JP2000055363A - ライターカバー着火装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外観が簡易ライターとは極端に異なり、しか
も機能・操作の点でも簡易ライターよりも優れたライタ
ーカバー着火装置を得るにある。 【解決手段】 液化ガス燃料を封入した樹脂製の棒状燃
料タンク１ａの頭部にノズルフード１ｂと圧電ハンドル
１ｃとを隣り合わせて設け、同圧電ハンドル１ｃの押し
下げにより燃料噴射弁の解放と放電点火とを行う簡易ラ
イター１において、手で握ることができる外囲ケース２
Ａのケース本体２ａの内部に上下方向に移動可能に簡易
ライター１を収容し、同ケース本体２ａの表面を覆うケ
ースカバー２ｂに簡易ライター１を外部から移動させる
スライド部材７のスライドボタン７ａを外部に露呈させ
るスライダ孔８を形成し、同スライドボタン７ａの手動
操作による簡易ライター１の移動により圧電ハンドル１
ｃを押し下げて着火を行うライターカバー着火装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はタバコ用ライターに
関し、特に、液化ガス燃料を封入した樹脂製の棒状燃料
タンクの頭部にノズルフードと圧電ハンドルとを隣り合
わせて設ける簡易ライターのライターカバー着火装置に
関する。

【０００２】

【背景技術】周知のように、タバコ用簡易ライターにお
いては、液化ガス燃料を封入した樹脂製の棒状燃料タン
クの頭部にノズルフードと圧電ハンドルとを隣り合わせ
て設ける構造の安価なものが知られている。つまり、こ
の簡易ライターは、ブタンガス等の燃料ガスを噴射する
燃料噴射弁及び圧電素子を棒状燃料タンクの頭部に内蔵
するもので、圧電ハンドルの押し下げにより燃料噴射弁
の開放と圧電素子による放電を行う構造であり、量産に
よるコストパーホマンスが非常に優れているので、安価
に入手できる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
構造の簡易ライターにあっては、ユーザの好みや操作性
の改良に応じて機構の一部や外観を変えようとすると、
該当部の金型ばかりでなく、部品寸法の変化による組立
機の変更までも要求され、量産効果がなくなり、かなり
の割高な製品になる。言い換えると、前述した簡易ライ
ターは、コストパーホマンスを極限にまで追求した製品
であるため、例え一部の形状や構造の変更であっても、
製造価格が極端に割高なものとなるから、拡販用ロゴマ
ーク等を付したタバコ用ライターを作る場合、従来で
は、外面にロゴマーク等を形成した樹脂ケースを別に用
意し、この樹脂ケースを簡易ライターの棒状燃料タンク
に嵌め、簡易ライター自体の変更の変更は行わないもの
に工夫している。

【０００４】しかしながら、このような樹脂ケースによ
る方法では、外観的な変更の程度に自ら限度があり、ま
た、圧電ハンドルの押し下げ操作で着火を行う機能的な
面では、全くの変更を行い得ないから、機能面までも含
めた総合的な改良を行うことは無理であった。

【０００５】本発明の目的は、以上に述べたような簡易
ライターの問題に鑑み、外観が簡易ライターとは極端に
異なり、しかも機能・操作の点でも簡易ライターよりも
優れたライターカバー着火装置を得るにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、液化ガス燃料を封入した樹脂製の棒状燃
料タンクの頭部にノズルフードと圧電ハンドルとを隣り
合わせて設け、同圧電ハンドルの押し下げにより燃料噴
射弁の開放と放電点火とを行う簡易ライターにおいて、
手で握ることができる外囲ケースのケース本体の内部に
上下方向に移動可能に簡易ライターを収容し、同ケース
本体の表面を覆うケースカバーに簡易ライターを外部か
ら移動させるスライド部材のスライドボタンを外部に露
呈させるスライダ孔を形成し、同スライドボタンの手動
操作による簡易ライターの移動により圧電ハンドルを押
し下げて着火を行うライターカバー着火装置を提案する
ものである。

【０００７】後述する本発明の好ましい実施例の説明に
おいては、 1)液化ガス燃料を封入した樹脂製の棒状燃料タンクの頭
部にノズルフードと圧電ハンドルとを隣り合わせて設
け、同圧電ハンドルの押し下げにより燃料噴射弁の開放
と放電点火とを行う簡易ライターにおいて、上方を開放
した外囲ケースの内部に簡易ライターを落し込み、前記
ノズルフードに対応した火炎口を上面に形成されかつ一
側に指掛けを一体成形されたスライドキャップを前記外
囲ケースに上下動可能に取付け、同スライドキャップの
押し下げにより圧電ハンドルを押し下げて着火を行う構
造、 2)前記指掛けに臨んだ前記外囲ケースの一部には指先で
操作できるロックノブが一体成形され、同ロックノブで
前記スライドキャップの押し下げを禁止する構造が説明
される。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、図面について本発明の実施
例の詳細を説明する。図２及び図７の符号”１”はブタ
ンガス等の燃料ガスを噴射する燃料噴射弁（図示せず）
及び圧電素子（図示せず）を棒状燃料タンク１ａの頭部
に内蔵する簡易ライターであり、金属板製のノズルフー
ド１ｂに隣り合わされた圧電ハンドル１ｃの押し下げに
より、燃料噴射弁の開放と圧電素子による放電点火を行
うことができる。

【０００９】図１から図４は本発明の第１実施例による
ライターカバー着火装置を示し、この実施例の場合、前
記簡易ライター１は全体外形を厚みのある細長い楕円板
状に作られる樹脂製の外囲ケース２Ａ中に収容される。
即ち、手のひらで握れる外囲ケース２Ａは、内部に簡易
ライター１を上下方向に移動可能に収容できる楕円容器
として作られるケース本体２ａを備え、このケース本体
２ａの前記ノズルフード１ｂに対応した部分には火炎口
３Ａが形成される。

【００１０】前記ケース本体２ａの表面は前記簡易ライ
ター１を上下方向に案内する複数のガイドピン４を内面
に一体成形されたケースカバー２ｂで覆われるが、ケー
ス本体２ａに対する同ケースカバー２ｂの固定のため、
ケース本体２ａの内部には複数の固定クリップ５が一体
成形され、これらの固定クリップ５に対応したケースカ
バー２ｂの周壁内面に複数の係止孔６が形成される。

【００１１】また、ケース本体２ａ中に収容された簡易
ライター１の棒状燃料タンク１ａの表面には”Ｌ”字状
に成形されたスライド部材７が当てがわれ、このスライ
ド部材７に一体成形するスライドボタン７ａは前記ケー
スカバー２ｂの表面に形成するスライダ孔８から外部に
露呈される。したがって、簡易ライター１に内蔵される
リターンスプリングの力に抗してスライドボタン７ａを
上方に押し上げると、圧電ハンドル１ｃがケース本体２
ａの上部内面により棒状燃料タンク１ａに対して相対的
に押し下げられ、着火が行われる。なお、図３及び図４
に示すケース本体２ａの外表面の突起部２ｃは、ライタ
ーカバー着火装置の使用時に人差し指の腹を当てがうた
めの部分である。

【００１２】第１実施例によるライターカバー着火装置
は、以上のような構造であるから、スライド部材７を当
てがった状態で簡易ライター１をケース本体２ａの内部
に位置し、固定クリップ５を用いて同外囲ケース２Ａの
ケース本体２ａにケースカバー２ｂを組み付けるだけ
で、組立工程を完了できる。組立を完了した後のライタ
ーカバー着火装置においては、図１及び図３に示すよう
に、簡易ライター１に内蔵されたリターンスプリングの
力で圧電ハンドル１ｃが上方に押し上げられた状態にあ
るから、スライドボタン７ａはスライダ孔８の下部に位
置した状態にある。

【００１３】したがって、ライターカバー着火装置を使
用するには、外囲ケース２Ａを手のひらで握ると、ケー
ス本体２ａの突起部２ｃが人指し指の腹に当たるが、ス
ライドボタン７ａに親指を当てて図４の矢印方向に押し
上げると、スライド部材７を介して簡易ライター１の棒
状燃料タンク１ａが上方に押し上げられる。この場合、
簡易ライター１の圧電ハンドル１ｃはケース本体２ａの
上部内面に当接されているので、棒状燃料タンク１ａに
対して同圧電ハンドル１ｃが押し下げられた結果とな
り、燃料噴射弁が開放されて燃料ガスが噴射ノズルから
噴射され、圧電素子による放電で同燃料ガスに点火が行
われる。勿論、この着火状態では、図４に示すように、
簡易ライター１のノズルフード１ｂが火炎口３Ａから外
部へ突出されるから、樹脂成形される外囲ケース２Ａが
火炎の熱で焼損することはない。

【００１４】図５から図８は本発明の第２実施例による
ライターカバー着火装置を示し、この実施例の場合、簡
易ライター１は樹脂成形される有底の円筒形外囲ケース
２Ｂ中に収容される。つまり、上方を開放された外囲ケ
ース２Ａの内部には外囲ケース２Ｂの内部での簡易ライ
ター１の回転を防止する上下方向の複数の案内リブ９が
一体成形され、これらの案内リブ９により外囲ケース２
Ｂ中に落し込まれた簡易ライター１が保持される。

【００１５】また、前記外囲ケース２Ｂの上部開口縁に
はスリ割り１０により一対の弾性爪１１が切り起こさ
れ、これらの弾性爪１１の先端爪１１ａはケース本体２
ａの外径よりも僅かに大きな内径とされる樹脂成形のス
ライドキャップ１２の対応部に形成する内面凹所１３中
に一定範囲で上下動可能に位置される。したがって、対
応内面凹所１３に対する弾性爪１１の弾力的な係合によ
り、外囲ケース２Ｂに対してスライドキャップ１２を一
定範囲で上下動でき、しかも外囲ケース２Ｂに対するス
ライドキャップ１２の組立状態が維持される。

【００１６】球面状の頭部をもつスライドキャップ１２
は前記簡易ライター１のノズルフード１ｂに対応した火
炎口３Ｂを上面に形成され、同火炎口３Ｂに隣り合って
円弧状の空気取入口１４が形成されるけれども、これら
の火炎口３Ｂ及び空気取入口１４の反対側には、親指で
押し下げることができる枠状の指掛け１５が一体に成形
してある。一方、前述した外囲ケース２Ｂの上部には一
対の可撓支持片１６により支持されたロックノブ１７が
一体成形され、このロックノブ１７は前記指掛け１５に
掛けた親指で操作できるように指掛け１５の内部に位置
される。即ち、前記スライドキャップ１２の指掛け１５
に面して形成する開放部を通って指掛け１５の内部に到
達できる前記ロックノブ１７は、図７に示すように、簡
易ライター１の棒状燃料タンク１ａの表面に点接触でき
るピボット１７ａ及び前記外囲ケース２Ｂの上縁の運動
軌跡範囲内に介入できるロック部１７ｂを有し、このロ
ックノブ１７のロック部１７ｂは、ロックノブ１７を指
先で操作したとき、図８に示すように、同外囲ケース２
Ｂの上縁の運動軌跡範囲外に退却できる。

【００１７】第２実施例によるライターカバー着火装置
は、以上に述べたような構造であるから、第１実施例に
よるライターカバー着火装置の構造に比較して、部品点
数の少ないライターカバー着火装置を得ることができ
る。また、第２実施例によるライターカバー着火装置を
組立てるには、案内リブ９に沿ってケース本体２ａの内
部に簡易ライター１を落し込み、弾性爪１１を弾性変形
させながら、同弾性爪１１の先端爪１１ａをスライドキ
ャップ１２の対応内面凹所１３に位置させるだけで、図
５及び図７に示すような組立状態が得られる。この組立
状態では、図７に示すように、ロックノブ１７のロック
部１７ｂが外囲ケース２Ｂの上縁の運動軌跡範囲内に介
入しているから、不用意に外囲ケース２Ｂに対してスラ
イドキャップ１２を押し下げられるのが禁止される。

【００１８】同着火１５装置を使用するには、外囲ケー
ス２Ｂを手のひらで握り、スライドキャップ１２の指掛
け１５に親指を掛けて、ロックノブ１７及び指掛け１５
を図８に矢印で示すように下方に押し下げればよい。つ
まり、ロックノブ１７を僅かに押すと、同ロックノブ１
７はピボット１７ａを支点として僅かに回動して、同ロ
ックノブ１７のロック部１７ｂが外囲ケース２Ｂの上縁
の運動軌跡範囲外に退却するから、外囲ケース２Ｂに対
するスライドキャップ１２の拘束が解除される。よっ
て、なおも弾性爪１１を下方に押し下げると、スライド
キャップ１２の内端面で簡易ライター１の圧電ハンドル
１ｃが押し下げられ、燃料噴射弁が開放されて燃料ガス
が噴射ノズルから噴射され、圧電素子による放電で同燃
料ガスに点火が行われる。勿論、この着火１５状態で
は、図８に示すように、簡易ライター１のノズルフード
１ｂが火炎口３Ｂから外部へ突出されるから、樹脂成形
される外囲ケース２Ｂが火炎口３Ｂの熱で焼損すること
はない。

【００１９】勿論、着火装置の使用後に、指掛け１５か
ら手を離せば、簡易ライター１に内蔵されたリターンス
プリングの力で圧電ハンドル１ｃ及びスライドキャップ
１２が元の状態に戻り、ロックノブ１７が図７の状態に
復帰して同スライドキャップ１２の不注意による押し下
げが禁止されることになる。

【００２０】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
１記載のライターカバー着火装置によれば、固定カバー
と可動カバーの内部に簡易ライターを完全に包蔵するの
で、量産による安価な簡易ライターを用いて簡易ライタ
ーとは異なった操作性で、しかも外観の自由なタバコ用
ライターを得ることができる。また、請求項２記載のラ
イターカバー着火装置によれば、全体外形を化粧用コン
パクト型の体裁のよい、楕円ケースとすることができ
る。そして、請求項２記載の発明では、円筒ケースで、
しかも安価な構造のライターカバー着火装置を得ること
ができ、請求項３記載のライターカバー着火装置では、
不容易な圧電ハンドルの押し下げを禁止できる構造を得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例によるライターカバー着火
装置の正面図である。

【図２】同ライターカバー着火装置の分解斜視図であ
る。

【図３】図１の３−３線に沿った同ライターカバー着火
装置の断面図である。

【図４】着火１５時の同ライターカバー着火装置の図３
相当断面図である。

【図５】本発明の第２実施例によるライターカバー着火
装置の全体斜視図である。

【図６】同ライターカバー着火装置の分解斜視図であ
る。

【図７】図５の７−７線に沿う断面図である。

【図８】着火１５時の同ライターカバー着火装置の図７
相当断面図である。

【符号の説明】

１ 簡易ライター １ａ 棒状燃料タンク １ｂ ノズルフード １ｃ 圧電ハンドル ２Ａ，２Ｂ 外囲ケース ２ａ ケース本体 ２ｂ ケースカバー ３Ａ，３Ｂ 火炎口 ５ 固定クリップ ７ スライド部材 ７ａ スライドボタン ８ スライダ孔 １１ 弾性爪 １２ スライドキャップ １３ 内面凹所 １５ 指掛け １７ ロックノブ １７ａ ピボット １７ｂ ロック部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 正男 東京都渋谷区千駄ケ谷三丁目38番10号Ａ・ Ｉ・Ｋビル９階有限会社ソルクス・デザイ ンアソシエイツ内 (72)発明者 福岡 徳夫 東京都渋谷区千駄ケ谷三丁目38番10号Ａ・ Ｉ・Ｋビル９階有限会社ソルクス・デザイ ンアソシエイツ内 (72)発明者 中川 航一郎 東京都渋谷区千駄ケ谷三丁目38番10号Ａ・ Ｉ・Ｋビル９階有限会社ソルクス・デザイ ンアソシエイツ内 Ｆターム(参考） 3K095 AA04 AA13 AA26 GA07 JA06

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液化ガス燃料を封入した樹脂製の棒状燃
   料タンクの頭部にノズルフードと圧電ハンドルとを隣り
   合わせて設け、同圧電ハンドルの押し下げにより燃料噴
   射弁の開放と放電点火とを行う簡易ライターにおいて、
   手で握ることができる外囲ケースのケース本体の内部に
   上下方向に移動可能に簡易ライターを収容し、同ケース
   本体の表面を覆うケースカバーに簡易ライターを外部か
   ら移動させるスライド部材のスライドボタンを外部に露
   呈させるスライダ孔を形成し、同スライドボタンの手動
   操作による簡易ライターの移動により圧電ハンドルを押
   し下げて着火を行うことを特徴とするライターカバー着
   火装置。
2. 【請求項２】 液化ガス燃料を封入した樹脂製の棒状燃
   料タンクの頭部にノズルフードと圧電ハンドルとを隣り
   合わせて設け、同圧電ハンドルの押し下げにより燃料噴
   射弁の開放と放電点火とを行う簡易ライターにおいて、
   上方を開放した外囲ケースの内部に簡易ライターを落し
   込み、前記ノズルフードに対応した火炎口を上面に形成
   されかつ一側に指掛けを一体成形されたスライドキャッ
   プを前記外囲ケースに上下動可能に取付け、同スライド
   キャップの押し下げにより圧電ハンドルを押し下げて着
   火を行うことを特徴としたライターカバー着火装置。
3. 【請求項３】 前記指掛けに臨んだ前記外囲ケースの一
   部には指先で操作できるロックノブが一体成形され、同
   ロックノブで前記スライドキャップの押し下げを禁止す
   ることを特徴とするライターカバー着火装置。