JP2000035574A - 平面照明装置および反射型液晶表示装置 - Google Patents

平面照明装置および反射型液晶表示装置

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JP2000035574A
JP2000035574A JP10202044A JP20204498A JP2000035574A JP 2000035574 A JP2000035574 A JP 2000035574A JP 10202044 A JP10202044 A JP 10202044A JP 20204498 A JP20204498 A JP 20204498A JP 2000035574 A JP2000035574 A JP 2000035574A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平面照明装置からの光や外光および反射型液
晶体からの反射光を忠実に伝送して鮮明で眩しくない画
像を得るとともに、振動、圧力やショック等を三次元的
に分散させて衝撃力を吸収する。 【解決手段】 導光板2と光源3を備えた平面照明装置
と反射型液晶表示体5との間に、緩衝性および防振性を
有する無色透明な膠化体4を密着して設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モバイル情報機器
等に用いられる反射型液晶表示装置において、昼間や夜
間を問わずに全日性の利用可能な平面照明装置(いわゆ
るフロントライト)を緩衝性および防振性の有する膠化
体を用いて野外等での振動やショック等の伴う使用環境
に対応させた平面照明装置および反射型液晶表示装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の反射型液晶表示体および反射型液
晶表示装置の平面照明装置として、特開平9−3113
33号公報に開示されるように、導光板の下面部に特定
の角度範囲の入射光のみを散乱透過させるような特性を
持つ高分子フィルムを貼り付け、この高分子フィルムの
表面を液晶表示面に接面させたものが知られている。
【0003】また、本件出願人は、導光板の表面に微細
な凸状や凹状の形状を設けて光源光のみを導光板の下面
部に出射し、外光や反射型液晶表示体からの反射光等を
透過できるドット一体化導光板を直接反射型液晶表示体
に接触または近接させたものを出願している(特願平9
−367878号)。
【0004】さらに、特開平9−50032号公報に開
示されるように、光拡散効果の目的でバックライトに用
いる反射シートとバックライトとの間に透明な両面接着
シートの厚みをコントロールして光むらを解消するもの
が知られている。
【0005】また、特開平8−262438号公報に開
示されるように、バックライト上に用いるレンズシート
もしくは拡散シートとバックライトとの間に透明な両面
接着シートを設け、界面反射を低減させて照射光の光量
を増加させるものも知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、反射型液晶
表示体の表示面を上方から照射する平面照明装置(いわ
ゆるフロントライト)は、平面照明装置と反射型液晶表
示体の表示面との間に空隙があると収差が現れてしま
う。このため、平面照明装置と反射型液晶表示体との間
隙を小さくするようにされている。
【0007】ところが、特開平9−311333号公報
に開示されるように、導光板の下面部に特定の角度範囲
の入射光のみを散乱透過させるような特性を持つ高分子
フィルムを貼り付け、反射型液晶表示体の表示面を上方
から照射する平面照明装置では、導光板に貼った高分子
フィルムの表面を反射型液晶体の表示面に接面させるた
めに互いの表面に傷がつきやすい。特に、高分子フィル
ムに傷が付いた場合には、フロントライト自体の特性、
生命を失ってしまう課題がある。
【0008】また、特願平9−367878号のよう
に、外光や反射型液晶表示体からの反射光等を透過で
き、光源光のみを導光板の下面部に出射するドット一体
型の導光板を直接反射型液晶表示体に接触または近接さ
せる構成では、導光板の表面に微細な凸状や凹状の形状
を設けているので、モバイル携帯情報機器等のような使
用環境が屋外中心の場合、落下等により微細な凸状形状
を損傷してしまう恐れや反射型液晶表示体に外部からの
ショックや外力等を与えてしまう課題がある。
【0009】さらに、特開平9−50032号公報に開
示されるように、光拡散効果の目的でバックライトに用
いる反射シートとバックライトとの間に透明な両面接着
シートの厚みをコントロールして光むらを解消する構成
では、目的が光むらであるが、両面接着シートでは接着
剤の厚さをコントロールすることが困難であるととも
に、平面光源としての光は微妙に変化してしまう課題が
ある。
【0010】また、特開平8−262438号公報に開
示されるように、バックライト上に用いるレンズシート
もしくは拡散シートとバックライトとの間に透明な両面
接着シートを設ける構成も、目的は異なるものの、両面
接着シートを光学的に使用する場合に、接着剤を潰すよ
うにある程度の圧力を加えて接着面の空気層を無くす必
要があり、両面接着シートをスライドさせて接着させた
場合には接着剤が方向性を持ってしまい、光に影響を与
えてしまう課題がある。
【0011】さらに、導光板と反射型液晶表示体との間
に空隙を設けることを目的として、導光板を固定化する
ためにビスや部分的に押さえるような外部から圧力を加
える場合には、導光板に異常な輝線が現れてしまい、特
にフロントライトのように直接視覚に使用するものには
決定的な欠陥となってしまう課題がある。
【0012】そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的は平面照明装置と反射型液
晶表示体との間に緩衝性および防振性の有する透明な膠
化体を設け、光学的には平面照明装置からの光や外光お
よび反射型液晶表示体からの反射光を忠実に伝送し、機
械的には平面照明装置に加わる振動、圧力やショック等
を三次元的に分散させて衝撃力を吸収して反射型液晶表
示体に与えないようにすることのできる平面照明装置お
よび反射型液晶表示装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】次に、上記の課題を解決
するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照し
て説明する。請求項1の発明は、反射型液晶表示体5の
表示面に上面から投射する平面照明装置において、前記
反射型液晶表示体5の表示面に密着される透明の膠化体
4を下面部に設けたことを特徴とする。
【0014】請求項1の発明に係る平面照明装置は、透
明の膠化体4を下面部に設けて反射型液晶表示体5の表
示面に密着されるので、反射型液晶表示体5に対して光
をもれなく照射できるとともに、外光および反射型液晶
表示体5からの反射光を透過できる。
【0015】請求項2の発明は、請求項1の平面照明装
置において、前記膠化体4は、前記平面照明装置からの
光や外光および前記反射型液晶表示体5からの反射光を
忠実に伝送するように屈折率が約1.4〜1.7からな
り、前記平面照明装置から前記反射型液晶表示体5にか
かる圧力を三次元的に分散させるように圧縮永久歪率が
3〜5%からなり、且つ外部からの衝撃力を吸収するよ
うにJIS K2207に準拠する測定方法での針入度
が100〜170(10〜17mm)の硬度を有するこ
とを特徴とする。
【0016】請求項2の発明に係る平面照明装置によれ
ば、反射型液晶表示体5に圧力を与えずに平面照明装置
を反射型液晶表示体5に常に密着でき、平面照明装置や
外光等からの光を外部に漏らさずに最大限に有効利用で
きるとともに、外部からの振動や圧力およびショック等
を反射型液晶表示体5に与えないようにすることができ
る。
【0017】請求項3の発明は、請求項1又は2の平面
照明装置において、前記膠化体4は、厚さ0.5〜10
mmの範囲において前記反射型液晶表示体の表示面に密
着して設けられることを特徴とする。
【0018】請求項3の発明に係る平面照明装置によれ
ば、厚さ0.5〜10mmの範囲において反射型液晶表
示体5の表示面に密着して設けられる膠化体4により、
わずかな厚さで外力を吸収して反射型液晶表示体5に与
えないようにすることができる。
【0019】請求項4の発明に係る反射型液晶表示装置
1は、反射型液晶表示体5と、所定の光を出射する光源
3と、前記光源3の側端面に設けられ、前記光源3から
の光のみを偏向および拡散し他の光は透過して前記反射
型液晶表示体5の表示面に光を出射する導光板2と、前
記反射型液晶表示体5と前記導光板2との間に密着して
設けられた透明の膠化体4とを備えたことを特徴とす
る。
【0020】請求項4の発明に係る反射型液晶表示装置
1によれば、収差も現れずに光を目的に合わせ忠実に伝
送し、反射型液晶表示体5や平面照明装置に振動等の外
力を吸収することができる。
【0021】請求項5の発明は、請求項4の反射型液晶
表示装置1において、前記膠化体4は、前記導光板2か
らの光や外光および前記反射型液晶表示体5からの反射
光を忠実に伝送するように屈折率が約1.4〜1.7か
らなり、前記導光板2から前記反射型液晶表示体5にか
かる圧力を三次元的に分散させるように圧縮永久歪率が
3〜5%からなり、且つ外部からの衝撃力を吸収するよ
うにJIS K2207に準拠する測定方法での針入度
が100〜170(10〜17mm)の硬度を有するこ
とを特徴とする。
【0022】請求項5の発明に係る反射型液晶表示装置
1によれば、反射型液晶表示体5に圧力を与えずに平面
照明装置を反射型液晶表示体5に常に密着でき、平面照
明装置や外光等からの光を外部に漏らさずに最大限に有
効利用できるとともに、外部からの振動や圧力およびシ
ョック等を反射型液晶表示体5に与えないようにするこ
とができる。
【0023】請求項6の発明は、請求項4又は5の反射
型液晶表示装置1において、前記膠化体4は、厚さ0.
5〜10mmの範囲において前記反射型液晶表示体5と
前記導光板2との間に密着して設けられることを特徴と
する。
【0024】請求項6の発明に係る反射型液晶表示装置
1によれば、厚さ0.5〜10mmの範囲において反射
型液晶表示体5と導光板2との間に密着して設けられる
膠化体4により、軽量で厚みもあまり変化せずに光をも
れなく透過できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。本発明は平面照明装置(いわ
ゆるフロントライト)と反射型液晶表示体との間に緩衝
性や防振性等を有する透明な膠化体を用いることによ
り、光学的および機械的に安定性と信頼性のある平面照
明装置および反射型液晶表示装置を提供するものであ
る。
【0026】図1は、本発明に係る平面照明装置を含む
反射型液晶表示装置の断面図である。反射型液晶表示装
置1は、例えば使用環境が屋外中心のモバイル情報機器
等の表示パネルに用いて最適なものであり、導光板2と
光源3とからなる平面照明装置(フロントライト)と、
膠化体4と、反射型液晶表示体5とを備えて概略構成さ
れる。
【0027】まず、ここでの導光板は、いわゆるフロン
トライト用のものであり、表面部には例えば椀状、多角
錐、多角柱、円柱、円錐台、楕円柱および楕円錐台等の
凸状部および/または凹状部が整列もしくはランダムに
設けられている。そして、導光板は、夜間のような外光
がない時に、光源からの光を上面部には出射せずに下面
部から反射型液晶表示体に対して概略垂直に出射してい
る。これに対し、昼間のような外光がある時には、外光
をそのまま透過して反射型液晶表示体に対し垂直に投影
して反射型液晶表示体からの反射光等を垂直に透過して
画像を認識させている。
【0028】更に説明すると、導光板2は、屈折率が
1.4〜1.7程度の透明なアクリル樹脂(PMMA)
やポリカーボネート(PC)などで形成され、上面部に
は図示しない微少の円弧状の凸部を施し、側面部近傍に
設けた光源3からの光は円弧状の凸部で反射を行い下面
部に偏向し、下面部に施した図2(a)に示すような三
角錐状の凸部2a(および/または図2(b)に示すよ
うな断面三角形状の凹部2b)で拡散等を行い、透明な
膠化体4を通して反射型液晶表示体5に出射している。
【0029】導光板2は、内部を直進した光を反入射側
2bに設けた不図示の反射シートで再度導光板2に戻
し、上面部の凸部や下面部の三角錐状の凸部2a(およ
び/または凹部2b)で再び偏向、拡散等を繰り返し、
透明な膠化体4を通して反射型液晶表示体5に出射して
いる。
【0030】光源3は、LED、レーザ等の半導体発光
素子やCFL(冷陰管)等から構成され、導光板2の側
面部近傍に設けられる。光源3は、直接光を導光板2の
側面部から導光板2内に入射し、他の光はリフレクタ3
aや図示しないケース等で反射されて導光板2内に再度
入射する。この導光板2と光源3を備えて平面照明装置
が構成される。
【0031】膠化体4は、反射型液晶表示体5の表示面
全体を覆うように無色透明の材料からなり、平面照明装
置(フロントライト)からの光や外光を外部に漏らさず
最大限有効に反射型液晶表示体5に伝送し、さらに反射
型液晶表示体5の下面部にある図示しない反射体からの
反射光を忠実に平面照明装置の導光板2に伝送する。言
い換えれば、ガラスのブロックを通して下面にある文字
や絵等の画像を見るのと同様に、入光した光(画像)を
漏らさずに周囲の外光を遮断してはっきりとした画像を
得ている。
【0032】膠化体4は、例えばシリコーン等を主体に
した柔らかいゲル状物質からなり、平面照明装置や反射
型液晶表示体5等に対してタック性が良く、よく密着す
るとともに衝撃力等を三次元的に分散する。したがっ
て、膠化体4は、わずかな厚さ(0.5〜10mm)で
衝撃を吸収する性能があり、振動減衰時間が短く微振動
まで除去することができる。
【0033】膠化体4は、JIS K2207に準拠す
る測定方法により、恒温槽にてステンレス製針の射入値
をダイヤルゲージで読み取った針入度が100〜170
(10〜17mm)の硬度を有しており、その柔らかさ
により平面照明装置と反射型液晶表示体5どうしに傷を
与えず、外部からの圧力や衝撃力に対して吸収性に優れ
ている。具体的には、外部から導光板2に加わった力を
膠化体4が吸収して反射型液晶表示体5に影響を与えな
いようにしている。
【0034】膠化体4は、JIS6301に準拠する測
定方法で得られる圧縮永久歪率が3〜5%を示してい
る。この圧縮永久歪率の値は、具体的には、70℃の雰
囲気温度で膠化体4となる材料を30%圧縮して22時
間放置し、その後、圧縮を解放して常温で30分放置後
の圧縮量に対する歪み量である。膠化体4は、上記のよ
うな3〜5%の圧縮永久歪率を示すので、一度平面照明
装置を反射型液晶表示体に装着を行えば、外部から衝撃
や圧力を受けても膠化体4の復元力により最初に設定し
た位置に戻すことができる。
【0035】膠化体4は、屈折率が約1.4〜1.7の
物質からなる。これにより、平面照明装置の導光板2の
下面方向に出射した光は、空気層に一度入射して導光板
2の屈折率(1.4〜1.7程度)から空気の屈折率
(約1.0)に変化し、光線が導光板2に平行な方向に
なるが、再度屈折率が導光板2と同程度の膠化体4に入
射し、光線も再び導光板2に垂直な方向になり、そのま
ま変化せずに出射面が膠化体4の表面となって反射型液
晶表示体5に光線を入射する。
【0036】なお、膠化体4は、無色透明に限らず、
赤、青、緑等の単色で透明性を有するもので構成しても
よい。この構成によれば、膠化体4を、光に色付けして
その光を反射型液晶表示体5に伝送するカラーフィルタ
として作用させることができる。
【0037】反射型液晶表示体5は、酸化錫や酸化イン
ジウム等で透明導電膜の表示パターンや電極等を形成し
た2枚のガラス基板にTN(Twisted Nematic )タイプ
やSTN(Super Twisted Nematic )タイプ等の電界効
果型液晶を注入したものである。
【0038】反射型液晶表示体5は、特に図示はしない
が、上面と下面にポリビニールアルコール等の薄板を一
方向に引張り、分子を長い平行線の形で配列させてヨー
ド等の塗布処理を行った偏光板を備え、さらに下面の偏
光板の下に非導電性のフィルム等にアルミニウム等の金
属蒸着したものや金属フィルムをコートしたもの、また
チタン酸バリウム等を混入やコートした樹脂さらにこれ
らフィルムや樹脂の表面に微細な凹凸加工を施した反射
体を備えている。
【0039】図2は、導光板2から膠化体4を通過した
光線の軌跡図であり、同図(a)は、導光板2の下面部
に断面が三角形の凸部2aを設けた形状に対する光線の
軌跡図、同図(b)は、導光板2の下面部に断面が三角
形の凹部2cを設けた形状に対する光線の軌跡図であ
る。
【0040】まず、導光板2の下面部に凸部2aを設け
た形状に対する光線の軌跡について説明する。導光板2
の側面部より光源3から入射した光は、導光板2の屈折
率(n=1.49)に応じて0≦入射角の絶対値≦si
-1(1/n)を満たす入射角の範囲で進行し、導光板
2の下面部で全反射を生じさせるためには、導光板2の
内部を下面部と平行方向に対する角度、即ち臨界角はφ
=42°となる。
【0041】導光板2内の臨界角の入射光I0 は、導光
板2の下面部に設けた凸部2aから空気層に出射した時
に光線Iaに示すように屈折によりやや上方に曲げら
れ、膠化体4の表面部4aに入射される。また、導光板
2の下面部から直接空気層に出射した時には同様に屈折
によりやや上方に曲げられ、さらに下面部に設けた凸部
2aで反射されてから膠化体4の表面部4aに入射され
る。
【0042】膠化体4の表面部4aに入射された光線
は、膠化体4の屈折率(n=1.49)に応じてより垂
直方向の光線Igに示すように曲げられ、膠化体4の裏
面部4bから出射して反射型液晶表示体5に入射する。
【0043】次に、導光板2の下面部に凹部2bを設け
た形状に対する光線の軌跡について説明する。図2
(a)と同様に導光板2の側面部より光源3から入射し
た光は、導光板2の屈折率(n=1.49)に応じて0
≦入射角の絶対値≦sin-1(1/n)を満たす入射角
の範囲で進行し、導光板2の下面部で全反射を生じさせ
るためには、導光板2の内部を下面部と平行方向に対す
る角度、即ち臨界角はφ=42°となる。
【0044】導光板2内の臨界角の入射光I0 は、導光
板2の下面部に設けた凹部2cから空気層に出射した時
に光線Iaに示すように屈折によりやや上方に曲げら
れ、膠化体4の表面部4aに入射される。
【0045】膠化体4の表面部4aに入射された光線
は、膠化体4の屈折率(n=1.49)に応じてより垂
直方向の光線Igに示すように曲げられ、膠化体4の裏
面部4bから出射して反射型液晶表示体5に入射する。
【0046】このように、膠化体4の存在しない場合に
は、導光板2から空気層に出射した光はそのまま(点線
で示す)の角度で反射型液晶表示体5に入射してしま
う。これに対し、本実施の形態の膠化体4を備えた構成
では、導光板2から空気層に出射した光を膠化体4でさ
らに屈折させて反射型液晶表示体5の面に対して、より
垂直に光線を膠化体4の裏面部4bから出射して反射型
液晶表示体5に照射することができるとともに、導光板
2を通しての反射型液晶表示体5からの反射光による収
差がない鮮明な画像が得られる。
【0047】図3は、本実施の形態に用いられる膠化体
4の伝達特性図および温度依存図である。なお、図3
(a)は各周波数に対応した伝達率(dB)を示す。ま
た、図3(b)は温度に対する複素剪断弾性率(Pa)
を示す。
【0048】膠化体4は、図3(a)に示すように、J
IS K2207に準拠する測定方法での針入度が10
0〜170(10〜17mm)程度の柔らかな硬度によ
り、平面照明装置に外部から受けた衝撃等を柔らかく受
け、その力を留めずにすぐに伝達し、特に低周波領域
(10Hz程度の振動を15dBで伝達)の伝達率にす
ぐれ、また受けた力を三次元的に分散させるために伝達
された力を急激に減衰する。
【0049】膠化体4は、JIS6301に準拠する測
定方法で得られる圧縮永久歪率が3〜5%であり、復元
性に優れ、外部から受けた衝撃や圧力に対しても元の位
置に戻る形状追従性があるので、常に定位置に平面照明
装置(フロントライト)の維持ができるとともに、振動
減衰時間が短く微振動に対する振動も吸収することがで
きる。
【0050】膠化体4は、シーゲル(株)製のαタイプ
と類似なものを用い、図3(b)に示すように、温度−
20℃〜100℃までの範囲において温度が変わっても
損失率が無く(損失係数tanδ=1.5〜1程度)、
同様に複素剪断弾性率等(複素剪断弾性率Pa=3.5
×104 〜4×104 程度)の動的粘弾性(柔らかさ、
防振特性、反発弾性等)が変わらず安定に定位置に平面
照明装置(フロントライト)の維持ができる。これによ
り、本実施の形態の平面照明装置および反射型液晶表示
装置を例えばカーナビゲーションシステムの表示パネル
として自動車に搭載した場合、外光により車温が上昇し
ても支障を来すことなく使用することができる。
【0051】このように、膠化体4は、平面照明装置等
に外部からの衝撃等を柔らかく受け、伝達率にすぐれ、
力を留めずに受けた力を三次元的に分散させるとともに
復元性にも優れている。さらに、損失率や複素剪断弾性
率等の温度依存性がないので、モバイル情報機器や自動
車搭載等に用いられる反射型液晶表示装置における振動
や温度変化等の使用環境に対応できる。
【0052】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
に係る平面照明装置は、反射型液晶表示体の表示面に密
着される透明の膠化体を下面部に設けたので、反射型液
晶表示体の表示面に対して光をもれなく照射できるとと
もに、外光および反射型液晶表示体からの反射光を透過
できる。これにより、表示情報等の画像を忠実に伝送
し、眩しくなく明るい画像が得られる。
【0053】請求項2に係る平面照明装置の膠化体は、
前記平面照明装置からの光や外光および前記反射型液晶
表示体からの反射光を忠実に伝送するように屈折率が約
1.4〜1.7からなり、前記平面照明装置から前記反
射型液晶表示体にかかる圧力を三次元的に分散させるよ
うに圧縮永久歪率が3〜5%からなり、且つ外部からの
衝撃力を吸収するようにJIS K2207に準拠する
測定方法での針入度が100〜170(10〜17m
m)の硬度を有するので、反射型液晶表示体に圧力を与
えずに平面照明装置を反射型液晶表示体に常に密着で
き、平面照明装置や外光等からの光を外部に漏らさずに
最大限に有効利用できる。しかも、外部からの振動や圧
力およびショック等を反射型液晶表示体に与えないよう
にすることができ、形状追従性によって互いの形状に密
着できる。
【0054】請求項3に係る平面照明装置の膠化体は、
厚さ0.5〜10mmの範囲において反射型液晶表示体
の表示面に密着して設けられるので、わずかな厚さで外
力を吸収して反射型液晶表示体に与えないようにするこ
とができる。これにより、常に安定した位置を確保でき
る。
【0055】請求項4に係る反射型液晶表示装置は、反
射型液晶表示体と、所定の光を出射する光源と、前記光
源の側端面に設けられ、前記光源からの光のみを偏向お
よび拡散し他の光は透過して前記反射型液晶表示体の表
示面に光を出射する導光板と、前記反射型液晶表示体と
前記導光板との間に密着して設けられた透明の膠化体と
を備えたので、収差も現れずに光を目的に合わせ忠実に
伝送し、反射型液晶表示体や平面照明装置に振動等の外
力を吸収することができる。そして、使用環境にとらわ
れずに何処でも、何時でも鮮明な反射型液晶表示装置の
使用が可能となる。
【0056】請求項5に係る反射型液晶表示装置の膠化
体は、前記導光板からの光や外光および前記反射型液晶
表示体からの反射光を忠実に伝送するように屈折率が約
1.4〜1.7からなり、前記導光板から前記反射型液
晶表示体にかかる圧力を三次元的に分散させるように圧
縮永久歪率が3〜5%からなり、且つ外部からの衝撃力
を吸収するようにJIS K2207に準拠する測定方
法での針入度が100〜170(10〜17mm)の硬
度を有するので、反射型液晶表示体に圧力を与えずに平
面照明装置を反射型液晶表示体に常に密着でき、平面照
明装置や外光等からの光を外部に漏らさずに最大限に有
効利用できる。しかも、外部からの振動や圧力およびシ
ョック等を反射型液晶表示体に与えないようにでき、形
状追従性によって互いの形状に密着できる。
【0057】請求項6に係る反射型液晶表示装置の膠化
体は、厚さ0.5〜10mmの範囲において反射型液晶
表示体と導光板との間に密着して設けられるので、軽量
で厚みもあまり変化させずに光をもれなく透過できる。
これにより、光学的に正確な光の再現性を得ることがで
きる。
【0058】このように、反射型液晶表示体と平面照明
装置(フロントライト)の導光板との間に設けた柔らか
で圧縮永久歪率が小さく、外力を三次元的に分散する透
明な膠化体によって、外部からの衝撃や圧力を吸収する
衝撃吸収性能に優れ、タック性が良く反射型液晶表示体
と導光板とを密着させるとともに導光板の表面上に施し
た凸凹部にフィットし、さらに振動に対し振動減衰時間
が短く微振動まで除去することができる。また、外部か
ら衝撃や圧力を受けても、最初に設定した位置に戻る形
状追従性があり、常に安定した位置を確保でき、機械的
に安全であるとともに、鮮明で光学的に正確な光の再現
性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る平面照明装置を含む反射型液晶表
示装置の断面図
【図2】(a),(b)導光板から膠化体を通過した光
線の軌跡図
【図3】(a)本発明の実施した膠化体の伝達特性 (b)本発明の実施した膠化体の温度依存性
【符号の説明】
1…反射型液晶表示装置、2…導光板、2a…導光板凸
部、2b…反入射側、2c…導光板凹部、3…光源、3
a…リフレクタ、4…膠化体、4a…膠化体の表面部、
4b…膠化体の裏面部、5…反射型液晶表示体、I0
入射光、Ia…出射光線、Ig…膠化体内光線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 司 東京都多摩市永山6−22−6 日本デンヨ ー株式会社内 Fターム(参考) 2H091 FA23X FA41X

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射型液晶表示体の表示面に上面から投
    射する平面照明装置において、 前記反射型液晶表示体の表示面に密着される透明の膠化
    体を下面部に設けたことを特徴とする平面照明装置。
  2. 【請求項2】 前記膠化体は、前記平面照明装置からの
    光や外光および前記反射型液晶表示体からの反射光を忠
    実に伝送するように屈折率が約1.4〜1.7からな
    り、前記平面照明装置から前記反射型液晶表示体にかか
    る圧力を三次元的に分散させるように圧縮永久歪率が3
    〜5%からなり、且つ外部からの衝撃力を吸収するよう
    にJIS K2207に準拠する測定方法での針入度が
    100〜170(10〜17mm)の硬度を有する請求
    項1記載の平面照明装置。
  3. 【請求項3】 前記膠化体は、厚さ0.5〜10mmの
    範囲において前記反射型液晶表示体の表示面に密着して
    設けられる請求項1又は2記載の平面照明装置。
  4. 【請求項4】 反射型液晶表示体と、 所定の光を出射する光源と、 前記光源の側端面に設けられ、前記光源からの光のみを
    偏向および拡散し他の光は透過して前記反射型液晶表示
    体の表示面に光を出射する導光板と、 前記反射型液晶表示体と前記導光板との間に密着して設
    けられた透明の膠化体とを備えたことを特徴とする反射
    型液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記膠化体は、前記導光板からの光や外
    光および前記反射型液晶表示体からの反射光を忠実に伝
    送するように屈折率が約1.4〜1.7からなり、前記
    導光板から前記反射型液晶表示体にかかる圧力を三次元
    的に分散させるように圧縮永久歪率が3〜5%からな
    り、且つ外部からの衝撃力を吸収するようにJIS K
    2207に準拠する測定方法での針入度が100〜17
    0(10〜17mm)の硬度を有することを特徴とする
    請求項4記載の反射型液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記膠化体は、厚さ0.5〜10mmの
    範囲において前記反射型液晶表示体と前記導光板との間
    に密着して設けられる請求項4又は5記載の反射型液晶
    表示装置。
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