。ま
た、冷接点部4に両結線部4a、4bを設けたので、簡
単に各熱電対2の冷接点4側の基準温度T0を共通な一
定の値にすることができ、また素線を電気的に結線して
いるので狭い部分にも簡単に設けることができ工作が簡
単となる。
【0036】そして、各熱電対2は並列に結線されてい
るために、一部の熱電対2が断線しても、他の熱電対2
の計測はそのまま可能で、しかも、測定している平均熱
起電力Ecは、この断線した熱電対2を含まない平均起
電力Eimとなるので、この断線した熱電対2の測定点
の温度が平均温度Tmに反映されないだけで、その他の
測定点の平均温度Tmを計測することができる。
【0037】また、各熱電対2の抵抗値Riを大きくし
ても計測できるので、導線3a、3bの途中に抵抗6を
設けて導線全体の抵抗値Riを大きくして、計測誤差を
生じる要因となる温度変化による導線部分の抵抗変化分
ΔRiを相対的に小さくすることができ、容易に計測精
度を上げることができる。そして、熱電対2を少なくと
も1枚のシート1の各計測位置に配設し、シート1を測
温対象物9に張り付けて、測温対象物9の平均温度を計
測するように構成したので、予め用意した計測用のシー
ト1を測温対象物9に張り付けるだけで、平均温度Tm
の計測ができるので、計測作業が非常に簡単となる。
【0038】また、シート1をシリコンゴムシート1a
とステンレスシート1bの積層薄板で形成し、熱電対2
をシリコンゴムシート1a側に配設して形成することに
より、測温対象物9からの熱をステンレスシート1bに
より、シリコンゴムシート1側の熱電対2に効率よく伝
導できる。また、磁石を使用して、このシート1を測温
対象物9の表面に簡単に取り付けることができる。
【0039】そして、シート1を正方形に形成し、熱電
対2を等間隔Lに配置し、各辺との距離dを等間隔Lの
略半分に形成することにより、このシート1を隣接して
配置することにより、広い面積に渡って熱電対2を等間
隔Lに配設することが簡単にできる。或いは、シート10
を帯状に形成し、熱電対2を等間隔Dに配置して構成す
ることにより、測温対象物9の表面に簡単に等間隔Dで
熱電対2を配設することができる。
【0040】そして、これらの正方形、長方形や帯状の
シート1、10を使用することにより、壁面などの平面形状
だけではなく、浴槽の外周面や各種容器の表面など立体
的な面の温度分布も簡単に計測することができる。図6
に、10点の計測点に対して、1秒間隔で約10分間、
この多点式平均温度計で計測した平均温度計の値(実
線)と、それぞれの点を計測して平均を取った平均値
(点線)とを比較して図示した。X軸(横軸)に時間
(分)を、Y軸(縦軸)に温度(℃)を表示している。
【0041】この両者に比較の結果、平均した温度と平
均温度計で計測した温度とが非常によく一致しており、
実用できることが分かった。なお、この比較によると、
多少温度のピークの場所で、極僅かな差が生じている
が、これは、測温部をバーナーで加熱しているため、急
激な温度変化に対して、各計測点の2種類の温度センサ
ー間に温度差が生じたためと考えられる。
【0042】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明の多点測定
平均温度計によれば、次のような効果を奏することがで
きる。各熱電対が第1結線部と第2結線部とに並列に結
線され、この第1結線部と第2結線部の間に発生する熱
起電力は、第1結線部と第2結線部の間の各熱電対の測
温部側の抵抗値を略等しくすると、各熱電対の熱起電力
の平均値となるので、各熱電対毎の熱起電力を計測する
ことなく、また、各計測点の温度から平均値を求める演
算をすることなく、この平均値を示す熱起電力と基準温
度とから各計測点の平均温度を算出することができる。
【0043】そして、各熱電対は並列に結線されている
ために、一部の熱電対が断線しても、他の熱電対の計測
はそのまま可能で、しかも、測定している平均熱起電力
は、この断線した熱電対を含まない平均起電力となるの
で、この断線した熱電対の測定点の温度が平均温度に反
映されないだけで、その他の測定点の平均温度を計測す
ることができる。
【0044】また、各熱電対が並列結線であるため、回
路全体の抵抗は大きくならず、反対に小さくなるので、
外部抵抗を温度計測器と第1結線部又は第2結線部との
間の直列に連結することにより、既存の温度計測器で十
分計測可能となる。また、測温部と結線部と間の抵抗値
を外部抵抗を直列に連結する等して大きくして、計測誤
差を生じる要因となる測温部の温度差による各熱電対間
の抵抗値の差を小さくすることができるので、精度良く
平均温度を計測できる。
【0045】また、冷接点部に第1結線部と第2結線部
を設けたので、簡単に各熱電対の冷接点側の温度を一定
にすることができ計測精度を向上でき、しかも、狭い部
分でも構造が単純化され制作も容易となる。そして、熱
電対の測温部を少なくとも1枚のシート上に分散して配
設し、該シートを測温対象物に張り付けて、該測温対象
物の平均温度を計測するように構成することにより、予
め用意した計測用のシートを磁石等を用いて測温対象物
に張り付けるだけで、熱電対の測温部を等間隔で平面形
状や立体形状の測温対象物の表面上に分散配置して平均
温度の計測ができるので、計測作業が非常に簡単とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多点計測平均温度計を示す斜視図
である。
【図2】本発明に係る第2の実施の形態に係る多点計測
平均温度計を示す斜視図である
【図3】本発明に係る多点計測平均温度計を使用しての
計測例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る多点計測平均温度計の模式図であ
る。
【図5】図4の多点計測平均温度計の電気回路図であ
る。
【図6】多点計測平均温度計の計測値と、計測した温度
を平均した平均値との比較図である。
【図7】従来技術の直列熱電対を示す斜視図である。
【図8】図7の直列熱電対の模式図である。
【図9】図7の直列熱電対の電気回路図である。
【図10】従来技術の各点温度計測方式による平均温度
の計測を示す模式図である。
【図11】図10の各点温度計測方式の電気回路図であ
る。
【符号の説明】
1、10 シート 1a、10a シリコンゴムシート 1b、10b ステンレスシート 2、20 熱電対 2a 測温部 3a、30a 第1素線 3b、30b 第2素線 4a 第1結線部 4b 第2結線部 4、40 冷接点部 5 温度測定器 6 温度計 8 抵抗 9 測温対象物

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱電対を形成する複数本の第1素線の一
    端側を冷接点部の第1結線部で集合させて電気的に接続
    し、前記熱電対を形成する前記複数本の第2素線の一端
    側を前記冷接点部の第2結線部で集合させて電気的に接
    続すると共に、前記第1素線の他端側と前記第2素線の
    他端側とを接続して形成した複数個の熱電対の測温部を
    各温度計測点に分散配置し、かつ、前記第1結線部と前
    記第2結線部の間の各熱電対側の抵抗値を略等しく形成
    し、更に、前記第1結線部と前記第2結線部との間の熱
    起電力を検出し、該熱起電力の検出値と前記冷接点の基
    準温度の検出値とから、前記各温度計測点の温度を平均
    した平均温度を算出する多点計測平均温度計。
  2. 【請求項2】 前記熱電対の測温部を少なくとも1枚の
    シート上に分散して配設し、該シートを測温対象物に張
    り付けて、該測温対象物の平均温度を計測する請求項1
    記載の多点計測平均温度計。
  3. 【請求項3】 前記シートをシリコンゴムシートと熱伝
    導用金属板の積層薄板で形成し、前記熱電対の測温部を
    前記シリコンゴムシート側に配設して形成した請求項2
    記載の多点計測平均温度計。
  4. 【請求項4】 前記シートを正方形又は長方形に形成
    し、該シート上に前記熱電対の測温部を等間隔に配置す
    ると共に、該正方形又長方形の各辺と最寄りの測温部と
    の距離を前記等間隔の略半分に形成した請求項2又は3
    に記載の多点計測平均温度計。
  5. 【請求項5】 前記シートを帯状に形成し、該シート上
    に前記熱電対の測温部を等間隔に配置した請求項2又は
    3に記載の多点計測平均温度計。
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