JP2000044224A - 珪酸ゾルの製造方法および珪酸ゾルの使用方法 - Google Patents

珪酸ゾルの製造方法および珪酸ゾルの使用方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気透析法による珪酸ゾル製造において、珪
酸イオンが陰イオン交換膜を通して濃縮室に移行するこ
とを防止し、またスケールの発生を抑制して装置の長時
間連続運転を可能にする。 【解決手段】 本発明に係る珪酸ゾルの製造方法は、陽
極と陰極との間に、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を
交互に並べて構成した電気透析装置を用いて、珪酸アル
カリ水溶液を電気透析して珪酸ゾルを製造するに際し
て、該珪酸アルカリ水溶液に両性イオンを添加すること
を特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン交換膜を用
いる電気透析法により珪酸アルカリ水溶液から珪酸ゾル
を効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】活性珪酸水溶液とも呼ばれる珪酸
ゾルの製造方法としては、珪酸アルカリ水溶液に酸を作
用させる方法、珪酸アルカリ水溶液を陽イオン交換樹脂
にアルカリイオン吸着させる方法、陰イオン交換膜と陽
イオン交換膜を用いる電気透析法により脱アルカリさせ
る方法などが知られている。
【0003】しかしながら、上記の珪酸アルカリ水溶液
に酸を作用させる方法では、酸により副生するアルカリ
塩が共存するため、生成した珪酸ゾルが不安定であり、
該アルカリ塩を分離するための工程および時間を要する
問題がある。また、陽イオン交換樹脂を用いる方法で
は、陽イオン交換樹脂のアルカリイオン吸着能が短時間
に低下するため、該陽イオン交換樹脂を酸により再生処
理する必要があるとともに、珪酸アルカリを損失する問
題を伴う。
【0004】これに対して、イオン交換膜を用いる電気
透析による方法では、上述のような問題はないが、珪酸
アルカリ水溶液のイオン化した珪酸がイオン交換膜を透
過して濃縮室側へ移行する問題がある。特に希釈化した
低濃度の珪酸アルカリ水溶液を供した場合には、イオン
化したモノ珪酸の陰イオン交換膜に対する透過が避けら
れず、珪酸ゾルが効率よく得られないばかりでなく、濃
縮室へ循環する水または希苛性アルカリ溶液を汚染し、
溶液の循環再使用率が低下する問題がある。また、この
ようなイオン交換膜の電気透析法においては、珪酸アル
カリ水溶液の脱アルカリによるpHの低下に伴い、ゲル
化の進行も避けられず、イオン交換膜にスケールが発生
するため、長時間の連続的(断続的)な運転が制限され
る結果となる。
【0005】本発明者らは、上記の課題を解決するため
に鋭意研究を重ねた。その結果、イオン交換膜の電気透
析法において、供する珪酸アルカリ水溶液にアルミニウ
ムのような両性イオンを共存させると、イオン化したモ
ノ珪酸が陰イオン交換膜を透過することが防止されると
ともに、スケールの発生も緩和させるという知見に基づ
き、本発明を完成するに至ったものである。
【0006】
【発明の目的】本発明は、電気透析法による珪酸ゾル製
造において、珪酸イオンが陰イオン交換膜を通して濃縮
室に移行することを防止し、またスケールの発生を抑制
して装置の長時間連続運転を可能にすることを目的とし
ている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る珪酸ゾルの製造方法は、陽
極と陰極との間に、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を
交互に並べて構成した電気透析装置を用いて、珪酸アル
カリ水溶液を電気透析して珪酸ゾルを製造するに際し
て、該珪酸アルカリ水溶液に両性イオンを添加すること
を特徴としている。ここで、前記両性イオンはアルミニ
ウムイオンであることが好ましく、また両性イオンを添
加された珪酸アルカリ水溶液中の両性イオン濃度は60
〜620ppmの範囲にあることが好ましい。原料であ
る珪酸アルカリとしては、珪酸リチウム、珪酸ナトリウ
ム、珪酸カリウムおよび珪酸アンモニウムからなる群か
ら選択される少なくとも1種が好ましく用いられる。ま
た、本発明では、得られた珪酸ゾルを、さらに陽イオン
交換樹脂と接触処理することもできる。
【0008】また、本発明においては、珪酸アルカリ水
溶液の原料に予め両性イオンを生成する化合物を所定量
添加しておくこともできる。原料に予め両性イオンを生
成する化合物を添加しておくと、得られる珪酸アルカリ
水溶液にあらためて両性イオンを添加する工程を省略で
きる。すなわち、本発明を他の側面からみれば、本発明
に係る珪酸ゾルの製造方法においては、珪酸アルカリ水
溶液として、両性イオン濃度が60〜620ppmの珪
酸アルカリ水溶液を用いることを特徴としている。
【0009】このような珪酸ゾルは、たとえば、地盤注
入薬の主成分として用いることができる。
【0010】
【発明の具体的説明】以下、本発明について、さらに具
体的に説明する。本発明で用いる電気透析装置は、図1
に示すように、陽極と陰極との間に、陽イオン交換膜1
と陰イオン交換膜2を交互に並べて配置され、脱塩室3
と濃縮室4とが交互に形成されている。このような電気
透析装置としては、従来公知のものが特に制限されるこ
となく使用することができる。即ち、このような電気透
析装置を構成する電極、イオン交換膜、そのほか必要な
部材についても、特に制限なく公知のものが用いられ
る。例えば、イオン交換膜としては、一般に陽イオン交
換基がスルホン酸基、陰イオン交換基が第四級アンモニ
ウム基であり、補強基材を用いてスチレン−ジビニルベ
ンゼン共重合体の素材からなる炭化水素系陽イオン交換
膜および陰イオン交換膜が工業的にも用いられる。ま
た、イオン交換膜の素材が含フッ素重合体よりなる含フ
ッ素系イオン交換膜も用いることができる。なお、本発
明の電気透析装置では、電気透析に供する珪酸アルカリ
水溶液がアルカリ性であるとともに、苛性アルカリを濃
縮(生成)するため、耐アルカリ性のイオン交換膜を用
いることが望ましい。
【0011】本発明においては、電気透析装置の脱塩室
3に珪酸アルカリ水溶液を供給し、濃縮室4に水または
希薄の苛性アルカリ水溶液を供給して電気透析を行う。
脱塩室3では、アルカリ金属イオン(たとえばNa+
陽イオン交換膜1を通して濃縮室4側に移行し、また水
酸化物イオン(OH-)が陰イオン交換膜2を通して濃
縮室側4に移行して脱塩が行われ、目的とする珪酸ゾル
水溶液が得られる。一方、濃縮室4では、脱塩室3から
移行してきたアルカリ金属イオンおよび水酸化物イオン
の濃縮が行われ、苛性アルカリ水溶液を得て取出し、必
要に応じ循環再使用する。
【0012】原料である珪酸アルカリとしては、例えば
珪酸リチウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸ア
ンモニウムなどが用いられる。珪酸アルカリにおける珪
酸とアルカリの比は、たとえば珪酸リチウムでは、Si
2/Li2O(モル比)が0.5〜3程度であり、珪酸
ナトリウムでは、一般にSiO2/Na2O(モル比)が
0.5〜4程度であり、珪酸カリウムではSiO2/K2
O(モル比)が0.5〜3程度であり、珪酸アンモニウ
ムではSiO2/(NH42O(モル比)が0.5〜3
程度である。
【0013】なお、工業的には、珪酸アルカリとして
は、JIS1号〜3号の珪酸ナトリウムが好ましく用い
られ、一般的には、その濃度をSiO2換算で1〜25
重量%に希釈した珪酸アルカリ水溶液が用いられる。こ
のような濃度に稀釈した珪酸アルカリ水溶液を用いる
と、脱塩およびその濃縮が円滑に行われる。
【0014】本発明では、上記珪酸アルカリ水溶液の電
気透析に際して、両性イオンを該珪酸アルカリ水溶液に
添加する。両性イオンとしては、具体的には、アルミニ
ウム、亜鉛、鉛、錫等の元素のイオンが用いられ、特に
アルミニウムイオンが好ましく用いられる。
【0015】このような両性イオンを生成する化合物
は、水酸化物、酸化物等の形態で入手でき、本発明で
は、これらを直接または、水などの適当な溶媒に分散し
た上で、上記珪酸アルカリ水溶液に添加する。
【0016】たとえば、両性イオンとして、アルミニウ
ムイオンを用いる場合には、水酸化アルミニウム、酸化
アルミニウム等がアルミニウム源として用いられる。両
性イオン源として水酸化物類を用いる場合、これら水酸
化物類の添加は、珪酸アルカリ水溶液の調製時に行って
もよいし、また珪酸アルカリ水溶液を脱塩室に導入する
直前に行ってもよく、さらに珪酸アルカリ水溶液を脱塩
室に導入した後に該脱塩室に別途両性イオンを含む溶液
を添加してもよい。また両性イオン源として酸化物類を
用いる場合には、後述するオートクレーブを用いた珪酸
アルカリ水溶液の調製時に同時に酸化物類の添加を行
う。
【0017】両性イオンは、該珪酸アルカリ水溶液にお
ける両性イオン濃度が好ましくは60〜620ppm、
さらに好ましくは70〜400ppm、特に好ましくは
80〜140ppmとなるように添加される。
【0018】珪酸アルカリ水溶液中に両性イオンを上記
のような濃度で共存させると、電気透析時に珪酸イオン
が陰イオン交換膜を通して濃縮室に移行することが防止
され、またスケールの発生も低減する。この理由は必ず
しも明らかではないが、両性イオンと珪酸イオンとがあ
る種の錯体あるいはクラスレート化物質を形成し、珪酸
イオンが陰イオン交換膜を透過しにくくなることが考え
られる。また珪酸イオンが、錯体あるいはクラスターの
形態で捕捉されているため、珪酸の低重合物が生成しに
くくなり、スケールの発生が抑制されると考えられる。
この結果、珪酸イオンの濃縮室4への移行が防止でき、
また長期間の連続運転が可能になる。
【0019】また、本発明においては、珪酸アルカリ水
溶液を製造するための原料に予め両性イオンを生成する
化合物を所定量添加しておくこともできる。珪酸アルカ
リ水溶液の原料は、「カレット」と呼ばれるガラス状の
無水珪酸アルカリであり、これは、珪砂にソーダ灰を加
え混合溶融することで製造されている。得られるカレッ
トをオートクレーブ中で水蒸気加熱することにより珪酸
アルカリ水溶液が得られる。
【0020】このカレット製造時に、両性イオンを生成
する化合物(水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム
等)を添加しておくと、得られる珪酸アルカリ水溶液に
も所定量の両性イオンが含まれるようになるため、あら
ためて両性イオンを添加する工程を省略できる。両性イ
オンを生成する化合物の使用量は、最終的に得られる珪
酸アルカリ水溶液の両性イオン濃度が60〜620pp
m、好ましくは70〜400ppm、特に好ましくは8
0〜140ppmとなる量である。
【0021】なお、両性イオン濃度が高くなりすぎる
と、生成した珪酸ゾルが凝結する虞がある。上記した市
販の珪酸ナトリウムには、そのグレードにより微量のア
ルミニウムが含まれていることがある。この珪酸ナトリ
ウムを、電気透析に好適な濃度に稀釈すると、溶液のア
ルミニウムイオン濃度は20ppm以上60ppm未満
程度になるが、アルミニウムイオン濃度がこのような低
濃度だと、上述した本発明の目的は達成されない。すな
わち、アルミニウムイオン濃度が低いと、脱塩室中の珪
酸イオンが、陰イオン交換膜を通して濃縮室へ移行して
しまい、またスケールが生成するため連続運転が不可能
になる。本発明では、珪酸アルカリ水溶液に、両性イオ
ンを積極的に添加することで上記の諸問題を解消してい
る。
【0022】上述したような本発明によれば、電気透析
装置を用いることで、脱アルカリされた珪酸ゾルを、長
時間の連続運転により製造できる。電気透析装置の運転
条件は、装置の大きさ、珪酸アルカリ水溶液の濃度等に
より様々であるが、一般的には、槽電圧10V、スタッ
ク電圧5〜7V、珪酸アルカリ水溶液の脱塩室への供給
速度約3.1リットル/分程度が適当である。なお、濃
縮室へは、水または希薄苛性アルカリ水溶液を約3.1
リットル/分程度の速度で供給する。
【0023】このような運転条件において、SiO2
算で1〜25重量%の珪酸アルカリ水溶液の電気透析を
行うと、透析開始時の電導度は5〜40ms/cm程度とな
る。透析の進行に伴って、微量のスケールがイオン交換
膜に析出し、電導度が経時的に低下する。そのため、一
般には、電導度が4.5ms/cm以下になると、イオン交
換膜を洗浄し、スケールを除去して再運転する必要があ
るが、本発明によれば、スケールの発生が低減できる。
具体的には、本発明の製造方法を採用すれば、初期電導
度が20ms/cmであれば、4.5ms/cm以下になるまで
70〜100分間(平均時間)かかり、洗浄後の繰り返
し運転により、長時間の連続運転が可能になる。一方、
両性イオンを使用しないと、短時間でスケールが析出
し、スケールの析出に伴い膜内抵抗が増加する。この結
果、定電圧では電流密度が低下するため、一定品質の珪
酸ゾルを得るために供給液の流速を少なくする必要があ
り、透析効率が低下する。逆に、電圧を上げると電流密
度は向上するが、スケールの析出が促進され、電導度が
4.5ms/cm以下になるまでの時間が短くなるが、十分
な長時間(回数)の連続運転ができない。
【0024】さらに、本発明によれば、脱塩室から濃縮
室への珪酸イオンの移行が低減できるので、濃縮室にお
いて高純度の副生苛性アルカリ水溶液を得ることができ
る。したがって、得られる苛性アルカリ水溶液を必要に
応じ循環再使用できる。
【0025】本発明により得られる珪酸ゾルのアルカリ
濃度は、0.4%以下まで低減されるが、必要に応じ、
陽イオン交換樹脂と接触処理することで、さらにアルカ
リ濃度を低下でき、実質的にアルカリを含有しない珪酸
ゾルを製造できる。即ち、イオン交換膜を用いる電気透
析法により大部分のアルカリを減少・除去して珪酸ゾル
を製造した後、少量のアルカリが残存する該珪酸ゾルを
陽イオン交換樹脂を用いるイオン交換法では、従来法の
ようにイオン交換樹脂のアルカリイオン吸着能が短時間
に低下しないため、頻繁な再生処理を要することなく、
実質的にアルカリを含有しない珪酸ゾルを効率よく製造
することができる。なお、イオン交換樹脂としては、R
−SO3H型、R−COOH型、R−OH型の陽イオン
交換樹脂が特に制限されることなく用いられる。
【0026】上記したような本発明の製造方法により得
られる珪酸ゾルは、広く種々の用途に用いられるが、特
にアルカリを含有しない珪酸ゾルは、地盤注入薬液とし
て有用である。地盤注入薬は、たとえば軟弱地盤上に建
設工事を行う際に、地盤に強度と耐久性を与えるために
地盤内に注入される。地盤注入薬にアルカリが含まれて
いると、土壌や地下水を汚染する虞があるが、本発明に
よれば、珪酸ゾルのアルカリ含量を極めて低くできるの
で、汚染の虞無く、使用できる。なお、本発明により得
られる珪酸ゾルには両性イオンが含まれることになる
が、かかる両性イオン、特にアルミニウムイオンは、土
壌中で珪酸ゾルの硬化助剤として作用するので、地盤注
入薬に包含されていても何ら不都合はない。
【0027】また、得られる珪酸ゾルは、従来シリカ微
粒子が用いられていた様々な分野で利用でき、たとえ
ば、耐熱バインダー、触媒、包装紙滑り止め、滑り止め
つや消し、各種コーティング剤、ウエハ研磨用の研磨
剤、補強剤、凝集剤、インクジェット用定着剤等にも使
用できる。
【0028】
【発明の効果】上記したような本発明の製造方法によれ
ば、電気透析時に珪酸イオンが陰イオン交換膜を通して
濃縮室に移行することが防止されるので、副生苛性アル
カリを循環再使用でき、またスケールの発生も低減され
るので、装置を長時間連続して運転できるようになる。
また、本発明により得られる珪酸ゾルは、従来製法によ
る珪酸ゾルと比較して、長期保存安定性にも優れるとい
う驚くべき効果もある。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらの実施例に限られるものでない。
【0030】用いた電気透析装置の仕様は以下のとお
り。 陰イオン交換膜(10枚):AHA−2(商品名)、
(株)トクヤマ製 陽イオン交換膜(12枚):CMB(商品名)、(株)
トクヤマ製 電極材料:Ni板 電極間距離:26.2mm 陰イオン交換膜と陽イオン交換膜との距離:0.7mm イオン交換膜の面積:2dm2/枚
【0031】
【実施例1】市販3号珪曹カレット100gを粉砕し、
これに水酸化アルミニウム0.5g、水230ミリリッ
トルを加え、オートクレーブに装入した。温度150
℃、圧力2kg/cmにて4時間加熱して、カレットおよび
水酸化アルミニウムを溶解させ、室温まで降温し、さら
に水80ミリリットルを加え、濾過した。
【0032】得られた粗珪酸アルカリ水溶液の比重、組
成は以下のとおりであった。 比重 (15℃):41.5 Be' SiO2 (%):28.12 Na2 O (%):9.21 SiO2/Na2O (モル比):3.15 Al2 3 (%):0.03% これをさらに水で稀釈し、アルミニウムイオン濃度10
0ppm、珪酸濃度(SiO2 換算)6重量%の珪酸ア
ルカリ水溶液を得た。
【0033】かくして得られた珪酸アルカリ水溶液を、
上記の仕様の電気透析装置の脱塩室に供給した。槽電圧
10Vで電気透析を開始したところ、初期電導度は24
ms/cmであった。電気透析を開始後、電導度が4.5ms
/cm未満に低下するまで運転した。次いで、イオン交換
膜を洗浄後、電気透析の運転を再開し、この操作を16
0回繰り返し行なった。
【0034】その結果、電導度が4.5ms/cm未満に低
下するまでの平均透析時間は、80分であった。脱塩室
から得られた珪酸ゾルは、アルカリ含量(Na2O)が
0.35重量%であった。また、濃縮室からの水酸化ナ
トリウム水溶液は、シリカ濃度(SiO2 )が0.2重
量%であった。
【0035】
【比較例1】実施例1において、アルミニウム源として
水酸化アルミニウムを用いず、それ以外は実施例1と同
様の操作により繰り返し運転を行なった。
【0036】繰り返し運転の結果、スケールの析出によ
り膜内抵抗が上がり、供給液の流速、電流密度および電
導度が経時的に低下するため、繰り返し運転は65回し
か実施できなかった。
【0037】なお、脱塩室から得られた珪酸ゾルは、ア
ルカリ含量(Na2O)が0.35重量%であった。ま
た、濃縮室からの水酸化ナトリウム水溶液は、シリカ濃
度(SiO2 )が0.5重量%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明で用いる電気透析装置の概略
図である。
【符号の説明】
1…陽イオン交換膜 2…陰イオン交換膜 3…脱塩室 4…濃縮室
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 17/12 C25B 7/00 C25B 7/00 C02F 1/46 103 // C09K 103:00 (72)発明者 安 達 敏 夫 山口県徳山市須々万奥友国651−7 Fターム(参考) 4D006 GA17 HA47 KA33 KA72 KB11 KD30 KE02Q KE11R KE12Q KE17P KE18P KE19P KE24P KE28P MA03 MA13 MA14 MB12 MC24 MC28 MC74 MC78 PA01 PB12 PB28 PC80 4D061 DA10 DB18 DC18 EA11 EB02 EB13 EB18 EB19 EB30 EB37 EB39 ED20 FA08 GA06 GC02 GC14 GC15 4G065 AA02 BA13 BB07 CA13 DA03 DA04 DA06 DA09 EA01 FA02 4G072 AA28 CC01 GG03 HH21 LL06 MM14 PP01 PP13 UU07 UU15 UU30 4H026 CA03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極と陰極との間に、陽イオン交換膜と
    陰イオン交換膜を交互に並べて構成した電気透析装置を
    用いて、珪酸アルカリ水溶液を電気透析して珪酸ゾルを
    製造するに際して、該珪酸アルカリ水溶液に両性イオン
    を添加することを特徴とする珪酸ゾルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記両性イオンがアルミニウムイオンで
    あることを特徴とする請求項1に記載の珪酸ゾルの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記両性イオンを添加された珪酸アルカ
    リ水溶液中の両性イオン濃度が60〜620ppmであ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の珪酸ゾル
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記珪酸アルカリが、珪酸リチウム、珪
    酸ナトリウム、珪酸カリウムおよび珪酸アンモニウムか
    らなる群から選択される少なくとも1種であることを特
    徴とする請求項1〜3の何れかに記載の珪酸ゾルの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 得られた珪酸ゾルを、さらに陽イオン交
    換樹脂と接触処理することを特徴とする請求項1〜4の
    何れかに記載の珪酸ゾルの製造方法。
  6. 【請求項6】 陽極と陰極との間に、陽イオン交換膜と
    陰イオン交換膜を交互に並べて構成した電気透析装置を
    用いて、珪酸アルカリ水溶液を電気透析して珪酸ゾルを
    製造するに際して、該珪酸アルカリ水溶液として、両性
    イオン濃度が60〜620ppmの珪酸アルカリ水溶液
    を用いることを特徴とする珪酸ゾルの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記両性イオンがアルミニウムイオンで
    あることを特徴とする請求項6に記載の珪酸ゾルの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記珪酸アルカリが、珪酸リチウム、珪
    酸ナトリウム、珪酸カリウムおよび珪酸アンモニウムか
    らなる群から選択される少なくとも1種であることを特
    徴とする請求項6または7に記載の珪酸ゾルの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 得られた珪酸ゾルを、さらに陽イオン交
    換樹脂と接触処理することを特徴とする請求項6〜8の
    何れかに記載の珪酸ゾルの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の何れかに記載の製造方
    法により得られる珪酸ゾルを主成分とする地盤注入薬。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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