JP2000037193A - 微量遺伝子解析のための核酸試料調製方法、調製された核酸試料およびこれを利用した核酸試料解析方法およびこれを利用するための試薬キットおよび解析サ―ビス - Google Patents

微量遺伝子解析のための核酸試料調製方法、調製された核酸試料およびこれを利用した核酸試料解析方法およびこれを利用するための試薬キットおよび解析サ―ビス

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JP2000037193A
JP2000037193A JP11138051A JP13805199A JP2000037193A JP 2000037193 A JP2000037193 A JP 2000037193A JP 11138051 A JP11138051 A JP 11138051A JP 13805199 A JP13805199 A JP 13805199A JP 2000037193 A JP2000037193 A JP 2000037193A
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acid sample
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probe
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Takamichi Muramatsu
高道 村松
Takeshi Fujita
毅 藤田
Masaharu Kiyama
政晴 木山
Takashi Irie
隆史 入江
Kazunobu Okano
和宣 岡野
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微量遺伝子の発現解析を高分解能で実施でき
るシステムを提供すること。 【解決手段】 核酸試料中存在量の多いAbundan
tクラスの遺伝子は比較的容易に解析できることおよび
バイアスを利用して容易に選択的な除去ができることに
着目して、存在量の多い遺伝子を除去した核酸試料を得
て、これから微量遺伝子の発現解析を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核酸試料を調製す
る方法、特に試料中の微量遺伝子の解析に適した核酸試
料の調製方法、この調製方法によって得られた核酸試
料、この調製方法の実行に有用な試薬キットおよびこの
試料を使った解析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトの体を構成している細胞は、200
以上の種類に分けられ、さらに1つの細胞型には、微妙
に異なる種類が存在する。それぞれの細胞は、約10万
種の遺伝子がコードされた共通のゲノムをもち、細胞型
に応じて数万種類の遺伝子を発現していると考えられて
いる。このような遺伝子の発現を調べることは、個々の
遺伝子の機能に関する知見を得るためだけではなく、生
命現象を解明するうえでますます重要になりつつある。
また、これまで少数の比較的限られた遺伝子を対象にし
た詳細な解析が行われてきた結果、多くの生命現象は複
数の遺伝子が協調的に働くことが分かってきた。さらに
ゲノムプロジェクトの流れとして、遺伝子と生命現象を
マクロにとらえるために遺伝子群の動態を調べる研究が
始められようとしている。このような状況下にあり、多
数の遺伝子をより詳細に解析する技術の必要性がうたわ
れている。
【0003】近年、RNAのフィンガープリントを比較
することにより、遺伝子発現を解析する手法(ディファ
レンシャル・ディスプレー法(Liang,P., and Pardee,
A.B.(1992) Science 257,967-971)、モレキュラー・イ
ンデックス法(Kikuya Kato(1995) Nucleic Acids Re
s.,23,3685-3690)等)や、DNAチップを利用する方
法が開発され、発現している遺伝子を網羅的に解析でき
る可能性が生まれてきた。
【0004】遺伝子発現は、その発現量から3クラスに
大きく分けられる。細胞あたり12,000コピー以上
のAbundantクラス、約300コピーのInte
rmediateクラスそして15コピー程度しかない
Rareクラスである。一方、発現遺伝子の種類に関し
ては、哺乳類においては細胞当たり数万種類におよび、
ほとんどの遺伝子はRareクラスに属する。つまり細
胞内における発現遺伝子は、極微量にしか発現していな
い膨大な遺伝子種に、極少数ながら3〜4桁量の多い遺
伝子が混在している状態にある(例えば、Alberts,B.,
et al.(1989)Molecular biology of the cell, 2nd
edition. Garland Publishing Inc.)。
【0005】現在、微量遺伝子解析には、平衡化ライブ
ラリー(Minoru S.H.Ko (1990) Nucleic Acids Res.,1
8,5705-5711)あるいはディファレンシャル・ディスプ
レー法、モレキュラー・インデックス法などのmult
iplex PCRをベースにした方法、DNAチップ
を使用する方法などが知られている。しかし、平衡化ラ
イブラリーは、遺伝子種間において存在量を均一化する
ため発現量に関する情報は失われること、ディファレン
シャル・ディスプレーなどのmultiplexPCR
を用いた解析を行った場合、競合的なPCR反応が起こ
り、存在量の遺伝子に強いバイアスがかかるため通常の
PCRに比べ検出感度が低下し、Rareクラスの遺伝
子を検出することが難しくなることが知られている(Da
vid J. Bertioli, et al. (1995) Nucleic Acids Res.,
23,4520-4523)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、核酸試料中
の微量遺伝子の解析に適した核酸試料の調製方法、この
調製方法によって得られた核酸試料を提供することおよ
びこの試料を利用して微量遺伝子を解析する解析方法を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ディファ
レンシャル・ディスプレー法を用いた遺伝子発現解析を
行う過程で、核酸試料中存在量の多い遺伝子(Abun
dantクラス)は比較的容易に解析できること、存在
量の多い遺伝子はバイアスがかかるためプローブを用い
て容易に選択的な除去ができ、したがって、解析すべき
核酸試料からあらかじめ存在量の多い遺伝子を除去した
核酸試料を用いて微量遺伝子の発現解析を行うと高精度
化が望めることに着目して本発明を完成したものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】図1に本発明による微量遺伝子を
解析するための解析方法の基本手順を示す。100は解
析の対象となる核酸試料を準備する過程、200は核酸
試料中において一つあるいは複数の存在量が多い遺伝子
を、上記遺伝子と特異的に結合するプローブ担体を上記
核酸試料に混合し結合せしめて除去する過程、300は
結合しなかった核酸試料を回収することにより微量遺伝
子を主体とする核酸試料を得る過程、400は微量遺伝
子を解析する過程である。ここで、これらの過程100
−300、すなわち、解析の対象となる核酸試料から微
量遺伝子を主体とする核酸試料を得るまでの工程をより
詳細に見ると、次のようである。
【0009】step1:核酸試料を生体試料から調製する
処理、 step2:プローブ担体を合成する処理、 step3:核酸試料とプローブ担体を混合し結合させる処
理、 step4:結合した遺伝子を除く処理、 step5:核酸試料を回収する処理。
【0010】上記各stepにおいて、核酸試料とは、研究
対象である生体試料、例えば細胞、組織、個体などから
抽出した複数の遺伝子由来のmRNA(メッセンジャー
RNA)、mRNAを含んだTotal RNA(全R
NA)あるいはmRNAに基づいて合成されたcDNA
(相補DNA)から構成された混合物を意味する。ま
た、遺伝子とは、発現し機能する塩基配列を表し、その
存在量の違いからAbundant、Intermed
iate、Rareの各クラスに分けた。本発明で除去
する遺伝子の対象はAbundantクラスとInte
rmediateクラスの一部であり、解析対象はIn
termediateクラスとRareクラスの遺伝子
を意味している。
【0011】本発明は、例えば以下のように実施するこ
とができる。
【0012】step1は、生体試料に応じて公知の手法が
応用できる。例えばRNAの精製には、AGPC法(例え
ば、Chomoczynski,P. and Sacchi,N. (1987) Anal. Bio
chem., 162, 156-159)などあり、市販されている例え
ばTRIZOL Reagent(GIBCO BRL社)など
を使用することができる。first strand cDNAの合成は、
例えば、Sambrook,J.,ら(Molecular Cloning: A Labora
tory Manual, 2nd ed.Cold Spring Harbor Laboratory
Press)の手法により、市販のキットを用いて行うこと
ができる。
【0013】step2は、核酸試料から除去すべき遺伝子
(以下、除去遺伝子と称する)の選択を行う必要があ
る。生体試料中で比較的多量に発現している遺伝子に関
する情報は、以下のようにして得ることができる。現在
公開されているデータベース、例えばKousaku Okubo, K
enichi Matsubara et al.(IMCB, Osaka Univ.)が、行
っているヒトの各組織ごとの発現遺伝子データベースB
odyMap(http://www.imcb.osaka-u.ac.jp/bodyma
p/)を利用する方法がある。あるいは情報がない場合に
も、実験的にSAGE法(Victor E. Velculescue et a
l.(1995) Science,270,484-487)などにより比較的簡単
に調べることが可能である。また、除去遺伝子のほとん
どは、ハウスキーピング遺伝子と呼ばれるほとんどの細
胞種で恒常的に発現している遺伝子であることが予想さ
れる。そのため生物種さえ同じであれば、選択した遺伝
子種の一部を変更するのみで他の生体試料においても利
用可能であることが多いと考えられる。
【0014】プローブ配列は、以下の条件を満たすよう
設計する。除去遺伝子配列の一部と相補的な配列であ
り、かつその他の遺伝子と結合しにくい配列を選ぶこ
と、プローブ同士が対合しないこと、分子内水素結合し
にくい配列を選ぶこと、プローブと遺伝子とのTm(融
解温度)が適当(40〜70度の範囲が望ましい)なこ
と。プローブの形態や材質などは、除去方法に応じて異
なるため後述する。
【0015】step3−5は、以下の3通りの方法が利用
できる。ここで第一の方法は図2A−図2G、図3A−
図3G、図4A−図4Eおよび図5A−図5Gを、第二
の方法は図6A−図6F、図7および図8A−図8B
を、第三の方法は図9を、それぞれ参照しながら説明す
る。図2A−図2G、図3A−図3G、図4A−図4E
および図5A−図5Gでは、一つの除去遺伝子を対象に
した説明をしているが、除去遺伝子が複数ある場合は、
一つの核酸試料のそれぞれの除去遺伝子に対して同様に
設計、合成した複数種類プローブを準備し、順次実施す
ることができる。
【0016】まず、第一の方法について述べる。
【0017】図2A−図2Gに示す例の場合:図2Aは
準備した核酸試料の状態を示す。たとえば、mRNAか
らなる核酸試料を使用する。Total RNAでもよ
い。ここで、1は残すべき複数種の微量遺伝子、2は除
去すべき遺伝子(以後除去遺伝子という)を示す。図で
は、除去遺伝子2の方が試料中に少ないような印象を受
けるが、除去遺伝子2はAbundantクラスのもの
であり、試料中に占める量は相対的に多いものである。
【0018】図2Bは、準備した核酸試料中にプローブ
担体を加える処理を示す図である。プローブ担体3は、
除去遺伝子の3’末端付近と結合する配列をもつDNA
あるいは類似体、例えばPNA(ペプチド核酸)を材質
としたものでなおかつ伸長反応を防ぐために3’末端を
修飾したものを用意する。このプローブ担体3の材質
は、配列に対する特異性が高く、酵素が認識できるもの
であればよい。
【0019】なお、本実施例におけるプローブ担体3に
ついて以下に簡単に説明する。一般に、自動合成機を用
いたDNA合成方法のほとんどは、3’末端のヌクレオ
シドをアミノメチルポリスチレンやControlle
d−Pore Glass(CPG)等の樹脂に結合さ
せた固相合成であり、合成が終了した後、樹脂から切り
離し、合成DNAが得られる。この方法に依ってプロー
ブを調製すると、3’末端を修飾したプローブを得るた
めには、さらに修飾反応を行う必要が生じる。そのた
め、樹脂から切り離した時には、既に3’末端が修飾さ
れているようにあらかじめ変えた樹脂結合ヌクレオシド
を用いたDNA合成方法、例えば、ヌクレオシドと樹脂
との結合部位を3’から2’に変え、3’の水酸基の代
わりに水素にした樹脂結合ヌクレオシドなどを用いたD
NA合成方法とすれば、再度の修飾反応は省略できる。
【0020】したがって、本発明のように、多種類の除
去遺伝子に対応する3’末端修飾プローブを合成するた
めに、上述した方法を用いれば簡便に行える。また、市
販合成装置にこの手法を適用すると、特別な道具及び技
術を必要とせずにプローブを調製することができる。
【0021】図2Cは準備した核酸試料中でプローブ担
体3が除去遺伝子2に結合する様子を説明する図であ
る。核酸試料とプローブ担体3を例えばマイクロチュー
ブ中で混合し、結合に適した条件(時間、反応液温度、
塩濃度、混入物など)に放置し、除去遺伝子2とプロー
ブ担体3を結合させる。反応槽は、マイクロチューブに
限らず、核酸の反応槽の壁への吸着が少なく、核酸試料
溶液の蒸発を防ぐ構造を持ち、外部あるいは内部からの
温度調節ができれよい。結合条件は、プローブ設計ソフ
ト例えばOLIGO(National Biosciences, Inc.)など
で算出できる。
【0022】図2Dは、プローブ担体3と除去遺伝子2
とが結合状態にある核酸試料にリボヌクレアーゼHを加
える処理を示す図である。
【0023】図2Eは、除去遺伝子2のプローブ担体3
とが特異的かつ十分に結合した配列領域がリボヌクレア
ーゼHによって分解される状態を説明する図である。こ
の分解の結果、除去遺伝子2は3’末端付近を分解され
て4に示すようなものになる。ここで、リボヌクレアー
ゼHにはE.coli Ribonuclease Hの他にもThermus therm
ophilus Ribonuclease H(TOYOBO社)など耐熱性など広範
囲の結合条件において活性を持ったものがあり、結合条
件に応じて利用することができる。また、リボヌクレア
ーゼH以外でもDNA−RNAの水素結合に対して特異
的に作用し分解する酵素あるいは化合物でもよい。
【0024】図2Fは核酸試料に加えたリボヌクレアー
ゼHを失活させる処理を示す図、図2Gは核酸試料にD
Nase処理を行い、核酸試料からプローブ担体3をD
NA分解酵素などを使用して除去する処理を示す図であ
る。かくして、プローブ担体3によって識別される除去
遺伝子2が除去された核酸試料を得ることが出来る。
【0025】図3A−図3Gに示す例の場合:上述した
図2A−図2Gに示した除去遺伝子2に対する処理は、
複数のプローブ担体を用いることにより、より効果的に
除去できるものに改善できる。図3A−図3Gにこれを
示す。
【0026】図3Aは、図2Aと同様、準備した核酸試
料の状態を示す。
【0027】図3Bは、図2Bと同様、準備した核酸試
料中にプローブ担体を加える処理を示す図であるが、こ
の実施例では、プローブ担体を2種類の配列の異なるプ
ローブとした。ここで、プローブ担体3は、除去遺伝子
の3’末端付近と結合する配列をもつDNAあるいは類
似体、例えばPNA(ペプチド核酸)を材質としたもの
を用意する。一方、プローブ担体3’は、除去遺伝子の
3’末端付近よりは離れた位置で結合する配列をもつD
NAあるいは類似体、例えばPNA(ペプチド核酸)を
材質としたものを用意する。これらのプローブ担体3、
3’の材質は、配列に対する特異性が高く、酵素が認識
できるものであればよいのはもちろんである。この場合
でも、図2Bに関して説明したと同様のプローブとする
のが良いことは言うまでもなかろう。
【0028】図3Cは、図2Bと同様、準備した核酸試
料中でプローブ担体が除去遺伝子2に結合する様子を説
明する図である。この実施例では、プローブ担体を3お
よび3’の二つとしたから、図に示したように、除去遺
伝子2にプローブ担体3が結合する場合、除去遺伝子2
にプローブ担体3’が結合する場合および除去遺伝子2
にプローブ担体3、3’が結合する場合の三通りとな
る。
【0029】図3Dは、図2Dと同様、プローブ担体
3、3’と除去遺伝子2とが結合状態にある核酸試料に
リボヌクレアーゼHを加える処理を示す図である。
【0030】図3Eは、除去遺伝子2のプローブ担体
3、3’とが特異的かつ十分に結合した配列領域がリボ
ヌクレアーゼHによって分解される状態を説明する図で
ある。この実施例は、三通りのプローブ担体3、3’の
結合があるから、リボヌクレアーゼHによって分解され
る状態も三通りとなる。この分解の結果、除去遺伝子2
は3’末端付近を分解されて4に示すようなものになる
のは図2Eとおなじである。ここでも、リボヌクレアー
ゼHは図2Eの説明と同様いろいろあり、リボヌクレア
ーゼH以外でもよい。
【0031】図3Fは核酸試料に加えたリボヌクレアー
ゼHを失活させる処理を示す図、図3Gは核酸試料から
プローブ担体3をDNA分解酵素などを使用して除去す
る処理を示す図である。
【0032】このように複数のプローブ担体を用いるこ
とによりより、より確実に除去遺伝子とプローブ担体と
を結合させることが可能となるから、結果として、効率
よく除去遺伝子を除くことが出来る。もちろんプローブ
担体の種類は2種類に限らず、もっと多くのものとして
も良い。
【0033】この実施例におけるプローブも前述したも
のと同様である。
【0034】図4A−図4Eに示す例の場合:次いで、
図2A−図2Gのようにして調製した核酸試料であるm
RNAからcDNAを合成する手法を説明する。
【0035】図4Aは上述した方法で調製した核酸試料
の状態を示す図である。すなわち、複数種類のmRNA
である微量遺伝子1と除去遺伝子2の3’末端付近を分
解された除去遺伝子4が混在している。
【0036】図4Bはこの核酸試料にプライマーを加え
cDNA合成を行わせる処理を示す図である。ここでは
oligo(dT)プライマーを使用した例を示してい
るが、使用するプライマーは発現解析手法に依存する。
例えばディファレンシャル・ディスプレー法では、ol
igo(dT)プライマーの3’末端にA、Gあるいは
Cいずれかを、付加したものなどを使う。
【0037】図4CはcDNA合成反応が進む状態を示
す図である。cDNA合成反応は、逆転写酵素(例え
ば、GIBCO BRL社のSuper Script II RT)を用いて行
う。微量遺伝子1のcDNA合成反応は通常の通りに進
行し、cDNA5が合成されるが、プローブ担体3との
結合により、3’末端付近が分解されプライマーとの対
合部分が分離されてしまった除去遺伝子4のcDNA合
成反応は、分離された点で止まってしまい、cDNA5
を合成できない。
【0038】図4Dは、核酸試料にRNase処理を施
して、核酸試料からRNAを取り除く処理を示す図であ
る。
【0039】図4Eは、その結果、除去遺伝子2を含ま
ないcDNA5からなる核酸試料が調製された状況を示
す図である。
【0040】図3A−図3Gに示した形で得られた核酸
試料であるmRNAからcDNAを合成する手法の説明
は省略するが、図4と同様、プローブ担体3あるいは
3’により分解された位置でcDNA合成反応が停止す
ることにより、除去遺伝子2を含まないcDNAからな
る核酸試料が調製される。
【0041】上記第一の方法においては、図2D−図2
G、図3D−図3Gに示した分解反応とこれに伴う処理
過程を省略することもできる。この方法の一つは結合領
域を切断する活性を持ったプローブ担体(例えば、リボ
サイムなど)を利用することである。このような担体を
使用すれば、図2C、図3Cのように担体が結合した結
果として、図2D、図3Dの操作をしなくても、自ずと
図4Aに示す状態が実現できることになる。
【0042】図5A−図5Eに示す例の場合:図5Aは
この実施例で使用するmRNAからなる核酸試料の状態
を示す図である。図2Aと同様、核酸試料は残すべき複
数種の微量遺伝子1および除去遺伝子2とが混在したも
のである。
【0043】図5Bは、準備した核酸試料中にプローブ
担体を加える処理を示す図である。プローブ坦体3は、
除去遺伝子2の3’末端付近と結合する配列をもちTm
(融解温度)がcDNA合成プライマーと少なくとも同
等、理想的には高くなるように設計したものでなおかつ
伸長反応を防ぐために3’末端を修飾したものを用意す
る。材質は、DNA(DNAはそのままでは分解される
ので、たとえば、phosphorothioatesなどで修飾する必
要がある)あるいは類似体、例えばPNA(ペプチド核
酸)とし配列に対する特異性が高く、逆転写酵素に分解
されないものであれあばよく、3’末端の修飾は、デオ
キシ化やアミノ化などで実現できる。また、この場合で
も、図2Bに関して説明したと同様のプローブとするの
が良いことは言うまでもなかろう。
【0044】図5Cは準備した核酸試料中でプローブ担
体3が除去遺伝子2に結合する様子を説明する図であ
る。この結合は図2Cで説明したと同様で良い。
【0045】図5Dはこの核酸試料にプライマーを加え
cDNA合成を行わせる処理を示す図である。ここで
も、図4Bと同様、oligo(dT)プライマーを使
用した例を示しているが、合成プライマーやcDNA合
成反応の条件は前述の方法と同様、変形がありうる。
【0046】図5EはcDNA合成反応が進む状態を示
す図である。cDNA合成反応は、図4Cで説明したと
同様の条件で良い。この実施例では、除去遺伝子2は
3’末端付近にプローブ3が結合しているためcDNA
5の合成が阻害される。
【0047】図5Fは、核酸試料にRNase処理を施
して、核酸試料からRNAを取り除く処理を示す図であ
る。
【0048】図5Gは、その結果、除去遺伝子2を含ま
ないcDNAからなる核酸試料が調製された状況を示す
図である。
【0049】なお、ここでは、プローブを結合させた
(図5C)後に合成プライマーを加えた(図5D)が、
プローブ坦体3とプライマーを同時に加えた後、プロー
ブ坦体の結合条件を満たした後、cDNA合成を行って
も良い。また、結合は、水素結合の力によるが、プロー
ブ坦体3に光ラベル等を施したものを用意し、結合させ
た後光照射等で除去遺伝子と、プローブ坦体を共有結合
させても良い。また、本実施例におけるプローブ坦体3
は図2Bで説明したのと同様である。
【0050】次に、第二の方法について図6A−図6F
を参照しながら述べる。本方法の特徴は、プローブを固
相に固定することにある。核酸試料は、mRNA、firs
t strand cDNAのいずれでも行うことができる。プロー
ブの配列は除去遺伝子中のいずれの領域を対象において
も良いが、発現解析において調べる領域が予測される場
合は、同じ領域を使うほうが良い。例えば、ディファレ
ンシャル・ディスプレー法では、3’領域を解析するの
で3’領域をプローブにする。プローブを固定化する固
相としては、ビーズ、ガラスプレート、マイクロチュー
ブなど形状はいずれでも良いがプローブを高密度に固定
できる事が必要であること、表面の材質はDNAの吸着
の少ないものが良い。ここでは、ビーズを使った場合の
うち、特に磁気ビーズの場合を説明をする。
【0051】図6Aは対象とする核酸試料含む溶液12
をマイクロチューブ11に用意する処理である。この場
合でも、図2Aで説明したように、たとえば、mRNA
からなる核酸試料あるいはTotal RNAでもよ
い。そして、この核酸試料には残すべき複数種の微量遺
伝子15および除去遺伝子16とが混在する。
【0052】図6Bは、除去遺伝子2と相補関係にある
プローブ14を固定したビーズ13を用意する処理であ
る。ビーズとしては、市販されているもの、例えばダイ
ナル社のダイナビーズ、パーセプティブ社のBioMa
gなどが使用できる。固定は、例えば以下のようにして
行う。5’末をビオチンラベル化したプローブ14を合
成し、表面にストレプトアビジンがコートされているビ
ーズと緩衝液中で混合するとアビジン−ビオチン結合に
よりプローブを固定化できる。
【0053】図6Cは、マイクロチューブ11中で、準
備した固相化プローブ担体14と核酸試料12を混合
し、結合に適した条件に放置し(第一の手法での説明を
参照)、除去遺伝子16とプローブ14を特異的に結合
させる処理である。この結果、除去遺伝子16がプロー
ブ14に結合してビーズ表面に捕らえられるのに対し
て、残すべき微量遺伝子15は核酸試料中を漂遊する。
【0054】図6Dは磁石を用いてマイクロチューブ1
1の局所にビーズ群17を集める処理を示す。
【0055】図6E、図6Fはマイクロチューブ11に
はビーズ群17を残し、反応後の核酸試料を別のチュー
ブ18に移す処理を示す。
【0056】この結果マイクロチューブ18に除去遺伝
子を含まないmRNAあるいはcDNAからなる核酸試
料が回収される。
【0057】図7および図8A−図8Bは、この第二の
方法における図6D−図6Fの処理の別の実施例に有用
な装置の例を示す。
【0058】図7は、二重の膜構造を有する遠心チュー
ブとした例である。701は第1の容器で、上面には
蓋、底部には濾過膜703を備える。濾過膜703はプ
ローブ担体13を物理的あるいは化学的に保持する構造
を持つものであり、例えばポアサイズが十分大きく核酸
を透過するが、ビーズ等に固相化したプローブ担体に結
合している除去遺伝子は物理的に透過できない構造を持
ったもの、あるいは、プローブと親和性を持つ物質を使
ったもの、例えば、プローブにはビオチン標識したもの
を、膜にはストレプトアビジンがぬれているもの等が使
用できる。704は第2の容器で上部が第1の容器70
1の下部に係合し、内部に濾過膜705を備える。濾過
膜705は、核酸を保持するが水、無機塩類は透過さ
せ、核酸を濃縮できる構造のもの、例えば既存の限外ろ
過膜が使える。706は第3の容器であり、上部が第2
の容器702の下部に係合する。なお、この遠心チュー
ブの構造と類似のものに、たとえば、Amicon社製のマイ
クロピュアEZとマイクロコン等のような遠心チューブが
ある。
【0059】この三つの容器がセットになった状態で、
第1の容器701に前述した方法で得られた核酸試料を
入れ、適当な遠心力を作用させると、ビーズ等に固相化
したプローブ担体に結合している除去遺伝子16は第1
の容器701内に残り、微量遺伝子15は第2の容器7
04内に補捉される。もちろん、プローブ14で処理で
きなかった除去遺伝子は微量遺伝子15とともに、第2
の容器704内に残る。第3の容器706には、不要な
液体が集められる。
【0060】第2の容器704内に補捉された遺伝子に
は、微量遺伝子15のみならず、プローブ14で処理で
きなかった除去遺伝子も含まれるから、これに含まれる
除去遺伝子については、プローブを変えて処理すること
が必要となるが、これについては、追って説明する。
【0061】図8A−図8Bは、遺伝子の分離を遠心力
によらず、電気泳動によるものとした例であり、図8A
は断面図を、図8Bは平面図を示す。801は電気泳動
槽で、内部に濾過膜803および濾過膜805を備え
る。濾過膜803の構成は濾過膜703と同じで良い。
濾過膜805の構成は濾過膜705と同じで良い。電気
泳動槽801の内部は、濾過膜803および濾過膜80
5で仕切られた802、804および806の三つの槽
を構成する。槽802の左端部には電極811が、槽8
06の右端部には電極812がそれぞれ設けられる。そ
れぞれの電極には電源810から所定の電位が付与され
る。
【0062】槽802には前述した方法で得られた核酸
試料を入れ、槽804および806は適当な緩衝液を入
れる。槽802の核酸試料の量が少ないときは、この槽
にも、緩衝液を入れるのが良い。電源810から所定の
電位を作用させると、ビーズ等に固相化したプローブ担
体に結合している除去遺伝子16は槽802内に残り、
微量遺伝子15は槽804内に補捉される。もちろん、
プローブ14で処理できなかった除去遺伝子は微量遺伝
子15とともに、槽804内に残る。
【0063】槽804内に補捉された遺伝子には、微量
遺伝子15のみならず、プローブ14で処理できなかっ
た除去遺伝子も含まれるから、これに含まれる除去遺伝
子については、プローブを変えて処理することが必要と
なるのは、図7の場合と同じである。
【0064】図7および図8A−図8Bの構成で、第2
の容器704、槽804に遺伝子を集めるための駆動力
としては、上述の方法にかぎられず、試料溶液をポンプ
などにより物理的に移動させることによっても良い。
【0065】次に、図9を参照しながら第三の方法につ
いて述べる。本方法は、上記第一、第二の方法の除去精
度を上げる手法である。上述した説明において、1回の
処理で、すべての除去遺伝子を取り除くことが出来れば
ベストであるが、1回の処理ですべてが除去できるない
場合もありうる。複数の除去遺伝子を精度よく取り除く
ためには、それぞれの除去遺伝子の除去状態を検出しな
がら取り除くことが有効である。そこで第三の方法で
は、第一、第二の方法によって回収されたものから除去
の程度をモニターし、必要であれば更に除去の対象とな
る遺伝子を除去する過程を連続的に行うものである。
【0066】図9で示す例は、第二の方法による結果を
より高精度化する例である。901は核酸試料を準備す
る工程、902はプローブ担体と除去遺伝子とを結合さ
せる工程および903はプローブと結合しなかった遺伝
子を含む核酸試料を回収する工程であり、ここまでの工
程は、上記第二の方法と同様に行う。
【0067】次に、904はプローブに結合した遺伝子
の定量と純度の計測を行う工程であり、例えば図6A−
図6Fで説明したビーズ13を使用した方法の場合、図
6Eに示すビーズ群17(核酸試料を回収した後のビー
ズ群)に緩衝液を加え、結合している遺伝子を解離させ
るために加熱する。解離した除去遺伝子をRT−PCR
法などによって定量する。905は除去操作を繰り返す
かどうかの判断を行う工程であり、904の工程の定量
結果に応じて、除去操作の繰り返しの要否を決定する。
【0068】この判断は、回収した核酸試料中に含まれ
る除去遺伝子が微量遺伝子と同程度の濃度になるまで除
去を繰り返すことを意味している。除去操作を繰り返す
かどうかの判断は結合せずに回収された核酸試料につい
て行ってもよい。除去操作を繰り返すとの判断になった
ときは、処理902−903の工程を再度行う。除去操
作の繰り返すしと不要との判断になったとき、工程90
6に示すように、微量発現遺伝子を主体とする核酸試料
が得られる。すなわち、除去遺伝子が微量遺伝子と同程
度の濃度となれば、この核酸試料では、元々微量発現遺
伝子であった遺伝子も十分な比重を占める主要遺伝子と
なるから、電気泳動をしても、他の除去遺伝子の陰に隠
れてしまうということはなくなる。
【0069】以上のように除去遺伝子を定量しながら除
去作業を繰り返し行うことにより除去の精度が向上す
る。また、プローブ担体として、上記ビーズのかわりに
除去遺伝子をアレイ化したDNAチップを利用した場
合、除去遺伝子の定量が即時に行える。
【0070】この結果、遺伝子解析の操作は、微量発現
遺伝子を主体とする核酸試料を対象に行われることにな
るから、高精度の分析結果が得られる。
【0071】本発明の検証実験 本発明のように、微量発現遺伝子を主体とする核酸試料
を調製することの有効性を調べるため、除去遺伝子の存
在が微量遺伝子の解析に及ぼす影響を調べた。実験材料
は、両端に同じ配列を持つ10種類の大きさの異なるマ
ウスの遺伝子を用いた。10種類(分子量の大きなもの
からA−J)のうち1種類(H遺伝子)だけ存在量を変
化させた核酸試料を調製し、両端の配列を用いてディフ
ァレンシャル・ディスプレー法による解析を行った。以
下に詳細を説明する。
【0072】核酸試料の調製は、以下のように行った。
10種類の遺伝子の調製は、蛍光ディファレンシャル・
ディスプレー法(村松高道 新版 植物のPCR実験プロ
トコール 138-143 秀潤社)に従い、マウスRNAを電気泳
動で分離し、10種類の大きさの異なるA−H遺伝子を
ゲルから切りだし、ベクター(Promega社、pGEM-T vect
or System )にクローニングした。プラスミドは市販の
キット(BIO 101社、RPM kit)を用いて精製した。精製
したプラスミドを鋳型にユニバーサルプライマー(配列
表:配列番号1、2)を用いた通常の方法に従いPCR
(パーキンエルマー社、AmpliTaqおよびGeneAmp PCR Sy
stem 9600)し、A−H遺伝子をそれぞれ増幅した。P
CR産物をQIAquick PCR Purific
ation Kit(QIAGEN社)を用いて精製後、分光
器(日立製作所、U-3210)により定量した。それぞれ定
量した遺伝子を用いて、H遺伝子以外の遺伝子の存在量
は一定、H遺伝子(除去遺伝子)が1、100、50
0、1,000、5,000、10,000倍存在する試
料を絶対量を変えて2種類、合計12サンプル調製し
た。これを表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】(PCR反応による核酸試料の増幅)増幅
に使用したプライマーは以下の通りである。
【0075】anchor primer:配列表:配
列番号3 Arbitrary primer(OPERON TECHNOLOG
Y, Inc.):配列表:配列番号4 A−H遺伝子の末端には、上記プライマーの配列が等し
く存在している。また、anchor primerの
5’末端には検出のため、蛍光体(Texas-Red)が標識
してある。
【0076】PCRの反応液は、蛍光ディファレンシャ
ル・ディスプレー法に従い、以下の通り調製した。
【0077】混合液の組成は表2に示した。
【0078】
【表2】
【0079】1μlの核酸試料1〜12に表2に示した
混合液19μlをそれぞれ加え20μlとしPCR反応
液とした。PCRの温度サイクルは、最初の1サイクル
目は、94℃で3min、40℃で5minそして72
℃で5min、それ以降は、94℃で20sec、40
℃で2min、72℃で1minからなるサイクルを2
4回行った後、72℃で5min反応した。
【0080】(PCR産物の検出)PCR産物のうち
2.0μlに等量のloading buffer(9
8% formamide,10mM EDTA,0.01% Methyl violet)
を加え、80℃で2min処理しサンプルとした。サン
プルを変性アクリルアミドゲル(6%LongRanger(FMC
社)),6.1M Urea,1.2xTBE)で電気泳動し、蛍光イ
メージスキャナー(TaKaRa社、 FMBIO)で検出した。
【0081】図10に結果を示した。レーン1〜12
は、それぞれ表1で示した核酸試料1〜12のPCR反
応産物を分離したものである。レーン1〜6に対してレ
ーン7〜12は100倍量の遺伝子を含んでいる核酸試
料を解析したものである。A−Hで示すバンドがそれぞ
れの遺伝子由来の産物を示す。また、100〜800の
数字は、分子量マーカーの塩基長(bp)を示している。
【0082】レーン1、2および7、8は、H遺伝子が
等量および100倍含まれている核酸試料の反応産物で
あり、すべての遺伝子が一様に増幅されていることを示
している。一方、レーン3、4、5、6および9、1
0、11、12は、500倍以上のH遺伝子が存在する
核酸試料の結果を示しているが、核酸試料1〜6あるい
はおよび7〜12にH遺伝子を除く遺伝子が等量含まれ
ていたにもかかわらず、バンドA、B、C、D、E、
F、G、I、Jが示すように、レーン1、2および7、
8に比べバンドが明らかに薄く、均一な遺伝子の増幅が
阻害されていることを示している。
【0083】このことは、核酸試料中にAbundan
tクラスの遺伝子(H遺伝子)が存在するとRareク
ラスの遺伝子(A、B、C、D、E、F、G、I、J)
の検出が困難になることを示している。逆に、このよう
に存在量の差の大きな核酸試料から存在量の多い遺伝子
(H遺伝子)を取り除くことにより微量な遺伝子(A、
B、C、D、E、F、G、I、J)を検出することが可
能になることを示している。
【0084】さらに、レーン1〜6とレーン7〜12を
比較すると後者には、核酸試料中100倍量の遺伝子を
含んでいるにもかかわらず結果はほぼ同様である。これ
は、存在する絶対量を増やしても存在比の大きな遺伝子
が含まれているかぎり微量遺伝子の増幅を阻害すること
を示している。
【0085】この検証実験の結果によれば、微量遺伝子
の発現解析の際に存在量の多い遺伝子を取り除く核酸試
料の処理方法が有効であることを示した。本実験ではP
CRを用いた検出法で効果を調べたが、発現量の解析と
してプローブあるいはプライマーの結合を伴う手法であ
るかぎり同様な効果が得られると考えられる。
【0086】なお、冒頭に述べたように、従来遺伝子の
変異を調べる遺伝子診断が行われてきたが、近年mRN
Aの発現様式を網羅的に見るRNAプロファイリングと
疾病との関係を調べる研究が盛んに行われ始めた。近い
将来このようなRNAプロファイリングを応用した遺伝
子診断法が確立すること考えられる。RNAプロファイ
リングのサンプルとして考えられるのは、症状を呈して
いる組織であるが、現実的には組織からバイオプシーを
行いmRNAを調製することは技術的な困難と患者の苦
痛を伴う。また、期待される予防診断への応用を考えれ
ばサンプルとして末梢血を用いることが有効となる。そ
の場合、本発明を末梢血から得られた核酸試料の調製に
応用することが重要であり、以下に詳細を述べるように
このような発展は可能である。
【0087】末梢血中には、赤血球、白血球、血小板な
どの血液細胞が多く含まれており、その他の極少数の細
胞例えば癌の転移細胞などが存在する場合などが考えら
れる。こうした複数の細胞が混在する状態では、より複
雑な遺伝子発現が予想され、特に微量発現遺伝子におい
ては正確な情報を得るために発現量の差異の問題を解決
することが重要である。以上の理由から本発明はこのよ
うな末梢血における遺伝子診断を目的とした遺伝子発現
解析に有効である。主な血液細胞の種類と数は、細胞の
分子生物学第3版(教育社)p1164に示されている
がこのうち解析の対象となるものは、核を持たない赤血
球や血小板を除いた白血球である。前述のデータベース
BodyMapには、顆粒球(Granulocyt
e)、T細胞(CD+4Tcell、CD+8Tcel
l)など主な種類の白血球細胞における発現遺伝子の種
類と発現量が調べられている。BodyMapでは、各
組織から調製した500〜1000のcDNAをランダ
ムにシーケンスしその出現頻度から遺伝子発現を調べて
いる。1細胞中に発現している総遺伝子が約300,0
00とすると出現頻度が1の場合で約300〜600コ
ピーの遺伝子発現に相当する。そこで末梢血の遺伝子診
断には、除去遺伝子を顆粒球(Granulocyt
e)、T細胞(CD+4Tcell、CD+8Tcel
l)データベースから出現頻度2以上(600〜120
0コピー)の遺伝子とし本発明を適用できる。また、本
発明により調製した末梢血の核酸試料は、レトロウイル
スなどRNAをゲノムに持つ感染症の高感度な診断など
本来ゲノム上に存在しない遺伝子にも応用できる。その
ような場合、診断薬としてあらかじめ必要となるプロー
ブや試薬等を用意したキットを提供することが出来る。
【0088】本発明は、今後重要となる微量遺伝子の同
時計測を可能とする核酸試料の調製法およびこれを基礎
にした高分解能の分析方法を提供するものであり、これ
までの微量遺伝子解析の多くが検出の特異性を挙げる方
法であるのに対して多量に存在する遺伝子を取り除くと
いう新規な方法である。したがって、本発明により核酸
試料から微量遺伝子の解析に適した核酸試料を提供する
ことが出来るから、本発明を遺伝子分析サービスの形で
実施することにより、サービスの利用者は前処理として
の多量に存在する遺伝子の除去作業の手間を省いた効率
良い分析を行うことが出来る。
【0089】
【発明の効果】本発明により、微量遺伝子の解析に適し
た核酸試料の調製方法およびこれを基礎にした高分解能
の分析方法が提供される。
【0090】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列:AAAGGGGGAT GTGCTGCAAG GCG 配列番号:2 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列:GCTTCCGGCT CGTATGTTGT GTG 配列番号:3 配列の長さ:17 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列:GTTTTTTTTT TTTTTTG 配列番号:4 配列の長さ:10 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列:GGTCTGGTTG
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による微量遺伝子を解析するための解析
方法の基本手順を示す図。
【図2】(a)−(g)は、図1で説明した解析の対象
となる核酸試料から微量遺伝子を主体とする核酸試料を
得る五つの工程のうちの後半の三つの工程の一つの実施
例のフローの一部を示す図。
【図3】(a)−(g)は、図1で説明した解析の対象
となる核酸試料から微量遺伝子を主体とする核酸試料を
得る五つの工程のうちの後半の三つの工程の他の実施例
のフローの一部を示す図。
【図4】(a)−(e)は、図2または図3に続く残り
の工程のフローを示す図。
【図5】(a)−(g)は、図2に示す実施例の一部を
変更した実施例のフローを示す図。
【図6】(a)−(f)は、図2で説明した核酸試料か
ら微量遺伝子を主体とする核酸試料を得る五つの工程の
うちの後半の三つの工程の他のの実施例のフローの一部
を示す図。
【図7】本発明の実施例におけるプローブに結合しなか
った核酸試料の回収に有用な装置の一例の断面を示す
図。
【図8】(a)および(b)は本発明の実施例における
プローブに結合しなかった核酸試料の回収に有用な装置
の一例の断面と使用法および平面を示す図。
【図9】本発明の実施例である解析の対象となる核酸試
料から微量遺伝子を主体とする核酸試料を得る工程の他
の実施例のフローを示す図。
【図10】本発明の効果を検証するためのアクリルアミ
ドゲル電気泳動の結果を示す写真。
【符号の説明】
100−400:本発明の処理過程、1:残すべき微量
遺伝子、2:除去遺伝子、3:除去遺伝子の3’末端付
近と結合する配列をもつDNAあるいは類似体、4:除去
遺伝子2の3’末端付近が分解された遺伝子、11,1
9:マイクロチューブ、13:プローブ担体(ビー
ズ)、14:プローブ、17:除去遺伝子、16:残す
べき微量遺伝子、18:ビーズ、701:第1の容器、
703:濾過膜、704:第2の容器、705:濾過
膜、706:第3の容器、801:電気泳動槽、80
3:濾過膜、805:濾過膜、802、804および8
06:濾過膜803および濾過膜805で仕切られた三
つの槽、810:電源、811,812:電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木山 政晴 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内 (72)発明者 入江 隆史 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地株 式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 岡野 和宣 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地株 式会社日立製作所中央研究所内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】核酸試料を処理する方法であって、解析さ
    れるための複数種類の配列をもつ核酸試料と、上記核酸
    試料の一部の配列と特異的に結合する既知の配列を持つ
    一種類または複数種のプローブ担体とを準備し、上記核
    酸試料と上記プローブ担体を混合し結合せしめ、次に上
    記プローブ担体に結合しなかった上記核酸試料を回収す
    ることからなる核酸調製方法。
  2. 【請求項2】核酸試料を処理する方法であって、解析さ
    れるための複数種類の配列をもつ核酸試料と、上記核酸
    試料の一部の配列と特異的に結合する既知の配列を持つ
    一種類または複数種のプローブ担体とを準備し、上記核
    酸試料と上記プローブ担体を混合し結合せしめ、次に上
    記プローブ担体に結合した配列を分解酵素あるいは酵素
    活性を持つプローブ担体自身を用いて処理することによ
    り、上記プローブ担体と結合しなかった上記核酸試料あ
    るいは上記核酸試料を基に合成した核酸試料を回収する
    ことからなる核酸調製方法。
  3. 【請求項3】核酸試料を処理する方法であって、解析さ
    れるための複数種類の配列をもつ核酸試料と、上記核酸
    試料の一部の配列と特異的に結合する既知の配列を持ち
    かつ3’末から合成反応が行われないような構造を持つ
    とともに分解反応に耐性を持った一種類または複数種の
    プローブ坦体とを準備し、上記核酸試料と上記プローブ
    坦体を混合し結合せしめ、次に上記核酸試料を基に核酸
    試料を合成した核酸試料を回収することからなる核酸調
    製法。
  4. 【請求項4】プローブ担体をビーズあるいは基板上など
    の固相に固定する請求項1または2記載の核酸調製方
    法。
  5. 【請求項5】プローブ担体に結合した遺伝子の定量およ
    び純度の計測を行い核酸調製操作の繰り返しの要否を決
    定する請求項1または2記載の核酸調製方法。
  6. 【請求項6】プローブ担体がビーズあるいは基板上など
    の固相である請求項5記載の核酸調製方法。
  7. 【請求項7】解析の対象となる核酸試料を準備する過
    程、核酸試料中において一つあるいは複数の存在量が多
    い遺伝子を上記遺伝子と特異的に結合するプローブ担体
    を上記核酸試料に混合し結合せしめて除去する過程およ
    び結合しなかった核酸試料を回収することにより微量遺
    伝子を得る過程より得られたことを特徴とする核酸試
    料。
  8. 【請求項8】解析されるための複数種類の配列をもつ核
    酸試料と、上記核酸試料の一部の配列と特異的に結合す
    る既知の配列を持つ一種類または複数種のプローブ担体
    とを準備し、上記核酸試料と上記プローブ担体を混合し
    結合せしめ、次に上記プローブ担体に結合した配列を分
    解酵素あるいは酵素活性を持つプローブ担体自身を用い
    て処理することにより、上記プローブ担体と結合しなか
    った上記核酸試料あるいは上記核酸試料を基に合成した
    核酸試料を回収して得られた核酸試料。
  9. 【請求項9】解析の対象となる核酸試料を準備する過
    程、核酸試料中において一つあるいは複数の存在量が多
    い遺伝子を上記遺伝子と特異的に結合するプローブ担体
    を上記核酸試料に混合し結合せしめて除去する過程およ
    び結合しなかった核酸試料を回収することにより微量遺
    伝子を得る過程を経て得られたことを特徴とする核酸試
    料。
  10. 【請求項10】解析の対象となる核酸試料を準備する過
    程、核酸試料中において一つあるいは複数の存在量が多
    い遺伝子を上記遺伝子と特異的に結合するプローブ担体
    を上記核酸試料に混合し結合せしめて除去する過程、結
    合しなかった核酸試料を回収することにより微量遺伝子
    を得る過程および微量遺伝子を解析する過程よりなるこ
    とを特徴とする遺伝子解析方法。
  11. 【請求項11】解析の対象となる核酸試料中の一つある
    いは複数の存在量が多い遺伝子と特異的に結合するプロ
    ーブ担体の合成方法であって、3’末端ヌクレオチドの
    3’に水酸基が生じないような樹脂結合ヌクレオシドを
    用いたプローブ合成方法。
  12. 【請求項12】解析の対象となる核酸試料を準備し、核
    酸試料中において一つあるいは複数の存在量が多い遺伝
    子を上記遺伝子と特異的に結合するプローブ担体を上記
    核酸試料に混合し結合せしめて除去し、結合しなかった
    核酸試料を回収することにより微量遺伝子を得て、微量
    遺伝子を解析するための遺伝子解析に使用するための、
    プローブ担体に結合した核酸試料を除去する装置であっ
    て、二つの濾過部分を持ち、第1の濾過部分には、プロ
    ーブ担体に結合した核酸を物理的あるいは化学的に保持
    する構造を持ち、第2の濾過部分には核酸を保持するが
    水、無機塩類は透過させ、核酸を濃縮できる構造を持っ
    たプローブ担体に結合した核酸試料を除去する装置。
  13. 【請求項13】第1の濾過部分から第2の濾過部分に核
    酸を移動させるために、該核酸に電気泳動による力を作
    用させるための構造を有する請求項12記載のプローブ
    担体に結合した核酸試料を除去する装置。
  14. 【請求項14】核酸試料を受領すること、該核酸試料中
    において一つあるいは複数の存在量が多い遺伝子を上記
    遺伝子と特異的に結合するプローブ担体を上記核酸試料
    に混合し結合せしめて除去すること、結合しなかった核
    酸試料を回収することにより微量遺伝子を主体とする核
    酸試料を得ることおよび該微量遺伝子を主体とする核酸
    試料を提供することを特徴とする遺伝子解析サービス。
  15. 【請求項15】解析の対象となる核酸試料を準備する過
    程、核酸試料中において一つあるいは複数の存在量の多
    い遺伝子を上記遺伝子と特異的に結合するプローブ担体
    と上記核酸試料を混合し結合せしめて除去する過程およ
    び結合しなかった核酸試料を回収する過程を実行するた
    めの試薬キットであって、該キットは存在量の多い遺伝
    子と結合する配列を持ったプローブ担体を構成要素とす
    る試薬キット。
  16. 【請求項16】解析の対象となる核酸試料を準備する過
    程、核酸試料中において一つあるいは複数の存在量の多
    い遺伝子を上記遺伝子と特異的に結合するプローブ担体
    と上記核酸試料を混合し結合せしめ次に結合部分を分解
    酵素て除去する過程および結合しなかった核酸試料を回
    収する過程を実行するための試薬キットであって、該キ
    ットは存在量の多い遺伝子と結合する配列を持ち、3
    ‘末からの伸長反応ができないような構造を持ったプロ
    ーブ担体を構成要素とする試薬キット。
  17. 【請求項17】解析の対象となる核酸試料を準備する過
    程、核酸試料中において一つあるいは複数の存在量の多
    い遺伝子を上記遺伝子と特異的に結合するプローブ担体
    と上記核酸試料を混合し結合せしめ次に結合部分を分解
    酵素て除去する過程および結合しなかった核酸試料を回
    収する過程を実行するための試薬キットであって、該キ
    ットは存在量の多い遺伝子と結合する配列を持ち、3
    ‘末からの伸長反応ができないような構造を持ち、核酸
    と結合した部位を分解する活性を有するプローブ担体を
    構成要素とする試薬キット。
  18. 【請求項18】解析の対象となる核酸試料を準備する過
    程および核酸試料中において一つあるいは複数の存在量
    の多い遺伝子を上記遺伝子と特異的に結合するプローブ
    担体と上記核酸試料を混合し結合せしめ次に上記核酸試
    料を基に合成した核酸試料を回収する過程を実行するた
    めの試薬キットであって、該キットは存在量の多い遺伝
    子と結合する配列を持ち、3‘末からの伸長反応ができ
    ないような構造を持ち、分解反応に耐性を持ったプロー
    ブ担体を構成要素とする試薬キット。
JP11138051A 1998-05-20 1999-05-19 微量遺伝子解析のための核酸試料調製方法、調製された核酸試料およびこれを利用した核酸試料解析方法およびこれを利用するための試薬キットおよび解析サ―ビス Pending JP2000037193A (ja)

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JP2010051195A (ja) * 2008-08-26 2010-03-11 Hitachi High-Technologies Corp 高発現遺伝子由来のcDNAクローンの含有率を低減させたcDNAライブラリーの作製方法

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