JP2000054891A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置

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JP2000054891A
JP2000054891A JP10223812A JP22381298A JP2000054891A JP 2000054891 A JP2000054891 A JP 2000054891A JP 10223812 A JP10223812 A JP 10223812A JP 22381298 A JP22381298 A JP 22381298A JP 2000054891 A JP2000054891 A JP 2000054891A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内燃機関の運転状態が始動完了前の状態と始動
完了後の状態とで変化したとき、適正な燃料噴射を行っ
て出力低下の防止を図ることのできる内燃機関の燃料噴
射制御装置を提供する。 【解決手段】エンジン11の始動完了前には吸気バルブ
19の開弁中に燃料噴射が行われ、エンジン11の始動
完了後には吸気バルブ19の開弁前(閉弁中)に燃料噴
射が行われる。エンジン11の電子制御ユニット(EC
U)は、始動完了前後での燃料噴射時期の切り換えの
際、始動完了後での燃料噴射時期と始動完了前での噴射
時期とに基づき、燃料噴射弁50による燃料噴射の実行
・非実行を制御する。即ち、ECU92は、始動完了前
の状態と始動完了後の状態との間でエンジン11の運転
状態が変化したとき、噴射すべき燃料が噴射されていな
いときには直ちに燃料噴射を実行し、既に燃料噴射が完
了しているときには燃料再噴射を禁止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、始動完了前と始動
完了後とで燃料噴射時期が異なる内燃機関に採用して好
適な内燃機関の燃料噴射制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用エンジン等の内燃機関に
おいては、冷えた状態での始動性を向上させるために、
始動開始時(始動完了前)と始動完了後との間で適切な
燃料噴射時期への切り換えを行うようにしている。こう
した内燃機関の一例としては、例えば特開平7−286
539号公報に記載されたものが知られている。
【0003】同公報に記載された内燃機関では、吸気ポ
ートに設けられた燃料噴射弁から燃焼室へ向けて燃料が
噴射されるようになっており、吸気ポートと燃焼室との
間は吸気バルブによって連通・遮断される。また、内燃
機関が始動完了前の運転状態であるか始動完了後の運転
状態であるかは、同機関の機関回転数に基づいて判断さ
れる。
【0004】そして、内燃機関の始動開始時(始動完了
前)には、吸気バルブの開弁中に燃料噴射が行われるよ
うに燃料噴射時期が制御される。始動完了前の内燃機関
は冷えた状態にあるが、上記のように吸気バルブの開弁
中に燃料噴射を行うことで、吸気バルブ等に気化しない
燃料が付着して燃焼室に供給される燃料量が少なくなる
ことが防止される。その結果、内燃機関が冷えた状態に
ある始動完了前において、機関始動性が低下するのを防
止することができるようになる。
【0005】また、内燃機関の始動完了後には、吸気バ
ルブの開弁前(閉弁中)に燃料噴射が行われるように燃
料噴射時期が進角側に制御される。始動完了後には内燃
機関の機関温度が上昇するため、閉弁中の吸気バルブに
向けて燃料噴射を行うことで、同バルブの熱で噴射燃料
の気化が促進され、燃焼室内において安定した混合気の
燃焼が行われるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に内燃機関の運転状態が始動完了前の状態から始動完了
後の状態へと変化すると、燃料噴射時期が進角側に制御
されることとなるが、この進角側制御時に、気筒によっ
ては既に燃料を噴射すべき時期が過ぎてしまって本来は
行われるべき燃料噴射が行われない、いわゆる噴射抜け
が発生することがある。こうした噴射抜けが発生する場
合には、内燃機関の出力が低下することともなる。
【0007】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、内燃機関の運転状態が始動
完了前の状態と始動完了後の状態とで変化したとき、適
正な燃料噴射を行って出力低下の防止を図ることのでき
る内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、内燃機関の各気筒に対応
する各吸気通路に設けられてそれら対応する燃焼室へ燃
料を噴射供給する燃料噴射手段を備え、機関始動時には
吸気バルブ開弁中に燃料噴射を行い、機関始動後には吸
気バルブ開弁前に燃料噴射を行うよう前記燃料噴射手段
の駆動時期を制御する内燃機関の燃料噴射制御装置にお
いて、内燃機関の運転状態が始動完了前の状態と始動完
了後の状態とで変化したことを検出する運転状態変化検
出手段と、前記運転状態変化検出手段により前記始動完
了前の状態から前記始動完了後の状態への運転状態変化
が検出されたとき、機関始動後の燃料噴射時期が既に経
過し、且つ機関始動時の燃料噴射が行われていない気筒
に対応する燃料噴射手段を強制駆動する強制駆動手段と
を備えた。
【0009】同構成によれば、内燃機関の運転状態が始
動完了前の状態から始動完了後の状態に切り換えられた
とき、機関始動後での燃料噴射時期が既に経過し、且つ
機関始動時での燃料噴射が行われていない気筒に対して
強制的に燃料噴射が行われるため、その燃料噴射が実行
されないことに基づく内燃機関の出力低下が防止され
る。
【0010】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記運転状態変化検出手段は、内燃機関
の回転数に基づき、且つその判定回転数に所定のヒステ
リシスをもたせて、前記運転状態が始動完了前の状態と
始動完了後の状態とで変化したことを検出するものとし
た。
【0011】同構成によれば、内燃機関の始動完了前後
での運転状態変化を検出するための判定回転数付近で同
機関の回転数が変動したとしても、その判定回転数に所
定のヒステリシスをもたせているため、上記運転状態変
化の検出が過敏に行われるのを防止することができるよ
うになる。
【0012】請求項3記載の発明では、請求項1又は2
記載の発明において、前記運転状態変化検出手段により
前記始動完了後の状態から前記始動完了前の状態への運
転状態変化が検出されたとき、機関始動時の燃料噴射時
期に未だ達せず、且つ機関始動後の燃料噴射が終了して
いる気筒に対応する燃料噴射手段の駆動を一時禁止する
駆動禁止手段を更に備えた。
【0013】内燃機関の運転状態が始動完了後の状態か
ら始動完了前の状態へと切り換えられたとき、始動完了
後での燃料噴射時期にて既に燃料噴射を行っているにも
拘わらず、始動完了前での燃料噴射時期にて再び燃料噴
射が行われ、内燃機関の燃費が悪化することがある。し
かし、同構成によれば、内燃機関の運転状態が始動完了
前の状態から始動完了後の状態へと切り換えられたと
き、機関始動時での燃料噴射時期に未だ達せず、且つ機
関始動後での燃料噴射が終了している気筒に対して燃料
噴射が一時的に禁止されるため、上記燃料再噴射による
内燃機関の燃費悪化が防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を自動車用の直列6
気筒ガソリンエンジンに適用した一実施形態を図1〜図
9に従って説明する。
【0015】図1に示すように、エンジン11の1番気
筒#1〜6番気筒#6(図1には1番気筒#1のみ図
示)には、それぞれピストン12が設けられている。こ
のピストンは、エンジン11のシリンダブロック11a
内にて往復移動可能となっており、コンロッド13を介
してエンジン11の出力軸であるクランクシャフト14
に連結されている。そして、ピストン12の往復移動
は、コンロッド13によってクランクシャフト14の回
転へと変換されるようになっている。
【0016】クランクシャフト14にはシグナルロータ
14aが取り付けられている。このシグナルロータ14
aの外周部には、複数の突起14bがクランクシャフト
14の軸線を中心とする等角度毎に設けられている。ま
た、シグナルロータ14aの側方には、クランクセンサ
14cが設けられている。そして、クランクシャフト1
4が回転して、シグナルロータ14aの各突起14bが
順次クランクセンサ14cの側方を通過することによ
り、同センサ14cからはそれら各突起14bの通過に
対応したパルス状の検出信号が出力されるようになる。
【0017】一方、シリンダブロック11aには、エン
ジン11における冷却水の水温を検出するための水温セ
ンサ11bが設けられている。また、シリンダブロック
11aの上端にはシリンダヘッド15が設けられ、シリ
ンダヘッド15とピストン12との間には燃焼室16が
設けられている。この燃焼室16には、シリンダヘッド
15に設けられた吸気ポート17及び排気ポート18が
連通している。更に、それら吸気ポート17及び排気ポ
ート18には、それぞれ吸気バルブ19及び排気バルブ
20が設けられている。
【0018】シリンダヘッド15には、上記吸気バルブ
19及び排気バルブ20を開閉駆動するための吸気カム
シャフト21及び排気カムシャフト22が回転可能に支
持されている。これら吸気及び排気カムシャフト21,
22はタイミングベルト23を介してクランクシャフト
14に連結され、同ベルト23によりクランクシャフト
14の回転が吸気及び排気カムシャフト21,22へ伝
達されるようになっている。そして、吸気カムシャフト
21が回転すると、吸気バルブ19が開閉駆動されて、
吸気ポート17と燃焼室16とが連通・遮断される。ま
た、排気カムシャフト22が回転すると、排気バルブ2
0が開閉駆動されて、排気ポート18と燃焼室16とが
連通・遮断されるようになっている。
【0019】シリンダヘッド15において、排気カムシ
ャフト22の側方には、同シャフト22の外周面に設け
られた突起22aを検出して検出信号を出力するカムセ
ンサ22bが設けられている。そして、排気カムシャフ
ト22が回転すると、同シャフト21の突起22aがカ
ムセンサ22bの側方を通過する。この状態にあって
は、カムセンサ22bから上記突起22aの通過に対応
した所定間隔毎に検出信号が出力されるようになる。
【0020】吸気ポート17及び排気ポート18には、
それぞれ吸気管30及び排気管31が接続されている。
この吸気管30内及び吸気ポート17内は吸気通路32
となっている。また、排気管31内及び排気ポート18
内は排気通路33となっており、排気通路33の下流側
にはエンジン11の排気ガスを浄化するための触媒33
aが設けられている。
【0021】吸気管30の上流端には、エアフローメー
タ34が設けられている。エアフローメータ34は、吸
気通路32を介して燃焼室16へ吸入される空気の量を
検出し、その検出された吸入空気量に対応した出力信号
を発生する。また、吸気管30の下流端には、燃焼室1
6内へ向かって燃料を噴射するための燃料噴射弁50が
各気筒#1〜#6毎に設けられている。この燃料噴射弁
50は、吸気通路32内の空気が同弁50に対応する気
筒#1〜#6の燃焼室16へ吸入されるとき、その燃焼
室16へ向けて燃料を噴射し、燃料及び空気からなる混
合ガスを形成する。
【0022】吸気通路32内において、エアフローメー
タ34よりも下流側には、スロットルバルブ46が設け
られている。スロットルバルブ46の開度は、自動車の
室内に設けられたアクセルペダル47の踏込量に基づき
調節され、このスロットルバルブ46の開度調節により
燃焼室16内へ吸入される空気の量が調節される。
【0023】一方、シリンダヘッド15には、燃焼室1
6内に充填された混合ガスに対して点火を行うための点
火プラグ51が設けられている。この点火プラグ51
は、エンジン11に設けられたイグナイタモジュール5
3を介して、自動車のバッテリ54に接続されている。
【0024】こうしたエンジン11にあっては、その吸
気行程において、ピストン12の下降により燃焼室16
内に負圧が発生し、その負圧により燃焼室16へ吸気通
路32を介して空気が吸入される。また、燃料噴射弁5
0からは、燃焼室16に吸入される空気の量に対応した
量の燃料が同燃焼室16へ向かって噴射され、その結
果、燃焼室16には空気と燃料とからなる混合ガスが充
填される。
【0025】その後、エンジン11の圧縮行程におい
て、ピストン12の上昇により、燃焼室16内の混合ガ
スは圧縮される。燃焼室16内で圧縮された混合ガス
は、点火プラグ51により点火されて爆発し、その爆発
力によってピストン12が下降してエンジン11は爆発
行程に移る。この爆発行程により、エンジン11は駆動
力を得ることとなる。こうして燃焼室16内で燃焼した
混合ガスは、エンジン11の排気行程において、ピスト
ン12の上昇により排気ガスとして排気通路33へ送り
出され、触媒33aで浄化された後に外部へ排出され
る。
【0026】次に、本実施形態における燃料噴射制御装
置の電気的構成を図2に基づいて説明する。この燃料噴
射制御装置は、燃料噴射時期制御及び点火時期制御な
ど、エンジン11の運転状態を制御するための電子制御
ユニット(以下「ECU」という)92を備えている。
このECU92は、ROM93、CPU94、RAM9
5、及びバックアップRAM96等を備える理論演算回
路として構成されている。
【0027】ここで、ROM93は各種制御プログラム
や、それら各種制御プログラムを実行する際に参照され
るマップ等が記憶されたメモリであり、CPU94はR
OM93に記憶された各種制御プログラムやマップに基
づいて演算処理を実行する。また、RAM95はCPU
94での演算結果や各センサから入力されたデータ等を
一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM9
6はエンジン11の停止時に保存すべきデータを記憶す
る不揮発性のメモリである。そして、ROM93、CP
U94、RAM95及びバックアップRAM96は、バ
ス97を介して互いに接続されるとともに、外部入力回
路98及び外部出力回路99と接続されている。
【0028】外部入力回路98には水温センサ11b、
クランクセンサ14c、カムセンサ22b、エアフロー
メータ34及びバッテリ54等が接続され、外部出力回
路99には各気筒#1〜#6の燃料噴射弁50及びイグ
ナイタ53等が接続されている。
【0029】このように構成されたECU92は、クラ
ンクセンサ14c及びカムセンサ22bからの検出信号
に基づき現在のクランク角Rcaを求め、そのクランク
角Rcaに基づき各気筒#1〜#6の燃料噴射弁50を
制御して燃料噴射制御を行う。こうして燃料噴射制御を
行うことで、図4に示されるように、1番気筒#1、5
番気筒#5、3番気筒#3、6番気筒#6、2番気筒#
2、4番気筒#4の順で各気筒#1〜#6での燃料噴射
が行われるようになる。
【0030】また、ECU92は、クランクセンサ14
cからの検出信号に基づきエンジン回転数NEを求め、
その求められたエンジン回転数NEに基づき燃料噴射態
様を決定する。
【0031】即ち、図3に示すように、エンジン11の
始動時などエンジン回転数NEが極めて低いときには燃
料噴射態様として「始動時噴射」が選択され、エンジン
11の始動後などエンジン回転数NEが高くなったとき
には燃料噴射態様として「始動後噴射」が選択されるこ
ととなる。そして、「始動時噴射」から「始動後噴射」
への燃料噴射態様の切り換えは、エンジン回転数NEが
上昇して例えば500rpm以上になったときに行われ
る。また、「始動後噴射」から「始動時噴射」への燃料
噴射態様への切り換えは、エンジン回転数NEが低下し
て例えば300rpm以下になったときに行われる。
【0032】ここで、燃料噴射態様として「始動時噴
射」が選択された場合と「始動後噴射」が選択された場
合とでのそれぞれの燃料噴射態様について、図7のタイ
ミングチャートを参照して説明する。この図7は、エン
ジン11における1サイクル中のクランク角Rcaの変
化に対する燃料噴射態様を「始動後噴射」の場合(図7
(a))と「始動時噴射」の場合(図7(b))とに分
けてそれぞれ示したものである。
【0033】燃料噴射態様として「始動時噴射」が選択
された場合には、エンジン11における各気筒#1〜#
6において燃料噴射が吸気バルブ19の開弁中に行われ
る。この燃料噴射は、実際のクランク角度Rcaが始動
時噴射クランク角startca2と一致したときに行
われるようになる。なお、上記始動時噴射クランク角s
tartca2は、予めROM93に記憶されており本
実施形態では固定値となっている。そして、始動時噴射
クランク角startca2は、燃料噴射が吸気バルブ
19の開弁中に行われるよう設定されている。
【0034】このように吸気バルブ19の開弁中に燃料
噴射を行うことで、エンジン11が冷えた状態にある始
動時(始動完了前)などのエンジン回転数NEが極めて
低いときにおいて、吸気バルブ19等に気化しない燃料
が付着するのを防止することができる。その結果、吸気
バルブ19等に燃料が付着することに基づき燃焼室16
内に供給される燃料が少なくなって、エンジン11の始
動性が低下するのを防止することができるようになる。
【0035】一方、燃料噴射態様として「始動後噴射」
が選択された場合には、エンジン11における各気筒#
1〜#6において燃料噴射が吸気バルブ19の開弁前
(閉弁中)に行われる。この燃料噴射は、実際のクラン
ク角Rcaが始動後噴射クランク角startcaと一
致したときに行われる。この始動後噴射クランク角st
artcaも、予めROM93に記憶されており本実施
形態では固定値となっている。そして、始動後噴射クラ
ンク角startcaは、燃料噴射が吸気バルブ19の
開弁前(閉弁中)に行われるよう設定されている。
【0036】このように吸気バルブ19の閉弁中に燃料
噴射を行うことで、燃料が吸気バルブ19に向けて噴射
されるようになる。従って、エンジン11が暖まった状
態になる始動完了後などのエンジン回転数NEが始動時
よりも高くなったときにおいては、吸気バルブ19の熱
により燃料噴射弁50から噴射された燃料の気化を促進
させ、安定した燃料燃焼を得ることができるようにな
る。
【0037】また、ECU92は、バッテリ54からの
出力電圧を求め、そのバッテリ電圧とエンジン回転数N
Eとから「始動時噴射」時の燃料噴射量を周知のマップ
に基づきマップ演算する。このように算出された「始動
時噴射」時の燃料噴射量は、エンジン回転数NEが高く
なるほど小さい値になるとともに、バッテリ電圧が低下
するほど小さい値になる。そして、ECU92は、上記
算出された燃料噴射量に基づき燃料噴射弁50を駆動制
御することで「始動時噴射」時の燃料噴射量制御を行
う。
【0038】更に、ECU92は、エアフローメータ3
4からの検出信号に基づき吸入空気量を求め、その吸入
空気量とエンジン回転数NEとから「始動後噴射」時の
燃料噴射量を周知のマップに基づきマップ演算する。こ
のように算出された「始動後噴射」時の燃料噴射量は、
エンジン回転数NEが高くなるほど大きい値になるとと
もに、吸入空気量が多くなるほど大きい値になる。そし
て、ECU92は、上記算出された燃料噴射量に基づき
燃料噴射弁50を駆動制御することで「始動後噴射」時
の燃料噴射量制御を行う。
【0039】次に、燃料噴射態様の切り換えを判断する
手順について図5を参照して説明する。この図5は、燃
料噴射態様の切り換え判断を行うための噴射切換ルーチ
ンを示すフローチャートである。同ルーチンは、ECU
92を通じて例えば所定時間毎の時間割込みにて実行さ
れる。
【0040】噴射切換ルーチンにおいてECU92は、
ステップS101の処理として、射切換フラグFc1,F
c2を「0」にリセットする。これら噴射切換フラグFc
1,Fc2は、燃料噴射態様が「始動後噴射」から「始動
時噴射」へ、または「始動時噴射」から「始動後噴射」
へ切り換えられたか否かを判断するためのものである。
なお、続くステップS102〜S106の処理は、燃料
噴射態様が「始動後噴射」から「始動時噴射」へ切り換
えられたことを判断するためのものである。また、ステ
ップS108〜ステップS112の処理は、燃料噴射態
様が「始動時噴射」から「始動後噴射」に切り換えられ
たことを判断するためのものである。
【0041】ECU92は、ステップS102の処理と
して、エンジン回転数NEが500rpm以上か否かを
判断する。そして、「NE≧500rpm」でない旨判
断されるとステップS108に進み、「NE≧500r
pm」である旨判断されるとステップS103に進む。
ECU92は、ステップS103の処理として、クラン
クセンサ14cからの検出信号に基づきエンジン回転数
NEが下降しているか否か判断し、エンジン回転数NE
が下降している旨判断されるとステップS104に進
む。ECU92は、ステップS104の処理として、エ
ンジン回転数NEが300rpm以下か否かを判断し、
「NE≦300rpm」である旨判断するとステップS
105に進む。ECU92は、ステップS105の処理
として、燃料噴射弁50を駆動制御して、燃料噴射態様
を「始動後噴射」から「始動時噴射」へと切り換える。
【0042】このようにステップS102からステップ
S105へと順次進むようなエンジン11の運転状況と
しては、例えば自動車の運転者が1速から5速に変速機
の変速位置を誤って切り換えた場合などがあげられる。
この場合には、エンジン回転数NEが500rpm以上
となって「始動後噴射」が行われてしたとしても、上記
誤った変速位置の切り換えによってエンジン回転数NE
が300rpm以下になり、燃料噴射態様が「始動後噴
射」から「始動時噴射」へと切り換えられる。こうして
燃料噴射態様が切り換えられると、ECU92は、続く
ステップS106の処理で噴射切換フラグFc1として
「1」をRAM95の所定領域に記憶する。
【0043】続いてECU92は、ステップS107の
処理で、始動後噴射領域フラグXとして「0」をRAM
95の所定領域に記憶した後、この噴射切換ルーチンを
一旦終了する。また、上記ステップS103,S104
のいずれか一方でNOと判断された場合にも、ECU9
2は、この噴射切換ルーチンを一旦終了する。上記始動
後噴射領域フラグXは、エンジン11が「始動後噴射」
を行うべき運転領域にあるか「始動時噴射」を行うべき
運転領域にあるか判断するためのものである。そして、
「X=1」であるときにはエンジン11が「始動後噴
射」を行うべき運転領域にあり、「X=0」であるとき
に「始動時噴射」を行うべき運転領域にあることとな
る。
【0044】一方、上記ステップS102の処理で「N
E≧500rpm」でない旨判断されてステップS10
8に進んだ場合、ECU92は、ステップS108の処
理として、エンジン回転数NEが300rpm以下か否
かを判断する。そして、「NE≦300rpm」でない
旨判断されると、ECU92は、この噴射切換ルーチン
を一旦終了する。また、「NE≦300rpm」である
旨判断されるとステップS109に進み、ECU92
は、エンジン回転数NEが上昇したか否かを判断する。
そして、エンジン回転数NEが上昇した旨判断されると
ステップS110に進む。ECU92は、ステップS1
10の処理として、エンジン回転数NEが500rpm
以上か否かを判断し、「NE≧500rpm」である旨
判断するとステップS111に進む。ECU92は、ス
テップS111の処理として、燃料噴射弁50を駆動制
御して、燃料噴射態様を「始動時噴射」から「始動後噴
射」に切り換える。
【0045】このようにステップS108からステップ
S111へと順次進むようなエンジン11の運転状況と
しては、例えばエンジン11をスタータモータ等によっ
て始動させる場合などがあげられる。この場合には、エ
ンジン11の始動開始時(始動完了前)においてエンジ
ン回転数NEが300rpm以下であって「始動時噴
射」が行われていたとしても、エンジン回転数NEが上
昇して始動完了することによってエンジン回転数NEが
500rpmなり、燃料噴射態様が「始動時噴射」から
「始動後噴射」に切り換えられる。こうして燃料噴射態
様が切り換えられると、ECU92は、続くステップS
112の処理で、噴射切換フラグFc2として「1」をR
AM95の所定領域に記憶する。更に、ECU92は、
ステップS113の処理で、上記始動後噴射領域フラグ
Xとして「1」をRAM95の所定領域に記憶した後、
この噴射切換ルーチンを一旦終了する。また、上記ステ
ップS109,S110のいずれか一方でNOと判断さ
れた場合にも、ECU92は、この噴射切換ルーチンを
一旦終了する。
【0046】上記噴射切換ルーチンにおいては、ステッ
プS106,S112の処理で「1」にセットされた噴
射切換フラグFc1,Fc2が、ステップS101の処理で
「0」にリセットされる。従って、噴射切換フラグFc
1,Fc2が「1」にセットされているのは、燃料噴射態
様が「始動後噴射」から「始動時噴射」へ、または「始
動時噴射」から「始動後噴射」へと切り換えられた直後
のみとなる。そして、噴射切換フラグFc1が「1」か否
かに基づき「始動後噴射」から「始動時噴射」への切り
換えが行われたか否かを判断でき、噴射切換フラグFc2
が「1」か否かに基づき「始動時噴射」から「始動後噴
射」への切り換えが行われたか否かを判断できるように
なる。
【0047】次に、本実施形態の燃料噴射制御装置によ
る燃料噴射制御の手順について図6〜図9を参照して説
明する。図6は、上記燃料噴射制御を行うための燃料噴
射制御ルーチンを示すフローチャートである。この燃料
噴射制御ルーチンは、ECU92を通じて例えば所定ク
ランク角(例えば30°CA)毎の角度割り込みにて実
行される。なお、上述した噴射切換ルーチン(図5)の
割り込みは、この燃料噴射制御ルーチンよりも十分に長
い周期をもって行われるものとする。
【0048】燃料噴射制御ルーチンにおいてECU92
は、ステップS201の処理として、始動後噴射領域フ
ラグXが「1」にセットされているか否か、即ちエンジ
ン回転数NEが図3に示される「始動後噴射」を行うべ
き領域にあるか否かを判断する。
【0049】そして、ステップS201の処理におい
て、「X=1」であってエンジン回転数NEが「始動後
噴射」領域にある旨判断された場合には、ステップS2
02に進む。ECU92は、ステップS202の処理と
して、吸気バルブ19の開弁前(閉弁中)に燃料噴射を
行う始動後噴射制御を実行した後、この燃料噴射制御ル
ーチンを一旦終了する。
【0050】また、ステップS201の処理において、
「X=1」ではなくエンジン回転数NEが「始動時噴
射」領域にある旨判断された場合にはステップS203
に進む。ECU92は、ステップS203の処理とし
て、吸気バルブ19の開弁中に燃料噴射を行う始動時燃
料噴射制御を実行した後、この燃料噴射制御ルーチンを
一旦終了する。
【0051】次に、上記始動後噴射制御の制御手順を図
8に基づいて説明する。図8は、始動後噴射制御を実行
するための始動後噴射制御ルーチンを示すフローチャー
トである。この始動後噴射制御ルーチンは、上記燃料噴
射制御ルーチンにおいてステップS202に進んだと
き、ECU92を通じて実行される。
【0052】始動後噴射制御ルーチンにおいてECU9
2は、ステップS301の処理で、噴射切換フラグFc2
として「1」がRAM95の所定領域に記憶されている
か否か、即ち「始動時噴射」から「始動後噴射」に切り
換えられた直後か否かを判断する。そして、「Fc2=
1」でないことに基づき「始動時噴射」から「始動後噴
射」に切り換えられた直後でない旨判断された場合、ス
テップS302に進む。ECU92は、ステップS30
2の処理として、後述する始動後噴射完了フラグF1と
して「0」がRAM95の所定領域に記憶されているか
否か、即ち始動後噴射制御時における1サイクル中の燃
料噴射が未完了か否かを判断する。そして、「F1=
0」でなく燃料噴射完了済みである旨判断されるとステ
ップS306に進み、「F1=0」であって燃料噴射未
完了である旨判断されるとステップS303に進む。
【0053】このようにステップS302からステップ
S303に進んだ場合には、「始動後噴射」の始動後噴
射クランク角startcaの前(図7において「始動
後噴射」の領域A)に実際のクランク角Rcaが位置す
ることとなる。ECU92は、ステップS303の処理
として、実際のクランク角Rcaが「始動後噴射」の始
動後噴射クランク角startcaを越えた(「Rca
≧startca」)か否かを判断する。そして、「R
ca≧startca」でない旨判断されるとステップ
S306に進み、「Rca≧startca」である旨
判断されるとステップS304に進む。
【0054】ECU92は、ステップS304の処理と
して、燃料噴射弁50を駆動制御することによって始動
後噴射制御時における燃料噴射を実行する。続いてステ
ップS305に進み、ECU92は、始動後噴射完了フ
ラグF1として「1」をRAM95の所定領域に記憶し
た後、ステップS306に進む。このように始動後噴射
完了フラグF1が「1」にセットされた場合には、「始
動後噴射」の始動後噴射クランク角startcaの後
(図7において「始動後噴射」の領域B,C)に実際の
クランク角Rcaが位置することとなる。また、「F1
=1」となることによって、ステップS302の判断処
理でNOと判断されるようになるため、ステップS30
3〜S305の燃料噴射処理が行われることがなくな
る。
【0055】ECU92は、ステップS306の処理と
して、点火プラグ51による点火が行われたか否かを判
断し、点火が行われていない旨の判断がされた場合に
は、この始動後噴射制御ルーチンを一旦終了する。そし
て、燃料噴射ルーチン(図6)に戻る。また、ステップ
S306の処理で点火が行われた旨判断された場合には
ステップS307に進み、ECU92は、始動後噴射完
了フラグF1として「0」をRAM95の所定領域に記
憶した後、この始動後噴射制御ルーチンを一旦終了す
る。従って、始動後噴射完了フラグF1は、点火プラグ
51による点火毎に「0」にリセットされるようにな
る。
【0056】一方、上記ステップS301において、
「Fc2=1」であることに基づき「始動時噴射」から
「始動後噴射」に切り換えられた直後である旨判断され
た場合、ステップS308に進む。ECU92は、ステ
ップS308の処理として、後述する始動時噴射完了フ
ラグF2が「1」にセットされているか否か判断する。
この始動時噴射完了フラグF2は、図7(b)に示すよ
うに「始動時噴射」実行時において、点火が行われてか
ら燃料噴射が開始されるまでは「0」にセットされ、燃
料噴射が完了してから点火が行われるまでは「1」にセ
ットされる。
【0057】上記ステップS308でYESと判断され
るようなエンジン11の運転状況としては、始動時噴射
クランク角startca2の後に実際のクランク角R
caが位置した状態で、燃料噴射態様の切り換えによっ
て図7における「始動時噴射」の領域Cから「始動後噴
射」の領域Cに移行した場合があげられる。そして、ス
テップS308でYESと判断されるとステップS30
9に進み、ECU92は、始動時噴射完了フラグF2を
「0」にリセットする。その後、ステップS305に進
み、ECU92が始動後噴射完了フラグF1を「1」に
セットする。このように「F1=1」とすることで、次
回の点火が行われるまでは、実際のクランク角Rcaが
「始動後噴射」の始動後噴射クランク角startca
を越えていても、始動後噴射制御時の燃料噴射が行われ
ることはない。
【0058】また、上記ステップS308でNOと判断
されるようなエンジン11の運転状況としては、始動時
噴射クランク角startca2の前に実際のクランク
角Rcaが位置した状態で、燃料噴射態様の切り換えに
よって図7における「始動時噴射」の領域A,Bから
「始動後噴射」の領域A,Bに移行した場合があげられ
る。そして、ステップS308でNOと判断されるとス
テップS303に進み、同ステップS303以後の処理
が実行される。そのステップS303の処理によって、
「始動時噴射」から「始動後噴射」への切り換え直後に
おいて、既に実際のクランク角Rcaが「始動後噴射」
の始動後噴射クランク角startcaを越えている場
合には、直ちに始動後噴射制御時における燃料噴射が行
われるようになる。このため、「始動時噴射」から「始
動後噴射」への切換時に燃料噴射が行われないことに基
づきエンジン11の出力が低下するのを防止することが
できるようになる。
【0059】次に、上記始動時噴射制御の制御手順を図
9に基づいて説明する。図9は、始動時噴射制御を実行
するための始動時噴射制御ルーチンを示すフローチャー
トである。この始動時噴射制御ルーチンは、上記燃料噴
射制御ルーチンにおいてステップS203に進んだと
き、ECU92を通じて実行される。
【0060】始動時噴射制御ルーチンにおいてECU9
2は、ステップS401の処理で、噴射切換フラグFc1
として「1」がRAM95の所定領域に記憶されている
か否か、即ち「始動後噴射」から「始動時噴射」に切り
換えられた直後か否かを判断する。そして、「Fc1=
1」でないことに基づき「始動後噴射」から「始動時噴
射」に切り換えられた直後でない旨判断された場合、ス
テップS402に進む。ECU92は、ステップS40
2の処理として、始動時噴射完了フラグF2として
「0」がRAM95の所定領域に記憶されているか否
か、即ち始動時噴射制御時における1サイクル中の燃料
噴射が未完了か否かを判断する。そして、「F2=0」
でなく燃料噴射完了済みである旨判断されるとステップ
S406に進み、「F2=0」であって燃料噴射未完了
である旨判断されるとステップS403に進む。
【0061】このようにステップS402からステップ
S403に進んだ場合には、始動時噴射クランク角st
artca2の前(図7において「始動時噴射」の領域
A,B)に実際のクランク角Rcaが位置することとな
る。ECU92は、ステップS403の処理として、実
際のクランク角Rcaが「始動時噴射」の始動時噴射ク
ランク角startca2を越えた(「Rca≧sta
rtca2」)か否かを判断する。そして、「Rca≧
startca2」でない旨判断されるとステップS4
06に進み、「Rca≧startca2」である旨判
断されるとステップS404に進む。
【0062】ECU92は、ステップS404の処理
で、燃料噴射弁50を駆動制御することによって始動時
噴射制御時における燃料噴射を実行する。続いてステッ
プS405に進み、ECU92は、始動時噴射完了フラ
グF2として「1」をRAM95の所定領域に記憶した
後、ステップS406に進む。このように始動時噴射完
了フラグF2が「1」にセットされた場合には、「始動
時噴射」の始動時噴射クランク角startca2の後
(図7において「始動時噴射」の領域C)に実際のクラ
ンク角Rcaが位置することとなる。また、「F2=
1」となることによって、ステップS402の判断処理
でNOと判断されるようになるため、ステップS403
〜S405の燃料噴射処理が行われることがなくなる。
【0063】ECU92は、ステップS406の処理と
して、点火プラグ51による点火が行われたか否かを判
断し、点火が行われていない旨の判断がされた場合には
ECU92が始動時射制御ルーチンを一旦終了する。そ
して、燃料噴射ルーチン(図6)に戻る。また、ステッ
プS406の処理で点火が行われた旨判断された場合に
はステップS407に進み、ECU92は、始動時噴射
完了フラグF2として「0」をRAM95の所定領域に
記憶した後、始動時噴射制御ルーチンを一旦終了する。
従って、始動時噴射完了フラグF2は、点火プラグ51
による点火毎に「0」にリセットされるようになる。
【0064】一方、上記ステップS401において、
「Fc1=1」であることに基づき「始動後噴射」から
「始動時噴射」に切り換えられた直後である旨判断され
た場合、ステップS408に進む。ECU92は、ステ
ップS408の処理として、始動後噴射完了フラグF1
が「1」にセットされているか否か判断する。
【0065】上記ステップS408において、NOと判
断されるようなエンジン11の運転状況としては、「始
動後噴射」の始動後噴射クランク角startcaの前
に実際のクランク角Rcaが位置した状態で、燃料噴射
態様の切り換えによって図7における「始動後噴射」の
領域Aから「始動時噴射」の領域Aに以降した場合があ
げられる。そして、ステップS408でNOと判断され
るとステップS403に進み、同ステップS403以後
の処理が実行される。
【0066】また、上記ステップS408でYESと判
断されるようなエンジン11の運転状況としては、「始
動後噴射」の始動後噴射クランク角startcaの後
に実際のクランク角Rcaが位置した状態で、燃料噴射
態様の切り換えによって図7における「始動後噴射」の
領域B,Cから「始動時噴射」の領域B,Cに移行した
場合があげられる。そして、ステップS408でYES
と判断されるとステップS409に進み、ECU92
は、始動後噴射完了フラグF1を「0」にリセットす
る。その後、ステップS405に進み、ECU92が始
動時噴射完了フラグF2を「1」にセットする。このよ
うに「F2=1」とすることで、次回の点火が行われる
までは、実際のクランク角Rcaが始動時噴射クランク
角startca2を越えても、始動時噴射制御時にお
ける燃料噴射が行われることはくなる。
【0067】最後に、上記始動後噴射制御及び始動時噴
射制御の動作について図7のタイミングチャートを参照
して総括する。「始動後噴射」実行中においては、始動
後噴射完了フラグF1によりエンジン11の1サイクル
中において燃料噴射が実行されたか否かが判断される。
即ち、点火プラグ51による点火が行われてから燃料噴
射開始までの間には、始動後噴射完了フラグF1として
「0」がRAM95の所定領域に記憶される。また、燃
料噴射開始から点火プラグ51による次回の点火が行わ
れるまでの間には、始動後噴射完了フラグF1として
「1」がRAM95の所定領域に記憶される。従って、
始動後噴射完了フラグF1が「1」にセットされている
ときには、1サイクル中における燃料噴射が完了済みと
いうことになる。
【0068】また、「始動時噴射」実行中においては、
始動時噴射完了フラグF2によって、エンジン11の1
サイクル中において燃料噴射が実行されたか否かが判断
される。即ち、点火プラグ51による点火が行われてか
ら燃料噴射開始までの間には、始動時噴射完了フラグF
2として「0」がRAM95の所定領域に記憶される。
また、燃料噴射開始から点火プラグ51による次回の点
火が行われるまでの間には、始動時噴射完了フラグF2
として「1」がRAM95の所定領域に記憶される。従
って、始動時噴射完了フラグF2が「1」にセットされ
ているときには、1サイクル中における燃料噴射が完了
済みということになる。
【0069】ところで、本実施形態の燃料噴射制御装置
においては、実際のクランク角Rcaが例えば「始動後
噴射」の始動後噴射クランク角startcaから「始
動時噴射」の始動時噴射クランク角startca2ま
での間にあるとき、燃料噴射態様が「始動時噴射」から
「始動後噴射」に切り換えられる場合がある。この場
合、「始動後噴射」の始動後噴射クランク角start
caで表される切換後の燃料噴射時期が、「始動時噴
射」の始動時噴射クランク角startca2で表され
る切換前の燃料噴射時期よりも進角することとなる。そ
して、上記のように「始動時噴射」から「始動後噴射」
に切り換えられたときには、その実際のクランク角Rc
aが既に「始動後噴射」の始動後噴射クランク角sta
rtcaを越えているため、本来は行われるべき燃料噴
射が行われずにエンジン11の出力が低下するおそれが
ある。しかし、本実施形態では、上記のように「始動時
噴射」から「始動後噴射」に切り換えられたとき、実際
のクランク角Rcaが「始動後噴射」の始動後噴射クラ
ンク角startcaを越えていれば、ECU92が直
ちに始動後噴射制御における燃料噴射を実行すべく燃料
噴射弁50を駆動制御する。その結果、「始動時噴射」
から「始動後噴射」への切換時に、「始動後噴射」の始
動後噴射クランク角startcaに対応する燃料噴射
が行われないことに基づきエンジン11の出力が低下す
るのを防止することができるようになる。
【0070】また、実際のクランク角Rcaが例えば
「始動後噴射」の始動後噴射クランク角startca
から「始動時噴射」の始動時噴射クランク角start
ca2までの間にあるとき、燃料噴射態様が「始動後噴
射」から「始動時噴射」に切り換えられる場合もある。
この場合、「始動時噴射」の始動時噴射クランク角st
artca2で表される切換後の燃料噴射時期が「始動
後噴射」の始動後噴射クランク角startcaで表さ
れる切換前の燃料噴射時期よりも遅角することとなる。
そして、上記のように「始動後噴射」から「始動時噴
射」に切り換えられたときには、実際のクランク角Rc
aが既に「始動時噴射」の始動時噴射クランク角sta
rtcaを未だ越えていない。そのため、始動後噴射制
御時に燃料噴射を既に行っているにも拘わらず、始動時
噴射制御における燃料噴射を実行してしまい、その燃料
噴射の分だけエンジン11の燃費が悪化することとな
る。しかし、本実施形態では、上記のように「始動後噴
射」から「始動時噴射」に切り換えられたとき、実際の
クランク角Rcaが「始動時噴射」の始動時噴射クラン
ク角startca2と一致しても、燃料噴射が行われ
ないよう燃料噴射弁50による燃料噴射を中止させる。
その結果、「始動後噴射」から「始動時噴射」への切換
時に余分に燃料噴射が行われることに基づきエンジン1
1の燃費が悪化するのを防止することができるようにな
る。
【0071】本実施形態の燃料噴射制御装置にあって
は、このような噴射制御が6気筒ある内の各気筒#1〜
#6(図4)毎に実行される。即ち、実際には、1番気
筒#1、5番気筒#5、3番気筒#3、6番気筒#6、
2番気筒#2、4番気筒#4といった順で、各気筒#1
〜#6に対し、上記一連の燃料噴射制御が繰り返し実行
される。
【0072】以上詳述した処理が行われる本実施形態に
よれば、以下に示す効果が得られるようになる。 (1)「始動時噴射」から「始動後噴射」への切換時
に、「始動時噴射」における燃料噴射が行われないこと
に基づきエンジン11の出力が低下するのを防止するこ
とができる。
【0073】(2)「始動後噴射」から「始動時噴射」
への切換時に余分に燃料噴射が行われることに基づきエ
ンジン11の燃費が悪化するのを防止することができ
る。 (3)本実施形態では、エンジン回転数NEに基づきエ
ンジン11が始動完了前の状態であるか始動完了後の状
態であるか判断しているが、その判定回転数に所定のヒ
ステリシス(本実施形態では200rpm)をもたせて
いるため、エンジン回転数NEが上記判定回転数付近で
変動したときに上記判断が過敏に行われるのを防止する
ことができる。
【0074】なお、本実施形態は、例えば以下のように
変更することもできる。 ・本実施形態において、燃料噴射態様が「始動後噴射」
から「始動時噴射」へ切り換えられたときに行われる本
発明にかかる燃料噴射制御を省略してもよい。この場
合、ECU92の制御負荷を軽減することができる。
【0075】・本実施形態では、エンジン11が始動完
了前の状態であるか始動完了後の状態であるか判断する
ための判定回転数に200rpmのヒステリシスをもた
せたが、そのヒステリシスを適宜変更してもよい。
【0076】・また、上記ヒステリシスを必ずしも持た
せる必要はない。次に、以上の実施形態から把握するこ
とのできる請求項以外の技術的思想を、その効果ととも
に以下に記載する。
【0077】(1)内燃機関が始動完了前の運転状態に
あるときには同機関の吸気バルブ開弁中に同機関の吸気
通路から燃焼室に向けて燃料噴射を行い、内燃機関が始
動完了後の運転状態にあるときには前記吸気バルブ開弁
前に前記燃料噴射を行うよう燃料噴射時期を制御する内
燃機関の燃料噴射制御方法において、内燃機関の運転状
態が始動完了前の状態から始動完了後の状態に変化した
ことを検出し、その内燃機関の運転状態変化が検出され
たとき、機関始動後の燃料噴射時期が既に経過し、且つ
機関始動時の燃料噴射が行われていない気筒に対して強
制的に燃料噴射を行うことを特徴とする内燃機関の燃料
噴射制御方法。
【0078】この方法によれば、内燃機関の運転状態が
始動完了前の状態から始動完了後の状態に変化したと
き、機関始動後での燃料噴射時期が既に経過し、且つ機
関始動時での燃料噴射が行われていない気筒に対して強
制的に燃料噴射が行われるため、その燃料噴射が実行さ
れないことに基づく内燃機関の出力低下を防止すること
ができる。
【0079】(2)内燃機関が始動完了前の運転状態に
あるときには同機関の吸気バルブ開弁中に同機関の吸気
通路から燃焼室に向けて燃料噴射を行い、内燃機関が始
動完了後の運転状態にあるときには前記吸気バルブ開弁
前に前記燃料噴射を行うよう燃料噴射時期を制御する内
燃機関の燃料噴射制御プログラムを記憶したコンピュー
タ読み取り可能な記憶媒体において、内燃機関の運転状
態が始動完了前の状態から始動完了後の状態に変化した
ことを検出し、その内燃機関の運転状態変化が検出され
たとき、機関始動後の燃料噴射時期が既に経過し、且つ
機関始動時の燃料噴射が行われていない気筒に対して強
制的に燃料噴射を行う内燃機関の燃料噴射制御プログラ
ムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0080】この記憶媒体に記憶されたプログラムによ
れば、内燃機関の運転状態が始動完了前の状態から始動
完了後の状態に変化したとき、機関始動後での燃料噴射
時期が既に経過し、且つ機関始動時での燃料噴射が行わ
れていない気筒に対して強制的に燃料噴射が行われるた
め、その燃料噴射が実行されないことに基づく内燃機関
の出力低下を防止することができる。
【0081】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、内燃機関
の運転状態が始動完了前の状態から始動完了後の状態に
切り換えられたとき、機関始動後での燃料噴射時期が既
に経過し、且つ機関始動時での燃料噴射が行われていな
い気筒に対して強制的に燃料噴射が行われるため、その
燃料噴射が実行されないことに基づく内燃機関の出力低
下を防止することができる。
【0082】請求項2記載の発明によれば、内燃機関の
始動完了前後での運転状態変化を検出するための判定回
転数付近で同機関の回転数が変動したとしても、その判
定回転数に所定のヒステリシスをもたせているため、上
記運転状態変化の検出が過敏に行われるのを防止するこ
とができる。
【0083】請求項3記載の発明によれば、内燃機関の
運転状態が始動完了前の状態から始動完了後の状態へと
切り換えられたとき、機関始動時での燃料噴射時期に未
だ達せず、且つ機関始動後での燃料噴射が終了している
気筒に対して燃料噴射が一時的に禁止されるため、燃料
再噴射による内燃機関の燃費悪化を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の燃料噴射制御装置が適用されたエ
ンジン全体を示す断面図。
【図2】同燃料噴射制御装置の電気的構成を示すブロッ
ク図。
【図3】エンジン回転数の変化に対する燃料噴射態様の
切換態様を示すグラフ。
【図4】エンジンの各気筒毎における燃料噴射態様を示
すタイムチャート。
【図5】燃料噴射態様の切換判断手順を示すフローチャ
ート。
【図6】燃料噴射制御手順を示すフローチャート。
【図7】始動後及び始動時噴射制御が行われる際の燃料
噴射制御態様を示すタイミングチャート。
【図8】始動後噴射制御の制御手順を示すフローチャー
ト。
【図9】始動時噴射制御の制御手順を示すフローチャー
ト。
【符号の説明】
11…エンジン、14c…クランクセンサ、16…燃焼
室、19…吸気バルブ、32…吸気通路、50…燃料噴
射弁、92…電子制御ユニット(ECU)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G084 AA03 BA15 CA01 CA02 DA01 DA02 EA11 EA13 EB02 EB24 EC02 EC03 FA33 FA38 FA39 3G301 HA01 HA06 JA01 JA02 KA01 KA05 KA11 LB02 MA06 MA19 MA21 NA08 NB06 NB11 NC01 NC02 NC08 NE11 NE12 NE26 PA01Z PE01Z PE03Z PE05Z PE08Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の各気筒に対応する各吸気通路に
    設けられてそれら対応する燃焼室へ燃料を噴射供給する
    燃料噴射手段を備え、機関始動時には吸気バルブ開弁中
    に燃料噴射を行い、機関始動後には吸気バルブ開弁前に
    燃料噴射を行うよう前記燃料噴射手段の駆動時期を制御
    する内燃機関の燃料噴射制御装置において、 内燃機関の運転状態が始動完了前の状態と始動完了後の
    状態とで変化したことを検出する運転状態変化検出手段
    と、 前記運転状態変化検出手段により前記始動完了前の状態
    から前記始動完了後の状態への運転状態変化が検出され
    たとき、機関始動後の燃料噴射時期が既に経過し、且つ
    機関始動時の燃料噴射が行われていない気筒に対応する
    燃料噴射手段を強制駆動する強制駆動手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記運転状態変化検出手段は、内燃機関の
    回転数に基づき、且つその判定回転数に所定のヒステリ
    シスをもたせて、前記運転状態が始動完了前の状態と始
    動完了後の状態とで変化したことを検出する請求項1記
    載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の内燃機関の燃料噴射
    制御装置において、 前記運転状態変化検出手段により前記始動完了後の状態
    から前記始動完了前の状態への運転状態変化が検出され
    たとき、機関始動時の燃料噴射時期に未だ達せず、且つ
    機関始動後の燃料噴射が終了している気筒に対応する燃
    料噴射手段の駆動を一時禁止する駆動禁止手段を更に備
    えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
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