JP2000035104A - トルク感応型差動制限機能付き差動装置 - Google Patents

トルク感応型差動制限機能付き差動装置

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JP2000035104A
JP2000035104A JP20606398A JP20606398A JP2000035104A JP 2000035104 A JP2000035104 A JP 2000035104A JP 20606398 A JP20606398 A JP 20606398A JP 20606398 A JP20606398 A JP 20606398A JP 2000035104 A JP2000035104 A JP 2000035104A
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torque
differential
cam
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wheel
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JP20606398A
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Takehisa Yamada
剛央 山田
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Fuji Univance Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱輪等によって一方の車輪が空転した場合で
も、他方の車輪に十分な駆動力を伝達できるトルク感応
型差動制限機能付き差動装置を提供する。 【解決手段】 脱輪等によって一方の車輪が完全に路面
から浮き、他方の車輪に駆動トルクが伝達されずに車両
がそこから脱出不可能な状態に陥った場合、浮いている
側の車輪が空転することによって、作動油10の温度が
上昇し、作動油10の熱膨張によりピストン8は軸方向
に押圧力を発生し、出力部材3A,3Bのカム面3a,
3bとカム従動子2を押圧することによって差動制限ト
ルクを発生させ、これにより接地している側の車輪に十
分な駆動トルクが伝達され、脱輪状態からの脱出が可能
になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の駆動系
に適用され、左右の車輪の差動装置、また4輪駆動車に
おいては前後の差動装置に関し、特に、一方が空転した
場合でも、他方の車輪に十分な駆動力を伝達できるよう
にしたトルク感応型差動制限機能付き差動装置(以下、
単に「差動装置」ともいう。)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の差動装置としては、コンベンショ
ナルなベベルギアを用いた差動装置に、カム、およびプ
レートクラッチを組み合せた差動制限機構を有するもの
をはじめ、様々な構造のものが提案されている。
【0003】図11は、従来の差動装置を示す。この差
動装置は、入力部材1と、入力部材1内に軸方向摺動自
在に環伏に配置され、入力部材1に噛合い、入力部材1
と同期して回転可能な複数のカム従動子2と、カム従動
子2の両側に配置され、カム従動子2の両側に摺動可能
に接するカム面3a,3bを有した一対の第1および第
2の出力部材3A,3Bとを有し、カム従動子2と出力
部材3A,3Bのカム面3a,3bとの反力をスラスト
ニードルベアリング5を介して受け、出力部材3A,3
Bをラジアルニードルベアリング7を介して回転自在に
保持するふた部材4A,4Bとを備える。第1の出力部
材3Aのカム面3a、カム従動子2、および第2の出力
部材3Bのカム面3bは、一義的にその3者の相対位置
が決まり、カム面3aを有する第1の出力部材3Aと、
カム面3bを有する第2の出力部材3Bと、カム従動子
2と係合し同期回転可能な入力部材1とは、差動装置の
主要3要素をなしている。ふた部材4A,4Bは、中心
部に貫通穴4aを有し、図示しない出力軸を貫通させ出
力部材3A,3Bに連結可能になっている。
【0004】車両に搭載されたこの差動装置は、入力部
材1を回転可能に支持され、出力部材3A,3Bに図示
しない出力軸が連結される。入力部材1に与えられた回
転は、カム従動子2を介して2つの出力部材3A,3B
に伝えられる。この時、出力部材3Aまたは3Bのどち
らかが減速または停止した場合、対向する方の出力部材
3Bまたは3Aはそれに応じて増速する。入力回転数と
両出力部材3A,3Bの回転数の合計は一義的に決ま
り、回転のロスは生じない。
【0005】出力部材3A,3Bのカム面3a,3bの
反対側には、カム反力を受けるため、スラストニードル
ベアリング5がふた部材4A,4Bとの間に設けられて
おり、さらに、片方のスラストニードルベアリング5の
背面には、皿ばね6が配置されている。皿ばね6は、所
定の押圧力で出力部材3A,3Bおよびカム従動子2を
押さえており、この押圧力によって入力部材1に何の入
力もないときでも、わずかな差動制限トルクを与えてい
る。
【0006】図12は、従来の差動装置における出力部
材3A,3Bのカム面3a,3bとカム従動子2の係合
を示す展開図である。出力部材3A,3Bのカム面3
a,3bは、複数のカム山を有し、カム山はカム従動子
2と噛合うようにそれぞれ所定のカム傾斜角を有してい
る。入力部材1に回転が入力され、出力軸、すなわち出
力部材3A,3Bに負荷がかかった場合、カム従動子2
に入力部材1から接線方向に力が加わり、カム面3a,
3bのカム山を押圧し、これによって入力部材1から出
力部材3A,3Bにトルクが伝達されるが、この際、カ
ム山傾斜角のくさび効果により、両出力部材3A,3B
間の差動を制限するトルクが発生する。これによって入
力回転をロスなく出力軸に伝達し、かつ、2つの出力部
材3A,3B間の差動が許容され、更にその入力トルク
の大きさに応じて2つの出力部材3A,3B間の差動を
制限するトルクを発生する差動制限機能付き差動装置が
成立する。
【0007】図9,図10は、差動装置の基本特性を表
す。なお、図9において、横軸は入カトルクT1 を示
し、縦軸は差動制限トルク△Tを示す。また、図10に
おいて、横軸、縦軸はそれぞれの出力部材3A,3Bの
トルクTR ,TL を示す。両出力軸、すなわち出力部材
3A,3Bの間に差動回転が生じた場合、図9に示すよ
うに、入力トルクT1 の大きさに比例した差動制限トル
ク△Tが生じるため、図10に示すように、例えば、高
速側の出力部材3Bには、TL =T1 /2−△T、低速
側の出力部材3Aには、TR =T1 /2−△Tのトルク
が出力される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の差動装
置によると、例えば、左右輪の差動装置として用いた場
合、不整地走行や脱輪時のように、一方の車輪が完全に
浮いてしまう状況においては、浮いた側の車輪には負荷
がかからず、この結果、入力トルクがかけられないた
め、差動制限力は前記した皿ばね6の押圧力によって発
生する微少なトルクしかかからず、接地している側の車
輪にトルクを伝達し、脱輪状態から脱出することができ
ないという問題がある。
【0009】従って、本発明の目的は、脱輪等によって
一方の車輪が空転した場合でも、他方の車輪に十分な駆
動力を伝達することができるトルク感応型差動制限機能
付き差動装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、対向する一対のカム面を有した2つの出力
部材と、前記2つの出力部材間にあって前記一対のカム
面に沿つて往復動する複数のカム従動子と、前記複数の
カム従動子を軸方向に往復自在に収納する入力部材と、
前記入力部材と一体に形成あるいは組み付けられ、前記
一対のカム面の反力を受け、前記2つの出力部材を回転
自在に保持するふた部材とを備え、前記入力部材から入
力された入力トルクを前記複数のカム従動子を介して前
記2つの出力部材に伝達するとともに、前記2つの出力
部材間の相対回転を許容しつつ前記入力トルクに応じて
差動制限力を発生するトルク感応型差動制限機能付き差
動装置において、前記2つの出力部材の片方あるいは両
方のカム面を形成した反対側に設けられ、前記出力部材
のカム面と、前記カム従動子が相対運動した際の摩擦熱
による温度上昇によって前記出力部材に押圧力を発生さ
せる熱応動手段を備えたことを特徴とするトルク感応型
差動制限機能付き差動装置を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施の形
態に係るトルク感応型差動制限機能付き差動装置を示
す。この差動装置は、発動機から変速機等を介して入力
される駆動力を受けて回転される入力部材1と、入力部
材1内に軸方向摺動自在に環状に配置され、入力部材1
に噛合い、入力部材1と同期して回転可能な複数のカム
従動子2と、カム従動子2の両側に配置され、カム従動
子2の両側に摺動可能に接するカム面3a,3bを有し
た一対の第1および第2の出力部材3A,3Bとを有
し、カム従動子2と出力部材3A,3Bのカム面3a,
3bとの反力をスラストニードルベアリング5を介して
受け、出力部材3A,3Bをラジアルニードルベアリン
グ7を介して回転自在に保持するふた部材4A,4Bと
を備える。第1の出力部材3Aのカム面3a、カム従動
子2、および第2の出力部材3Bのカム面3bは、一義
的にその3者の相対位置が決まり、カム面3aを有する
第1の出力部材3Aと、カム面3bを有する第2の出力
部材3Bと、カム従動子2と係合し同期回転可能な入力
部材1とは、差動装置の主要3要素をなしている。
【0012】入力部材1には、ギア等の取り付けのため
つば部1dが一体に形成され、ギア等のネジ固定のため
の貫通ボルト穴1aを有する。
【0013】カム従動子2は、出力部材3A,3Bに形
成されたカム面3a,3bに摺接する接触面2aと、入
力部材の内周部に設けられたスプライン1bに噛合う係
合突起2bとを有している。
【0014】出力部材3A,3Bには、放射状に複数の
カム山を形成したカム面3a,3bと、カム面3a,3
bの反対側にスラストニードルベアリング5に当接する
軸受面とを有し、軸心部には、出力軸に連結するための
内スプライン3cを形成している。
【0015】ふた部材4A,4Bは、それそれ入力部材
1の両端開口部にネジ1cによる締結によって固定さ
れ、出力軸を貫通させる貫通穴4aを有している。
【0016】ふた部材4A,4Bと出力部材3A,3B
の間には、スラストニードルベアリング5とラジアルニ
ードルベアリング7を配置している。これにより、出力
部材3A,3Bは、入力部材1と一体に組み上げられた
それぞれのふた部材4A,4Bに相対回転可能に支持さ
れている。
【0017】図2(a) ,(b) は、出力部材3Bの断面展
開図である。出力部材3Bのカム面3bの反対側には、
リング状溝3dを設けており、この溝と、溝に係合し、
軸方向に摺動可能なリング状のピストン8とで油室を構
成し、油室に作動油10を密封している。リング状溝3
dの底部3eは、カム面3bのカム山形状に沿って肉厚
Lが一定になっている。出力部材3Bは、ピストン8を
介してスラストニードルベアリング5に接しており、ス
ラストニードルベアリング5とふた部材4Bの間には、
ガタつめのための皿ばね6を備えている。すなわち、カ
ム面3a,3bとカム従動子2の反力による出力部材3
Bにかかる軸方向荷重は、作動油10を介してピストン
8に伝わり、更に、スラストニードルベアリング5、皿
ばね6を介してふた部材4Bで受ける構成になってい
る。
【0018】次に、本差動装置の動作を説明する。つば
部1dから入力部材1に伝達された駆動トルクは、スプ
ライン1bからカム従動子2の係合突起2bへと伝達さ
れ、入力部材1とカム従動子2は同期して回転する。カ
ム従動子2は、接触面2a、カム面3a,3bを介して
係合した出力部材3A,3Bに駆動トルクを伝達し、出
力部材3A,3Bの内スプライン3cに連結された図示
しない出力軸を駆動する。出力部材3Aと出力部材3B
に速度差があった場合、入力された駆動力に応じて差動
制限トルクが発生し、その結果、遅い方の出力部材には
大きな駆動トルクが、速い方の出力部材には小さな駆動
トルクがそれぞれ伝達される。
【0019】図3は、第1の実施の形態の温度特性を示
す。同図において、横軸は作動油10の温度を示し、縦
軸は出力部材3A,3B間の差動制限トルクを示す。ま
た、Tmは後述する必要な差動制限トルクを示す。本差
動装置が左右輪の差動制限に用いられた場合、車両が脱
輪等によって一方の車輪が接地しないような状態では、
一般のトルク感応型差動制限機能付き差動装置を用いた
場合、その差動制限トルクは、入力トルクに比例するた
め、十分な差動制限トルクは得られず、接地した車輪に
十分なトルクを伝達することはできない。このため、脱
輪した側のタイヤが空転するのみで脱出不可能な状態に
なり易い。しかし、本実施の形態では、出力部材3A,
3B間に大きな差動回転が生じることにより、カム面3
a,3bにカム従動子2の接触面2aとの摩擦熱が発生
し、出力部材3B、作動油10の温度が上昇する。これ
によって作動油10が熱膨張し、ピストン8が出力部材
3Bよりせり出し、皿ばね6を圧縮して皿ばねギャップ
gは減少していく。作動油10が所定の温度tcに達す
ると、皿ばね6は押しつぶされて皿ばねギャッブgは0
になり、更に温度が上昇すると、大きなスラスト荷重が
発生し、カム面3a,3b、接触面2aには大きな押圧
力がかかる。これによって入力トルクに関係なく大きな
差動制限トルクを発生させる。こうして接地している側
の車輪に十分な駆動トルクが伝達され、脱輪状態からの
脱出が可能になる。
【0020】次に、本発明の第2の実施の形態に係る差
動装置を説明する。この差動装置は、第1の実施の形態
において、第2の出力部材3Bに設けたリング状溝3d
とピストン8からなる油室内に、作動油10と共に所定
量の圧縮性の気体を混入させたものであり、他は第1の
実施の形態と同様に構成されている。
【0021】図4は、第2の実施の形態の温度特性を示
す。なお、同図において、横軸は作動油10の温度を示
し、縦軸は出力部材3A,3B間に生じる差動制限トル
クを示す。この第2の実施の形態によれば、作動油10
が所定の温度tcに達し、皿ばねギヤツプgが0になっ
た後も温度上昇に応じて混入した気体が圧縮され、ピス
トン押圧力が暫増し、作動油温に対して2次曲線的な差
動制限トルクを発生し、必要な差動制限トルクTmを発
生する温度tdに達すると、第1の実施の形態と同様に
脱輪等からの脱出が可能になる。また、この第2の実施
の形態では、必要な差動制限トルクTmを発生する温度
tdの設定に自由度があり、皿ばねギャップgの初期値
に左右されずに設定が可能である。
【0022】図5は、本発明の第3の実施の形態に係る
差動装置を示す。第1の実施の形態では、スラストニー
ドルベアリング5とピストン8とが常時当接するように
配置したが、この第3の実施の形態では、常温において
はピストン8はスラストニードルベアリング5に接触せ
ず、ピストン8が所定の距離を移動してからピストン8
の当接面8aがスラストニードルベアリング5に当接
し、押圧力を伝達するように配置したものであり、常温
時、カム面3a,3bとカム従動子2が発生するカム反
力によるスラスト荷重は、スラストニードルベアリング
の軌道輪を兼ねるスラスト部材5C、スラストニードル
ベアリングのニードルローラー5A、軌道輸5Bを介し
てふた部材4Bで受ける構成になっている。
【0023】図6は、第3の実施の形態の温度特性を示
す。なお、同図において、横軸は作動油10の温度を示
し、縦軸は出力部材3A,3B間に発生する差動制限ト
ルクを示す。本差動装置が左右輸の差動制限に用いられ
た場合、車両が説輪等によって一方の車輪が接地しない
ような状態では、入力トルクがかからないため、接地側
の車輪に十分な駆動トルクを伝達することができない
が、接地しない側の車輪が空転することによってカム面
3bとカム従動子2の接触面2aとの摩擦熱が発生す
る。これにより、出力部材3B、及び出力部材3B内の
油室に密封された作動油10が温度上昇し、作動油10
が熱膨張する。すると作動油10の熱膨張に応じてピス
トン8が出力部材3Bからせり出してくる。そして作動
油10の油温が所定の温度tbに達した時、ピストン8
の当接面8aがスラストニードル軌道輸を兼ねたスラス
ト部材5Cに当接し、更に作動油温度が上昇すると、ピ
ストン8は皿ばね6を押しつぶし、作動油温がtcに達
したとき、皿ばねギャップgが0になる。ここから更に
作動油10の温度が上昇した場合、大きなスラスト荷重
を発生し、出力部材3A,3Bのカム面3a,3bとカ
ム従動子2の接触面2aが大きな押圧力を受け、入力ト
ルクに関係なく大きな差動制限トルクを発生し、説輪等
からの脱出が可能になる。
【0024】上述した第3の実施の形態によれば、ピス
トン8の当接面8aとスラストニードルベアリングの軌
道輪を兼ねたスラスト部材5Cの距離を調節することに
よって自由に所定の温度tcの設定が可能になる。
【0025】図7は、第4の実施の形態に係る差動装置
を示す。この差動装置は、第3の実施の形態において、
ピストン8と出力部材3Bとの相対回転を規制するスプ
ライン8b,3fをそれぞれ設け、軸方向には摺動可能
に回転方向には回り止めとして係合させ、ピストン8が
せり出した時、スラストニードルベアリングの軌道輸を
兼ねたスラスト部材5Cではなく、ふた部材4Bに設け
られた摩擦面4bに当接するように配置にしたものであ
る。
【0026】図8は、第4の実施の形態の温度特性を示
す。なお、同図において、横軸は作動油10の温度を示
し、縦軸は出力部材3A,3B間の差動制限トルクを示
す。本差動装置が左右輪の差動制限に用いられた場合、
車両が説輪等によって一方の車輪が接地しないような状
態では、接地した側の車輪は止まって、接地しない側の
車輪のみ大きく空転する。このとき、作動油10がカム
面3bと接触面2aの摩擦熱によって温度上昇すると、
ピストン8は、作動油10の熱膨張によって出力部材3
Bからせり出してくる。所定の温度tcに達した時、ピ
ストン8の当接面8aがふた部材4Bの摩擦面4bに当
接し、更に作動油温が上昇すると、カム面3a,3bと
接触面2aに大きな押圧力を発生し、出力部材3A,3
B間に差動制限トルクを生じさせる。更に、ピストン8
とふた部材4Bは相対回転しており、当接面に押圧力が
加わった時、ピストン8とふた部材4B間にも摩擦力が
発生する。これにより、ふた部材4Bと一体に組み上げ
られた入力部材1と、ピストン8とスプライン係合して
いる出力部材3Bとの間に差動制限トルクを生じ、出力
部材3A,3Bとカム従動子2の間の摩擦力により得ら
れる出力部材3A,3B間の差動制限トルクを補助す
る。このため、第3の実施の形態と同様、大きな差動制
限トルクが得られ、脱輸等からの脱出が可能になる。第
4の実施の形態では、カム面3a,3bと接触面2aの
摩擦に加え、ピストン8とふた部材4Bの摩擦力が加わ
るため、脱出に必要な差動制限トルクを得るためには、
第1、第2、第3の実施の形態に対してカム面の押圧力
は小さくて済み、カム面3a,3b、接触面2aの面圧
を小さく設定できるので、差動装置の小型化が可能にな
る。
【0027】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ず、種々に変形実施が可能である。上記実施の形態で
は、油室を出力部材3A,3Bの一方に設けたが、両側
に油室及びピストン8を設けてもよい。また、作動油1
0の代わりに他の液体を用いてもよい。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のトルク感
応型差動制限機能付き差動装置によれば、脱輪等によっ
て一方の車輪が空転するような状況でも、その空転によ
つて一対のカム面と、複数のカム従動子との間に摩擦熱
が発生し、熱応動手段によって温度上昇に応じた押圧力
で出力部材およびカム従動子を押圧し、強制的に差動制
限トルクを発生するので、接地している側の車輪に十分
な駆動トルクを伝達でき、脱輪等からの脱出が可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るトルク感応型
差動制限機能付き差動装置の断面図である。
【図2】(a) は油室を設けた出力部材の断面展開図、
(b) は(a) におけるX−X断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るトルク感応型
差動制限機能付き差動装置の温度特性を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るトルク感応型
差動制限機能付き差動装置の温度特性を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係るトルク感応型
差動制限機能付き差動装置の断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るトルク感応型
差動制限機能付き差動装置の温度特性を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係るトルク感応型
差動制限機能付き差動装置の断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係るトルク感応型
差動制限機能付き差動装置の温度特性を示す図である。
【図9】トルク感応型差動制限機能付き差動装置の基本
トルク特性を表す図である。
【図10】トルク感応型差動制限機能付き差動装置の基
本トルク特性を表す図である
【図11】従来のトルク感応型差動制限機能付き差動装
置の断面図である。
【図12】従来のトルク感応型差動制限機能付き差動装
置における両出力軸間に差動回転が生じた場合を説明す
るための図である。
【符号の説明】
1 入力部材 1a ボルト穴 1b スプライン 1c ネジ 1d 入力つば部 2 カム従動子 2a 接触面 2b 係合突起 3A 第1の出力部材 3B 第2の出力部材 3a 第1のカム面 3b 第2のカム面 3c 内スプライン 3d 油室リング状溝 3e 油室溝底面 3f スプライン 4A 第1のふた部材 4B 第2のふた部材 4a 貫通穴 4b 摩擦面 5 スラストニードルベアリング 5A ニードルローラとケージ 5B 軌道輪 5C 軌道輪を兼ねたスラスト部材 6 皿ばね 7 ラジアルニードルベアリング 8 ピストン 8a ピストン当接面 8b スプライン 9 シール 10 作動油

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向する一対のカム面を有した2つの出力
    部材と、前記2つの出力部材間にあって前記一対のカム
    面に沿つて往復動する複数のカム従動子と、前記複数の
    カム従動子を軸方向に往復自在に収納する入力部材と、
    前記入力部材と一体に形成あるいは組み付けられ、前記
    一対のカム面の反力を受け、前記2つの出力部材を回転
    自在に保持するふた部材とを備え、前記入力部材から入
    力された入力トルクを前記複数のカム従動子を介して前
    記2つの出力部材に伝達するとともに、前記2つの出力
    部材間の相対回転を許容しつつ前記入力トルクに応じて
    差動制限力を発生するトルク感応型差動制限機能付き差
    動装置において、 前記2つの出力部材の片方あるいは両方のカム面を形成
    した反対側に設けられ、前記出力部材のカム面と、前記
    カム従動子が相対運動した際の摩擦熱による温度上昇に
    よって前記出力部材に押圧力を発生させる熱応動手段を
    備えたことを特徴とするトルク感応型差動制限機能付き
    差動装置。
  2. 【請求項2】前記熱応動手段は、前記出力部材の温度変
    化に応じて膨張、収縮する液体と、前記液体を密封した
    液室と、前記液室に気密性を持って軸方向に摺動自在に
    係合するピストンとを備えた構成の請求項1記載のトル
    ク感応型差動制限機能付き差動装置。
  3. 【請求項3】前記液体は、気体が混合された構成の請求
    項2記載のトルク感応型差動制限機能付き差動装置。
  4. 【請求項4】前記熱応動手段は、前記ピストンが所定の
    距離を移動した後に、前記押圧力を発生する構成の請求
    項2記載のトルク感応型差動制限機能付き差動装置。
  5. 【請求項5】前記液室は、前記出力部材のカム面の反対
    側にカム面の形状に沿つて形成した構成の請求項2記載
    のトルク感応型差動制限機能付き差動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006232079A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Univance Corp トランスファ装置

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