JP2000042473A - 板の塗装方法および装置 - Google Patents

板の塗装方法および装置

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JP2000042473A
JP2000042473A JP11025213A JP2521399A JP2000042473A JP 2000042473 A JP2000042473 A JP 2000042473A JP 11025213 A JP11025213 A JP 11025213A JP 2521399 A JP2521399 A JP 2521399A JP 2000042473 A JP2000042473 A JP 2000042473A
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Japan
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paint
coating
plate
board
air
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JP11025213A
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Takaaki Kaneko
貴昭 金子
Shigeru Tanaka
茂 田中
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗装面の基剤破壊による剥離を防止し、裏面
へ回り込んだ塗料を除去し、且つ、木口の塗膜欠陥を防
止することができるようにする。 【解決手段】 硬質木片セメント板1の表面に対し過剰
に水系塗料2を塗布した後、塗装面にエア3を吹き付け
て余剰の塗料を除去するようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、板の塗装方法お
よび装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、窯業系建材表面を、風雨や光、熱
による浸食から保護したり、希望する色彩や光沢を与え
て外観を装飾するために、塗料を塗布して塗膜を形成さ
せている。
【0003】これら窯業系建材の塗装方法として、一般
的にエア、エアレス、静電などのスプレー塗装およびフ
ローコーター、ローラーコーターによる塗装が挙げられ
る。特に、深溝凹凸模様の付いた建材の塗装方法として
は、シャワーコーターにより過剰に塗料を塗布し、つい
でエアノズルから空気を吹き付けて余剰塗料を除去する
方法(特開昭60−153970号公報、特開昭64−
80473号公報)が提案されており、該方法は均一な
塗膜厚を得るために最も適している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、新建材として、
ポルトランドセメント、アルミナセメント、無水石膏ま
たは半水石膏を主成分として含む熱硬化性セメント組成
物に、木片と水とを混練し、これを板状に成形して加熱
硬化した硬質木片セメント板が使用されているが、該硬
質木片セメント板は、表面に素穴(10〜100μm程
度の空隙)が存在しているため吸水し易く、基材表面が
もろいため爪をたててひっかくと、基材の脆弱な部分が
取れてしまうことがある。こういった比較的表面の脆い
木片セメント板に上記スプレー塗装で塗料を塗布した場
合、塗料の基材中への含浸量が少ないため、碁盤目テー
プ剥離試験(JIS K−5400)を行うと界面剥離
ではなく、基材部の脆弱層が破壊した形で剥離してしま
うことがあるという問題があった。
【0005】また、従来のシャワーコート・エアカット
塗装では、シャワーコーターで塗料を過剰に塗布するの
で、エアカットするまでの搬送(移動)の中に振動で自
然に表面からこぼれることによる裏面への回り込みと、
エアカットする際に端部からこぼすことによる裏面への
回り込みが発生する(特開昭64−80473号公報)
という問題があった。
【0006】塗料が裏面に回り込んでしまうと、その後
の積載行程で表面の塗装面と裏面回り込み分でブロッキ
ング(塗料どうしが密着して剥離してしまう現象)が発
生してしまう。これを防ぐためには板の間に養生紙を挟
むなどの工程を設けたり、板を冷却して塗膜が密着しに
くくなるようにする必要があり、コストや生産性の上で
問題があった。
【0007】更に、上記硬質木片セメント板に模様が付
いているもの(レリーフ板)では、その溝部と模様部と
で圧縮率が異なるために、木口(側端面)になると模様
部の組織が粗になり易かった。その場合、一般的な塗装
方法(スプレー、刷毛、ローラーなど)で塗装するだけ
ではその面に均一な塗膜を形成させるのが困難であると
いう問題があった。
【0008】更に、除去された余剰塗料を回収し再利用
すると、回収塗料に上記硬質木片セメント板から脱落し
た基材粉が混入することがある。この基材粉混入塗料を
板表面に塗装した場合、塗膜厚さより大きな基材粉が塗
膜中に存在するため、耐透水性が低下し、また基材から
水溶性のカルシウム成分が溶出しやすくなり、塗膜表面
にエフロレセンスが生じやすくなる等の問題があった。
【0009】そこで、本発明の目的は、上記の問題点を
解消し、塗装面の基材破壊による剥離を防止し、裏面へ
回り込んだ塗料を除去し、木口の塗膜欠陥を防止、塗膜
性能を損なわずに余剰塗料の再利用することができる板
の塗装方法および装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載された発明では、板の表面に対し過
剰に塗料を塗布した後、塗装面にエアを吹き付けて余剰
の塗料を除去する板の塗装方法であって、上記板が、ポ
ルトランドセメント50〜96重量部、アルミナセメン
ト2〜25重量部、消石灰10重量部、無水石膏または
/および半水石膏1.5〜15重量部、その他に対し
て、有機カルボン酸のアルカリ金属塩を0.2〜2.0
重量部添加した熱硬化性セメント組成物からなり、上記
有機カルボン酸が、クエン酸、りんご酸、グルコン酸、
グルタール酸、または、グルコール酸であり、上記アル
カリ金属塩が、ナトリウム塩、または、カリウム塩であ
り、上記の原料に細分化された木質材料および水を混練
し、加熱プレスして得られた硬質木片セメント板である
ことを特徴としている。
【0011】このように構成された請求項1にかかる発
明によれば、硬質木片セメント板は非常に優れた特性を
有しているので、高い耐久性を得ることができる。そし
て、板に塗料が過剰量供給され、基材表面の素穴などの
微小な空隙部に塗料が含浸し、且つ、エアの吹き付けに
より余剰塗料を除去するので、基材表面の脆弱部に塗料
が入り込んだ状態で均一な塗膜が形成される。そのた
め、スプレー塗装に比べ、基材表面の緻密性が向上し、
塗装の碁盤目テープ剥離試験でも基材破壊による剥離が
生じない。
【0012】また、請求項2に記載された発明では、板
の表面に対し過剰に塗料を塗布した後、塗装面にエアを
吹き付けて余剰の塗料を除去し、更に、裏面に回り込ん
だ塗料を裏面側からエアを吹き付けて除去することを特
徴としている。
【0013】このように構成された請求項2にかかる発
明によれば、板に裏面側からエアを吹き付けることによ
り、裏面へ回り込んだ塗料を吹き飛ばして除去すること
ができる。これにより、塗装した板を段積みした場合で
も、ブロッキングが発生することを防止することができ
る。
【0014】また、請求項3に記載された発明では、板
の表面に対し過剰に塗料を塗布した後、塗装面にエアを
吹き付けて余剰の塗料を除去し、更に、裏面に回り込ん
だ塗料を吸引して除去することを特徴としている。
【0015】このように構成された請求項3にかかる発
明によれば、板を裏面側から吸引することにより、裏面
へ回り込んだ塗料を吸引して除去することができる。こ
れにより、塗装した板を段積みした場合でも、ブロッキ
ングが発生することを防止することができる。
【0016】また、請求項4に記載された発明では、板
の表面に対し過剰に塗料を塗布した後、塗装面にエアを
吹き付けて余剰の塗料を除去し、更に、裏面に回り込ん
だ塗料を研磨して除去することを特徴としている。
【0017】このように構成された請求項4にかかる発
明によれば、塗装した板の裏面を研磨することにより、
裏面へ回り込んだ塗料を除去することができる。これに
より、塗装した板を段積みした場合でも、ブロッキング
が発生することを防止することができる。また、研磨量
を制御することにより、基材の厚み調整を行わせること
ができる。
【0018】また、請求項5に記載された発明では、板
の木口に対し塗料を塗布した後、木口の塗装面にエアを
吹き付けることを特徴としている。
【0019】このように構成された請求項5にかかる発
明によれば、木口に塗料を塗装した直後の塗装表面が乾
く前で塗料が拡散することができる状態の間に塗装面に
エアを吹き付けることにより、粗な面の窪み(素穴)の
内部に塗料が入り込み、塗膜欠陥が無くなる。また、エ
アを吹き付けることで、塗膜欠陥が無くなることから、
塗布量を減らすことができ、且つ、コストを削減するこ
とができる。
【0020】また、請求項6に記載された発明では、板
の表面に対し過剰に塗料を塗布した後、塗装面にエアを
吹き付けて余剰の塗料を除去する板の塗装方法におい
て、板の表面に付着しない塗料を回収し、塗料に混入し
た板の基材粉を除去して再利用することを特徴としてい
る。
【0021】このように構成された請求項6にかかる発
明によれば、板の表面に付着しない塗料を回収して再利
用するので、塗料の無駄が生じない。
【0022】また、請求項7に記載された発明では、板
の表面に塗料を塗布する板の塗装方法において、板の表
面に付着しない塗料を回収し、回収した塗料に混入する
板の基材粉を濾過、沈殿させ、上澄み塗料だけを再利用
することを特徴としている。
【0023】このように構成された請求項7にかかる発
明によれば、板の表面に付着しない塗料を回収して再利
用するので、塗料の無駄が生じない。そして、回収した
塗料に混入する板の基材粉を濾過、沈殿させ、上澄み塗
料だけを再利用するので、耐透水性が低下したり、基材
から水溶性のカルシウム成分が溶出して塗膜表面にエフ
ロが生じやすくなる等の問題を解決できる。
【0024】また、請求項8に記載された発明では、板
の表面に塗料を塗布する板の塗装方法において、前記塗
料が合成樹脂ラテックスを樹脂成分とする水系塗料であ
り、合成樹脂ラテックスがアクリル系共重合体を主成分
とし、このアクリル系共重合体100重量部に対し0.
01〜5重量部のジオールを添加してなることを特徴と
している。
【0025】このように構成された請求項8にかかる発
明によれば、塗料が合成樹脂ラテックスを樹脂成分とす
る水系塗料であり、合成樹脂ラテックスがアクリル系共
重合体を主成分とし、このアクリル系共重合体100重
量部に対し0.01〜5重量部のジオールを添加してな
るものであるから、水系塗料の水分の蒸発、これによる
粘度の上昇、粘度上昇による塗装ノズルの詰まり、等の
問題を解決できる。また、ジオールの添加により冬場の
凍結を防止できる。
【0026】また、請求項9に記載された発明では、請
求項1〜8いずれかに記載の板の塗装方法において、前
記塗料が、フォードカップ(No.4)法で5〜60秒
の粘度を有する水系塗料であることを特徴としている。
【0027】このように構成された請求項9にかかる発
明によれば、さらに、水系塗料のフォードカップ粘度
(JIS K5400 4.5.4 No.4)を5〜
60秒とすることにより、基材への含浸性が良くなり、
凹凸模様のある基材の場合にも塗料が均一に回り込む。
また、エアの吹き付け時に余剰塗料が吹き飛び易くな
り、均一な塗膜が得られるようになる。
【0028】また、請求項10に記載された発明では、
請求項1〜9いずれかに記載の板の塗装方法において、
前記塗料が、合成樹脂ラテックスを樹脂成分とし、合成
樹脂ラテックスの粒子径が0.01〜0.3μmの水系
塗料であることを特徴としている。
【0029】このように構成された請求項10にかかる
発明によれば、さらに、合成樹脂ラテックスの粒子径を
0.01〜0.3μmとすることにより、0.01μm
未満の場合のように、塗料粘度が増大し、塗装および取
り扱いが困難となることや、0.3μm以上の場合のよ
うに、セメント基材への含浸性が低下し、緻密性、基材
との密着性が低下することを防止できる。
【0030】また、請求項11に記載された発明では、
板の表面に対し過剰に塗料を塗布する塗布手段と、塗装
面にエアを吹き付けて余剰の塗料を除去する第一のエア
吹き付け手段と、更に、裏面に回り込んだ塗料を裏面側
からエアを吹き付けて除去する第二のエア吹き付け手段
とを備えたことを特徴としている。
【0031】このように構成された請求項11にかかる
発明によれば、塗布手段で板の表面に対し過剰に塗料を
塗布し、その後、第一のエア吹き付け手段で塗装面にエ
アを吹き付けて余剰の塗料を除去し、更に、第二のエア
吹き付け手段で裏面に回り込んだ塗料を裏面側からエア
を吹き付けて除去することにより、請求項2と同様の作
用効果を得ることができる。
【0032】また、請求項12に記載された発明では、
板の表面に対し過剰に塗料を塗布する塗布手段と、塗装
面にエアを吹き付けて余剰の塗料を除去するエア吹き付
け手段と、更に、裏面に回り込んだ塗料を吸引して除去
する吸引手段とを備えたことを特徴としている。
【0033】このように構成された請求項12にかかる
発明によれば、塗布手段で板の表面に対し過剰に塗料を
塗布し、その後、エア吹き付け手段で塗装面にエアを吹
き付けて余剰の塗料を除去し、更に、吸引手段で裏面に
回り込んだ塗料を吸引して除去することにより、請求項
3と同様の作用効果を得ることができる。
【0034】また、請求項13に記載された発明では、
板の表面に対し過剰に塗料を塗布する塗布手段と、塗装
面にエアを吹き付けて余剰の塗料を除去するエア吹き付
け手段と、更に、裏面に回り込んだ塗料を研磨して除去
する研磨装置とを備えたことを特徴としている。
【0035】このように構成された請求項13にかかる
発明によれば、塗布手段で板の表面に対し過剰に塗料を
塗布し、その後、エア吹き付け手段で塗装面にエアを吹
き付けて余剰の塗料を除去し、更に、研磨装置で裏面に
回り込んだ塗料を研磨して除去することにより、請求項
4と同様の作用効果を得ることができる。
【0036】また、請求項14に記載された発明では、
板の表面に対し過剰に塗料を塗布する塗布手段と、塗装
面にエアを吹き付けて余剰の塗料を除去するエア吹き付
け手段と、更に、板の表面に付着しない塗料を回収し、
塗料に混入した板の基材粉を除去して再利用する再利用
手段とを備えたことを特徴としている。
【0037】このように構成された請求項14にかかる
発明によれば、板の表面に対し過剰に塗料を塗布し、塗
装面にエアを吹き付けて余剰の塗料を除去し、更に、板
の表面に付着しない塗料を回収して再利用することによ
り、請求項6と同様の作用効果を得ることができる。
【0038】また、請求項15に記載された発明では、
板の表面に塗料を塗布する塗布手段と、板の表面に付着
しない塗料を回収するオーバーフロー槽付き回収タンク
とを備え、オーバーフロー槽で回収した塗料に混入する
板の基材粉を濾過、沈殿させ、上澄み塗料だけを回収タ
ンクにオーバーフローさせて再利用可能になされている
ことを特徴としている。
【0039】このように構成された請求項15にかかる
発明によれば、板の表面に塗料を塗布し、板の表面に付
着しない塗料をオーバーフロー槽付き回収タンクに回収
し、オーバーフロー槽で回収した塗料に混入する板の基
材粉を濾過、沈殿させ、上澄み塗料だけを回収タンクに
オーバーフローさせて再利用することにより、請求項7
と同様の作用効果を得ることができる。
【0040】なお、板は硬質木片セメント板に限るもの
ではない。また、塗料は水系塗料に限るものではない。
【0041】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の具体的な実施の
形態1について、図示例と共に説明する。
【0042】図1および図2は、この発明の実施の形態
1を示すものである。
【0043】まず、構成を説明すると、この実施の形態
1のものでは、硬質木片セメント板1(板)の表面に過
剰に水系塗料2(塗料)を塗布した後、塗装面にエア3
を吹き付けて余剰の塗料を除去することを特徴としてい
る。
【0044】具体的には、ローラコンベヤ4の複数のロ
ーラ5によって硬質木片セメント板1を搬送し、途中、
硬質木片セメント板1の表面に対し、上方からシャワー
コーター6(塗布手段)を用いて水系塗料2を塗布し、
その下流側でエアカットノズル7(エア吹き付け手段)
を用いて塗装面にエア3を吹き付けるようにする。な
お、エアカットノズル7は、左右に分けて設けられると
共に、各エアカットノズル7は両端側へ進むに従い前記
ローラコンベヤ4の搬送方向下流側へ向かうように傾斜
配設されている。そして、各エアカットノズル7の吹き
出し口はスリット状となっており、前記搬送方向上流側
で且つ下向きに形成されている。そのため、エアは、平
面視で斜め外側へ向けてエアを吹き出し、水系塗料2を
外へと送り出すようになっている。
【0045】上記硬質木片セメント板1は、ポルトラン
ドセメント50〜96重量部、アルミナセメント2〜2
5重量部、消石灰10重量部、無水石膏または/および
半水石膏1.5〜15重量部、その他に対して、有機カ
ルボン酸のアルカリ金属塩を0.2〜2.0重量部添加
した熱硬化性セメント組成物からなり、上記有機カルボ
ン酸が、クエン酸、りんご酸、グルコン酸、グルタール
酸、または、グルコール酸であり、上記アルカリ金属塩
が、ナトリウム塩、カリウム塩であり、上記の原料に細
分化された木質材料および水を混練し、加熱プレスして
得られたものである。
【0046】また、上記水系塗料2は合成樹脂ラテック
スを樹脂成分とし、合成樹脂ラテックスは乳化重合によ
り得られる。
【0047】合成樹脂ラテックスとしては、ポリアクリ
ル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどのアクリ
ル系樹脂およびその共重合体、アクリル−スチレン共重
合体、アクリル−酢酸ビニル共重合体、アクリル−塩化
ビニル共重合体、アクリル−エチレン共重合体、ポリ酢
酸ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニ
ル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−スチレン共重合体
などの酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル
−アクリル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、
塩化ビニル−スチレン共重合体などの塩化ビニル系樹
脂、ポリ塩化ビニリデンおよびその共重合体などの塩化
ビニリデン系樹脂などが挙げられる。基材、上層との付
着性、基材から溶出する強アルカリへの耐性の面を考慮
すると、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エ
ステルなどのアクリル系樹脂およびその共重合体を用い
ることが好ましい。
【0048】上記合成樹脂ラテックスの粒子径は0.0
1μm未満だと塗料粘度が増大し、塗装および取り扱い
が困難となり、0.3μm以上だとセメント基材への含
浸性が低下し、緻密性、基材との密着性が低下するので
0.01〜0.3μmが好ましい。
【0049】また、上記合成樹脂ラテックスは、合成樹
脂成分が単独で用いられても、顔料およびその他の添加
剤が含まれていても構わない。その他の添加物として
は、成膜助剤、可塑剤、増粘剤、変性剤、分散剤、湿潤
剤、消泡剤、防カビ剤、凍結防止剤、防錆剤などが挙げ
られる。
【0050】上記水系塗料2のフォードカップ粘度(J
IS K5400 4.5.4 No.4)は60秒以
上だと基材への含浸性が低下することと、凹凸模様のあ
る基材の場合に塗料が均一に回り込まないことと、エア
の吹き付け時に余剰塗料が吹き飛びにくくなり、均一な
塗膜が得られなくなることなどの理由から5〜60秒が
好ましく、より好ましくは5〜50秒である。なお、5
秒以下の塗料は存在しない。
【0051】シャワーコーター6とは、ノズルから塗料
をシャワー状に落下させるもので、空気の噴出圧力を介
しても構わない。このノズルの口径は小さいと塗料残渣
が詰まることがあるため、0.5mm以上が望ましい。
【0052】シャワーコーター6のシャワーノズルは、
塗装面の幅に応じ20〜50cm間隔で並列使用する。
【0053】シャワーコートにより過剰に塗料を供給す
るのは、塗料の含浸量の向上と凹凸模様基材の全面に十
分に塗料を付着させるためで、通常必要塗布量の3〜2
0倍とされている。
【0054】余剰塗料はエアカットノズル7から吹き付
けられるエアにより除去される。この時、余剰の流下し
た塗料は濾過回収し再利用するようにする。
【0055】この被塗物は、乾燥による水分の揮発によ
り塗膜が形成される。この被塗物の乾燥方法としては、
自然乾燥、焼き付け乾燥などが挙げられ、焼き付け乾燥
方法としては熱風乾燥、遠赤外線乾燥、ジェット乾燥、
対流乾燥などが挙げられる。上記水系塗料2の主目的
は、基材脆弱層への含浸強化であるため、上層に防水や
意匠のための塗装を1層以上行うようにする。
【0056】このように、本実施の形態によれば、硬質
木片セメント板1に塗料が過剰量供給され、基材表面の
素穴などの微小な空隙部に塗料が含浸し、且つ、エアの
吹き付けにより余剰塗料を除去するので、基材表面の脆
弱部に塗料が入り込んだ状態で均一な塗膜が形成され
る。そのため、スプレー塗装に比べ、基材表面の緻密性
が向上し、碁盤目テープ剥離試験でも基材破壊による剥
離が生じない。
【0057】そして、本実施の形態の効果を確認するた
めに下記のような実験を行った。
【0058】先ず、早強ポルトランドセメント:アルミ
ナセメント:焼石膏:消石灰=80:10:6:4で混
合した混合物に0.2重量部のクエン酸ナトリウムを加
えたセメント組成物を用い、セメント組成物:木質材
料:水=10:3.5:6で混練し混合物を得た。この
混合物を加飾模様の付いた型板上に均一に散布し、その
上に金網を置き、上下90〜97℃の加熱板にて30〜
35kgf/cm2 で加熱加圧成形した後、脱型して硬
質木片セメント板1を得た。
【0059】(実施例1)上記基材を100℃の乾燥機
中に10分間放置した後、取り出して、基材板温が60
℃の時に表面に粒子径0.1μm、塗料粘度8秒(フォ
ードカップNo4法;JIS K5400 4.5.4
準拠)の水系塗料2(アクリル酸ブチル/メタクリル酸
メチル共重合体、固形分濃度30%)をシャワーコータ
ー6により過剰量供給した。次に、エアの吹き付けによ
り余剰塗料を除去した後、100℃で10分乾燥した。
塗布量は100g/m2 であった。
【0060】次に、同様な方法で、板温60℃の時に下
塗りとしてエポキシ系ラテックス塗料(固形分濃度40
%)を200g/m2 塗布し、100℃で10分間乾燥
した。
【0061】更に、同様の操作で、上塗りとしてアクリ
ル系ラテックス塗料(アクリル酸ブチル/メタクリル酸
メチル共重合体、固形分濃度40%)を150g/m2
塗布し、100℃で10分間乾燥し、室温で3時間以上
冷却した。
【0062】(実施例2)加飾模様のない平板状の硬質
木片セメント板1に対し、上記と同様の塗装をしたもの
を用意した。
【0063】(比較例1)加飾模様のある硬質木片セメ
ント板1に対し、ラテックス粒子径が0.5μmとなる
ように塗装をしたものを用意した(請求項10に対
応)。
【0064】(比較例2)加飾模様のある硬質木片セメ
ント板1に対し、ラテックス粒子径が0.1μmとな
り、塗料粘度が70秒となるように塗装をしたものを用
意した(請求項9に対応)。
【0065】(比較例3)加飾模様のある硬質木片セメ
ント板1に対し、ラテックス粒子径が0.1μmとなる
ようにエアレススプレーで塗装したものを用意した(エ
アの吹き付け無し)。
【0066】(比較例4)加飾模様のある硬質木片セメ
ント板1に対し、ラテックス粒子径が0.1μmとなる
ようにフローコーターで塗装したものを用意した(エア
の吹き付け無し)。
【0067】その後、塗膜の透水試験、界面付着強度測
定を実施した。
【0068】その結果、表1に示すような結果が得られ
た。
【0069】
【表1】
【0070】但し、 #1 SW/AC :シャワーコート/エアカット
(エアによる吹き付け併用)塗装 #2 エアレススプレー #3 フローコーター ラテックス粒子径:HORIBA社製「粒度分布計LA
−910」にて測定 塗料粘度 :フォードカップNo.4法:JIS
−K5400 4.5.4準拠 界面付着強度 :大日本プラスチック社製「SAIC
AS(表面/界面切削装置)」にて測定 SW/AC :シャワーコート/エアカット(エア
による吹き付け併用)塗装 塗り残し :模様板の溝部、斜面部への未塗装部
分の有無 凹部への溜まり :模様板溝部への塗料の溜まり有無 上記表1により、基材破壊による剥離が生じないことが
実際に確認された。
【0071】
【発明の実施の形態2】図3および図4は、この発明の
実施の形態2を示すものである。なお、前記実施の形態
1と同一ないし均等な部分については、同一の符号を付
して説明する。まず、構成を説明すると、この実施の形
態2のものでは、硬質木片セメント板1(板)の表面に
対し過剰に水系塗料2(塗料)を塗布した後、塗装面に
エア3を吹き付けて余剰の塗料を除去し、更に、裏面に
回り込んだ塗料を裏面側からエアを吹き付けて除去する
ことを特徴としている。
【0072】具体的には、ローラコンベヤ4の複数のロ
ーラ5によって硬質木片セメント板1を搬送し、途中、
硬質木片セメント板1の表面に対し、上方からシャワー
コーター6を用いて水系塗料2を塗布し、その下流側で
エアカットノズル7を用いて塗装面にエア3を吹き付
け、同時に、裏面側から硬質木片セメント板1の端部に
沿って延設されたエアブロー用ノズル8(エア吹き付け
手段)を用いて硬質木片セメント板1の端部にエアを吹
き付けるようにする。なお、図中、符号9はエアブロー
用ノズル8に接続された送風機である。
【0073】このように、硬質木片セメント板1を裏面
側からエアを吹き付けることにより、裏面へ回り込んだ
塗料を吹き飛ばして除去することができる。これによ
り、塗装した硬質木片セメント板1を段積みした場合で
も、ブロッキングが発生することを防止することができ
る。
【0074】そして、本実施の形態の効果を確認するた
めに下記のような実験を行った。
【0075】早強ポルトランドセメント:アルミナセメ
ント:焼石膏:消石灰=80:10:6:4で混合した
混合物に0.2重量部のクエン酸ナトリウムを加えたセ
メント組成物を用い、セメント組成物:木質材料:水=
10:3.5:6で混練した。この混合物を加飾模様の
付いた型板上に均一に散布し、その上に金網を置き、上
下90〜97℃の加熱板にて30〜35kgf/cm2
で加熱加圧成形した後、脱型して硬質木片セメント板1
を得た。
【0076】上記基材を100℃の乾燥機中に10分間
放置した後、取り出して、基材板温が60℃の時に表面
に粒子径0.1μm、塗料粘度8秒(フォードカップN
o4法;JIS K5400 4.5.4準拠)の水系
塗料2(アクリル酸ブチル/メタクリル酸メチル共重合
体、固形分濃度30%)をシャワーコーター6により過
剰量供給した。その後、基材裏側(コンベア側)に設け
たエアブロー用ノズル8により塗料を除去しながらエア
吹き付けにより表面余剰塗料を除去、その板を100℃
で10分乾燥した。塗布量は100g/m2 であった
(試験体1)。
【0077】一方、塗装方法が同じで、裏面側のエアブ
ロー用ノズル8を設けないことにより裏面への回り込み
を防止せずに試験体を得た(試験体2)。
【0078】両試験体を2枚ずつ用意し、板温が50℃
の時に面圧が3kgf/cm2 で2時間プレスした。そ
の後、それぞれの試験体どうしでブロッキングの発生の
有無を調べた。すると、試験体2では、ブロッキングが
発生し、塗膜剥離が発生した。裏面回り込みを防止した
試験体1ではブロッキング発生は観察されなかった。
【0079】上記により、塗料の裏面への回り込みを防
止できることが実際に確認された。
【0080】上記以外については、前記実施の形態と同
様の構成を備えており、同様の作用・効果を得ることが
できる。
【0081】
【発明の実施の形態3】図5、この発明の実施の形態3
を示すものである。なお、前記実施の形態1と同一ない
し均等な部分については、同一の符号を付して説明す
る。
【0082】まず、構成を説明すると、この実施の形態
3のものでは、硬質木片セメント板1(板)の表面に対
し過剰に水系塗料2(塗料)を塗布した後、塗装面にエ
ア3を吹き付けて余剰の塗料を除去し、更に、裏面に回
り込んだ塗料を吸引して除去することを特徴としてい
る。
【0083】具体的には、ローラコンベヤ4の複数のロ
ーラ5によって硬質木片セメント板1を搬送し、途中、
硬質木片セメント板1の表面に対し、上方からシャワー
コーター6を用いて水系塗料2を塗布し、その下流側で
エアカットノズル7を用いて塗装面にエア3を吹き付
け、同時に、裏面側から硬質木片セメント板1の端部に
沿って延設された吸引用ノズル10(吸引手段)を用い
て硬質木片セメント板1の端部を吸引するようにする。
なお、図中、符号11は吸引用ノズル10に接続された
吸引ポンプである。
【0084】このように、硬質木片セメント板1を裏面
側から吸引することにより、裏面へ回り込んだ塗料を吸
引して除去することができる。これにより、塗装した硬
質木片セメント板1を段積みした場合でも、ブロッキン
グが発生することを防止することができる。
【0085】そして、本実施の形態の効果を確認するた
めに下記のような実験を行った。
【0086】早強ポルトランドセメント:アルミナセメ
ント:焼石膏:消石灰=80:10:6:4で混合した
混合物に0.2重量部のクエン酸ナトリウムを加えたセ
メント組成物を用い、セメント組成物:木質材料:水=
10:3.5:6で混練した。この混合物を加飾模様の
付いた型板上に均一に散布し、その上に金網を置き、上
下90〜97℃の加熱板にて30〜35kgf/cm2
で加熱加圧成形した後、脱型して硬質木片セメント板1
を得た。
【0087】上記基材を100℃の乾燥機中に10分間
放置した後、取り出して、基材板温が60℃の時に表面
に粒子径0.1μm、塗料粘度8秒(フォードカップN
o4法;JIS K5400 4.5.4準拠)の水系
塗料2(アクリル酸ブチル/メタクリル酸メチル共重合
体、固形分濃度30%)をシャワーコーター6により過
剰量供給した。その後、基材裏側(コンベア側)に設け
た吸引用ノズル10により塗料を吸引除去しながらエア
吹き付けにより表面余剰塗料を除去、その板を100℃
で10分乾燥した。塗布量は100g/m2 であった
(試験体1)。
【0088】一方、塗装方法が同じで、裏面側の吸引用
ノズル10を設けないことにより裏面への回り込みを防
止せずに試験体を得た(試験体2)。
【0089】両試験体を2枚ずつ用意し、板温が50℃
の時に面圧が3kgf/cm2 で2時間プレスした。そ
の後、それぞれの試験体どうしでブロッキングの発生の
有無を調べた。すると、試験体2では、ブロッキングが
発生し、塗膜剥離が発生した。裏面回り込みを防止した
試験体1ではブロッキング発生は観察されなかった。
【0090】上記により、塗料の裏面への回り込みを防
止できることが実際に確認された。
【0091】上記以外については、前記実施の形態と同
様の構成を備えており、同様の作用・効果を得ることが
できる。
【0092】
【発明の実施の形態4】構成を説明すると、この実施の
形態4のものでは、硬質木片セメント板1の表面に対し
過剰に水系塗料2を塗布した後、塗装面にエア3を吹き
付けて余剰の塗料を除去し、更に、裏面に回り込んだ塗
料を研磨して除去することを特徴としている。
【0093】具体的には、ローラコンベヤ4の複数のロ
ーラ5によって硬質木片セメント板1を搬送し、途中、
硬質木片セメント板1の表面に対し、上方からシャワー
コーター6を用いて水系塗料2を塗布し、その下流側で
エアカットノズル7を用いて塗装面にエア3を吹き付
け、同時にまたはその後、硬質木片セメント板1の裏面
側を研磨装置で研磨し、裏面側に回り込んだ塗料を硬質
木片セメント板1の基材ごと除去するようにする。
【0094】この際、研磨するヤスリ(研磨紙など)
は、#30よりも目の細かいものを使用するのが望まし
い。#30よりも目が粗いものを使用すると、硬質木片
セメント板1中の木片を引き抜いてしまうことがあり、
基材の緻密性を損うおそれがある。なお、研磨装置は、
任意のものを使用することができる。
【0095】このように、硬質木片セメント板1の裏面
を研磨することにより、裏面へ回り込んだ塗料を除去す
ることができる。これにより、塗装した硬質木片セメン
ト板1を段積みした場合でも、ブロッキングが発生する
ことを防止することができる。また、研磨量を制御する
ことにより、基材の厚み調整を行わせることができる。
【0096】そして、本実施の形態の効果を確認するた
めに下記のような実験を行った。
【0097】早強ポルトランドセメント:アルミナセメ
ント:焼石膏:消石灰=80:10:6:4で混合した
混合物に0.2重量部のクエン酸ナトリウムを加えたセ
メント組成物を用い、セメント組成物:木質材料:水=
10:3.5:6で混練した。この混合物を加飾模様の
付いた型板上に均一に散布し、その上に金網を置き、上
下90〜97℃の加熱板にて30〜35kgf/cm2
で加熱加圧成形した後、脱型して硬質木片セメント板1
を得た。
【0098】上記基材を100℃の乾燥機中に10分間
放置した後、取り出して、基材板温が60℃の時に表面
に粒子径0.1μm、塗料粘度8秒(フォードカップN
o4法;JIS K5400 4.5.4準拠)の水系
塗料2(アクリル酸ブチル/メタクリル酸メチル共重合
体、固形分濃度30%)をシャワーコーター6により過
剰量供給した。その後、エア吹き付けにより表面余剰塗
料を除去し、その板を100℃で10分乾燥した。塗布
量は100g/m2 であった(試験体1)。
【0099】そして、上記塗装後、裏面を#60のベル
トサンダー(ヤスリ付の布を輪にして回転させ研磨する
研磨装置)にて研磨し、裏面に回り込んだ塗料を基材ご
と除去して試験体を得た(試験体1)。
【0100】また、上記塗装を施したのみで裏面の処理
のない試験体を用意した(試験体)。
【0101】両試験体を2枚ずつ用意し、板温が50℃
の時に面圧が3kgf/cm2 で2時間プレスした。そ
の後、それぞれの試験体どうしでブロッキングの発生の
有無を調べた。すると、試験体2では、ブロッキングが
発生し、塗膜剥離が発生した。裏面回り込みを防止した
試験体1ではブロッキング発生は観察されなかった。
【0102】上記により、塗料の裏面への回り込みを防
止できることが実際に確認された。
【0103】上記以外については、前記実施の形態と同
様の構成を備えており、同様の作用・効果を得ることが
できる。
【0104】
【発明の実施の形態5】構成を説明すると、この実施の
形態5のものでは、硬質木片セメント板1の木口(側端
面)に対し塗料を塗布した後、木口の塗装面にエアを吹
き付けることを特徴としている。
【0105】具体的には、木口に塗料を塗装した直後
(塗装表面が乾く前で塗料が拡散することができる状
態)に5〜50mm離したところから風速1〜20m/
sで塗装面にエアを吹き付ける。これにより、粗な面の
窪み(素穴)の内部に塗料が入り込み、塗膜欠陥が無く
なる。
【0106】また、エアを吹き付けることで、塗膜欠陥
が無くなることから、塗布量を減らすことができ、且
つ、コストを削減することができる。
【0107】そして、本実施の形態の効果を確認するた
めに下記のような実験を行った。
【0108】早強ポルトランドセメント:アルミナセメ
ント:焼石膏:消石灰=80:10:6:4で混合した
混合物に0.2重量部のクエン酸ナトリウムを加えたセ
メント組成物を用い、セメント組成物:木質材料:水=
10:3.5:6で混練した。この混合物を、上下90
〜97℃の加熱板にて30kgf/cm2 で加熱加圧成
形した後、脱型して硬質木片セメント板1を得た、この
際、硬質木片セメント板1は、全厚(最大厚)16mm
で溝部と模様部との差が5mmあるものを採用した。
【0109】この硬質木片セメント板1の模様部でカッ
トした木口に対して以下の塗装を施した。
【0110】(1) アクリルエマルジョン塗料を30
0g/m2 スプレーで塗装した。
【0111】(2) アクリルエマルジョン塗料を30
0g/m2 スプレーで塗装した後、10mm離したとこ
ろから5m/sでエアの吹き付けを実施した。
【0112】上記(1)(2)それぞれの耐水性につい
て比較を行った。
【0113】評価方法は、JIS K5400 8.1
6のロート透水試験 注水24時間後の減水量(ml)を測定した。
【0114】その結果、(1)では減水量が2.0m
l、(2)では減水量が0.3mlとなった。
【0115】これにより、エアの吹き付けを施すことで
耐透水性能が向上することが実際に確認された。
【0116】一方、同じ塗料を使用してエアの吹き付け
無しで耐透水性を(2)のレベルにするにはどの程度の
塗布量が必要であるかを調べたところ、500g/m2
が必要なことが分かった。これにより、エアを吹き付け
ることで、塗布量を抑えることができ、且つ、コスト削
減も図れることが分かった。
【0117】上記以外については、前記実施の形態と同
様の構成を備えており、同様の作用・効果を得ることが
できる。
【0118】
【発明の実施の形態6】図6〜図8は、この発明の実施
の形態6を示すものであって、図6は塗装装置の説明
図、図7は図6の塗装装置の(イ)図は平面図、(ロ)
図は正面図、(ハ)図と(ニ)図はエアカットノズルの
配置角度を示す説明図である。図8はオーバーフロー槽
付き回収タンクの説明図である。
【0119】まず、構成を説明すると、この実施の形態
6のものでは、硬質木片セメント板1(板)の表面に過
剰の水系塗料2(塗料)を塗布した後、塗装面にエア3
を吹き付けて余剰の塗料を除去し、板1の表面に付着し
ない塗料2を回収し、回収した塗料2に混入する板1の
基材粉を濾過、沈殿させ、上澄み塗料2だけを再利用す
ることを特徴としている。実施の形態6は、実施の形態
1〜5のいずれにも適用できる。
【0120】具体的には、図6と図7に示すように、ロ
ーラコンベア4の複数のローラ5によって搬送される硬
質木片セメント板1の表面に対し、上方からシャワーコ
ーター6(塗布手段)を用いて水系塗料2をシャワー状
に噴出させて塗布する。この時、空気の噴出圧力を介し
ても構わない。上記シャワーコーター6のノズル口径
は、小さいと塗料残差が詰まることがあるため、0.5
mm以上が望ましい。
【0121】つぎに、上記シャワーコーター6の下流側
でエアカットノズル7(エア吹き付け手段)を用いて塗
装面にエア3を吹き付け、余剰の塗料2を除去する。上
記エアカットノズル7は、ローラコンベア4により搬送
される板1の上方に位置し、加圧エア3吐出のためのス
リットが形成されている。
【0122】上記エアカットノズル7は、板1の搬送方
向と角度αをなしており(図7(ハ)図参照)、この角
度αは調節できるように設計されている。角度αは、1
50°より大きいと板1の塗布量にムラを生じることと
なり、90〜150°の範囲で調整するのが望ましい。
また、上記エアカットノズル7は、板1に対し吹き付け
角度βをなしており(図7(ニ)図参照)、この角度β
もまた調節できるように設計されている。角度βは、2
0°未満であると板1の凹凸模様に溜まった塗料2を十
分に除去できないので、20〜90°の範囲に調節する
のが好ましい。また、上記エアカットノズル7の板1に
対しての距離は、100mmより大であると板1の凹凸
模様に溜まった塗料2を十分に除去できないので、1〜
100mmの範囲にするのがよい。エアカットノズル7
は、1本でも複数本取り付けられていてもよいが、メン
テナンスや塗料塗り込み性から1〜4本とするのがよ
い。
【0123】つぎに、上記エアカットノズル7によって
除去された余剰の塗料2を含む板1に付着しない塗料2
を、ローラコンベア4の下方に設けられた塗料受け11
に回収する。そして、上記回収した塗料2はこの塗料受
け11を流下して、図6に示すように、オーバーフロー
槽12付き回収タンク13のオーバーフロー槽12に供
給される。図8に示すように、オーバーフロー槽12に
は、その上部にストレーナー122を設けており、板1
より剥離した基材粉等の不純物を除去する。粒径の小さ
い基材粉は塗料2と共にこのストレーナー122を通過
し、オーバーフロー槽12に流れ込む。
【0124】上記オーバーフロー槽12で比重の重い基
材粉は沈殿し、基材粉を殆ど含まない上澄み塗料2が、
オーバーフロー槽12と回収タンク13の境界に設けら
れた堰板121を乗り越えて回収タンク13に流れ込
む。オーバーフロー槽12と回収タンク13の間にもタ
ンクストレーナー123が設けられており、ここでも基
材粉が除去される。
【0125】図6に示すように、上記回収タンク13に
は、供給タンク14からポンプ15により配管16を通
って塗料2が供給され、回収タンク13に設けられた攪
拌機131により上記回収された塗料2と混合される。
そして、ポンプ17により圧送され、配管18を通って
分岐ヘッダー19に送られ、配管20を通って複数のシ
ャワーコーター6、6、・・に圧送され、回収した塗料
2を再利用する。
【0126】上記ストレーナー122とタンクストレー
ナー123は、例えば、金網、繊維濾紙、不織布、天然
及び合成繊維の織布、孔あき板、多孔質プラスチック板
等が挙げられる。本実施例では、目詰まりを起こしにく
いということから、金網、ガラス繊維濾紙等の繊維濾紙
が好適である。
【0127】塗料2として水系塗料を使用しているの
で、乾燥により水分が蒸発して塗膜が形成される。乾燥
方法としては、自然乾燥、焼き付け乾燥が挙げられ、焼
き付け乾燥としては、熱風乾燥、遠赤外線乾燥、ジェッ
ト乾燥、対流乾燥等が挙げられる。
【0128】このように、本実施の形態によれば、板1
の表面に付着しない塗料2を回収して再利用するので、
塗料2の無駄が生じない。そして、回収した塗料2に混
入する板1の基材粉を濾過、沈殿させ、上澄み塗料だけ
を再利用するので、基材から水溶性のカルシウム成分が
溶出して塗膜表面にエフロレセンスが生じ易くなる等の
問題を解決できる。
【0129】そして、本実施の形態の効果を確認するた
め下記のような実験を行った。
【0130】粒子径0.1μm、塗料粘度10秒(フォ
ードカップNo4法;JIS K5400 4.5.4
準拠)のアクリル系ラテックス塗料(固形分濃度20
%)に対し、100メッシュステンレス製篩を通過した
硬質木片セメント板1の基材粉を3重量%添加し、攪拌
混合した。 (実施例)前記図8に示したストレーナー122に10
0メッシュの金網を、タンクストレーナー123に15
0メッシュの金網を装着し、上記基材粉の混入した塗料
2をオーバーフロー槽12付き回収タンク13を備えた
シャワーコート塗装機に循環した。次いで、硬質木片セ
メント板1の表面温度が60℃の時にシャワーコート塗
装し、エアブローにより塗装面にエアを吹き付けて余剰
の塗料を除去した後、100℃で20分間乾燥した。塗
布量は110g/m2 であった。
【0131】(比較例1)上記基材粉の混入した塗料を
オーバーフロー槽12なしで、ストレーナー122(1
00メッシュ金網)を設けた回収タンク13を備えたシ
ャワーコート塗装機に循環し、次いで、硬質木片セメン
ト板1の表面温度が60℃の時にシャワーコート塗装
し、エアブローにより余剰塗料を除去した後、100℃
で20分間乾燥した。塗布量は110g/m2 であっ
た。
【0132】(比較例2)上記基材粉の混入した塗料を
オーバーフロー槽12なしで、ストレーナーを付けてい
ない回収タンク13を備えたシャワーコート塗装機に循
環し、次いで、硬質木片セメント板1の表面温度が60
℃の時にシャワーコート塗装し、エアブローにより余剰
塗料を除去した後、100℃で20分間乾燥した。塗布
量は110g/m2 であった。
【0133】(塗膜評価試験)上記塗装板を1週間養生
後、塗膜の透水試験(JIS K5400 8.16準
拠)、塗膜の付着性試験(碁盤目テープ法JIS K5
400 8.5.2準拠)を実施した。
【0134】
【表2】
【0135】表2に示すように、実施例で塗装した塗装
板は、塗膜表面が平滑で、耐透水性、塗膜密着性が高か
った。それに対し、比較例で塗装した塗装板は、塗料に
多量の基材粉が混入しており、塗膜表面がざらついてお
り、耐透水性、塗膜密着性が低かった。
【0136】
【発明の実施の形態7】本実施の形態では、板1の表面
に塗料2を塗布する板1の塗装方法において、上記塗料
2が、合成樹脂ラテックスを樹脂成分とする水系塗料で
あり、合成樹脂ラテックスがアクリル系共重合体を主成
分とし、このアクリル系共重合体100重量部に対し
0.01〜5重量部のジオールを添加してなることを特
徴としている。
【0137】上記アクリル系共重合体を主成分とする合
成樹脂ラテックスとしては、ポリアクリル酸エステル、
ポリメタアクリル酸エステル等のアクリル系樹脂及びそ
の共重合体、アクリル−スチレン共重合体、アクリル−
酢酸ビニル共重合体、アクリル−塩化ビニル共重合体、
アクリル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル−エチレ
ン共重合体が挙げられる。上記合成樹脂ラテックスの粒
子径は、0.01μm未満だと塗料粘度が増大し塗装及
び取り扱いが困難となり、0.3μm以上だと窯業系建
材への含浸性が低下し、緻密性、建材との密着性が低下
するので、0.01〜0.3μmが好ましい。
【0138】ジオールとしては、例えば、エチレングリ
コール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、
ペンタメチレングリコール等が挙げられる。ジオールの
添加量は少ないと効果がなく、多いと成膜後の塗膜に残
存し塗膜品質(耐水性等)に悪影響を与えるので、上記
アクリル系共重合体100重量部に対し0.01〜5重
量部とするのがよい。上記ジオールは、水に対しての溶
解性が高く、水に比べて沸点が高く、融点が低いため、
水系塗料に添加すると、塗料の揮発を遅らせ、また凍結
防止の効果も得られる。
【0139】また、上記水系塗料は、顔料及びその他の
添加剤が含まれていても構わない。その他の添加剤とし
ては、成膜助剤、可塑剤、増粘剤、変成剤、分散剤、湿
潤剤、消泡剤、防腐剤、防カビ剤、凍結防止剤、防錆剤
等が挙げられる。
【0140】上記水系塗料のフォードカップ粘度(JI
S K5400 4.5.4 No.4)は60秒以上
だと建材への含浸性が低下することと、凹凸模様のある
建材の場合に塗料が均一に回り込まないことと、エアー
ブロー時に余剰塗料が吹き飛びにくくなり、均一な塗膜
が得られなくなることの理由から、5〜60秒が好まし
く、より好ましくは5〜50秒である。
【0141】本実施の形態における塗装装置であるシャ
ワーコーターは、ノズルから塗料をシャワー状に落下さ
せるもので、空気の噴出圧力を介しても構わない。この
ノズルの口径は小さいと塗料残差が詰まることがあるた
め、0.5mm以上が望ましい。シャワーノズルは、塗
装面の幅に応じて20〜50cm間隔で並列使用する。
シャワーコートにより余剰に塗料を供給するのは、塗料
の含浸性の向上と凹凸模様建材の全面に十分塗料を付着
させるためで、通常必要塗布量の3〜20倍とするのが
よい。そして、余剰の塗料はエアーカットノズルにより
除去される。この時、余剰の流下した塗料は、濾過回収
し再利用される。上記塗布された水系塗料は、乾燥によ
る水分の揮発で塗膜を形成する。
【0142】(実施例1)粒子径0.1μm、塗料粘度
10秒のアクリル径共重合体を樹脂主成分とした水系塗
料(固形分濃度20%)100重量部に対し、エチレン
グリコールを1重量部添加した。上記塗料をシャワーコ
ート塗装機で12時間循環した(雰囲気温度35℃)。
循環後の塗料粘度、固定分濃度、塗膜の引っ張り強度を
以下の方法で測定し、塗料受けの皮張り状態を目視観察
した。 塗料粘度:フォードカップNo.4法(JIS K54
00 4.5.4準拠) 固形分濃度:サンプリングした塗料の重量(W0)を測
定し、ついで105℃で 3時間乾燥した塗
膜の重量(W1)を測定する。次式により固形分
濃度を算出した。 固形分濃度(%)=(W1/W0)×100 塗膜の引っ張り強度:循環後の水径塗料をアプリケータ
ー塗布し、フィルムを作成し、JIS K5400
8.8に準拠した塗膜の引っ張り強度試験を行った。測
定温度を23℃とした。
【0143】(実施例2)エチレングリコールの添加量
を3重量部とした以外は、実施例1と同じとした。
【0144】(実施例3)エチレングリコールに代えて
ブチレングリコールを1重量部添加した以外は、実施例
1と同じとした。
【0145】(比較例1)エチレングリコールを無添加
とした。
【0146】(比較例2)エチレングリコールの添加量
を6重量部とした。
【0147】
【表3】
【0148】表3に示すように、本実施例のアクリル系
共重合体を主成分とする水系塗料にジオールを適量添加
することにより、シャワーコート/エアカット塗装機で
長時間、高温下で循環しても、塗料粘度、固形分濃度の
上昇もなく、塗料受けの皮張りも防止できた。また、比
較例2に示すように、ジオールを多量添加すると、塗膜
の引っ張り強度が低下した。
【0149】以上、この発明の実施の形態を図面により
詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限ら
ず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等が
あってもこの発明に含まれる。
【0150】例えば、板は硬質木片セメント板に限るも
のではない。また、塗料は水系塗料に限るものではな
い。
【0151】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1の発
明によれば、硬質木片セメント板は非常に優れた特性を
有しているので、高い耐久性を得ることができる。そし
て、板に塗料が過剰量供給され、基材表面の素穴などの
微小な空隙部に塗料が含浸し、且つ、エアの吹き付けに
より余剰塗料を除去するので、基材表面の脆弱部に塗料
が入り込んだ状態で均一な塗膜が形成される。そのた
め、スプレー塗装に比べ、基材表面の緻密性が向上し、
碁盤目テープ剥離試験でも基材破壊による剥離が生じな
い。
【0152】また、請求項2の発明によれば、板を裏面
側からエアを吹き付けることにより、裏面へ回り込んだ
塗料を吹き飛ばして除去することができる。これによ
り、塗装した板を段積みした場合でも、ブロッキングが
発生することを防止することができる。
【0153】また、請求項3の発明によれば、板を裏面
側から吸引することにより、裏面へ回り込んだ塗料を吸
引して除去することができる。これにより、塗装した板
を段積みした場合でも、ブロッキングが発生することを
防止することができる。
【0154】また、請求項4の発明によれば、塗装した
板の裏面を研磨することにより、裏面へ回り込んだ塗料
を除去することができる。これにより、塗装した板を段
積みした場合でも、ブロッキングが発生することを防止
することができる。また、研磨量を制御することによ
り、基材の厚み調整を行わせることができる。
【0155】また、請求項5の発明によれば、木口に塗
料を塗装した直後の塗装表面が乾く前で塗料が拡散する
ことができる状態の間に塗装面にエアを吹き付けること
により、粗な面の窪み(素穴)の内部に塗料が入り込
み、塗膜欠陥が無くなる。また、エアを吹き付けること
で、塗膜欠陥が無くなることから、塗布量を減らすこと
ができ、且つ、コストを削減することができる。
【0156】また、請求項6の発明によれば、板の表面
に付着しない塗料を回収して再利用するので、塗料の無
駄がない。
【0157】また、請求項7の発明によれば、回収した
塗料の上澄みだけを再利用するので、耐透水性の低下
や、エフロレセンスの問題を防止できる。
【0158】また、請求項8の発明によれば、ジオール
を添加しているので、水系塗料の水分蒸発による粘度上
昇や、粘度上昇による塗装ノズルの詰まり、等の問題を
解決できる。そしてまた、冬場の凍結も防止できる。
【0159】また、請求項9の発明によれば、水系塗料
のフォードカップ粘度(JIS K5400 4.5.
4 No.4)を5〜60秒とすることにより、基材へ
の含浸性がよくなり、凹凸模様のある基材の場合にも塗
料が均一に回り込み、エアの吹き付け時に余剰塗料が吹
き飛び易くなり、均一な塗膜が得られるようになる。
【0160】また、請求項10の発明によれば、合成樹
脂ラテックスの粒子径を0.01〜0.3μmとするこ
とにより、0.01μm未満の場合のように、塗料粘度
が増大し、塗装および取り扱いが困難となることや、
0.3μm以上の場合のように、セメント基材への含浸
性が低下し、緻密性、基材との密着性が低下することを
防止できる。
【0161】また、請求項11の発明によれば、塗布手
段で板の表面に対し過剰に塗料を塗布し、その後、第一
のエア吹き付け手段で塗装面にエアを吹き付けて余剰の
塗料を除去し、更に、第二のエア吹き付け手段で裏面に
回り込んだ塗料を裏面側からエアを吹き付けて除去する
ことにより、請求項2と同様の作用効果を得ることがで
きる。
【0162】また、請求項12の発明によれば、塗布手
段で板の表面に対し過剰に塗料を塗布し、その後、エア
吹き付け手段で塗装面にエアを吹き付けて余剰の塗料を
除去し、更に、吸引手段で裏面に回り込んだ塗料を吸引
して除去することにより、請求項3と同様の作用効果を
得ることができる。
【0163】また、請求項13の発明によれば、塗布手
段で板の表面に対し過剰に塗料を塗布し、その後、エア
吹き付け手段で塗装面にエアを吹き付けて余剰の塗料を
除去し、更に、研磨装置で裏面に回り込んだ塗料を研磨
して除去することにより、請求項4と同様の作用効果を
得ることができる。
【0164】また、請求項14の発明によれば、板の表
面に付着しない塗料を回収して再利用することにより、
請求項6と同様の作用効果を得ることができる。
【0165】また、請求項15の発明によれば、回収し
た塗料の上澄みだけを再利用することにより、請求項7
と同様の作用効果を得る、という実用上有益な効果を発
揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の概略側面図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】本発明の実施の形態2の図1をB−B矢視に相
当する正面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】本発明の実施の形態3の図3と同様の正面図で
ある。
【図6】本発明の実施の形態6の塗装装置の説明図であ
る。
【図7】図6の塗装装置の(イ)図は平面図、(ロ)図
は正面図、(ハ)図と(ニ)図はエアカットノズルの配
置角度を示す説明図である。
【図8】オーバーフロー槽付き回収タンクの説明図であ
る。
【符号の説明】
1 硬質木片セメント板 2 水系塗料 3 エア 6 塗布手段(シャワーコーター) 7 第一のエア吹き付け手段(エアカットノズル) 8 第二のエア吹き付け手段(エアブロー用ノズル) 10 吸引手段(吸引用ノズル) 12 オーバーフロー槽 13 回収タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B27M 3/00 B27M 3/00

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板の表面に対し過剰に塗料を塗布した
    後、塗装面にエアを吹き付けて余剰の塗料を除去する板
    の塗装方法であって、 上記板が、ポルトランドセメント50〜96重量部、ア
    ルミナセメント2〜25重量部、消石灰10重量部、無
    水石膏または/および半水石膏1.5〜15重量部、そ
    の他に対して、有機カルボン酸のアルカリ金属塩を0.
    2〜2.0重量部添加した熱硬化性セメント組成物から
    なり、 上記有機カルボン酸が、クエン酸、りんご酸、グルコン
    酸、グルタール酸、または、グルコール酸であり、 上記アルカリ金属塩が、ナトリウム塩、または、カリウ
    ム塩であり、 上記の原料に細分化された木質材料および水を混練し、
    加熱プレスして得られた硬質木片セメント板であること
    を特徴とする板の塗装方法。
  2. 【請求項2】 板の表面に対し過剰に塗料を塗布した
    後、塗装面にエアを吹き付けて余剰の塗料を除去し、更
    に、裏面に回り込んだ塗料を裏面側からエアを吹き付け
    て除去することを特徴とする板の塗装方法。
  3. 【請求項3】 板の表面に対し過剰に塗料を塗布した
    後、塗装面にエアを吹き付けて余剰の塗料を除去し、更
    に、裏面に回り込んだ塗料を吸引して除去することを特
    徴とする板の塗装方法。
  4. 【請求項4】 板の表面に対し過剰に塗料を塗布した
    後、塗装面にエアを吹き付けて余剰の塗料を除去し、更
    に、裏面に回り込んだ塗料を研磨して除去することを特
    徴とする板の塗装方法。
  5. 【請求項5】 板の木口に対し塗料を塗布した後、木口
    の塗装面にエアを吹き付けることを特徴とする板の塗装
    方法。
  6. 【請求項6】 板の表面に対し過剰に塗料を塗布した
    後、塗装面にエアを吹き付けて余剰の塗料を除去する板
    の塗装方法において、 板の表面に付着しない塗料を回収し、塗料に混入した板
    の基材粉を除去して再利用することを特徴とする板の塗
    装方法。
  7. 【請求項7】 板の表面に塗料を塗布する板の塗装方法
    において、 板の表面に付着しない塗料を回収し、回収した塗料に混
    入する板の基材粉を濾過、沈殿させ、上澄み塗料だけを
    再利用することを特徴とする板の塗装方法。
  8. 【請求項8】 板の表面に塗料を塗布する板の塗装方法
    において、 前記塗料が合成樹脂ラテックスを樹脂成分とする水系塗
    料であり、合成樹脂ラテックスがアクリル系共重合体を
    主成分とし、このアクリル系共重合体100重量部に対
    し0.01〜5重量部のジオールを添加してなることを
    特徴とする板の塗装方法。
  9. 【請求項9】 前記塗料が、フォードカップ(No.
    4)法で5〜60秒の粘度を有する水系塗料であること
    を特徴とする請求項1〜8いずれかに記載の板の塗装方
    法。
  10. 【請求項10】 前記塗料が、合成樹脂ラテックスを樹
    脂成分とし、合成樹脂ラテックスの粒子径が0.01〜
    0.3μmの水系塗料であることを特徴とする請求項1
    〜9いずれかに記載の板の塗装方法。
  11. 【請求項11】 板の表面に対し過剰に塗料を塗布する
    塗布手段と、塗装面にエアを吹き付けて余剰の塗料を除
    去する第一のエア吹き付け手段と、更に、裏面に回り込
    んだ塗料を裏面側からエアを吹き付けて除去する第二の
    エア吹き付け手段とを備えたことを特徴とする板の塗装
    装置。
  12. 【請求項12】 板の表面に対し過剰に塗料を塗布する
    塗布手段と、塗装面にエアを吹き付けて余剰の塗料を除
    去するエア吹き付け手段と、更に、裏面に回り込んだ塗
    料を吸引して除去する吸引手段とを備えたことを特徴と
    する板の塗装装置。
  13. 【請求項13】 板の表面に対し過剰に塗料を塗布する
    塗布手段と、塗装面にエアを吹き付けて余剰の塗料を除
    去するエア吹き付け手段と、更に、裏面に回り込んだ塗
    料を研磨して除去する研磨装置とを備えたことを特徴と
    する板の塗装装置。
  14. 【請求項14】 板の表面に対し過剰に塗料を塗布する
    塗布手段と、塗装面にエアを吹き付けて余剰の塗料を除
    去するエア吹き付け手段と、更に、板の表面に付着しな
    い塗料を回収し、塗料に混入した板の基材粉を除去して
    再利用する再利用手段とを備えたことを特徴とする板の
    塗装装置。
  15. 【請求項15】 板の表面に塗料を塗布する塗布手段
    と、板の表面に付着しない塗料を回収するオーバーフロ
    ー槽付き回収タンクとを備え、オーバーフロー槽で回収
    した塗料に混入する板の基材粉を濾過、沈殿させ、上澄
    み塗料だけを回収タンクにオーバーフローさせて再利用
    可能になされていることを特徴とする板の塗装装置。
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