JP2000274640A - ごみ焼却炉の運転訓練装置 - Google Patents

ごみ焼却炉の運転訓練装置

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JP2000274640A
JP2000274640A JP11360698A JP36069899A JP2000274640A JP 2000274640 A JP2000274640 A JP 2000274640A JP 11360698 A JP11360698 A JP 11360698A JP 36069899 A JP36069899 A JP 36069899A JP 2000274640 A JP2000274640 A JP 2000274640A
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combustion
state
combustion model
training
speed
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Manabu Kuroda
学 黒田
Satoshi Fujii
聡 藤井
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転操作とその結果の関係がわかり易く運転
操作の技術向上を目的とする燃焼モデル演算装置を備え
たごみ焼却炉の運転訓練装置を提供する。 【解決手段】 運転訓練の速度に合わせて燃焼状態を模
擬演算する第1の燃焼モデル演算装置11と、同一の初期
条件から将来の燃焼挙動を模擬演算する第2の燃焼モデ
ル演算装置21とを備えるごみ焼却炉の運転訓練装置。さ
らに、運転条件を設定する操作盤1、運転結果を表示す
る表示装置2とを備え、第2の燃焼モデル演算装置は第
1の燃焼モデル演算装置より高速な演算が可能とする。
燃焼モデル演算装置11,21それぞれを操作する自動燃焼
制御装置12を備える。燃焼モデル演算装置11,21により
得られた現在および将来の燃焼状態を、目標と比較して
評価する評価手段33を備え、結果を表示装置2に表示す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ごみ焼却炉の運転
訓練中において運転評価を行い、運転操作の技術向上を
目的とするごみ焼却炉の運転訓練装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ焼却炉は、社会生活において排
出される様々な廃棄物を処理するという重要な役割を担
っている。近年では、廃棄物であるごみの焼却処理によ
って発生する熱エネルギの回収への関心が高まり、ボイ
ラ発電設備のついたものが増加し、ボイラでの熱回収が
効率的に行えるように、安定な燃焼が要求されている。
一方、大気中に放出される環境汚染物質の規制が厳しく
なるにしたがって、NOx濃度やCO濃度を低減する燃焼運
転が必要とされている。
【0003】このように、ごみ焼却炉に高度な燃焼運転
が望まれているため、通常、自動燃焼制御装置によって
上記の要求を満たす運転が行われている。自動燃焼制御
装置では、ごみ焼却炉の操作量である給塵速度、燃焼火
格子速度、燃焼空気量、および冷却空気量などを制御す
ることにより、蒸気発生量を安定化し、排ガス中のNO
x、CO濃度を低く抑え、灰中の未燃成分が少なくなるよ
うに運転されている。
【0004】このような状況から、運転員が直接操作を
行う手動運転の機会は少なくなっている。そこで、異常
燃焼状態時の対処能力の向上、初心者の早期育成が重要
な課題となっている。このため、ごみ焼却炉の運転訓練
のための装置が提案されている。
【0005】例えば、特開平10-227430号公報には、ご
みの燃焼状況と排ガスの挙動の演算を行うことによりご
み焼却炉の燃焼挙動を模擬する燃焼モデルを用いた運転
訓練装置が提案されている。
【0006】この技術では、ごみ焼却炉の燃焼挙動を模
擬する燃焼モデル演算装置と、運転条件および運転結果
を入出力する操作盤とを備え、燃焼モデル演算装置では
ごみの燃焼状況の演算および排ガスの挙動の演算を行う
ことによりごみ焼却炉の燃焼挙動の模擬を行い、操作盤
では運転条件の入力と前記模擬の結果に基づき運転結果
の出力を行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ごみ焼却炉における炉
内のごみの燃焼プロセスは、ホッパから投入されたごみ
が炉内に入り、乾燥、着火、燃焼、灰に至るまでの数時
間を要するプロセスである。焼却炉の規模によって異な
るが、時間遅れが大きい系であり、操作変更による影響
が、即座に現れない。
【0008】したがって、運転訓練中に操作変更した結
果が、炉内での燃焼変化として現れるまでに時間がかか
る。このため、ごみ焼却炉の運転訓練装置では、訓練中
に現在の燃焼状態における操作が、将来の燃焼状態にど
のように影響を与えるかは、数時間経過後、もしくは訓
練終了後に燃焼状態を把握するほかなかった。
【0009】従来技術でも、訓練終了後には、訓練中の
運転操作と燃焼状態の履歴結果から運転操作の評価が提
示され、操作の問題点を確認することができるが、訓練
結果を即座に知ることができない。また、訓練終了後に
結果を見ても、それがどの操作によるものかわかり難
く、運転操作とその結果の関係を習得できないという問
題があった。
【0010】本発明は、上記の問題点を解決し、運転操
作とその結果の関係がわかり易く運転操作の技術向上を
目的とするごみ焼却炉の運転訓練装置を提供しようとす
るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題は次の発明に
より解決される。第1の発明は、ごみ焼却炉の燃焼状態
を模擬する燃焼モデル演算装置を備えたごみ焼却炉の運
転訓練装置において、運転訓練の速度に合わせて燃焼状
態を模擬演算する第1の燃焼モデル演算装置と、第1の
燃焼モデル演算装置と同一の初期条件から将来の燃焼挙
動を模擬演算する第2の燃焼モデル演算装置とを備える
ことを特徴とするごみ焼却炉の運転訓練装置である。
【0012】この発明では、訓練速度に合わせて演算す
る燃焼モデル演算装置(第1)と、数時間先の燃焼状態
を演算する燃焼モデル演算装置(第2)を備えているの
で、現状と将来の燃焼状況から現状の操作の妥当性を確
認することができる。運転訓練中に現状の操作が将来ど
のような影響を燃焼状態に与えているかを即座に確認で
き、実際の炉では時間がかかる操作変更の結果を短時間
で得ることができる。
【0013】なお、第2の演算装置は数時間先までの燃
焼状態を高速に演算する必要がある。これは、最近の計
算機の演算処理速度は飛躍的に向上していることから、
燃焼モデルを高速に演算して、短時間に演算結果を求め
ることが可能であり、容易に実施できる。また、第1と
第2の演算装置は同一の計算機で兼用してもよい。この
場合、第1の演算装置は、第2の演算装置としての高速
演算の合間に、訓練速度に合せて演算を行う。
【0014】このようにして、与えられた運転方法の指
針について、運転訓練を効率的に行うことができる。こ
の発明の装置は、現状の操作が数時間後にどのような燃
焼状態に推移していくかを、訓練中に即座に示す支援機
能を備えた訓練装置であり、操作技術の向上につなが
る。
【0015】第2の発明は、第1および第2の燃焼モデ
ル演算装置に対して運転訓練の運転条件を設定する操作
盤、第1および第2の燃焼モデル演算装置の演算結果に
基づき運転結果を表示する表示装置とを備え、第2の燃
焼モデル演算装置は第1の燃焼モデル演算装置より高速
な演算が可能であることを特徴とする第1の発明のごみ
焼却炉の運転訓練装置である。
【0016】この発明では、運転員は運転条件を設定す
る操作盤と、運転結果を表示する表示装置を確認しなが
ら運転訓練を実施する。運転員の運転条件の設定に応じ
て、第1の燃焼モデル演算装置は実炉と同様の挙動を模
擬演算する。その結果、炉内の各温度、排ガス成分、炉
内のごみ滞留量などの燃焼モデルの演算結果が、表示装
置に表示される。
【0017】次に、第2の燃焼モデル演算装置は、操作
変更後と同じ燃焼状態の初期状態から高速に演算し、数
時間先の燃焼状態の演算結果を示すことで、現状の操作
の妥当性を確認することができる。前述のように炉内の
ごみの燃焼は、時間遅れが大きい系であり、運転訓練中
に操作変更した結果が、炉内での燃焼変化として現れる
までに時間がかかる。この発明により、運転訓練中に、
現状の操作が将来どのような影響を燃焼状態に与えるか
を即座に確認でき、与えられた運転方法の指針に対し
て、運転訓練を効率的に行うことができる。
【0018】第3の発明は、第1および第2の燃焼モデ
ル演算装置それぞれに対して自動燃焼制御装置を備え、
これらの自動燃焼制御装置がそれぞれの燃焼モデル演算
装置を操作することを特徴とする第1または第2の発明
のごみ焼却炉の運転訓練装置である。
【0019】この発明では、実際のごみ焼却炉における
自動燃焼制御装置と同じ機能を有する自動燃焼制御装置
を備えており、自動運転と手動運転操作の切り換えある
いは併用する際の運転訓練を行うことができる。ごみ焼
却炉は、通常、自動燃焼制御装置によってごみ焼却炉の
操作量である給塵速度、燃焼火格子速度、燃焼空気量、
燃焼空気温度、および冷却空気量などを制御している。
【0020】これらの制御により、ごみ焼却炉は、蒸気
発生量を安定化し、排ガス中のNOx、CO濃度を低く
抑え、灰中の未燃焼成分が少なくなるように運転されて
いる。異常な燃焼状態になった場合でも、総ての操作量
(燃焼空気量、燃焼空気温度、冷却空気量、給塵速度、
火格子速度)を同時に手動運転状態の操作モードにして
運転することは少なく、一部の操作量は自動燃焼制御装
置によって運転されている。
【0021】このため、実炉と同じごみ焼却炉の自動燃
焼制御装置を備えることにより、実際に近い運転訓練を
行うことができる。さらに、自動運転されている状態か
ら、燃焼状況に応じて任意の操作量を手動操作に切り換
えて、運転員が自ら手動運転を行える自動と手動運転操
作の切り換え手段と手動運転操作手段を備えていること
が望ましい。
【0022】第4の発明は、第1および第2の燃焼モデ
ル演算装置により得られた現在および将来の燃焼状態
を、それぞれ目標とする燃焼状態と比較して評価する評
価手段を備え、評価の結果をそれぞれ現在の運転状況の
評価と将来の運転状況の評価として表示装置に表示する
ことを特徴とする第1ないし第3の発明のごみ焼却炉の
運転訓練装置である。
【0023】この発明は、燃焼モデル演算装置の演算結
果を用いて、運転訓練中の現在の燃焼状態の評価と、こ
のままの運転状態を続けたときの将来の燃焼状態の評価
を算出する。それぞれの評価結果を表示装置に表示する
ことで、操作変更の妥当性を容易に確認することができ
る。このように、運転操作の結果が即座に分るので、運
転訓練を効率的に行うことができる。
【0024】第5の発明は、第2の燃焼モデル演算装置
が、指定された時点の燃焼状態から全ての操作端を自動
燃焼制御で運転した場合について燃焼モデル演算を行
い、評価手段が、この演算結果を目標の燃焼状態として
第1の燃焼モデル演算装置による燃焼状態を評価するこ
とを特徴とする第4の発明のごみ焼却炉の運転訓練装置
である。
【0025】この発明は、第2の燃焼モデル演算装置を
用いて、現状の燃焼状態から全ての操作量を自動燃焼制
御で運転した場合を手本データとすることにより、現状
の操作と手本データの差を評価して、燃焼状態を安定化
させるためのガイダンスを表示してごみ焼却炉の運転を
支援する。
【0026】第1の燃焼モデル演算装置を用いた運転訓
練の実施に並行して、第2の燃焼モデル演算装置では、
全ての操作端を自動燃焼制御で運転したときの将来の燃
焼状態について、燃焼モデル演算を行う。その際、初期
状態としては、指定された時刻における第1の燃焼モデ
ル演算装置の燃焼データを用いる。
【0027】評価手段は、この自動燃焼制御で運転した
ときの将来の燃焼状態を、目標とする燃焼状態、即ち手
本データとして、現状の操作による燃焼状態を比較し、
評価する。現状の操作による燃焼状態と手本データの差
は、前述の第4の発明で説明したように、運転状況の評
価として表示装置に表示する。
【0028】前述のように、第2の燃焼モデル演算装置
は第1の燃焼モデル演算装置よりも高速に演算するた
め、第1の燃焼モデル演算装置における任意の時刻にお
いて、既に演算済みの同時刻における第2の燃焼モデル
演算装置の結果を取り出すことができる。第1および第
2の燃焼モデル演算装置における燃焼状態および操作量
を比較することにより、燃焼状態を安定化するためにそ
の時点で必要な操作端の動きを、演算により算出し、教
示することができる。
【0029】なお、第2の燃焼モデル演算の形態として
は、手本データの精度を高めるため、訓練期間中、定期
的に実行することが望ましい。そのためには、一定時間
毎に第1の燃焼モデル演算装置の燃焼データを初期状態
として受け取り、全ての操作端を自動燃焼制御で運転す
る燃焼モデル演算を、次の初期状態受け取り時間まで実
施する作業を繰り返す。例えば、訓練時間(訓練上の時
間)が8時間であれば、1時間毎に1)燃焼データ読み込
み、2)1時間後までの燃焼モデル演算の実施を繰り返す
ことになる。
【0030】
【発明の実施の形態】(実施形態1、2)図1は、本発
明のごみ焼却炉の運転訓練装置の実施形態について、そ
の構成を示すブロック図である。この例では、ごみ焼却
炉の運転訓練の操作盤1を通して、運転員は訓練を行う
ことができる。
【0031】操作に応じた炉内の燃焼状態の変化は、通
常訓練速度用の計算装置10により計算される。この中に
は第1の燃焼モデル演算装置11がインストールされてお
り、操作盤からの入力データに基づき、運転訓練に応じ
た演算速度で、燃焼モデルを用いて燃焼状態を模擬演算
する。計算結果は表示装置2に表示される。
【0032】このとき、操作変更したことによって、将
来炉内がどのような燃焼状態に変化するかを高速計算装
置20で推定する。運転訓練の速度に応じた演算速度の第
1の燃焼モデル演算装置11に対する操作変更と、燃焼モ
デルの内部状態の情報を高速計算装置20に送る。高速計
算装置20では、第2の燃焼モデル演算装置21により、燃
焼モデルを用いて燃焼状態を模擬演算し、計算結果を表
示装置2に表示する。
【0033】ここで、運転訓練に応じた演算速度の第1
の燃焼モデル演算装置11と高速演算用の第2の燃焼モデ
ル演算装置21は、同じ燃焼モデルを用いることとする。
燃焼モデルは、炉内のごみと排ガスの熱収支と物質収支
に基づいて、炉内の燃焼挙動を表現できる燃焼モデルと
する。
【0034】この燃焼モデルを構築する際に設定した基
本的な仮定は、以下に示すものである。 ・各燃焼空気の風箱の位置ごとに、火格子上のごみをブ
ロックに分割する。 ・煙道は、燃焼室、副煙道、主煙道、ガス混合室、およ
びボイラに分割する。 ・それぞれのブロックでのモデルは、熱・物質収支を基
にした完全混合モデルとする。 ・ごみは水分、可燃分、灰分から構成されるとし、可燃
分の組成はCとHとOとする。 ・ごみ層内での反応および煙道での反応は、それぞれ式
(1)〜(5)とする。 C + 1/2O2 = CO + Q1 (1) C + O2 = CO2 + Q2 (2) CO + 1/2O2 = CO2 + Q3 (3) CH4 + 2O2 = CO2 + 2H2O + Q4 (4) H2O(l) = H2O(g) + Q5 (5) ただし、Qi;i =1,...,5:反応・蒸発熱(J/mol) であ
る。
【0035】以上の考え方に基づいて得られた燃焼モデ
ルのブロックの構成図を図2に示す。ここでは、分割さ
れたブロックの火格子上のごみや煙道は物質収支と熱収
支を基に構成されている。ごみの物質収支と熱収支式を
式(6)、式(7)に示す。煙道部分の排ガスの物質収支と熱
収支式を式(8)、式(9)に示す。 dWij/dt=Ui-1Wi-1j- UiWij+Rij (6) d(VjXij)/dt=Σm FmXmj-FiXij+Viδij (8)
【0036】ここで添字i、mはブロック番号、添字jはj
成分、Σj、Σmは添字j、mについての総和を表す。ま
た、個々の変数の内容は次の通りである。 Wi j:j成分の量(mol) Ui:ごみの移動速度(給塵装置、火格子速度)(l/h) Ri j:j成分の反応量、蒸発量(mol/h) Ti:ごみの温度(℃) Cj:ごみ中のj成分の比熱(J/mol ℃) Qri:燃焼空気からごみへの熱伝達 (J/h) Qgi:燃焼ガスからごみへの熱伝達 (J/h) Qfi:ごみ層表面火炎からごみへの熱伝達 (J/h) Xi j:ガス中のj成分の割合(%、ppm) Fi:ガス、空気、水噴霧流量 (Nm3/h) Vi:煙道容積 (m3) Tgi:ガスの温度(℃) δi j:j成分の反応速度 (l/h) Cgj:ガス中のj成分の比熱(J/kg℃) ρgj:ガス中のj成分の密度(kg/Nm3)
【0037】式(1)〜(9)と図2から構成される燃焼モデ
ルは、設定された運転条件、運転員による操作量の変
更、自動燃焼制御装置による操作量の変更に応じて、実
炉と同じように炉内のごみと排ガスの燃焼挙動を模擬す
ることができる。
【0038】燃焼モデルの内部状態の情報は上記の式
(1)〜(9)の各状態変数の値である。これらの値が、運転
訓練に応じた速度用の燃焼モデル演算装置11から高速計
算用の燃焼モデル演算装置20に送られる。
【0039】(実施形態3)実施形態1、2で示した燃焼
モデル演算装置11は、運転員による操作量の変更だけで
なく、一部の操作端に対しては自動燃焼制御装置による
操作量の変更に応じて、実炉と同じように炉内のごみと
排ガスの燃焼挙動を模擬する。
【0040】訓練の内容に応じて、操作盤1からごみ焼
却炉の操作端の運転モードを自動燃焼制御モードによる
運転か、運転員による手動運転かを選択する。
【0041】このとき、操作変更したことによって、将
来炉内がどのような燃焼状態となるかを推定する。通常
訓練速度用計算装置10内の運転訓練に応じた演算速度の
燃焼モデル演算装置11 での手動による操作変更と燃焼
モデルの内部状態、および通常訓練速度用の自動燃焼制
御装置12の内部状態の情報を、それぞれ高速計算装置20
内の、高速計算用の燃焼モデル演算装置21、高速計算用
の自動燃焼制御装置22へ情報を送り、高速で演算を実行
し、計算結果を表示装置2に表示する。
【0042】(実施形態4)実施形態1もしくは2におい
て、現在の燃焼状態と、このままの運転状態を続けたと
きの将来の燃焼状態の評価を比較する。ここで、燃焼状
態を評価する項目としては、例えば、排ガス中のCO、NO
x、O2濃度、炉内温度、灰中の未燃成分、炉内のごみ滞
留量などがある。
【0043】現在の燃焼状態は、通常訓練速度用の計算
装置10の運転訓練速度に応じた演算速度の燃焼モデル演
算装置11の状態量から算出し、将来の燃焼状態は高速計
算装置20内の高速計算用の燃焼モデル演算装置21の状態
量から算出する。評価手段33は、それぞれのモデルの状
態量から、燃焼状態を判断する上で重要な項目につい
て、標準の良好な燃焼状態に比べて、良いか悪いかの状
況を判定する。
【0044】標準の良好な燃焼状態における標準値ns
現在の燃焼状態n(t)から過去d時間前までの区間の平均
値から算出する。現在の燃焼状態n(t)と標準値nsから算
出すると燃焼状態が過渡的に変化している場合、評価の
精度がよくないために区間の平均から求める。
【0045】評価の方法は、現在の燃焼状態n(t)につい
て標準値nsからの偏差の絶対値の積分量から評価値xn
算出する。積分区間としては過去d時間をとり単位時間
当りの値に規格化する。 xn=(1/d)∫t-d t|n(s)-ns|/nsds (10)
【0046】ここで、∫t-d tds は変数sについてのt-d
からtまでの定積分を表す。この式より、xnは、0以上の
値を取り、また0に近いほど燃焼状態が良い状態である
ことを示している。
【0047】将来の予測される燃焼状態の評価方法も同
様な計算方法に基づいて算出する。将来の時刻をt+Lと
する場合の評価式は式(11)となる。 xf=(1/d)∫t+L-d t+L|n(s)-ns|/nsds (11) この式についても、xfは、0以上の値を取り、0に近いほ
ど燃焼状態が良い状態であることを示す。
【0048】これらの式(10)、(11)を適用し、現在と将
来の評価を比較することにより、現在の運転状態に対す
る操作が、正しい操作であるか否か簡易的に判断するこ
とができる。
【0049】また、式(10)、(11)の評価式は、別の形式
でも与えられる。実際の燃焼状態では、標準値にたえず
一致するような運転は不可能であることから、esの不感
体を設ける方法もある。この場合、式(10)(11)はそれぞ
れ次のようになる。 xn=(1/d)∫t-d t x(s)/nsds (12) xf=(1/d)∫t+L-d t+L x(s)/nsds (13) ただし、 |n(s)−ns|<es のときx(s)=0 |n(s)−ns|≧es のときx(s)=|n(s)−ns| とする。
【0050】(実施形態5)実施形態1もしくは3におい
て、一定時間毎に通常訓練速度用計算装置10内の運転訓
練に応じた演算速度の燃焼モデル演算装置11 での手動
による操作変更と燃焼モデルの内部状態、および通常訓
練速度用の自動燃焼制御装置12の内部状態の情報を、そ
れぞれ高速計算装置20内の、高速計算用の燃焼モデル演
算装置21、高速計算用の自動燃焼制御装置22へ送る。
【0051】高速計算用の自動燃焼制御装置22では、受
け取った各操作量を初期値としながら、全ての操作端に
ついて自動燃焼制御による操作をシミュレートし、燃焼
モデル演算装置21は所定時間後までの燃焼モデル演算を
実行する。演算された高速計算装置20内の、高速計算用
の燃焼モデル演算装置21、高速計算用の自動燃焼制御装
置22から出力される情報は、手本データとして評価手段
33へ送られる。
【0052】一方、通常訓練速度用計算装置10内の運転
訓練の情報は、リアルタイムで運転訓練データとして、
評価手段33へ送られる。評価手段33では通常訓練速度用
計算装置10の現在の運転訓練データおよび高速計算装置
20の同時刻における手本データ(高速のため事前に計
算)を比較し、支援データを表示装置2へ送信する。
【0053】支援データの作成方法としては、過去一定
時間の炉内主要状態量の各項目(例えばボイラ蒸発量、
ガス混合室温度)の比較をする。その結果、手本データ
に比べ、所定の程度以上に運転訓練データが悪化してい
る項目がある場合には(例えばボイラ蒸発量、ガス混合
室温度が低下)、その項目と相関の高い操作端につい
て、手本データの操作量を基に操作端の定性的、数値的
なデータを作成し、支援データとする。
【0054】
【実施例】この例では、現時刻(t=40分)までの燃焼状態
が、図3に示すような状況である。このときに、高速計
算装置で、50分先を推定した燃焼状態が図4である。
【0055】このときの現状と将来の評価を算出する。
現在の燃焼状態の評価は、現在の燃焼状態n(t)から過去
d時間までの区間において、前述の式(10)に基づいて標
準値n sからの偏差の絶対値の積分量から評価値xを算出
する。また、将来の予測される燃焼状態の評価は、前述
の式(11)に基づいて行われる。
【0056】このときの、式(10)、(11)のパラメータ
は、次のような値とする。 d:20分 t:40分 L:50分 炉内温度の標準値 ns: 850℃ CO濃度の標準値 ns: 6ppm O2濃度の標準値 ns: 6.5% このときの、炉内温度、CO濃度、O2濃度の項目に対する
評価値の変化が、表示装置2上に図5のように示される。
【0057】
【発明の効果】上記で説明したように、本発明によれ
ば、現実のごみ焼却炉を運転するのと同じ形態で訓練で
き、ごみ焼却炉の運転訓練および運転技術の熟練度を評
価するために必要な機能を備えた運転訓練装置であり、
運転訓練効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の装置構成を示す図であ
る。
【図2】物質収支と熱収支に基づいて構成された燃焼モ
デルのブロックの構成を示すブロック図である。
【図3】運転訓練に応じた速度用の燃焼モデルで計算さ
れた現状の燃焼状態を示す図である。
【図4】高速演算用の燃焼モデルで計算された将来の燃
焼状態を示す図である。
【図5】炉内温度、CO濃度、O2濃度の項目に対する現状
と将来の評価を示す図である。
【符号の説明】
1 操作盤 2 表示装置 10 通常訓練速度用の計算装置 11 第1の燃焼モデル演算装置 12 通常訓練速度用の自動燃焼制御装置 20 高速計算用の計算装置 21 第2の燃焼モデル演算装置 22 高速計算用の自動燃焼制御装置 33 評価手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ごみ焼却炉の燃焼状態を模擬する燃焼モ
    デル演算装置を備えたごみ焼却炉の運転訓練装置におい
    て、運転訓練の速度に合わせて燃焼状態を模擬演算する
    第1の燃焼モデル演算装置と、第1の燃焼モデル演算装
    置と同一の初期条件から将来の燃焼挙動を模擬演算する
    第2の燃焼モデル演算装置とを備えることを特徴とする
    ごみ焼却炉の運転訓練装置。
  2. 【請求項2】 第1および第2の燃焼モデル演算装置に
    対して運転訓練の運転条件を設定する操作盤、第1およ
    び第2の燃焼モデル演算装置の演算結果に基づき運転結
    果を表示する表示装置とを備え、第2の燃焼モデル演算
    装置は第1の燃焼モデル演算装置より高速な演算が可能
    であることを特徴とする請求項1記載のごみ焼却炉の運
    転訓練装置。
  3. 【請求項3】 第1および第2の燃焼モデル演算装置そ
    れぞれに対して自動燃焼制御装置を備え、これらの自動
    燃焼制御装置がそれぞれの燃焼モデル演算装置を操作す
    ることを特徴とする請求項1または請求項2記載のごみ
    焼却炉の運転訓練装置。
  4. 【請求項4】 第1および第2の燃焼モデル演算装置に
    より得られた現在および将来の燃焼状態を、それぞれ目
    標とする燃焼状態と比較して評価する評価手段を備え、
    評価の結果をそれぞれ現在の運転状況の評価と将来の運
    転状況の評価として表示装置に表示することを特徴とす
    る請求項1ないし請求項3記載のごみ焼却炉の運転訓練
    装置。
  5. 【請求項5】 第2の燃焼モデル演算装置が、指定され
    た時点の燃焼状態から全ての操作端を自動燃焼制御で運
    転した場合について燃焼モデル演算を行い、評価手段
    が、この演算結果を目標の燃焼状態として第1の燃焼モ
    デル演算装置による燃焼状態を評価することを特徴とす
    る請求項4記載のごみ焼却炉の運転訓練装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011519427A (ja) * 2008-01-11 2011-07-07 レルダル メディカル アクティーゼルスカブ 事象の予告を持つシミュレーションを提供するための方法、システムおよびコンピュータ・プログラム製品

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