JP2000047166A - 液晶表示素子およびその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子およびその製造方法

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JP2000047166A
JP2000047166A JP22954398A JP22954398A JP2000047166A JP 2000047166 A JP2000047166 A JP 2000047166A JP 22954398 A JP22954398 A JP 22954398A JP 22954398 A JP22954398 A JP 22954398A JP 2000047166 A JP2000047166 A JP 2000047166A
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Kunio Takada
國夫 高田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 注入口付近での配向不良を解消した液晶表示
素子を提供する。 【解決手段】 基板1と基板2をシール材3で貼合せ、
真空中で注入時に粘性の高い相と粘性の低い相が混在す
る液晶を前記貼合せ基板の注入口6に塗布した後に大気
圧に戻し、順次加圧することによって液晶を注入する液
晶表示素子の製造方法において、前記貼合せ基板1,2
の一方あるいは両方の少なくとも注入口6から表示領域
12までの注入領域13に液晶を配向させる配向膜を形
成し、該配向膜を液晶の注入進行方向と同じ方向に配向
処理し、該注入口から液晶を注入して表示領域の手前で
は粘性の高い相のみを液晶注入方向と垂直方向に移動さ
せ、粘性の低い相を液晶注入方向に移動させる液晶表示
素子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子およ
びその製造方法に関し、特にコンピュータ、ワードプロ
セッサ、電子手帳などに用いる液晶表示素子のセル構
成、詳しくは液晶注入過程に於いて注入口付近の配向不
良のない液晶パネルを提供するためのセル構成の液晶表
示素子およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は通常ガラス基板上にカラ
ーフイルターを形成し、その上に液晶を駆動するための
電極を形成し、それに対向するもう一方の電極を形成し
たガラス基板を用意し、いずれか一方に液晶材を封じ込
めるシール材を塗布し、ギャップを形成するためのギャ
ップ材と2つの基板を貼合せる接着ビーズを塗布して、
加熱硬化させて貼合せ基板を形成する。この貼合せ基板
を真空加熱機に投入して真空加熱脱気処理し、しかる後
に液晶を貼合せ基板の注入口に塗布してから大気に徐々
に戻し、さらに加圧を行うことによって貼合せ基板内に
液晶を徐々に注入することによって形成される。
【0003】通常、貼合せ基板の脱ガス効果を上げるた
めに加熱温度は100℃〜120℃の高温にするのが望
ましい。接液するときの温度は液晶の先走りを抑えるた
めにパネルの温度と液晶の温度を50℃〜80℃に下げ
て行うことが望ましい(特開平06−05129号公
報)。
【0004】また、注入口付近の配向むらをなくす工夫
として、特開平09−145106号公報に示すように
注入口の幅を広げたり、注入口付近に液晶の流れを制御
するダミーシールを描いたりすることが試みられてい
る。また注入時に於ける液晶の先走りを抑えるために注
入口付近に先走り防止ダミーシールを描く試みもなされ
ている(特開平06−34948)。さらに、注入口か
ら入った液晶を表示領域に入る前に横方向に均一に広
げ、表示領域では一様な液晶流れを作る工夫もなされて
いる(特開平05−333347号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術のように液晶の先走りを抑えるために低い温度で
接液させる方法は非常に有効であるが、温度と圧力を上
昇させていく過程において液晶の流動が始まり、粘性の
低い相と粘性の高い相の混在相として表示領域に侵入し
てしまうので注入口付近の配向状態が図2に示すような
筋状の不良(ムラ)7となっていた。
【0006】この混在相を表示領域に入れないために
は、一気に温度と圧力を上げてしまうことが有効である
が、そうすると注入口付近での液晶注入速度が速くなり
すぎて配向膜にダメージを与えてしまい、注入口付近で
の図3に示す様な配向不良11を引き起こす。これを防
ぐためには徐々に温度と圧力を上げながら液晶の流動速
度を精密に制御しながら表示領域内に入る前に均一な温
度状態にしなければならず温度と圧力の制御が非常に困
難であった。
【0007】また液晶の先走りを抑えるためのダミーシ
ールを描いて表示領域に液晶が入るのを遅らす方法を取
っても、やはり不均一な混在相を表示領域内にいれない
ためには徐々に温度と圧力を上げながら液晶の流動速度
を精密に制御しながら表示領域内に入る前に均一な温度
状態にしなければならず、温度と圧力の制御が非常に困
難であった。また、注入口付近で液晶を横方向に広げて
から表示領域内で一様に注入しようとしても、注入口付
近では温度上昇過程の不均一な液晶相が存在するため、
やはり表示領域内で配向ムラが生じてしまっていた。
【0008】このように粘性の低い相と高い相の混在相
をなくすために早く昇温しなければならないこと、昇温
速度が早すぎると配向ムラが生じるという相反する現象
のため実質的には注入口付近での配向不良を皆無にする
のは不可能であった。
【0009】本発明は、この様な従来技術の欠点を改善
するためになされたものであり、注入口付近での配向不
良を解消し、配向が良好な液晶表示素子およびその製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、カラー
フィルター上に電極を形成した基板とそれに対向する基
板をシール材で貼合せ、真空中で液晶を前記貼合せ基板
の注入口に塗布した後に大気圧に戻し、順次加圧するこ
とによって液晶を注入することにより形成された液晶表
示素子において、前記貼合せ基板の一方あるいは両方の
少なくとも注入口から表示領域までの注入領域に、液晶
の注入方向と同じ方向に配向処理した配向膜を有するこ
とを特徴とする液晶表示素子である。
【0011】また、本発明は、カラーフィルター上に電
極を形成した基板とそれに対向する基板をシール材で貼
合せ、真空中で注入時に粘性の高い相と粘性の低い相が
混在する液晶を前記貼合せ基板の注入口に塗布した後に
大気圧に戻し、順次加圧することによって液晶を注入す
る液晶表示素子の製造方法において、前記貼合せ基板の
一方あるいは両方の少なくとも注入口から表示領域まで
の注入領域に液晶を配向させる配向膜を形成し、該配向
膜を液晶の注入方向と同じ方向に配向処理し、該注入口
から液晶を注入して表示領域の手前では粘性の高い相の
みを液晶注入方向と垂直方向に移動させ、粘性の低い相
を液晶注入方向に移動させることを特徴とする液晶表示
素子の製造方法である。
【0012】前記液晶が、液晶が注入時に粘性の高い相
と粘性の低い相が混在する強誘電性液晶であるのが好ま
しい。また、前記粘性の高い相がスメクチック相である
のが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明者は、上記従来の問題を解
決するために、強誘電性液晶の注入過程に於ける温度と
その流動性を詳しく調べた結果、各温度領域に於ける液
晶相と流動性に大きな特徴があることを見い出した。す
なわち、強誘電性液晶は、一例として一般に室温ではカ
イラルスメクテイックC相(SmC* )、57℃〜90
℃の温度領域ではスメクテイックA相(SmA)、93
℃〜99℃の温度領域ではコレステリック相(Ch)1
00℃以上の温度領域ではアイソトロピック相(IS
O)になる。
【0014】強誘電性液晶は、高温領域のアイソトロピ
ック相(ISO)とコレステリック相(Ch)の温度領
域では液晶は等方均一な流動性を示す。しかしながら、
それより低い温度領域のスメクテイックA相(SmA)
では等方的な液晶流動性を示すことはできず配向膜のあ
る領域では、そのラビング方向に垂直な方向に液晶は筋
状に進んでいくことが分かった。そして、その速さはコ
レステリック相(Ch)の流れよりも速く、そのため表
示領域に入った時に配向膜のラビング方向に垂直な方向
に筋状の配向不良7を起こすことが分かった。(図2参
照)
【0015】そこで、本発明者は、基板の液晶の注入口
付近に配向膜を設け、液晶の進行方向と同じ方向にラビ
ングを行い、基板をギャップ形成材と接着ビーズにより
貼合せ、真空室内で加熱により脱ガス処理を行った後、
強誘電性液晶材料を前記貼合せ基板の注入口に塗布し、
しかる後に大気圧に戻し、順次加圧することによって液
晶を注入することにより強誘電性液晶パネルを形成した
ところ、スメクテイックA相(SmA)は注入口付近か
ら表示領域までの領域で注入方向に対して横方向に流動
し、コレステリック相(Ch)は液晶の注入方向に流動
させることができるようになり、コレステリック相(C
h)のみ表示領域に流れ込むようになり注入口付近での
配向不良を防止することが可能となった。
【0016】この様にして、本発明の液晶表示素子は、
カラーフィルター上に電極を形成した基板とそれに対向
する基板の少なくとも一方の周辺にシール材を形成し、
ギャップ形成材と接着ビーズにより貼合せ、真空室内で
加熱により脱ガス処理を行った後、強誘電性液晶材料を
前記貼合せ基板の注入口に塗布し、しかる後に大気圧に
戻し、順次加圧することによって液晶を注入することに
より形成される強誘電性液晶液晶表示素子に於いて、前
記貼合せ基板の内の片側あるいは両方の基板の注入口か
ら表示領域までの領域に液晶を配向させる配向膜を形成
し、前記配向膜をラビングによって液晶の注入進行方向
と同じ方向に配向処理したことを特徴とする。
【0017】液晶には、注入時の注入温度に加熱した時
に、粘性の高い相、例えばスメクチック相、と粘性の低
い相、例えばコレステリック相とが混在する液晶が用い
られ、特に強誘電性液晶が好ましい。
【0018】注入時には、粘性の高い相と粘性の低い相
が混在する液晶は、注入口から表示領域の手前では、粘
性の高い相のみを液晶注入方向と垂直に移動させ、粘性
の低い相を液晶注入方向に移動させることにより注入を
行なう。
【0019】
【実施例】以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に
説明する。
【0020】実施例1 図1は本発明の液晶表示素子の一実施例を示す概略図で
ある。本発明における実施例を図1を用いて次に示す。
液晶表示素子用のたて450×よこ550、厚さ1.l
mmの片面研磨ガラス基板1に赤(R)、緑(G)、青
(B)の3色のカラーフイルターを形成し、その上に液
晶駆動用の電極パターンをフォトリソグラフィーにより
形成した。次に絶縁膜としてTaOx膜をスパッタリン
グで形成し、その上にフレキソ印刷法で表示領域12か
ら注入口6に至るまで配向膜5を塗布しラビング法によ
り配向処理を行った。その際、表示領域12外に当たる
外周遮光枠4から注入口6に至る注入領域13をマスキ
ングしてラビング処理を施した。この場合ラビング方向
は視野角の最も有利な角度に選ぶことが可能である。本
実施例では約30°を選んだ。続いて外周遮光枠4から
注入口6に至る注入領域13のみを注入口から表示領域
の方向A、すなわち注入工程に於ける液晶進行方向にラ
ビング処理を施した。
【0021】他方のガラス基板2には同様な方法で電極
形成、絶縁膜、配向膜を形成し、外周遮光枠から注入口
に至る注入領域をマスキングして表示領域のみを30°
でラビングし、しかる後に外周遮光枠から注入口に至る
注入領域のみを液晶進行方向にラビング処理を施した。
【0022】次に、液晶注入領域を囲む様にシール材3
を形成し、シリカビーズのギャップ材とエポキシ系接着
ビーズを散布して160℃、90分間加熱加圧処理を施
して貼合せ基板を形成した。
【0023】次に液晶表示素子として必要な大きさとし
て300×290mm程度にスクライブにより切断し、
真空加熱式液晶注入機に投入した。このとき各々の基板
の電極端子部がむき出しになるようにし、注入口のみ2
枚の基板が合わさるように切断した。
【0024】本発明で用いた真空加熱式液晶注入機は液
晶室と注入室の2槽式になっており、パネルの脱気処理
と液晶の脱気処理を各々独立して行えるようになってい
る。パネルの注入口が下方に来るように注入室にパネル
を設置し、パネルの温度を120℃に5時間保持し、そ
の後l×l0-3Torrまで真空排気を行い10時間保
持してパネルの脱気処理を行った。
【0025】真空に引く過程でパネルは気体の対流がな
くなることによりその温度が下降し、約75℃程度にな
るまでの時間真空排気を続けた。一方、液晶室では、下
記に示す液晶をテフロン製の液晶皿に0.5gほど盛
り、110℃、2時間ほど加熱し、しかる後にl×l0
-3Torrまで真空排気を行い13時間保持し、脱気処
理を施した。注入室と同様に液晶室でも真空に引く過程
でパネルは気体の対流がなくなることにより液晶皿の温
度が下降し、約75℃程度になるまでの時間真空排気を
続けた。
【0026】
【化1】 (R1〜R14は−Fなどの置換基を有してもよい直鎖ま
たは分枝のアルキル基)
【0027】パネルと液晶が各々十分脱気処理されてか
ら、液晶室と注入室の圧力調整を行いゲートバルブを開
いて液晶皿をパネルに下方から侵入させて接液を行っ
た。接液の温度は液晶の先走りを防ぐために75℃を選
んだ。接液時間は液晶が十分パネルとなじむ時間が必要
で通常10から60分程度そのままの状態にしておく。
所定時間経過後、真空バルブを閉じてリーク弁を開いて
大気圧に除々に戻す。急激に大気圧に戻すと注入口付近
での液晶の流れが早くなりすぎてその部分の配向状態が
乱れてしまうので大気圧に戻す時間は通常2〜4時間程
度のゆっくりした速度で行う。
【0028】大気圧に戻る過程でパネルは対流により一
気に温度が上昇するので一旦ヒータ温度を10℃下げて
l10℃とし、パネル温度が98℃を超えないようにし
た。大気圧に戻ったあと液晶を十分パネルに充填させる
ために、さらに1200Torr〜2400Torr程
度の加圧処理を行った。このときパネルの温度は先程の
98℃を超えないようにヒータ温度を制御するようにし
た。約20時間後に注入機よりパネルを取りだし熱エー
ジングにより加熱徐冷処理を施した。偏向板を通して配
向検査を行ったところ、従来注入口付近にあった筋状の
配向不良はまったく見当たらなかった。
【0029】実施例2 実施例2を次に示す。これはカラーフィルターに対向す
る基板にのみ注入口付近の配向処理を行ったケースであ
る。実施例1と同様に液晶表示素子用の450×55
0、厚さ1.lmmの片面研磨ガラス基板1に赤
(R)、緑(G)、青(B)の3色のカラーフィルター
を形成し、その上に電極と絶縁膜を形成し、その上にフ
レキソ印刷法で表示領域12にのみ配向膜5を塗布しラ
ビング法により配向処理を行った。ラビング方向は視野
角の最も有利な角度に選ぶことが可能である。本実施例
では約30°を選んだ。
【0030】他方のガラス基板2には同様な方法で電
極、絶縁膜を形成し、その上にスピン展色法で表示領域
12と表示領域から注入口6に至るまで注入領域13ま
で配向膜を塗布し、ラビング法により配向処理を行っ
た。その際、表示領域外に当たる外周遮光枠4から注入
口6に至る注入領域13をマスキングして30°でラビ
ング処理を施した。続いて外周遮光枠から注入口に至る
注入領域13のみを注入口から表示領域の方向、すなわ
ち注入工程に於ける液晶進行方向にラビング処理を施し
た。
【0031】次に液晶表示領域を囲む様にシール材3を
形成し、シリカビーズのギャップ材とエポキシ系接着ビ
ーズを散布して160℃、90分間加熱加圧処理を施し
て貼合せ基板を形成した。
【0032】次に実施例1と同様にスクライブし、真空
加熱式液晶注入機に投入した。実施例1と同じ条件で注
入処理を行い、約20時間後に注入機よりパネルを取り
だし熱エージングにより加熱徐冷処理を施した。偏向板
を通して配向検査を行ったところ、従来注入口付近にあ
った筋状の配向不良はまったく見当たらなかった。
【0033】実施例3 実施例3を次に示す。これはカラーフィルター基板にの
み注入口付近の配向処理を行ったケースである。実施例
1と同様に液晶表示素子用の450×550、厚さ1.
lmmの片面研磨ガラス基板1に赤(R)、緑(G)、
青(B)の3色のカラーフィルターを形成し、その上に
電極と絶縁膜を形成し、その上にスピン展色法で表示領
域から注入口に至るまで配向膜5を塗布しラビング法に
より配向処理を行った。その際表示領域外に当たる外周
遮光枠4から注入口6に至る注入領域13をマスキング
してラビング処理を施した。この場合ラビング方向は視
野角の最も有利な角度に選ぶことが可能である。本実施
例では約30°を選んだ。続いて外周遮光枠4から注入
口6に至る注入領域13のみを注入口から表示領域の方
向、すなわち注入工程に於ける液晶進行方向にラビング
処理を施した。
【0034】他方のガラス基板2には同様な方法で電極
形成、絶縁膜、配向膜を形成し表示領域のみを約30°
でラビングした。次に、液晶注入領域を囲む様にシール
材3を形成し、シリカビーズのギャップ材とエポキシ系
接着ビーズを散布して、160℃、90分間加熱加圧処
理を施して貼合せ基板を形成した。
【0035】次に実施例1と同様にスクライブし、真空
加熱式液晶注入機に投入した。実施例1と同じ条件で注
入処理を行い、約20時間後に注入機よりパネルを取り
だし熱エージングにより加熱徐冷処理を施した。偏向板
を通して配向検査を行ったところ従来注入口付近にあっ
た筋状の配向不良はまったく見当たらなかった。
【0036】比較例1 比較例1として両側の基板の注入口付近まで配向膜を形
成し、約30 の角度でラビングした場合を下記に示
す。実施例1と同様に液晶表示素子用の450×55
0、厚さ1.lmmの片面研磨ガラス基板に赤(R)、
緑(G)、青(B)の3色のカラーフィルターを形成
し、その上に電極と絶縁膜を形成し、その上にスピン展
色法で表示領域から注入口付近まで配向膜を塗布し30
°でラビング法により配向処理を行った。
【0037】他方のガラス基板には同様な方法で電極、
絶縁膜を形成し、その上にスピン展色法で表示領域から
注入口に至るまで配向膜を塗布し、同様に30°でラビ
ング法により配向処理を行った。次に、液晶注入領域を
囲む様にシール材を形成し、シリカビーズのギャップ材
とエポキシ系接着ビーズを散布して、160℃、90分
加熱加圧処理を施して貼合せ基板を形成した。次に、実
施例1と同様にスクライブし、真空加熱式液晶注入機に
投入した。実施例1と同じ条件で注入処理を行い約20
時間後に注入機よりパネルを取りだし、熱エージングに
より加熱徐冷処理を施した。
【0038】偏向板を通して配向検査を行ったところ、
図2に示す様に、注入口付近にラビング方向10に垂直
な方向に筋状の配向不良7が発生していることを確認し
た。同様にカラーフィルター側だけに表示領域から注入
口付近まで配向膜を形成し、30°でラビングし、液晶
を注入したところ、注入口付近にラビング方向に垂直な
方向10に筋状の配向不良7が発生していることを確認
した。また、カラーフィルターの付いてない側の基板で
も同様な結果が得られた。
【0039】いずれの場合でも注入口付近で配向膜が液
晶の進行方向にラビングされていない場合は、注入口付
近にラビング方向と垂直な方向10に筋状の配向不良7
ができることがわかった。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、強誘電性液晶は温
度によりいろいろな流動特性をもつ液晶相が存在し、高
温領域ではアイソトロピック相(ISO)、コレステリ
ック相(Ch)であり、この温度領域では等方均一に液
晶は流動する。しかしながら、それよりさらに低いスメ
クテイックA相(SmA)では等方な液晶流動性を示さ
ず配向膜のない領域ではほとんど液晶は流動することが
できず、配向膜のある領域ではそのラビング方向に垂直
な方向に液晶は筋状に進んでいくことが分かった。そし
てその速さは粘性の低いコレステリック相の流れよりも
速くそのため表示領域にラビング方向に垂直な方向に筋
状の配向不良が発生する。
【0041】これを防止するために、本発明では注入口
付近に配向膜を設け、ラビングを液晶注入方向と同じ方
向に行うことで、スメクテイックA相(SmA)は注入
口付近から表示領域までの領域で注入方向に対して横方
向に流動し、コレステリック相(Ch)は液晶の進行方
向に流動するのでコレステリック相(Ch)のみ表示領
域に流れ込むようになり配向不良を防止することが可能
となり、従来直すのが困難とされていた注入口付近での
配向不良を解消することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子の一実施例を示す概略図
である。
【図2】ラビング方向に垂直な方向に液晶が流動したた
めに生じた筋状の配向不良を示す図である。
【図3】注入口付近で急激に液晶が流動したために生じ
た配向不良を示す図である。
【符号の説明】
1、2 ガラス基板 3 シール材 4 外周遮光枠 5 配向膜 6 注入口 7 筋状の配向不良 8 注入ムラ 9 接液部分 10 ラビング方向 11 配向不良 12 表示領域 13 注入領域

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラーフィルター上に電極を形成した基
    板とそれに対向する基板をシール材で貼合せ、真空中で
    液晶を前記貼合せ基板の注入口に塗布した後に大気圧に
    戻し、順次加圧することによって液晶を注入することに
    より形成された液晶表示素子において、前記貼合せ基板
    の一方あるいは両方の少なくとも注入口から表示領域ま
    での注入領域に、液晶の注入方向と同じ方向に配向処理
    した配向膜を有することを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 前記液晶が強誘電性液晶である請求項1
    記載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 前記液晶が注入時に粘性の高い相と粘性
    の低い相が混在する請求項1または2記載の液晶表示素
    子。
  4. 【請求項4】 前記粘性の高い相がスメクチック相であ
    る請求項3記載の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 カラーフィルター上に電極を形成した基
    板とそれに対向する基板をシール材で貼合せ、真空中で
    注入時に粘性の高い相と粘性の低い相が混在する液晶を
    前記貼合せ基板の注入口に塗布した後に大気圧に戻し、
    順次加圧することによって液晶を注入する液晶表示素子
    の製造方法において、前記貼合せ基板の一方あるいは両
    方の少なくとも注入口から表示領域までの注入領域に液
    晶を配向させる配向膜を形成し、該配向膜を液晶の注入
    方向と同じ方向に配向処理し、該注入口から液晶を注入
    して表示領域の手前では粘性の高い相のみを液晶注入方
    向と垂直方向に移動させ、粘性の低い相を液晶注入方向
    に移動させることを特徴とする液晶表示素子の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記液晶が強誘電性液晶である請求項5
    記載の液晶表示素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記粘性の高い相がスメクチック相であ
    る請求項5または6記載の液晶表示素子の製造方法。
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