JP2000048646A - 電気絶縁材の製造方法及びその電気絶縁材の製造方法を応用した通電加熱用の触媒担体並びに電気絶縁材並びに触媒担体 - Google Patents

電気絶縁材の製造方法及びその電気絶縁材の製造方法を応用した通電加熱用の触媒担体並びに電気絶縁材並びに触媒担体

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JP2000048646A
JP2000048646A JP10212993A JP21299398A JP2000048646A JP 2000048646 A JP2000048646 A JP 2000048646A JP 10212993 A JP10212993 A JP 10212993A JP 21299398 A JP21299398 A JP 21299398A JP 2000048646 A JP2000048646 A JP 2000048646A
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catalyst carrier
foil
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crystalline
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Toru Shoji
亨 庄司
Takeshi Tozawa
剛 登澤
Keiji Murayama
恵二 村山
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Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 予め目的とした形状のガラス製絶縁材料を得
るための方法と、その製造法を燃焼又は脱臭等に使用す
る触媒担体の製造法と組み合わせることで、容易に触媒
担体内へガラス製絶縁層を形成する方法等の提供を目的
とする。 【解決手段】 非晶質ガラスのガラスクロスを骨格材と
して用い、結晶性ガラスの溶液を含浸させ、焼成硬化す
ることでガラス製絶縁材料が得られる。この製法を応用
し、波形フォイル、スペーサーフォイル及びガラスクロ
スを同時に巻き込んで結晶性ガラスの溶液を含浸させ、
焼成することで触媒担体内にガラス製絶縁層を直接形成
した触媒担体を得ることを可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気絶縁材及びそ
の電気絶縁材を利用した通電加熱用の触媒担体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より電気絶縁材としてガラス材は広
く使用されており、優れた絶縁材として知られている。
電気絶縁用に用いられるガラス材は、非晶質ガラスと結
晶化ガラスに大別することができ、使用目的に合わせ
て、これらのガラス成分を単独で使用するかあるいは混
合して使用することで電気絶縁材が構成されてきた。
【0003】一般にガラスの絶縁材は、予め目的とする
形状に直接加工するためには型を用いて焼結して成形す
るより以外になく、製造コストを上昇させる要因となっ
ていた。
【0004】また、結晶性ガラスの絶縁材は通電加熱式
の燃焼触媒体又は脱臭触媒体のメタルハニカムの電気絶
縁確保及び耐食性確保を目的に使用されるものでもあっ
た。中でも、従来の脱臭触媒体の使用は100V以下の
低電圧下での使用が一般的であった。これを代表するの
が自動車用排気ガス脱臭装置に用いる脱臭触媒体であ
る。自動車用の供給電源は12Vバッテリーである。
【0005】従って、巻き上げ触媒の波形フォイルとス
ペーサーフォイルとの層間を結晶性ガラス被膜単独で絶
縁する場合や、特開平6ー55080号公報に開示され
ているように正極側に接続されたフォイルと負極側に接
続されたフォイルとの短絡防止として行われるセラミッ
ク繊維テープ単独による領域に分けた絶縁を用いれば、
低電圧下での使用目的を達成することは可能であるが、
高電圧負荷での使用は困難であった。これらの低電圧下
で使用される触媒体では、小規模の燃焼又は脱臭を目的
としたものであり、触媒担体自体を抵抗体として発熱さ
せる熱量が低くても何ら問題は生じなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、大量の
臭気ガスの脱臭又は燃焼を行う場合には、従来の通電加
熱式の燃焼触媒体又は脱臭触媒体のメタルハニカムへの
通電量を増やして発熱量を増加させ、処理能力の上昇を
図らなければならない。かかる場合、より高い電圧であ
る200Vの高電圧電源を使用することが望まれてき
た。
【0007】このため、安価な製造コストでの加工が容
易で、しかも高電圧下で使用する通電加熱式の燃焼触媒
体又は脱臭触媒体の担体を構成する波形フォイルとスペ
ーサーフォイルとの層間の完全且つ確実な絶縁性を確保
し、電流の流れる距離を長くすることで抵抗値を上げ発
熱量を増加させることのできる電気絶縁材が求められて
きた。そこで、これらの問題を解決するため、以下に示
す電気絶縁材及びその電気絶縁材を利用した通電加熱式
触媒体の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の問題点を解決する
ため、以下の手段を採ることとした。請求項1記載の発
明は、非晶質ガラスからなるガラスクロスにペースト状
の結晶性ガラスを含浸させ、そのガラスクロスを結晶性
ガラスの完全焼成可能な温度である830℃〜950℃
の温度範囲で焼成硬化することを特徴とする電気絶縁材
料の製造方法である。この電気絶縁材料の製造方法にお
ける最大の特徴は、ペースト状の結晶性ガラスとガラス
クロスとを組み合わせて使用した点にある。
【0009】このように2種の材料を組み合わせること
としたのは、ペースト状の結晶性ガラスはコーティング
剤の感覚で用いて絶縁皮膜を形成するのに適している
が、単独で厚い絶縁皮膜を得ることやモールドを使用す
ることなく所定の形状を直接得ることが困難である。一
方、ガラスクロスを単独で使用する場合には、所定の形
状を得ることはフレキシブルなガラスクロスであれば容
易であるが、負荷電圧が高くなるにつれ、微視的な見地
から多くの空隙を持つガラスクロス単独では完全な絶縁
が不可能となる。
【0010】そこで、本発明者らは鋭意研究の結果、ペ
ースト状の結晶性ガラスとガラスクロスとを組み合わせ
ることにした。かような組み合わせを採用すれば、フレ
キシブルなガラスクロスを骨格材として用い、予め使用
状況に適した形状を確保し、その後ペースト状の結晶性
ガラスをガラスクロスに含浸させ、ペースト状の結晶性
ガラスを焼成硬化させれば、目的とする所定の形状を持
ち、しかも十分な厚さで空隙のない良好な電気絶縁層を
得ることが可能となる。また、用いるガラスクロスの厚
さやガラス材質を変化させることで、種々の厚さおよび
電気絶縁性を持った電気絶縁材料の製造が可能となるの
である。
【0011】ガラスクロスに含浸させたペースト状の結
晶性ガラスを焼成硬化する条件は、一般にガラスクロス
の構成材である非晶質ガラスの軟化点より高い。ここで
用いるガラスクロスには、90μm径のEガラスの繊維
を織ったガラス布の如き硬質ガラスを想定している。こ
の硬質ガラスの一般的な軟化点は830℃前後である。
これに対し、結晶性ガラスには、アノーサイト(CaA
2 Si2 8 )、スローソナイト(SrAl2 Si2
8 )またはセルシアン(BaAl2 Si2 8 )の何
れか一種またはこれらの2種以上の混合物を用い、焼成
硬化は830℃〜950℃程度の雰囲気で行われる。
【0012】現実の操業では830℃〜950℃×60
分程度の焼成硬化処理が施される。この焼成硬化処理が
行われると、非晶質ガラスよりなるガラスクロスは溶融
し、結晶性ガラスと混ざり合うことにより、ガラスクロ
スの形状は消失し、一見して一層よりなる1枚のガラス
製電気絶縁材が形成されることとなる。
【0013】このようにして得られたのが請求項5に記
載の請求項1記載の製造方法で得られる結晶性ガラスと
非晶質ガラスとが混合したものであるガラス製電気絶縁
材料である。このような構成のガラス製電気絶縁材料
は、空隙を持たないため高い負荷電圧がかけられても十
分な絶縁信頼性を示すものとなる。
【0014】これに対し、請求項2に記載の発明は、非
晶質ガラスからなるガラスクロスにペースト状の結晶性
ガラスを含浸させ、そのガラスクロスを750℃以上8
30℃未満の温度範囲で焼成硬化することを特徴とする
電気絶縁材料の製造方法であり、実質的に請求項1に記
載の製造方法と焼成温度範囲が異なるのみである。この
製造方法で得られたのが、請求項6に記載の絶縁材料で
ある。
【0015】ところが、請求項2に記載の方法で出来上
がる電気絶縁材料は、請求項1に記載の方法で出来上が
るものとは全く異なっている。即ち、前述のように、E
ガラスのガラスクロスを使用すると、請求項2に記載の
温度範囲はEガラスの軟化点以下の範囲となり、この範
囲で焼成してもガラスクロスの形状は消失しないことと
なるのである。
【0016】このときガラスクロスに含浸させた結晶性
ガラスは完全硬化の状態には到っておらず、一定のフレ
キシビリティを有するものである。この状態の電気絶縁
材は、結晶性ガラスを完全硬化させた場合には硬くなる
ものの脆くなるという材料強度的問題があり耐衝撃性、
耐振動性等の物理的特性が悪くなるが、この点を解決で
きるものとなる。従って、請求項1に記載された製造方
法で得られた完全硬化後の電気絶縁材に比べ、種々の物
理的特性を向上させることができる。請求項2に記載の
ガラス製電気絶縁材料を用いれば、より過酷な電気製品
の使用環境下でも、絶縁材に割れ、亀裂等の入ることを
防止し優れた絶縁信頼性の確保を可能とするのである。
【0017】次に、請求項3に記載の発明は、触媒体の
ハニカムを構成する波形フォイルとスペーサーフォイル
の層間の電気絶縁に請求項1に記載の電気絶縁材料の製
造方法を応用して通電加熱用の触媒担体の製造過程で、
同様のガラス製電気絶縁層を担体内部に形成することの
できる触媒担体の製造方法である。請求項1に記載の電
気絶縁材料の製造方法を通電加熱用の触媒担体の製造過
程で用いて、ガラス製電気絶縁層を担体内部に形成する
ことで以下の効果を得ることができる。
【0018】即ち、ガラスクロス単独では当然に空隙を
持っているため腐食性ガスを透過しやすく、結晶性ガラ
ス層単独でも膜厚が薄ければ薄いほどピット等の欠陥が
生じやすく触媒担体を構成するステンレス鋼の腐食を精
度よく防止することができない。ところが、請求項1に
記載の製造方法で得られるガラス製電気絶縁材料はピッ
トや空隙が存在しにくいため、耐腐食性に優れており、
腐食環境下での電気絶縁材料としての使用には好適とな
るのである。
【0019】請求項3に記載の発明は、巻き上げ触媒の
製造過程において、請求項1に記載したガラス製電気絶
縁材料の製造方法を同時に行うものであり、請求項1に
記載したガラス製電気絶縁材料の電気絶縁層を触媒担体
内部に形成することと、波形フォイルとスペーサーフォ
イルの双方の表面に結晶性ガラス層を形成する手法を同
時に採るものである。
【0020】即ち、これが請求項3に記載の、波形フォ
イル、スペーサーフォイル、ガラスクロス及びセンター
ポールからなり電流供給手段を備えた通電加熱可能な巻
き上げ触媒体に用いる触媒担体の製造方法であって、波
形フォイル、スペーサーフォイル及びガラスクロスのそ
れぞれの一端はセンターポールに接続され、ガラスクロ
スは波形フォイルとスペーサーフォイルとの層間の電気
絶縁性を確保することの出来るよう配し、センターポー
ルを中心に巻き込んで触媒担体形状を形成し、この触媒
担体形状を維持したままペースト状の結晶性ガラスを含
浸させると供に波形フォイルとスペーサーフォイルとの
表面に結晶性ガラスをコーティングし、巻き上げ触媒担
体の形状のままガラスクロスを構成する非晶質ガラスの
軟化点以上で且つ結晶性ガラスの焼結可能な温度で焼成
硬化することでガラス製電気絶縁材料からなる電気絶縁
層を触媒担体内に直接形成することを特徴とする触媒担
体の製造方法である。
【0021】ここでいう、波形フォイルとスペーサーフ
ォイルとはステンレス鋼等の耐熱金属よりなるフォイル
であり、触媒体として使用する際の圧力損失を考慮する
と厚さ30〜50μm程度のものの使用が望ましい。こ
の波形フォイルは、波形成形の可能な成形ロールで、予
め波形形状が付与されたものである。ガラスクロスには
前述したと同様の材質のものを使用した。
【0022】使用するガラスクロスはいずれの織り方を
したものでも構わない。例えば、杉綾織り、平綾織り、
不織性等いずれの織り方であっても十分に使用可能であ
る。波形フォイル、スペーサーフォイル及びガラスクロ
スのそれぞれの一端が接続されるセンターポールは、や
はり耐熱性および電気伝導性の確保を考慮しステンレス
鋼の使用が推奨される。この接続に当たって、波形フォ
イル及びスペーサーフォイルは溶接、ろう付等の接着接
続手段を用いてセンターポールに接続し、センターポー
ルを巻取りの支点とする。
【0023】このようにして、センターポールを中心に
して、波形フォイル、スペーサーフォイル及びガラスク
ロスが螺旋状に巻き取り、巻き上げ触媒担体を形成す
る。そして、この担体形状を維持したまま前述したアノ
ーサイト(CaAl2 Si2 8 )、スローソナイト
(SrAl2 Si2 8 )またはセルシアン(BaAl
2Si2 8 )の何れか一種またはこれらの2種以上の
混合物よりなる、ペースト状の結晶性ガラス中に浸漬す
るのである。ペースト状の結晶性ガラス中に浸漬する
と、結晶性ガラスはガラスクロスに含浸し、波形フォイ
ルとスペーサーフォイルとの表面をコーティングするこ
とになる。
【0024】最後に、ペースト状の結晶性ガラス中から
引き上げた巻き上げ触媒担体をそのままガラスの軟化点
以上で且つ結晶性ガラスの焼結可能な温度である830
〜950℃範囲の温度で焼成硬化することで、波形フォ
イルとスペーサーフォイルとの表面に結晶性ガラス層及
び単独のガラス製電気絶縁層が内部に形成された巻き上
げ触媒担体が製造できるのである。最終的には、この巻
き上げ触媒担体にウオッシュコート処理及び触媒担持が
行われ通電加熱用の触媒担体として用いられる。これが
請求項7に記載した請求項3に記載の製造方法で得られ
たガラス製電気絶縁層を触媒担体内に備えた触媒担体で
ある。
【0025】これに対し、請求項4に記載の発明は、波
形フォイル、スペーサーフォイル、ガラスクロス及びセ
ンターポールからなり電流供給手段を備えた通電加熱可
能な巻き上げ触媒体に用いる触媒担体の製造方法であっ
て、波形フォイル、スペーサーフォイル及びガラスクロ
スのそれぞれの一端はセンターポールに接続し、ガラス
クロスは波形フォイルとスペーサーフォイルとの層間の
電気絶縁性を確保することの出来るよう配し、センター
ポールを中心に巻き込んで触媒担体形状を形成し、この
触媒担体形状を維持したままペースト状の結晶性ガラス
中に浸漬することでガラスクロスに結晶性ガラスを含浸
させると供に波形フォイルとスペーサーフォイルとの表
面に結晶性ガラスをコーティングし、巻き上げ触媒担体
形状のままガラスクロスを構成する非晶質ガラスの軟化
点以下の750℃以上830℃未満の温度範囲で焼成硬
化することでガラス製電気絶縁層を触媒担体内に直接形
成することを特徴とする触媒担体の製造方法である。
【0026】即ち、請求項3に記載の触媒担体の製造方
法と、焼成硬化する温度が相違するのみである。ここで
言う非晶質ガラスの軟化点以下の750℃以上830℃
未満の温度範囲とは、結晶性ガラスの完全焼成はできな
いが、完全硬化に到る途中段階までの焼成が可能で、非
晶質ガラスからなるガラスクロスを軟化溶融させること
なく、ガラスクロスの形状をそのまま維持することので
きる低温の温度条件であり、しかも絶縁材として十分な
特性を持つガラス製電気絶縁層の形成を可能とする範囲
である。
【0027】このような焼成温度条件を採用したのは、
前述の請求項2で説明したと同様の絶縁材の特性と合わ
せて、高温焼成する請求項3に記載した触媒担体の焼成
温度領域は担体を構成するステンレス鋼の抵抗特性に変
化を与える場合があり、安定した抵抗特性を確保するた
めには、焼成温度が担体を構成するステンレス鋼の抵抗
特性に影響を与えない範囲とすべきだからである。
【0028】この請求項4に記載の触媒担体の製造方法
を用いて製造した触媒担体が請求項8に記載の触媒担体
である。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明にいうガラス製電気絶縁材
を用いた最適と思われる触媒担体における実施の形態に
ついて説明する。
【0030】第一実施形態: 図1に示すガラス製電気
絶縁材の製造フローを基に以下説明する。最初に20c
m×20cmのサイズとしたガラスクロス1を、ペース
ト状の結晶性ガラス2の中に浸漬した。この様にして、
ガラスクロス1にはペースト状の結晶性ガラス2を含浸
させた。ペースト状の結晶性ガラス2には、アノーサイ
ト(CaAl2 Si2 8 )を用いた。
【0031】続いて、このペースト状の結晶性ガラス2
の中に浸漬した後のガラスクロス1を焼成炉3中で焼成
硬化させた。ここでの焼成条件は950℃×60分とし
た。
【0032】このようにして得られたガラス製電気絶縁
材料4は、耐電圧測定にて1.2kVという極めて優れ
た電気絶縁性能を示した。
【0033】第2実施形態: 第1実施形態の焼成温度
を750℃の低温としてガラス製電気絶縁材の製造を行
った。従って、重複する記載は省略し、相違点のみを説
明する。この相違点は焼成条件を750℃×60分とし
た点のみである。
【0034】その結果、第1実施形態により製造した触
媒担体と同様に、耐電圧測定にて1.2kVという、完
全焼成したガラス製電気絶縁材と同程度の、極めて優れ
た電気絶縁性能を示した。
【0035】第3実施形態: 図2に示す触媒担体の製
造フローを基に以下説明する。波形フォイル5、スペー
サーフォイル6及び2枚のガラスクロス1のそれぞれを
5cm×450cmのサイズとし、それぞれを長さ7c
mのセンターポール7と接続し、センターポール7を中
心にして波形フォイル5、スペーサーフォイル6及びガ
ラスクロス1を巻き上げて、触媒担体8の形状を作成し
た。このとき使用した波形フォイル5とスペーサーフォ
イル6には50μm厚のステンレス鋼フォイルを用い、
ガラスクロス1は9μm径のEガラスの繊維により構成
された厚さ250μmのものを使用した。
【0036】そして、この触媒担体8の形状を維持した
まま、ペースト状の結晶性ガラスの中に浸漬し、波形フ
ォイル5とスペーサーフォイル6との表面には結晶性ガ
ラスの被膜を形成し、ガラスクロス1にはペースト状の
結晶性ガラス2を含浸させ、これを触媒担体8の形状の
まま焼成炉3中で焼成硬化させ、触媒担体8を得た。こ
のときの、結晶性ガラス2にはアノーサイト(CaAl
2 Si2 8 )を用い、焼成条件は950℃×60分と
した。
【0037】この触媒担体8を用いて通電加熱試験を行
ったところ、期待した通り、200Vの電圧をかけて
も、波形フォイルとスペーサフォイルとの間で短絡する
ことなく、期待通りの抵抗値を得ることが可能であっ
た。
【0038】第4実施形態: 第3実施形態の焼成温度
を750℃の低温として触媒担体の製造を行った。従っ
て、重複する記載は省略し、相違点のみを説明する。こ
の相違点は焼成条件を750℃×60分とした点のみで
ある。
【0039】その結果、第3実施形態により製造した触
媒担体と同様に、この触媒担体を用いて通電加熱試験を
行ったところ、期待した通り、200Vの電圧をかけて
も、波形フォイルとスペーサフォイルとの間で短絡する
ことなく、期待通りの抵抗値を得ることが可能であっ
た。
【0040】
【発明の効果】以上、本発明に係るガラス製電気絶縁材
の製造方法は、安価な製造コストで、予め所望の形状を
持つガラス製電気絶縁材の製造が可能とした。しかも、
本発明に係るガラス製電気絶縁材の製造方法を応用する
ことにより、高電圧下で使用する通電加熱式の燃焼触媒
体又は脱臭触媒体の触媒担体を構成する波形フォイルと
スペーサーフォイルとの層間の完全且つ確実な絶縁性を
確保し、電流の流れる距離を長くすることで抵抗値を上
げ発熱量を増加させることのできる電気絶縁層としての
形成が触媒製造工程に僅かな改変を加えることで容易に
可能となった。この結果、200Vの高電圧電源を通電
加熱式の燃焼触媒体又は脱臭触媒体利用することが可能
となり、大量の燃焼ガス及び臭気ガスの処理が可能とな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガラス製電気絶縁材の製造フロー図。
【図2】触媒担体の製造フロー図。
【符号の説明】
1 ガラスクロス 2 ペースト状の結晶性ガラス 3 焼成炉 4 ガラス製電気絶縁材料 5 波型フォイル 6 スペーサーフォイル 7 センターポール 8 触媒担体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA01 AA08 BA14A BA14B BA14C DA05 EA15 FB69 5G303 AA10 AB01 BA02 CA02 CB01 CB03 CB06 CB30 CB32 DA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質ガラスからなるガラスクロスにペ
    ースト状の結晶性ガラスを含浸させ、そのガラスクロス
    を結晶性ガラスの完全焼成可能な温度である830℃〜
    950℃の温度範囲で焼成硬化することを特徴とする電
    気絶縁材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 非晶質ガラスからなるガラスクロスにペ
    ースト状の結晶性ガラスを含浸させ、そのガラスクロス
    を750℃以上830℃未満の温度範囲で焼成硬化する
    ことを特徴とする電気絶縁材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 波形フォイル、スペーサーフォイル、ガ
    ラスクロス及びセンターポールからなり電流供給手段を
    備えた通電加熱可能な巻き上げ触媒体に用いる触媒担体
    の製造方法であって、波形フォイル、スペーサーフォイ
    ル及びガラスクロスのそれぞれの一端はセンターポール
    に接続し、ガラスクロスは波形フォイルとスペーサーフ
    ォイルとの層間の電気絶縁性を確保することの出来るよ
    う配し、センターポールを中心に巻き込んで触媒担体形
    状を形成し、この触媒担体形状を維持したままペースト
    状の結晶性ガラス中に浸漬することでガラスクロスに結
    晶性ガラスを含浸させるとともに波形フォイルとスペー
    サーフォイルとの表面に結晶性ガラスをコーティング
    し、巻き上げ触媒担体形状のままガラスクロスを構成す
    る非晶質ガラスの軟化点以上で且つ結晶性ガラスの焼結
    可能な830〜950℃の温度範囲で焼成硬化すること
    でガラス製電気絶縁層を触媒担体内に直接形成すること
    を特徴とする触媒担体の製造方法。
  4. 【請求項4】 波形フォイル、スペーサーフォイル、ガ
    ラスクロス及びセンターポールからなり電流供給手段を
    備えた通電加熱可能な巻き上げ触媒体に用いる触媒担体
    の製造方法であって、波形フォイル、スペーサーフォイ
    ル及びガラスクロスのそれぞれの一端はセンターポール
    に接続し、ガラスクロスは波形フォイルとスペーサーフ
    ォイルとの層間の電気絶縁性を確保することの出来るよ
    う配し、センターポールを中心に巻き込んで触媒担体形
    状を形成し、この触媒担体形状を維持したままペースト
    状の結晶性ガラス中に浸漬することでガラスクロスに結
    晶性ガラスを含浸させるとともに波形フォイルとスペー
    サーフォイルとの表面に結晶性ガラスをコーティング
    し、巻き上げ触媒担体形状のままガラスクロスを構成す
    る非晶質ガラスの軟化点以下の750℃以上830℃未
    満の温度範囲で焼成硬化することでガラス製電気絶縁層
    を触媒担体内に直接形成することを特徴とする触媒担体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の製造方法で得られるガ
    ラス製電気絶縁材料。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載の製造方法で得られるガ
    ラス製電気絶縁材料。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の製造方法で得られたガ
    ラス製電気絶縁層を触媒担体内に備えた触媒担体。
  8. 【請求項8】 請求項4に記載の製造方法で得られたガ
    ラス製電気絶縁層を触媒担体内に備えた触媒担体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101471163B (zh) * 2007-12-24 2012-01-04 天津市华之阳特种线缆有限公司 编织套管的烘烤方法

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