JP2000041362A - 回転電機 - Google Patents

回転電機

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JP2000041362A
JP2000041362A JP10206811A JP20681198A JP2000041362A JP 2000041362 A JP2000041362 A JP 2000041362A JP 10206811 A JP10206811 A JP 10206811A JP 20681198 A JP20681198 A JP 20681198A JP 2000041362 A JP2000041362 A JP 2000041362A
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refrigerant gas
rotor winding
electric machine
rotating electric
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Hiroshi Ikeda
浩 池田
Daisuke Murata
大輔 村田
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】保持環内で隣り合う回転子巻線端部間における
遠心力場での冷媒ガスの自然対流と強制対流との衝突を
防止ないし低減し、回転子巻線端部表面の対流熱伝達を
促進して、冷却性能を向上させる。 【解決手段】回転子2に、その鉄心4に巻回された巻線
の回転子巻線端部6の外周を覆う保持環7を設ける。保
持環7の開口端部内周に、開口8aを有するエンドリン
グ支え8を内嵌固定し、エンドリング支え8側に冷媒ガ
スを圧送するファンを回転子2に設ける。冷媒ガスがエ
ンドリング支え8の開口8aから保持環内7に流入する
のを阻止する阻止ブロック22と、冷媒ガスを保持環7
内の回転子巻線端部6の外周側へ導く通風孔23を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転子巻線端部を
冷媒ガスにより冷却する冷却構造を具備したタービン発
電機などの回転電機に係り、特に、回転子巻線端部の冷
却性能の向上を図った回転電機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のタービン発電機等の回転
電機は、例えば図13,図14に示すような冷却構造を
備えている。すなわち、回転電機1は、回転子2と固定
子3とを具備し、回転子2は、回転子鉄心4とこれに鞍
形コイル等の巻線を多重環状に複数ターン巻きにより巻
回される回転子巻線とを有する。回転子2は回転子軸5
に一体ないし一体的に形成された図示しない軸受機構部
により回転自在に支持されている。
【0003】また、回転子鉄心4の軸方向両端部には、
回転子巻線の軸方向両端部から軸方向外方に突出する回
転子巻線端部6の外周を被覆する両端開口の円筒状の保
持環7を設けており、回転子2の回転の際に回転子巻線
端部6に作用する強大な遠心力を保持環7により受けて
回転子巻線端部6が変形しないように回転子巻線端部6
を保護している。保持環7の自由開口端7aの内周に
は、開口8aを有する環状のエンドリング支え8を同心
状に固着している。
【0004】さらに、図14に示すように回転子巻線端
部6の軸方向および周方向間隙には絶縁物からなる間隔
ブロック9をそれぞれ介在させて回転子巻線端部6相互
の間隙を保持することにより、回転子1の回転に伴って
回転子巻線端部6に作用する加速度および遠心力に耐え
る回転子巻線端部6を形成している。一方、固定子3は
固定子鉄心10とこれに巻回される固定子巻線11とを
有する。
【0005】そして、図13で示すように回転電機1
は、ファン12とラジアルダクト13とダクト14とを
有する。ファン12は、回転子軸5の両端に対称的に設
けられ、その回転により水素等の冷媒ガスを環状のエン
ドリング支え8の開口端8a側へ圧送して保持環7内に
導入させるものである。ラジアルダクト13は、回転子
鉄心4内に形成され、冷媒ガスを半径方向に通すもので
あり、ダクト14は、固定子鉄心8の積層面に形成さ
れ、冷媒ガスを半径方向に通すものである。
【0006】したがって、回転子軸5の回転により回転
するファン12により加圧された冷媒ガスは、保持環7
により固定子3側に分流する冷媒ガス流と、回転子2側
に分流する冷媒ガス流とにほぼ分流される。そして、固
定子3側冷媒ガス流は、ダクト14を通る過程で固定子
巻線3を冷却し、図示しない排気ダクトを通って外部に
排出される。
【0007】また、回転子2側冷媒ガス流は、環状のエ
ンドリング支え8の開口端8aから保持環7内に流入
し、ここで、保持環7内の回転子巻線端部6を冷却し、
回転子巻線端部6の側面に形成された通風孔15の入口
に流入する一方、回転子巻線の下端に沿ってその下方に
て回転子鉄心4に形成されたサブスロット16の入口に
流れ込み、回転子巻線を冷却してから回転子鉄心4内の
ラジアルダクト13を通って図示しないスロット開口端
部に挿入された楔の孔から固定子3側へ排出される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の回転電機1では、図15に示すように軸方向
で隣り合う回転子巻線端部6,6間の通風路で生じる冷
媒ガスの自然対流17と強制対流18が回転子巻線端部
6表面において衝突するので、冷却性能の向上と、各回
転子巻線端部6の軸方向温度分布の平坦化が困難であ
り、回転電機1の大型化あるいは回転電機1の出力の抑
制を余儀なくされるという課題がある。
【0009】すなわち、図15に示すように保持環7内
は強大な遠心力19が作用する場であるため、回転子巻
線端部6の表面の冷媒ガスに強大な遠心加速度による浮
力が遠心力19とは逆方向に作用し、自然対流17が遠
心方向とは逆方向に駆動される。一方、エンドリング支
え8の開口8aから保持環7内へ流れ込む軸方向流れ2
0は隣り合う回転子巻線端部6,6間で強制対流18を
図15中破線で示すように駆動する。このために、隣り
合う回転子巻線端部6,6間で生じる自然対流17と強
制対流18による流れが回転子巻線端部6,6表面にお
いて衝突するので、回転子巻線端部6,6から冷媒ガス
への対流熱伝達を抑制する要因となっている。このよう
な自然対流17と強制対流18との衝突による熱伝達の
低下については、例えば文献(Kobus,C.j:Int,Heat Mas
s Toransfer Vol 39,p2723〜2733)に詳細に記載されて
いる。
【0010】また、自然対流17と強制対流18との衝
突により冷媒ガスの流れが保持環7内の回転子巻線端部
6間で淀み、回転子巻線端部6表面における対流熱伝達
率が低下するので、局所的な温度上昇が発生し、回転子
2の軸方向に沿う回転子巻線端部6ないし回転子巻線の
軸方向温度分布にむらが生じるという課題ある。
【0011】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、保持環内の回転子巻線端部どう
し間における遠心力場での冷媒ガスの自然対流と強制対
流との衝突を防止ないし低減し、回転子巻線端部表面の
対流熱伝達を促進して、冷却性能を向上させることがで
きる回転電機を提供することにある。
【0012】また、他の目的は、回転子軸方向に沿う回
転子巻線端部の軸方向温度分布の平坦化を図ることがで
きる回転電機を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、次のように構成される。
【0014】請求項1に対応する発明は、回転子に、そ
の鉄心に巻回された巻線の回転子巻線端部の外周を覆う
保持環を設ける一方、この保持環の開口端部内周に、開
口を有するエンドリング支えを内嵌固定し、このエンド
リング支え側に冷媒ガスを圧送するファンを前記回転子
に設けた回転電機において、前記冷媒ガスが前記エンド
リング支えの開口から保持環内に流入するのを阻止する
阻止手段と、前記冷媒ガスを前記保持環内の前記回転子
巻線端部の外周側へ導く通風路を設けたことを特徴とす
る回転電機である。
【0015】この発明によれば、回転子が回転すると、
この回転子に設けたファンが回転して、冷媒ガスが昇圧
されてエンドリング支え側に圧送されるが、エンドリン
グ支えの開口から保持環内に流入しようとする冷媒ガス
の軸方向への流れは阻止手段により阻止されるので、冷
媒ガスは、通風路内に流入して、保持環内の各回転子巻
線端部の外周側へ導入される。ここで、冷媒ガスは、大
きな遠心力による浮力を受けて、これら回転子巻線端部
どうし間の各間隙の半径方向の通風路にそれぞれ分流
し、回転子巻線端部の外表面に沿って、外周側から内周
側へ流れる半径方向の強制対流に駆動される。その際
に、これら冷媒ガス流は回転子巻線端部の外表面を冷却
して、自然対流も発生させるが、この自然対流も、回転
子の回転に伴う浮力により、回転子巻線端部の外表面に
沿って、その外周側からその内周側へ半径方向に流れる
ように駆動される。この自然対流の半径方向の流れは上
記強制対流の半径方向の流れと方向が同じであるので、
従来例のような冷媒ガスの強制対流と自然対流との衝突
を防止ないし低減することができる。これにより、各回
転子巻線端部から冷媒ガスへの熱伝達が促進されるの
で、各回転子巻線端部の冷却性能の向上を図ることがで
きる。
【0016】また、冷媒ガスの強制対流と自然対流との
衝突を防止ないし低減することができるので、回転子巻
線端部どうし間の間隙の通風路を半径方向へ流れる複数
の冷媒ガス流と、これら冷媒ガス流が回転子巻線端部の
内周部側で合流して回転子軸方向へ流れる流れとが各々
スムースになるうえに、これらの合流もスムースにな
り、冷媒ガス流の澱みを防止ないし低減させることがで
きるので、回転子巻線端部の局部的な温度上昇を抑制す
ることができ、軸方向温度分布の平坦化の向上を図るこ
とができる。
【0017】請求項2に対応する発明は、通風路は、保
持環の板厚方向を、その外面内周部から内面外周部に向
かって斜めに貫通する貫通孔であることを特徴とする請
求項1記載の回転電機である。
【0018】この発明によれば、通風路である保持環の
貫通孔が、保持環の板厚方向を、その外面内周部から内
面外周部に向かって斜めに貫通し、保持環の外面に開口
する貫通孔(通風路)の入口の方が内面の出口よりも保
持環の内周側にあり、貫通孔(通風路)がほぼ遠心方向
に沿っているので、この貫通孔(通風路)の入口側の冷
媒ガスの圧力損失を低減させることができる。このため
に、保持環内への冷媒ガスの流入量を増大させることが
できるので、さらに冷却性能の向上を図ることができ
る。
【0019】請求項3に対応する発明は、通風路は、エ
ンドリング支えと保持環内の最外側回転子巻線端部との
間に配設された端ブロックに、その外面の内周部から内
面の外周部に向かって斜めに貫通するように穿設された
貫通孔であることを特徴とする請求項1記載の回転電機
である。
【0020】この発明によれば、端ブロックの貫通孔
(通風路)が、請求項2の発明とほぼ同様に、ほぼ遠心
方向に沿っているので、この貫通孔(通風路)の入口側
の冷媒ガスの圧力損失を低減させることができる。この
ために、保持環内への冷媒ガスの流入量を増大させて、
回転子巻線端部の冷却性能のさらなる向上を図ることが
できる。
【0021】請求項4に対応する発明は、通風路は、端
ブロックの回転方向に沿う斜めの貫通孔であることを特
徴とする請求項3記載の回転電機である。
【0022】この発明によれば、端ブロックの貫通孔
(通風路)が、回転方向に沿う斜めの貫通孔(通風路)
であり、端ブロックのほぼ遠心方向に沿っているので、
この貫通孔(通風路)の入口側の冷媒ガスの圧力損失を
低減させることができる。このために、保持環内への冷
媒ガスの流入量を増大させて、回転子巻線端部の冷却性
能のさらなる向上を図ることができる。
【0023】請求項5に対応する発明は、端ブロック
を、その内径が回転子軸外径とほぼ同じになるように形
成することにより阻止手段に構成していることを特徴と
する請求項3または4記載の回転電機である。
【0024】この発明によれば、端ブロックを、その内
径が回転子軸外径とほぼ同じになるように形成している
ので、阻止手段とほぼ同様に、エンドリング支えの開口
から保持環内の回転子軸周りに流入して、その軸方向へ
流れようとする冷媒ガスの流れをこの端ブロックにより
阻止することができる。したがって、請求項1の発明と
ほぼ同様の作用効果を奏することができる。また、この
端ブロックを阻止手段として共用するので、この端ブロ
ックと別途に阻止手段を設ける必要がない。これによ
り、部品の削減と構成の簡単化とを図ることができる。
【0025】請求項6に対応する発明は、保持環内面に
添設された絶縁筒の内面に、その軸方向に冷媒ガスを導
く通風溝を形成していることを特徴とする請求項1〜5
のいずれか1項に記載の回転電機である。
【0026】この発明によれば、冷媒ガスは、通風路
(貫通孔)により保持環内の各回転子巻線端部の外周側
へ導入され、さらに、この外周側にて絶縁筒の通風溝に
より案内されて軸方向へ流れ、その際に、これら回転子
巻線端部の外表面を冷却し、各回転子巻線端部どうし間
を、外周側からその内周側へ向けて半径方向へ流れる。
【0027】したがって、冷媒ガスは、保持環内の各回
転子巻線端部の外周側にて軸方向へ流れ、その内周側に
て軸方向へ流れるのではないので、この軸方向の強制対
流が半径方向の自然対流に衝突せずに同じ方向へ流れ
る。その結果、回転子巻線端部の冷却性能の向上を図り
つつ、その軸方向温度分布の均等化を図ることができ
る。
【0028】請求項7に対応する発明は、通風溝は、絶
縁筒の保持環側一端からその軸方向他端に向かって断面
積が次第に大きくなるように形成されていることを特徴
とする請求項6記載の回転電機である。
【0029】この発明によれば、絶縁筒の通風溝の断面
積が、その軸方向一端から他端に向かって次第に大きく
なるように形成されているので、仮に通風溝の断面積が
軸方向で一定の場合に通風溝の軸方向一端から他端に向
かって次第に大きくなる冷媒ガスの圧損を緩和してほぼ
均等化することができる。このために、冷媒ガスの軸方
向の流量の均等化図ることができ、ひいては回転子巻線
端部の軸方向温度分布の均等化を図ることができる。
【0030】請求項8に対応する発明は、保持環内の複
数の回転子巻線端部間に介在されて、これら回転子巻線
端部間の間隔を保持する間隔ブロックに、その外周側か
ら内周側に向かって冷媒ガスを導くと共に断面積が小さ
くなる通風路を形成していることを特徴とする請求項1
〜7のいずれか1項に記載の回転電機である。
【0031】この発明によれば、保持環内の複数の回転
子巻線端部の外周側に導入された冷媒ガスは、その内周
側よりも強大な遠心力による浮力を受けて、複数の回転
子巻線端部間の間隙を、間隔ブロックの通風路により案
内されて、回転子巻線端部の外表面に沿って外周側から
内周側へ半径方向に流れ、回転子巻線端部を冷却する。
【0032】そして、この間隔ブロックの通風路を、そ
の外周側から内周側に向かって断面積が次第に小さくな
るように形成しているので、その冷媒ガスの半径方向内
方への流速が増大する。このために、その内外周の圧力
差に依存する遠心方向(外周側)への流れ、すなわち、
内周側から外周側へ逆流するのを防止ないし低減するこ
とができるので、冷媒ガスの外周側から内周側への半径
方向の流れの澱が低減されてスムースになるので、回転
子巻線端部の冷却性能の向上を図ることができる。
【0033】また、一般に、エンドリング支えから回転
子軸方向他端側へ遠ざかるに従って冷媒ガスの圧損が増
大するので、間隔ブロックの通風路の断面積を、エンド
リング支え側の軸方向一端からの距離に応じて適宜調節
することにより、各回転子巻線端部間における冷媒ガス
流量の均等化を図ることができる。
【0034】請求項9に対応する発明は、保持環内の複
数の回転子巻線端部どうしの軸方向の間隔を、エンドリ
ング支えから遠ざかるに従って徐々に広くすることを特
徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の回転電機
である。
【0035】この発明によれば、一般に、エンドリング
支えから回転子軸方向他端側へ遠ざかるに従って冷媒ガ
スの圧損が増大するので、複数の回転子巻線端部どうし
の軸方向の間隔を、エンドリング支えから遠ざかるに従
って徐々に広くすることにより、圧損の軸方向分布の均
等化を図って冷媒ガスの軸方向流量分布の均等化を図る
ことができる。これにより、回転子巻線端部の軸方向温
度分布の均等化を図ることができる。
【0036】請求項10に対応する発明は、保持環内の
回転子巻線端部の内周部側にて回転子軸周りを軸方向に
流れる冷媒ガスの圧力損失を調整する調整手段を設けた
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の
回転電機である。
【0037】この発明によれば、一般に、保持環内の回
転子巻線端部の内周部側において、回転子軸周りを軸方
向に流れる冷媒ガスの圧損は、回転子軸方向で不均等で
あるので、この回転子軸周りを軸方向に流れる冷媒ガス
の圧損を、回転子巻線端部どうし間の各通風路の圧損が
ほぼ均等するように調整手段により調整することによ
り、これら各通風路の圧損の均等化を図ることができ
る。このために、これら各通風路の冷媒ガスの流量の均
等化を図ることができるので、回転子巻線端部の軸方向
温度分布の均等化を図ることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1〜
図15に基づいて説明する。なお、これらの図中、同一
または相当部分には同一符号を付している。
【0039】図1は、本発明の第1の実施形態に係る回
転電機21の要部縦断面図であり、図13〜図15と同
一または相当部分には同一符号を付して、その重複した
説明は省略する。
【0040】すなわち、この回転電機21は、回転子軸
5の外周に、エンドリング支え8の内周部(図1では下
方)の開口8aを閉じる阻止手段である環状の阻止ブロ
ック22を外嵌固定することにより、エンドリング支え
8の開口8aから保持環7内へ冷媒ガスが流れ込み、軸
方向に流動するのを阻止するようになっている。
【0041】一方、エンドリング支え8には、その外側
面(図1では右側面)内周部から内側面(図1では左側
面)外周部に向けて板厚方向に斜めに貫通する通風路で
ある通風孔23を穿設している。すなわち、通風孔23
は、エンドリング支え8の外側面(図1では右側面)内
周部に入口23aを穿設する一方、エンドリング支え8
の内側面(図1では左側面)外周部に出口23bを穿設
しており、保持環7外の図1中矢印で示す水素ガス等の
冷媒ガスを通風孔23を通して保持環7内の回転子巻線
端部6の外周側間隙へ導入するようになっている。回転
子巻線端部6は保持環7内の最外側に配設される最外側
巻線端部6aと最内側に配設される最内側巻線端部6b
とを有する。なお、エンドリング支え8自体により開口
8aを閉じるように形成してもよく、これによれば、阻
止ブロック22を省略することができる。
【0042】したがって、この回転電機21によれば、
回転子2が回転すると、この回転子2の回転子軸5に固
着されたファン12が回転するので、その周囲の冷媒ガ
スが昇圧されてエンドリング支え8と保持環7側に圧送
されるが、エンドリング支え8の開口8aは阻止ブロッ
ク22により閉じられているので、このエンドリング支
え8の開口8aから保持環7内に流入しようとする冷媒
ガスの軸方向の流れは阻止ブロック22により阻止され
る。
【0043】このために、冷媒ガスは、エンドリング支
え8の通風孔23内に流入して、保持環7内の各回転子
巻線端部6の外周側へ導入され、ここで、まず最外側回
転子巻線端部6aから最内側回転子巻線端部6bまでの
各回転子巻線端部6の最上層(最外周層)ターンを冷却
し、その一方で熱を受け取り、冷媒ガスの密度が小さく
なる。しかも、この際、冷媒ガスは、回転子2の回転に
伴う大きな遠心力による浮力を受けているので、これら
回転子巻線端部6どうし間の各間隙の通風路にて各回転
子巻線端部6の外表面に沿って、外周側から内周側へ向
けて流動する半径方向の強制対流に駆動される。
【0044】さらに、各回転子巻線端部6の内周側へ流
入した冷媒ガスは各サブスロット16へ到達すると、こ
こで、最外側回転子巻線端部6aから最内側回転子巻線
端部6b側へ向けて回転子軸5の軸方向へ転向して流
れ、各回転子巻線端部6の内周部側を冷却する。
【0045】一方、各回転子巻線端部6どうし間の各間
隙の通風路においては、冷媒ガスが回転子巻線端部6の
外表面を冷却する一方で受熱するので、自然対流も発生
させるが、この自然対流にも、回転子2の回転に伴う浮
力が作用するので、各回転子巻線端部6の外表面に沿っ
て、その外周側からその内周側へ半径方向に流れるよう
に駆動される。この自然対流の半径方向の流れは上記強
制対流の半径方向の流れと方向が同じであるので、従来
例のような冷媒ガスの強制対流と自然対流との衝突を防
止ないし低減することができる。これにより、各回転子
巻線端部6から冷媒ガスへの熱伝達が促進されるので、
各回転子巻線端部6の冷却性能の向上を図ることがで
き、ひいては、その冷却性能の向上の分だけ回転電機2
1の大容量化を図ることができる。
【0046】また、冷媒ガスの強制対流と自然対流との
衝突を防止ないし低減することができるので、回転子巻
線端部6どうし間の間隙の通風路にて半径方向へ流れる
複数の冷媒ガス流と、これら冷媒ガス流が回転子巻線端
部6の内周側で合流して回転子軸5の軸方向へ流れる流
れとが各々スムースになるうえに、これらの合流もスム
ースになる。このために、冷媒ガス流の澱みを防止ない
し低減させることができるので、各回転子巻線端部6の
表面における対流熱伝達が促進され、回転子巻線端部6
の局部的な温度上昇を抑制することができ、軸方向温度
分布の平坦化の向上を図ることができるさらに、保持環
7の通風孔23が、保持環7の板厚方向を、その外面内
周部から内面外周部に向かって斜めに貫通し、保持環7
の外面に開口する入口23aの方が内面の出口23bよ
りも保持環7の内周側にあり、通風孔23がほぼ遠心方
向に沿っているので、この通風孔23の入口23a側の
冷媒ガスの圧力損失を低減させることができる。このた
めに、保持環7内への冷媒ガスの流入量を増大させるこ
とができるので、冷却性能の向上を図ることができる。
【0047】図2は本発明の第2の実施形態に係る回転
電機21Aの要部縦断面図である。この回転電機21A
は、上記保持環7の通風孔23と阻止ブロック22とを
省略する一方、環状の端ブロック24に、保持環7内の
回転子巻線端部6の外周側間隙へ冷媒ガスを導く通風孔
25を形成すると共に、回転子軸5の外周に、エンドリ
ング支え8の開口8aを、その外面よりも若干内方で閉
じる阻止手段である環状の第2の阻止ブロック26を外
嵌固定して、エンドリング支え8の開口8aから保持環
7内へ冷媒ガスが流れ込み、軸方向に流動するのを阻止
するように構成した点に特徴がある。
【0048】すなわち、環状の端ブロック24は、環状
のエンドリング支え8の内面に同心状に添設され、か
つ、この環状の端ブロック24の図2中左側面と、最外
側(図2中右端)に配設された最外側回転子巻線端部6
aとの間にて、周方向に所定の間隔を置いて配設された
図2中図示しない複数の間隔ブロック9(図14参照)
と環状のエンドリング支え8の内面とにより挟持されて
いる。
【0049】そして、端ブロック24の通風孔25は、
環状の端ブロック24の内周端(図2では下端)に入口
25aを穿設する一方、出口25bを、端ブロック24
の内側面の外周部に穿設しており、斜めに形成されてい
る。出口25bは、最外側回転子巻線端部6aの側面
と、その周方向で隣り合う2つの図示しない間隔ブロッ
ク9どうし間の間隙で囲まれた空間を臨む位置で開口さ
れている。
【0050】したがって、この実施形態においても、上
記実施形態とほぼ同様に、回転子2の回転により回転す
るファン12により、その周囲の冷媒ガスが昇圧されて
エンドリング支え8と保持環7側に圧送されるが、エン
ドリング支え8の開口8aは阻止ブロック26により閉
じられているので、このエンドリング支え8の開口8a
から保持環7内に流入しようとする冷媒ガスの軸方向の
流れは第2の阻止ブロック26により阻止される。
【0051】一方、冷媒ガスは、端ブロック24の通風
孔24内に流入して、保持環7内の各回転子巻線端部6
の外周側へ導入され、ここで、まず各回転子巻線端部6
の最上層(最外周層)ターンを冷却する一方で熱を受け
取り、冷媒ガスの密度が小さくなる。しかも、この際、
冷媒ガスは、回転子2の回転に伴う大きな遠心力による
浮力を受けているので、これら回転子巻線端部6どうし
間の各間隙の通風路にて回転子巻線端部6の外表面に沿
って、外周側から内周側へ向けて流動する半径方向の強
制対流を発生させる。
【0052】そして、回転子巻線端部6どうし間の各間
隙においては、冷媒ガスが回転子巻線端部6の外表面を
冷却する一方で受熱するので、自然対流を発生させる
が、この自然対流にも、回転子2の回転に伴う浮力が作
用するので、回転子巻線端部6の外表面に沿って、その
外周側からその内周側へ流れる半径方向の流れを発生さ
せる。この自然対流の流れ方向は上記強制対流の流れ方
向と同じであるので、従来例のような冷媒ガスの強制対
流と自然対流との衝突を防止ないし低減することができ
る。これにより、各回転子巻線端部6から冷媒ガスへの
熱伝達が促進されるので、各回転子巻線端部6の冷却性
能の向上を図ることができ、ひいては、その冷却性能の
向上の分だけ回転電機21の大容量化を図ることができ
る。
【0053】また、冷媒ガスの強制対流と自然対流との
衝突を防止ないし低減することができるので、各回転子
巻線端部6どうし間の間隙の通風路にて半径方向へ流れ
る複数の冷媒ガス流と、これら冷媒ガス流が回転子巻線
端部6の内周側で合流して回転子軸5の軸方向へ流れる
流れとが各々スムースになるうえに、これらの合流もス
ムースになる。このために、冷媒ガス流の澱みを防止な
いし低減させることができるので、回転子巻線端部6の
表面における対流熱伝達が促進され、回転子巻線端部6
の局部的な温度上昇を抑制することができ、軸方向温度
分布の平坦化の向上を図ることができる。
【0054】さらに、保持環7の通風孔25が、保持環
7の板厚方向を、その外面内周部から内面外周部に向か
って斜めに貫通し、保持環7の外面に開口する入口25
aの方が内面の出口25bよりも保持環7の内周側にあ
り、通風孔25がほぼ遠心方向に沿っているので、この
通風孔25の入口25a側の冷媒ガスの圧力損失を低減
させることができる。このために、保持環7内への冷媒
ガスの流入量を増大させることができるので、冷却性能
の向上を図ることができる。
【0055】また、エンドリング支え8の開口8aを、
その外面よりも若干内方で第2の阻止ブロック26によ
り閉じて、この開口8aの若干内方に環状の凹部を形成
しているので、この凹部内へ流入した冷媒ガスを端ブロ
ック24の通風孔25へスムースに導入させることがで
きる。
【0056】さらにまた、端ブロック24に通風孔25
を穿設し、通風孔25を保持環7に穿設しないので、強
大な遠心力を受ける保持環7の強度の低下を防止ないし
低減することができる。
【0057】なお、上記端ブロック24は第2の阻止ブ
ロック26と一体ないし一体的に形成してもよい。
【0058】図3は上記端ブロック24の各通風孔25
の側面形状を示す要部拡大側面図である。これら通風孔
25の側面形状は、端ブロック24の内周端の入口25
aから外周部の出口25bに向けてほぼ直進する直状に
形成されている。また、通風孔25の通風幅を、内周端
の入口25aから外周部の出口25bに向けて次第に拡
幅するように形成している。このために、入口25aか
ら外周部の出口25bに向けて次第に増大する圧力損失
の増大を抑制して、冷媒ガスの流量の均等化を図ること
ができる。
【0059】図4は上記端ブロック24の各通風孔25
を円弧状通風孔25cに形成した場合の変形例を示す要
部拡大側面図である。これら円弧状通風孔25cは、回
転子2および端ブロック24の回転方向に沿って後傾す
ると共に円弧状に湾曲している。このために、保持環7
やエンドリング支え8、端ブロック24などの強度を損
なうことなく、図中矢印で示す冷媒ガスが各円弧状通風
孔25cの入口25aへ流入する際の入口損失の低減を
図ることができる。
【0060】図5は本発明の第3の実施形態に係る回転
電機21Bの要部縦断面図である。この回転電機21B
は、上記第2の実施形態に係る環状の端ブロック24お
よび第2の阻止ブロック26を、第2の端ブロック27
に置換した点に特徴がある。
【0061】第2の端ブロック27は、上記環状の端ブ
ロック24の内周端を、回転子軸5の外周面まで一体に
延伸させてエンドリング支え8の開口8aをその内側で
閉じる一方、通風孔28を穿設したものである。環状の
第2の端ブロック27は回転子軸5の外周面に外嵌固定
してもよい。第2の端ブロック27の通風孔28は、第
2の端ブロック27の外側面(図5では右側面)の内周
部に、入口28aを開口させる一方、その内側面(図5
では左側面)の外周部に、出口28bを開口させ、通風
孔28を第2の端ブロック27の遠心方向に沿って形成
している。すなわち、通風孔28は、その入口28aを
エンドリング支え8の開口8a側に開口させる一方、そ
の出口28bを、周方向で隣り合う図示しない間隔ブロ
ック9どうし間の間隙で開口させている。
【0062】したがって、この第3の実施形態によれ
ば、上記第2の実施形態の作用効果に加えて、第2の端
ブロック27に、上記第2の実施形態に係る環状の端ブ
ロック24と第2の阻止ブロック26とほぼ同様の機能
をもたせているので、第2の阻止ブロック26を省略す
ることができる。
【0063】図6は本発明の第4の実施形態に係る回転
電機21Cの要部縦断面図である。この回転電機21C
は、上記第3の実施形態において、保持環7の内周面に
同心状に添設されている円筒状の絶縁筒29の内面に、
例えば図7(A),(B)に示すように複数の軸方向通
風溝30を周方向に所定のピッチを置いて形成した点に
特徴がある。
【0064】各軸方向通風溝30は、絶縁筒29の内周
面側で開口する軸横断面形状が矩形の溝であり、しか
も、軸方向に並設されて、その軸方向両端が開口されて
いる。また、各軸方向通風溝30の通風幅は、その入口
30aから出口30bまでほぼ等幅の等断面積流路に形
成されている。
【0065】したがって、この第4の実施形態によれ
ば、上記第3の実施形態の作用効果に加えて、冷媒ガス
は、第2の端ブロック27の通風孔28を通して保持環
7内の最外側回転子巻線端部6aの外周側に導入され、
ここからさらに絶縁筒29の各軸方向通風溝30を通し
て各回転子巻線端部6の外周面を軸方向に流動して、冷
却しつつ最内側回転子巻線端部6bの外周側に導入され
る。
【0066】そして、最外側から最内側の回転子巻線端
部6a〜6bに至る外周側に導入された冷媒ガスは、上
記各実施形態と同様に、回転子2の大きな遠心力に伴う
浮力を受けて、各回転子巻線端部6の外周側から、各回
転子巻線端部6どうし間の間隙の通風路を通して、その
内周側へ各回転子巻線端部6の表面に沿って流動して、
これら回転子巻線端部6を冷却し、さらに、この内周側
へ流入した冷媒ガスは、各サブスロット16に流入する
と、ここで、最外側回転子巻線端部6aから最内側回転
子巻線端部6b側へ向けて回転子軸5の軸方向へ転向し
て各回転子巻線端部6の内周部側へ流れて、これらを冷
却する。
【0067】したがって、第2の端ブロック27の通風
孔28を通して保持環7内の最外側回転子巻線端部6a
の外周側に導入された冷媒ガスを、保持環7の内周面に
添設されている円筒状の絶縁筒29の複数の軸方向通風
溝30により、最外側回転子巻線端部6aの外周側から
最内側回転子巻線端部6bの外周側へ向けて回転子軸5
の軸方向へ導入するので、最外側回転子巻線端部6aか
ら最内側回転子巻線端部6bまでの冷媒ガスの軸方向流
量の均等化を図ることができる。このために、回転子2
ないし各回転子巻線端部6の軸方向温度分布の平坦化を
図ることができる。
【0068】図8(A),(B)は上記絶縁筒29の複
数の軸方向通風溝30を、末広状通風孔30cに形成し
た場合の変形例をそれぞれ示す要部平面図,正面図であ
る。これら末広状通風孔30cは、その入口30aから
出口30bに向けて次第に拡幅して、断面積を拡大させ
る拡大流路に形成されている。このために、上記最外側
回転子巻線端部6aから最内側回転子巻線端部6bまで
の各巻線端部間の各通風路に分流される冷媒ガス流量の
均一化を図ることができる。
【0069】すなわち、保持環7内の外周側へ導かれた
冷媒ガスは絶縁筒29の軸方向通風溝30によって軸方
向に導びかれながら、その流れの一部が最外側回転子巻
線端部6aから最内側回転子巻線端部6bまでの各巻線
端部間の各通風路に分流されるが、その分流流量は、そ
の通風路の圧力損失の大小により左右される。そして、
図7(A),(B)に示すように軸方向通風溝30が等
断面積流路であるときは、その入口30a側の圧損の方
が出口30b側よりも小さいので、入口30a側での冷
媒ガスの分流流量の方が出口30b側よりも少なくな
り、分流流量が不均一になる。
【0070】これに対し、図8(A),(B)に示すよ
うに軸方向通風溝が末広状通風孔30cであるときは、
その入口30a側の断面積流路の方が、出口30b側の
ものよりも小さいので、その入口30a側の圧力損失の
方が、入口30a側のものよりも増大させることができ
る。このために、入口30a側での冷媒ガスの分流流量
が増大する一方、出口30b側における冷媒ガスの分流
流量が減少するので、入口30a側と出口30b側にお
ける冷媒ガスの分流流量の均一化を図ることができる。
このために、回転子2の軸方向温度分布の平坦化を図る
ことができる。
【0071】図9は本発明の第5の実施形態に係る回転
電機21Dの要部縦断面図,図10は図9の要部拡大斜
視図である。この回転電機21Dは、上記第3の実施形
態において、各巻線端部6の軸方向どうし間に介在され
ている各間隔ブロック9に、その外周部から内周部に向
けて次第に縮径するテーパ状の通風路9aを形成した点
に特徴がある。
【0072】間隔ブロック9の外周側では、遠心力が内
周側よりも大きいので、冷媒ガスの周速(周方向の速
度)も内周側よりも速く、動圧も内周側よりも高い。こ
のために、間隔ブロック9の通風路9aを外周側から内
周側に向けて次第に縮径することにより、この通風路9
a内における冷媒ガスの半径方向の流速を速めて周方向
成分を含む動圧を外周側と内周側でほぼ均等にして、外
内圧力差による遠心方向への逆流を抑制ないし阻止し、
外周側から内周側への流れの円滑化を図ることができ
る。また、これら通風路9aのテーパ状通風路幅を各巻
線端部6間の各通風路で種々調整することによって各半
径方向通風路における流量の均一化を図ることができ
る。このために、回転子2の軸方向温度分布の平坦化を
図ることができる。
【0073】図11は本発明の第6の実施形態に係る回
転電機21Eの要部縦断面図である。この回転電機21
Eは、上記第3の実施形態において、最外側回転子巻線
端部6aから最内側回転子巻線端部6bまでの各巻線端
部6の軸方向どうし間の各間隔Pa,Pb〜Pnを、最
内側回転子巻線端部6b側へ行くに従って次第に増大さ
せた点に特徴がある。
【0074】すなわち、仮に、各巻線端部6の軸方向ど
うし間の各間隔Pa,Pb〜Pnがみなほぼ等しい場合
には、これら間隔Pa,Pb〜Pnの半径方向通風路に
おける圧損は、最内側回転子巻線端部6b側へ行くに従
って増大するので、各半径方向通風路における冷媒ガス
の流量も最内側回転子巻線端部6b側へ行くに従って増
大し、不均等になる。
【0075】これに対し、本実施形態によれば、各巻線
端部6の軸方向どうし間の各間隔Pa,Pb〜Pnを、
最内側回転子巻線端部6b側へ行くに従って次第に増大
させているので、これら間隔Pa,Pb〜Pnの通風路
における圧損を、最内側回転子巻線端部6b側へ行くに
従って次第に低減させることができる。このために、各
半径方向通風路における冷媒ガスの流量も最内側回転子
巻線端部6b側へ行くに従って抑制させて、各半径方向
通風路における冷媒ガス流量の均等化を図ることができ
る。したがって、回転子巻線端部6の軸方向温度分布の
平坦化を図ることができる。
【0076】図12は本発明の第7の実施形態に係る回
転電機21Fの要部縦断面図である。この回転電機21
Fは、各巻線端部6の軸方向どうし間の各半径方向通風
路の内周側における圧損がほぼ等しくなるように、冷媒
ガスが回転子軸5周りを軸方向に流れる軸方向流路31
に、その流路幅を調整する調整手段である調整用段部3
2を、回転子軸5の外周面に設けた点に特徴がある。
【0077】すなわち、最外側回転子巻線端部6a側の
半径方向通風路から最内側回転子巻線端部6b側の半径
方向通風路までの各半径方向通風路の内周側における圧
損がみなほぼ等しくなるように調整用段部32の外径を
適宜調整している。
【0078】したがって、最外側回転子巻線端部6a側
から最内側回転子巻線端部6b側までの外周側に流入し
ている冷媒ガスがこれらの各半径方向通風路を通って内
周側の軸方向流路31にそれぞれ到達すると、ここで、
最内側回転子巻線端部6b側へ向けてほぼ直角に曲げら
れて、軸方向に流動するが、この軸方向流路31の流路
幅が回転子軸5の調整用段部32により、各半径方向通
風路の内周側における圧損がみなほぼ等しくなるように
調整されているので、各半径方向通風路における冷媒ガ
ス流量の均等化を図ることができる。このために、回転
子2の軸方向温度分布の平坦化を図ることができる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、回
転子軸端部に設けたファンにより保持環側に圧送された
冷媒ガスがエンドリング支えの開口からその内部の保持
環内へ流入して軸方向へ流れるのを、阻止手段により阻
止するので、このエンドリング支えの開口からその内部
の保持環内へ流入して軸方向へ流れる冷媒ガスの強制対
流と、保持環内の回転子巻線端部間の通風路における遠
心力による冷媒ガスの自然対流との衝突を防止ないし低
減させることができる。また、ファンからの冷媒ガスを
通風路により保持環内の回転子巻線端部の外周側へ導
き、さらに回転子巻線端部間の半径方向通風路を経て内
周側へ導くように構成したので、この冷媒ガスの強制対
流と、上記自然対流との流れ方向を同一にすることがで
きる。このために、各回転子巻線端部間の半径方向通風
路における冷媒ガスの強制対流と自然対流との衝突を防
止ないし低減させることができるので、その流れの澱み
を防止ないし低減させることができる。したがって、各
回転子巻線端部表面の対流熱伝達を促進させることが可
能であり、回転子巻線端部の冷却性能の向上を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る回転電機の要部
縦断面図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る回転電機の要部
縦断面図。
【図3】図2で示す端ブロックの側面図。
【図4】図2で示す端ブロックの他の例の側面図。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る回転電機の要部
縦断面図。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る回転電機の要部
縦断面図。
【図7】(A)は図6で示す絶縁筒の平面図、(B)は
その絶縁筒の正面図。
【図8】(A)は図6で示す絶縁筒の他の例の平面図、
(B)はその絶縁筒の正面図。
【図9】本発明の第5の実施形態に係る回転電機の要部
縦断面図。
【図10】図9で示す間隔ブロックの一部切欠斜視図。
【図11】本発明の第6の実施形態に係る回転電機の要
部縦断面図。
【図12】本発明の第7の実施形態に係る回転電機の要
部縦断面図。
【図13】タービン発電機の一端部の縦断面図。
【図14】従来のタービン発電機の一端部の一部切欠斜
視図。
【図15】図14で示す従来のタービン発電機における
回転子巻線端部間の冷媒ガスの流れを説明するための説
明図。
【符号の説明】
2 回転子 3 固定子 4 回転子鉄心 5 回転子軸 6 回転子巻線端部 6a 最外側回転子巻線端部 6b 最内側回転子巻線端部 7 保持環 8 エンドリング支え 9 間隔ブロック 10 固定子鉄心 11 固定子巻線 12 ファン 13 ラジアルダクト 14 ダクト 15 通風孔入口 16 サブスロット入口 17 自然対流 18 強制対流 19 遠心力 21,21A〜21F 回転電機 22 阻止ブロック 23,25 通風孔 24 端ブロック 26 第2の阻止ブロック 27 第2の端ブロック 29 絶縁筒 30 軸方向通風溝 30c 末広状軸方向通風溝 31 軸方向通風路 32 調整用段部
フロントページの続き Fターム(参考) 5H609 BB03 BB12 BB19 PP02 PP07 PP09 QQ03 QQ12 QQ13 QQ15 RR03 RR27 RR32 RR36 RR38 RR40 RR43 RR44 RR69 RR73

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転子に、その鉄心に巻回された巻線の
    回転子巻線端部の外周を覆う保持環を設ける一方、この
    保持環の開口端部内周に、開口を有するエンドリング支
    えを内嵌固定し、このエンドリング支え側に冷媒ガスを
    圧送するファンを前記回転子に設けた回転電機におい
    て、前記冷媒ガスが前記エンドリング支えの開口から保
    持環内に流入するのを阻止する阻止手段と、前記冷媒ガ
    スを前記保持環内の前記回転子巻線端部の外周側へ導く
    通風路を設けたことを特徴とする回転電機。
  2. 【請求項2】 通風路は、保持環の板厚方向を、その外
    面内周部から内面外周部に向かって斜めに貫通する貫通
    孔であることを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  3. 【請求項3】 通風路は、エンドリング支えと、保持環
    内で最外側に配設された最外側回転子巻線端部との間に
    配設された端ブロックに、その外面の内周部から内面の
    外周部に向かって斜めに貫通するように穿設された貫通
    孔であることを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  4. 【請求項4】 通風路は、端ブロックの回転方向に沿う
    斜めの貫通孔であることを特徴とする請求項3記載の回
    転電機。
  5. 【請求項5】 端ブロックを、その内径が回転子軸外径
    とほぼ同じになるように形成することにより阻止手段に
    構成していることを特徴とする請求項3または4記載の
    回転電機。
  6. 【請求項6】 保持環内面に添設された絶縁筒の内面
    に、その軸方向に冷媒ガスを導く通風溝を形成している
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    回転電機。
  7. 【請求項7】 通風溝は、絶縁筒の保持環側一端からそ
    の軸方向他端に向かって断面積が次第に大きくなるよう
    に形成されていることを特徴とする請求項6記載の回転
    電機。
  8. 【請求項8】 保持環内の複数の回転子巻線端部どうし
    間に介在されて、これら回転子巻線端部間の間隔を保持
    する間隔ブロックに、その外周側から内周側に向かって
    冷媒ガスを導くと共に断面積が次第に小さくなる通風路
    を形成していることを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    か1項に記載の回転電機。
  9. 【請求項9】 保持環内の複数の回転子巻線端部どうし
    の軸方向の間隔を、エンドリング支えから遠ざかるに従
    って徐々に広くすることを特徴とする請求項1〜8のい
    ずれか1項に記載の回転電機。
  10. 【請求項10】 保持環内の回転子巻線端部の内周部側
    にて回転子軸周りを軸方向に流れる冷媒ガスの圧力損失
    を調整する調整手段を設けたことを特徴とする請求項1
    〜9のいずれか1項に記載の回転電機。
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