JP2000042163A - 三層構造のプロテクター及びその製造方法 - Google Patents

三層構造のプロテクター及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000042163A
JP2000042163A JP10231198A JP23119898A JP2000042163A JP 2000042163 A JP2000042163 A JP 2000042163A JP 10231198 A JP10231198 A JP 10231198A JP 23119898 A JP23119898 A JP 23119898A JP 2000042163 A JP2000042163 A JP 2000042163A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protector
thermoplastic elastomer
mold
surface design
synthetic rubber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10231198A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Ogawa
雅央 小川
Munehiro Date
宗弘 伊達
Hirosato Naka
裕里 中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mizuno Corp
Original Assignee
Mizuno Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mizuno Corp filed Critical Mizuno Corp
Priority to JP10231198A priority Critical patent/JP2000042163A/ja
Publication of JP2000042163A publication Critical patent/JP2000042163A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、合成ゴム製の表面意匠用部材と
熱可塑性エラストマーシートを同時一体成形した後、熱
可塑性エラストマーのプロテクター本体部材を射出成形
することにより、前記熱可塑性エラストマーシートと同
時一体成形した三層構造のプロテクターとその製造方法
に関するものである。 【解決手段】 合成ゴムの表面意匠部2と接合一体化さ
れた熱可塑性エラストマーシート3とにより構成された
プロテクター表面部材4に、プロテクター本体成形用の
熱可塑性エラストマー5を射出成形することにより前記
プロテクター表面部材4とプロテクター本体6を同時一
体成形して三層構造にしたことを特徴とするプロテクタ
ー1及びその製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成ゴム製の表面
意匠用部材と熱可塑性エラストマーシートを同時一体成
形した後、熱可塑性エラストマーのプロテクター本体部
材を射出成形することにより、前記熱可塑性エラストマ
ーシートと同時一体成形した三層構造のプロテクターと
その製造方法に関するものである。なお、本発明のプロ
テクターとしては、一般にスポーツ用防具と言われるも
のが対象であり、実施例においては、シンガード(脛当
て)に基づいて説明するが、勿論野球用プロテクターや
ヘルメット、アームガード、腰部保護ガード等に応用で
きるものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、プロテクターの成形用素材と
しては、各種のものが公知となっている。例えば先願の
特許として特開平8−294933号公報に開示されて
いるものでは、ゴムの表面をハロゲン化した後、このハ
ロゲン化したゴムの表面にポリウレタンエラストマーや
ポリアミドエラストマー等の熱可塑性プラスチックを圧
縮成形又は射出成形で多色成形するもので、運動靴のソ
ールを一例に製造方法の発明が公知となっている。
【0003】又、特開平7−195622号公報には、
熱可塑性マトリックスの中に微粒子状態で分散したゴム
を動的加硫して得られる熱可塑性エラストマー(TP
V)に熱可塑性プラスチック材料が接着した複合製品、
即ち、熱可塑性プラスチックとTPVとからなる物品に
関する発明が開示されている。更に、インサート成形又
は2色射出成形による靴を一例として、耐疲労性が高
く、変形ヒステリシスが低く、低温特性に優れたポリエ
ーテルエステルアミド製のソール(プロテクター)の上
に、TPVアロイ(熱可塑性プラスチック/ゴムアロ
イ)を射出したインサート成形のプロテクターの成形に
関するものが開示されている。
【0004】又、特表平8−505333号公報では、
ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステル、ポリウレ
タンよりなる群の中から選択される軽量化されていない
熱可塑性プラスチックから成る密な材料上に接着される
軽量化された熱可塑性エラストマーを含む組成物の2層
物品に関するものが開示され公知となっている。
【0005】更に、特表平8−511741号公報で
は、カルボン酸基を含む加硫したエラストマーをブロッ
クを含む熱可塑性ポリマーと直接組み合わせて得られる
複合構造物と、熱可塑性ポリマー上でエラストマーをそ
の場で加硫する製造方法で運動靴やスポーツ用品を製造
する旨が開示されている。その他、特開平8−2949
33号公報に開示されているものに類似するもので、加
硫成形したゴムの表面にプライマーやハロゲン化等の前
処理をした後、射出成形型にインサートし、熱可塑性樹
脂素材を圧縮成形又は射出成形で多色成形する方法も開
示され既に公知になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平8−294
933号公報に開示されている方法やその類似のスポー
ツ用具及びその製造方法を用いてプロテクターを作製す
る場合においては、加硫成形したゴムの表面にプライマ
ー或はハロゲン化等の前処理と言った二次的な表面活性
化処理が必要で工程数が煩雑となり、又、これらの製造
方法においては、ポリウレタンエラストマーやポリアミ
ドエラストマー等の熱可塑性プラスチックを射出成形し
た場合に、加硫ゴムが射出圧力により容易に変形し、ゴ
ム部の意匠表面部に熱可塑性プラスチックが回り込み外
観不良の原因になっていた。そのため、これらの不良を
防止するためには、ゴム硬度をショアーで75〜85A
の範囲に設定し硬度を高くし、且つゴム部の肉厚を厚く
して射出圧力に対応させる必要があったため、プロテク
ター素材としては、剛性が高く且つ硬くなり過ぎて、不
適当なプロテクターしか提供出来なかった。
【0007】又、特表平8−505333号公報のよう
にポリエーテルアミド、ポリエーテルエステル、ポリウ
レタンよりなる群の中から選択される軽量化されていな
い熱可塑性プラスチックから成る密な材料上に接着され
る軽量化された熱可塑性エラストマーを含む組成物の2
層物品でプロテクターを構成した場合においては、軽量
化された熱可塑性エラストマー自体の耐久性が低いた
め、製品のプロテクター自体の耐久性能が低下する可能
性を有していた。
【0008】更に、特表平8−511741号公報で
は、カルボン酸基を含む加硫したエラストマーをブロッ
クを含む熱可塑性ポリマーと直接組み合わせて得られる
複合構造物と、熱可塑性ポリマー上でエラストマーをそ
の場で加硫する製造方法でプロテクターを製造した場合
に、具体的にはプロテクターの製造方法について詳細な
記載がないが、例えばプレス成形を採用した場合には、
熱可塑性ポリマー上にゴムのバリ(被膜)が形成され、
このままでは外観上からも製品化できないなどの問題点
を有していた。
【0009】その他、これら前述の従来のより公知の製
造方法でプロテクターを作製した場合には、どの方法に
よっても熱可塑性エラストマーシートには、熱変形温度
以上の成型温度がかかるため、脱型後、熱変形と冷却時
の変形が残ることになり、これらを防ぐには、プロテク
ター本体用射出成形金型に冷却装置が必要となるため、
非常に高価で複雑な設備を設置する必要があり、製造コ
ストの点からも割高になると言った問題点を有してい
た。そのため、耐久性が良好でプロテクターの素材とし
て適度な硬度と可撓性、クッション性やトラッキング性
を有し、且つ生産性の良好な製造コストの安価なプロテ
クターやプロテクターの製造方法が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は以下の構成からなるプロテクター及びプロ
テクターの製造方法を見いだしたものである。即ち、未
架橋の合成ゴムと熱可塑性エラストマーシートをまず予
備成形し、その後熱可塑性エラストマーの上にプロテク
ター本体を形成する熱可塑性エラストマーを射出成形す
ることにより、三層構造のプロテクター及びその製造方
法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について以下
に詳述する。即ち、請求項1の本発明は、合成ゴムの表
面意匠部と接合一体化された熱可塑性エラストマーシー
トとにより構成されたプロテクター表面部材に、プロテ
クター本体成形用の熱可塑性エラストマーを射出成形す
ることにより前記プロテクター表面部材とプロテクター
本体を同時一体成形して三層構造にしたことを特徴とす
るプロテクターである。なお、本発明において、合成ゴ
ムの表面意匠部としては、通常の凹凸模様等よりなる意
匠部や文字や図形や突起等の形状をも包含するものであ
るが、以下の明細書の詳細な説明においては、プロテク
ターの意匠部として凹凸模様を有するものについて説明
を行うものである。
【0012】次に、請求項2の本発明のプロテクター表
面部材においては、合成ゴムの表面意匠部と熱可塑性エ
ラストマーシートが一体化され表面意匠部の外形形状に
形成されており、且つプロテクター本体成形用の熱可塑
性エラストマーを射出成形することにより前記プロテク
ター表面部材とプロテクター本体を同時一体成形して三
層構造にしたことを特徴とするプロテクターである。
【0013】又、請求項3の本発明のプロテクター表面
部材においては、合成ゴムの表面意匠部とプロテクター
外形形状に形成された熱可塑性エラストマーシートとが
接合一体化されており、且つプロテクター本体成形用の
熱可塑性エラストマーを射出成形することにより前記プ
ロテクター表面部材とプロテクター本体を同時一体成形
して三層構造にしたことを特徴とするプロテクターであ
る。
【0014】又、請求項4の本発明のプロテクター表面
部材においては、一つの合成ゴムの表面意匠部と他の合
成ゴムの表面意匠部とを熱可塑性エラストマーシートに
より接続一体化してプロテクター外形形状に形成されて
おり、且つプロテクター本体成形用の熱可塑性エラスト
マーを射出成形することにより前記プロテクター表面部
材とプロテクター本体を同時一体成形して三層構造にし
たことを特徴とするプロテクターである。
【0015】更に、請求項5の本発明のプロテクターの
製造方法においては、未架橋の合成ゴムの混練りシート
を型抜きした部材を予備成形プロテクター金型の表面意
匠用凹部に配置して加圧加熱した後、該表面意匠用部材
が架橋の初期段階で金型を型開きして、次に意匠用凹部
の外形形状に略合致した形状を有する熱可塑性エラスト
マーシートを設置後、再度加圧加熱して前記合成ゴムの
表面意匠部と熱可塑性エラストマーシートを一体成形し
たプロテクター表面部材を形成し、該プロテクター表面
部材をプロテクター本体用射出成形金型の意匠用凹部形
状にトリミング後、プロテクター本体用射出成形金型の
意匠用凹部に合致するように配置して型締め後、プロテ
クター本体形成用の熱可塑性エラストマーを射出成形す
ることにより、前記熱可塑性エラストマーシートとプロ
テクター本体形成用の熱可塑性エラストマーとが同時一
体成形された三層構造を特徴とするプロテクターの製造
方法である。
【0016】又、請求項6の本発明のプロテクターの製
造方法においては、未架橋の合成ゴムの混練りシートを
型抜きした表面意匠部材を予備成形プロテクター金型の
表面意匠用凹部に配置して加圧加熱した後、該表面意匠
用部材が架橋の初期段階で金型を型開きして、次にアウ
トソールのプロテクター外形形状に略合致した形状を有
する熱可塑性エラストマーシートを設置後、再度加圧加
熱して前記合成ゴムの表面意匠部と熱可塑性エラストマ
ーシートを一体成形したプロテクター表面部材を形成
し、該プロテクター表面部材をプロテクター形状にトリ
ミング後、プロテクター本体用射出成形金型の意匠用凹
部に合致するように設置し型締め後、プロテクター本体
形成用の熱可塑性エラストマーを射出成形することによ
り、前記熱可塑性エラストマーシートとプロテクター本
体形成用の熱可塑性エラストマーとが同時一体成形され
た三層構造を特徴とするプロテクターの製造方法であ
る。
【0017】又、請求項7の本発明のプロテクターの製
造方法においては、未架橋の合成ゴムの混練りシートを
型抜きした表面意匠部材を予備成形プロテクター金型の
複数の表面意匠用凹部に配置して加圧加熱した後、該表
面意匠用部材が架橋の初期段階で金型を型開きして、次
にプロテクター外形形状に略合致した形状を有する熱可
塑性エラストマーシートを設置後、再度加圧加熱して前
記複数の合成ゴムの表面意匠部と合成ゴムの表面意匠部
とを熱可塑性エラストマーシートにより接続一体化した
プロテクター表面部材を形成し、該プロテクター表面部
材をプロテクター形状にトリミング後、プロテクター本
体用射出成形金型の意匠用凹部に合致するように設置し
型締め後、プロテクター本体形成用の熱可塑性エラスト
マーを射出成形することにより、前記熱可塑性エラスト
マーシートとプロテクター本体形成用の熱可塑性エラス
トマーとが同時一体成形された三層構造を特徴とするプ
ロテクターの製造方法である。
【0018】なお、本発明における合成ゴムとしては、
X−NBR:カルボキシル化アクリルニトリル−ブタジ
エンゴム、IR:合成イソプレンゴム、NBR:アクリ
ルニトリル−ブタジエンゴム、BR:ブタジエンゴム、
SBR:スチレン−ブタジエンゴム、NR:天然ゴム等
を使用することが出来るものである。又、熱可塑性エラ
ストマーとしては、TPAE:アミド系エラストマー、
TPU:ウレタン系エラストマー、SBC:スチレン系
エラストマー、TPO:オレフィン系エラストマー、T
PEE:エステル系エラストマー、TPVC:塩化ビニ
ル系エラストマー、RB:ポリブタジエン、IR:イソ
プレン、フッ素系エラストマー、塩素化ポリエチレン、
EVA、イオン架橋ポリエチレン等を使用することが出
来る。
【0019】更に、上記熱可塑性エラストマーわマトリ
ックス樹脂として、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊
維、高強度ポリエステル繊維等からなるミルドファイバ
ーやチョップドストランドのような短繊維の補強用繊維
を用いて、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)
の形態で使用することも出来るものである。
【0020】又、好ましくは、上記熱可塑性エラストマ
ーをマトリックス樹脂として、炭素繊維、ガラス繊維、
アラミド繊維、高強度ポリエステル繊維等の補強繊維か
らなる織物や不織布に含浸させたスタンパブルシートの
形態である繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)
の形態で使用することも出来るものである。このよう
に、FRTPやスタンパブルシートの形態にすることに
より、プロテクターの剛性や保形性が向上すると共に、
これら補強繊維を用いることにより、合成ゴムの収縮率
と熱可塑性エラストマー単独で構成されたシートよりも
収縮率の差を押さえることが出来るため、意匠部が変形
することを防止出来るほか、よりプロテクターの設計の
自由度が広がり幅広くニーズに対応出来るものであり、
そのため、脛用のプロテクターの場合には、プロテクタ
ー本体を柔らかい熱可塑性エラストマーにより形成して
脚に充分沿うようにして、合成ゴムの表面意匠部を硬
く、対摩耗性に選れたプロテクターを提供できるもので
ある。
【0021】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明すれば、
図1乃至図2に示すように、合成ゴムの表面意匠部2と
接合一体化された熱可塑性エラストマーシート3とによ
り構成されたプロテクター表面部材4に、プロテクター
本体成形用の熱可塑性エラストマー5を射出成形するこ
とにより前記プロテクター表面部材4とプロテクター本
体6を同時一体成形して三層構造にしたことを特徴とす
るプロテクター1である。
【0022】次に、本発明のその他実施例について説明
すれば、図1乃至図2に示すように、プロテクター表面
部材4において、合成ゴムの表面意匠部2と熱可塑性エ
ラストマーシート3が一体化され表面意匠部2の外形形
状に形成されており、且つプロテクター本体成形用の熱
可塑性エラストマー5を射出成形することにより前記プ
ロテクター表面部材4とプロテクター本体6を同時一体
成形して三層構造にしたことを特徴とするプロテクター
1である。なお、表面意匠部2としては、図1乃至図2
に示すようにプロテクターの外形形状に添った周縁に形
成することも可能であり、このような形態にすれば、プ
ロテクターの剛性を強くすることが出来るものである。
又、図3乃至は図5、図6に示すように、プロテクター
の外形形状に添った周縁に表面意匠部2を形成しない形
態も可能であり、このような形態にすれば、プロテクタ
ーの剛性を押さえられ柔軟性が向上し、身体の装着箇所
の形状に添いやすくフィット性が改善出来るものであ
る。
【0023】又、本発明のその他実施例について説明す
れば、図3乃至図4に示すように、プロテクター表面部
材4において、合成ゴムの表面意匠部2とプロテクター
外形形状に形成された熱可塑性エラストマーシート3と
が接合一体化されており、且つ図示はしなかったが、プ
ロテクター本体成形用の熱可塑性エラストマーを射出成
形することにより前記プロテクター表面部材4とプロテ
クター本体を同時一体成形して三層構造にしたことを特
徴とするプロテクターである。
【0024】又、本発明のその他実施例について説明す
れば、図1乃至図2に示すように、プロテクター表面部
材4においては、一つの合成ゴムの表面意匠部2と他の
合成ゴムの表面意匠部2とを熱可塑性エラストマーシー
ト3により接続一体化してプロテクター外形形状に形成
されており、且つ図示はしなかったが、プロテクター本
体成形用の熱可塑性エラストマーを射出成形することに
より前記プロテクター表面部材4とプロテクター本体を
同時一体成形して三層構造にしたことを特徴とするプロ
テクターである。
【0025】更に、本発明のプロテクター1の製造方法
について説明すれば、まず図7に示すように未架橋の合
成ゴムの混練り分出しシートを型抜きした表面意匠用部
材2Aを予備成形プロテクター金型7の表面意匠用凹部
8に配置して加圧加熱(150〜160℃)した後、該
表面意匠用部材2Aが架橋の初期段階(合成ゴムの配合
により異なるが、通常加圧加熱開始後1〜2分以内が望
ましい)で金型を型開きして、次にプロテクターの外形
形状に略合致した形状を有する熱可塑性エラストマーシ
ート3を設置後、熱プレスにより再度加圧加熱して前記
未架橋の合成ゴムの表面意匠部2を架橋すると同時に熱
可塑性エラストマーシート3を溶融一体化してプロテク
ター表面部材4を形成した後、金型を約120℃以下に
冷却してからプロテクター表面部材4を脱型し、次に図
8に示すように該プロテクター表面部材4をプロテクタ
ー本体用射出成形金型9の意匠用凹部形状にトリミング
後、プロテクター本体用射出成形金型9の意匠用凹部1
0に合致するように配置して型締め後、プロテクター本
体形成用の熱可塑性エラストマー5を射出成形すること
により、前記プロテクター表面部材4の熱可塑性エラス
トマーシート3とプロテクター本体6とが同時一体成形
された三層構造を特徴とするプロテクター1の製造方法
である。
【0026】本発明に係る三層構造のプロテクター1の
製造方法について、図9に示すキュラスト架橋曲線をも
とに説明する。まず、未架橋の合成ゴムの混練り分出し
シートを型抜きした表面意匠用部材2Aを予備成形プロ
テクター金型7の表面意匠用凹部8に配置して加圧加熱
(150〜160℃)を行う。次に表面意匠用部材2A
が架橋の初期段階で金型を型開きを行う。即ち、図9の
キュラスト架橋曲線のAの時間領域に該当する箇所で、
一旦型開きを行うものであり、このAの時間領域は、合
成ゴムの配合により異なるが、通常加圧加熱開始後1〜
3分以内が望ましく、硫黄による加硫では約2〜3分程
度であり、過酸化物による架橋の場合には約1〜2分程
度が目安となるものである。
【0027】次に表面意匠用凹部8の外形形状に略合致
した形状を有する熱可塑性エラストマーシート3を挟み
込んだ後、熱プレスにより再度加圧加熱して前記未架橋
の合成ゴムの表面意匠部2を架橋すると同時に熱可塑性
エラストマーシート3を溶融接着一体化してプロテクタ
ー表面部材4を形成する。即ち、図9のキュラスト架橋
曲線のBの時間領域の平坦架橋温度に達する時点で加熱
工程を終える。次に、予備成形プロテクター金型を約1
20℃以下に冷却してからプロテクター表面部材4を脱
型する。即ち、加熱温度が150〜160℃において
は、ポリアミドエラストマーは溶融した状態であり、更
に、ポリアミドエラストマーと合成ゴムとでは、その成
形収縮率が異なる(ポリアミドエラストマー:8/10
00、合成ゴム:23/1000)ため、冷却する必要
がある。
【0028】次にプロテクター表面部材4をプロテクタ
ー本体用射出成形金型9の意匠用凹部形状と同一形状に
するか、乃至は0.1〜5mm(好ましくは0.1〜
0.3mm程度)周縁を大きくトリミング後、プロテク
ター本体用射出成形金型9の意匠用凹部10に合致する
ように配置して型締めを行う。即ち、該プロテクター表
面部材4を配置することにより、該プロテクター表面部
材4の周縁の形状とが後、プロテクター本体形成用の熱
可塑性エラストマー5を射出成形する際の意匠部への押
さえピンの作用により、ゴムパッキン的な働きを生じ射
出された樹脂が回り込むことも漏れてバリが生じること
もなく、作業工程上からも工程の短縮化が測れるものと
考えられる。
【0029】なお、前記熱プレスにより加圧加熱して前
記未架橋の合成ゴムの表面意匠部2を架橋すると同時に
熱可塑性エラストマーシート3を溶融一体化してプロテ
クター表面部材4を形成するが、この際の条件として
は、各々の素材にもよるが、一般的には、合成ゴムの架
橋温度と熱可塑性エラストマーシートの溶融温度から、
約150℃〜180℃の温度範囲で1〜3分の成形時間
が必要である。これにより、合成ゴムの表面意匠部2は
架橋され、熱可塑性エラストマーシート3は加熱により
伸長する。そして合成ゴムの表面意匠部2とそれから生
じたバリ(被膜)が熱可塑性エラストマーシート3に架
橋接着された状態になるため、
【0030】又、本発明のプロテクターのその他実施例
の製造方法においては、未架橋の合成ゴムの混練りシー
トを型抜きした表面意匠用部材2Aを予備成形プロテク
ター金型7の表面意匠用凹部8に配置して加圧加熱した
後、該表面意匠用部材2Aが架橋の初期段階で金型を型
開きして、次にプロテクター外形形状に略合致した形状
を有する熱可塑性エラストマーシート3を設置後、再度
加圧加熱して前記合成ゴムの表面意匠部2と熱可塑性エ
ラストマーシート3を一体成形したプロテクター表面部
材4を形成し、該プロテクター表面部材4をプロテクタ
ー形状にトリミング後、プロテクター本体用射出成形金
型9の意匠用凹部10に合致するように設置して型締め
後、プロテクター本体形成用の熱可塑性エラストマー5
を射出成形することにより、前記熱可塑性エラストマー
シート3とプロテクター本体6とが同時一体成形された
三層構造を特徴とするプロテクター1の製造方法であ
る。
【0031】又、本発明のプロテクターのその他実施例
の製造方法においては、未架橋の合成ゴムの混練りシー
トを型抜きした表面意匠用部材2Aを予備成形プロテク
ター金型7の複数の表面意匠用凹部8に配置して加圧加
熱した後、該表面意匠用部材2Aが架橋の初期段階で金
型を型開きして、次にプロテクター外形形状に略合致し
た形状を有する熱可塑性エラストマーシート3を設置
後、再度加圧加熱して前記複数の合成ゴムの表面意匠部
2と合成ゴムの表面意匠部2とを熱可塑性エラストマー
シート3により接続一体化したプロテクター表面部材4
を形成し、該プロテクター表面部材4をプロテクター形
状にトリミング後、プロテクター本体用射出成形金型9
の意匠用凹部10に合致するように設置し型締め後、プ
ロテクター本体形成用の熱可塑性エラストマー5を射出
成形することにより、前記熱可塑性エラストマーシート
3とプロテクター本体6の熱可塑性エラストマーとが同
時一体成形された三層構造を特徴とするプロテクター1
の製造方法である。
【0032】なお、本発明に係る合成ゴムの表面意匠部
2の厚みとしては、約1mm〜5mm程度に設定するこ
とが好ましいものである。一方、熱可塑性エラストマー
シート3の厚みとしては、約0.1mm〜1.0mm程
度で、ショアーD硬度は、35〜65が望ましいが、本
発明の構成においては、接着強度を考慮して厚みは0.
5〜0.75mm程度のものが有効である。又、射出成
形する樹脂は、前記アミド系エラストマーシートであっ
てもよいし、溶着できるものであればウレタン系エラス
トマーやスチレン系エラストマーであってもよい。例え
ば、上記アミド系エラストマーとして、アトケムジャパ
ンの(商品名:PEBAX5533)を使用するのであ
れば、射出成形する樹脂にアトケムジャパンの(商品
名:PEBAX6333)を使用すれば溶着が可能とな
り、アトケムジャパンの(商品名:PEBAX553
3)よりも、引張強度や弾性率の高いベース部を形成す
ることが出来るものである。又、これらの素材を選定す
ることにより各種目に適したスポーツ用のプロテクター
を作製することが出来るものである。
【0033】なお、本発明のゴム配合の実施例を表1、
表2、表3に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】本発明に係わるプロテクター及びその製
造方法においては、合成ゴムの表面意匠部と熱可塑性エ
ラストマーシートが架橋接着されているため、プロテク
ターの硬度がD硬度で約35〜65になって剛性が向上
し、又、プロテクター本体用射出成形金型の意匠用凹部
に合致するように設置するため、ゴム硬度はショアーA
硬度で60〜75となり、プロテクター素材として適し
たものとなる。
【0038】又、熱可塑性エラストマーシートを合成ゴ
ムの表面意匠部の外周に対し、0.1〜5mm大きくし
たプロテクター表面部材をプロテクター本体用射出成形
金型の意匠用凹部に合致するように設置しているため、
プロテクター本体形成用の熱可塑性エラストマーを射出
成形した際に、合成ゴムの表面意匠部への回り込みを防
止出来る効果を奏するものである。
【0039】その他、従来のプロテクターの製造方法で
は、通常、ゴムの製造メーカーと射出成形メーカーとは
別々の場合が多いため、このような素材の組み合わせで
は、生産効率が低下するが、本発明においては、生産効
率を考慮し、合成ゴムの表面意匠部と熱可塑性エラスト
マーシートを架橋接着させるプロテクター表面部材の工
程をゴムの製造メーカーで量産し、該プロテクター表面
部材を射出成形メーカーでプロテクター本体用射出成形
金型にインサートし、プロテクター本体を製造すること
ができるため、生産効率が改善されるものである。以上
のように、本発明のプロテクター及びその製造方法にお
いては、プロテクター本体を射出成形出来るため、様々
な形状に成形出来るため、デザイン上の自由度が向上す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る三層構造をしたプロテクターを示
す平面図。
【図2】本発明に係る三層構造をしたプロテクターの図
1のA−A部の断面を示す断面図。
【図3】本発明に係るプロテクターのプロテクター表面
部材を示す平面図。
【図4】本発明に係るプロテクターのプロテクター表面
部材である図3のB−B部、C−C部の断面を示す断面
図。
【図5】本発明に係るプロテクターのプロテクター表面
部材を示す平面図。
【図6】本発明に係るプロテクターのプロテクター表面
部材である図5のD−D部の断面を示す断面図。
【図7】本発明に係るプロテクターの製造方法の一工程
を示す断面図。
【図8】本発明に係るプロテクターの製造方法の一工程
を示す断面図。
【図9】本発明に係るキュラスト架橋曲線を示す説明
図。
【符号の説明】
1 プロテクター 2 表面意匠部 2A 表面意匠用部材 3 熱可塑性エラストマーシート 4 プロテクター表面部材 5 熱可塑性エラストマー 6 プロテクター本体 7 予備成形プロテクター金型 8 表面意匠用凹部 9 プロテクター本体用射出成形金型 10 意匠用凹部 11 ゲート

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成ゴムの表面意匠部と接合一体化された
    熱可塑性エラストマーシートとにより構成されたプロテ
    クター表面部材に、プロテクター本体成形用の熱可塑性
    エラストマーを射出成形することにより前記プロテクタ
    ー表面部材とプロテクター本体を同時一体成形して三層
    構造を有することを特徴とするプロテクター。
  2. 【請求項2】前記プロテクター表面部材は、合成ゴムの
    表面意匠部と熱可塑性エラストマーシートが一体化され
    表面意匠部の外形形状に形成されたことを特徴とする請
    求項1記載のプロテクター。
  3. 【請求項3】前記プロテクター表面部材は、合成ゴムの
    表面意匠部とプロテクター外形形状に形成された熱可塑
    性エラストマーシートにより接合一体化されたことを特
    徴とする請求項1記載のプロテクター。
  4. 【請求項4】前記プロテクター表面部材は、一つの合成
    ゴムの表面意匠部と他の合成ゴムの表面意匠部とを熱可
    塑性エラストマーシートにより接続一体化してプロテク
    ター外形形状に形成されたことを特徴とする請求項1記
    載のプロテクター。
  5. 【請求項5】未架橋の合成ゴムの混練りシートを型抜き
    した表面意匠用部材を予備成形プロテクター金型の表面
    意匠用凹部に配置して加圧加熱した後、該意匠用部材が
    架橋の初期段階で金型を型開きして、表面意匠用凹部の
    外形形状に略合致した形状を有する熱可塑性エラストマ
    ーシートを設置後、再度加圧加熱して前記合成ゴムの表
    面意匠用部材と熱可塑性エラストマーシートを一体成形
    したプロテクター表面部材を形成し、該プロテクター表
    面部材をプロテクター本体用射出成形金型の意匠用凹部
    形状にトリミング後、プロテクター本体用射出成形金型
    の意匠用凹部に合致するように配置して型締め後、プロ
    テクター本体形成用の熱可塑性エラストマーを射出成形
    することにより、前記熱可塑性エラストマーシートとプ
    ロテクター本体形成用の熱可塑性エラストマーとが同時
    一体成形された三層構造を特徴とするプロテクターの製
    造方法。
  6. 【請求項6】未架橋の合成ゴムの混練りシートを型抜き
    した表面意匠用部材を予備成形プロテクター金型の意匠
    用凹部に配置して加圧加熱した後、該表面意匠用部材が
    架橋開始前に金型を型開きして、次にプロテクター外形
    形状に略合致した形状を有する熱可塑性エラストマーシ
    ートを設置後、再度加圧加熱して前記合成ゴムの表面意
    匠用部材と熱塑性エラストマーシートを一体成形したプ
    ロテクター表面部材を形成し、該プロテクター表面部材
    をプロテクター形状にトリミング後、プロテクター本体
    用射出成形金型の意匠用凹部に合致するように設置し型
    締め後、プロテクター本体形成用の熱可塑性エラストマ
    ーを射出成形することにより、前記熱可塑性エラストマ
    ーシートとプロテクター本体形成用の熱可塑性エラスト
    マーとが同時一体成形された三層構造を特徴とするプロ
    テクターの製造方法。
  7. 【請求項7】未架橋の合成ゴムの混練りシートを型抜き
    した表面意匠用部材を予備成形プロテクター金型の複数
    の表面意匠用凹部に配置して加圧加熱した後、該表面意
    匠用部材が架橋開始前に金型を型開きして、次にプロテ
    クター外形形状に略合致した形状を有する熱可塑性エラ
    ストマーシートを設置後、再度加圧加熱して前記複数の
    合成ゴムの表面意匠部と合成ゴムの表面意匠部とを熱可
    塑性エラストマーシートにより接続一体化したプロテク
    ター表面部材を形成し、該プロテクター表面部材をプロ
    テクター形状にトリミング後、プロテクター本体用射出
    成形金型の意匠用凹部に合致するように設置し型締め
    後、プロテクター本体形成用の熱可塑性エラストマーを
    射出成形することにより、前記熱可塑性エラストマーシ
    ートとプロテクター本体形成用の熱可塑性エラストマー
    とが同時一体成形された三層構造を特徴とするプロテク
    ターの製造方法。
JP10231198A 1998-07-31 1998-07-31 三層構造のプロテクター及びその製造方法 Pending JP2000042163A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10231198A JP2000042163A (ja) 1998-07-31 1998-07-31 三層構造のプロテクター及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10231198A JP2000042163A (ja) 1998-07-31 1998-07-31 三層構造のプロテクター及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000042163A true JP2000042163A (ja) 2000-02-15

Family

ID=16919889

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10231198A Pending JP2000042163A (ja) 1998-07-31 1998-07-31 三層構造のプロテクター及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000042163A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008214841A (ja) * 2007-02-05 2008-09-18 Molten Corp スポーツ用保護具

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008214841A (ja) * 2007-02-05 2008-09-18 Molten Corp スポーツ用保護具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3330876B2 (ja) 三層構造の靴底及びその製造方法
US10849385B2 (en) Footwear assembly having a vulcanized rubber layer and polyurethane layer
KR100457446B1 (ko) 신발제품 및 투입가능한 폼으로부터 신발제품을 제조하는 방법
EP3592168A1 (en) Footwear sole structure having a fluid-filled chamber including a tensile member
JP6444670B2 (ja) 空気入りタイヤ及びその組立体
US4151029A (en) Method of making tennis balls
US20020116843A1 (en) Injection molded article of footwear and method of manufacturing
EP1809463B1 (en) Article having an integrated structure of composite material and thermoplastic or elastomer material and process for the production of the said article
JP6444671B2 (ja) 空気入りタイヤ
US6041520A (en) Shoes and process for producing same
US5946755A (en) Shoes and process for producing same
JPH10264187A (ja) 樹脂製袋体の製造方法及び樹脂製袋体
KR20170089676A (ko) 밑창과 중창이 일체화된 신발창 제조방법
JP2000042163A (ja) 三層構造のプロテクター及びその製造方法
EP1408782B1 (en) MANUFACTURING PROCESS OF CLOTHING PROVIDED WITH PROTECTION ELEMENTS and glove with a protective element
US7028418B1 (en) Integrated and hybrid sole construction for footwear
JP4632513B2 (ja) 射出成形靴底用加硫ゴム接地底の成形法
EP2684476A1 (en) Safety boot with protective layer
US20200107595A1 (en) Protective glove and method of manufacturing the same
KR20000063527A (ko) 겉창과 중창의 동시 성형 및 접착으로 이루어진 신발용밑창 및 그 제조방법
JP2003289902A (ja) アウトソール及びそのアウトソールを用いた靴底
US20210227902A1 (en) Glove and method for making the same
JP3639445B2 (ja) 防滑部材および防滑部材の製造方法
KR102213884B1 (ko) 구성요소 간의 접착공정이 필요없는 신발의 제조방법
CN220494378U (zh) 一种防穿刺效果好的注塑鞋