JP2000044056A - パレット式物品浮上搬送用構造体 - Google Patents

パレット式物品浮上搬送用構造体

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JP2000044056A
JP2000044056A JP10225368A JP22536898A JP2000044056A JP 2000044056 A JP2000044056 A JP 2000044056A JP 10225368 A JP10225368 A JP 10225368A JP 22536898 A JP22536898 A JP 22536898A JP 2000044056 A JP2000044056 A JP 2000044056A
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Hideki Tanaka
秀樹 田中
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Tabai Espec Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送ガイドや特別な外力付与機構を設けるこ
となく、簡単な構成でワークを方向性良く確実にクリー
ンな状態で搬送する。 【解決手段】 浮上搬送プレートは、吹き出される空気
でLCDガラス基板等のワークWを搭載したパレット1
0を浮上させて搬送させるように構成されていて、箱状
体1、傾斜ノズル2等を備えている。そして、箱状体1
の搬送面11a及びパレット10の底面10aを共に曲
率Rの円弧状曲面にする。 【効果】 搬送面上でパレットが偏っても、搬送面が曲
面になっているため自動的にセンタリングされ、進路が
保持される。搬送ガイド等が不要になり、構造が簡素化
されると共に、非接触状態でワークがクリーンに搬送さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物品を搭載可能な
パレットを吹き出される気体で搬送面から浮上させて搬
送させるパレット式物品浮上搬送用構造体に関し、特に
物品を浮上搬送させるときの進路保持技術に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばウエハや液晶基板等の平板状ワー
クをクリーン搬送するために、これらを直接空気によっ
て浮上させ搬送させる装置としては、従来から種々のも
のが知られている。このような装置では、ワークを蛇行
させることなく目的とする進路の方向に搬送させること
が難しい。そのため、従来の通常の浮上搬送装置では、
コロ等の機械的なガイドを設けてワークを案内してい
る。しかしそのようにすると、ワークを非接触にして完
全にクリーンな状態で搬送することができない。
【0003】一方、ワークの浮上搬送においてコロ等の
機械的ガイドを使用することなく、ワークを直進させよ
うとする装置も知られている。例えば、空気室上に多孔
質セラミックプレートを載せ、セラミックの多孔性から
多数の透過孔を介して均一的に空気を吹き出させ、薄板
状粉末成形体から成るワークを動揺させることなく浮上
支持し、整列搬送を可能にした装置が提案されている
(実開平3−82322号明細書及び図面参照)。しか
しながら、この装置では、ワークを均一支持し進行方向
に揺れにくくすることはできても、調心作用まではない
ため、何らかの原因でワークの搬送方向が偏ったとき
に、これを修正することはできない。
【0004】又、搬送面に2列の空気吹き出し口を設
け、これらから互いに外向きに斜め上方に空気を吹き出
すことにより、ウエハ状の半導体基板等のワークを浮上
させると共に、横方向のワーク移動力及び2列の中心間
に生ずる負圧によって調心作用をさせつつ、ワークを浮
上搬送させようとした装置が提案されている(特開平2
−89721号公報参照)。しかしながら、負圧は搬送
面にワークを吸着しようとする力を与えるだけであるか
ら、両側の横方向力のバランスがくずれたときの調心作
用は余りなく、この装置ではワークが確実に直進すると
は限らない。
【0005】更に、搬送面に電極を配設し、これに開口
した多数の孔から空気を吹き出し、空気によってウエハ
を浮上させつつ、電極に通電することによって電気力で
ウエハを自動調心させるようにした装置が提案されてい
る(特開平2ー70617号公報参照)。しかしなが
ら、このような装置は、余分な外力付与体が追加される
ため構造や動作が複雑になると共に、上下方向力の割に
調心力が弱いため、搬送時の蛇行幅が大きくなることが
予想される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術に於
ける上記問題を解決し、平板状のワークを含む物品を方
向性良く確実にクリーンな状態で搬送可能なパレット式
物品浮上搬送用構造体を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、物品を搭載可能なパレットを吹き出される
気体で搬送面から浮上させて搬送させるパレット式物品
浮上搬送用構造体であって、前記搬送面の搬送方向に直
角な方向の断面は少なくとも部分的に曲線状に形成され
ていて、前記パレットの底面は前記搬送面とほぼ同じ形
状に形成されていることを特徴とする。このような底面
及び搬送面は、幅方向に円弧状に形成された断面形状を
含み凹面状又は凸面状に一体又は分割された各種形状に
形成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明を適用した浮上搬送
プレートの断面形状の一例を示す。パレット式物品浮上
搬送用構造体としての浮上搬送プレートは、物品として
例えばLCDガラス基板等のワークWを搭載可能なパレ
ット10を吹き出される気体である空気で搬送面11a
上から浮上させて搬送させるように構成されている。搬
送面11aの搬送方向である図1(b)及び図2に示す
Y方向(図1(a)では紙面に直角方向)に直角な方向
である幅方向即ち図示のX方向の断面は、本例では一定
の曲率Rの曲線状に形成されている。そして、パレット
10の底面10aも搬送面11aとほぼ同じ形状に形成
されている。従って、これらの面は本例では全体的に円
弧状の凹曲面で構成されている。
【0009】本例の浮上搬送プレートは箱状体1として
形成されている。箱状体1は、本例では薄板板金構造に
なっていて、空気の吹き出される複数の穴である送気孔
12が明けられ上面が前記搬送面11aになっている薄
板状の上板11を備えている。この箱状体1は、空気が
導入されて弱い内圧を受け、そのときに上板11の変形
が制限されるようにこれを補強する補強板である竜骨状
のリブ13を有する。箱状体1の内部は空気室1aにな
っている。補強板としては、箱状体1を区画するように
全面的に張られた板よりも、できるだけ重量を軽減し空
気を流通させるために、図示のような丸穴等の適当な形
状の穴が打ち抜かれたリブ状の板であることが望まし
い。符号14はパレット上でワークを支持するための支
持ピンである。
【0010】箱状体1の内部にはワークを搬送させるた
めのノズル部である傾斜ノズル2が設けられている。傾
斜ノズル2は、パレット10を搬送可能なように搬送方
向であるY方向に向いて角度θだけ傾斜した形状になっ
ている。傾斜ノズル2には、本例では、浮上用空気とは
別系統の空気を供給するための給気連絡管21が接続さ
れていて、これから吹き出される空気の動圧による力f
0 により、垂直方向のパレット支持分力fv及びY方向
のパレット搬送分力fyを発生させる。なお、このノズ
ルを、パレットを浮上・搬送するときと浮上のみのとき
とで方向を変えられるような可動ノズルにしてもよい。
又、X方向の中心位置でけでなく、他の位置にもこのよ
うな浮上搬送用のノズルを設けるようにしてもよい。更
に、全ノズルを浮上搬送の可能な可変ノズルにすること
も可能である。
【0011】リブ13は、図2の浮上搬送プレート部分
の平面状態に示すように、搬送面11aの曲面精度を維
持できるように搬送方向に適当なピッチで図2の例では
4枚設けられている。箱状体1及び上板11は、このよ
うにリブ13で補強されることによって十分な強度を備
える。従って、例えば1m四角程度の大型ガラス基板を
浮上搬送させるパレットの場合でも、その材料として、
板厚0.8〜1.2mm程度のステンレスの薄板を使用
することができる。その結果、浮上搬送プレートを軽量
且つ安価に製造することができる。
【0012】又、リブ13はレーザー加工や板金加工に
よって精度良く製作される。従って、その端面は十分な
曲面精度を有し、これに上板11を接合することによ
り、容易に搬送面11aの曲面精度を得ることができ
る。即ち、大サイズのパレットに対しては、機械加工に
よってプレートの曲面精度を出すのは容易でないが、リ
ブ板を用いた板金加工により、容易に十分な精度の搬送
面を得ることができる。又、後述するように小さい空気
圧でパレットを浮上させられるので、板金構造を採用し
ても、特別な目張りやシールの施工は不要である。従っ
て製造工程も簡単である。なお、本例ではパレット10
も同様の板金構造になっていて、軽量化及び低熱容量化
が図られている。
【0013】図2は図1の浮上搬送プレートを利用した
パレット式ワーク浮上搬送装置の構成例を示す。本例の
ワーク浮上搬送装置は単位搬送路がユニット化された例
であり、気体を清浄にする浄化手段と少なくとも気体の
一部分を循環させる循環手段とを備えた気体供給系とし
て、浮上送風部分3及び浮上兼搬送送風部分4を備えて
いて、この気体供給系から浮上搬送プレートに空気が供
給され、ワークを搭載したパレットが浮上搬送される。
なお、図において二点鎖線で示すようにヒータ又はクー
ラを設け、パレット式ワーク浮上搬送装置をワークの予
熱もしくは除冷や又は熱処理できる装置として構成して
もよい。
【0014】浮上送風部分3は、ケーシング5内の仕切
られて配設された機械室6に装備された送風機31、外
気導入口32、中間ダクト部33、送気開口34、用途
に応じて設けられることがあるヒータ又はクーラ35、
空気浄化手段としての高性能フィルタ36、循環手段と
しての戻りダクト部分37及び吸気口38、等によって
構成されている。多数の送気孔12に供給される浮上送
風用空気としては、ある程度の流量と風圧とが必要であ
る。従って、送風機31としては、ターボファンやシロ
ッコファン等の適当な形式や大きさのものが用いられ
る。
【0015】浮上兼搬送送風部分4は、図示しない圧縮
空気源から圧縮空気が送られる圧縮空気導入管41a、
吸入フィルタ42、電磁弁43、送気管41b、これら
が接続される図1でも示した給気連絡管21、傾斜ノズ
ル2、等によって構成されている。又本例では、前記の
如く用途に応じて設けられるヒータもしくはクーラ44
及び前記浄化手段としてのクリーンフィルタ45が設け
られている。このように浮上兼搬送部分4に圧縮空気を
使用すると、空気量や圧力の増減が容易であり、これに
よってワークの搬送速度の調整が容易になる利点があ
る。但し、浮上送風部分3と同じ空気源にして、口径及
び傾斜角可変のノズル等によって速度調整できるように
してもよい。
【0016】以上のようなパレット式ワーク浮上搬送装
置は次のように使用される。ワークを搭載したパレット
を浮上させるときには送風機31を運転する。このと
き、ワークを加熱又は冷却する必要があればヒータ又は
クーラ34を使用する。送風機31から吹き出された空
気は、中間ダクト部33で分配されて高性能フィルタ3
6を通過し、送風開口34から浮上搬送プレートの箱状
体1内の空気室1aに入る。この中は、リブ13で仕切
られていて、空気がバランス良くその進行方向に流れ
る。このとき、それぞれのリブ区画間に圧力差が生じれ
ば、リブ13の抜き穴を介して空気が導通し均圧化され
る。
【0017】送風機31は、パレットが薄板板金構造に
なっていてワークが1m四角程度のガラス基板であれ
ば、風量が0.3〜0.5Nm3 /min.で静圧が2
0〜40mmAq程度のものでよい。この空気は、送気
孔12からパレットの底面10aに向かって吹き出し、
吹き出した空気の動圧と内部に満たされた空気の静圧と
から成る全圧を発生させ、その圧力による力でワークを
搭載したパレットを浮上させる。例えばパレット10の
受圧面積が1m2 であり、発生する全圧が20mmAq
であるとすれば、パレットにはその自重及びワークの合
計重量より重い20kgf の力が作用するので、これを浮
上させることができる。
【0018】このようにパレットを浮上支持した空気
は、図2に示すように搬送面11a上を流れてパレット
の周囲からその上部の戻りダクト37部分に送り出さ
れ、ケーシング5の上部空間を通過して吸気口38から
再び送風機31に吸引される。搬送面11a上の空間部
へのパレット出入口部分がシャッター等で閉鎖されるこ
となく開いているときには、一部分の空気が外部に漏出
する。そのときには、循環中に不足する空気は外気導入
口32から補給される。本装置では少なくとも大部分の
空気が循環使用されるので、高性能フィルタを繰り返し
通過させることによって空気の清浄度が上がり、ワーク
のハイレベルなクリーン度が達成される。又、このよう
な空気循環により、容易に多量の空気を供給することが
できる。更に、空気を加熱又は冷却するときには、ヒー
タやクーラの出力が小さくなって省エネが図られる。
【0019】ワーク浮上搬送装置が熱処理ラインの予熱
もしくは除冷却部分として用いられたり熱処理装置その
ものとして用いられるような場合には、パレット及びこ
れに搭載されたワークは搬送面11a上に1タクト毎に
出し入れされつつ、2台が浮上支持され、浮上用空気に
よって加熱又は冷却される。先端側のワークの処理が終
了すると、電磁弁43が開き、圧縮空気導入管41aか
ら順次、吸入フィルタ42、電磁弁43、ヒータ又はク
ーラ44、クリーンフィルタ45、送気連絡管21等を
介して傾斜ノズル2から圧縮空気が吹き出され、ワーク
に推進力が与えられる。
【0020】図3は、パレットに推進力が加わってパレ
ットが搬送されるときの状態を示す。この場合、搬送面
11aの曲率Rを適当に定めることにより、パレットを
センタリングさせる適当な力を発生させ、その蛇行を制
限して直進性を保持した走行をさせることができる。以
下に曲面状搬送面のこのようなセンタリング作用につい
て説明する。
【0021】搬送面11a上をパレット10がY方向に
速度V0 で直進しているときに、何らかの原因で角度α
の方向にV0 のX方向の成分v0 から成る横方向初速度
をもってパレットが蛇行し、破線で示すパレット101
の位置になったとすると、搬送面11aの凹状曲面によ
ってこれが修正され、パレット102 の位置に復元す
る。同図(b)及び(c)はこのような復元作用を示す
図である。同図(b)は、パレット10がX方向に中心
線Cの位置から距離xだけ蛇行し、その重心GがG´に
移動し、その曲率中心線C´がCとの間で角度βを形成
した状態を示す。(c)はこの状態を分かり易くするた
めに、(a)の角度βを大きくして示している。
【0022】この状態では、ワークを含むパレット10
の自重Mgは偏心したG´位置から下向きに掛り、空気
浮上支持されている斜面方向に分力F=Mgsin βを発
生させ、これがパレット10を復元させる復元力にな
る。この復元力Fは蛇行するX方向の反対であり、βは
微小であるから次の運動方程式が成立する: M(d2x/dt2)=−Fcos β=−Mgsin β・cos β≒−Mgx/R 従って、 (d2 x/dt2 )+ω2 x=0 (ω=√g/√R) この二次線型微分方程式の一般解は、 x=C1 sin ωt+C2 cos ωt v=dx/dt=C1 ωcos ωt−C2 ωsin ωt である。ここで初期条件t=0でx=0及びdx/dt
=v0 から、 x=(v0 /ω)sin ωt となる。従って、ωt=π、t=π/ωの半周期でパレ
ットの蛇行が修正され、図3(a)においてパレット1
0の位置から101 の最大偏心位置を経て102の中心
位置に復帰する。最大偏心位置はωt=π/2のとき
で、このときのxはv0 /ωである。
【0023】ここで、例えば搬送速度V0 =0.2m/
sec 、v0 =V0 /5=0.04m/sec 、R=3m及
び10mとして上式を計算すると、それぞれ、ω=1.
81及び1、最大x=22mm及び40mm、復元時間
(半周期)=1.7sec 及び3.14sec になる。従っ
て、適当な搬送速度を選定することにより、搬送面11
aを十分大きい曲率にしても、パレットを小さい蛇行幅
の範囲に止めて良好な走行性の下に搬送させることがで
きる。そして、このように搬送面の曲率を大きくするこ
とができれば、平面の場合と殆ど同じパレット浮上力が
得られる。なお以上では、計算を簡単にするために浮上
支持におけるパレットと空気との間の摩擦等を考慮して
いないが、これらを考慮すればパレットの蛇行幅は更に
小さくなる。
【0024】このようにパレットの蛇行が一定限度の幅
の範囲内で自動的修正されるので、搬送面11aを搬送
すべきパレットの最大幅よりある程度大きくしておくだ
けで、搬送路の両側にガイドを設ける必要がなくなり、
搬送装置の構造を簡素にすることができる。又、搬送路
の幅の余裕を小さくしてガイドを設けたとしても、パレ
ットの走行性が良いためにパレットがガイドと接触する
ことがなく、ワークのクリーン度を完全に維持した搬送
をさせることができる。そして、このような浮上搬送プ
レートによれば、パレットの浮上搬送に必要な空気の作
用のみによってパレットをセンタリングできるので、別
の手段でパレットに特別の外力を付加する必要がない。
従って、構造が簡単で作動が確実になる。又、ワークの
大きさ、厚み、形状等に直接関係なくクリーン搬送が可
能になる。
【0025】図2のパレット式ワーク浮上搬送装置が熱
処理装置として使用される場合には、1台目のパレット
に搭載された1枚目のワークが熱処理されてこれらが外
部の他の浮上搬送系に送り出されると、図示しない進退
するストッパ等で同様に浮上搬送された2台目のパレッ
ト及びこれに搭載された2枚目のワークが停止されると
共に、新たなパレットに搭載された新たなワークが搬入
される。このパレット及びワークも、同様のストッパ等
で所定位置に停止される。このようにしてパレットに搭
載された状態でワークが1枚づつ熱処理される。なお、
ストッパ等はパレットを停止させるだけのものであり、
パレットの極く一部分だけに接触し摺動することがない
ので、ワークのクリーン度が損なわれることはない。
【0026】このような浮上搬送装置では、必要に応じ
て搬送速度を変えることができる。そのときには、推進
用空気の流量や圧力を変えて搬送速度を調整することが
できる。減速や停止部分では、ノズルの傾斜角を垂直に
近づけたり逆方向に向ける方法や、吹き出した空気を部
分的に吸入する吸入孔を送気孔12とは異なったピッチ
配列で適当数設け、浮上支持されたパレットに吸着力を
作用させてブレーキ及び停止作用をさせるような方法、
等を適宜採用することができる。
【0027】なお以上では、浮上搬送プレートがパレッ
トを介してLCDガラス基板のような平板状ワークを浮
上搬送させる例について説明したが、このようなワーク
に限らず、電子機器や部品等の物品を製造工程において
クリーン搬送させる用途に対して広く利用できるもので
ある。又、以上ではパレットに搭載されたワークを空気
中でクリーン搬送する例について説明したが、例えば窒
素ガスのような不活性ガス雰囲気においてワークを浮上
搬送させる諸装置に対しても、本発明を適用することが
できる。
【0028】図4は搬送面及びパレットの底面の他の例
を示す。図1乃至図3では搬送面が全体的に円弧状の凹
曲面である場合について説明したが、搬送面の幅方向の
断面は少なくとも部分的に曲線状に形成されていればよ
い。即ち、幅方向断面は、一様な直線状でなければよ
く、部分的に円弧状や凹凸状になっていてもよい。
【0029】(a)は搬送面11a及びパレット10の
底面10aとが内/外搬送平面部11a1 /11a2
び傾斜面11a3 並びに内/外底面平面部10a1 /1
0a2 及び傾斜面10a3 で形成されている例を示す。
このような面でも、両面間の空気のクッション作用によ
って非接触状態でパレット10を搬送させることができ
る。(b)は幅の広いパレット10の場合に搬送面が両
側に分離されている例を示す。(c)及び(d)は両面
が凸状になっている例である。この例のものも、同様な
浮上搬送機能を有する。
【0030】図5は例えば図4(d)の場合のパレット
10が釣り合う作用を示す。(a)は空気の吹き出しに
よってパレットが浮上すると共にバランスした状態を示
す。このときには、パレット10の左右位置及び図示し
ないが前後位置において搬送面との隙間から空気が排出
されつつ、パレット10は矢印のような力を受けて釣合
い状態で浮上支持されている。
【0031】(b)は(a)の状態から何らかの原因で
パレット10が右側に傾斜した状態を示す。そのときに
は、右側の隙間からの空気の逃げ出し量が少なくなって
右側の静圧が大きくなると共に水平部分の接近によって
両者間の動圧が大きくなり、一方、左側ではそれらの圧
力が小さくなり、圧力の合力の差によって復元モーメン
トMが発生し、パレットの姿勢が修正される。
【0032】(c)はパレット10が右に寄ったときの
状態を示す。このときには、左側の間隔が狭くなり、間
隔に存在した空気の圧縮による圧力増加即ちクッション
作用とパレット10に作用する動圧の上昇とにより、図
示の如く右側の水平分力H1よりも左側の水平分力H2
が大きくなり、搬送面とパレットとの接触が回避されパ
レットの姿勢が修正される。
【0033】なお、以上では図及び説明を分かり易くす
るために搬送面とパレット底面との間隔を大きくして図
示しているが、実際にはこれらの間隔は微小であり、パ
レットのバランスくずれは小さく姿勢保持がされ易くな
る。又、以上では平面と円筒面と例で説明したが、他の
形状でも同様にパレットの姿勢が維持され搬送面との接
触が防止される。
【0034】
【発明の効果】パレット式物品浮上搬送用構造体は、物
品を搭載可能なパレットを吹き出される気体で搬送面か
ら浮上させて搬送させることができる。このような構成
は、物品を搭載したパレットに作用する吹き出し気体の
圧力及び吹き出し方向を適当に選定することにより可能
になる。
【0035】この搬送面を例えば幅方向に凹面状に形成
すると共に、パレットの底面をほぼ同じ凹面状に形成す
るので、パレットが浮上した状態では両面の間隔が全体
的にほぼ均一になる。その結果、パレットの浮上状態が
安定し、両面間が部分的に接触するような不具合が発生
しない。この状態は、搬送面に対してパレットが偏心し
たときでも同様である。
【0036】一方、このように搬送面に対してパレット
が偏心した状態になると、パレットが搬送面の幅方向に
斜面上を登ることになるため、パレットには再び中心位
置に戻そうとするセンタリング力が生ずる。その結果、
パレットは常に搬送面の中心に位置するように自動的に
走行制御される。
【0037】このようなパレット式物品浮上搬送用構造
体は、通常の浮上搬送装置の搬送面を適当な曲率に形成
するだけであるから、追加される機構がなく構造が簡単
である。又、ワークを搭載したパレットの搬送時の進路
保持性が良いため、搬送ガイドが不要になり、パレット
及びワークがこれらと接触・摺動することがない。従っ
て、搬送系に発塵がなく、ワークのクリーンな搬送状態
を確保することができる。そして、LCDガラス基板や
半導体部品等のクリーン搬送を要求される製品の製造工
程に好都合に利用される。更に、機械的搬送装置に必要
なグリース補給等のメンテナンス作業がなくなり、メン
テナンスフリー化も図られる。なお、搬送面が凸面状等
である場合でも、パレットの姿勢を維持し搬送面との接
触を回避でき、上記のような効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した浮上搬送プレートの構成例を
示し、(a)は全体構造を示す縦断面図で(b)は
(a)のA−A線部分断面図である。
【図2】上記浮上搬送プレートを用いたパレット式ワー
ク浮上搬送装置の斜視図である。
【図3】(a)乃至(c)はワークのセンタリング作用
の説明図である。
【図4】(a)乃至(d)は搬送面及びパレット底面の
形状の他の例を示す説明図である。
【図5】(a)乃至(c)は搬送面が平面及び円弧状凸
面で形成されている場合にパレット姿勢が保持される作
用の説明図である。
【符号の説明】
10 パレット 10a パレットの底面 11a 搬送面 X 幅方向 Y 搬送方向

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物品を搭載可能なパレットを吹き出され
    る気体で搬送面から浮上させて搬送させるパレット式物
    品浮上搬送用構造体であって、 前記搬送面の搬送方向に直角な方向の断面は少なくとも
    部分的に曲線状に形成されていて、前記パレットの底面
    は前記搬送面とほぼ同じ形状に形成されていることを特
    徴とするパレット式物品浮上搬送用構造体。
JP10225368A 1998-07-24 1998-07-24 パレット式物品浮上搬送用構造体 Pending JP2000044056A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017108169A (ja) * 2009-11-27 2017-06-15 株式会社ニコン 露光装置、デバイス製造方法、及び露光方法

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