JP2000052615A - ドットプリンタのペーパガイド脱着機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペーパガイド６を抜き差しする際の経路上に
ゴムローラ、プラテン、印字ヘッドなどの部品が配設さ
れているため、ペーパガイドをスライドさせる為のスラ
イドレールの溝が形成困難な場合が多く、これらの部品
と干渉しない様にするため、ペーパガイドの抜き差し時
の可動範囲を制限させる部品やペーパガイドの固定用部
品が多数必要となり、原価上高価になるという問題があ
った。 【解決手段】 ペーパガイドに取り付けたスライドブッ
シュの突起を２個形成することにより、ペーパガイドの
可動範囲を印字ヘッド及びプラテンに干渉しない範囲に
拘束させることができる。また、ペーパガイドの内側ガ
イド曲げ部をメカフレームのステーに直接押し付けて固
定することにより、ペーパーガイド上に静電気が帯電す
ることを防止でき、信頼性の向上が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ドットラインプリ
ンタの用紙案内用ペーパガイドに関するものであり、さ
らに詳しくはペーパガイド脱着を容易に行える機構に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】ドットプリンタは、図３に示す様に、単
数又は複数個の印字ヘッド１の先端に装着されているヘ
ッドピンを適時打ち出すことで、インクリボン２を介し
て印字用紙３に印字を行うハンマ機構部と、ハンマ機構
部を桁方向に移動させる図示しないシャトル機構部と、
印字用紙３をトラクタ５及びゴムローラ８によって桁方
向と垂直方向に搬送する紙送り機構部により構成されて
いる。

【０００３】また、紙送り機構部には、印字用紙３及び
インクリボン２を脱着するために、プラテン４を開閉す
る機能も同時に備えている。プラテン開閉とは、プラテ
ン４を印字ヘッド１から大きく離したり、元の位置の間
隙状態に戻したりすることである。

【０００４】近年、ドットプリンタにおいては、種々の
印字用紙３が使用され、１枚紙から数頁の用紙を束ねた
帳票、伝票、ラベルシートを貼りつけたラベル紙など、
使用範囲は多種多様となってきている。

【０００５】日常印字を行っているなかでは、印字用紙
３の走行経路上で用紙ジャムが発生する場合があり、特
にラベル紙のシートが剥がれて印字用紙３の走行経路上
に付着するケースもある。この様な場合、オペレータが
プラテン４の開閉を行ってラベルシートを剥がしたり、
用紙ジャムを修復する必要がある。ラベルシートの貼り
つきや用紙ジャムが印字ヘッド１やプラテン４近傍にて
発生した場合については、オペレータが直接手で清掃で
きるスペースを確保している場合が多いが、プラテン４
の下方については、プラテン４の開閉量が制限される場
合が多く、ほとんどはオペレータが直接手を入れて清掃
できるスペースを確保できないのが現状である。このよ
うにプラテン４下方にてラベルシート付着や用紙ジャム
が発生した場合には、オペレータが自己保守できないた
め、保守員が清掃作業することがほとんどであり、復旧
までに長時間を必要としている。この様なケースの修復
は保守員作業レベルとなることより、プラテン４下方の
印字用紙３走行経路であるペーパガイド６はねじ７等に
より固定しており、ペーパガイド６の脱着はドライバ工
具を使用して行うことが多い。

【０００６】この様な問題から、最近プラテン４下方の
ペーパガイド６をオペレータ自身が脱着できる様にする
機構を設ける場合が増えて来ている。オペレータがペー
パガイド６を脱着可能とするためには、ねじ７等を使用
しないで簡単に行うことができる構造であることが必要
不可欠である。このためには、ペーパガイド６を上下方
向にスライドさせて抜き差しする構造が必要となる。

【０００７】前記ペーパガイド６の脱着機構の構成を、
図４及び図５に示す。

【０００８】具体的構造としては、ペーパガイド６をス
ライドさせるための突起９と、ペーパガイド６を案内す
るための溝１０、ペーパガイド６を抜き差しする時の可
動範囲を制限する可動制限用ピン１１などを設け、ペー
パガイド６を抜き差しする経路上でプラテン４や印字ヘ
ッド１、ゴムローラ８などの他の部品と干渉しないよう
にしている。

【０００９】また、ペーパガイド６の固定についても、
プラテン４の開閉時に固定用ピン１２がペーパガイド６
を貫通し、固定板１３に差し込み固定する等の複雑な構
成を必要とする。固定板１３はメカフレーム１５にネジ
１４等によって固定されている。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】従来のペーパガイド６
の脱着に関しては、ペーパガイド６を抜き差しする際の
経路上に、ゴムローラ８、プラテン４、印字ヘッド１な
どの部品が配設され、経路上のスペースもかなり制限さ
れる。このため、ペーパガイド６をスライドさせる為の
スライドレール１０の溝が形成困難な場合も多い。この
ようなことから、これらの部品と干渉しない様にするた
め、ペーパガイド６の抜き差し時の可動範囲を制限させ
る部品やペーパガイド６の固定用部品が多数必要とな
り、原価上高価になるという問題があった。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、ペーパガイド
６の抜き差しを行う際に、他の部品との干渉を防止する
ために可動範囲を制限するための機能、及びペーパガイ
ド６を固定する機能をペーパガイド６自身に組込むこと
により、それらの機能を確保するための余分な部品を削
除できる様に工夫したものである。

【００１２】すなわち、上記課題を解決する本発明の構
成は、先端にヘッドピンを有し、印字用紙に対して前記
ヘッドピンを打ち出して印字を行う印字ヘッドと、該印
字ヘッドの印字力を支持するためのプラテンと、前記印
字用紙を順方向または逆方向に搬送するためのトラクタ
と、前記プラテン下方に設置され、前記印字用紙を逆方
向に搬送すると共に一定の用紙張力を付加する搬送ロー
ラと、前記印字ヘッドと前記プラテンとの間隙を前記印
字用紙が垂直方向に走行するべく案内するペーパガイド
と、前記ペーパガイドに固定され、該ペーパガイドが上
下方向に抜き差し可能な様にスライドさせる突起部を有
するスライドブッシュと、前記スライドブッシュの突起
部に勘合し、スライドする溝が成形されたスライドレー
ルとを有するドットプリンタにおいて、前記スライドブ
ッシュの突起部、及び前記スライドレールの溝をそれぞ
れ少なくとも２以上ずつ設置し、前記ペーパガイドが前
記スライドレールに案内され移動する経路上で隣接する
部材と接触しないように構成したことにある。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明による一例の形態を図１及
び図２を参照して説明する。以下に詳述する部分以外に
ついては、従来技術と同様なので説明は省略する。

【００１４】まず、ペーパガイド２６の脱着機構の全体
構成を図１に示す。また、図２の（ａ）はペーパガイド
２６をメカフレーム１５に挿入しセットした状態、図２
の（ｂ）はペーパガイド２６をメカフレーム１５から引
き抜く時の状態を示す。ペーパガイド２６は印字用紙が
走行する時に絶えず接触するため、磨耗防止としてメッ
キ鋼板などを使用する。

【００１５】ペーパガイド２６の抜き差しを行う際の経
路上には、ゴムローラ８、プラテン４、印字ヘッド１な
どが配設されている。これらの部品とペーパガイド２６
を干渉させないようにスライドさせるためのスライドブ
ッシュ２９に突起を２個形成し、それと同時にスライド
ブッシュ２９の突起を受ける側のスライドレール３０の
溝も２本形成する。この時、スライドブッシュ２９の２
個の突起はスライドレール３０の溝によって回転が拘束
される。この場合の回転量をペーパガイド２６が印字ヘ
ッド１とプラテン４に接触しないよう可動範囲を設定す
る。

【００１６】さらに、ペーパガイド２６を図２（ａ）の
状態からスライドさせる際、真上に動かすとゴムローラ
８に干渉する。この場合、ペーパガイド２６をゴムロー
ラ８から遠ざけるように斜め上方にスライドさせるよう
にする。

【００１７】また、図２（ａ）に示す様に、ペーパガイ
ド２６をメカフレーム１５に固定する際、ペーパガイド
２６の内側ガイド曲げ部１６をメカフレーム１５に固定
されるステー１７に押付け、取手部１８に設けた突起１
９とメカフレーム１５の凹み部２０を勘合させる。この
様にすることによりメカフレーム１５とペーパガイド２
６とを電気的に接地させ、ペーパガイド２６に静電気が
帯電することを防止するようにするとよい。

【００１８】

【発明の効果】以上、前述した様にペーパガイド２６に
取り付けたスライドブッシュ２９の突起を２個形成する
ことにより、ペーパガイド２６の可動範囲を印字ヘッド
１及びプラテン４に干渉しない範囲に拘束させることが
できる。このことにより、他の部品に傷等を付けずにペ
ーパガイド２６を容易に抜き差し可能となる。

【００１９】また、ペーパガイド２６の内側ガイド曲げ
部１６をメカフレーム１５のステー１７に直接押し付け
て固定することにより、ペーパーガイド２６上に静電気
が帯電することを防止でき、信頼性の向上が図れる。

【００２０】以上の様に構成することにより、ペーパガ
イド２６の脱着が容易にでき、安価で信頼性が高いドッ
トプリンタを提供することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一例となるペーパーガイドの全体構
成を示す斜視図。

【図２】 図１のペーパーガイドの着脱状態を示す側面
図。

【図３】 従来例を示す側面図である。

【図４】 その他の従来例を示す斜視図である。

【図５】 その他の従来例を示す側面図である。

【符号の説明】

１は印字ヘッド、２はインクリボン、３は印字用紙、４
はプラテン、５はトラクタ、６はペーパガイド、７はネ
ジ、８はゴムローラ、９はスライドブッシュ、１０はス
ライドレール、１１はピン、１２は固定用ピン、１３は
固定板、１４はネジ、１５はメカフレーム、１６は内側
ガイド曲げ部、１７はステー、１８は取手、１９は突
起、２０は凹み部、２６はペーパガイド、２９はスライ
ドブッシュ、３０はスライドレールである。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】先端にヘッドピンを有し、印字用紙に対し
   て前記ヘッドピンを打ち出して印字を行う印字ヘッド
   と、該印字ヘッドの印字力を支持するためのプラテン
   と、前記印字用紙を順方向または逆方向に搬送するため
   のトラクタと、前記プラテン下方に設置され、前記印字
   用紙を逆方向に搬送すると共に一定の用紙張力を付加す
   る搬送ローラと、前記印字ヘッドと前記プラテンとの間
   隙を前記印字用紙が垂直方向に走行するべく案内するペ
   ーパガイドと、前記ペーパガイドに固定され、該ペーパ
   ガイドが上下方向に抜き差し可能な様にスライドさせる
   突起部を有するスライドブッシュと、前記スライドブッ
   シュの突起部に勘合し、スライドする溝が成形されたス
   ライドレールとを有するドットプリンタにおいて、 前記スライドブッシュの突起部、及び前記スライドレー
   ルの溝をそれぞれ少なくとも２以上ずつ設置し、前記ペ
   ーパガイドが前記スライドレールに案内され移動する経
   路上で隣接する部材と接触しないように構成したことを
   特徴とするドットプリンタのペーパガイド脱着機構。
2. 【請求項２】請求項１記載のドットプリンタのペーパガ
   イド脱着機構において、 前記ペーパガイドの取手部にラッチを設け、前記ペーパ
   ガイドの取手部の弾性を利用して固定、取り外しを行う
   ことを特徴とするドットプリンタのペーパガイド脱着機
   構。
3. 【請求項３】請求項２の記載のドットプリンタのペーパ
   ガイド脱着機構において、 電気的に接地してあるメカフレームに対し、前記ペーパ
   ガイドの一面を前記メカフレームに押付け、前記ペーパ
   ガイドの取手部のラッチを利用して固定、取り外しを行
   うと同時に前記ペーパガイドを電気的に接地させること
   を特徴とするドットプリンタのペーパガイド脱着機構。