JP2000039835A - ごみ焼却炉の運転訓練装置および炉内燃焼状態疑似表示装置 - Google Patents

ごみ焼却炉の運転訓練装置および炉内燃焼状態疑似表示装置

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JP2000039835A
JP2000039835A JP10202518A JP20251898A JP2000039835A JP 2000039835 A JP2000039835 A JP 2000039835A JP 10202518 A JP10202518 A JP 10202518A JP 20251898 A JP20251898 A JP 20251898A JP 2000039835 A JP2000039835 A JP 2000039835A
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furnace
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refuse incinerator
behavior
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Manabu Kuroda
学 黒田
Satoshi Fujii
聡 藤井
Makoto Tsukioka
誠 月岡
Keiichi Nagaya
敬一 長屋
Tsutomu Kikuchi
勉 菊池
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ごみの燃焼と排ガスの発生挙動を同時に模擬
可能であるとともに、自動運転制御を含む運転訓練が可
能であるごみ焼却炉の運転訓練装置および炉内燃焼状態
疑似表示装置を提供する。 【解決手段】 ごみ焼却炉の燃焼制御を行う自動燃焼制
御を想定した信号処理を行う自動燃焼制御装置8と、ご
み焼却炉の燃焼挙動を模擬する演算装置9と、燃焼挙動
の模擬結果を表示する表示装置10とを備えているごみ
焼却炉の運転訓練装置。炎の画像を表示する複数のパー
ティクルが、寿命、上昇速度、色、および螺旋状の経路
の螺旋半径を変化させながら、螺旋軸を中心に旋回しつ
つ上昇する状況を、3次元コンピュータ・グラフィック
にて表示することにより、炉内ごみの燃焼状態に応じた
炎を模擬的に表現する炉内燃焼状態疑似表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ごみ焼却炉の運転
訓練および運転技術の熟練度を評価することが可能なご
み焼却炉の運転訓練装置および炉内燃焼状態疑似表示装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ焼却炉は、社会生活において排
出される様々な廃棄物を処理するという重要な役割を担
っている。近年では、廃棄物であるごみの焼却処理によ
って発生する熱エネルギの回収への関心が高まり、ボイ
ラ発電設備のついたものが増加し、ボイラでの熱回収が
効率的に行えるように、安定な燃焼が要求されている。
一方、大気中に放出される環境汚染物質の規制が厳しく
なるにしたがって、NOx濃度やCO濃度を低減する燃
焼運転が必要とされている。
【0003】このように、ごみ焼却炉に高度な燃焼運転
が望まれているため、通常、自動燃焼制御装置によって
上記の要求を満たす運転が行われていることから、運転
員が直接操作を行う機会が少なくなっている。このよう
な状況から、異常燃焼状態時の対処能力の向上、初心者
の早期養成が重要な課題となっており、ごみ焼却炉の運
転訓練装置が提案されている。
【0004】例えば、川崎重工技報(1995.4 125号p.8-
13)、日立造船技報(1994.7第55巻第3号p.73-77)な
どに掲載されているごみ焼却炉の運転訓練装置は、ごみ
の燃焼系統に係わる給塵、燃焼火格子装置の運転訓練、
燃焼空気等の送風機系統の運転訓練、CO、NOx、O
2 等の排ガス関係の運転訓練と目的ごとにわかれてい
る。
【0005】更に今日のシミュレータ分野では、運転操
作のガイダンス表示や運転に伴う視覚・聴覚情報の擬似
表示の補助的な機能を付帯する工夫を図っている。
【0006】ごみ焼却炉においては、運転員は炉内状態
量と共にモニタされる炉内燃焼画像により燃焼状態を判
断し、運転操作を行っている。そのため、炉内燃焼画像
を正確に疑似できる表示装置が組み込まれているごみ焼
却炉の運転訓練装置は、臨場感にあふれた運転訓練を可
能にすると共に運転員の効果的な技術向上を可能にす
る。
【0007】例えば、日立造船技報(1994.7第55巻第2
号p.73-77)に掲載されているごみ焼却炉の運転訓練装
置は、運転訓練における燃焼状態から決定されるパラメ
ータにより予め録画された実炉燃焼画像をデータベース
から抽出・表示することで臨場感を持たせるようにして
いる。
【0008】同様に録画画像を用いた方法として、特開
平9−330013号公報には、プラント運転訓練用シ
ミュレーションシステムが提案されている。この技術で
は、シミュレーション結果から得られた模擬計装信号に
基づき、プラント機器類の運転状況を模擬的に画像表示
する。
【0009】その際、入力される多数の模擬計装信号を
そのまま用いて画像の選択を行うと、模擬計装信号と動
画像データとの組合せが膨大な数となる。そこで、ニュ
ーラルネットワークを用いて、多数の模擬計装信号を少
数の画像情報パラメータに変換している。このように、
出力信号の数を少数に絞ることで、動画像データを選択
するためのマッピングテーブルのサイズを削減し、その
構築を容易としている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】これまで、ごみ焼却炉
の運転訓練装置は、ごみの燃焼系統に係わる給塵、燃焼
火格子装置の運転訓練、送風機系統の運転訓練、排ガス
関係の運転訓練のように、系統ごとに訓練が分離されて
いる。このため、従来技術では、ごみ焼却炉の運転訓練
を総合的に行うことができない。
【0011】本来、ごみ焼却炉の運転は、給塵、火格
子、送風機などを同時に操作している。また、燃焼状態
と排ガスの発生挙動には密接な関係があるため、運転訓
練には現実のごみ焼却炉と同じようにごみの燃焼と排ガ
スを同時に模擬できる燃焼モデルが必要となる。さら
に、通常の運転では、すべての操作量を手動運転で行う
ことは少なく、一部の操作量は自動燃焼制御装置で運転
されることが多い。しかしながら、従来の技術では、自
動運転制御については考慮されておらず、自動運転制御
の使用を前提とした訓練はできないという問題があっ
た。
【0012】これは、例えば特開平9−330013号
公報記載の技術でも同様であった。この公報に記載され
た例として、ごみ焼却プラントに併設された運転訓練シ
ステムでは、各種系統のシミュレータの集合であるシミ
ュレータを用いるとしている。しかしシミュレータの集
合とはいうものの、燃焼系統や排ガス系統等各系統間の
相互の関係は開示されていない。また、自動運転制御を
行う場合の訓練方法については、何ら記載されていな
い。
【0013】また、従来の技術における炉内燃焼画像の
表示方法には、2つの相反する問題がある。多様なパタ
ーンを生成するためには、画像パターンの収集や作成等
の事前の準備に多くの労力がかかり、かつ計算機内画像
容量が膨大になってしまい多大な記憶容量が必要とな
る。逆に、少ない画像パターンにすると、記憶容量は小
さくて済むが、炉内燃焼状態を正確に表現できず、視覚
からの運転技術向上効果が薄れてしまう。
【0014】また、特開平9−330013号公報記載
の、ニューラルネットワークを用いて動画像データを選
択する方法については、学習作業を必要とする。ニュー
ラルネットワークへの学習により適切な動画像データを
選択するためには、種々の場合について学習を繰返す必
要がある。そのためには、学習用の適切な教材、即ち典
型的なデータを揃える必要があり、動画像データの選択
のために、多大な準備作業を要するという問題がある。
さらに、起こりうる場合を想定してデータを網羅してお
く必要があるため、この従来技術でも、計算機内画像容
量が膨大になることは避けられない。
【0015】この発明は、以上の問題点を解決し、現実
の運転操作と同様に各種の系統の運転訓練が可能であ
り、ごみの燃焼と排ガスの発生挙動を同時に模擬可能で
あるとともに、自動運転制御を含む運転訓練が可能であ
るごみ焼却炉の運転訓練装置および炉内燃焼状態疑似表
示装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、次の発明がなされた。
【0017】第1の発明は、ごみ焼却炉の自動燃焼制御
を想定した信号処理を行う自動燃焼制御装置と、ごみ焼
却炉の燃焼挙動を模擬する演算装置と、燃焼挙動の模擬
結果を表示する表示装置とを備えていることを特徴とす
るごみ焼却炉の運転訓練装置である。
【0018】本発明は、自動燃焼制御装置を備えること
により、自動燃焼制御を併用した場合のごみ焼却炉につ
いて、燃焼挙動を模擬演算し模擬結果の表示を行う。こ
の自動燃焼制御装置は、実際のごみ焼却炉における自動
燃焼制御と同様の機能を持たせ、各種の入力から燃焼制
御用のデータを出力する。演算装置は、これらの燃焼制
御用のデータから所定の方法で燃焼挙動を模擬する。表
示装置は、この燃焼挙動の模擬結果を数値、図表、画像
等の形式で表示する。
【0019】このようにして、自動運転制御の使用を前
提としたごみ焼却炉の運転訓練が可能となる。なお、自
動燃焼制御装置については、実際のごみ焼却炉の自動燃
焼制御装置に合せて、制御パラメータを調整しておく。
これにより実際の炉と同様の自動運転制御の訓練が可能
となる。
【0020】第2の発明は、演算装置はごみ焼却炉の燃
焼挙動と排ガスの発生挙動とを燃焼モデルを用いて模擬
演算を行い、表示装置は燃焼挙動の模擬結果に基づき炉
内の燃焼状態の画像を生成して炉内燃焼状態を擬似表示
することを特徴とする請求項1記載のごみ焼却炉の運転
訓練装置である。
【0021】本発明は、ごみ焼却炉におけるごみの燃焼
と排ガスの挙動を同時に模擬できる燃焼モデルを用いて
いるので、より現実に近い炉内の状態を模擬できる。さ
らに、炉内燃焼状態疑似表示装置では、模擬結果に基づ
き炉内の燃焼状態の画像を生成しているので、単に類似
の映像を表示する場合に比べてさらに、現実の運転操作
に近い形で自動燃焼制御を併用した訓練を実施できる。
その結果、運転員が効果的に運転操作技術を習得するこ
とができる。
【0022】第3の発明は、燃焼モデル演算装置が、運
転員あるいは自動燃焼制御装置による操作量の変更に応
じて、炉内の熱収支および物質収支に基づきごみの燃焼
状況の演算および排ガスの挙動の演算を行い、その結果
を用いてごみ焼却炉の燃焼挙動を模擬することを特徴と
する第2の発明のごみ焼却炉の運転訓練装置である。
【0023】本発明では、燃焼モデル演算装置が、設定
された運転条件、運転員による操作端(操作盤)の変
更、あるいは自動燃焼制御装置による操作量の変更に応
じて、予め設定されている炉内燃焼モデルにより演算を
行う。この演算の特徴は、炉内の熱収支および物質収支
に基づく関係式を用いており、ごみの燃焼状態と排ガス
の発生挙動の密接な関係を取り込んでいる。従って実炉
と同じように炉内のごみと排ガスの燃焼挙動を、模擬す
ることが可能である。また、操作量の変更に応じて燃焼
モデル演算を実行するので、あらゆる操作量の設定値に
対応できる。
【0024】第4の発明は、ごみ焼却炉の操作端から自
動運転が選択された場合は、自動燃焼制御装置が、炉内
の状態量に基づき実炉のごみ焼却炉と同様の制御アルゴ
リズムにより操作量を決定することを特徴とする第2ま
たは第3の発明のごみ焼却炉の運転訓練装置である。
【0025】この発明の燃焼制御系については、実炉と
同様、自動燃焼制御装置による自動運転モードと手動運
転モードの2つのモードを備えている。自動燃焼制御装
置は、自動燃焼モードの時は各操作端の運転モードによ
らず演算を行い、演算結果が燃焼モデルに反映される。
運転モードの選択は実炉と同様、運転中に運転訓練装置
の操作盤上で行えることが望ましい。
【0026】なお、運転訓練装置の操作盤ではその他の
機能として、運転開始時に初期状態、ごみ質、操作端
(操作盤)のマルファンクション(故障)などについ
て、多様な運転シナリオが選択できる機能を持っている
ことが望ましい。また、訓練速度を設定することで、現
実の焼却炉よりも早い応答速度に調整することが可能で
ある。運転中には、炉内の状態量を表示でき、各状態量
の運転結果のトレンドが表示できるという、実炉DCS機
能と同様の機能を持つことが運転技術向上には望まし
い。
【0027】第5の発明は、炉内燃焼状態擬似表示装置
が、燃焼モデルから得られるパラメータを入力として、
炉内燃焼状態を表す状態量を画像として表示するための
パラメータへ変換し、その結果から炉内燃焼を仮想的に
表現することを特徴とする第2ないし第4の発明のごみ
焼却炉の運転訓練装置である。
【0028】この発明では、更に、炉内燃焼状態疑似表
示装置が、燃焼モデルにて導出される炉内状態量を入力
として取り込み、これらの状態量に対し演算を行うこと
で、炉内可動部や燃焼状態を画像上で表現する。その場
合、炉内可動部や燃焼状態を表す状態量を、画像として
表示するためのパラメータへ変換し、これらのパラメー
タから構成される画像を表示する。これにより、実炉と
同様に運転結果を視覚的に認識できるので、臨場感にあ
ふれた運転訓練を行うことが可能である。
【0029】第6の発明は、炉内の燃焼状態の画像の表
示について、少なくとも装置の外郭、炉内のごみ、炉内
ごみが燃焼の際に発生する炎、およびごみ供給機構が表
示され、かつ、炉内を分割した輪郭の内部を、炎の一部
の画像を表示する複数のパーティクルが、ランダムに生
成された複数の螺旋状の経路に沿って移動し、それぞれ
の寿命、上昇速度、色、および螺旋状の経路の螺旋半径
を変化させながら、螺旋軸を中心に旋回しつつ上昇する
状況を、3次元コンピュータ・グラフィックにて表示す
ることにより、炉内ごみの燃焼状態に応じた炎を模擬的
に表現することを特徴とする第5の発明のごみ焼却炉の
運転訓練装置に用いる炉内燃焼状態疑似表示装置であ
る。
【0030】この発明では、炉内の炎の画像をライブラ
リ等に多数蓄積しておいて使用するのではなく、コンピ
ュータ・グラフィック(以下CG)を用いて、炉内を分割
した空間の内部を炎のパーティクルが動くことで、燃焼
時に生じる炎を表現する。その際、個々のパーティクル
の動きはランダムではあるが全体としては、螺旋軸を中
心に上昇する。従って、この発明の炉内燃焼状態疑似表
示装置は、燃焼状態画像データを必要としない。
【0031】個々のパーティクルの動きは、パーティク
ルの螺旋半径、サイズ、寿命、上昇速度を炉内関連部分
の状態量より調整する。これにより、炉内の炎の流れや
成分、具体的には色や勢いをより詳細に表現できるの
で、多様なパターンを生成することが可能である。
【0032】この発明では、炉内燃焼状態疑似表示装置
の画面上に、実炉を模倣した焼却炉の外郭を表示し、そ
の内側に炉内ごみと炉内ごみが燃焼の際に発生する炎と
ごみ供給機構を表示する。実際の動きに合わせるため、
炉内ごみの厚みと炉内ごみが燃焼の際に発生する炎の成
分とごみ供給機構は、それぞれと関連の深い炉内状態量
によってCG上にて動く必要がある。
【0033】炎の画像の生成方法については、炎の一部
を描いたパーティクルをランダムに発生させ、適当な螺
旋半径、パーティクル寿命、上昇速度、色を持たせなが
ら、螺旋軸を中心に螺旋状に旋回しつつ上昇させること
で、炎を擬似的に表現する。更に、炉内を鉛直に幾つか
の燃焼区分に分け、燃焼区分毎に前述した炎の画像を火
格子上から発生させ、燃焼状態に応じてそれぞれの螺旋
半径、パーティクル寿命、上昇速度、色を調整すること
により、炉内での炎の流動・燃焼状態を適切に表現する
ことができる。また、このようなCGによって作成された
炉内燃焼状態疑似画像は、視点の移動による観察方向の
設定機能や拡大・縮小機能をもたせてもよい。
【0034】第7の発明は、燃焼モデルから得られるパ
ラメータを入力として、炉内燃焼状態を表す疑似表示画
像における炉内ごみの厚み、ごみ供給機構の移動速度、
および炉内ごみが燃焼の際に発生する炎の成分に関する
パラメータを決定することを特徴とする第6の発明の炉
内燃焼状態疑似表示装置である。
【0035】炉内において、ごみ供給機構は炉内の可動
部分であり、燃焼の際に生じる炎の成分や流れとごみの
厚みは燃焼状態に応じて変化する。これらを表現するた
め、炉内燃焼状態疑似表示装置は運転訓練装置の燃焼モ
デルから得られるパラメータを取り込み、画像用のパラ
メータに変換する。
【0036】具体的には、ごみ供給機構は速度データを
炉内燃焼状態疑似表示装置に伝達して、速度と同様の早
さで供給部分画像を往復させる。炉内ごみの厚みは、各
火格子下と炉内の圧力差から、自動燃焼制御装置にて算
出される火格子上のごみ量推定値を基に、ごみの厚い/
薄いを表現する。炎については、実炉に近い燃焼状態を
表現するため、炉内における温度や蒸発量などの状態量
を入力とし、一次変換やファジィ推論などの演算により
炎の構成要素であるパーティクルの螺旋半径、サイズ、
寿命、上昇速度のパラメータを決定する。
【0037】
【発明の実施の形態】まず、全体像について説明する。
図1はごみ焼却炉の運転訓練装置の構成を示すブロック
図である。図中、1は操作盤(操作端)、2は運転条件の
設定手段、3は運転操作切り換え手段、4は手動運転操作
手段、5は運転結果表示手段、6は運転結果評価手段、7
は訓練速度設定手段、8は自動燃焼制御装置、9は燃焼モ
デル演算装置、10は炉内燃焼疑似表示装置をそれぞれ示
す。
【0038】操作盤1を通じて運転員は訓練を行う。運
転訓練を開始する前に運転条件の設定手段2から運転条
件を設定する。運転訓練中の訓練速度は、訓練速度設定
手段7によって与えられる。この設定訓練速度の信号に
従い、自動燃焼制御装置8と燃焼モデル演算装置9は演算
されることとなる。
【0039】運転訓練中は、燃焼モデル演算装置9にお
いて、運転訓練開始前に設定された運転条件、運転員の
操作変更、自動燃焼制御装置8または手動による操作変
更に応じて、実炉と同じように炉内のごみと排ガスの燃
焼挙動を演算する。操作端(操作盤)については、運転
操作切り換え手段3によって、自動燃焼制御装置8または
手動による運転が選択できる。
【0040】手動運転時には手動運転操作手段4によっ
て運転員が手動運転操作を行う。運転員は、燃焼モデル
演算装置9にて演算された結果や自動燃焼制御装置8で演
算された操作量を、運転結果表示手段5である炉内状態
量の数値・トレンド表示あるいは種々の警告情報の表示
(アラームサマリ)を通じ、現在と過去の運転状況を確
認しながら訓練を進める。また、燃焼モデル演算装置9
における各種状態量のパラメータを炉内燃焼疑似表示装
置10に送る。炉内燃焼疑似表示装置10は燃焼モデルから
得られるパラメータを入力として炉内燃焼状態を判断
し、その結果を基に炉内燃焼を仮想的にCGで表示する。
【0041】運転訓練終了時には、運転結果評価手段6
によってあらかじめ設定した運転条件に対する操作の評
価結果を運転員に与える。なお、燃焼モデル演算装置9
による演算結果や自動燃焼制御装置8の出力等のデータ
を一定時間ごとに保存しておくことにより、訓練終了後
に希望の時点から再度訓練を開始する機能、いわゆるバ
ックトラック機能を持たせることもできる。
【0042】図1の運転訓練装置について、主要各部分
を説明する。 [燃焼モデル演算装置9]運転訓練装置の燃焼モデルの
一例として、炉内をブロックに分割し、各ブロック内の
物質収支、熱収支よりごみと排ガスの燃焼挙動を演算す
る方法について説明する。
【0043】図2は、構成を示すブロック図である。こ
こでは、ごみ焼却炉の操作量である給塵速度、燃焼火格
子速度、燃焼空気量、燃焼空気温度、火格子下燃焼空気
量の配分および冷却空気量を操作量としている。炉内の
ごみと排ガスの熱収支と物質収支に基づいて炉内の燃焼
挙動を表現できる燃焼モデルを構築する際に設定した基
本的な仮定は、以下に示すものである。 ・各燃焼空気の風箱の位置ごとに、火格子上のごみをブ
ロックに分割する。 ・煙道は、燃焼室、副煙道、主煙道、ガス混合室、およ
びボイラに分割する。 ・それぞれのブロックでのモデルは、熱・物質収支を基
にした完全混合モデルとする。 ・ごみは水分、可燃分、灰分から構成されるとし、可燃
分の組成はCとHとOとする。
【0044】次に、ごみ層内での反応および煙道での反
応は、次の式で表される。この式は、分割されたブロッ
クの火格子上のごみや煙道について、物質収支と熱収支
を基に構成されている。まず、燃焼反応については、次
の式で表される。
【0045】 C + 1/2O2 = CO + Q1 (1) C + O2 = CO2 + Q2 (2) CO+ 1/2O2 = CO2 + Q3 (3) CH4 + 2O2 = CO2 + 2H2O + Q4 (4) H2O(l)= H2O(g)+ Q5 (5) ただし、Qi;i =1,...,5:反応・蒸発熱(J/mol) であ
る。
【0046】ごみの物質収支と熱収支式については、ご
みの物質収支、熱収支は以下の式で表す。 dWij/dt=Ui-1Wi-1j− UiWij+Rij (6) d(ΣjjWiji)/dt=Ui-1ΣjjWi-1ji-1−UiΣjjWiji +Qri+Qgi+Qfi+ΣjQjij (7)
【0047】煙道部分の排ガスの物質収支と熱収支の式
については、以下の式で示す。 d(Vji j )/dt=Σmmmj−Fiij+Viδij (8) d(TgiΣjCgjρgjiij)/dt=ΣmmTgmjCgjρgjmj) −FiTgijCgjρgjij)+(103/22.4)×ViΣjQjδij−Qgi (9)
【0048】ここで添字i,mはブロック番号、添字jはj
成分、Σj ,Σmは添字j,mについての総和を表す。ま
た、個々の変数の内容は次の通りである。 Wij:j成分の量(mol) Ui:ごみの移動速度(給塵装置、火格子速度)(l/h) Rij:j成分の反応量、蒸発量(mol/h) Ti:ごみの温度(℃) Cj:ごみ中のj成分の比熱(J/mol℃) Qri:燃焼空気からごみへの熱伝達 (J/h) Qgi:燃焼ガスからごみへの熱伝達 (J/h) Qfi:ごみ層表面火炎からごみへの熱伝達 (J/h) Xij:ガス中のj成分の割合(%、ppm) Fi:ガス、空気、水噴霧流量 (Nm3/h) Vi:煙道容積 (m3) Tgi:ガスの温度(℃) δij:j成分の反応速度 (l/h) Cgj:ガス中のj成分の比熱(J/kg℃) ρgj:ガス中のj成分の密度(kg/Nm3)
【0049】この燃焼モデルでは、設定された運転条
件、運転員による操作量の変更、自動燃焼制御装置によ
る操作量の変更に応じて、実炉と同じように炉内のごみ
と排ガスの燃焼挙動を模擬する。なお、物質収支と熱収
支の式は、微分方程式となっているが通常の数値解法で
容易に計算できる。
【0050】図1の燃焼モデル演算装置9では、燃焼モ
デルによって設定された運転条件、運転員による操作量
の変更、自動燃焼制御装置による操作量の変更に応じ
て、実炉と同じように炉内のごみと排ガスの燃焼挙動を
模擬し、その演算結果を運転結果表示手段5に表示す
る。
【0051】[自動燃焼制御装置8]自動燃焼制御装置
8における操作量の演算方法は、通常のPID演算でも
よいが、ここでは一例としてファジイ演算を用いた場合
について説明する。各操作端(操作盤)の自動運転時の
操作量は、周期毎に、式(10)に示すように、燃焼の長期
安定化を保つための基準値と、短周期の外乱変動に対す
る補正量の積により算出されている。
【0052】ui=(1+Σjfcij)×fri (10) ここで、ui は操作端(操作盤)iの操作量、fri は操
作端iの基準値、fcijは操作端iにおけるルール群jの補
正量をそれぞれ表す。
【0053】基準値ui,fri は各操作端毎にごみの低
位発熱量、ごみ供給量、蒸発量などから決定される。補
正量fci jは各操作端毎に関連の深い状態量を入力とし
た、いくつかのファジィルール群から得られる補正量の
和により算出される。例として、水噴霧量のファジィル
ール群(自動燃焼制御装置の水噴霧量の操作量決定に用
いられるファジィルール群一覧)を表1に示す。水噴霧
量の補正量は炉内温度、NOx濃度、炉出口温度それぞれ
のファジィルール群の補正量の総和により決定される。
つまり、式(10)を水噴霧量に当てはめた場合、式中のj
の値は3である。
【0054】
【表1】
【0055】次に、ルール群においての補正量はシング
ルトン法を用いて算出している。一例として前述した水
噴霧量のルール群1を用いて説明する。炉内温度の各ル
ール(低、適、高)に対応するメンバーシップ関数は図
3に示す形で与えられる。次に各前件部における適合度
は図3に示す現在の炉内温度と炉内温度が低、適、高の
メンバーシップ関数が交叉する点である。これらの値が
μ1、μ2、μ3 と与えられる。Rule1-3における後件部
出力値が G1、G2、G3で与えられるとき、ルール群1に
おける補正値は以下の式で与えられる。 fcH2O 1=(G1μ1+G2μ2+G3μ3)/(μ123) (11)
【0056】このような演算が各操作端(操作盤)の各
ルール群について行われ、計算された操作量ui は操作
端が自動運転モードである場合には燃焼モデル9に入力
される。
【0057】[炉内燃焼状態疑似表示装置10]ここで
は、まず、この装置におけるCGの実施形態(表現方法)
について述べ、次いで、この装置の特徴的な機能である
CGのカスタマイズ、CGパラメータの決定方法について説
明する。
【0058】(A)CGの実施形態(表現方法) 炎の動きを現実に近づけるため、図4に示すように、雲
状のテクスチャーを貼り付けた四角形パーティクルを、
炉の底面から上方向に飛ばすことにより、炎のCGを表
現する。
【0059】パーティクルはノードといわれる四角形の
面から次のノードまで螺旋状に上がっていく。図4は、
ノードN1でパーティクルが発生し、次のノードN2ま
でランダムな螺旋半径を辿りながら上昇する様子を示し
ている。この時、パーティクルの移動経路については、
次のようにパラメータを設定しておく。
【0060】まず、前後のノードの四角形の面に正方形
を対応させる。次に前後する四角形の頂点同士を結んで
形成される六面体に対して、この正方形を底面とする四
角柱(正規空間)を対応させる。これら両者の対応関係
は1次変換で表され、相互に容易に変換できる。パーテ
ィクルが移動する経路の螺旋半径Rは、この正規空間に
おける底面の正方形の1辺の長さを2とした時に、0〜
1の間のランダムな値とする。つまり、かならずパーテ
ィクルは正規空間の四角柱の内側を通る。
【0061】パーティクルは常に視点方向を向く四角形
ポリゴンで実現し、適当な雲状テクスチャーを貼りつ
け、火炎を表現させる。また、1本の螺旋軸は、それぞ
れ対応する正規空間上での四角柱の軸と一致させておけ
ば、実際の空間では2つのノードの四角形の対角線の交
点を結んだものとなる。
【0062】パーティクルは、雲状テクスチャーの色と
輝度およびアルファ値(寿命)の情報を持っている。雲
状テクスチャーの色は、所定の範囲内でランダムに発生
させたRGB値を用いる。アルファ値は発生からの相対
時間の関数、つまり寿命を表しており、パーティクル各
々で寿命を変更することができる。
【0063】疑似表示装置上炎のCGでは、上記の炎の
パーティクルを三次元空間に配置する螺旋の上で動か
す。具体的には、図5に示すように、ノードを多数連結
し、そのノードで囲まれた空間内のランダムな螺旋の線
上を、パーティクルは移動する。炎を表すパーティクル
については、以下のように表現することができる。
【0064】1.寿命: 個々の寿命の成分は決められ
た上下限の範囲内で、ランダムに決める。上下限の範囲
は外部入力のパラメータにて平行移動する。決められた
寿命において、最初の一定割合の長さ(例えば2/3)で
はパーティクルの色は指定されたRGB成分を持つが、残
りの部分(期間)ではRGB成分が減衰しながら消滅して
いく。なお、最上段のノードまで到達したパーティクル
は最上段で消滅する。
【0065】2.位置: 図13に示すように、まず螺
旋軸上の位置を螺旋半径R、角速度ω、軸速度vによって
決める。角速度ω、軸速度vはそれぞれに決められた上
下限の範囲内でパーティクル毎にランダムに決定する。
上下限の範囲は外部入力のパラメータにて平行移動す
る。時刻によりパーティクルの底面からの移動距離Lと
相対角度θが以下のように決まる。 移動距離: L=vt 相対角度:θ=ωt
【0066】この移動距離Lから、パーティクルが存在
する螺旋軸と垂直なノード内の平面が決まる。その平面
内において、正規化された螺旋半径Rから実際の螺旋半
径を求める。そして、螺旋半径と相対角度θからノード
内におけるパーティクルの位置が決まる。次に、焼却炉
内の画像を基準としたノードの四角柱の位置より、パー
ティクルの位置を、焼却炉を基準としたx,y,z座標軸上
に決定する。
【0067】3.色: 個々のパーティクルのRGB成分
は各成分ごとに決められた上下限の範囲内で、ランダム
に決まる。なお、RGB成分の上下限範囲は外部入力のパ
ラメータにて平行移動する。
【0068】4.パーティクルサイズ: 個々のパーテ
ィクルサイズは、決められた上下限の範囲内で、ランダ
ムに決める。上下限の範囲は、外部入力のパラメータに
て設定する。
【0069】炉内全体の炎の表現の概略を図6に示す。
炉内を火格子下の燃焼空気の吹き込みに合わせ、鉛直方
向に4つの燃焼区分に分ける。各燃焼区分の中では、前
述したノードと螺旋軸により、雲状のテクスチャーを貼
り付けた四角形パーティクルを底面(火格子)から上方
向に飛ばす。
【0070】炎以外のCG表現については、ゴミは火格
子および給塵装置を覆う三角形格子上に、移動するテク
スチャーを貼ることで表現される。図7はごみのモデル
を示したものである。ごみ供給機構の部分は、装置の画
像が往復運動でき、その速度が燃焼モデルにて演算され
た値に対応するように表現する。炉壁などの固定物は、
予め画像パラメータを与えておいて表示される。
【0071】(B)CGのカスタマイズ CGのカスタマイズについては、次のようにして行う。本
装置では各螺旋軸の座標と、基準となる炎のテクスチャ
ーイメージを基にして、各螺旋軸におけるパーティクル
サイズや角速度、軸速度や色、寿命の上下限が決めら
れ、その範囲内で成分が決まる。各要素の上下限はパラ
メータにより設定するようになっている。パラメータの
値は燃焼状態に応じて決定できるようになっている。ま
た、燃焼状態判断の指標については、燃焼モデルにて演
算された状態量によりカスタマイズできる。
【0072】ごみの画像は、各火格子下と炉内の圧力差
から自動燃焼制御装置にて算出される火格子上のごみ量
推定値を基に、ごみの高さに変換され、炉内燃焼状態疑
似表示装置でその高さのごみの画像が表示される。この
過程では、ごみ量推定値からCG画像のごみ厚みパラメ
ータへの変換を行うが、変換の際に使用されるパラメー
タは予め調整できる。また、火格子の往復運動によって
も、ゴミを表すテクスチャーを貼り付けた格子頂点の位
置を、細かく上下させることにより、実際の炉内燃焼状
態に近づけることができる。
【0073】(C)CGパラメータの決定 CGパラメータの決定については、上述したように、それ
ぞれの(ここでは4つの)螺旋軸におけるパーティクル
サイズや角速度、軸速度や色、寿命は、燃焼状態に応じ
て決定される。そこで、燃焼モデルから得られる状態量
から燃焼状態を判別し、それらを決定するパラメータに
変換する演算方法を説明する。
【0074】1.炎の寿命: 各火格子の炎の寿命は、
火格子上の燃焼パターン、ガスバランスを測る上の指標
となる主煙道部分の温度、蒸発量の基準値との偏差を求
め、予め設けておいた寿命の基準値にこれらを重み付き
加算して補正する。
【0075】各火格子上の炎の勢いについては、燃焼パ
ターンをパラメータとすることにより、決定づけること
ができる。主煙道部分の温度は、ガスバランスを測る上
の指標である。主煙道温度が高ければ主煙道側(炉の下流
側)の炎の流れが多い。その一方、主煙道温度が低ければ
副煙道側(炉の上流側)の炎の流れが多い。蒸発量の基準
値との偏差は全体的な炎の高さを決めるパラメータとし
て有効である。
【0076】具体的には表2のようにそれぞれの基準値
(燃焼パターン、温度、偏差)を決めておきその値より
上下するときに補正値を増加・減少させる。表中におい
て螺旋軸上の炎を炉の上流側から数えて、No.1-4と呼
ぶ。
【0077】
【表2】
【0078】2.炎の角速度、軸速度(上昇速度):
炎の角速度と軸速度は、炎の旋回速度と上昇速度を表現
する。各火格子の角速度と軸速度は予め基準値を設けて
おき、蒸発量の基準値との偏差と各火格子下から炉内に
入る燃焼空気量の割合により加法的に補正される。
【0079】炎の上昇速度は、燃焼の勢い、すなわち蒸
発量と強い相関がある。よって、蒸発量の基準値との偏
差は、全体的な炎の勢いを決めるパラメータとして有効
である。また、各火格子下の燃焼空気量によって、各火
格子上の炎の勢いが変わってくる。具体的には、それぞ
れの基準値(蒸発量偏差、燃焼空気量)を決めておきそ
の値より上下するときに補正値を増加・減少させる。
【0080】
【表3】
【0081】3.炎の色: 各火格子の炎の色は予め基
準値を設けておき、各部分に関連の強い温度により加法
的に補正される。焼却炉内の炎の色は燃焼が活発である
ときには明るめである。反対に燃焼が活発でないときに
は暗くぼんやりしている。燃焼が活発であるか否かを判
断するパラメータとして、ガス混合室温度と、上流部で
は燃焼室温度、下流部では主煙道温度を用いる。
【0082】具体的には、それぞれの温度基準値を決め
ておきその値より上下するときに補正値を増加・減少さ
せる。
【0083】
【表4】
【0084】4.パーティクルサイズ: パーティクル
サイズについては、各火格子毎に基準値のみを設定して
いる。
【0085】増加・減少値の算出方法については、制御
ルールやファジィ制御などを適用できる。特にファジィ
制御は制御ルールを言語的に記述でき、パラメータ調整
も容易である。なお、以上で挙げた基準値、ゲイン等の
パラメータは実際の燃焼状態や好みに応じて、容易に調
整できる。
【0086】
【実施例】上述の発明の動作原理に基づき、実際のシス
テムを構築した例について説明する。まず、運転条件設
定手段2(図1)について、図8に示す。この図の運転
条件設定画面では、運転訓練開始前に、訓練を行う運転
員が画面内の「運転初期状態設定」の中から必要な初期
状態を設定する。次いで、「イベント発生設定」の中か
らごみ質を「低く、高く」のどちらかに設定し、さらに
変動量を「大、中、小」の中から選択し、このごみ質変
動のイベントが開始される時間を設定する。加えて、訓
練時間を数字入力より指定でき、訓練速度を予め与えら
れた数通りの中から選択できる。
【0087】運転条件設定手段2によって、運転条件を
設定した後、図9の画面が表示される。図9の画面は、
自動と手動運転操作切り換え手段3、手動運転操作手段
4、運転結果表示手段5を兼ねている。
【0088】図9の画面上で、運転員が任意の操作タ
グ、例えば「S-003」を指定すると画面右端(操作盤)
に自動と手動運転操作切り換え手段3と手動運転操作手
段4を兼ねた画面が表示され、自動運転の状態「ACC」
から手動運転の状態「MAN」に切り換えることができ
る。「S-003」を「MAN」に切り換えることによって、任
意の操作量を手動で設定できる。この画面が不要であれ
ば、「消去」を選択すると画面が消える。
【0089】また、運転結果表示手段5は、図9と図1
0の画面から構成される。図9では、現在の操作量、炉
内の各温度、圧力、排ガス中の各成分の濃度、蒸気発生
量、ホッパレベルなどの数値とそれぞれのタグ名が、周
期的に更新され、表示される。図10では、これらの数
値の過去のトレンドが表示される。
【0090】炉内燃焼状態疑似表示装置10は、燃焼モ
デル9にて導出される状態量を取り込み、演算を行うこ
とで、炉内可動部や燃焼状態を画像上で表現するための
パラメータへ変換し、与えられたパラメータを基に構成
される図11で示すような画像(疑似炉況)を逐次表示
する。
【0091】運転結果評価手段6では、運転訓練終了
後、図12に示される画面が表示され、各評価項目「蒸
気発生量安定度、NOx平均値、CO平均値、O2平均
値、灰中未燃量」の数値が表示される。このとき、運転
員の操作結果とすべて自動運転で行った場合の結果が表
示されるので、これらを比較することで、運転員の運転
能力を評価することができる。
【0092】
【発明の効果】上記で説明したように、本発明によれば
現実のごみ焼却炉を運転するのと同じ形態で訓練できる
運転訓練装置を提供する。発明の運転訓練装置は、ごみ
焼却炉の運転訓練および運転技術の熟練度を評価するた
めに必要な機能を備えているので、運転訓練効果を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ごみ焼却炉の運転訓練装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】物質収支と熱収支に基づいて構成された燃焼モ
デルの構成を示すブロック図である。
【図3】自動燃焼制御装置の水噴霧量の操作量決定に用
いられる炉内温度のメンバーシップ関数である。
【図4】炎のCGの基本動作を示す図である。
【図5】炎のCGにおけるノード間のパーティクルの動き
を示す図である。
【図6】擬似炉況における4本の炎の様子を示す図であ
る。
【図7】ごみの画像のテクスチャーを示す図である。
【図8】運転条件の設定を行うための画面を示す図であ
る。
【図9】運転訓練の各種の操作を行うための画面を示す
図である。
【図10】燃焼挙動を示す変数のトレンドを示す図であ
る。
【図11】炉内燃焼疑似表示装置における疑似炉況を示
す図である。
【図12】訓練結果の評価を表示する画面を示す図であ
る。
【図13】炎のパーティクル位置の決定方法を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 操作盤 2 運転条件の設定手段 3 運転操作切り換え手段 4 手動運転操作手段 5 運転結果表示手段 6 運転結果評価手段 7 訓練速度設定手段 8 自動燃焼制御装置 9 燃焼挙動演算装置 10 炉内燃焼模擬結果表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 月岡 誠 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 長屋 敬一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 菊池 勉 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ごみ焼却炉の燃焼制御を行う自動燃焼制
    御を想定した信号処理を行う自動燃焼制御装置と、ごみ
    焼却炉の燃焼挙動を模擬する演算装置と、燃焼挙動の模
    擬結果を表示する表示装置とを備えていることを特徴と
    するごみ焼却炉の運転訓練装置。
  2. 【請求項2】 演算装置はごみ焼却炉の燃焼挙動と排ガ
    スの発生挙動とを燃焼モデルを用いて模擬演算を行い、
    表示装置は燃焼挙動の模擬結果に基づき炉内の燃焼状態
    の画像を生成して炉内燃焼状態を擬似表示することを特
    徴とする請求項1記載のごみ焼却炉の運転訓練装置。
  3. 【請求項3】 演算装置が、運転員あるいは自動燃焼制
    御装置による操作量の変更に応じて、炉内の熱収支およ
    び物質収支に基づきごみの燃焼状況の演算および排ガス
    の挙動の演算を行い、その結果を用いてごみ焼却炉の燃
    焼挙動を模擬することを特徴とする請求項2記載のごみ
    焼却炉の運転訓練装置。
  4. 【請求項4】 ごみ焼却炉の操作端から自動運転が選択
    された場合は、自動燃焼制御装置が、炉内の状態量に基
    づき実炉のごみ焼却炉と同様の制御アルゴリズムにより
    操作量を決定することを特徴とする請求項2または請求
    項3記載のごみ焼却炉の運転訓練装置。
  5. 【請求項5】 炉内燃焼状態擬似表示装置が、燃焼モデ
    ルから得られるパラメータを入力として、炉内燃焼状態
    を表す状態量を画像として表示するためのパラメータへ
    変換し、その結果から炉内燃焼を仮想的に表現すること
    を特徴とする請求項2ないし請求項4記載のごみ焼却炉
    の運転訓練装置。
  6. 【請求項6】 炉内の燃焼状態の画像の表示について、
    少なくとも装置の外郭、炉内のごみ、炉内ごみが燃焼の
    際に発生する炎、およびごみ供給機構が表示され、か
    つ、炉内を分割した輪郭の内部を、炎の画像を表示する
    複数のパーティクルが、ランダムに生成された複数の螺
    旋状の経路に沿って移動し、それぞれの寿命、上昇速
    度、色、および螺旋状の経路の螺旋半径を変化させなが
    ら、螺旋軸を中心に旋回しつつ上昇する状況を、3次元
    コンピュータ・グラフィックにて表示することにより、
    炉内ごみの燃焼状態に応じた炎を模擬的に表現すること
    を特徴とする請求項5記載のごみ焼却炉の運転訓練装置
    に用いる炉内燃焼状態疑似表示装置。
  7. 【請求項7】 燃焼モデルから得られるパラメータを入
    力として、炉内燃焼状態を表す疑似表示画像における炉
    内ごみの厚み、ごみ供給機構の移動速度、および炉内ご
    みが燃焼の際に発生する炎の成分に関するパラメータを
    決定することを特徴とする請求項6記載の炉内燃焼状態
    疑似表示装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150112297A (ko) * 2014-03-27 2015-10-07 맥스온소프트(주) 물체의 연소 과정 그래픽 시뮬레이션 방법
WO2018147240A1 (ja) * 2017-02-10 2018-08-16 三菱日立パワーシステムズ株式会社 シミュレーション結果の評価装置及び方法

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