JP2000034429A - 高粘性キサンタンガムを含有する塗料 - Google Patents

高粘性キサンタンガムを含有する塗料

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JP2000034429A
JP2000034429A JP10202461A JP20246198A JP2000034429A JP 2000034429 A JP2000034429 A JP 2000034429A JP 10202461 A JP10202461 A JP 10202461A JP 20246198 A JP20246198 A JP 20246198A JP 2000034429 A JP2000034429 A JP 2000034429A
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water
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Junichi Inata
淳一 生稲
Yuko Terui
優子 照井
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Nisshin Oil Mills Ltd
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Nisshin Oil Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のキサンタンガムでは、各種の塗料に対
する粘度、チキソトロピー性に由来する塗料の流動性、
塗料のたれ防止、乳化安定性、顔料分散性、塗料のの
び、塗料の皮膜形成および顔料固着等が不十分であっ
た。 【解決手段】 キサンタンガムを特定の条件で加熱して
得た高粘性キサンタンガムを各種塗料に含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高粘性キサンタンガ
ムを含有する塗料に関する。かかる塗料に含有される高
粘性キサンタンガムは、広く塗料分野において水性塗料
およびエマルション塗料の原料として、塗料の流動性の
調節、塗料のたれ防止、乳化安定、顔料の分散、塗料の
皮膜形成および顔料固着等の目的で用いられる。
【0002】
【従来の技術】塗料は固化したのち塗膜として残る塗膜
形成成分と、塗料に流動性を付与して塗りやすくするが
塗膜中には残存しない塗膜形成助成分から成り立ってい
る。塗膜形成成分には、それ自体が塗膜の主成分となる
主に樹脂からなる成分と、顔料、染料などの着色剤およ
び塗料や塗膜の機能を向上し、または保持させるための
改質剤、添加剤などが含まれる。改質剤、添加剤として
は可塑剤、乾燥剤、表面調製剤、色分かれ防止剤、消泡
剤、レオロジー調製剤、紫外線吸収剤、界面活性剤など
がある。塗膜形成助成分は、一般には溶剤と呼ばれ、通
常揮発性の有機溶剤が使用されるが、近年、環境等の配
慮から水が使われるようになってきた。従来、水性塗料
およびエマルション塗料においては、塗料の流動性の調
節、塗料のたれ防止、乳化安定性の改善、顔料分散性の
向上、塗料の皮膜形成および顔料固着の向上等を目的に
レオロジー調製剤が用いられている。レオロジー調製剤
として、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロー
ス、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロ
キシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセル
ロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、アルギン酸ナトリウム、カゼイン、ポリビニルアル
コール、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイド等
がある。キサンタンガムは様々なpHや塩類に対する耐
性が比較的強く、他の塗料中の基材・添加剤による粘度
低下等の機能低下が少ないことのために、レオロジー調
製剤として単独もしくは他のレオロジー調製剤と併用し
て用いられている。キサンタンガムは、微生物キサント
モナス・カンペストリス(Xanthomoas ca
mpestris)により、澱粉、グルコース、ショ糖
等の炭水化物からつくられる微生物多糖類の一種であ
る。キサンタンガムの構造は、主としてD−グルコー
ス、D−マンノースおよびD−グルクロン酸のナトリウ
ム、カリウムおよびカルシウム塩からなり、主鎖はD−
グルコースのβ−1,4結合からなる。キサンタンガム
の製造方法として、発酵工程の後、微生物を殺菌するた
めに熱処理され、そのアルコールを取り除き、乾燥、粉
砕する方法などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の塗料は、水性
塗料およびエマルション塗料を指す。水性塗料とは、塗
膜形成助成分が水を含む連続相である塗料をいい、エマ
ルション塗料とは、界面活性剤を含有し塗膜形成成分と
塗膜形成助成分の混合物が水相と油相からなる水中油滴
型エマルションもしくは油中水滴型エマルションである
塗料をいう。また、ここでいう水性塗料およびエマルシ
ョン塗料は、成分として水を含有するものではあるが、
流通、保管時等において必ずしも水を含む必要はなく、
塗布直前に水を添加し、塗布時に水を含有するものも含
む。従来のキサンタンガムは、水性塗料およびエマルシ
ョン塗料の処方系において、pHや塩類に対する安定性
は比較的満たされているが、粘度やチキソトロピー性に
由来する塗料の流動性、塗料のたれ防止、乳化安定性、
顔料の分散性、塗料ののび、塗料の皮膜形成および顔料
固着等に関し、十分な機能を有するものではなく、未だ
問題点があった。特に、水性塗料では塗料の流動性調節
機能、たれ防止、顔料の分散性が、エマルション塗料で
は乳化安定性、顔料の固着性等が要求され、これらを満
足するものは得られていなかった。
【0004】
【発明が解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、キサンタ
ンガムを特定の乾燥減量を有する固体状態で加熱して得
たキサンタンガムが優れた粘度特性を有し、これを増粘
剤または流動性改良剤として水性塗料およびエマルショ
ン塗料に含有させることにより、予測される以上の機能
を発揮することを見出し、本発明を完成した。即ち、か
かる本発明は、キサンタンガム濃度として0.5重量%
の水溶液とした場合、3500〜25000mPa・s
(B型粘度計6rpm 25℃)の粘度を示す高粘性キ
サンタンガムを含有することを特徴とする。
【0005】本発明で用いる高粘性キサンタンガムは、
一般に、乾燥減量(常圧下、105℃、5時間加熱)が
50重量%以下のキサンタンガムを100〜140℃で
30分以上加熱することによって得ることができる。上
記加熱は、気体中でも液体中でも行うことができる。気
体中で行う場合、空気中等酸素の存在下で行うと着色す
る恐れがあるので、不活性ガス中で行うのが良い。ま
た、気体中での加熱を減圧下で行うことによっても着色
を回避できる。液体中で加熱を行う場合、キサンタンガ
ムを溶解しない不活性溶剤中にキサンタンガムを分散さ
せた状態で加熱する。液体中で加熱を行う場合も着色は
起こらない。高粘度キサンタンガムを添加物として本発
明の水性塗料およびエマルション塗料に用いる場合、添
加量は、概ね0.01〜7.0重量%である。
【0006】本発明における塗料に対する効果として、
水性塗料では、塗料を塗布した時に塗料の伸びの改善、
塗料の皮膜形成および顔料固着等が高まるとともに顔料
分散性が向上しその結果保存安定性も向上する。エマル
ション塗料では、上記の他、塗料の系内における乳化性
が向上して塗料の保存安定性が著しく向上することが挙
げられる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明で用いる高粘性キサンタンガムは、一般に、
乾燥減量(常圧下、105℃、5時間加熱、以下別に定
義する場合を除き、「乾燥減量」はこの条件下での乾燥
減量をいうものとする)が50重量%以下のキサンタン
ガムを80〜140℃で30分以上加熱することによっ
て得ることができる。
【0008】この高粘性キサンタンガムを製造するのに
使用する原料キサンタンガムは、乾燥減量が50重量%
以下、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは1
5重量%以下のキサンタンガムである。かかる原料キサ
ンタンガムとしてはまず市販の粉末状、顆粒状等のキサ
ンタンガムを用いることができる。かかる原料キサンタ
ンガムとしてはまた、トウモロコシ澱粉やグルコース等
を炭素源として、キサントモナス・カンペストリスを液
体培養して得られる培養液から低級アルカノールで分別
沈殿させるキサンタンガムの製造法において、分別沈殿
後の乾燥工程中に乾燥減量が50重量%以下となったキ
サンタンガムを用いることができる。原料キサンタンガ
ムの乾燥減量が50重量%より多いとキサンタンガムの
品温が十分に上がらず粘度向上の効果がない。高粘性キ
サンタンガムを製造するために、かかる原料キサンタン
ガムを加熱するが、加熱は80〜140℃、好ましくは
100〜130℃、さらに好ましくは105〜125℃
で、30分以上、好ましくは30分〜10時間、さらに
好ましくは30分〜7時間、さらに一層好ましくは30
分〜6時間である。これらの条件中においても、高温側
では比較的短時間加熱、低温側では比較的長時間加熱が
好ましい。加熱はもっとも好ましくは105〜125℃
で30分〜6時間行う。加熱温度が80℃未満であると
粘性の改善が十分でなく、140℃を超えると一般に着
色する可能性が大きくなる。
【0009】上記加熱は気体中でも液体中でも行うこと
ができる。気体中で行う場合、空気中等酸素の存在下で
行うと着色する恐れがあるので、キサンタンガムと反応
しない不活性ガス中で行うのが良い。不活性ガスとして
は窒素ガス、ヘリウムガス、炭酸ガス、水蒸気等を挙げ
ることができる。また、気体中での加熱を減圧下で行う
ことによっても着色を回避できる。この場合の気体とし
ては上記不活性ガスを用いることができるのは勿論であ
るが、減圧の程度によっては空気も着色を生じることな
く用いることができる。減圧の程度は、特に制限ない
が、200〜0.01mmHgが適当である。
【0010】液体中で加熱を行う場合、キサンタンガム
を溶解しない不活性溶剤中にキサンタンガムを分散させ
た状態で加熱する。液体中で加熱を行う場合も着色は起
こらない。不活性溶剤としては、キサンタンガムを溶解
せず、キサンタンガムと反応しないものであれば特に制
限はない。不活性溶剤の例としてはメタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノール、n−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコ
ール等の炭素数1〜6のアルカノール、1,3−ブチレ
ングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコ
ール等の炭素数1〜4のアルカンジオール、エチレング
リコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル
(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチル
エーテル(エチルセロソルブ)等のエチレングリコール
のモノもしくはジ低級アルキル(C=1〜4、特に1〜
2)エーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリ
コールのモノもしくはジ低級アルキル(C=1〜4、特
に1〜2)エーテル等の他、植物油脂、動物油脂、脂肪
酸、脂肪酸とグリセリン等のモノ、ジ、トリエステル等
の各種油脂類を挙げることができる。不活性溶剤中での
反応は、場合により加圧下で、例えばオートクレーブ中
で行うことができる。
【0011】上述したキサンタンガムの処理方法は、本
特許の対象となる水性塗料およびエマルション塗料の製
造工程のうち、キサンタンガムが乾燥状態であればどの
部分でもこの処理を行うことができる。加熱処理後に得
られる高粘性キサンタンガムの単離は、例えば加熱処理
液を濾過し、ケーキを必要に応じエタノール等の低沸点
溶剤で洗浄し、ついで真空乾燥することによって行うこ
とができる。上記方法によって製造される高粘性キサン
タンガムは、その高い粘性において従来のキサンタンガ
ムと異なる。すなわち、本発明の高粘性キサンタンガム
は、キサンタンガム濃度として0.5重量%の水溶液と
した場合、3500〜25000mPa・s(mPa・
s=ミリパスカル×秒)(B型粘度計、6rpm、25
℃。以下別に定義する場合を除き、粘度値はこの条件下
でのものをいうものとする。なお、1mPa・s=1c
P(センチポアズ)である)、好ましくは4500〜2
3000mPa・s、さらに好ましくは5000〜22
000mPa・s、さらに一層好ましくは6000〜2
1000mPa・sの粘度を示す。従来のキサンタンガ
ムの0.5重量%水溶液の粘度は1600〜3300m
Pa・s程度であることから、本発明の高粘性キサンタ
ンガムの粘度は、驚異的である。
【0012】その他の物性については、みかけの分子量
が従来のキサンタンガムと比し、大きくなっているが、
分子式上の実質的変化はない。
【0013】以下水性塗料およびエマルション塗料につ
いての具体的実施の形態を述べる。高粘性キサンタンガ
ムの添加時期は、特に限定されるものではない。また添
加方法についても特に限定されるものではない。本発明
の対象となる水性塗料およびエマルション塗料とは、特
に限定するものではないが、例えば建物用、建築資材
用、構造物用、船舶用、道路車両用、電気機械用、機械
用、金属製品用、木工製品用、家庭用、道路標示用など
の各種塗料としてブリキ、アルミニウム、ティンフリー
スチール、鉄、亜鉛、銅、亜鉛メッキ鋼板、合金メッキ
合板などの金属、これらの金属にリン酸塩処理やクロメ
ート処理を施した化学処理金属、木材、プラスチック、
コンクリート、アスファルトなどに塗布することができ
る。さらに水性塗料およびエマルション塗料の組成物と
して、水と高粘性キサンタンガムを必須成分とするが、
水は塗布時に含有していればよく、例えば、塗布直前に
塗料成分に水を添加して用いるなどの方法がある。この
他の組成物は特に限定するものではないが、塗料形成成
分として、アマニ油、キリ油、大豆油、脱水ヒマシ油、
ボイル油、スタンド油などの植物油類、およびアルキド
樹脂、ビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、タールエ
ポキシ樹脂、ウレタン樹脂、タールウレタン樹脂、アル
キルシリケート樹脂、塩化ゴム樹脂、アクリル樹脂、メ
ラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ
素樹脂、各種水溶性樹脂などの樹脂類、および顔料、染
料などの着色剤、および可塑剤、乾燥剤、表面調製剤、
色分かれ防止剤、消泡剤、レオロジー調製剤、紫外線調
製剤、界面活性剤などの改質剤・添加剤があげられるが
特に限定するものではない。塗膜形成助成分としては
水、加工油類、鉱油類、天然樹脂類、天然物誘導体類、
合成樹脂類、炭化水素溶剤、アルコール類、エステル
類、ケトン類、グリコール類、グリコール誘導体などが
あげられるが特に限定するものではない。
【0014】本発明を以下実施例、比較例および参考例
によって具体的に説明するが、これらは本発明を例証す
るためのものであって、本発明を何等限定するものでは
ない。 (従来のキサンタンガムの比較製造例)市販のキサンタ
ンガムの0.5重量%水溶液を作り、粘度を測定した。
結果を表1に示す。
【0015】
【表1】 ※測定条件:B型粘度計、6rpm、25℃
【0016】(高粘性キサンタンガムの製造例1)キサ
ンタンガム粉末(ザ・ニュートラスウィート・ケルコカ
ンパニー・ア・ユニット・オブ・モンサントカンパニー
製、乾燥減量14重量%)1Kgを大豆油中4Kgに分
散させ、110〜120℃で加熱した。キサンタンガム
分散液をそれぞれ濾過し、ケーキをエタノール40gで
洗浄した。真空乾燥に12時間付してエタノールを除去
して高粘性キサンタンガム(高粘性品1〜4)を得た。
それぞれの0.5重量%水溶液を調製し、粘度を測定し
た。結果を表2に示す。
【0017】
【表2】 ※測定条件:B型粘度計、6rpm、25℃
【0018】(高粘性キサンタンガムの製造例2)キサ
ンタンガム粉末(ローヌ・プーラン・ケミカルズ・カン
パニー製、乾燥減量8重量%)1Kgを大豆油中4Kg
に分散させ、105〜120℃で加熱した。キサンタン
ガム分散液をそれぞれ濾過し、ケーキをエタノール40
gで洗浄した。真空乾燥に12時間付してエタノールを
除去して高粘性キサンタンガム(高粘性品5〜8)を得
た。それぞれの0.5重量%水溶液を調製し、粘度を測
定した。結果を表3に示す。
【0019】
【表3】 ※測定条件:B型粘度計、6rpm、25℃
【0020】(高粘性キサンタンガムの製造例3)キサ
ンタンガム粉末(株式会社興人製、乾燥減量11重量
%)100gを110℃の窒素中において加熱した。得
られた高粘性キサンタンガム(高粘性品9〜11)の
0.5重量%水溶液を作り、粘度を測定した。結果を表
4に示す。なお、表4中の加熱時間は、キサンタンガム
の品温が100℃以上で加熱された時間である。
【0021】
【表4】 ※測定条件:B型粘度計、6rpm、25℃
【0022】
【実施例】以下本発明の実施例および比較例を説明す
る。 実施例1および比較例1 <木材用塗料:水溶性塗料>アクリル酸共重合体30
g、メラミン樹脂3g、蒸留水50g、キサンタンガム
(高粘性キサンタンガム)0.3gを混合し、表5の組
成の木材用塗料を製造した。これらの塗料の流動性、皮
膜形成、外観、保存安定性を評価した。
【0023】
【表5】 注)◎:優 ○:良 △:やや劣る ×:劣る
【0024】本発明品1、2により得られた塗料は、比
較品と比べ著しく良好な流動性、皮膜形成性、外観およ
び保存安定性を有するものであった。
【0025】実施例2および比較例2 <建材仕上げ塗料:エマルション塗料>アクリル・スチ
レン共重合樹脂30g、炭酸カルシウム25g、二酸化
チタン20g、乳化剤1g、グリセリン10g、エタノ
ール15gを攪拌しながらキサンタンガム(高粘性キサ
ンタンガム)を添加し、表6に示す組成物を得た。この
組成物をさらに混練し粘土状の建築用仕上塗剤を製造し
た。このようにして得た粘土状の仕上塗剤100gに、
使用時に塩化カルシウム3gと塩化ナトリウムを3g含
有する水100gを加えて溶解させ塗布を行い、流動
性、たれ性、顔料分散性、顔料固着性を評価した。
【0026】
【表6】 注)◎:優 ○:良 △:やや劣る ×:劣る
【0027】本発明品1、2により得られた塗料は、著
しく良好な流動性、たれ性、顔料分散性、顔料固着性を
有するものであった。
【0028】実施例3および比較例3 <金属板用硬化塗料:水溶性塗料>アミノ樹脂30g、
水溶性樹脂70g、ジメチルエタノールアミン6g、架
橋補助用触媒0.5g、二酸化チタン100g、水20
0g、キサンタンガム(高粘性キサンタンガム)を攪拌
し、表7に示す缶外面用硬化塗料を製造した。これらの
塗料の流動性、保存安定性、顔料分散性を評価し、さら
に塗料をブリキ版にバーコーターで乾燥時の膜厚が約1
0μmになるように塗装し、180℃で30秒間焼き付
けて塗膜を作成して、その工程におけるたれ性、顔料固
着性を評価した。
【0029】
【表7】 注)◎:優 ○:良 △:やや劣る ×:劣る
【0030】本発明品1、2により得られた塗料は、比
較品と比べ著しく良好な流動性、顔料分散性、たれ防止
性、顔料固着性および保存安定性を有するものであっ
た。
【0031】実施例4および比較例4 <船舶用塗料:エマルション塗料>ポリ乳酸20g、オ
イゲノール1gをクロロホルム90gに溶解し、蒸留水
100g中に攪拌しながら混合し乳化させ、クロロホル
ムを留去して溶液Aを得た。キサンタンガム(高粘性キ
サンタンガム)5gを蒸留水100gに溶解させ、溶液
Aを混合し、表8の組成の船舶用塗料を製造した。これ
らの塗料の流動性、皮膜形成、乳化性能、保存安定性を
評価した。
【0032】
【表8】 注)◎:優 ○:良 △:やや劣る ×:劣る
【0033】本発明品1、2により得られた塗料は、比
較品と比べ著しく良好な流動性、皮膜形成性、および保
存安定性を有するものであった。
【0034】参考例1 比較製造例のキサンタンガム(未加熱品1、2)と製造
例1、2の高粘性キサンタンガム(高粘性品2、6)の
0.3、0.6,0.9重量%水溶液を作った。各溶液
を光散乱光度計(大塚電子株式会社製 DLS−700
0型)で、24.5℃における40、50、60、7
0、80、90°の角度の静的光散乱測定を行い、Zi
mmプロット解析を行って見かけの分子量と慣性自乗半
径を求めた。表9にその結果を示す。表9に示すとおり
高粘性キサンタンガムは、未加熱品より大きな粒子で存
在することが示された。
【0035】
【表9】
【0036】参考例2 比較製造例のキサンタンガム(未加熱品1)と製造例1
の高粘性キサンタンガム(高粘性品1)の1重量%水溶
液にそれぞれクエン酸ナトリウム、リン酸L-アスコルビ
ルマグネシウム(VC-PMg)を0〜2重量%添加したときの
粘度を測定した。結果を図1に示す。図1に示すとお
り、高粘性キサンタンガムは、塩に対し強く、各塩濃度
において未加熱品よりも高い粘度であった。
【0037】参考例3 比較製造例のキサンタンガム(未加熱品1)と製造例1
の高粘性キサンタンガム(高粘性品1)の1重量%水溶
液の粘弾性を測定した。測定にはCarri−Med社
製ストレス制御式レオメーター(CSL―100型)を
用いた。図2に未加熱品1のフローテストの結果を、図
3に高粘性品1のフローテストの結果を示す。図2およ
び図3の比較から、未加熱品より高粘性品の方が降伏値
が高いことが示された。
【0038】参考例4 キサンタンガム(高粘性キサンタンガム)粉末の0.1
重量%水溶液を調製し、B型粘度計で回転数を変え粘度
を測定した。チキソトロピー性を下記のように定義し、
比較した(表10)。 チキソトロピー性=6rpmの粘度値(A)/60rp
mの粘度値(B) 粘度値(A):B型粘度計、6rpm,25℃ 粘度値(B):B型粘度計、60rpm、25℃
【0039】
【表10】
【0040】表10から高粘性品は、チキソトロピー性
が高いことがわかる。チキソトロピー性に違いのある未
加熱品3と高粘性品9を実施例3および比較例3の金属
版用硬化塗料で比較すると、チキソトロピー性の高い本
発明品は、塗料ののびが良く、たれ防止性、顔料の分散
性も優れていた。
【0041】
【発明の効果】本発明の塗料は、特定の高粘性を有した
高粘性キサンタンガムを含有することにより、塗料の流
動性調節、たれ防止、乳化安定性、顔料の分散性、皮膜
形成性等が予期以上に改善され、保存安定性が従来品よ
りも著しく優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 塩類によるキサンタンガムの粘度の影響を表
す図である。
【図2】 キサンタンガム(未加熱品1)のフローテス
トの結果を表す図である。
【図3】 高粘性キサンタンガム(高粘性品1)のフロ
ーテストの結果を表す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 105/00 C09D 105/00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キサンタンガム濃度として0.5重量%
    の水溶液とした場合、3500〜25000mPa・s
    (B型粘度計6rpm 25℃)の粘度を示す高粘性キ
    サンタンガムを含有することを特徴とする塗料。
  2. 【請求項2】 塗料が水性塗料またはエマルション塗料
    である請求項1記載の塗料。
  3. 【請求項3】 高粘性キサンタンガムが、乾燥減量(常
    圧下、105℃、5時間)が50重量%以下のキサンタ
    ンガムを80〜140℃で30分以上加熱するものであ
    る請求項1または2記載の塗料。
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