JP2000039287A - 熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多段に積み重ねたバンドル相互を、簡単に固
定できるようにする。 【解決手段】 排ガスＧＥが水平方向に流れる流路内
に、前後面を解放した箱型構造を成し且つその内部に伝
熱管１１を架設支持したバンドル１０を多段に積み重ね
て配置した熱交換器であって、バンドル１０の前後面に
上下方向へ延びるＨ型鋼２２を固着し、上下方向にボル
ト挿通孔２６が穿設されたブロック２３を、Ｈ型鋼２２
の上端部及び下端部のウエブ部２４とフランジ部２５と
に亘ってそれぞれ固着し、直上のＨ型鋼２２下端部のブ
ロック２３とその直下のＨ型鋼２２上端部のブロック２
３とのボルト挿通孔２６に挿通したボルト２７によっ
て、上下のＨ型鋼２２を結合する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換器に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】図７は、排ガス処理設備の一例を示す概
略図であって、１はボイラ、２は熱回収器、３は電気集
塵機、４は誘引通風機、５は通常は閉じているダンパ、
６は湿式の脱硫装置、７は再加熱器、８は排風機、９は
煙突である。

【０００３】ボイラ１から排出された排ガスＧＥは、熱
回収器２で熱回収した後、電気集塵機３で煤塵を除去
し、脱硫装置６で吸収液との気液接触によって脱硫処理
を行う。脱硫装置６で脱硫処理を行った排ガスＧＥは、
温度が低下して略飽和状態となっているため、そのまま
煙突９から排出すると周囲に水滴を降らせたり白煙が発
生したりするので、再加熱器７で加熱した後、煙突９か
ら排出する。

【０００４】再加熱器７は熱交換器であって、熱回収器
２で排ガスＧＥから熱回収した熱媒体を循環させ、脱硫
装置６で脱硫処理を行った排ガスＧＥを再加熱するガス
ガスヒータであり、図８に示すように前後面を解放した
横長の箱型構造のバンドル１０を多段に積み重ねて構成
され、各バンドル１０には、左右両端面の外側で折り返
してバンドル１０内を繰り返して往復し、内部に熱媒体
が流れる伝熱管１１が架設支持されており、積み重ねて
あるバンドル１０の前後面間に排ガスＧＥを水平方向に
流し、伝熱管１１内を流れる熱媒体によって排ガスを加
熱するようになっている。

【０００５】バンドル１０は、単に多段に積み重ねただ
けでは安定しないので、多段に積み重ねたバンドル１０
相互を固定する必要がある。

【０００６】このため従来から図９に示すように、上下
両端に水平に張り出したフランジ１２を有する断面コ字
型の上下方向へ延びるチャンネル１３を、各バンドル１
０の前後面に適宜間隔をおいて固着し、バンドル１０を
多段に積み重ねたとき上下に並ぶチャンネル１３，１３
の両端を固定している。

【０００７】チャンネル１３，１３の両端を固定するた
めに従来は、図１０に示すようにフランジ１２には上下
方向にボルト挿通孔１４を穿設し、又、チャンネル１３
の端部近傍の両側面にも水平方向にボルト挿通孔１５を
穿設しておく。

【０００８】チャンネル１３，１３の両端をフランジ１
２，１２の結合だけで固定したのでは、強度的に不十分
なため、更に、チャンネル１３のコ字型断面の中に密に
挿入し得る角柱状の連結ブロック１６に、ボルト挿通孔
１５と連通し得るようにしたボルト挿通孔１７を穿設し
ておき、図１１に示すように上下に並ぶチャンネル１
３，１３のフランジ１２，１２を合致させてボルト挿通
孔１４，１４にボルト１８を挿通してナット１９を締め
付け、更に、上下に並ぶチャンネル１３，１３に亘って
連結ブロック１６を挿入し、ボルト挿通孔１５，１７，
１５にボルト２０を挿通してナット２１を締め付けてい
た。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】多段に積み重ねたバン
ドル１０相互を固定するための図１０、図１１に示す従
来の装置は、フランジ１２，１２のボルト挿通孔１４，
１４にボルト１８を挿通する作業、上下に並ぶチャンネ
ル１３，１３に亘って連結ブロック１６を挿入する作
業、ボルト挿通孔１５，１７，１５にボルト２０を挿通
する作業が必要であるため、手間がかかる問題があっ
た。

【００１０】本発明は、このような問題を解決し、多段
に積み重ねたバンドル相互を、簡単に固定できるように
した熱交換器を提供することを目的とするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、排ガ
スが水平方向に流れる流路内に、前後面を解放した箱型
構造を成し且つその内部に伝熱管を架設支持したバンド
ルを多段に積み重ねて配置した熱交換器であって、バン
ドルの前後面に上下方向へ延びるＨ型鋼を固着すると共
に、上下方向にボルト挿通孔が穿設されたブロックを、
前記Ｈ型鋼の上端部及び下端部のウエブ部とフランジ部
とに亘ってそれぞれ固着し、直上のＨ型鋼下端部のブロ
ックとその直下のＨ型鋼上端部のブロックとのボルト挿
通孔に挿通したボルトによって、上下のＨ型鋼を結合し
たことを特徴とする熱交換器に係るもので、Ｈ型鋼の上
端部及び下端部のウエブ部とフランジ部とに亘って、上
下方向にボルト挿通孔が穿設されたブロックを予め固着
しておくことにより、多段に積み重ねたバンドル相互の
固定は、上下のブロックにボルトを挿通してナットで締
め付けるだけの作業ですむことになる。

【００１２】請求項２の発明は、上下に結合した上方の
Ｈ型鋼の下端部表面と下方のＨ型鋼の上端部表面とに亘
ってスプライスプレートを当て、該スプライスプレート
の上部を上方のＨ型鋼の下端部表面に固着し、該スプラ
イスプレートの下部を下方のＨ型鋼の上端部表面に固着
したことを特徴とする請求項１に記載の熱交換器に係る
もので、スプライスプレートによって、上下のバンドル
固定箇所の強度を高めることができるようになる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
に基づいて説明する。

【００１４】本発明においては図２に示すように、従来
と同様の前後面を解放した横長の箱型構造で、内部に伝
熱管１１を架設支持したバンドル１０の前後面（図２に
おいては前面のみが表れている。）に、上下方向へ延び
る複数のＨ型鋼２２を適宜間隔をおいて、溶接等により
固着しておく。

【００１５】２３は金属製の直方体形状のブロックであ
って、このブロック２３は、Ｈ型鋼２２の側面に嵌める
と、Ｈ型鋼２２の中心のウエブ部２４と表裏両側のフラ
ンジ部２５，２５とに密に接することができる寸法にな
っていて、上下方向にボルト挿通孔２６が穿設されてい
る。

【００１６】このブロック２３を、図１に示すようにＨ
型鋼２２の上端部と下端部において、ウエブ部２４と表
裏両側のフランジ部２５，２５とに密に接した状態にし
て、溶接等によりＨ型鋼２２に固着しておく。

【００１７】このようなＨ型鋼２２が前後面に固着され
ているバンドル１０を多段に積み重ねると、直上のバン
ドル１０の前後面に固着されているＨ型鋼２２の下端
と、その直下のバンドル１０の前後面に固着されている
Ｈ型鋼２２の上端とが接した状態で、各段のバンドル１
０のＨ型鋼２２は、上下方向に一直線に並ぶようにな
る。

【００１８】次に図１に示すボルト２７を、直上のＨ型
鋼２２の下端部に固着されているブロック２３のボルト
挿通孔２６と、その直下のＨ型鋼２２の上端部に固着さ
れているブロック２３のボルト挿通孔２６とに亘って挿
通し、ボルト２７の先端部にナット２８を螺合して締め
付ける。

【００１９】これによって、図３、図４に示すように上
下に積み重ねてあるバンドル１０相互は、Ｈ型鋼２２、
ブロック２３、ボルト２７、ブロック２３、Ｈ型鋼２２
を介して固定された状態になる。

【００２０】図５は、本発明の実施形態の他の例を分解
して示した斜視図であって、図１と同一部分には同一符
号を付してある。

【００２１】図５に示す例においては、Ｈ型鋼２２の上
端部近傍と下端部近傍とに、ウエブ部２４及びブロック
２３に干渉しないようにして、表面側のフランジ部２５
に複数のボルト挿通孔２９が穿設されている。

【００２２】更に、Ｈ型鋼２２のフランジ部２５の幅に
略等しい長方形の平板より成るスプライスプレート３０
が準備されている。このスプライスプレート３０には、
直上のバンドル１０の前後面に固着されているＨ型鋼２
２の下端と、その直下のバンドル１０の前後面に固着さ
れているＨ型鋼２２の上端とが接した状態になったと
き、その上下のＨ型鋼２２，２２のフランジ部２５，２
５に穿設されている複数のボルト挿通孔２９，２９，…
の位置と合致するように、複数のボルト挿通孔３１，３
１，…が穿設されている。

【００２３】図５に示す例も、バンドル１０を多段に積
み重ねると、直上のバンドル１０の前後面に固着されて
いるＨ型鋼２２の下端と、その直下のバンドル１０の前
後面に固着されているＨ型鋼２２の上端とが接した状態
で、各段のバンドル１０のＨ型鋼２２は、上下方向に一
直線に並ぶようになる。そして図３、図４で説明した場
合と同様に、直上のＨ型鋼２２の下端部に固着されてい
るブロック２３のボルト挿通孔２６と、その直下のＨ型
鋼２２の上端部に固着されているブロック２３のボルト
挿通孔２６とに亘ってボルト２７を挿通し、ボルト２７
の先端部にナット２８を螺合して締め付けた後、図６に
示すように上下につながっているＨ型鋼２２，２２の表
面側のフランジ部２５，２５に亘ってスプライスプレー
ト３０を当て、スプライスプレート３０のボルト挿通孔
３１をＨ型鋼２２のボルト挿通孔２９の位置に合わせ、
ボルト挿通孔３１，２９にボルト３２を挿通し、ボルト
３２の先端部にナット３３を螺合して締め付ける。

【００２４】これによって直上のＨ型鋼２２とその直下
のＨ型鋼２２とは、ブロック２３及びボルト２７によっ
て結合されると共に、スプライスプレート３０及びボル
ト３２によっても結合されるため、上下に積み重ねてあ
るバンドル１０相互の固定は、極めて強固なものにな
る。

【００２５】尚、本発明の熱交換器は、上述の図示例に
のみ限定されるものではなく、ボイラ設備のガスガスヒ
ータ以外の熱交換器にも適用してもよいこと等、その
他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更
を加え得ることは勿論である。

【００２６】

【発明の効果】請求項１の発明は、バンドルの前後面に
上下方向に固着されているＨ型鋼の上端部及び下端部の
ウエブ部とフランジ部とに亘ってそれぞれ固着してある
ブロックのボルト挿通孔にボルトを挿通して上下のバン
ドルを結合するので、少数のボルトの挿通と締付作業だ
けですみ、バンドルの結合が簡単に行えるようになり、
更に、上方の荷重を、ブロックによって下方へ伝達支持
できる効果がある。

【００２７】請求項２の発明は、スプライスプレートに
よって、上下のバンドル固定箇所の強度を高めることが
できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態の一例を分解して示した斜視
図である。

【図２】本発明の実施形態の一例のブロックを固着する
前の状態を示す斜視図である。

【図３】図１の組立て状態のＩＩＩ−ＩＩＩ断面図であ
る。

【図４】図１の組立て状態のＩＶ−ＩＶ断面図である。

【図５】本発明の実施形態の他の例を分解して示した斜
視図である。

【図６】図５の組立て状態の縦断側面図である。

【図７】排ガス処理設備の一例を示す概略図である。

【図８】バンドルを多段に積み重ねる状態を示す斜視図
である。

【図９】従来のバンドル固着構造を示す斜視図である。

【図１０】従来のバンドル固着構造の要部を分解して示
した斜視図である。

【図１１】従来のバンドル固着構造の要部の縦断正面図
である。

【符号の説明】

１０ バンドル １１ 伝熱管 ２２ Ｈ型鋼 ２３ ブロック ２４ ウエブ部 ２５ フランジ部 ２６ ボルト挿通孔 ２７ ボルト ３０ スプライスプレート ＧＥ 排ガス

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 排ガスが水平方向に流れる流路内に、前
   後面を解放した箱型構造を成し且つその内部に伝熱管を
   架設支持したバンドルを多段に積み重ねて配置した熱交
   換器であって、バンドルの前後面に上下方向へ延びるＨ
   型鋼を固着すると共に、上下方向にボルト挿通孔が穿設
   されたブロックを、前記Ｈ型鋼の上端部及び下端部のウ
   エブ部とフランジ部とに亘ってそれぞれ固着し、直上の
   Ｈ型鋼下端部のブロックとその直下のＨ型鋼上端部のブ
   ロックとのボルト挿通孔に挿通したボルトによって、上
   下のＨ型鋼を結合したことを特徴とする熱交換器。
2. 【請求項２】 上下に結合した上方のＨ型鋼の下端部表
   面と下方のＨ型鋼の上端部表面とに亘ってスプライスプ
   レートを当て、該スプライスプレートの上部を上方のＨ
   型鋼の下端部表面に固着し、該スプライスプレートの下
   部を下方のＨ型鋼の上端部表面に固着したことを特徴と
   する請求項１に記載の熱交換器。