JP2000042683A - ギアの加工方法 - Google Patents

ギアの加工方法

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JP2000042683A
JP2000042683A JP10216680A JP21668098A JP2000042683A JP 2000042683 A JP2000042683 A JP 2000042683A JP 10216680 A JP10216680 A JP 10216680A JP 21668098 A JP21668098 A JP 21668098A JP 2000042683 A JP2000042683 A JP 2000042683A
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forming
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burring
mold
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Akihito Yoshiie
彰人 吉家
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Sunstar Engineering Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な加工設備によって、短時間内にギア素
材から強度の高いギアの加工を容易に行うことができ
る。 【解決手段】 外歯の型24を穿孔の内壁周囲に形成し
てなる外歯成形部22を備えたダイ20の上に、孔35
が外歯成形部22の穿孔上に重なるように、ギア素材3
0を載置する。内歯の型15が外側周囲に形成された内
歯成形部14とこれより先端に延在する円錐状のバーリ
ング成形部12とを備えたパンチ10を、ギア素材の孔
を通ってダイ20に嵌入させる。バーリング部の成形と
該バーリング部へのギア成形とを一工程で行うことがで
きるので、上記の簡単な設備によって、きわめて短時間
内にギア素材からギアの加工を容易に行うことができ
る。また、バーリング部の内外壁に内歯及び外歯を位相
を揃えて成形するようにしたので、歯先、歯底とも肉厚
が確保されてギアの強度を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ギアの加工方法に
係り、より詳しくは、金属製のギア素材から、例えば自
転車等に使用されるラチェットギアなどのように、ギア
を備えた中空筒状のバーリング部を成形加工するための
ギアの加工方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、板金材料等から自転車に使用さ
れるラチェットギアなどの内歯車付きのギアを加工する
方法が考案されている。
【0003】このような加工方法には、例えば、図5
(a)に示すように、板金材料42に開けられた孔の内
壁にラチェットギア加工部品(歯部)44を、多数、圧
入又は溶接するものがある。
【0004】また、図5(b)に示すギアの加工方法に
おいては、第1工程で、板金材料46を加工してバーリ
ング部48(突出した中空の円筒形部分)を形成し、第
2工程では、該バーリング部48の内壁側に、多数の歯
を備えたギア部50を成形又はブローチ加工する。
【0005】なお、図5(b)の第2工程では、例え
ば、特開平5−23774号公報に開示された方法を適
用して内歯を成形することができる。すなわち、外周部
に歯型が形成されたマンドレル型(図示せず)を第一工
程で加工されたバーリング部に嵌入し、スラスト方向の
両側から押圧支持する。そして、該バーリング部の外周
に回転ローラを押圧しながら、バーリング部及びマンド
レル型を一体に回転させることにより、バーリング部の
側部の素材は、拘束力のないマンドレル型外周の歯型に
沿って塑性流動し、図示のようにバーリング部48の内
側にのみ内歯50が形成される。この内歯では、歯先5
0a及び歯底50bが交互に形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のギア加工方法は、以下のような問題がある。
【0007】まず、図5(a)に示すギアの加工方法で
は、歯先、歯底とも肉厚が確保されるが、板金材料にラ
チェットギア加工部品を圧入又は溶接する工程に多大な
労力又は複雑な加工設備を要し、コスト及び加工時間の
点で不利である。
【0008】また、図5(b)に示すギアの加工方法で
は、バーリング部48の内壁にのみ歯先50a及び歯底
50bを形成するため、歯底50bにおいて肉厚が極端
に減少し、強度上問題がある。また、最初にバーリング
加工によりフランジ立てを行ってから、次いでギヤ部を
成形するという二工程からなるため、各工程にそれぞれ
異なる加工設備を用意しなければならず、また加工時間
がかかるという問題もある。
【0009】本発明は、上記事実に鑑みなされたもの
で、簡単な加工設備によって、短時間内にギア素材から
強度の高いギアの加工を容易に行うことができる、ギア
の加工方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、孔を有する金属製のギア素材か
ら、中空筒状のバーリング部を形成すると共に該バーリ
ング部の内外壁に内歯及び外歯を各々成形加工する、ギ
アの加工方法において、前記外歯の型を穿孔の内壁周囲
に形成してなる外歯成形部を有する型取り手段を提供
し、前記ギア素材の孔が前記外歯成形部の穿孔上に重な
るように、前記ギア素材を前記型取り手段の上に載置
し、前記内歯の型が外側周囲に形成された内歯成形部と
該内歯成形部より先端に延在するバーリング成形部とを
有する成形手段を、前記ギア素材の孔を通って前記型取
り手段に嵌入させることを特徴とする。
【0011】請求項1の発明では、成形手段を、ギア素
材を載置した型取り手段に、該ギア素材の孔を通って穿
孔に嵌入させる。勿論、内歯成形部の内歯の型及び外歯
成形部の外歯の型の位相が略一致した状態で成形手段を
型取り手段に嵌入する。
【0012】このとき、まず、成形手段の先端に延在す
るバーリング成形部が、ギア素材の孔に嵌合し、その移
動と共に、ギア素材の孔を押し広げていく。押し除けら
れた素材部分は下方に張り出されると共に、バーリング
成形部と外歯成形部との間の空間に押し込まれ、塑性流
動によって中空筒状のバーリング部を形成していく。
【0013】内歯成形部が外歯成形部まで達してさらに
進入すると、これらの成形部間の空間へ素材が押し込ま
れることによって、中空筒状のバーリング部が完成に近
づく。それと共に、該バーリング部の素材は、内側及び
外側から各々内歯の型及び外歯の型によって押さえ込ま
れ、塑性流動によりバーリング部の内外壁に内歯及び外
歯がそれぞれ形成されていく。すなわち、バーリング加
工のフランジ立てと、ギア成形とが同時に行われる。
【0014】ここで、請求項2の発明のように、請求項
1の前記型取り手段が、前記外歯成形部の穿孔の下方
に、該外歯成形部を通過した前記バーリング部及び前記
内歯成形部を収容することができる退避部をさらに有す
ることが好ましい。
【0015】請求項2の発明では、外歯成形部を通過し
たバーリング部及び内歯成形部の部分が、退避部に進入
する。
【0016】また、請求項3の発明のように、請求項2
の退避部の内壁には、進入した前記成形手段の前記内歯
成形部が嵌合することができる歯形が形成されているこ
とがさらに好ましい。
【0017】請求項3の発明では、外歯成形部を通過し
た内歯成形部の部分が、退避部に進入したとき、退避部
の歯形と緊密に嵌合する。すなわち、退避部に隙間がな
くなり、内歯成形部と外歯成形部との間の空間にのみに
素材が押し込められる。この状態で成形手段が移動して
いくので、バーリング部、内歯及び外歯の形成に伴って
生じるバリが完全にギア素材から削り取られる。従っ
て、ギア成形後に、バリ取り工程を追加する必要がなく
なる。
【0018】また、バーリング成形部は、中空筒状のバ
ーリング部を加工できる限り任意の形状とすることがで
きるが、例えば、請求項4の発明のように、前記バーリ
ング成形部が、前記成形手段の端部から所定の先端角度
をなすように円錐状に延在し且つその先端部は丸味を帯
びた形状とすることができる。これによりバーリング成
形の効率化が図れる。
【0019】また、内歯成形部は、例えば請求項5の発
明のように、前記内歯成形部に形成された内歯の型が、
その歯底の径が一定であると共に、その歯先の径は前端
部から遠ざかるほど大きくなり、該前端部から一定距離
以上の範囲では歯先の径が一定となるように形成されて
いるのがよい。
【0020】請求項5の発明では、バーリング部に内歯
を成形している歯先の径が次第に大きくなるので、内歯
の成形を円滑に行うことができる。
【0021】また、請求項6の発明は、前記外歯成形部
の穿孔の軸線が前記ギア素材の孔の中心を実質的に通過
するように、前記ギア素材を前記型取り手段の上に載置
することを特徴とする。これによって、ギア素材の孔の
加工を円滑に行うことができる。
【0022】さらに、請求項7の発明は、前記成形手段
が、前記内歯成形部が前記ギア素材の成形を終了したと
きに前記成形手段を係止する係止手段をさらに有するこ
とを特徴とする。
【0023】前記成形手段は、内歯成形部がギア素材の
成形を終了したときに、係止手段によって型取り手段へ
のさらなる進入を係止される。この状態が、前記型取り
手段に完全に嵌入した状態となる。この係止手段は、例
えば、内歯成形部の終端部と面一の平坦部で実現するこ
とができる。また、この平坦部に成形用の型を設けても
よい。
【0024】ところで、上記各発明の加工対象となるギ
ア素材は、例えば孔あけ加工や他の任意の加工が施され
た平坦な板金材料を用いることができるが、バーリング
部が予め成形されたギア素材を用いるように本発明を以
下のように適用できる。
【0025】すなわち、請求項8の発明は、中空筒状の
バーリング部を備えた金属製のギア素材から、該バーリ
ング部の内外壁に内歯及び外歯を各々成形加工する、ギ
アの加工方法において、前記外歯の型を穿孔の内壁周囲
に形成してなる外歯成形部を有する型取り手段を提供
し、前記バーリング部が前記外歯成形部に収容されるよ
うに、前記ギア素材を前記型取り手段の上に載置し、前
記内歯の型が外側周囲に形成された内歯成形部を有する
成形手段を、前記バーリング部を通って前記型取り手段
に嵌入させることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。なお、以下では、自転車等で使用さ
れるラチェットギアの加工方法を一例にして説明する。
【0027】図1には、本発明の実施形態に係るギアの
加工方法を実施する際に使用される成形手段としてのパ
ンチ10の側面図及び下面図が示されている。同図に示
すように、パンチ10は、支持台17と、該支持台から
円柱状に延設された内歯成形部14と、該内歯成形部か
らパンチ先端まで円錐状に延設されたバーリング成形部
12と、を有して構成されている。内歯成形部14及び
バーリング成形部12は同じ中心軸Sを共有している。
【0028】内歯成形部14は、図1の下面図に示すよ
うに、その外周部に、歯先15a及び歯底15bが交互
に形成された内歯の型15が提供されている。この内歯
の型15は、後述するように、ギア素材のバーリング部
内歯を形成するための型として提供されたものである。
【0029】また、内歯成形部14は、同図の側面図に
示すように、その歯底の径(破線)がバーリング成形部
12終端部の最大径と等しく全範囲で一定であるのに対
し、その歯先の径(実線)は、該成形部の前端部(最下
部)から一定距離以内の範囲14aでは、前端部から遠
ざかるにつれて、すなわちより上部になるに従って増大
し、前端部から一定以上の距離の範囲14bでは同一径
であるように形成されている。
【0030】また、バーリング成形部12は、バーリン
グ部を成形するのに好適であるように、例えば、その先
端角度αが60度程度に設定され、その先端部分は、尖
端ではなく丸味を帯びた先端部13として形成されてい
る。なお、本発明におけるバーリング部は、板金材料等
から加工されてなる突出した中空の筒状部分をすべて含
むものとする。
【0031】さらに、支持台17には、図示しない往復
駆動装置のシャフトにパンチ10を連結するための連結
部18と、成形完了時にギア素材と係合してパンチの前
進を係止させる肩部16とが設けられている。なお、こ
の肩部16にもこれと係合するギア素材部分を成形する
ための型を形成してもよい。図の例では、肩部16は、
内歯成形部14の終端部と面一の表面と、該表面よりも
前方に僅かに突出した表面と、を有する。
【0032】次に、図2には、本発明の実施形態に係る
ギアの加工方法を実施する際にパンチ10と共に使用さ
れる型取り手段としてのダイ20の側面図及び上面図が
示されている。同図に示すように、ダイ20は、金属土
台21と、該金属土台に比較的浅く穿孔された外歯成形
部22と、該成形部の下部に深く穿孔されたパンチ退避
部26と、を有する。外歯成形部22及びパンチ退避部
26は同じ中心軸Pを共有している。
【0033】このうち外歯成形部22は、図2の上面図
に示すように、その内壁側にギアの外歯を形成するため
の外歯の型24が形成されており、その深さは、加工対
象となるギアのバーリング部幅に実質的に等しく設定さ
れている。
【0034】また、パンチ退避部26は、その内壁側
に、パンチ10が進入したときに内歯成形部14の歯と
嵌合するための歯形28が形成されている。従って、図
からも明らかなように、外歯成形部22の径は、パンチ
退避部26の径よりも大きく形成され、パンチが退避部
26に進入したときには、外歯成形部22とパンチ10
外壁との間に空間が形成され、その中で板金材料が加工
されることがわかる。なお、外歯型24の歯形と歯形2
8とは、当然、歯先及び歯底の位相が各々揃えられてい
る。
【0035】なお、金属土台21の上部表面にも、ギア
素材部分を成形するための型を形成してもよい。図の例
では、外歯成形部22の上端部がその周囲の土台上部よ
りも僅かに隆起してパンチ10の肩部16の型と相補的
な型が形成されている。この場合、外歯成形部22の上
に載置された加工前の板金材料30と、金属土台21の
上部表面との間に隙間ができる(図3(a)参照)。
【0036】次に、上記パンチ10及びダイ20を用い
て、ギアを加工する方法を図3(a)、(b)を用いて
説明する。
【0037】図3(a)に示すように、加工用の孔35
を備えた板金材料30(ギア素材)を、軸線Pが孔35
の中心を通過するようにダイ20の上に載置する。この
とき、パンチ10を、パンチの軸線Sがダイ20の軸線
Pと一致し、且つ、先端部13がダイ20に向いて下向
きになるように板金材料30の上方に配置する。また、
内歯型15の歯形と外歯型24の波形(パンチ退避部2
6の歯形28)とのパンチ10の軸線S回りの位相位置
を合わせる。なお、波形の位相とは、歯先及び歯底の回
転位置をいう。
【0038】上記の配置状態から、パンチ10を鉛直下
方向Gに沿って下降させる。なお、板金材料30は、図
の例では、平坦な板として表したが、予め任意の加工を
施されたものでもよく、例えば、他に取り付け孔を設け
たり、所定の形状に変形されていてもよい。
【0039】下降しているパンチ10は、まず、その先
端部13が板金材料30の孔35に嵌合し、その下降と
共に、バーリング成形部12の円錐面が孔35を押し広
げていく。このとき、押し除けられた板部分は下方に張
り出されると共に、バーリング成形部12と外歯成形部
22との間の空間に押し込まれ、塑性流動によってバー
リング部を形成していく。孔35を通過したバーリング
成形部12の部分はパンチ退避部26の中を下降してい
く。
【0040】パンチ10の内歯成形部14が外歯成形部
22まで達して下降すると、鉛直に延在する壁の間の空
間へ板金材料が押し込まれることによって、円筒状のバ
ーリング部が完成に近づく。それと共に、該バーリング
部の板金材料は、内側及び外側の両方から各々内歯の型
15及び外歯の型24によってギアのオフセット形状で
押さえ込まれ、塑性流動により内歯及び外歯が形成され
ていく。すなわち、バーリング加工のフランジ立てと、
ギア成形とが同時に行われる。従って、図5(b)に示
す従来の加工方法のように二工程にわけてギアを加工し
たり、図5(a)に示すように板金材料に加工部品を圧
入又は溶接する場合と比べて大幅に加工時間を短縮化で
き、労力を削減することができる。また、パンチ10及
びダイ20を用いるだけでよく加工設備もきわめて簡単
化される。
【0041】また、ギアが成形されるとき、内歯成形部
14の範囲14aでは歯先径が次第に大きくなるので、
より円滑にギア成形がなされる。
【0042】外歯成形部を通過した内歯成形部14の部
分は、パンチ退避部に進入し、このとき内歯型15は歯
形28と緊密に嵌合する。すなわち、パンチ退避部に隙
間がなくなり、内歯成形部と外歯成形部との間の空間に
のみにギア素材が押し込められる。この状態でパンチ1
0が下降していくので、バーリング部、内歯及び外歯の
形成に伴って生じるバリが完全にギア素材から削り取ら
れていく。
【0043】肩部16がギア素材を押圧し始めたとき、
該ギア素材の部分は、肩部16に形成された型と、金属
土台21の上部に形成された型とにより、板金材料30
が金属土台21の上部表面に密着されるように成形され
ていく。
【0044】最終的に、パンチ10は、図3(b)に示
すように、肩部16がギア32に係合するまでダイ20
内部に進入する。このような状態では、パンチ10の外
壁とダイ20の内壁とがなす空間に、完全に板金材料が
押し込められていることがわかる。
【0045】その後、パンチ10が鉛直上方F方向に沿
って図3(a)の位置まで上昇し、加工が完成したギア
32が取り出される。
【0046】完成したギア32の側面図及び下面図を図
4に示す。同図に示すように、ギア32は、中空39を
有する円筒体として中央部に形成されたバーリング部3
3と、その回りに延在し取付孔40を備えた鍔部36
と、を有する。
【0047】図示のように、バーリング部33の内壁及
び外壁には、内歯38及び外歯37が位相を揃えて各々
形成されている。これによって、歯先、歯底とも肉厚が
確保でき、内壁のみに歯形を形成する従来の加工方法
(図5(b)参照)の強度上の問題を解決することがで
きる。
【0048】以上が本発明の実施形態であるが、本発明
は上記例にのみ限定されるものではなく本発明の範囲を
逸脱しない限り任意好適に変更可能である。
【0049】例えば、ラチェットギアの加工を例にした
が、本発明はこれに限定されるものではなく、バーリン
グ部などの筒状部分に少なくとも内歯を備えたすべての
ギアの加工方法に本発明を適用することができる。例え
ば、自動車のエンジン始動用リダクションスタータの減
速機構部に適用される内歯車などがある。また、取付場
所等に応じて、図5の鍔部36などを任意好適に変更で
きる。
【0050】さらに、本発明ではバーリング部に外歯が
形成されるため、この外歯を利用するような歯車機構に
も、本発明の方法により加工されたギアを適用すること
ができる。勿論、外歯及び内歯の両方を使用する歯車機
構に適用されてもよい。
【0051】また、上記実施形態では、孔付きの板金材
料からバーリング部を成形すると共に該バーリング部の
ギア成形を行ったが、本発明は、これに限定されず、前
もってある程度まで加工された板金材料から加工を行う
ようにしてもよい。
【0052】例えば、図5(b)に示すように、バーリ
ング部48を備えたギア素材46が予め与えられた場
合、バーリング部48が外歯成形部22に収容されるよ
うにこのギア素材46を載置し、次いでパンチ10によ
りギア素材46にパンチ10を嵌入し、バーリング部4
8の内壁及び外壁に歯形を転写してもよい。この場合、
歯底の肉厚が確保され、強度を高めるという効果のみを
奏することができる。この目的のみのため加工を行う場
合には、図1のパンチ10からバーリング成形部12を
取り除いた成形手段を用いることができる。
【0053】また、パンチ10において、バーリング成
形部12は、内歯成形部12による内歯成形が可能なバ
ーリング部を成形することができる限り、図1に示す以
外の任意形状を採用することができる。例えば、先端角
度αの変更、先端部13の形状の変更等である。
【0054】また、内歯成形部14もギア素材に内歯を
成形することができる限り、図1に示す以外の任意形状
をとることができる。例えば、その歯先の径を範囲14
aで増大させ範囲14bで一定としたが、この成形部の
全範囲で増大させてもよい。
【0055】また、ダイ20を固定した状態でパンチ1
0を下降させたが、この逆にパンチ10を固定した状態
でダイ20を上昇さても良く、また、両者ともに互いに
接近するように移動させてもよい。さらに、鉛直方向に
パンチを移動させる例を示したが、パンチ及びダイを水
平方向や斜め方向など他の方向に整列させて配置し、該
方向に沿ってパンチ又はダイを移動させてもよい。
【0056】なお、本実施形態では、肩部16と金属土
台21の上部表面とに上記のような型を設けたが、これ
以外の形状の型であってもよく、さらには他の箇所にも
任意の型を設けることもできる。また、肩部16の全表
面を平坦にし、金属土台21の上部表面を平坦にして、
上記のような型を設けないようにすることもできる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように請求項1乃至請求項
7の発明によれば、バーリング部成形部と内歯成形部を
備えた成形手段及び外歯成形部を備えた型取り手段を用
いて、バーリング部の成形と該バーリング部へのギア成
形とを一工程で行うようにしたので、上記のように簡単
な加工設備によって、きわめて短時間内にギア素材から
ギアの加工を容易に行うことができる、という優れた効
果が得られる。
【0058】また、請求項1乃至請求項8の発明によれ
ば、内歯成形部を備えた成形手段及び外歯成形部を備え
た型取り手段を用いて、バーリング部の内外壁に内歯及
び外歯を位相を揃えて成形するようにしたので、歯先、
歯底とも肉厚が確保でき、従来技術のように内歯のみを
成形する場合と比べてギアの強度を高めることができ
る、という優れた効果が得られる。
【0059】さらに、請求項3の発明によれば、退避部
の内壁には、進入した成形手段の内歯成形部が嵌合する
ことができる歯形を形成したので、バーリング部、内歯
及び外歯の形成に伴って生じるバリが完全にギア素材か
ら削り取られ、バリ取り工程の追加が不要となって労力
の低減及び加工時間の短縮化を図ることができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るギアの加工方法を実施
する際に使用されるパンチ10の側面図及び下面図であ
る。
【図2】本発明の実施形態に係るギアの加工方法を実施
する際にパンチ10と共に使用されるダイ20の側面図
及び上面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るギアの加工方法を説明
するための図であって、(a)はパンチをダイに嵌入す
る前の配置図、(b)は、パンチをダイに完全に嵌入し
た状態の配置図である。
【図4】加工が完成したギアの側面図及び下面図であ
る。
【図5】従来のギア加工方法を説明するための図であっ
て、(a)は加工部品を圧入又は溶接する方法、(b)
はバーリングによるフランジ立てとギヤ部成形との二工
程からなる方法を示す。
【符号の説明】
10 パンチ 12 バーリング成形部 14 内歯成形部 15 内歯の型 20 ダイ 22 外歯成形部 24 外歯の型 26 パンチ退避部 28 歯形

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 孔を有する金属製のギア素材から、中空
    筒状のバーリング部を形成すると共に該バーリング部の
    内外壁に内歯及び外歯を各々成形加工する、ギアの加工
    方法であって、 前記外歯の型を穿孔の内壁周囲に形成してなる外歯成形
    部を有する型取り手段を提供し、 前記ギア素材の孔が前記外歯成形部の穿孔上に重なるよ
    うに、前記ギア素材を前記型取り手段の上に載置し、 前記内歯の型が外側周囲に形成された内歯成形部と該内
    歯成形部より先端に延在するバーリング成形部とを有す
    る成形手段を、前記ギア素材の孔を通って前記型取り手
    段に嵌入させることを特徴とする、ギアの加工方法。
  2. 【請求項2】 前記型取り手段は、前記外歯成形部の穿
    孔の下方に、該外歯成形部を通過した前記バーリング部
    及び前記内歯成形部を収容することができる退避部をさ
    らに有することを特徴とする、請求項1に記載のギアの
    加工方法。
  3. 【請求項3】 前記退避部の内壁には、進入した前記成
    形手段の前記内歯成形部が嵌合することができる歯形が
    形成されていることを特徴とする、請求項2に記載のギ
    アの加工方法。
  4. 【請求項4】 前記バーリング成形部は、前記成形手段
    の端部から所定の先端角度をなすように円錐状に延在し
    且つその先端部は丸味を帯びた形状とされていることを
    特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記
    載のギアの加工方法。
  5. 【請求項5】 前記内歯成形部に形成された内歯の型
    は、その歯底の径が一定であると共に、その歯先の径は
    前端部から遠ざかるほど大きくなり、該前端部から一定
    距離以上の範囲では歯先の径が一定となるように形成さ
    れていることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のい
    ずれか1項に記載のギアの加工方法。
  6. 【請求項6】 前記外歯成形部の穿孔の軸線が前記ギア
    素材の孔の中心を実質的に通過するように、前記ギア素
    材を前記型取り手段の上に載置することを特徴とする、
    請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のギアの加
    工方法。
  7. 【請求項7】 前記成形手段は、前記内歯成形部が前記
    ギア素材の成形を終了したときに前記成形手段を係止す
    る係止手段をさらに有することを特徴とする、請求項1
    乃至6のいずれか1項に記載のギアの加工方法。
  8. 【請求項8】 中空筒状のバーリング部を備えた金属製
    のギア素材から、該バーリング部の内外壁に内歯及び外
    歯を各々成形加工する、ギアの加工方法であって、 前記外歯の型を穿孔の内壁周囲に形成してなる外歯成形
    部を有する型取り手段を提供し、 前記バーリング部が前記外歯成形部に収容されるよう
    に、前記ギア素材を前記型取り手段の上に載置し、 前記内歯の型が外側周囲に形成された内歯成形部を有す
    る成形手段を、前記バーリング部を通って前記型取り手
    段に嵌入させることを特徴とする、ギアの加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009078284A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Aisin Aw Co Ltd スプライン部材の製造方法

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