JP2000035503A - 両面レンチキュラーレンズシートの製造方法 - Google Patents

両面レンチキュラーレンズシートの製造方法

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JP2000035503A
JP2000035503A JP10203316A JP20331698A JP2000035503A JP 2000035503 A JP2000035503 A JP 2000035503A JP 10203316 A JP10203316 A JP 10203316A JP 20331698 A JP20331698 A JP 20331698A JP 2000035503 A JP2000035503 A JP 2000035503A
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active energy
energy ray
lenticular lens
lens
transparent substrate
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Akira Motonaga
彰 元永
Yukichi Konami
諭吉 小並
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明基材との密着性に優れた両面レンチキュ
ラーレンズシートを製造できる方法を提供する。 【解決手段】 第1の円筒形レンズ型と透明基材との間
に活性エネルギー線硬化性組成物を注入し、活性エネル
ギー線を照射して第1のレンチキュラーレンズを形成
し、次いで、同様にして透明基材の他方の面に第2のレ
ンチキュラーレンズを形成する製法において、第1のレ
ンチキュラーレンズの形成を200〜300nmの波長
の照射量が200mJ/cm2以下となるように活性エ
ネルギー線を照射して行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロジェクション
テレビやマイクロフィルムリーダー等の画面として用い
られる投写スクリーンに使用される両面レンチキュラー
レンズシートの製造方法に関するものであり、さらに詳
しくは透明基材とレンチキュラーレンズとの密着性に優
れた両面レンチキュラーレンズシートの製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】プロジェクションテレビやマイクロフィ
ルムリーダー等の投写スクリーンにおいては、良好な画
像を得るために、両面にレンチキュラーレンズを形成し
たレンチキュラーレンズシートが使用されている。従
来、このようなレンチキュラーレンズシートは、アクリ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、スチ
レン樹脂等の透明樹脂材料を用いて、これらの樹脂を射
出成型する方法、樹脂板とレンズ型とを当接させ、これ
を加熱加圧することによりレンズ型のレンチキュラーレ
ンズパターンを転写する押圧成型法等が知られている。
【0003】しかしながら、射出成型法においては大き
なサイズのレンチキュラーレンズシートの成型は難し
く、比較的小さなサイズのレンチキュラーレンズシート
の成型にしか使用できない。また、押圧成型法では樹脂
板およびレンズ型の加熱冷却サイクルに長時間を要する
ため、レンチキュラーレンズシートの大量生産を行うた
めには多数のレンズ型が必要となり、大型のレンチキュ
ラーレンズシートを製造するためには生産装置に莫大な
費用がかかる。
【0004】これに対して、特開平1−192529号
公報等には活性エネルギー線硬化型樹脂を平板状のレン
ズ型内に注入した後、活性エネルギー線を照射して該樹
脂を硬化させる方法等が提案されているが、活性エネル
ギー線硬化型樹脂を用いる方法は、成型時間を短縮でき
生産性が向上できるものの、レンズ型内へ樹脂液を注入
する際に泡等の巻き込み等の問題点を有しており、これ
を解決するためには、別途脱泡処理を行ったり、ゆっく
りと注入する等の方法を採用する必要があり、大量生産
には未だ十分なものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】また、画像の高精細度
化への要求が高まってきており、両面レンチキュラーレ
ンズシートにおいてもレンチキュラーレンズのファイン
ピッチ化が求められてきており、特開平1−15962
7号公報や特開平3−64701号公報等では、紫外線
硬化性組成物を円筒状のレンズ型を用いて透明基材の両
面にレンチキュラーレンズを連続的に形成する方法が提
案されている。
【0006】このような両面レンチキュラーレンズシー
トの製造方法においては、まず透明基材の一方の面に第
1のレンチキュラーレンズを形成し、次いで他方の面に
第2のレンチキュラーレンズが形成される。そして、透
明基材とレンチキュラーレンズの密着性を向上させるた
めに、易接着層が両面に形成された透明基材が使用され
ている。しかしながら、このような製造方法によって両
面レンチキュラーレンズシートを製造する場合には、円
筒状のレンズ型と透明基材との間に紫外線硬化性組成物
を注入し、透明基材を通して紫外線を照射し紫外線硬化
性組成物の硬化・賦型を行うため、第1のレンチキュラ
ーレンズを形成する際に透明基材の未賦型面に紫外線が
照射され、この面に形成されている易接着層が劣化し、
第2のレンチキュラーレンズを形成する際に透明基材と
の密着性が低下し、十分な接着ができなかったり、接着
強度が弱く容易に第2のレンチキュラーレンズ層の剥離
が発生するという問題点を有していた。そこで、本発明
の目的は、両面に形成された両方のレンチキュラーレン
ズの透明基材との密着性が優れた両面レンチキュラーレ
ンズシートを製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記のよ
うな従来の問題点を解決するために、透明基材に形成さ
れた易接着層の劣化について検討を行い、照射する紫外
線等の活性エネルギー線のうち200〜300nmの短
波長のものが易接着層の劣化の原因であることを見出
し、本発明に到達したものである。
【0008】すなわち、本発明の両面レンチキュラーレ
ンズシートの製造方法は、第1のレンチキュラーレンズ
パターンが形成された第1の円筒形レンズ型のレンズパ
ターン形成面と透明基材との間に活性エネルギー線硬化
性組成物を注入する工程、透明基材を通して200〜3
00nmの波長範囲の活性エネルギー線の照射量が20
0mJ/cm2 以下となるようにして活性エネルギー線
を照射して活性エネルギー線硬化性組成物を硬化し透明
基材の一方の面に第1のレンチキュラーレンズを形成す
る工程、第2のレンチキュラーレンズパターンが形成さ
れた第2の円筒形レンズ型のレンズパターン形成面と透
明基材との間に活性エネルギー線硬化性組成物を注入す
る工程、透明基材を通して活性エネルギー線を照射して
活性エネルギー線硬化性組成物を硬化し透明基材の他方
の面に第2のレンチキュラーレンズを形成する工程から
なることを特徴とするものである。
【0009】このような本発明は、第1のレンチキュラ
ーレンズを形成する際に、200〜300nmの波長範
囲の照射量が200mJ/cm2 以下となるように活性
エネルギー線の照射を行うことにより、透明基材の未賦
型面に形成された易接着層の劣化を招くことなく、活性
エネルギー線硬化性組成物の硬化および第2のレンチキ
ュラーレンズの賦型を行うことができ、第2のレンチキ
ュラーレンズを透明基材との密着性を損なうことなく形
成できる。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、本発明の製造方法によって
得られる両面レンチキュラーレンズシートについて、図
1を参照して説明する。図中、(a)と(b)は、それ
ぞれ出射面側に形成されたレンチキュラーレンズの形状
が異なる例である。(a)は、出射面側に形成されたレ
ンチキュラーレンズ単位間の谷部に光吸収層を形成した
ものである。(b)は、出射面側に形成されたレンキュ
ラーレンズ単位間に凸部を形成して、その凸部の上面に
光吸収層を形成したものである。
【0011】図1に示したように、本発明の製造方法に
よって得られる両面レンチキュラーレンズシートは、予
め両面に易接着層4、4’が形成されている透明基材1
の一方の面に第1のレンチキュラーレンズ単位が形成さ
れた第1のレンズ部2が活性エネルギー線硬化樹脂によ
り形成され、他方の面に第2のレンチキュラーレンズレ
ンズ単位が形成された第2のレンズ部3が活性エネルギ
ー線硬化樹脂により形成され、出射面側に位置する第1
のレンズ部2には、各レンチキュラーレンズ単位間に光
吸収層が形成されている。また、透明基材1と第1およ
び第2レンズ部2、3の間には、活性エネルギー線硬化
性組成物の硬化時の重合収縮によるレンズ形状の変形を
抑止する目的で、厚さ5〜1000μmの緩和層を形成
してもよい。緩和層は、透明基材1とレンズ単位の谷部
との間に設けられるものであり、通常は、レンズ部2、
3と同一の活性エネルギー線硬化性組成物で一体的に形
成される。本発明においては、レンズ部2、3の厚さは
50〜1000μm程度、レンズ単位のピッチは50〜
1000μm程度とすることが好ましい。特に、活性エ
ネルギー線硬性組成物でレンチキュラーレンズを形成す
る本発明においては、ファインピッチの両面レンチキュ
ラーレンズシートに適しており、レンズ単位のピッチが
50〜500μmの範囲であることが好ましく、さらに
好ましくは50〜400μmの範囲である。
【0012】また、本発明で使用される透明基材1は、
紫外線、電子線等の活性エネルギー線を透過する材料で
あれば特に限定されず、柔軟な硝子板等を使用すること
もできるが、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポ
リカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリメタク
リルイミド系樹脂等の透明樹脂シートやフィルムが好ま
しい。特に、表面反射率の低いポリメチルメタクリレー
ト、ポリメチルアクリレートとポリフッ化ビニリデン系
樹脂との混合物、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル系樹脂からなるもの
が好ましい。透明基材2の厚さは、その用途によっても
異なるが、50μm〜5mm程度の範囲のものが使用さ
れる。なお、透明基材1には、活性エネルギー線硬化樹
脂からなるレンズ部2、3と透明基材1との密着性を向
上させるために、その表面に易接着層4、4’が形成さ
れている。透明基材1の表面に形成される易接着層4、
4’としては、活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物
との密着性を確保できるものであれば特に限定されるも
のではなく、例えば、アクリル系易接着コーティング組
成物、ウレタン系易接着コーティング組成物等を塗布し
たものが挙げられる。
【0013】レンズ部2、3および緩和層を形成する活
性エネルギー線硬化性組成物としては、紫外線、電子線
等の活性エネルギー線で硬化可能なものであれば特に限
定されるものではないが、例えば、ポリエステル類、エ
ポキシ系樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート、エ
ポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリ
レート等の(メタ)アクリレート系樹脂等が挙げられ
る。中でも、(メタ)アクリレート系樹脂がその光学特
性等の観点から特に好ましい。このような硬化樹脂に使
用される活性エネルギー線硬化性組成物としては、取扱
い性や硬化性等の点で、多価アクリレートおよび/また
は多価メタクリレート(以下、多価(メタ)アクリレー
トと記載)、モノアクリレートおよび/またはモノメタ
クリレート(以下、モノ(メタ)アクリレートと記
載)、および活性エネルギー線による光重合開始剤を主
成分とすものが好ましい。代表的な多価(メタ)アクリ
レートとしては、ポリオールポリ(メタ)アクリレー
ト、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、エポキシ
ポリ(メタ)アクリレート、ウレタンポリ(メタ)アク
リレート等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種
以上の混合物として使用される。また、モノ(メタ)ア
クリレートとしては、モノアルコールのモノ(メタ)ア
クリル酸エステル、ポリオールのモノ(メタ)アクリル
酸エステル等が挙げられるが、後者の場合には、遊離の
水酸基の影響であると思われるが、金属型との離型性が
悪くなるので金属型を使用する場合には多量に使用しな
いほうがよい。また、(メタ)アクリル酸およびその金
属塩についても、高い極性を有していることから、金属
型を使用する場合には多量に使用しないほうがよい。
【0014】本発明の両面レンチキュラーレンズシート
の製造方法について、図2を参照して説明する。図中5
および5’は、レンチキュラーレンズ単位が刻印された
レンズパターンを有する円筒形レンズ型であり、アルミ
ニウム、黄銅、鋼等の金属製の金属型や、シリコン樹
脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂、フ
ッソ樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等の合成樹脂製の樹
脂型、Ni電鋳法で作製した電鋳型等が使用される。特
に、耐熱性や強度等の観点から金属型を使用することが
望ましい。円筒形レンズ型5、5’は、図3に示すよう
に、レンズパターンが形成された薄板レンズ型13を円
筒状ロール14に巻き付けて固定したものを使用するこ
ともできる。このような円筒形レンズ型5、5’には、
各種腐食防止のために銅やニッケル等のメッキを表面に
施すことが好ましい。さらに、切削素材粒子の均一化お
よび微細化のために、銅やニッケル等のメッキを厚肉に
形成して、メッキ層部分にレンズパターンを形成するこ
とも可能である。
【0015】第1の円筒形レンズ型5には、そのレンズ
パターン形成面に沿って両面に易接着層4、4’が形成
された透明基材7が供給されており、第1の円筒形レン
ズ型5と透明基材7の間に第1の活性エネルギー線硬化
性組成物8が樹脂タンク10から連続的に供給される。
透明基材7の外側には、供給された第1の活性エネルギ
ー線硬化性組成物8の厚さを均一にさせるためのニップ
ロール6が設置されている。ニップロール6としては、
金属製ロール、ゴム製ロール等が使用される。また、第
1の活性エネルギー線硬化性組成物8の厚さを均一にさ
せるためには、ニップロール6の真円度、表面粗さ等に
ついて高い精度で加工されたものが好ましく、ゴム製ロ
ールの場合にはゴム硬度が60度以上の高い硬度のもの
が好ましい。このニップロール6は、活性エネルギー線
硬化性組成物8の厚さを正確に調整することが必要であ
り、圧力調整機構9によって操作されるようになってい
る。この圧力調整機構9としては、油圧シリンダー、空
気圧シリンダー、各種ネジ機構等が使用できるが、機構
の簡便さ等の観点から空気圧シリンダーが好ましい。空
気圧は、圧力調整弁等によって制御される。
【0016】第1の活性エネルギー線硬化性組成物8を
第1のレンズ型5と透明基材7の間に供給した後、第1
の活性エネルギー線硬化性組成物8が第1のレンズ型5
と透明基材7の間に挟まれた状態で、活性エネルギー線
照射装置12から活性エネルギー線を透明基材7を通し
て照射して、第1の活性エネルギー線硬化性組成物8を
重合硬化しレンズ型に形成されたレンズパターンの転写
を行い、透明基材7の一方の表面に第1のレンチキュラ
ーレンズを形成する。活性エネルギー線照射装置12と
しては、紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射で
きるもので、例えば、化学反応用ケミカルランプ、低圧
水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、
可視光ハロゲンランプ等が使用される。
【0017】本発明においては、活性エネルギー線の照
射は、200〜300nmの波長の照射量が200mJ
/cm2 以下となるようにして行うことが必要である。
200〜300nmの波長の照射量を200mJ/cm
2 以下とすることにより、透明基材7の未賦型面に形成
された易接着層の劣化を招くことなく第1の活性エネル
ギー線硬化性組成物8を硬化、賦型して第1のレンチキ
ュラーレンズを形成でき、第2のレンチキュラーレンズ
の形成においても透明基材7と第2のレンチキュラーレ
ンズとの十分な密着性が得られる。200〜300nm
の波長の照射量は、好ましくは180mJ/cm2 以下
の範囲であり、さらに好ましくは100mJ/cm2
下の範囲である。このように200〜300nmの波長
の照射量を200mJ/cm2 以下とするためには、活
性エネルギー線照射装置12としてメタルハライドラン
プやオゾンレスタイプの水銀灯を使用することが好まし
い。また、活性エネルギー線照射装置12に200〜3
00nmの波長の活性エネルギー線をカットする光学フ
ィルター等を使用することもできる。活性エネルギー線
の照射総量としては、200〜600nmの波長の照射
量が0.1〜50J/cm2 となる程度とすることが好
ましい。また、活性エネルギー線の照射雰囲気として
は、空気中でもよいし、窒素やアルゴン等の不活性ガス
雰囲気下でもよい。本発明において、活性エネルギー線
の照射量は、積算光量計で測定した活性エネルギー線の
積算光量であり、200〜300nmの波長の照射量に
は、例えば、ウシオ電気社製積算光量計UIT−150
(受光器UVD−C254使用時感度波長域:200〜
300nm)、オーク製造所社製紫外線光量計UV−2
50(感度波長域:200〜300nm)等を使用して
測定することができる。
【0018】次いで、一方の表面に第1のレンチキュラ
ーレンズが形成された透明基材7は、第2の円筒形レン
ズ型5’のレンズパターン形成面に他方の面が沿って当
接するように供給される。第2の円筒形レンズ型5’と
透明基材7の間に第2の活性エネルギー線硬化性組成物
8’が樹脂タンク10’から連続的に供給される。透明
基材7の外側には、供給された第2の活性エネルギー線
硬化性組成物8’の厚さを均一にさせるための圧力調整
機構9’によって操作されるニップロール6’が設置さ
れている。第2の活性エネルギー線硬化性組成物8’を
第2の円筒形レンズ型5’と透明基材7の間に供給した
後、第2の活性エネルギー線硬化性組成物8’が第2の
レンズ型5’と透明基材7の間に挟まれた状態で、活性
エネルギー線照射装置12’から活性エネルギー線を透
明基材7を通して照射して、第2の活性エネルギー線硬
化性組成物8’を重合硬化しレンズ型に形成されたレン
ズパターンの転写を行い、透明基材7の一方の表面に第
2のレンチキュラーレンズを形成する。この際に使用さ
れる活性エネルギー線照射装置12’としては、上記第
1のレンチキュラーレンズの形成で使用されるものと同
様のものが使用され、活性エネルギー線の照射総量とし
ては、200〜600nmの波長の照射量が0.1〜5
0J/cm2 となる程度とすることが好ましい。また、
活性エネルギー線の照射雰囲気としては、空気中でもよ
いし、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下でもよ
い。
【0019】円筒形レンズ型5、5’と透明基材7の間
に供給される活性エネルギー線硬化性組成物8、8’
は、第1および第2のレンチキュラーレンズや緩和層の
厚さを均一にさせるために一定の粘度に保持することが
好ましい。粘度範囲は、形成するレンズ部や緩和層の厚
さによっても異なるが、一般的には、20〜3000m
Pa・Sの範囲の粘度とすることが好ましく、さらに好
ましくは100〜1000mPa・Sの範囲である。活
性エネルギー線硬化性組成物8の粘度が20mPa・S
未満の場合には、緩和層形成のためにはニップ圧を極め
て低く設定するか、成形スピードを極端に速くすること
が必要となる。しかし、ニップ圧を極めて低くすると圧
力調整機構9、9’の安定作動ができなくなる傾向にあ
り、レンズ部や緩和層の厚み斑を引き起こしやすくな
る。また、成形スピードを極端に速くすると活性エネル
ギー線の照射量が不足し、活性エネルギー線硬化性組成
物8、8’の硬化が不十分となる傾向にある。一方、活
性エネルギー線硬化性組成物8、8’の粘度が3000
mPa・Sを超えると、レンズ型5、5’のレンズパタ
ーンの細部まで十分に硬化性組成物8が行き渡らず、レ
ンズ形状の精確な転写が困難となったり、気泡の混入に
よる欠陥が発生しやすくなったり、成形速度の極端な低
下による生産性の悪化をもたらす傾向にある。このよう
に活性エネルギー線硬化性組成物8、8’の粘度を一定
に保持させるためには、活性エネルギー線硬化性組成物
8、8’の温度制御が行えるように、樹脂タンク10、
10’の外部や内部にシーズヒーター、温水ジャケット
等の熱源設備を設置しておくことが好ましい。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。実施例において、照射量の測定、両面レンチキュラ
ーレンズシートの評価は、以下の方法で行った。紫外線照射量 ウシオ電機社製紫外線積算光量計UIT−150を使用
して、200〜300nmの紫外線照射量は受光器UV
D−C254(感度:200〜300nm)を用いて、
300〜400nmの紫外線照射量は受光器UVD−C
365を用いて測定した。
【0021】硬化性 得られた両面レンチキュラーレンズシートの表面を指で
触れた場合のタックの有無で判断した。 ○:タックが認められなかったもの。 ×:タックが認めらたもの。密着性 得られた両面レンチキュラーレンズシートに、カミソリ
を用いて透明基材に達する傷を2mm間隔で縦および横
にそれぞれ11本付けて100個の升目を作った。次い
で、幅25mmのセロハンテープ(ニチバン社製)をレ
ンチキュラーレンズ面に密着させた後、急激に剥がし
た。剥がれた升目の数によって、以下の基準で評価し
た。 ◎:剥がれた升目のなかったもの。 ○:剥がれた升目が5個未満であったもの。 ×:5個以上の升目が剥がれたもの。
【0022】合成例1(ウレタンジアクリレート(UA
1)の合成) 5リットルのガラス製反応容器に、分子量218.3の
イソホロジンイソシアネート(ダイセルヒュルス社製)
2183gと、触媒としてジラウリル酸ジ−n−ブチル
錫6.4g、重合禁止剤として2,6−ジ−tert−
ブチル−4−メチルデノール6.4gを投入し、70℃
に加温しながら撹拌して均一な溶液とした。次いで、系
の温度を70℃に保持し、撹拌を行いながら分子量13
0.1の2−ヒドロキシプロピルアクリレート(大阪有
機化学工業社製)2602gを5時間かけて徐々に系内
に滴下した。その後、系の温度を70℃に保持して8時
間反応を行いウレタンジアクリレート(UA1)を得
た。反応の終了は、IRスペクトル、イソシアネート当
量の測定によって行った。
【0023】実施例1 図3に示したように、厚さ2.0mm,1000mm×
790mmのJIS黄銅3種の薄板の表面に、ピッチ3
50μmの出射面レンチキュラーレンズ形状を刻印した
第1の薄板レンズ型13を準備した。第1の薄板レンズ
型13には各種腐食防止のために無電解ニッケルメッキ
を施した。次いで、薄板レンズ型13を固定するため、
直径250mm、長さ1000mmのステンレス製の円
筒状ロール14を用意し、円筒状ロール14の円周上に
第1の薄板レンズ型13を巻き付け、ネジで固定し、第
1の円筒形レンズ型5を得た。同様にして、ピッチ35
0μmの入射面レンチキュラーレンズ形状を刻印した第
2の薄板レンズ型13’を準備し、第2の円筒形レンズ
型5’を得た。
【0024】図4に示したように、円筒形レンズ型5、
5’を設置した。また、円筒形レンズ型5、5’に近接
するようにゴム硬度80度のNBR製ゴムロール6、
6’を配置した。第1の円筒形レンズ型5と第1のゴム
ロール6との間に第1の円筒形レンズ型5より若干大き
めの厚さ188μmの両面に易接着層を形成したポリエ
チレンテレフタレートフィルム7(東洋紡社製A430
0)を第1の円筒形レンズ型5に沿って通し、第1のゴ
ムロール6に接続した第1の空気圧シリンダー9によ
り、第1のゴムロール6と第1の円筒レンズ型5の間で
ポリエチレンテレフタレートフィルム7をニップした。
この時の第1の空気圧シリンダー9の動作圧は0.1M
Paであった。第1の空気圧シリンダー9には、エアチ
ューブ直径32mmのSMC製エアシリンダーを使用し
た。さらに、第1の円筒形レンズ型5の下方にオゾンレ
スタイプの高圧水銀灯(アイグラフィックス社製)12
を設置した。第1の紫外線硬化性組成物8は、屈折率調
整用成分および触媒等を予め混合しておき、第1の樹脂
タンク10に投入した。第1の樹脂タンク10は、第1
の紫外線硬化性組成物8に接する部分は全てSUS30
4とした。また、第1の紫外線硬化性組成物8の液温度
を40℃±1℃に制御するため、温水ジャケット層が設
置されており、第1の温調機15により40℃に調整さ
れた温水を温水ジャケット層に供給し、樹脂タンク10
内の紫外線硬化性組成物8の液温を一定にした。さら
に、投入時に発生した泡を第1の真空ポンプ16により
第1の樹脂タンク10内を真空状態にすることにより脱
泡し、除去した。使用した第1の紫外線硬化性組成物は
以下の通りである。
【0025】 <第1の紫外線硬化性組成物8> ウレタンジアクリレートUA1 45重量部 フェノキシエチルアクリレート 10重量部 2,2−ビス[4−(アクリロキシペンタエトキシ)フェニル]プロパン 45重量部 1−ヒドロキシシシクロヘキシルフェニルケトン 2重量部 一旦、第1の樹脂タンク10内を常圧に戻し、タンクを
密閉した後、第1の樹脂タンク10内に0.02MPa
の空気圧をかけ、第1の樹脂タンク10の下部にあるバ
ルブを開くことにより、第1の紫外線硬化性組成物8を
温度制御された第1の配管17を通し、同じく温度制御
された第1の供給ノズル11から第1のゴムロール6と
第1の円筒形レンズ型5の間にニップされているポリエ
チレンテレフタレートフィルム7上に供給した。第1の
供給ノズル11は、岩下エンジニアリング社製のMN−
18−G13ニードルを取り付けた同社製のAV101
バルブを使用した。三菱電機製0.2kWギアドモータ
ー(減速比1/200)で毎分4.0mのラインスピー
ドで第1の円筒形レンズ型5を回転させながら、第1の
紫外線硬化性組成物8が第1の円筒レンズ型5とポリエ
チレンテレフタレートフィルム7の間に挟まれた状態
で、第1の紫外線照射装置12から紫外線を照射し、第
1の紫外線硬化性組成物8を重合硬化させ出射面レンチ
キュラーレンズをポリエチレンテレフタレートフィルム
7の一方の面に形成させた。この時の紫外線の照射量
は、200〜300nmの波長の照射量が180mJ/
cm2 で、300〜400nmの波長の照射量が250
mJ/cm2 であった。
【0026】次いで、一方の面に出射面レンチキュラー
レンズを形成したポリエチレンテレフタレートフィルム
7を、第2の円筒形レンズ型5’と第2のゴムロール
6’との間にポリエチレンテレフタレートフィルム7の
他方の面が当接するように第2の円筒レンズ型5’に沿
って供給し、第2のゴムロール6’に接続した第2の空
気圧シリンダー9’により、第2のゴムロール6’と第
2の円筒形レンズ型5’の間でポリエチレンテレフタレ
ートフィルム7をニップした。この時の第2の空気圧シ
リンダー9’の動作圧は0.1MPaであった。上記第
1の紫外線硬化性組成物8と同一の第2の紫外線硬化性
組成物8’は、屈折率調整用成分および触媒等を予め混
合しておき、第2の樹脂タンク10’に投入した。さら
に、投入時に発生した泡を第2の真空ポンプ16’によ
り第2の樹脂タンク10’内を真空状態にすることによ
り脱泡し、除去した。
【0027】一旦、第2の樹脂タンク10’内を常圧に
戻し、タンクを密閉した後、第2の樹脂タンク10’内
に0.02MPaの空気圧をかけ、第2の樹脂タンク1
0’の下部にあるバルブを開くことにより、第2の紫外
線硬化性組成物8’を温度制御された第2の配管17’
を通し、同じく温度制御された第2の供給ノズル11’
から第2のゴムロール6’と第2の円筒形レンズ型5’
の間にニップされているポリエチレンテレフタレートフ
ィルム7上に供給した。三菱電機製0.2kWギアドモ
ーター(減速比1/200)で毎分4.0mの速度で第
2の円筒形レンズ型5’を回転させながら、第2の紫外
線硬化性組成物8’が第2の円筒形レンズ型5’とポリ
エチレンテレフタレートフィルム7の間に挟まれた状態
で、上記第1の紫外線照射装置12と同一の第2の紫外
線照射装置12’から紫外線を照射し、第2の紫外線硬
化性組成物8’を重合硬化させ入射面レンチキュラーレ
ンズをポリエチレンテレフタレートフィルム7の一方の
面に形成させた。その後、第2の円筒形レンズ型5’よ
り離型し、両面レンチキュラーレンズシートを得た。得
られた両面レンチキュラーレンズシートの硬化性および
密着性の評価を行い、その結果を表2に示した。
【0028】実施例2〜4、比較例1〜3 第1および第2の紫外線照射装置として表1に示したも
のを使用し、表1に示したラインスピードとした以外
は、実施例1と同様にして両面レンチキュラーレンズシ
ートを製造した。得られた両面レンチキュラーレンズシ
ートの硬化性および密着性の評価を行い、その結果を表
2に示した。
【0029】実施例5 第1および第2の紫外線照射装置として、アイグラフィ
ックス社製の高圧水銀灯を使用し、厚さ3mmのソーダ
ガラス板を紫外線照射装置の前面に設置したとともに、
表1に示したラインスピードとした以外は、実施例1と
同様にして両面レンチキュラーレンズシートを製造し
た。得られた両面レンチキュラーレンズシートの硬化性
および密着性の評価を行い、その結果を表2に示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】本発明は、両面に易接着層が形成された
透明基材の両面に活性エネルギー線硬化樹脂によりレン
チキュラーレンズ単位を形成して両面レンチキュラーレ
ンズシートを製造する方法において、第1のレンチキュ
ラーレンズの形成工程で活性エネルギー線硬化性組成物
への活性エネルギー線の照射を、200〜300nmの
波長の照射量が200mJ/cm2 以下とすることによ
って、透明基材の未賦型面に形成された易接着層の劣化
を招くことなく第1のレンチキュラーレンズを形成でき
るため、透明基材と第2のレンチキュラーレンズの密着
性の低下を招くことなく両面レンチキュラーレンズシー
トを製造する方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で製造された両面レンチキュラーレンズ
シートの断面図
【図2】本発明の製造工程を示す概略図
【図3】本発明の円筒形レンズ型を示す概略図
【図4】本発明の具体的製造工程を示す概略図
【符号の説明】
1 透明基材 2 第1のレンズ部 3 第2のレンズ部 4 易接着層 5、5’ 円筒形レンズ型 6、6’ ニップロール 7 透明基材 8、8’ 活性エネルギー線硬化性組成物 9、9’ 圧力調整機構 10、10’ 樹脂タンク 11、11’ 供給ノズル 12、12’ 活性エネルギー線照射装置 13、13’ 薄板レンズ型 14、14 円筒状ロール 15、15’ 温調機 16、16’ 真空ポンプ 17、17’ 配管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のレンチキュラーレンズパターンが
    形成された第1の円筒形レンズ型のレンズパターン形成
    面と透明基材との間に活性エネルギー線硬化性組成物を
    注入する工程、透明基材を通して200〜300nmの
    波長範囲の活性エネルギー線の照射量が200mJ/c
    2 以下となるようにして活性エネルギー線を照射して
    活性エネルギー線硬化性組成物を硬化し透明基材の一方
    の面に第1のレンチキュラーレンズを形成する工程、第
    2のレンチキュラーレンズパターンが形成された第2の
    円筒形レンズ型のレンズパターン形成面と透明基材との
    間に活性エネルギー線硬化性組成物を注入する工程、透
    明基材を通して活性エネルギー線を照射して活性エネル
    ギー線硬化性組成物を硬化し透明基材の他方の面に第2
    のレンチキュラーレンズを形成する工程からなることを
    特徴とする両面レンチキュラーレンズシートの製造方
    法。
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