JP2000044724A - プラスチックの溶剤、及びプラスチックの回収方法 - Google Patents

プラスチックの溶剤、及びプラスチックの回収方法

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JP2000044724A
JP2000044724A JP10572299A JP10572299A JP2000044724A JP 2000044724 A JP2000044724 A JP 2000044724A JP 10572299 A JP10572299 A JP 10572299A JP 10572299 A JP10572299 A JP 10572299A JP 2000044724 A JP2000044724 A JP 2000044724A
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solvent
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temperature
recovering
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Hisashi Manabe
久始 真邊
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STYLO JAPAN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種プラスチックに適用可能な安全衛生的な
溶剤系及び同溶剤系を用いた各種プラスチックの回収方
法を提供する。 【解決手段】 グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチ
ル及びコハク酸ジメチルから選ばれる二塩基酸エステル
の少なくとも1種を主成分とするプラスチックの溶剤。
この溶剤にプラスチックを溶解し、プラスチックが熱分
解しない温度及びプラスチックの流動可能な温度の両者
を満足する温度範囲で蒸留分離する工程を含むプラスチ
ックの回収方法。好ましくは、蒸留工程に排出機を備え
た薄膜蒸発器を用い、減圧度などの条件をプラスチック
の分解温度と流動温度との関係において選定することを
含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックを減
容若しくは溶解し、分離回収することを可能にする溶剤
及び回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年に至り、高分子化学及びその工業技
術の発達により、プラスチック類の機能と価格が使用者
のニーズに益々適合するようになり、その生産量は頓に
増大してきている。それに伴い、使用済みのプラスチッ
ク類の処分量も比例して増加している。使用済みのプラ
スチック類の処分は、最も素朴な方法として、焼却若し
くは埋立てが行なわれるが、環境汚染問題に繋がり且つ
資源エネルギーの浪費にもなるので、対策が望まれてい
る。そこで、使用済みプラスチックの回収再利用が試み
られ、プラスチックの物理特性及び使用形態に応じ、回
収・破砕・ペレット化、回収・溶融・ペレット化、回収
・熱分解・液化成分の取得、などのプロセスを実用化せ
んとしている。しかし、これらの方法では場合によっ
て、プラスチックが熱劣化等により再利用するにあたっ
て品質上の問題が発生したり、回収処理取得物の利用方
法に問題があったり、そのプラスチックが発泡体など見
かけ比重が著しく小のため、運搬にそのままでは費用が
かかるなど、必ずしも最善の方法ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は回収後のプラ
スチックの劣化が少ない回収方法を提供しようとするも
のであって、更に詳しくは、広範なプラスチックが溶解
可能で、工程及び取り扱い上の安全性を備え、人体に対
する毒性の少なく且つ低コストあるいは適正コストのプ
ラスチックの溶剤を提供し、それを用いてプラスチック
を減容もしくは溶解し蒸留によって分離する回収方法を
提供する。これにより、回収運搬コストの低減、回収プ
ラスチックの高品質維持を図ろうとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は対象とするプラ
スチックの溶剤をその溶解性、沸点範囲、毒性及び引火
爆発危険性を考慮して選択することにある。即ち、グル
タル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル及びコハク酸ジメ
チルから選ばれる二塩基酸エステルの少なくとも1種を
主成分とする溶剤はポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リメチルペンテン-1、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニル
アルコール、ポリビニルアセタール、ポリメチルビニル
エーテル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸
エステル、ポリアクリル酸、ポリアクリロニトリル、ポ
リブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポ
リオルガノシロキサン、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリエステル、ポリイミド、ポリスルホン、ポリフ
ェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホンポリエチレ
ンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアセタール
から選ばれる少なくとも一つを成分とするプラスチック
に対して溶解性にとみ、当該三種の二塩基酸エステルの
単独又は適当な組み合わせ及び必要ならば適当な他の溶
剤成分の追加により必要な特性を調節することが出来る
ことを見出したことによる。溶解性についての特定なプ
ラスチックに対する三種の二塩基酸エステルの単独又は
適当な組み合わせ及び必要ならば適当な他の溶剤成分の
追加による溶剤組成の決定は、Charles M. Hansenの提
唱する溶解性パラメータシステムを使って行うこともで
きる。
【0005】すなわちX軸を極性結合パラメーター、Y
軸を水素結合パラメーターとする平面上に、特定プラス
チックの溶解範囲を円弧として描き、混合溶剤(溶剤組
成)のパラメーターを現す点がその円弧内に収まるよう
混合溶剤の組成を求める。一方、本発明におけるグルタ
ル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル及びコハク酸ジメチ
ルの引火点から予測される爆発危険性及び人体に対する
毒性は著しく低いこと、グルタル酸ジメチル、アジピン
酸ジメチル及びコハク酸ジメチルは常温乃至加温時にお
いてその揮発性が小さく取り扱い中の作業環境中への散
逸が少ないので経済性及び作業環境上にも好ましいこと
も特徴である。
【0006】更に本発明の特徴とするところは、かくし
て得られたプラスチックの溶液から回収すべきプラスチ
ックを蒸留によって分離する手段として、薄膜蒸発器を
使用するところにある。これにより、プラスチックが曝
される熱履歴を最小限におさえることができるとともに
連続して工程を進めることができる。また、減圧下に蒸
留すれば、溶剤の沸点が降下し、プラスチックが高温に
曝されることがなく熱劣化が防止されるが、一方、蒸留
で溶液の溶剤が実質的にすべて蒸発した状態でもプラス
チックが流動可能な温度を保つ必要があるので、処理し
ているプラスチックの軟化点と使用している溶剤組成に
応じて適正な減圧度を選ぶことも本発明の特徴である。
【0007】前記したように、処理の温度は出来る限り
低いことが好ましいが、処理温度が低いほど当該プラス
チックの溶融粘度は高くなる。そこで、溶剤が実質的に
すべて蒸発した状態の高粘度のプラスチックが排出可能
なように、蒸発器の底部、即ちプラスチック排出部に高
粘度の溶融体でも排出可能にした排出機を備えたことも
本発明の特徴である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
る構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特
に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみ
に限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。グル
タル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル及びコハク酸ジメ
チルの引火点はそれぞれ94℃、107℃及び113℃
と高く常温での取り扱いは勿論、溶解を促進するため回
収工程中加温するようなことがあっても、爆発火災の面
から充分安全である。ただし、より揮発性の溶剤を混合
使用する必要がある場合は引火点を考慮してその割合を
調節する工夫や引火点を下げる物質を混合するのが好ま
しい。また、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル
及びコハク酸ジメチルの毒性については各種毒性試験即
ち、急性毒性試験、変異原生試験、亜急性毒性試験、生
殖試験、発育試験などにおいて低い値を示す。溶解性を
調節するなどのため他の溶剤と混合する場合、グルタル
酸ジメチル、アジピン酸ジメチル及び/又はコハク酸ジ
メチルの低毒性成分に希釈されるが、毒性の限界を考慮
してその混合割合を調製することが好ましい。
【0009】回収を目的とするプラスチックの溶剤組成
を決定するにあたって、Charles M.Hansenの溶解性パラ
メーターシステムによる方法を以下に説明する。当該プ
ラスチックを溶解性パラメーター既知の各種溶剤に10
%濃度で室温にて溶解し溶解性をテストする。このデー
タを用い縦軸に水素結合パラメーター、横軸に極性結合
パラメーターをとった平面上に当該プラスチックの溶解
性範囲(solubilityenvelope)を描く。同時にグルタル
酸ジメチル、アジピン酸ジメチル及びコハク酸ジメチル
のパラメーター並びにパラメーター既知の他の溶剤をプ
ロットする。溶解性範囲(solubility envelope)の内
側のパラメーター範囲が当該プラスチックの溶解可能領
域である。多くの場合グルタル酸ジメチル、アジピン酸
ジメチル及びコハク酸ジメチルは本発明における回収を
目的とするプラスチックの良溶剤であるため、当該プラ
スチックの溶解性範囲(solubility envelope)内に存
在する。
【0010】しかし、前記した理由により他の溶剤との
混合溶剤とする場合、混合溶剤のパラメーターはそれぞ
れの溶剤のパラメーターに混合の容積分率を乗じで加え
た値となる。従って、任意の混合溶剤はこの原理によっ
て求めた溶解性パラメーターが当該プラスチックの溶解
性範囲(solubility envelope)の中にあるようにその
種類及び混合割合を選べばよい。本発明の上記方法によ
って回収されるプラスチックはポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリメチルペンテン-1、ポリスチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリメチ
ルビニルエーテル、ポリメタクリル酸エステル、ポリア
クリル酸エステル、ポリアクリル酸、ポリアクリロニト
リル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプ
レン、ポリオルガノシロキサン、ポリアミド、ポリカー
ボネート、ポリエステル、ポリイミド、ポリスルホン、
ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポ
リエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、及びポ
リアセタールから選ばれる少なくとも一つを成分とする
プラスチックを例としてあげることができ、成分の構成
態様は共重合であっても、ブレンドであってもよい。
【0011】ここに言うポリビニルアセタールはポリビ
ニルアルコールとアルデヒドの反応化合物であって、ポ
リビニールブチラールを含む。ポリメタクリル酸エステ
ル及びポリアクリル酸エステルはそれぞれポリメタクリ
ル酸及びポリアクリル酸のアルコールエステルの構造を
持つ化合物であってポリメタクリル酸メチル及びポリア
クリル酸メチルを含む。ポリオルガノシロキサンはシロ
キサン鎖の珪素に直接アルキル基、ビニル基若しくはア
リール基が結合した化合物であって、ポリジメチルシロ
キサン、ポリメチルビニルシロキサン、ポリメチルフェ
ニルシロキサン及びポリジフェニルシロキサンを含む。
ポリアミドはアミド結合によって高分子化した化合物で
あって、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナ
イロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン
612及びナイロン112の如き脂肪族ポリアミド、ナ
イロンMXD6の如き脂肪族・芳香族ポリアミド、及び
p-若しくはm-キシリレンジアミンと塩化テレフタル酸
若しくは塩化イソフタロイルとの重縮合物の如き芳香族
ポリアミドを含む。
【0012】ポリカーボネートは主鎖中にカーボネート
結合を持つ重合体であって、ビスフェノールAとホスゲ
ンの重縮合物を含む。ポリエステルはエステル結合を持
つ重合体であって、ポリテレフタル酸エチレン、ポリテ
レフタル酸ブチレン及びポリナフタレン酸エチレンを含
む。ポリイミドは主鎖中にイミド結合を持つ重合体であ
って、4,4-ジアミノジフェニルエーテルと無水ピロメ
リット酸の環化重縮合物を含む。ポリアセタールは主鎖
中にアセタール結合を持つ重合体であって、ポリオキシ
メチレンを含む。当該プラスチックの形体は如何なる形
でもよく、発泡体、フィルム状、シート状、板状若しく
は柱状の成形物等並びにその破砕物等でありうる。
【0013】本発明に用いるグルタル酸ジメチル、アジ
ピン酸ジメチル及びコハク酸ジメチルから選ばれる二塩
基酸エステルの少なくとも1種を主成分とする溶剤に本
発明の目的のために加える他の溶剤はヘプタン、ブチル
カルビトール、アセトン、プロピレンカルボネート、ア
ニリン、二硫化炭素、デカリン、メチルイソブチルカル
ビノール、メタノール、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルジメチルエーテル、クロロベンゼン、ブロモベンゼ
ン、フフラールアルデヒド、メチレンジクロライド、n
-メチルピロリドン、ホルムアルデヒド、蟻酸、ジプロ
ピレングリコール、メチルイソブチルケトン、ジメチル
スルホオキシド、ホルムアミド、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホン、テト
ラメチレンスルホオキシド、ニトロベンゼン、ジイソブ
チルケトン、アセトニトリル、エタノールアミン、イソ
フォロン、シクロヘキサノール、トルエン、プロピオン
ニトリル、ジアセトンアルコール、イソプロパノール、
n-オクタノール、エチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン、s-テトラブロモエタン、エタノール、キシレ
ン、n-プロパノール、n-ブタノール、フェノール、m
-クレゾール、2-エチルヘキサノール、エチルアセテー
ト、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ブチロー
ルアセトン、111-トリクロロエタン及びミネラルス
ピリット等を例に挙げることができ、その混合溶剤の性
質が本発明の目的に適うかぎり、如何なる制限もない。
【0014】かくして本発明による回収を目的とするプ
ラスチックは必要に応じ夾雑物の除去及び破砕をした後
に、上記により決められた組成の溶剤を接触させ、減容
若しくは溶解する。減容もしくは溶解は当該プラスチッ
クを回収プラントまで運搬し、そこで行うこともできる
し、適当な可動溶解槽に廃棄プラスチック発生地にて行
い、容積を縮小してプラントまで運搬することもでき
る。廃棄プラスチック発生地にて行う場合、収集・破砕
・溶解・溶液貯蔵など一切の関係設備を車載した専用の
収集・溶解・運搬車を使うと便利である。減容もしくは
溶解したプラスチックはさらに溶剤を加えて必要な調節
をし、適当粘度の溶液とし、それをろ過して固形物を除
去する。ろ液は多くの場合水分を多分に含有しているの
で、この段階であらかじめ脱水しておくのが望ましい。
【0015】次いで、薄膜蒸発器に溶液を供給するに先
立ち余熱して流動性と熱量を加え薄膜蒸発器中での蒸発
プロセスをスムーズに進めるのが好ましい。薄膜蒸発器
での蒸発は、溶液の粘度が低いほど降下する膜圧は薄
く、温度が高く、圧力が低いほど蒸発の速度は速いが、
蒸発器中の最高到達温度は上限をそのプラスチックの分
解温度を、下限をそのプラスチックの流動性の温度依存
性を考慮して限定する必要がある。更には、使用した溶
剤によって沸点が決っているので、限定された最高到達
温度で蒸発が完全に完了するように使用した溶剤の沸点
に応じて圧力を決める必要がある。蒸発器の出口付近で
は実質的にすべての溶液中の溶剤が蒸発しきってプラス
チックの溶融体となっているが、分解を押さえるため
に、流動性を維持するのに必要最低限の温度における溶
融体となっている。
【0016】従って、粘度が高く、プラスチックの重力
による自然流下では排出困難であるため本発明の方法で
は、蒸発器の出口付近に排出機を付帯させ、強制的に当
該高粘度のプラスチックを排出させることを特徴とす
る。排出機は縦型スクリュータイプのものを例としてあ
げることができるが、これに限定したものではない。排
出したプラスチック流体は一定温度に保温をして流動性
を保ちつつ、適当な移送手段により押し出し機などの連
続成形機に送り、リボン状、棒状に成形し、カッターに
よって切断、ペレット状の回収プラスチックを得る。こ
のようにして回収したプラスチックは熱分解を徹底して
押さえているので、プラスチックの品質は新品プラスチ
ックに比較しほとんど遜色はない。一方、薄膜蒸発器よ
り留出した溶剤は必要ならば成分調整後、ほとんどの場
合そのまま再び本発明の方法を行うための溶剤として使
用可能である。
【0017】
【実施例】次に本発明の実施例として、スチレン発泡体
の回収の溶剤及び回収の方法を説明する。スチレン発泡
体10重量部を各種の溶解性パラメーター既知の溶剤1
00容量部に室温で溶解するテストを行い、表1の結果
を得る。
【0018】
【表1】
【0019】この結果をもって、X軸に水素結合パラメ
ーターを、Y軸に極性結合パラメーターを目盛ったXY
表面に、スチレンの溶解性範囲を上記溶剤のパラメータ
ーとともに図1のように描く。本発明の溶剤であるアジ
ピン酸ジメチル、琥珀酸ジメチル、グルタール酸メチル
およびそれらの混合物の一例の物性は表2の如くであ
り、これらの溶解性パラメーターを図1に顕すといずれ
のこれら二塩基酸エステルおよびそれらの混合物もスチ
レンの溶解性パラメーター内に入り、よい溶剤であるこ
とを示す。
【0020】
【表2】
【0021】スチレンの場合はこれらの2塩基酸の単独
もしくは混合の溶剤で本発明の目的効果は最もよく達成
されるが、場合によって、例えば溶解性の調節、沸点の
調節、引火点の調節、もしくは毒性の調節のために、他
の溶剤と混合する必要のあるときは、次のようにして算
出できる混合溶剤の溶解性パラメーターの前記図中にお
けるプロットがスチレンの溶解範囲内にくるようにその
混合割合を選べばよい。すなわち、本発明の2塩基酸溶
剤の溶解性パラメーをd、容積分率をx、他の溶剤
iの溶解性パラメーターをd、容積分率をxとした
とき、混合溶剤の溶解性パラメーターdは、 d=x+x で求められる。この混合溶剤の溶解性パラメーターのプ
ロットがスチレンの前記図中におけるスチレンの溶解範
囲内にくる限り、当該他の溶剤の溶解性パラメーターは
スチレンの溶解範囲外であってもさしつかえない。
【0022】ついで本発明の溶剤の内、表2中のDBE
を用い、実際に回収プラントにおいて本発明の方法を実
施するときの説明を図2を参照しながら行う。回収され
たスチレンの発泡体は本発明の溶剤のひとつであるDB
Eと接触して減容もしくは溶解された状態で回収容器1
中に収納されて、プラントサイトまで運搬される。本実
施例ではプラスチック濃度として50%で行った。回収
容器中の内容物は濃度調整槽2に投入し、さらにDBE
を追加、加熱攪拌し次工程の薄膜蒸発器における最適な
膜厚を形成するのに適当な粘度の溶液に調製される。か
くて調製された溶液は目の細かなろ過材をも容易に通過
可能な状態であって、ろ過機3によって首尾よくろ過さ
れ、再生プラスチックに混入すると品質に直接影響する
細かな夾雑物が除かれる。廃スチレンを回収溶解する段
階などで混入してくる、水分は次の段階で除去しておく
のが好ましい。使用している本発明の溶剤はリサイクル
再利用するが、リサイクル溶剤中の水分は本脱水工程が
欠如していると累積して高まり、ひいては溶解性に影響
を及ぼすようになるからである。
【0023】また、次の薄膜蒸留の工程では、本発明の
溶剤の沸点及びプラスチックの溶融粘度との兼ね合いか
ら選んだ減圧度を条件として、プラスチックとの分離を
主眼として行うので、水と本発明の溶剤との分留が困難
だからである。而して、脱水器4中に導入された当該溶
液は適宜な減圧下に脱水される。脱水後の溶液は本発明
の方法である薄膜蒸発機5に導入されるが、本実施例で
は入り口の温度80℃、溶液中のプラスチック濃度3
8.5%、粘度23000ポイズ@85℃であった。前
記薄膜蒸発器はジャケット温度を230℃〜240℃に
保ち圧力を40KPaの減圧下に溶剤を蒸留する。プラ
スチック溶液はフィルム状になって蒸発器内部を流下し
所定滞留時間を経て蒸発器下部に至った時点で実質的に
すべての溶剤は蒸発し高粘度のプラスチック溶融物とな
っている。もはや自重では流下困難な状態の溶融プラス
チックは本発明の方法による排出機6によって強制的に
排出され、ポンプの助けを借りて押し出しノズル7へ圧
送される。棒状に押し出されたプラスチックは直ちに水
冷され固化する。連続した棒状のプラスチックはカッタ
ー8で切断、ペレットとなる。得られたポリスチレンの
品質は、熱劣化がほとんどなく、したがって着色も少な
く、物理的特性も新品と比較して遜色ない。
【0024】
【発明の効果】以上実施の形態及び一実施例とともに説
明したように、本発明の溶剤は合成プラスチックを溶解
し溶液として回収、その後蒸留によってプラスチックを
分離するのに、最も適したものであり、溶解性、揮発
性、毒性、引火危険性についてバランスのとれた良好な
特性を示すものであることが理解される。さらに本回収
の方法と組み合わせ本発明の溶剤を用いるとき、プラス
チックの熱劣化を防ぎ、同時に効率の高い生産性をもた
らし、また、使用した溶剤もリサイクル使用が可能など
経済性においても優れた方法であることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶剤を含む各種溶剤とスチレンの溶解
範囲を示すグラフである。
【図2】本発明の溶剤を用いてスチレンを回収するプラ
ントのプロセスフロー図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチ
    ル及びコハク酸ジメチルから選ばれる二塩基酸エステル
    の少なくとも1種を主成分とする、ポリエチレン、ポリ
    プロピレン、ポリメチルペンテン-1、ポリスチレン、
    ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニ
    ル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポ
    リメチルビニルエーテル、ポリメタクリル酸エステル、
    ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸、ポリアクリ
    ロニトリル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリク
    ロロプレン、ポリオルガノシロキサン、ポリアミド、ポ
    リカーボネート、ポリエステル、ポリイミド、ポリスル
    ホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホ
    ン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド及
    びポリアセタールから選ばれる少なくとも1つを成分と
    するプラスチックの溶剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプラスチック溶剤の主成
    分に、溶解性及び沸点を調節する機能を備えた1又は複
    数の成分を添加してなることを特徴とするプラスチック
    の溶剤。
  3. 【請求項3】 グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチ
    ル及びコハク酸ジメチルから選ばれる二塩基酸エステル
    の少なくとも1種を主成分とする溶剤にポリエチレン、
    ポリプロピレン、ポリメチルペンテン-1、リスチレ
    ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビ
    ニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、
    ポリメチルビニルエーテル、ポリメタクリル酸エステ
    ル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸、ポリア
    クリロニトリル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポ
    リクロロプレン、ポリオルガノシロキサン、ポリアミ
    ド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリイミド、ポ
    リスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテル
    スルホン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキ
    シド及びポリアセタールから選ばれる少なくとも1つを
    成分とするプラスチックを溶解させる溶解工程、及び該
    溶解工程で得られた溶液を該プラスチックが熱分解しな
    い温度、及び溶液の溶剤が実質的にすべて蒸発した状態
    で該プラスチックが流動可能な温度の両者を満足する温
    度範囲で蒸留して、該溶剤とプラスチックを分離する工
    程とを含むことを特徴とするプラスチックの回収方法。
  4. 【請求項4】 前記分離する工程で分離した溶剤をその
    ままもしくは成分調整後再度溶解工程に又は回収プラス
    チック収集時の溶剤として用いる請求項3記載のプラス
    チックの回収方法。
  5. 【請求項5】 当該二塩基酸エステル以外の他の溶剤成
    分を選択して、溶解性及び沸点を調節した溶剤にするこ
    とを特徴とする請求項3又は4記載のプラスチックの回
    収方法。
  6. 【請求項6】 該溶剤とプラスチックを分離する工程が
    薄膜蒸発器による蒸留工程である請求項3、4若しくは
    5記載のプラスチックの回収方法。
  7. 【請求項7】 薄膜蒸発器が、実質的にすべての溶剤が
    蒸発した状態のプラスチック溶融体を外部へ強制的に排
    出させるための排出機を備えたことを特徴とする請求項
    6記載のプラスチックの回収方法。
  8. 【請求項8】 薄膜蒸発器における減圧度を選ぶことに
    より、該プラスチックが熱分解しない温度で且つ溶液の
    溶剤が実質的にすべて蒸発した状態で流動可能な温度で
    処理をすることを特徴とする請求項6又は7記載のプラ
    スチックの回収方法
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