JP2000051156A - 触覚センサ信号処理装置 - Google Patents

触覚センサ信号処理装置

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JP2000051156A
JP2000051156A JP11093792A JP9379299A JP2000051156A JP 2000051156 A JP2000051156 A JP 2000051156A JP 11093792 A JP11093792 A JP 11093792A JP 9379299 A JP9379299 A JP 9379299A JP 2000051156 A JP2000051156 A JP 2000051156A
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signal processing
piezoelectric
vibrator
resonance
piezoelectric vibrator
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JP11093792A
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Mineyuki Maezawa
峰雪 前沢
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    • A61B5/0048Detecting, measuring or recording by applying mechanical forces or stimuli
    • A61B5/0051Detecting, measuring or recording by applying mechanical forces or stimuli by applying vibrations

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、短時間でより詳細な生体情報を得る
ことができる触覚センサ信号処理装置を提供する。 【解決手段】本発明は、圧電振動子を用いた触覚センサ
と、前記圧電振動子のインピーダンス特性のうち共振抵
抗の変化を検出する共振抵抗変化検出手段と、前記圧電
振動子のインピーダンス特性のうち共振周波数の変化を
検出する共振周波数変化検出手段と、前記圧電振動子の
振動部分のサイズと、前記圧電振動子の圧電現象に対応
する圧電定数と、前記圧電振動子の圧電現象に対応する
結合係数と、前記圧電振動子の密度と、前記対象物に圧
接して振動を与える接触子の外形サイズを含む物理定数
を予め記憶しておく振動子定数記憶手段と、前記共振抵
抗変化検出手段の検出結果と、前記共振周波数変化検出
手段の検出結果と、前記振動子定数記憶手段に記憶され
た物理定数に基づいて、前記対象物の粘弾性特性である
ずり弾性率の実数部と虚数部を独立に計算処理する信号
処理手段とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘弾性特性をもつ
対象物の粘弾性特性を検出する触覚センサ信号処理装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、内視鏡は生体内部を観察するため
の器具としての機能よりも、観察を行いながら観察対象
を操作するといった機能を重視するようになってきてお
り、胆嚢摘出手術などに代表されるような内視鏡手術
や、内視鏡診断は今後ますます拡大するものと予想され
る。
【0003】このように、より複雑、微細な操作や体腔
内で診断・治療を適切に行うには、視覚情報だけではな
く触覚情報も、より重要となる。
【0004】生体は粘弾性体であり、ここでいう触覚と
は対象物のもつ粘弾性体による反作用力の知覚と定義
し、対象物のもつ粘弾性特性を検出するセンサを触覚セ
ンサと呼ぶ。
【0005】粘弾性特性は、一般に、複素弾性率G
用いて G=G′+jG″ で表せ、この複素弾性率Gの実数部G′は弾性に対応
し、虚数部G″は粘性に対応する。
【0006】また、ずり弾性率μを用いた場合には、 μ=μ1 +jωμ2 のようにも表せる。
【0007】生体組織は筋や組織間液などが絡み合って
粘弾性特性を示しており、腫瘍やしこりなどの病変部に
おいては正常部に比べ複素弾性率Gの実数部G1 と虚
数部G2 の両方が異なる値を示すことになる。
【0008】複素弾性率Gを測定するには時間変化に
対する対象物の応答を測定する必要があり、その方法と
して生体組織に振動を与え、その応答を測定し、生体の
複素弾性率Gを決定する方法がある。
【0009】触覚センサにより粘弾性特性を定量的に検
出することによって、病変部の診断をより精密に行うこ
とが可能になる。
【0010】このようなニーズに対して、“H.E.Gierk
e, et al., Physics of Vibrationsin Living Tissues,
J.Applied Physiology, 4, 886/900(1952) ”には、皮
膚に接触させた振動子を加振し、その応答から機械イン
ピーダンスを算出し、予め導出した機械インピーダンス
の理論式を解くことによって皮膚の弾性係数μ1 と粘性
係数μ2 を算出する方法が記載されている。
【0011】また、生体の粘弾性特性を測定する装置と
して、圧電振動子の共振抵抗変化と共振周波数変化を利
用して、生体の粘弾性特性を弾性特性と粘性特性とに分
離して検出する触覚センサ信号処理装置(例えば、特開
平9-96600 号公報)が開示されている。
【0012】図19に示すように、この触覚センサ信号
処理装置は、圧電振動子のインピーダンス特性の変化を
用いて対象物の粘弾性特性を検出する触覚センサ101
と、インピーダンス特性のうち共振抵抗変化を検出する
共振抵抗変化検出手段102と、共振周波数変化を検出
する共振周波数変化検出手段103と、前記両検出手段
102,103からの検出結果を用いて対象物の粘弾性
特性である複素弾性率の実数部と虚数部を独立に計算処
理する信号処理手段105とから構成されている。
【0013】このような構成において、例えば、圧電振
動子の等価回路定数を回路要素とした発振回路を使用す
ると、該発振回路からの出力信号は圧電振動子のインピ
ーダンス特性を反映した信号となる。
【0014】無負荷の場合、出力信号は圧電振動子の共
振周波数fr 近傍で出力され、かつ、その振幅は圧電振
動子の共振抵抗Zr に対応してくる。
【0015】一方、粘弾性体が付着すると、共振周波数
はfr ′となり、共振抵抗はZr ′へと変化する。
【0016】すなわち、出力信号は圧電振動子のインピ
ーダンス特性の変化を反映した信号である。
【0017】よって、発振出力を分岐し、信号処理手段
105で処理するために周波数成分を電圧信号に変換す
ることにより、共振抵抗変化と共振周波数変化とを検出
することができる。
【0018】このような、共振抵抗変化検出手段102
によって検出された共振抵抗Zr ,Zr ′と共振周波数
変化検出手段103によって検出された共振周波数
r ,f r ′は信号処理手段105に入力され、この信
号処理手段105に予め格納された処理方法により計算
処理されて、対象物の粘弾性特性を示す複素弾性率G
の実数部G′と虚数部G″とが算出される。
【0019】例えば、圧電振動子の等価回路定数
(C1 、L1 、装置定数KR 、KL )と共振抵抗、共振
周波数が既知ならば、
【0020】
【数1】
【0021】に示すように、共振周波数と共振抵抗の両
方の変化を測定してはじめて複素弾性率Gの実数部
G′と虚数部G″とを算出することができ、粘弾性特性
の検出が可能となる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】生体のような粘弾性特
性を持つ対象物について、振動を利用してその機械的な
インピーダンス特性を求める場合、拍動により生体が動
くため、接触状態を一定にするか、測定時間を短くする
必要がある。
【0023】上述した従来例のH.E.Gierkeらの測定方法
において、振動子は正弦波で加振され、その代表的な有
限個の周波数において得られた方程式を解くことによっ
て、前述のμ1 とμ2 とが算出される。
【0024】従って、この方法では、1つの測定点につ
いての測定が複数個行われ、その間の測定対象の物理的
状態が安定していなければならないという条件が要求さ
れるので、生体を対象とする測定には適した方法である
とはいえない。
【0025】また、圧電振動子のような圧電振動現象の
解は、圧電方程式から電気的条件を満足するように運動
方程式をたて、機械的な端条件で解を求め、さらに電気
的な条件より電気端子からみたインピーダンスや等価回
路素子を決定しなければならない。
【0026】また、上述した従来例の特開平9-96600 号
公報に開示の触覚センサ信号処理装置では、信号処理手
段において粘弾性対象物の電気的インピーダンスを機械
的インピーダンスに変換する装置定数KR 、KL を用い
て、複素弾性率を算出しているが、振動子の変位方向や
励振電界、機械的端条件について考慮されていないた
め、粘弾性特性を正確に検出することが難しい。
【0027】さらに、これらの装置係数KR 、KL は予
め実験的にインピーダンス特性の測定を行い算出してお
く必要があると共に、測定対象となる粘弾性体によって
その値が異なるという問題がある。
【0028】そこで、本発明はこのような課題に着目し
てなされたものであり、その目的とするところは、測定
時間の長さと、同一測定点での複数の測定と、、圧電振
動子の振動子の変位方向や励振電界、機械的端条件、電
気的な条件を考慮して、短時間でより詳細な生体情報を
得ることができる触覚センサ信号処理装置を提供するこ
とにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題を解決するために、(1)振動子のインピーダンス特
性の変化を用いて対象物の粘弾性特性を検出する触覚セ
ンサ信号処理装置において、圧電振動子を用いた触覚セ
ンサと、前記圧電振動子のインピーダンス特性のうち共
振抵抗の変化を検出する共振抵抗変化検出手段と、前記
圧電振動子のインピーダンス特性のうち共振周波数の変
化を検出する共振周波数変化検出手段と、前記圧電振動
子の振動部分のサイズと、前記圧電振動子の圧電現象に
対応する圧電定数と、前記圧電振動子の圧電現象に対応
する結合係数と、前記圧電振動子の密度と、前記対象物
に圧接して振動を与える接触子の外形サイズを含む物理
定数を予め記憶しておく振動子定数記憶手段と、前記共
振抵抗変化検出手段の検出結果と、前記共振周波数変化
検出手段の検出結果と、前記振動子定数記憶手段に記憶
された物理定数に基づいて、前記対象物の粘弾性特性で
あるずり弾性率の実数部と虚数部を独立に計算処理する
信号処理手段と、を具備したことを特徴とする触覚セン
サ信号処理装置が提供される。
【0030】この(1)の発明に関する実施の形態は、
第1、第2と第3の実施の形態が対応する。
【0031】この(1)の発明中の構成において、共振
抵抗変化検出手段と、共振周波数変化検出手段とは、こ
れらの実施の形態では発振回路が該当するが、インピー
ダンス測定器なども含む。
【0032】(作用)共振抵抗変化検出手段により検出
された共振抵抗Zrと共振周波数変化検出手段により検
出された共振周波数frは、振動子定数記憶手段に予め
記憶されている圧電振動子の振動部分の振動サイズと、
圧電現象に対応する圧電定数と、圧電現象に対応する結
合係数と、振動子の密度と、接触子の外形サイズと共に
信号処理手段に入力され、信号処理手段に予め格納され
た処理方法により計算処理されて、対象物の粘弾性特性
を示すずり弾性率の実数部μ1 と虚数部μ2 が算出され
る。
【0033】(効果)信号処理手段により、圧電振動子
の圧電現象に基づいたずり弾性率の実数部μ 1 と虚数部
μ2 を算出することが可能になる。
【0034】インピーダンス(共振抵抗)変化dZと共
振周波数変化dfとのそれぞれは、ずり弾性率の実数部
μ1 と虚数部μ2 に関与しており、両者の関係は圧電振
動子の振動方向や励起電界の方向などから決定される圧
電現象に基づいて、導くことができる。
【0035】圧電振動子の密度、振動部分のサイズ、圧
電定数、結合係数と、接触子の外形サイズと、無負荷の
場合の共振周波数fr および共振抵抗Zrが既知なら
ば、共振周波数と共振抵抗の両方の変化を測定してはじ
めてずり弾性率の実数部μ1 と虚数部μ2 を算出するこ
とができ、粘弾性特性の検出が可能となる。
【0036】生体組織は筋や組織間液の易動度などが絡
み合って粘弾性特性を示しており、腫瘍やしこりなどの
病変部においてはずり粘弾性率μの実数部μ1 と虚数部
μ2の両方が変化するが、本実施形態の手法では圧電振
動子の圧電現象を加味して粘弾性特性を分離し検出する
ことにより、より詳細な生体の情報を得ることができる
ようになる。
【0037】また、本発明によると、上記課題を解決す
るために、(2)前記信号処理手段は、前記共振抵抗変
化検出手段の検出結果と、前記共振周波数変化検出手段
の検出結果と、前記振動子定数記憶手段に記憶された物
理定数に基づいて、前記対象物のずり弾性率の実数部と
虚数部とを独立に求める計算式を用いて計算処理する信
号処理回路と、前記共振抵抗変化検出手段の検出結果
と、前記共振周波数変化検出手段の検出結果とを、前記
信号処理回路に同一のタイミングで入力する入力手段
と、前記信号処理回路の計算結果を出力する出力手段
と、を具備することを特徴とする(1)に記載の触覚セ
ンサ信号処理装置が提供される。
【0038】この(2)の発明に関する実施の形態は、
第1、第2と第3の実施の形態が対応する。
【0039】この(2)の発明中の構成において、入力
手段は、この実施の形態ではゲートが該当する。
【0040】(作用)入力手段により、共振周波数変化
と共振抵抗変化を同一のタイミングで信号処理回路に入
力することにより、ずり弾性率の実数部と虚数部とを独
立に計算する計算式を用いて計算処理する。
【0041】(効果)リアルタイムでずり弾性率の実数
部と虚数部とを独立に計算する。
【0042】また、本発明によると、上記課題を解決す
るために、(3)前記信号処理回路は、前記圧電振動子
の圧電現象に対応した処理回路を具備し、前記振動子定
数記憶手段より前記圧電振動子の圧電現象に対応した物
理定数を前記処理回路に入力することにより、前記対象
物のずり弾性率の実数部と虚数部とを独立に求める計算
式を用いて計算処理することを特徴とする(2)に記載
の触覚センサ信号処理装置が提供される。
【0043】この(3)の発明に関する実施の形態は、
第1及び第2の実施の形態が対応する。
【0044】この(3)の発明中の圧電現象とは、厚み
縦効果や厚み横効果など、圧電振動子の振動方向と励起
電界のタイプを指す。
【0045】(作用)圧電現象選択手段は圧電振動子の
圧電現象のタイプに応じて、前記振動子定数記憶手段の
各物理定数を信号処理回路に入力し、ずり弾性率の実数
部μ1 と虚数部μ2 を算出する。
【0046】(効果)触覚センサにより検出される粘弾
性特性は圧電現象によって異なるため、圧電現象に応じ
た正確な粘弾性特性を検出することが可能である。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0048】(第1の実施の形態)まず、本発明による
触覚センサ信号処理装置の第1の実施形態の構成、作
用、効果について説明する。
【0049】図1は、第1の実施形態の触覚センサ信号
処理装置11を主たる構成手段によって表した図であ
る。
【0050】すなわち、この触覚センサ信号処理装置1
1は、圧電振動子のインピーダンス特性の変化を用いて
対象物の粘弾性特性を検出する触覚センサ101と、イ
ンピーダンス特性のうち共振抵抗変化を検出する共振抵
抗変化検出手段102と、共振周波数変化を検出する共
振周波数変化検出手段103と、前記圧電振動子の各物
理定数を予め記憶し、格納しておく振動子定数記憶手段
104と、前記振動子定数記憶手段104と、前記共振
抵抗変化検出手段102の検出結果と、前記共振周波数
変化検出手段103の検出結果とを用いて、対象物の粘
弾性特性であるずり粘弾性率の実数部と虚数部を独立に
計算処理する信号処理手段105とから構成されてい
る。
【0051】図2は、前述した触覚センサ101、共振
抵抗変化検出手段102、共振周波数変化検出手段10
3の具体的な回路構成を説明するために示されている。
【0052】図2の(a)は、共振抵抗変化検出手段1
02と共振周波数変化検出手段103の具体的な回路図
である。
【0053】すなわち、この回路は、圧電振動子201
に接続された発振回路202と、その発振出力を分岐す
る分岐手段203と、その分岐信号のうち一方を周波数
一電圧変換するF/V変換手段204とから構成され
る。
【0054】図2の(b)は、圧電振動子201の等価
回路を示している。
【0055】発振回路202は、このような圧電振動子
201の等価回路を回路要素としたコルピッツ発振回路
から構成されている。
【0056】すなわち、この発振回路202は、コンデ
ンサ(C1 )205、コンデンサ(C2 )206、コン
デンサ(C0 )207、抵抗(Re )208、抵抗(R
1)209、抵抗(R2 )210、電圧端子211、出
力端子212、トランジスタ(Tr)213とで構成さ
れている。
【0057】図3は、前述した信号処理手段105の具
体的な回路構成を説明するために示されている。
【0058】すなわち、図3に示す信号処理手段105
には、図2に示すような構成の共振抵抗変化検出手段1
02により検出された共振抵抗Zr′を提示する出力信
号V(Zr′)と、同じく図2に示すような構成の共振
周波数変化検出手段103により検出された共振周波数
fr′を提示する出力信号V(fr′)とが、後述する
ような振動子定数記憶手段104からの出力データと共
に入力される。
【0059】この図3に示すような信号処理手段105
は、上記各出力信号V(Zr′)とV(fr′)とを同
じタイミングで取り込むゲート301、無負荷での共振
周波数frを保持する初期共振周波数保持手段304、
無負荷での共振抵抗Zrを保持する初期共振抵抗保持手
段305、信号処理回路302、D/Aコンバータ30
3、A/Dコンバータ306とで構成される。
【0060】そして、共振抵抗変化検出手段102から
の共振抵抗Zr ′を提示する出力信号V(Zr′)と、
共振周波数変化検出手段103からの共振周波数fr
を提示する出力信号V(fr′)との一組はゲート30
1により、同一のタイミングで取り込まれて信号処理回
路302に入力される。
【0061】一方、基準となる共振周波数fr と共振抵
抗Zr は測定前に初期共振周波数保持手段304と初期
共振抵抗保持手段305とに格納され、信号処理回路3
02に入力される。
【0062】そして、振動子定数記憶手段104からの
出力データは、D/Aコンバータ303を介してアナロ
グ信号である直流電圧信号Vに変換された後、信号処理
回路302に入力される。
【0063】図4は、振動子定数記憶手段104の具体
的な構成を説明するために示されている。
【0064】この図4に示す振動子定数記憶手段104
は、振動子の振動部分のサイズである振動部外形要素4
01、振動子の結合定数要素402、振動子の弾性定数
要素403、振動子の密度404から構成される。
【0065】これらの各要素が、D/Aコンバータ30
3を介して信号処理回路302に入力されることによ
り、この信号処理回路302により粘弾性体のずり弾性
率μの実数部μ1 と虚数部μ2 が算出される。
【0066】以下に上記した構成の作用を説明する。
【0067】図5は、図2において発振回路202から
の出力信号の波形図を示している。すなわち、圧電振動
子201の等価回路定数を回路要素とする発振回路20
2を使用することにより、該発振回路202からの出力
信号は、図5に示すように圧電振動子201のインピー
ダンス特性を反映したものになる。
【0068】無負荷の場合、発振回路202からの出力
信号は、図5の実線で示すように、圧電振動子201の
共振周波数f0 近傍の周波数を有して出力され、且つ、
その振幅A0 は圧電振動子201の共振抵抗に対応す
る。
【0069】一方、粘弾性体が付着すると、発振回路2
02からの出力信号は、図5の破線で示すように、周波
数f1 を有して出力され、且つ、その振幅はA1 のよう
になる。
【0070】これにより、共振抵抗変化検出手段102
と共振周波数変化検出手段103とは、発振回路202
からの出力信号を分岐し、信号処理手段105で処理す
るために周波数成分を電圧信号に変換し、共振抵抗変化
と共振周波数変化とを検出することができる。
【0071】このように、共振抵抗変化検出手段102
により検出された共振抵抗Zrと、共振周波数変化検出
手段103により検出された共振周波数frとは、振動
子定数記憶手段104に予め記憶されている数値と共に
信号処理手段105に入力される。
【0072】そして、信号処理手段105は、予め格納
された処理方法により計算処理をして、対象物の粘弾性
特性を示すずり弾性率μの実数部μ1 と虚数部μ2
を算出する。
【0073】このときの算出方法について以下に述べ
る。
【0074】図6は、厚み縦効果の圧電振動子とその座
標系を示す。
【0075】図6の(a)に示すように、該振動子は振
動子の中央に円形の電極を裏表に設けた構造のエネルギ
ー閉じ込め型を採用している。
【0076】この構造の振動子の場合、振動が発生する
のは中央の電極部分だけとなる。
【0077】該振動子は振動子の厚み方向に分極され、
縦振動の方向が分極方向と一致しZ方向の電界によりZ
軸方向に図6の(b)に示すような電極部分だけが、伸
縮運動をする。
【0078】この場合の圧電方程式は、
【0079】
【数2】
【0080】但し、T:応力,S3 :歪み,c33 E :弾
性定数,e33:圧電定数,ε33 S :誘電定数となる。
【0081】Z軸方向の振動変位をuとすると、厚み縦
効果では
【0082】
【数3】
【0083】である。
【0084】運動方程式は、
【0085】
【数4】
【0086】となる。
【0087】但し、ρq :圧電振動子の密度である。
【0088】この方程式を解き、また、電極間に流れる
電流Iを
【0089】
【数5】
【0090】とし、各表裏面における力をF1 ,F2
して、メイソンの電気的等価回路を求めると、図7に示
すようになる。
【0091】この図7に示す等価回路には二つの音響端
子1,2がある。
【0092】今、端子1は短絡されていて、端子2には
音響インピーダンスZ3 を接続した場合を考える。
【0093】このZ3 は触覚センサとして縦振動圧電振
動子が対象物に接触するときに受ける音響インピーダン
スに相当する。
【0094】図8に示すZ3eは電気的なインピーダンス
である。
【0095】縦効果の場合、電気端子の電流Iと入力ア
ドミタンスYf との関係は、次のようになる。
【0096】
【数6】
【0097】但し、k33は、この場合の結合係数であ
る。
【0098】Yf =∞となる共振条件を求めると
【0099】
【数7】
【0100】となる。
【0101】次に、図7の2次側のインピーダンスを簡
略化するためにNortonの変換とMittag-Lefflerの定理を
用いてYf の等価回路を考える。
【0102】Yf を変形すると次のようになる。
【0103】
【数8】
【0104】なお、
【0105】
【数9】
【0106】であるから
【0107】
【数10】
【0108】のように表現することができ、図8の
(b)に示すような等価回路が導ける。
【0109】また、
【0110】
【数11】
【0111】である。
【0112】図8を十分低い周波数で測定すると、
【0113】
【数12】
【0114】となる。
【0115】従って、
【0116】
【数13】
【0117】である。
【0118】ここで、共振点近傍での等価回路を考え
る。
【0119】上式のYm はtan(ωl/2v)=∞、
すなわちωr =nπv/l(n=1,3,5…)の周波
数で共振する。
【0120】いま、基本周波数ωr =πv/l(n=
1)について考える。
【0121】この共振点近傍で
【0122】
【数14】
【0123】と展開すると
【0124】
【数15】
【0125】の関係より
【0126】
【数16】
【0127】が得られ、L,C,Z3e
【0128】
【数17】
【0129】である。
【0130】次に、振動子に付着する粘弾性対象物とし
て、一定荷重に対して次第に伸長速度が減少し、やがて
停止して一定の平衡点に到達するフォークト型モデルを
用いて、粘弾性体の機械的インピーダンスについて説明
する。
【0131】“H.L. Oeastreicher et al., Field and
Impedance of an Oscillating Sphere in a Viscoelast
ic Medium with an Applicattion to Biophysics, J. A
ccoust. Soc. America, 23, 6, 707/714(1951) ”によ
れば、フォークト型の粘弾性モデルで球が半無限な粘弾
性体に接触して振動している場合の球が受ける音響イン
ピーダンスは
【0132】
【数18】
【0133】で表せる。
【0134】このZは機械的インピーダンスである。
【0135】但し、ρ:密度、p:球が粘弾性体に及ぼ
す力、a:振動球の半径、μ1 :ずり弾性率実数部、μ
2 :ずり弾性率虚数部、λ1 :体積圧縮率、λ2 :体積
粘性率である。
【0136】ところで、図6に示したように、今、圧電
振動子の振動部分が球ではなく円盤状である場合、上式
は次式のように変形される。
【0137】
【数19】
【0138】この式を機械的な音響インピーダンスZ3
として適用する。
【0139】また、粘弾性体の例としてシリコーンゴム
や生体の筋肉を用いると、これらは非圧縮性で、μ1
<λ1 である。
【0140】以上からμ1 /λ1 はほぼ0とする。
【0141】これによって機械的音響インピーダンスZ
3 は、
【0142】
【数20】
【0143】となる。
【0144】この式を展開して実数部と虚数部に分ける
と、
【0145】
【数21】
【0146】となる。
【0147】インピーダンスの変化dZは実数部Zreal
の式をZ3eの式に代入して、
【0148】
【数22】
【0149】となる。
【0150】周波数変化dLは虚数部Zimagの式をZ3e
の式に代入して、
【0151】
【数23】
【0152】が得られる。
【0153】無負荷時の振動子の共振周波数は
【0154】
【数24】
【0155】となるので、共振周波数の変化dfは次式
のようになる。
【0156】
【数25】
【0157】ここで、dL<<Lと仮定した。
【0158】従って、上式にdLおよびLの式を代入し
て計算すると、
【0159】
【数26】
【0160】となる。
【0161】そして、圧電振動子の振動周波数が大き
く、ωμ2 >>μ1 の関係が成り立つとき、dZとdf
は、
【0162】
【数27】
【0163】のようになる。
【0164】ここで、
【0165】
【数28】
【0166】とおいて、dZとdfの方程式の解である
対象物の弾性μ1および粘性μ2を求める上式をずり弾
性率の実数部μと虚数部μ2について解くと、
【0167】
【数29】
【0168】が得られる。
【0169】これより、ずり弾性率の虚数部μ2の式に
はインピーダンス(共振抵抗)変化dZが単独で含まれ
ており、ずり弾性率の虚数部μ2とインピーダンス(共
振抵抗)の変化dZが1対1に対応していることがわか
る。
【0170】他方、ずり弾性率の実数部μ1を求めるた
めには、共振周波数変化dfとインビーダンス(共振抵
抗)の変化dZの両方が必要であることがわかる。
【0171】従って、圧電振動子の密度ρq 、振動部分
のサイズa及びl、圧電定数e33、結合係数k33と、無
負荷の場合の共振周波数frが既知ならば、共振周波数
と共振抵抗の両方の変化を測定してはじめて粘弾性特性
の検出が可能となる。
【0172】図3、図4は上述した計算式をもとにした
信号処理手段とその回路の一例を示したものである。
【0173】上述した第1の実施形態によれば、図3に
示す信号処理手段により、圧電振動子の圧電現象に基づ
いたずり弾性率の実数部μ1 と虚数部μ2 とを算出する
ことが可能になる。
【0174】生体組織は筋や組織間液の易動度などが絡
み合って粘弾性特性を示しており、腫瘍やしこりなどの
病変部においては、ずり粘弾性率μの実数部μ1 と虚数
部μ 2 の両方が変化するが、本実施形態の手法のように
圧電振動子の圧電現象を加味して粘弾性特性を分離して
検出することにより、より詳細な生体の情報を得ること
ができる。
【0175】また、図2に示すような発振回路202を
使用することにより、圧電振動子のインピーダンス特性
の変化をリアルタイムで測定することが可能になり、粘
弾性特性の測定時間を短くすることができる。
【0176】なお、本実施の形態は種々の変形が可能で
あり、例えば、圧電振動子の振動子の変位方向が励振電
界に直行する横効果の場合であっても、圧電定数や弾性
定数を最適に選び横効果の圧電方程式を立て、機械的端
条件、電気的な条件に基づいて解を求めることによっ
て、横効果での圧電現象に基づいたずり弾性率の実数部
μ1 と虚数部μ2 を算出する信号処理手段を構成するこ
とが可能である。
【0177】すなわち、圧電振動子の圧電現象が異なつ
ても、信号処理手段が圧電現象に基づいたずり弾性率の
実数部μ1 と虚数部μ2 とを算出する構成であればどの
ような信号処理手段であっても構わない。
【0178】ここで、横効果としては、厚みすベりモー
ド、厚みひろがりモード、厚みねじれモードなどが挙げ
られる。
【0179】その他にも、棒縦効果や棒横効果(棒すベ
りモード、棒ひろがりモード、棒ねじれモード)など
も、同様の手法で圧電現象に基づいたずり弾性率の実数
部μ1と虚数部μ2 を算出する信号処理手段を構成する
ことが可能である。
【0180】また、発振回路202は、圧電振動子20
1の等価回路定数を用いて自励発振回路の構成が可能な
らばどのような回路でも構わない。
【0181】また、共振周波数変化検出手段、共振抵抗
変化検出手段として、インピーダンス測定器を用い、圧
電振動子201に直接インピーダンス測定器を接続して
も、同様な効果が得られる。
【0182】また、圧電振動子の形状は、本実施形態の
ような角板状以外の形状であっても構わない。
【0183】例えば、図9の(a)に示すような円板
状、図9の(b)に示すような半円状、図9の(c)に
示すような円環状、図9の(d)に示すような円筒状、
図9の(e)に示すような球面状、図9の(f)に示す
ような角柱状、図9の(g)に示すような樋状、図9の
(h)に示すような円柱状などであってもよい。
【0184】さらに、本実施形態では、エネルギー閉じ
込め型の圧電振動子を用いたが、それ以外の電極構成を
有する圧電振動子でも同様の効果が得られる。
【0185】例えば、図10に示すように、圧電振動子
駆動用電極2902と、振動ピックアップ用電極290
1とが分離した三端子電極構造の圧電振動子であっても
構わない。
【0186】また、本実施形態ではエネルギー閉じ込め
型の圧電振動子の電極部分が対象物に圧接し振動を伝達
する接触子を兼ねた構造となっているが、圧電現象の発
生する電極部分と、対象物に接触する接触子部分とが分
離された構成であつても構わない。
【0187】その場合、メイソン等価回路の導出の際の
電界を記述する条件として圧電振動子のサイズを用い、
上述したH.L.Oeastreicherの理論式の
導出の際の振動部分のサイズを記述する条件として接触
子のサイズを用いれば、本実施形態と同様の効果が得ら
れる。
【0188】図15は、本発明の第1の実施形態による
具体例を示す。
【0189】すなわち、この具体例による触覚センサ信
号処理装置は、圧電振動子201(図16参照)のイン
ピーダンス特性の変化を用いて対象物の粘弾性特性を検
出する触覚センサ101と、インピーダンス特性のうち
共振抵抗変化を検出する高周波オシロスコープ1701
と、共振周波数変化を検出する周波数カウンタ1702
と、圧電振動子201に電圧を加える直流電圧電源17
03と、前記高周波オシロスコープ1701と周波数カ
ウンタ1702を制御すると共に各々の測定器からの出
力を取り込み、その検出結果と予め記憶格納されている
前記圧電振動子201の各物理定数とを用いて、対象物
の粘弾性特性であるずり粘弾性率の実数部と虚数部を独
立に計算処理するパーソナルコンピュータ(PC)17
04とから構成されている。
【0190】触覚センサ101において、圧電振動子2
01は材料PZTで作製され、厚み方向に分極が行われ
ている。
【0191】この圧電振動子201は、縦横サイズ1.
5mm×1.5mm、厚み120μmの外形を有してお
り、厚み方向の振動子両面の中心に直径0.6mmのA
u電極をスパッタにより形成した厚み縦効果のエネルギ
ー閉じ込め型の構造となっている。
【0192】そして、この圧電振動子201の共振周波
数は約18MHz、共振抵抗は約20Ωである。
【0193】図16は、圧電振動子201に接続された
発振回路を構成する等価回路を回路要素としたコルピッ
ツ発振回路1801と、このコルピッツ発振回路180
1に接続されたバッファ回路1802を示している。
【0194】ここで、コルピッツ発振回路1801は、
コンデンサC1=30pF.C2=150pF、抵抗R
e =470Ω、抵抗R1 =3kΩ、抵抗R2 =7kΩ、
電圧端子Vcc、トランジスタTr1(2SC945)
で構成されている。
【0195】さらに、コルピッツ発振回路1801の後
段に接続されたバッファ回路1802は、コンデンサC
i =0.01μF、コンデンサCo =0.01μF、抵
抗R a =33kΩ、抵抗Rb =22kΩ、抵抗Rc
1.5kΩ、抵抗Rd =120Ω、抵抗Re =50Ω、
電圧端子Vcc、トランジスタTr2(2SC94
5)、出力端子Voutとで構成されている。
【0196】すなわち、このコルピッツ発振回路180
1において、エネルギー閉じ込め型の該圧電振動子20
1に電圧端子Vccを介して直流電圧電源1703によ
りDC5Vの電圧をかけると、振動は電極部分のみで発
生し、その振動は発振周波数約18MHz、振幅約1.
1Vが得られる。
【0197】圧電振動子を粘弾性体1705に接触させ
ると、該粘弾性体1705の粘弾性特性に応じて、圧電
振動子201の発振周波数は上昇し、振幅は小さくな
る。
【0198】この発振周波数の上昇(ΔF)は圧電振動
子201の共振周波数の変化に対応し、振幅変化は圧電
振動子201の共振抵抗変化に対応する。
【0199】これらの関係は、複数の粘弾性体を用いて
共振周波数変化df、インピーダンス変化dZ、発振周
波数変化ΔFおよび振幅変化ΔAを測定し、その測定結
果に基づいて最小自乗法により求めることができる。
【0200】 df=9.6×1016−2.8×106 ×ΔF2 dZ=−378752ΔA−893982 のように決定された。
【0201】なお、各係数は振動子の圧電特性に依存す
る。
【0202】触覚センサ101に用いる圧電振動子が決
まっている場合、結合定数k、弾性定数e、振動子の振
動部分のサイズa,l、共振周波数fr、角周波数ωは
常に一定となる。
【0203】また、一般的な粘弾性体の密度はおよそl
g/cm3 程度であると仮定することができる。
【0204】また、ずり粘弾性特性μ1 ,μ2 と縦複素
弾性率の実数部E′と縦複素弾性率の虚数部E″は次の
関係で表せる。
【0205】E′=μ1 , E″=ωμ2 以上の関係を用いて、図15におけるパーソナルコンピ
ュータ1704中に信号処理ブログラムを作成し、それ
により取り込んだ周波数変化と振幅変化から触覚センサ
101が測定している対象物の粘弾性特性(実数部E′
と虚数部E″)を計算することができる。
【0206】図20は、この対象物の粘弾性特性の測定
に係る制御と信号処理手順を示すフローチャートであ
る。
【0207】すなわち、測定が開始されると、測定器の
初期化(ステップS1)を行って、保存フアイル名の入
力(ステップS2)を行う。
【0208】そして、既存ファイルか否かの判定(ステ
ップS3)を行って、既存ファイルであるときには、そ
れを置き換えるか否かの判定(ステップS4)を行う。
【0209】既存ファイルではないときには新規ファイ
ルのオープン(ステップS5)を行い、既存ファイルを
置き換えるときには既存ファイルのオープン(ステップ
S6)を行う。
【0210】次に、無負荷状態での触覚センサ出力(F
0 、A0 )の測定(ステップS7)を行った後、粘弾性
体接触時のセンサ出力(F.A)の測定(ステップS
8)を行う。
【0211】そして、センサ出力(F.A)の測定結果
に基づいて、ΔF=F−F0 ,ΔA=A−A0 の計算
(ステップS9)、ΔF→df,ΔA→dZの設定(ス
テップS10)、μ1 ,μ2 の算出(ステップS1
1)、E′=μ1 ,E″=ωμ2 の算出(ステップS1
2)を順次に行って、ファイルに保存(ステップS1
3)する。
【0212】ここで、計測停止ボタンが押されたか否か
の判定(ステップS14)を行い、計測停止ボタンが押
されたときにはファイルを閉じて(ステップS15)、
終了する。
【0213】なお、計測停止ボタンが押されていないと
きには、ステップS8以降の処理を繰り返す。
【0214】すなわち、この具体例では、以上のように
して、ある粘弾性体サンプルに任意の荷重で触覚センサ
101を接触させて発振周波数の変化と振幅の変化を測
定し、これらの測定値から粘弾性率特性としての縦複素
弾性率の実数部E′と縦複素弾性率の虚数部E″との算
出を行っている。
【0215】図21の(a),(b)は、これによる縦
複素弾性率の実数部E′と縦複素弾性率の虚数部E″と
のリアルタイム測定の結果を示している。
【0216】この結果から分かるように、この具体例に
よれば、再現性の良い粘弾性測定をリアルタイムで行う
ことが可能である。
【0217】すなわち、生体組織は筋や組織間液などが
絡み合って粘弾性特性を示しており、腫瘍やしこりなど
の病変部においては正常部に比べて粘弾性率特性の実数
部と虚数部の両方が異なる値を示すことが知られている
が、本触覚センサ信号処理装置によれば、定量的な粘弾
性特性の検出が可能である。
【0218】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施形態を図11を用いて説明する。
【0219】上述した第1の実施形態では、厚み縦効果
の圧電現象のみについて信号処理回路を形成しているの
で、触覚センサ101の圧電振動子201が他の圧電現
象を利用した振動子に変わった場合、その圧電現象に対
応した信号処理回路を新たに構成し、信号処理装置を再
構成しなければならない。
【0220】そこで、この第2の実施形態は、このよう
な第1の実施形態での不具合を改善し、圧電振動子20
1が着脱可能で、複数の圧電現象の振動子を用いて多角
的に測定・検出する触覚センサ信号処理装置を実現する
ことを目的としている。
【0221】図11は、本発明の第2の実施形態の係る
触覚センサ信号処理装置12の構成を示すブロック図で
ある。
【0222】すなわち、この触覚センサ信号処理装置1
2は、第1の実施形態と同様に、圧電振動子のインピー
ダンス特性の変化を用いて対象物の粘弾性特性を検出す
る触覚センサ101と、インピーダンス特性のうち共振
抵抗変化を検出する共振抵抗変化検出手段102と、共
振周波数変化を検出する共振周波数変化検出手段103
と、前記圧電振動子の各物理定数を予め記憶し、格納し
ておく振動子定数記憶手段104と、前記振動子定数記
憶手段104と、前記共振抵抗変化検出手段102の検
出結果と、前記共振周波数変化検出手段103の検出結
果とを用いて、対象物の粘弾性特性であるずり粘弾性率
の実数部と虚数部を独立に計算処理する信号処理手段1
05とから構成されている。
【0223】そして、この第2の実施形態の振動子定数
記憶手段104は、厚み縦効果や厚み横効果などの各圧
電現象に対応した圧電定数、結合係数および圧電振動子
の振動部分のサイズ、圧電振動子の密度を予め記憶、格
納している。
【0224】該振動子定数記憶手段104の前段には、
圧電振動子の振動方向や励起電界の方向などによる圧電
現象のタイプを選択し、該振動子定数記憶手段104に
その選択結果を入力する圧電現象選択手段601が設け
られている。
【0225】該振動子定数記憶手段104の後段には、
圧電現象に応じた圧電定数、結合係数を前記振動子定数
記憶手段104から選択する選択結果入力手段602
と、該選択結果入力手段602に入力された各振動子定
数を受けて圧電現象に応じた信号処理回路を選択する信
号処理回路選択手段603とから構成される。
【0226】ここで、触覚センサ101、共振抵抗変化
検出手段102、共振周波数変化検出手段103の具体
的な回路構成は、図2に示されているものと同様とす
る。
【0227】図12は、上記振動子定数記憶手段104
と、信号処理手段105に含まれる信号処理回路606
とを詳細に示した図である。
【0228】この信号処理回路606は、厚み縦効果処
理回路604と、厚み横効果(厚みすベりモード)60
5とから構成される。
【0229】上記した構成において、圧電現象選択手段
601は、図2に示されているような触覚センサ101
に取り付けられている圧電振動子201の圧電現象のタ
イプを選択し、選択結果入力手段602が該圧電現象選
択手段601からの信号を受けて上記振動子定数記憶手
段104の圧電定数および結合係数の中から圧電現象に
応じた各定数を取り込み、該選択結果入力手段602に
入力された各振動子定数を受けて圧電現象に応じた信号
処理回路を選択し、被選択回路によりずり弾性率の実数
部μ1 と虚数部μ2 を算出する。
【0230】上記した第2の実施形態によれば、触覚セ
ンサ101により検出される粘弾性特性は圧電現象によ
って異なるため、圧電現象に応じた正確な粘弾性特性を
検出することが可能である。
【0231】また、圧電現象選択手段601により、圧
電振動子201の圧電現象に応じた振動子定数を選択
し、かつ圧電現象に応じた信号処理回路を選択すれば、
圧電現象の異なる振動子が取り付けられた場合でも、圧
電現象選択手段601を介して該圧電現象に応じた信号
処理回路を選択することにより、同一の触覚センサ信号
処理装置でずり粘弾性率の実数部μ1 と虚数部μ2 とを
独立に計算処理することが可能となる。
【0232】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施形態について説明する。
【0233】上記した第1の実施形態では、触覚センサ
信号処理装置に、厚み縦効果について導出した式に基づ
いた信号処理回路を用いたが、この場合、計算における
係数が非常に多く回路が複雑になり、正確に粘弾性特性
を検出できる反面、計算時間が長くなりがちである。
【0234】そこで、第3の実施形態では、ずり弾性率
のわかっている粘弾性体を用いて予め、ずり弾性率とイ
ンピーダンス変化または周波数変化の関係を測定し、そ
の測定結果に基づいて粘弾性特性を算出する式中の各係
数を決定し、簡略化した信号処理回路を提供する。
【0235】図13は、上記した第1の実施形態と同様
に構成される部分について省略し、第3の実施形態に特
有の振動子定数記憶手段104と、D/Aコンバータ3
03、信号処理手段105、信号処理回路302を示し
たものである。
【0236】振動子定数記憶手段104には、ずり弾性
率のわかっている粘弾性体を用いて予め、ずり弾性率と
インピーダンス変化または周波数変化の関係を測定し、
その測定結果に基づいて求めた定数L,M,P,Rが格
納されている。
【0237】触覚センサ101に用いる圧電振動子が決
まっている場合、結合係数k、圧電定数e、振動子の振
動部分のサイズa,l、共振周波数f、角周波数ωは
常に一定となる。
【0238】また、一般的な粘弾性体の密度はおよそ1
g/cm3 程度であると仮定すれば、第1の実施形態で
導出したずり弾性率の実数部μ1 と虚数部μ2
【0239】
【数30】
【0240】のように近似することができる。
【0241】ここで、一般的に
【0242】
【数31】
【0243】であるから、上式はさらに、 μ1 →L* df+M μ2 →P* dZ+R となる。
【0244】ここで、L,M,M′,N,P,Rは定数
である。
【0245】このうち、L,M,P,Rの各定数は、ず
り弾性率のわかっている粘弾性体を用いて予め、ずり弾
性率とインピーダンス変化または周波数変化の関係を測
定し、その測定結果に基づいて最小自乗法により決定さ
れる。
【0246】図13において、図3に示したと同様の信
号処理手段105には、共振周波数変化検出手段102
と、共振抵抗変化検出手段103からの共振周波数f
r ′と共振抵抗Zr ′の一組がゲート301により、同
一のタイミングで取り込まれ、共振周波数V(fr ′
と共振抵抗V(Zr ′)の各信号が信号処理回路302
に入力される。
【0247】一方、基準となる共振周波数fr と、共振
抵抗Zr とは、測定前に図3に示したと同様の初期共振
周波数保持手段304と、初期共振抵抗保持手段305
とに格納され、V(fr )とV(Zr )として信号処理
回路302に入力される。
【0248】また、定数L,M,Rは、予め、ずり弾性
率のわかっている粘弾性体を用いてずり弾性率とインピ
ーダンス変化または周波数変化との関係を測定し、その
測定結果に基づいて求められた定数であって、振動子定
数記憶手段104に格納されている。
【0249】但し、このときM及びRは予めマイナスの
値として入力される。
【0250】これらの値はD/Aコンバータ303を介
してデジタル信号からアナログ信号である直流電圧信号
V(L),V(−M),V(−R)に変換された後、信
号処理回路302に入力される。
【0251】図14は、上述した関係式をもとにした信
号処理回路302の一例である。
【0252】信号処理回路302は、ずり弾性率の実数
部μ1 算出回路1501とずり弾性率の虚数部μ2 算出
回路1502とで構成される。
【0253】なお、定数Pは、予め、ずり弾性率のわか
っている粘弾性体を用いてずり弾性率とインピーダンス
変化または周波数変化の関係を測定し、その測定結果に
基づいて求められた定数であって、後述する信号処理回
路302のずり弾性率の虚数部μ2 算出回路1502中
の差動増幅器1506の増幅率として用いられる。
【0254】以下に、図14のそれぞれの信号の流れを
説明する。
【0255】まず、ずり弾性率の虚数部μ2 算出回路1
502において、入力端子1503,1504からの直
流電圧信号V(Zr )とV(Zr ′)とは、増幅率Pの
差動増幅器1506を通り、直流電圧信号V(P*d
Z)に変換される。
【0256】この直流電圧信号V(P*dZ)は、入力
端子1505からの直流電圧信号V(−R)とともに増
幅率1の差動増幅器1507を通り、直流電圧信号V
(P*dZ+R)になる。
【0257】その結果はV(μ2 )として、出力端子1
508から得られる。
【0258】一方、ずり弾性率の実数部μ1 算出回路1
501において、入力端子1509,1510からの直
流電圧信号V(fr ′)とV(fr )とは、増幅率1の
差動増幅器1513を通り、直流電圧信号V(dfr
となる。
【0259】この出力信号V(dfr )は、入力端子1
511からの直流電圧信号V(L)とともに乗算器15
16を通り、直流電圧信号V(L*dfr )となる。
【0260】この直流電圧信号V(L*dfr )は、入
力端子1512からの直流電圧信号V(−M)とともに
増幅率1の差動増幅器1514を通り、直流電圧信号V
(−L*dfr +M))となる。
【0261】その結果はV(μ1 )として、出力端子1
515から出力される。
【0262】このような第3の実施形態によれば、ずり
弾性率のわかっている粘弾性体を用いて、予め、ずり弾
性率とインピーダンス変化または周波数変化の関係を測
定し、その測定結果に基づいて粘弾性特性を算出する式
中の各係数を決定することにより、信号処理回路を非常
に簡単にすることができ、計算が高速で行うことが可能
となる。
【0263】図15は、本発明の第3の実施形態による
具体例を示す。
【0264】すなわち、この具体例による触覚センサ信
号処理装置は、圧電振動子201(図16参照)のイン
ピーダンス特性の変化を用いて対象物の粘弾性特性を検
出する触覚センサ101と、インピーダンス特性のうち
共振抵抗変化を検出する高周波オシロスコープ1701
と、共振周波数変化を検出する周波数カウンタ1702
と、圧電振動子201に電圧を加える直流電圧電源17
03と、前記高周波オシロスコープ1701と周波数カ
ウンタ1702を制御するとともに各々の測定器からの
出力を取り込み、その検出結果と予め記憶格納されてい
る前記圧電振動子201の各物理定数とを用いて、対象
物の粘弾性特性であるずり粘弾性率の実数部と虚数部を
独立に計算処理するパーソナルコンピュータ(PC)1
704とから構成されている。
【0265】触覚センサ101において、圧電振動子2
01は材料PZTで作製され、厚み方向に分極が行われ
ている。
【0266】この圧電振動子201は、縦横サイズ1.
5mm×1.5mm、厚み120μmの外形を有してお
り、厚み方向の振動子両面の中心に直径0.6mmのA
u電極をスパッタにより形成した厚み縦効果のエネルギ
ー閉じ込め型の構造となっている。
【0267】そして、この圧電振動子201の共振周波
数は約18MHz、共振抵抗は約20Ωである。
【0268】図16は、圧電振動子201に接続された
発振回路を構成する等価回路を回路要素としたコルピッ
ツ発振回路1801と、このコルピッツ発振回路180
1に接続されたバッファ回路1802を示している。
【0269】ここで、コルピッツ発振回路1801は、
コンデンサC1=30pF.C2=150pF、抵抗R
e =470Ω、抵抗R1 =3kΩ、抵抗R2 =7kΩ、
電圧端子Vcc、トランジスタTr1(2SC945)
で構成されている。
【0270】さらに、コルピッツ発振回路1801の後
段に接続されたバッファ回路1802は、コンデンサC
i =0.01μF、コンデンサCo =0.01μF、抵
抗R a =33kΩ、抵抗Rb =22kΩ、抵抗Rc
1.5kΩ、抵抗Rd =120Ω、抵抗Re =50Ω、
電圧端子Vcc、トランジスタTr2(2SC94
5)、出力端子Voutとで構成されている。
【0271】すなわち、このコルピッツ発振回路180
1において、エネルギー閉じ込め型の該圧電振動子20
1に電圧端子Vccを介して直流電圧電源1703によ
りDC5Vの電圧をかけると、振動は電極部分のみで発
生し、その振動は発振周波数約18MHz、振幅約1.
1Vが得られる。
【0272】圧電振動子を粘弾性体1705に接触させ
ると、該粘弾性体1705の粘弾性特性に応じて、圧電
振動子201の発振周波数は上昇し、振幅は小さくな
る。
【0273】この発振周波数の上昇は圧電振動子201
の共振周波数の変化に対応し、振幅変化は圧電振動子2
01の共振抵抗変化に対応する。
【0274】触覚センサ101に用いる圧電振動子が決
まっている場合、結合定数k、圧電定数e、振動子の振
動部分のサイズa,l、共振周波数f、角周波数ωは
常に一定となる。
【0275】また、一般的な粘弾性体の密度はおよそ1
g/cm3 程度であると仮定すれば、粘弾性率の実数部
E′と粘弾性率の虚数部E″は E′→Ldf+M E″→PdZ+R のように近似することができる。
【0276】ここで、L,M,P,Rは定数である。
【0277】これらの定数は、ずり弾性率のわかってい
る粘弾性体を用いて予め、ずり弾性率とインピーダンス
変化または周波数変化の関係を測定し、その測定結果に
基づいて最小自乗法により決定される。
【0278】実際に公称10MHzの超音波探触子を用
いて、粘弾性体の音響インピーダンスを測定し、その値
から粘弾性率(実数部E′と虚数部E″)を算出する
と、表1の結果が得られている。
【0279】
【表1】
【0280】予め、粘弾性特性のわかっている表1に示
すような粘弾性体サンプルに触覚センサ101を接触さ
せて発振周波数の変化と振幅の変化を測定すると、振幅
変化ΔAmpと粘弾性率の虚数部E″との間には図17
に示すような関係があり、その関係式は、 E″=−9.7e+6ΔAmp−2.8e+6 (但し、単位はΔAmpに対してV、E″に対してP
a)となった。
【0281】次に、粘弾性率の実数部E′と周波数変化
ΔFreqの間には、図18に示すような関係があり、
その関係式は、 E′=39444ΔFreq−1.8e+9 (但し、単位はΔFreqに対してHz、E′に対して
Pa)となった。
【0282】このようにして予め得られた粘弾性特性算
出式を用いて、図15におけるパーソナルコンピュータ
(PC)1704中に信号処理プログラムを作成し、そ
れにより取り込んだ周波数変化と振幅変化から触覚セン
サ101が測定している対象物の粘弾性特性(実数部
E′と虚数部E″)を計算することができる。
【0283】次に、触覚センサ101により、対象物と
してアクリル板上に作製したシリコーンゲル(東芝シリ
コーン社製TSE3032)の粘弾性特性についての実
測例を示す。
【0284】この場合、対象物としてアクリル板上に作
製したシリコーンゲルの厚みは、0.5mmと、10m
mの二つのサンプルが用意された。
【0285】この二つのサンプルについて発振周波数と
振幅の測定結果と、上述した算出式によって求めた粘弾
性率(E′、E″)を表2に示す。
【0286】
【表2】
【0287】これらの結果からわかるように、厚み0.
5mmのシリコーンゲルの場合、算出された粘弾性特性
の実数部E″(粘性)は、厚み10mmのシリコーンゲ
ルの結果よりも大きく、逆に、粘弾性特性の虚数部E′
(弾性)は、厚み10mmのシリコーンゲルの結果より
も小さくなつた。
【0288】このことは、厚み0.5mmの場合、シリ
コーンゲルが薄いために、背面のアクリル板の粘弾性特
性を含めて触覚センサ101が検出しているものと考え
られる。
【0289】また、触覚センサ101のこのような出力
結果は、背面に硬いアクリル樹脂が存在しシリコーンゲ
ルの厚みが極端に薄くなったときに、人間がシリコーン
ゲルが見かけ上、硬くなったように感じる傾向と一致し
ている。
【0290】生体組織は筋や組織間液なとが絡み合って
粘弾性特性を示しており、腫瘍やしこりなどの病変部に
おいては正常部に比べ粘弾性率特性の実数部と虚数部の
両方が異なる値を示すことが知られているが、本触覚セ
ンサ信号処理装置によれば、人の感覚に対応した粘弾性
特性の検出が可能である。
【0291】上述したような実施の形態に基づいて説明
してきた本明細書には、以下のような発明が含まれてい
る。
【0292】(1)振動子のインピーダンス特性の変化
を用いて対象物の粘弾性特性を検出する触覚センサ信号
処理装置において、圧電振動子を用いた触覚センサと、
前記圧電振動子のインピーダンス特性のうち共振抵抗の
変化を検出する共振抵抗変化検出手段と、前記圧電振動
子のインピーダンス特性のうち共振周波数の変化を検出
する共振周波数変化検出手段と、前記圧電振動子の振動
部分のサイズと、前記圧電振動子の圧電現象に対応する
圧電定数と、前記圧電振動子の圧電現象に対応する結合
係数と、前記圧電振動子の密度と、前記対象物に圧接し
て振動を与える接触子の外形サイズを含む物理定数を予
め記憶しておく振動子定数記憶手段と、前記共振抵抗変
化検出手段の検出結果と、前記共振周波数変化検出手段
の検出結果と、前記振動子定数記憶手段に記憶された物
理定数に基づいて、前記対象物の粘弾性特性であるずり
弾性率の実数部と虚数部を独立に計算処理する信号処理
手段と、を具備したことを特徴とする触覚センサ信号処
理装置。
【0293】この(1)の発明に関する実施の形態は、
第1、第2と第3の実施の形態が対応する。
【0294】この(1)の発明中の構成において、共振
抵抗変化検出手段と、共振周波数変化検出手段とは、こ
れらの実施の形態では発振回路が該当するが、インピー
ダンス測定器なども含む。
【0295】(作用)共振抵抗変化検出手段により検出
された共振抵抗Zrと共振周波数変化検出手段により検
出された共振周波数frは、振動子定数記憶手段に予め
記憶されている圧電振動子の振動部分の振動サイズと、
圧電現象に対応する圧電定数と、圧電現象に対応する結
合係数と、振動子の密度と、接触子の外形サイズと共に
信号処理手段に入力され、信号処理手段に予め格納され
た処理方法により計算処理されて、対象物の粘弾性特性
を示すずり弾性率の実数部μ1 と虚数部μ2 が算出され
る。
【0296】(効果)信号処理手段により、圧電振動子
の圧電現象に基づいたずり弾性率の実数部μ 1 と虚数部
μ2 を算出することが可能になる。
【0297】インピーダンス(共振抵抗)変化dZと共
振周波数変化dfとのそれぞれは、ずり弾性率の実数部
μ1 と虚数部μ2 に関与しており、両者の関係は圧電振
動子の振動方向や励起電界の方向などから決定される圧
電現象に基づいて、導くことができる。
【0298】圧電振動子の密度、振動部分のサイズ、圧
電定数、結合係数と、接触子の外形サイズと、無負荷の
場合の共振周波数fr および共振抵抗Zrが既知なら
ば、共振周波数と共振抵抗の両方の変化を測定してはじ
めてずり弾性率の実数部μ1 と虚数部μ2 が算出でき、
粘弾性特性の検出が可能となる。
【0299】生体組織は筋や組織間液の易動度などが絡
み合って粘弾性特性を示しており、腫瘍やしこりなどの
病変部においてはずり粘弾性率μの実数部μ1 と虚数部
μ2の両方が変化するが、本実施形態の方法で圧電振動
子の圧電現象を加味して粘弾性特性を分離し検出するこ
とにより、より詳細な生体の情報を得ることができるよ
うになる。
【0300】(2)前記信号処理手段は、前記共振抵抗
変化検出手段の検出結果と、前記共振周波数変化検出手
段の検出結果と、前記振動子定数記憶手段に記憶された
物理定数に基づいて、前記対象物のずり弾性率の実数部
と虚数部とを独立に求める計算式を用いて計算処理する
信号処理回路と、前記共振抵抗変化検出手段の検出結果
と、前記共振周波数変化検出手段の検出結果とを、前記
信号処理回路に同一のタイミングで入力する入力手段
と、前記信号処理回路の計算結果を出力する出力手段
と、を具備することを特徴とする(1)に記載の触覚セ
ンサ信号処理装置。
【0301】この(2)の発明に関する実施の形態は、
第1、第2と第3の実施の形態が対応する。
【0302】この(2)の発明中の構成において、入力
手段は、この実施の形態ではゲートが該当する。
【0303】(作用)入力手段により、共振周波数変化
と共振抵抗変化を同一のタイミングで信号処理回路に入
力することにより、ずり弾性率の実数部と虚数部とを独
立に計算する計算式を用いて計算処理する。
【0304】(効果)リアルタイムでずり弾性率の実数
部と虚数部とを独立に計算する。
【0305】(3)前記信号処理回路は、前記圧電振動
子の圧電現象に対応した処理回路を具備し、前記振動子
定数記憶手段より前記圧電振動子の圧電現象に対応した
物理定数を前記処理回路に入力することにより、前記対
象物のずり弾性率の実数部と虚数部とを独立に求める計
算式を用いて計算処理することを特徴とする(2)に記
載の触覚センサ信号処理装置。
【0306】この(3)の発明に関する実施の形態は、
第1及び第2の実施の形態が対応する。
【0307】この(3)の発明中の圧電現象とは、厚み
縦効果や厚み横効果など、圧電振動子の振動方向と励起
電界のタイプを指す。
【0308】(作用)圧電現象選択手段は圧電振動子の
圧電現象のタイプに応じて、前記振動子定数記憶手段の
各物理定数を信号処理回路に入力し、ずり弾性率の実数
部μ1 と虚数部μ2 を算出する。
【0309】(効果)触覚センサにより検出される粘弾
性特性は圧電現象によって異なるため、圧電現象に応じ
た正確な粘弾性特性を検出することが可能である。
【0310】(4)上記計算式は、圧電現象が厚み縦効
果であるときに、前記信号処理手段が共振周波数変化、
または、共振抵抗変化に対するずり弾性率の実数部μ1
と虚数部μ2 との関係を表す下記の式
【0311】
【数32】
【0312】但し、
【0313】
【数33】
【0314】 ω:角周波数、 dZ:共振抵抗変化、 df:共振周波数変化、 fr :無負荷時の共振周波数、 ρ:粘弾性体の密度、 a:振動子の振動部分の半径、 l:振動子の厚み、 e33:圧電振動子の圧電定数、 k33:圧電振動子の結合定数、 ρq :圧電振動子の密度 に基づいて、前記ずり弾性率の実数部μ1 と虚数部μ2
とを独立に計算するものであることを特徴とする(3)
に記載の触覚センサ信号処理装置。
【0315】この発明に関する実施の形態は、第1の実
施の形態が対応する。
【0316】(作用)圧電振動子の密度ρq 、振動部分
のサイズa及びl、圧電定数e33、結合係数k33と、無
負荷の場合の共振周波数fr 、さらに、インピーダンス
(共振抵抗)変化dZと共振周波数変化dfとのそれぞ
れを、ずり弾性率の実数部μ1 と虚数部μ2 を求める該
算出式に基づいて作製された回路に入力することによっ
て、ずり弾性率の実数部μ1 と虚数部μ2 を算出する。
【0317】(効果)圧電振動子の厚み縦効果の圧電現
象に基づいた信号処理回路を作製することができるとと
もに、ずり弾性率の実数部μ1 と虚数部μ2 を算出する
ことが可能になる。
【0318】(5)前記信号処理回路は圧電振動子の複
数の圧電現象に対応した各々の前記処理回路を具備して
おり、前記振動子定数記憶手段は圧電振動子の複数の圧
電現象に対応した各々の物理定数を記憶しており、前記
触覚センサ信号処理装置はさらに、振動子の圧電現象を
外部から選択可能な圧電現象選択手段と、前記圧電現象
選択手段の選択した圧電現象に対応する処理回路を前記
信号処理回路から選択する処理回路選択手段と、前記圧
電現象選択手段の選択した圧電現象に対応する物理定数
を前記振動子定数記憶手段から選択する振動子定数選択
手段と、を具備することを特徴とする(3)に記載の触
覚センサ信号処理装置。
【0319】この発明に関する実施の形態は、第2の実
施の形態が対応する。
【0320】(作用)圧電現象選択手段は圧電振動子の
圧電現象のタイプを選択し、選択結果入力手段602が
該圧電現象選択手段601からの信号を受けて振動子定
数記憶手段104の圧電定数および圧電定数の中から圧
電現象に応じた各定数を取り込み、該選択結果入力手段
602に入力された各振動子定数を受けて圧電現象に応
じた信号処理回路を選択し、被選択回路によりずり弾性
率の実数部μ1 と虚数部μ2 を算出する。
【0321】(効果)触覚センサにより検出される粘弾
性特性は圧電現象によって異なるため、圧電現象に応じ
た正確な粘弾性特性を検出することが可能である。
【0322】また、圧電現象選択手段により、圧電振動
子の圧電現象に応じた振動子定数を選択し、かつ圧電現
象に応じた信号処埋回路を選択すれば、圧電現象の異な
る振動子が取り付けられた場合でも、圧電現象選択手段
を介して該圧電現象に応じた信号処理回路を選択するこ
とにより、同一の触覚センサ信号処理装置でずり粘弾性
率の実数部μ1 と虚数部μ2 を独立に計算処理すること
が可能となる。
【0323】(6)振動子のインピーダンス特性の変化
を用いて対象物の粘弾性特性を検出する触覚センサ信号
処理装置において、圧電振動子を用いた触覚センサと、
前記圧電振動子のインピーダンス特性のうち共振抵抗の
変化を検出する共振抵抗変化検出手段と、前記圧電振動
子のインピーダンス特性のうち共振周波数の変化を検出
する共振周波数変化検出手段と、対象物の粘弾性特性で
あるずり弾性率の計算に必要な定数を予め記憶しておく
定数記憶手段と、前記共振抵抗変化検出手段の検出結果
と、前記共振周波数変化検出手段の検出結果と、前記定
数記憶手段に記憶された定数に基づいて、下記の式 df=L+M×ΔFN (但し、ΔFは発振周波数変化、dZは共振抵抗変化、
dfは共振周波数変化、L,M,Nは定数) dZ=R×ΔA+S (但し、ΔA振幅変化、dZは共振抵抗変化、R,Sは
定数)を用いて、前記対象物の粘弾性特性であるずり弾
性率の実数部μ1 と虚数部μ2を独立に計算する信号処
理手段と、を具備したことを特徴とする触覚センサ信号
処理装置。
【0324】この発明に関する実施の形態は、第3の実
施の形態が対応する。
【0325】(作用)コルピッツ発振回路からの発振周
波数変化を圧電振動子の共振周波数変化へ変換し、且つ
振幅変化を共振抵抗変化へ変換し、得られた共振周波数
変化および共振抵抗変化からずり弾性率の実数部μ1
虚数部μ2 を求める上記算出式に基づいてずり弾性率の
実数部μ1 と虚数部μ2 とを独立に計算する。
【0326】(効果)触覚センサの出力からずり弾性率
の実数部μ1 と虚数部μ2 とを定量的に、且つリアルタ
イムに検出することが可能となる。
【0327】(7)前記計算式の定数は、粘弾性特性が
予め知られた複数の粘弾性サンプルの共振抵抗数変化及
び共振周波数変化を測定したデータより導かれたもので
あることを特徴とする(6)に記載の触覚センサ信号処
理装置。
【0328】この発明に関する実施の形態は、第3の実
施の形態が対応する。
【0329】(作用)他手法の粘弾性測定装置によって
予め粘弾性特性を測定し、安定した測定結果が得られる
粘弾性サンプルを複数個選別し、前記粘弾性サンプルに
ついて前記触覚センサにより周波数変化量および振幅変
化量を測定し、該周波数変化量と予め測定されている前
記粘弾性サンプルのずり弾性率の実数部μ1 との関係を
最小自乗法で近似し、該振幅変化量と予め測定されてい
る前記粘弾性サンプルのずり弾性率の虚数部μ2 との関
係を最小自乗法で近似することにより、信号処理手段が
共振周波数変化、または、共振抵抗変化に対するずり弾
性率の実数部μ1 と虚数部μ2 との関係を表す関数を決
定する。
【0330】(効果)信号処理手段により、共振周波数
変化、または、共振抵抗変化に対するずり弾性率の実数
部μ1 と虚数部μ2 との関係を表す関数が得られる。
【0331】(8)前記触覚センサの圧電振動子が半円
状であることを特徴とする(1)または(6)に記載の
触覚センサ信号処理装置。
【0332】(9)前記触覚センサの圧電振動子が円環
状であることを特徴とする(1)または(6)に記載の
触覚センサ信号処理装置。
【0333】(10)前記触覚センサの圧電振動子が球
状であることを特徴とする(1)または(6)に記載の
触覚センサ信号処理装置。
【0334】(11)前記触覚センサの圧電振動子が角
柱状であることを特徴とする(1)または(6)に記載
の触覚センサ信号処理装置。
【0335】(12)前記触覚センサの圧電振動子が樋
状であることを特徴とする(1)または(6)に記載の
触覚センサ信号処理装置。
【0336】(13)前記触覚センサの圧電振動子が円
柱状であることを特徴とする(1)または(6)に記載
の触覚センサ信号処理装置。
【0337】(14)前記触覚センサの圧電振動子が円
板状であることを特徴とする(1)または(6)に記載
の触覚センサ信号処理装置。
【0338】(15)前記触覚センサの圧電振動子がエ
ネルギー閉じ込め型であることを特徴とする(1)また
は(6)に記載の触覚センサ信号処理装置。
【0339】(16)前記触覚センサの圧電振動子の電
極構造が三端子型であることを特徴とする(1)または
(6)に記載の触覚センサ信号処理装置。
【0340】(17)前記触覚センサの圧電振動子の電
極が前記対象物に接触する接触子として兼用されること
を特徴とする(1)または(6)記載の触覚センサ信号
処理装置。
【0341】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、リアルタイム計測により、測定時間の短縮を可能に
するために、圧電振動子の振動子の変位方向や励振電
界、機械的端条件、電気的な条件が予め明らかであれ
ば、粘弾性特性検出に必要な装置係数を実験的に求める
必要がなくなると共に、これらの数値を用いることによ
り、短時間でより詳細な生体情報を得ることができる触
覚センサ信号処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明による第1実施形態の触覚セ
ンサ信号処理装置11を主たる構成手段によって示した
図である。
【図2】図2は、図1の触覚センサ101、共振抵抗変
化検出手段102、共振周波数変化検出手段103の具
体的な回路構成を示す図である。
【図3】図3は、図1の信号処理手段105の具体的な
回路構成を示す図である。
【図4】図4は、図1の振動子定数記憶手段104の具
体的な構成を示す図である。
【図5】図5は、図2の発振回路202からの出力信号
の波形を示す図である。
【図6】図6は、厚み縦効果の圧電振動子とその座標系
を示す図である。
【図7】図7は、圧電振動子の各表裏面における力をF
1 ,F2 として求めたメイソンの電気的等価回路を示す
図である。
【図8】図8は、図7に示す等価回路に音響インピーダ
ンスZ3 に対応する電気的なインピーダンスZ3eを接続
した場合を示す図である。
【図9】図9は、圧電振動子形状の変形例を示す図であ
る。
【図10】図10は、圧電振動子駆動用電極2902
と、振動ピックアップ用電極2901とが分離した三端
子電極構造の圧電振動子を示す図である。
【図11】図11は、この発明による第2実施形態の触
覚センサ信号処理装置12の構成を示す図である。
【図12】図12は、振動子定数記憶手段104と、信
号処理手段105に含まれる信号処理回路606とを詳
細に示す図である。
【図13】図13は、第3実施形態の振動子定数記憶手
段104と、D/Aコンバータ303、信号処理手段1
05、信号処理回路302を示す図である。
【図14】図14は、第3実施形態の信号処理回路30
2の一例を示す図である。
【図15】図15は、本発明の第1および第3の実施形
態による触覚センサ信号処理装置の具体例を示す図であ
る。
【図16】図16は、圧電振動子201に接続された発
振回路を構成する等価回路を回路要素としたコルピッツ
発振回路1801と、このコルピッツ発振回路1801
に接続されたバッファ回路1802を示す図である。
【図17】図17は、振幅変化ΔAmpと粘弾性率の虚
数部E″との間の関係を示す図である。
【図18】図18は、粘弾性率の実数部E′と周波数変
化ΔFreqとの間の関係を示す図である。
【図19】図19は、従来の触覚センサ信号処理装置の
構成を示す図である。
【図20】図20は、本発明の第1の実施形態による触
覚センサ信号処理装置の具体例による対象物の粘弾性特
性の測定に係る制御と信号処理手順を示すフローチャー
トである。
【図21】図21は、図20によるリアルタイム測定の
結果を示す図である。
【符号の説明】
11,12…触覚センサ信号処理装置、 101…触覚センサ、 102…共振抵抗変化検出手段、 103…共振周波数変化検出手段、 104…振動子定数記憶手段、 105…信号処理手段、 201…圧電振動子、 202…発振回路、 203…分岐手段、 204…F/V変換手段、 601…圧電現象選択手段、 602…選択結果入力手段、 603…信号処理回路選択手段、 604…厚み縦効果処理回路、 605…厚み横効果(厚みすベりモード)処理回路、 606…信号処理回路、 301…ゲート、 302…信号処理回路、 303…D/Aコンバータ、 304…初期共振周波数保持手段、 305…初期共振抵抗保持手段、 306…A/Dコンバータ、 401…振動部外形要素、 402…振動子の結合定数要素、 403…振動子の弾性定数要素、 404…振動子の密度、 2901…振動ピックアップ用電極、 2902…圧電振動子駆動用電極、 1501…実数部μ1 算出回路、 1502…虚数部μ2 算出回路、 1506…差動増幅器、 1507…差動増幅器、 1508…差動増幅器、 1513…差動増幅器、 1514…差動増幅器、 1515…出力端子、 1516…乗算器、 1701…高周波オシロスコープ、 1702…周波数カウンタ、 1703…直流電圧電源、 1704…パーソナルコンピュータ(PC)、 1705…粘弾性体、 1801…コルピッツ発振回路、 1802…バッファ回路。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動子のインピーダンス特性の変化を用
    いて対象物の粘弾性特性を検出する触覚センサ信号処理
    装置において、 圧電振動子を用いた触覚センサと、 前記圧電振動子のインピーダンス特性のうち共振抵抗の
    変化を検出する共振抵抗変化検出手段と、 前記圧電振動子のインピーダンス特性のうち共振周波数
    の変化を検出する共振周波数変化検出手段と、 前記圧電振動子の振動部分のサイズと、前記圧電振動子
    の圧電現象に対応する圧電定数と、前記圧電振動子の圧
    電現象に対応する結合係数と、前記圧電振動子の密度
    と、前記対象物に圧接して振動を与える接触子の外形サ
    イズを含む物理定数を予め記憶しておく振動子定数記憶
    手段と、 前記共振抵抗変化検出手段の検出結果と、前記共振周波
    数変化検出手段の検出結果と、前記振動子定数記憶手段
    に記憶された物理定数に基づいて、前記対象物の粘弾性
    特性であるずり弾性率の実数部と虚数部を独立に計算処
    理する信号処理手段と、 を具備したことを特徴とする触覚センサ信号処理装置。
  2. 【請求項2】 前記信号処理手段は、前記共振抵抗変化
    検出手段の検出結果と、前記共振周波数変化検出手段の
    検出結果と、前記振動子定数記憶手段に記憶された物理
    定数に基づいて、前記対象物のずり弾性率の実数部と虚
    数部とを独立に求める計算式を用いて計算処理する信号
    処理回路と、 前記共振抵抗変化検出手段の検出結果と、前記共振周波
    数変化検出手段の検出結果とを、前記信号処理回路に同
    一のタイミングで入力する入力手段と、 前記信号処理回路の計算結果を出力する出力手段と、 を具備することを特徴とする請求項1記載の触覚センサ
    信号処理装置。
  3. 【請求項3】 前記信号処理回路は、 前記圧電振動子の圧電現象に対応した処理回路を具備
    し、 前記振動子定数記憶手段より前記圧電振動子の圧電現象
    に対応した物理定数を前記処理回路に入力することによ
    り、前記対象物のずり弾性率の実数部と虚数部とを独立
    に求める計算式を用いて計算処理することを特徴とする
    請求項2記載の触覚センサ信号処理装置。
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