JP2000042088A - 医療用容器 - Google Patents

医療用容器

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JP2000042088A
JP2000042088A JP10214990A JP21499098A JP2000042088A JP 2000042088 A JP2000042088 A JP 2000042088A JP 10214990 A JP10214990 A JP 10214990A JP 21499098 A JP21499098 A JP 21499098A JP 2000042088 A JP2000042088 A JP 2000042088A
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medical
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Hiromasa Kono
弘昌 河野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の室を有し、そのうちの少なくとも1つの
室に薬液が充填され、他の室に薬液を加圧するための加
圧流体が導入される医療用容器であって、薬液充填後の
高圧蒸気滅菌による樹脂製シートのブロッキングを確実
に防止でき、薬液の送液を確実に行うことのできる医療
用容器を提供する。 【解決手段】医療用容器1は、薬液を充填するための室
4と、室4に充填された薬液を加圧し容器外へ送液する
ための圧力流体を導入するための室5と、室4および室
5を仕切る隔壁3とを有する。そして、圧力流体を導入
するための室5の内面には、熱的安定性を有する滑剤6
が撒布または塗布されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体の圧縮圧で薬
液を加圧し、その薬液を硬膜外、動静脈血管、皮下、筋
肉、諸臓器などに注入するための薬液注入ポンプととも
に使用する医療用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば輸液や輸血の領域においては、
従来より、薬液等を貯蔵する目的で、柔軟な樹脂製シー
トから成りその内部に独立した2室を有する医療用容器
が広く用いられている。これらの容器は、1つの室に血
液や薬液を無菌的に充填し、液を充填していない容器内
のもう1室に加圧空気等を送り込むことで、2室の間を
仕切る柔軟な隔壁シートが液に対し圧力を加え、容器よ
り液を排出し送液を行うものである。
【0003】また、このような複数の室を有する医療用
容器の他の使用形態として、例えば、独立した2つの室
のうちの1室に予め薬液を充填し、その充填口を液密に
シールしたあと滅菌することにより、長期保存可能なプ
レフィルド製剤がある。このように製造されたプレフィ
ルド製剤は、直前の無菌的な調剤を必要とせずに、専用
の薬液注入ポンプにセットするだけで非常に簡便に使用
できる薬液注入システムを提供できる。
【0004】このような容器は、通常、容器の外側とな
る2枚の柔軟な樹脂製シートと、それらの間に挟まれる
1枚以上の柔軟な樹脂製の隔壁シートとを重ね合わせ、
その外周部分を融着することで製造されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな複数の室を有する医療用容器においては、薬液充填
後に滅菌工程が必要となるが、滅菌手法として広く用い
られている高圧蒸気滅菌を行うと、加圧流体を送りこむ
ための室を形成する対向する2つの樹脂製シートが互い
に溶着もしくはそれに近い状態で貼り付くブロッキング
現象を生じ、隔壁シートで薬液を加圧できなくなる虞れ
がある。
【0006】このようなブロッキングを防止する方法と
しては、樹脂製シートにシリコーンオイル等を混練した
シートを使用することや、シートの表面にエンボスを施
し、シート同士の接触面積を低減する方法が挙げられ
る。しかしながら、シリコーンオイル等を混練した樹脂
製シートを用いる場合には、容器の成形におけるシート
同士の融着強度が不十分になるという問題が生じる。ま
た、シート表面にエンボスを施す方法では、シート同士
の接触面積の低減に限界があり、ブロッキングを完全に
防止することは困難である。
【0007】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、複数の室を有し、そのうちの少なくと
も1つの室に薬液が充填される医療用容器であって、薬
液充填後の高圧蒸気滅菌による樹脂製シートのブロッキ
ングを確実に防止できる医療用容器を提供することを目
的とする。特に、本発明は、事前に薬液が充填された容
器を専用のポンプにセットするだけで、簡便に使用でき
る薬液注入ポンプシステムを構築するための医療用容器
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記(1)
〜(4)の本発明により達成される。
【0009】(1) 薬液を充填するための少なくとも
1つの室と、該室に充填された薬液を加圧し容器外へ送
液するための圧力流体を導入するための少なくとも1つ
の室と、これらの室を仕切る少なくとも1枚の柔軟な隔
壁とを有する薬液容器であって、圧力流体を導入するた
めの前記室の内面に、熱的安定性を有する滑剤が撒布ま
たは塗布されていることを特徴とする医療用容器。
【0010】(2) 前記滑剤は液状である上記(1)
に記載の医療用容器。
【0011】(3) 前記滑剤がシリコーンオイルであ
る上記(2)に記載の医療用容器。
【0012】(4) 前記滑剤は、少なくとも130℃
まで加熱しても熱的に安定な物質である上記(1)に記
載の医療用容器。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明の医療用容器の構成例を示
す平面図、図2は、図1に示す医療用容器のII−II線に
おける横断面図、図3は、図1に示す医療用容器のIII
−III 線における横断面図、図4は、図1および図2に
示す医療用容器の製造方法の一例を示す説明図である。
【0015】本発明の医療用容器1は、薬液を充填する
ための少なくとも1つの室4と、室4に充填された薬液
を加圧し容器外へ送液するための圧力流体を導入するた
めの少なくとも1つの室5と、これらの室を仕切る少な
くとも1枚の柔軟な隔壁3とを有する薬液容器であっ
て、圧力流体を導入するための室5の内面に、熱的安定
性を有する滑剤6が撒布または塗布されているものであ
る。
【0016】この構成例の医療用容器1は、2つの外壁
2、2と、これらの外壁2、2の間に挟まれた1枚の柔
軟な隔壁3とで構成されており、この隔壁3によって仕
切られた、互いに独立した2つの室4、5を有するもの
である。
【0017】外壁2、2および隔壁3は、例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体等のオレフィン系樹脂、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエス
テル、軟質ポリ塩化ビニルなどの、ある程度の可撓性を
有する柔軟な樹脂製シートから形成される。上記した材
料は、単独で用いてもよく、また、水蒸気バリア性やガ
スバリア性等を考慮してこれらの材料をブレンドしたり
共重合したものを用いることもでき、さらには、これら
の材料を積層したシートを用いてもよい。
【0018】医療用容器1の図1中における上部左端側
には、薬液口7が設けられている。この薬液口7は、図
2に示すように、室4の内部空間と容器1の外部とを連
通するように設置される。この薬液口7より、薬液が容
器1内に導入され、また医療用容器1の使用時には隔壁
2からの加圧圧力を受けて薬液が容器外部に送液され
る。
【0019】また、医療用容器1の図1中における上部
右端側には、室4内に充填された薬液を加圧し、送液を
行う加圧流体を導入するための加圧口8が設けられてい
る。この加圧口8は、図3に示すように、容器1の外部
と室5の内部空間とを連通するように設置されており、
容器1に充填された薬液の送液を行う際には、この加圧
口8より例えば空気、ヘリウム、窒素、代替フロン等の
加圧流体が導入される。
【0020】そして、室5の内面には、図3に示すよう
に、熱的安定性を有する滑剤6が撒布または塗布されて
いる。これにより、医療用容器1の室4に薬液を充填し
たあと高圧蒸気滅菌を行っても、室5を形成する外壁2
と隔壁3とを構成する2つの樹脂製シートとが互いに直
接接触することが妨げられるため、溶着やブロッキング
の発生が防止される。したがって、圧力流体を医療用容
器1内に送り込むことにより、隔壁3が確実に圧力流体
の圧力とほぼ等しい圧力で室4内の薬液を加圧すること
ができる。
【0021】上記滑剤としては、少なくとも高圧蒸気滅
菌の滅菌温度である130℃付近まで加熱しても実質的
に変性、分解等の物理的および化学的な変化を生じな
い、性状の安定した物質が用いられる。このような物質
としては、例えば、ジメチルシロキサン系シリコーンオ
イル、メチルフェニルポリシロキサン系シリコーンオイ
ル、メチルハイドロジエンポリシロキサン系シリコーン
オイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シ
リコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、フ
ッ素変性シリコーンオイル等の各種シリコーンオイル、
パラフィンオイル等の液状のものや、タルク(滑石)、
酸化チタン、炭酸カルシウム、アルミナ等の粉体などが
挙げられる。このうち、シートの内面にむらなく付着で
き、シート同士の接触防止効果が高い点から、上記のよ
うな液状のものが好ましく、その中でも、上記したシリ
コーンオイルが最も好適に用いられる。
【0022】医療用容器1の内面に対する滑剤6の撒布
・塗布量としては、例えば上記シリコーンオイルを用い
た場合、室5を構成する外壁2および隔壁3の内面に対
し0.01〜10μl/cm程度、より好ましくは
0.1〜1.0μl/cm程度の量とすることが好ま
しい。上記撒布・塗布量が上記範囲を下回ると、本発明
における溶着およびブロッキングの防止効果が少なく、
また上記範囲を上回ると、加圧口8を構成するチューブ
の内径や長さなどによってはシリコーンオイルが加圧口
より漏れ出てしまう虞れがある。
【0023】このような医療用容器1は、図4に示すよ
うに、平面状に成形した3枚の樹脂製シートを重ね合わ
せ、それぞれのシートの間に、薬液口7および加圧口8
を構成するための適当な長さのチューブまたはパイプを
挟み、シートの外周部分を融着することにより製造され
る。これらのチューブまたはパイプをその内腔が確保さ
れた状態で3枚のシート同士を融着することにより、同
一形状の隣接しかつ独立した2つの室4、5を有し、か
つ薬液口7および加圧口8を備えた密閉された容器が成
形される。そして、このように成形された一方の室5
に、加圧口8より挿入された噴霧器(図示せず)を用い
て滑剤6を噴霧し、室5の内壁に滑剤6を撒布または塗
布することにより、本発明の医療用容器1が製造され
る。
【0024】そして、このようにして製造された本発明
の医療用容器1において、もう一方の室4に薬液口7を
介して薬液を充填したあと、図1に示すように、ゴム栓
等のキャップ9を薬液口7に被せ、液密にシールする。
その後、高圧蒸気滅菌を行い、容器1内の薬液の無菌性
を確保する。このようにして、薬液が予め充填された医
療用容器が得られる。
【0025】なお、図示の例では、3枚の樹脂製シート
を用いて成形された2つの室を有する医療用容器につい
て説明したが、本発明はこれに限定されず、4枚以上の
シートを用いて成形された、2つ以上の隔壁により仕切
られる3つ以上の室を有する医療用容器であってもよ
い。
【0026】このような医療用容器1は、例えば図5な
いし図11に示すような専用の薬液注入ポンプに取り付
けられて使用される。
【0027】図5は、上記のように無菌的に薬液を充填
したあとの医療用容器1がセットされた薬液注入ポンプ
の一構成例を示す外観斜視図である。
【0028】本構成例の薬液注入ポンプ10は、疼痛緩
和の目的で塩酸モルヒネを含む麻薬や、癌治療のための
抗癌剤や抗生物質等の連続微量注入を行うために設計さ
れているものである。したがって、この薬液注入ポンプ
10と共に使用される医療用容器1には、薬液として、
上記した塩酸モルヒネを含む麻薬や、癌治療のための抗
癌剤や抗生物質等が充填される。
【0029】そして、薬液注入ポンプ10は、図5に示
すように患者の衣類の胸ポケットに入れることができる
ようにした形状からなり、かつ表示装置15が上に向く
ようにして、患者Pが随時見ることができ、またスイッ
チ18が前面に位置するように構成された流量制御ユニ
ット11と、このユニット11に内蔵される流量制御デ
バイス21と、この流量制御デバイス21に対して後述
するように着脱されるとともに、薬液が充填された医療
用容器1が収容されるケーシング31と、流量制御ユニ
ット11に配設されたコネクタC1に対してインターフ
ェースケーブル20(例えば、シリアルインターフェー
ス用RS232Cケーブル)を介して接続されるノート
パソコン等の外部プログラミング装置41とから構成さ
れている。
【0030】また、流量制御ユニット11と、流量制御
デバイス21とケーシング31の夫々は図中の矢印D
1、D2方向に互いに着脱自在に構成される一方で、左
下の使用状態図に示したように例えばパチン嵌合により
一体的となる状態に嵌着するようにセットした後には、
外力の作用で簡単には外れないように構成されている。
【0031】また、図示のように一体的にセットすると
きに、流量制御デバイス21のコネクタC2が流量制御
ユニット11に接続する状態になる一方で、医療用容器
1の加圧口8が流量制御デバイス21側に設けられた圧
力発生部51に対して自動接続されるとともに、接続さ
れた状態において自動弁34aが開くことで圧力発生部
51に設けられたガスボンベからのガスが容器1の室5
に対して自動供給されるように構成されている。
【0032】一方、ケーシング31は薬液の消費状況を
外から見えるようにするために透明乃至半透明であって
所定の機械的強度を有する硬質の高分子材料から形成さ
れている。このケーシング31の内部空間には、図5に
示すように薬液が充填された医療用容器1が収容される
ようになっている。
【0033】このケーシング31内に収容された容器1
の加圧口8を介して、容器1の室5に気体を導入するこ
とにより隔壁3で仕切られた室5が膨張し、隔壁3が薬
液が充填された室4側に移動して加圧するように構成さ
れており、この移動動作により室4が加圧、収縮される
ことで内部の薬液を流量制御デバイス21に送ることを
基本動作原理としている。
【0034】そして、本発明の医療用容器1では、室5
の内面に熱安定性を有する滑剤6が撒布または塗布され
ることによって、高圧蒸気滅菌を行っても室5の対向す
る内面(隔壁3と外壁2)の間に溶着やブロッキングが
発生せず、隔壁3は、患者の所定部位に薬液を送液でき
る圧力となるように予め調整されている圧力流体の圧力
とほぼ等しい圧力で薬液を加圧できる。したがって、溶
着やブロッキングにより隔壁3が圧力流体の圧力を十分
に伝えずに、所定値よりも低い圧力で薬液が加圧されて
患者の所定部位まで導入されないという虞れがなく、確
実に送液を行うことができる。
【0035】このケーシング31の素材としては、機械
的強度及び光透過性に優れるポリカーボネート、アクリ
ル、ポリスチレンなどの高分子樹脂材料が挙げられる。
【0036】続いて、図5に図6のブロック図をさらに
参照して、先ず、室5に加圧流体を導入することによる
加圧は、制御ユニット11内に設けられたガスボンベを
含む圧力発生部51によって容器1の隔壁3内の圧力が
一定になるように加えられる。この圧力発生部として
は、小型で消費電力が少ない電動ポンプも使用可能であ
るが、近年になりパンク修理用として一般向けに販売が
許可されるようになった液化炭酸ガスを充填した超小型
ガスボンベを用いることにより、非常に小型に構成でき
るようになる。
【0037】この圧力発生部51には、例えばガスボン
ベに接続される圧力調整部52が設けられており、圧力
調整弁により発生圧力を一定に調整して、容器1の室5
内に対して、上記のように容器1の加圧口8を介して圧
力気体を導入するように構成されている。このようなガ
スボンベ中に充填される気体としては、上記の二酸化炭
素の他に、ヘリウム、窒素、代替フロンガス等があり、
また発生圧力は、26〜66kPa(約200〜約50
0mmHg)の範囲に調整することが望ましい。一方、
ケーシング31内の医療用容器1の薬液口7には流量制
御デバイス21に設けられた接続管22が上記のように
矢印D2方向に移動することで自動的に刺入された状態
になり連通状態となる。この接続管22を通過した薬液
は微細孔23a(オリフィス)を有する流体抵抗体23
を通過するが、この微細孔23aの内径は10〜500
μmが好ましく、目的とする流量の範囲で任意に選択さ
れることになる。
【0038】こうして流体抵抗体23を通過した薬液
は、流路を開閉する作用を有する流体制御弁24によっ
てオン/オフ制御されて略一定の流量になるようにして
おり、このためにこの流体制御弁24は、流路である軟
性チューブ25を流量制御ユニット11内に設けられた
流量制御弁である弁駆動機構12のソレノイドの可動軸
12aの押圧作用により、軟性チューブ25自体を図示
のように直接押し潰すことで流路を閉塞させる方式であ
るが、他の周知の弁機構も使用できることは勿論であ
る。したがって、この弁駆動機構12がオフ状態であ
り、流体制御弁24が開放状態の時には、薬液バック3
2に対して印加された気体圧力と、主に流路抵抗体23
による流体抵抗で定められた一定流量の薬液が患者に対
して注入されることになる。また、この弁駆動機構24
を用いて流量を時分割制御することにより、流路開放時
の時間流量値を最大値とした任意の時間流量値が得られ
ることになるので、後述する各投与モードに適合した流
量制御が可能となる。
【0039】一方、流量制御デバイス21には上記の弁
機構24の下流部位に薬液の流量を測定するための流量
センサ26がさらに組み込まれており、コネクタC2を
介して制御ユニット11に対して着脱可能に接続されて
いる。即ち、図5に示したように、ポンプアセンブリの
状態で制御ユニット11と接続され、流量を検出できる
ように構成されており、流量センサドライバ13と流量
信号増幅器14を介してCPU19に対して接続されて
いる。この流量センサ26にはヒータとサーミスタとか
らなる熱式流量計が好ましいが、容積式流量計、差圧式
流量計、超音波流量計、電磁流量計等であっても良い。
また、制御ユニット11は実装基板上に実装されている
CPU19に対して図示の各素子が接続されており、具
体的にはゲートアレイやドライバ素子他105を介して
弁駆動機構12と、4桁の8セグメントの液晶表示素子
等からなる表示部15と、電源オフ状態でも記憶内容の
保持が可能なEPROM素子等からなるメモリ16と、動作
スイッチ17と両方を同時に押圧した時にオンされるよ
うにアンド回路接続される薬液注入スイッチ18a、1
8bと、外部プログラミング装置41であるパソコンに
コネクタC1を介して接続される外部インターフェース
素子101と、警報ブザー102と、交換自在の乾電池
103とから構成されている。以上のように構成される
薬液注入装置の全体の動作は、外部プログラミング装置
41に組み込まれたソフトウェアを用いて制御され、薬
液注入量、注入時間、要事手動注入と呼ばれるPCA(Pat
ient Controlled Analgesia)量等のポンプ動作に必要な
情報が医師または有資格者により入力されて、外部プロ
グラミング装置41の外部インタフェースを用いて制御
ユニット11の外部インタフェース101を通して情報
が入力される。この時点で外部プログラミング装置41
と制御ユニット11は切り離される。
【0040】制御ユニット11は、流量制御デバイス2
1とケーシング31と組み合わされることで、薬液注入
ポンプとして機能することになるので、これらが組み合
わされた時点で、制御ユニット11の動作スイッチ17
を入れると入力されたポンプ動作情報に従って、プライ
ミング動作の後に薬液注入が開始される。
【0041】流量制御は前述したように流量制御のため
の弁駆動機構12にCPU19から信号を送って行われ
る。このために流量センサ26からの流量信号は、流量
信号増幅器14を通りCPU19に送られてモニタされ
る。この流量信号は、ポンプからの流量と測定値との差
に基づき弁駆動機構12にフィードバックをかけること
でオン/オフ制御を実行することで、後述の夫々の投与
モードに基づき流量制御を行うようにしている。また、
流量検出が実行できないような異常を検出した場合に
は、ブザー102から警報を発生させるためにも流量セ
ンサ26からの流量信号が用いられる。また、薬液注入
ポンプ1を使用する患者Pが例えば末期ガン患者であ
り、激しい疼痛にどうしても耐えることができない場合
には、薬液の塩酸モルヒネ等を任意に注入する上記のPC
A注入を実現するために、注入スイッチ18a、18b
の両方を同時に押圧すると、予め設定されたPCA量の塩
酸モルヒネが患者に注入されて、患者の苦痛を緩和する
ように配慮されている。このような使用状況は、内蔵の
メモリ19に随意記憶されて、外部プログラミング装置
41と接続することで、使用情報を読み出すことができ
るようにして、次の投与スケジュールの作成に役立て、
次の処方箋作成の参考にするように構成されている。
【0042】図7は、上記の実使用状態を示したフロー
チャートであって、初回の設定時におけるプログラムを
示したものである。
【0043】本図において、先ず、ステップS1におい
て医師または有資格者がノートパソコン等の外部プログ
ラミング装置41の電源投入後に、投与プログラムのロ
ードまたは呼び出しを行う。続いて、ステップS2にお
いて、インターフェースケーブル20(例えば、シリア
ルインターフェース用RS232Cケーブル)をコネク
タC1を介して制御ユニット11の本体と接続する。
【0044】続いて、ステップS3において、患者カル
テに合致する内容の暗証番号を装置41から入力して、
病状、薬液の照合を行う。このようにして装置41の表
示画面に、患者カルテの内容が表示されたら、ステップ
S4において、投与スケジュールを決定し、薬液種類、
注入量、注入期間及び注入時間間隔と、薬液が例えば塩
酸モルヒネの場合には上記のPCA注入のための条件の設
定値を入力する。
【0045】以上で、投与のための制御条件が決定した
ので、続いてステップS5において制御ユニット11の
電源がオンされて、制御条件データの送信が実行され
て、記憶部であるRAM16に記憶される。また、この
作業と前後して、所望の薬液を充填した薬液カートリッ
ジ31について記入した患者の処方箋が外部プログラミ
ング装置41に接続されているプリント装置からプリン
トアウトされる。以上で、医師または有資格者の作業が
終了する。尚、1回の処方箋により最長で2週間分の薬
液カートリッジ31を薬局で準備することができるの
で、これに伴い、上記の小型ガスボンベ及び流量制御デ
バイス21が提供される。
【0046】つづいて、ステップS6に進み、流量制御
デバイス21の接続管22を医療用容器1の薬液口7に
穿通するようにしてケーシング31にセットした後に、
制御ユニット11に対してセットして、弁機構12が動
作可能な状態にする一方で、コネクタC2により電気的
な接続状態にする。また、制御ユニット11側の圧力発
生部51において電動ポンプを使用しない機種の場合に
は小型ガスボンベがセットされて、加圧口8を介して発
生圧力を容器1の室5中に導入できる状態にする。次
に、ステップS7に進み外部プログラミング装置41か
らの指示に基づき初期動作プログラムが起動されて、プ
ライミングと各部の機能をチェックする後述する機能チ
エックプログラムが起動される。
【0047】以上で外部プログラミング装置41を接続
した状態の操作が終了し、ステップS8に進み、コネク
タC1においてインターフェースケーブル20を取り外
すとともに、チューブ25aの先端に接続された注射針
25aを患者側に予め埋設されたキャップPCに穿す状
態にする。この後、ステップS9においてステップS4
で設定された投与プログラムに基づく自動投与プログラ
ムが起動される。また、薬液が疼痛の緩和のための塩酸
モルヒネである場合には、上記のPCA注入のためのプロ
グラムが起動される。
【0048】以上で、患者は薬液投与による治療と疼痛
緩和を受けることができるようになり、所定期間の投与
経過途中においてステップS10で、装置の投与履歴が
上記の記憶部19に記憶されて、ステップS11におい
て薬液残量が少なくなるまで投与が継続され、残量が残
り少なくなると終了する。
【0049】図8は、図7のステップS4における投与
スケジュールの具体例を示した、フローチャートであ
る。本図において、ステップS20において、医師は患
者の病状、病歴の確認を行い、ステップS21において
(a)持続投与、(b)間欠投与、(c)持続/間欠投
与のいづれかの投与パターンを選択決定して、外部プロ
グラミング装置41から入力する。続いて、ステップS
22において、決定された投与パターンに基づき、流量
設定、投与時間間隔(H1、H2)、PCA注入のための
投与量と、このPCA注入を禁止する不応期の入力が行わ
れる。続いて、ステップS23において、P.C.A許可期
間の入力が行われ、ステップS24において1日当たり
の最大投与量が入力される。
【0050】図9は、図7のステップS7における初期
動作プログラムの具体例を示した、フローチャートであ
る。本図において、ステップS30において、スイッチ
18a、18bの両方が同時に押圧されると、このプロ
グラムが起動され、加圧された状態になっている薬液バ
ッグから薬液が吐出されて(ステップS31)、弁機構
12のソレノイドがオフ状態にされ(ステップS3
2)、ステップS33において、流量センサ26におい
て所定の流量が検出されたか否かの判定がされて、流量
検出がない場合には何らからの異常発生があったと判断
して、ステップS37に進み異常発生フラグを立てるこ
とでこのステップに続く処理を禁止して、ステップS3
8においてブザー102の連続通電により異常状態を知
らせて、ステップS39で強制終了する。
【0051】一方、ステップS33で所定の流量検出が
なされると、ステップS34において注射針25aから
の薬液吐出を確認してプライミングを終了し、ステップ
S35において弁機構をオン状態にして、吐出を禁止し
て、ステップS36で投与順次が終了する。
【0052】図10は、2回目以降の投与プログラムで
あり、図7に示したフローチャートによる投与スケジュ
ールを変更するものである。このように変更する必要が
ある場合において、ステップS40において医師または
有資格者がノートパソコン等の外部プログラミング装置
41の電源投入後に、投与プログラムのロードまたは呼
び出しを行う。続いて、ステップS41において、イン
ターフェースケーブル20をコネクタC1を介して制御
ユニット11の本体と接続する。
【0053】続いて、ステップS42において、患者カ
ルテに合致する内容の暗証番号を装置41から入力し
て、病状、薬液の再照合を行う。このようにして装置4
1の表示画面に、患者カルテの内容が表示される。
【0054】次に、ステップS43において、制御ユニ
ットの記憶部19に記憶された投与履歴が装置41側に
インターフェースケーブル20を介してダウンロードさ
れて装置41の画面に表示されるので、この表示結果を
見て医師は、起動投与スケジュールを再度検討して最適
な投与パターンを決定し、再度薬液種類、注入量、注入
期間及び注入時間間隔を入力する(ステップS44)。
【0055】この後に、ステップS45において制御ユ
ニット11の電源がオンされて、制御条件データの送信
が実行されて、記憶部であるRAM16に記憶され、所
望の薬液を充填した薬液カートリッジ31について記入
した患者の処方箋が外部プログラミング装置41に接続
されているプリント装置からプリントアウトされる。こ
の後に、上記のステップS6〜ステップS11(ステッ
プS46)を実行し、以降ステップS40からステップ
S46を患者が完治するまで行う。
【0056】次に、図11は流量制御デバイス21に設
けられる流量センサ26を熱式流量計から構成した場合
の動作原理図(a)、波形図(b)である。本図におい
て、チューブ25は長手方向に同じ断面積Sを有してお
り、薬液の流路となる上流側においてヒータ26hを設
けており、このヒータ26hを流量センサドライバ13
を介してCPU19に対して接続している。また、この
ヒータ26hの距離L分に下流側には温度検出のための
サーミスタ26tが配設されている。
【0057】以上の構成において、求める流速で矢印方
向に下流に流れる薬液に対して時間t1において、図7
(b)に示したようなヒータ加熱信号Hを印加してヒー
タ26hへの通電を行い薬液の温度上昇を行う。このよ
うにして温度上昇された状態を距離L分下流に配設され
るとともに流量信号増幅器14を介してCPUに接続さ
れたサーミスタ26tにより、時間t2において温度上
昇のピーク値を検出して図示のような波形のサーミスタ
出力信号Tを得る。
【0058】以上から、時間差Δt=t1−t2を内蔵
のタイマにより求め、距離Lを求めた時間差Δtで割る
ことで薬液の流速を得て、この流速に断面積Sを乗じて
求める流量Vを得る。このようにして求められた流量V
に基づき、投与の管理を上記のように時間分割して行う
ようにする。
【0059】なお、本発明の医療用容器1とともに使用
される薬液注入ポンプとしては、図示した構成例のもの
に限定されるものではなく、容器1の室5に加圧流体を
導入することにより室5が膨張し、薬液が充填された室
4と室5とを仕切る隔壁3が室4側に移動して室4を加
圧し、薬液の送液を行えるものであればいかなるもので
もよい。
【0060】
【発明の効果】本発明の医療用容器は、薬液を充填する
ための少なくとも1つの室と、該室に充填された薬液を
加圧し容器外へ送液するための圧力流体を導入するため
の少なくとも1つの室と、これらの室を仕切る少なくと
も1枚の柔軟な隔壁とを有する医療用容器であって、圧
力流体を導入するための前記室の内面に、熱的安定性を
有する滑剤が撒布または塗布されていることを特徴とす
るため、高圧蒸気滅菌による溶着ないしブロッキングの
発生を確実に防止できる医療用容器を提供でき、また薬
液が充填された高圧蒸気滅菌後の容器を専用の薬液注入
ポンプにセットするだけで簡便な操作で確実に薬液を患
者に送液、注入できる医療用容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の医療用容器の構成例を示す平面図であ
る。
【図2】図1に示す医療用容器のII−II線における横断
面図である。
【図3】図1に示す医療用容器のIII −III 線における
横断面図である。
【図4】図1および図2に示す医療用容器の製造方法の
一例を示す説明図である。
【図5】本発明の医療容器とともに使用される薬液注入
ポンプの一構成例を示す、患者への装着状態とともに示
した外観斜視図である。
【図6】図5に示す薬液注入ポンプにおいて、流量制御
デバイス11と制御ユニット21と本発明の医療用容器
の接続後の様子を示したブロック図である。
【図7】図5に示す薬液注入ポンプにおける投与スケジ
ュール設定のフローチャートである。
【図8】図7のステップS4の具体例を示したフローチ
ャートである。
【図9】初期動作の投与スケジュール設定のフローチャ
ートである。
【図10】2回目以降の投与スケジュール設定のフロー
チャートである。
【図11】流量計測の説明図である。
【符号の説明】
1 医療用容器 3 隔壁 4、5 室 6 滑剤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬液を充填するための少なくとも1つの
    室と、該室に充填された薬液を加圧し容器外へ送液する
    ための圧力流体を導入するための少なくとも1つの室
    と、これらの室を仕切る少なくとも1枚の柔軟な隔壁と
    を有する医療用容器であって、圧力流体を導入するため
    の前記室の内面に、熱的安定性を有する滑剤が撒布また
    は塗布されていることを特徴とする医療用容器。
  2. 【請求項2】 前記滑剤は液状である請求項1に記載の
    医療用容器。
  3. 【請求項3】 前記滑剤がシリコーンオイルである請求
    項2に記載の医療用容器。
  4. 【請求項4】 前記滑剤は、少なくとも130℃まで加
    熱しても熱的に安定な物質である請求項1に記載の医療
    用容器。
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