JP2000053492A - 単結晶物品とその製造方法及び用途 - Google Patents

単結晶物品とその製造方法及び用途

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JP2000053492A
JP2000053492A JP10224032A JP22403298A JP2000053492A JP 2000053492 A JP2000053492 A JP 2000053492A JP 10224032 A JP10224032 A JP 10224032A JP 22403298 A JP22403298 A JP 22403298A JP 2000053492 A JP2000053492 A JP 2000053492A
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Akira Yoshinari
明 吉成
Hideki Tamaoki
英樹 玉置
Akira Okayama
昭 岡山
Toshiaki Saito
年旦 斉藤
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】引張り及びクリープ強度に優れた単結晶物品と
それを用いたガスタービン用単結晶動翼及び静翼、及び
その製造方法を提供する。 【解決手段】単結晶鋳造材表面の残留応力を有する表面
層を除去することにより、再結晶粒を発生させることな
く、溶体化熱処理を行うことにより、単結晶物品が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な単結晶鋳造材
とその熱処理方法及び用途に関する。
【0002】
【従来の技術】発電用ガスタービンの動翼材料は、従来
から主としてNi基の超合金が使用されてきたが、ガス
タービンの熱効率向上を図るため、燃焼ガス温度の高温
化とガスタービン自体の大容量化が図られてきた。そし
て、燃焼ガス温度の高温化に対しては、タービン動翼の
初段及び2段動翼の耐熱強度を上げることが必要であ
り、そのため組織的には普通鋳造による等軸晶翼から一
方向凝固による柱状晶翼、或いは単結晶翼へと変化する
と共に、翼内部に複雑な冷却孔を設け、内部からの冷却
を図ってきた。
【0003】一方、発電用ガスタービンの静翼では、従
来コバルト基の合金が用いられてきたが、燃焼ガス温度
の上昇に伴い、コバルト基合金では、強度不足が顕著と
なり、静翼においても、動翼と同様にニッケル基の単結
晶合金が使用され、さらに翼内部に複雑な冷却孔を設
け、内部からの冷却が図られている。
【0004】単結晶鋳物の大部分は、特公昭45−40661
号や特開昭59−42171 号に示されるセレクタを用いた一
方向凝固法や、特公昭60−44168 号や特公平1−26796号
に示される種を用いた一方向凝固法で製造されている。
この方法は、加熱した炉の中から鋳型を下方に引き出
し、下端から上方に漸次凝固させる方法である。この方
法により、遠心応力が作用する長手方向Z軸の結晶方位
を〈001〉方位した単結晶動翼や、翼長手方向Z軸の
結晶方位を〈001〉方位とした静翼が製造され、クリ
ープ強度特性や熱疲労強度特性が飛躍的に改善されてき
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ガスタービン用動翼及
び静翼の内部冷却孔は、セラミック中子を用いて形成さ
れるが、冷却を更に強化するため、冷却用パスの数を多
くすると共に、翼自体の薄肉化が図られてきた。単結晶
動翼及び静翼は一方向凝固法で製造されるため、溶融金
属は中子を鋳ぐるんだ状態で凝固し、その後室温まで冷
却される。そして、冷却時には熱収縮を生じる。中子と
鋳造金属の熱膨張係数を比較すると、中子は金属より一
桁程度小さい値を示すため、金属はほとんど収縮しない
中子を内部に鋳ぐるんだまま収縮することになり、冷却
の過程で大きな引っ張り応力が発生してくることにな
る。このため鋳造品は強度の弱い部分、或いは応力集中
の生じ易い部分に局所的な変形が生じ残留応力が発生す
る。これらは、中子の接している面で生じやすいが、鋳
型と接している鋳物表面でも同様な残留応力が発生す
る。
【0006】一方、単結晶動翼及び静翼の高温強度を向
上させるためには、鋳造後の溶体化熱処理、及びその後
の時効熱処理が有効であることが一般に知られている。
溶体化熱処理は、凝固後析出したγ′相を母相中に固溶
させる処理であり、その後の時効熱処理でγ′相を析出
させ、析出γ′相の大きさや形状を最適化することで高
温強度を向上させている。
【0007】しかし、大きな残留応力が発生している単
結晶動翼及び静翼の溶体化熱処理を行うと、溶体化の過
程において再結晶が発生する。単結晶合金は、その名の
示すように結晶粒界が無いため、結晶粒界強化元素を不
純物元素として取り扱い、含有量を極力少なくしてい
る。このような合金が再結晶すると、結晶粒界は非常に
弱く、通常は溶体化熱処理後、或いは時効熱処理後の冷
却のみで割れが入る程度の弱さになる。そのため単結晶
動翼及び静翼は、再結晶のない完全な単結晶にする必要
がある。
【0008】単結晶動翼及び静翼は、航空機用ジェット
エンジンに数多く用いられている。これらの動翼及び静
翼は、翼長が最大でも10cm程度、重さも数百グラムで
あることから、鋳造時の残留応力は小さく、そのため再
結晶が生じにくく、溶体化熱処理を容易に行うことが可
能であった。
【0009】しかし、発電用ガスタービンに用いられる
動翼及び静翼は、翼の形状が複雑であるばかりでなく、
翼長は15〜40cm、重さも数kgから10kg程度と非常
に大きいため、鋳造時の残留応力が大きくなり、従来の
航空機用ジェットエンジンに用いられている動翼及び静
翼に比べて、著しい再結晶が発生するという問題が生じ
てきた。
【0010】鋳造材の再結晶を防止する方法として、公
開特許公報 昭59−64593 号には、真空中で再結晶温度
より低い温度に加熱保持し、回復させる方法が述べられ
ている。また、日本国特許2533678 号には、機械的周期
的振動エネルギーを与えて、残留応力を緩和する方法が
述べられている。
【0011】しかし、これらの方法は残留応力が小さい
もの、すなわち航空機用ジェットエンジンに使用されて
いる翼程度の大きさの物には有効であるが、残留応力が
大きい発電ガスタービン用の動翼及び静翼に対しては、
有効な方法でなかった。
【0012】以上述べたように、従来技術による方法で
は、発電用の大型単結晶動翼及び静翼の再結晶を完全に
は防止できないため、熱処理時の製品歩留まりが悪かっ
た。本発明の目的は、単結晶鋳造時の冷却過程で発生し
た残留応力が存在している表面層を除去し、再結晶を発
生させることなく溶体化熱処理を行うことができる単結
晶物品とその製造方法及び用途を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、単結晶鋳造材
の表面に残留応力を有する表面層が除去され、実質的に
再結晶層がフリーであることを特徴とする単結晶物品に
ある。
【0014】本発明は、単結晶鋳造材を、該鋳造材の再
結晶温度以上で熱処理を行う単結晶物品の製造方法にお
いて、前記熱処理前に該鋳造材の表面に残留応力を有す
る表面層を除去することを特徴とする単結晶物品の製造
方法にある。
【0015】即ち、本発明に係る単結晶物品の製造方法
では、単結晶鋳造材を、該材料の再結晶温度以上で行う
熱処理において、熱処理前に該材の表面層を除去するこ
とを特徴としている。
【0016】また、本発明に係る単結晶物品の製造方法
では、該材の表面層を除去する方法として、大気中或い
は酸化雰囲気中で高温保持し、表面層を酸化させること
を特徴としている。
【0017】また、本発明に係る単結晶物品の製造方法
では、該材の表面層を除去する方法として、腐食液中で
の化学研磨により行うことを特徴としている。
【0018】また、本発明に係る単結晶物品の製造方法
では、該材の表面層を除去する方法として、腐食液中で
電流を流す電気化学的な方法で行うことを特徴としてい
る。また、本発明に係る単結晶物品の製造方法では、鋳
造単結晶材はNiを主成分とするNi基超合金であるこ
とを特徴としている。
【0019】また、本発明に係る単結晶物品の製造方法
では、Ni基超合金である鋳造単結晶材が、発電用ガス
タービンの動翼、又は静翼であることを特徴としてい
る。
【0020】また、本発明に係る単結晶物品の製造方法
では、鋳造単結晶材がオーステナイト系ステンレス鋼で
あることを特徴としている。
【0021】また、本発明に係る単結晶物品の製造方法
では、鋳造単結晶材であるオーステナイト系ステンレス
鋼が、原子炉用材料として使用されることを特徴として
いる。
【0022】また、本発明に係る単結晶物品の製造方法
では、除去される表面層の厚さは、0.05〜0.5mmの
範囲であることを特徴としている。
【0023】本発明に係る再結晶の防止法は、熱処理前
に鋳造時の高い残留歪が発生している表面層を除去して
いることから、再結晶を発生させることなく溶体化熱処
理を行うことができる。
【0024】本発明は、翼部と、該翼部に連なる平坦部
を有するプラットフォームと、該プラットフォームに連
なるシャンク部と、該シャンク部の両側に設けられた突
起からなるフィンと、前記シャンク部に連なるダブティ
ルとを有するガスタービン用動翼において、また、翼部
と、該翼部両端に各々設けられたサイドウォールとを有
するガスタービン用静翼において、前記動翼又は静翼は
単結晶のNi基鋳造材よりなり、該鋳造材の表面に残留
応力を有する表面層が除去され、実質的に再結晶層がフ
リーであり、前記動翼においては前記翼部とプラットフ
ォーム又は静翼においては前記翼部とサイドウォールの
翼部側表面に耐熱被覆層を設けられ、該耐熱被覆層の構
成が前記基材の上に、前記基材に比べ高温耐食耐酸化性
に優れた合金からなるメタル層を設け、その上に順次、
Al23系セラミックス薄膜層、緻密な粒状組織からな
るZrO2 系セラミックス被覆層及び柱状組織のZrO
2系セラミックス被覆層を設け、かつ、前記柱状組織の
ZrO2 系セラミックス層は膜厚方向にクラックが生じ
ていることを特徴とする。
【0025】本発明に係るガスタービン用動翼及び静翼
に用いるNi基超合金は、重量で、C0.1%以下,C
r2.5〜15%,Co3〜10%,W4〜10%,R
e6%以下,Mo0.4〜2% ,Nb2%以下,Ta5
〜10%,Al3〜6%,Ti4.5%以下,Hf0.0
3〜0.3%,B0.03%以下を有するものが好まし
い。以下は0%をも意味する。
【0026】
【発明の実施の形態】〔実施例1〕図1は本発明に係る
単結晶鋳造材の熱処理工程を示し、図2は本発明の適用
対象としている単結晶鋳造材の製造方法の概略を示した
断面図である。
【0027】図2において、最初、水冷チルプレート9
の上にセットしたアルミナを主成分とする鋳型6を固定
し、それを鋳型加熱炉2の中にセットし、鋳型6をNi
基超合金の融点以上に加熱する。この時に、中子5は、
中子に設けた中子突起や巾木部で、固定支持されてい
る。次に溶解炉1にて溶解したNi基超合金の溶湯3を
鋳型6の中に鋳込み、その後水冷チルプレート9を下方
に引き出し一方向凝固させた。一方向凝固では最初スタ
ータ8で多くの結晶を発生させ、その後セレクタ7で1
つの結晶を選択し、その結晶を上方に成長させ、単結晶
動翼が得た。この場合、鋳型加熱炉2は鋳型6が完全に
引出され、凝固が終了するまで高温に保った。また上記
工程は全て真空ポンプ10を用いて真空中で行った。4
は鋳物、11は炉殻である。
【0028】図3に図2の方法で得られた単結晶のNi
基超合金よりなるガスタービン動翼の斜視図である。動
翼は、全長170mmの大きさである。表1に本実施例1
における単結晶動翼の鋳造条件を示す。表2に鋳造に用
いたNi基超合金の化学組成(重量%)を示す。A〜H
の8種類の合金を用いて、それぞれ単結晶動翼を鋳造し
た。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】鋳造後、150℃−10気圧に加熱・加圧
した15%NaOH水溶液のオートクレイブ容器中で中
子除去を行った。
【0032】中子除去後、各合金に対し溶体化熱処理を
行った。表3に各単結晶合金に行った溶体化熱処理条件
を示す。溶体化熱処理は単結晶鋳造時の凝固過程で晶出
した共晶γ′相、及び冷却過程で析出したγ′相を、γ
相中に再固溶させる熱処理であり、Ni基の単結晶合金
には必要不可欠な熱処理である。
【0033】
【表3】
【0034】尚、溶体化熱処理を行うにあたっては、表
4に示す3種類の方法で鋳造材の表面層をそれぞれ除去
したものについて行った。尚、表面層除去の効果を確認
するため、中子除去のままで表面層を除去しないものに
ついても行った。
【0035】溶体化熱処理後、マクロ腐食を行い、再結
晶粒の発生の有無を調査した。再結晶は、鋳造時の残留
応力が一番大きくなると予想される翼とプラットホーム
の付け根部で発生していた。尚、直径が0.3mm 以下の
再結晶粒は、最終的に砥石研磨で除去できるため、再結
晶とは見なさないで評価した。
【0036】
【表4】
【0037】表5に溶体化処理後の再結晶粒の発生率
(%)の比較を示す。表面層を除去してから溶体化熱処
理を行った本発明の方法では、表面層を除去しない従来
法に対し、再結晶粒の発生が大幅に低減した。
【0038】尚、本発明の方法では、除去する表面層の
厚さが重要である。除去する表面層の厚さが0.05mm
以下では、再結晶の防止に効果が見られず、また、0.
5mmまで除去すると再結晶の発生を著しく防止でき、再
結晶の発生をほぼ100%防止することが出来た。
【0039】
【表5】
【0040】一般に、除去する表面層の厚さが厚いほ
ど、再結晶の防止に有効であるが、表面層を除去すると
その分が寸法が小さくなることから、除去できる表面層
の最大の厚さは、個々の製品の寸法公差できまってく
る。本発明の方法で除去する表面層の厚さは、それぞれ
の除去法での除去時間を一定とすることで、容易に寸法
公差内に納めることが可能であり、なんら実害を生じる
ことはない有用な方法であった。
【0041】従って、本発明は単結晶材に再結晶粒を発
生させることなく溶体化熱処理を行うことができ、以下
に説明する高温の燃焼ガスにさらされる翼部とそれを支
えるプラットフォーム表面への熱遮へい層を形成した。
その形成前又は形成後での時効処理においても全体とし
て単結晶を有するものであることが確認された。
【0042】翼部17及びプラットフォーム12の表面
にMCrAlY合金(Co−32%Ni−21%Cr−
8%Al−0.5%Y)粉末を用いて減圧雰囲気中プラズ
マ溶射にて結合層を形成した。形成した結合層の厚さは
100μmである。
【0043】しかる後、結合層を設けた表面に、蒸着源
とイオンビーム源を有した成膜装置を用いて二層構造の
ZrO2 系被覆層を作製した。蒸着源の材料としてZr
2−6%Y23を用い、イオンビームとして酸素イオ
ンを用いた。成膜方法としては、先ず、結合層の表面に
酸素イオンビームを照射し、酸素イオンによる結合層表
面のスパッタークリーニングと結合層表面の酸素イオン
注入による表面酸化を行った。その結果、結合層表面は
清浄化されるとともに、約0.1μm 程のAl23が形
成された。
【0044】しかる後、酸素イオン照射を行ったまま
0.5μmの厚さのZrO2−6%Y2O3の蒸着を行った。
その結果、結合層の表面のAl23と蒸着材料のZrO2
−6%Y23の混合した層(ミキシング層)が形成され
た。この層の厚さは分析結果、約0.1μm であり、そ
の上に約0.4μm のZrO2−6%Y23 被覆層が形
成されていた。
【0045】しかる後、酸素イオンの照射を止め、Zr
2−6%Y23 の蒸着のみを実施した。
【0046】その結果、ZrO2−6%Y23 からなる
緻密な被覆層が形成され、その厚さは、20μmとし
た。しかる後、ZrO2−6%Y23 の蒸着を継続し、
さらに酸素イオンビームの照射を行い、蒸着と照射を同
時に行った。この状態で成膜を続け前記の緻密なZrO
2−6%Y23 被覆層の上に約130μmの被覆層を形
成した。この場合、ZrO2−6%Y23 被覆層は柱状
組織になっており、柱状組織を構成する個々の柱状の大
きさは20〜200μmである。
【0047】その結果、柱状組織からなる最表面部側の
ZrO2−6%Y23 被覆層の柱状組織の境界に沿って
5〜20μm幅のクラックが生じ柱状組織は個々の柱状
に分断されたものとなった。また、このミクロクラック
は柱状組織の下部の緻密なZrO2−6%Y23 被覆層
中には生じておらず、柱状組織と緻密な組織との境界部
で止まっていた。
【0048】以上のように製作した熱遮へい層は、Zr
2 系セラミックス被覆層は二層構造であり、最表面層
は柱状組織で20〜200μmの柱状組織の境界に5〜
20μmの幅の開孔クラックを有しており、その下部層
であるZrO2 系被覆層は緻密な組織でクラック等はな
い。また、この緻密なZrO2 系被覆層の下部にはAl
23層があり、その下部にはCoNiCrAlY合金被
覆層があり、合金被覆層の下部はNi基耐熱合金となっ
ている。
【0049】〔実施例2〕図4は、本発明に係るガスタ
ービン用静翼の斜視図である。実施例1に示した図2の
方法で図4の単結晶のNi基超合金からなるガスタービ
ン用静翼を鋳造した。鋳造条件は実施例1と同じであ
る。合金は、表2に示したものの中からB,E,G,H
の4種類を用いた。単結晶鋳造後、実施例1と同様にN
aOHのオートクレイブ水溶液中で中子を除去した。中
子除去後、実施例1と同じく表4の3種類の方法で表面
層を除去したもの、及び表面層を除去しないものについ
て、実施例1に示した表3の条件で溶体化熱処理を行
い、再結晶の発生状況を調べ比較した。
【0050】表6に溶体化熱処理後の再結晶の発生率
(%)を示す。実施例1の場合と同様に、本発明の方法
によって、表面層を除去しない従来法より、再結晶粒の
発生が大幅に低減された。
【0051】また、本実施例においても実施例1と同様
に翼部17及びサイドウォール16の燃焼ガスにさらさ
れる面に熱遮へい層を形成した。その形成前後での時効
処理においても全体として単結晶を有するものであるこ
とが確認された。
【0052】
【表6】
【0053】〔実施例3〕原子炉用に用いられているオ
ーステナイト系ステンレス鋼であるSUS316L ,SUS321及
びSUS347を用いて、長さ200mmのM20ボルトを鋳造
した。鋳造条件及び方法は、実施例1の表1及び図2と
同じである。鋳造後、均質化のため1150℃で60時間の
溶体化熱処理を真空中で行ったところ、ボルト頭部の付
け根部で再結晶が発生していた。そこで、硝酸:塩酸=
1:3の王水中に1時間浸汐し、表面層を0.3mm 除去
し、同じく1150℃で60時間の溶体化熱処理を真空
中で行ったところ、再結晶を発生させることなく、溶体
化熱処理を行うことができた。すなわち本発明の方法
は、オーステナイト系ステンレス鋼単結晶材に対しても
有効であることが確認できた。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、再結晶を生じることな
く溶体化熱処理を行うことができるため、高いクリープ
強度を有する単結晶のNi基超合金よりなるガスタービ
ン動翼及び静翼が得られ、動翼及び静翼の長寿命化と燃
焼ガス温度の上昇によるガスタービンの熱効率向上を図
ることができる。
【0055】また、本発明によれば、再結晶を発生させ
ることなく、オーステナイト系ステンレス鋼単結晶材の
溶体化熱処理を行うことができるため、結晶粒界に起因
した応力腐食割れや、照射誘起応力腐食割れの発生する
ことのない、原子炉炉用部品が得られ、原子炉の信頼性
向上と長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単結晶物品の製造方法の工程を示
す図。
【図2】本発明に係るガスタービン用単結晶動翼の製造
法の概略を示す構成図。
【図3】本発明に係るガスタービン用単結晶動翼の斜視
図。
【図4】本発明に係るガスタービン用単結晶静翼の斜視
図。
【符号の説明】
1…溶解炉、2…鋳型加熱炉、3…溶湯、4…鋳物、5
…中子、6…鋳型、7…セレクタ、8…スタータ、9…
水冷チルプレート、10…真空ポンプ、11…炉殻、1
2…プラットフォーム、13…シールフィン、14…シ
ャンク、15…ダブティル、16…サイドウォール、1
7…翼部。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01D 5/28 F01D 5/28 // C22F 1/00 607 C22F 1/00 607 651 651B 680 680 682 682 691 691B 691Z (72)発明者 岡山 昭 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 斉藤 年旦 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 3G002 EA04 EA05 EA06 EA08 4G050 DB14 4G077 AA02 BA08 BA09 CD08 FE03 FG06 FG08 HA20

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単結晶鋳造材の表面に残留応力を有する表
    面層が除去され、実質的に再結晶層がフリーであること
    を特徴とする単結晶物品。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記単結晶鋳造材はN
    iを主成分とするNi基超合金であることを特徴とする
    単結晶物品。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記Ni基超合金は、
    発電用ガスタービンの動翼、又は静翼であることを特徴
    とする単結晶物品。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記単結晶鋳造材はオ
    ーステナイト系ステンレス鋼であることを特徴とする単
    結晶物品の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記オーステナイト系
    ステンレス鋼は、原子炉内構造材として使用されること
    を特徴とする単結晶物品。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかにおいて、除去さ
    れる表面層の厚さは、0.05〜0.5mmであることを特徴
    とする単結晶物品。
  7. 【請求項7】単結晶鋳造材を、該鋳造材の再結晶温度以
    上で熱処理を行う単結晶物品の製造方法において、前記
    熱処理前に該鋳造材の表面に残留応力を有する表面層を
    除去することを特徴とする単結晶物品の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1において、前記表面層を除去する
    方法は、大気中又は、酸化雰囲気中で高温に保持し、表
    面層を酸化させるものであることを特徴とする単結晶物
    品の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1において、前記表面層を除去する
    方法は、腐食液中での化学研磨により行うことを特徴と
    する単結晶物品の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1において、前記表面層を除去す
    る方法は、腐食液中で電流を流す電気化学的な方法で行
    うことを特徴とする単結晶物品の製造方法。
  11. 【請求項11】翼部と、該翼部に連なる平坦部を有する
    プラットフォームと、該プラットフォームに連なるシャ
    ンク部と、該シャンク部の両側に設けられた突起からな
    るフィンと、前記シャンク部に連なるダブティルとを有
    するガスタービン用動翼において、該動翼は単結晶のN
    i基鋳造材よりなり、該鋳造材の表面に残留応力を有す
    る表面層が除去され、実質的に再結晶層がフリーであ
    り、前記翼部及びプラットフォーム表面に耐熱被覆層を
    設けられ、該耐熱被覆層の構成が前記基材の上に、前記
    基材に比べ高温耐食耐酸化性に優れた合金からなるメタ
    ル層を設け、その上に順次、Al23系セラミックス薄
    膜層、緻密な粒状組織からなるZrO2 系セラミックス
    被覆層及び柱状組織のZrO2 系セラミックス被覆層を
    設け、かつ、前記柱状組織のZrO2 系セラミックス層
    は膜厚方向にクラックが生じていることを特徴とするガ
    スタービン用動翼。
  12. 【請求項12】翼部と、該翼部両端に各々設けられたサ
    イドウォールとを有するガスタービン用静翼において、
    該静翼は単結晶のNi基鋳造材よりなり、該鋳造材の表
    面に残留応力を有する表面層が除去され、実質的に再結
    晶層がフリーであり、前記翼部及びサイドウォールの翼
    部側表面に耐熱被覆層を設けられ、該耐熱被覆層の構成
    が前記基材の上に、前記基材に比べ高温耐食耐酸化性に
    優れた合金からなるメタル層を設け、その上に順次、A
    23系セラミックス薄膜層、緻密な粒状組織からなる
    ZrO2 系セラミックス被覆層及び柱状組織のZrO2
    系セラミックス被覆層を設け、かつ、前記柱状組織のZ
    rO2 系セラミックス層は膜厚方向にクラックが生じて
    いることを特徴とするガスタービン用静翼。
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