JP2000034299A - ヒトγ―インタ―フェロンに於ける糖鎖 - Google Patents

ヒトγ―インタ―フェロンに於ける糖鎖

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JP2000034299A
JP2000034299A JP11148882A JP14888299A JP2000034299A JP 2000034299 A JP2000034299 A JP 2000034299A JP 11148882 A JP11148882 A JP 11148882A JP 14888299 A JP14888299 A JP 14888299A JP 2000034299 A JP2000034299 A JP 2000034299A
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Masashi Kurimoto
雅司 栗本
Masakazu Mihashi
正和 三橋
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Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
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Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒトγ−インターフェロンに於ける糖鎖を解
明しその用途を提供することを課題とする。 【解決手段】 ヒトγ−インターフェロンのポリペプチ
ド鎖に結合している糖鎖結合位置と構造を解明し、その
用途を確立することにより前記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒトγ−インター
フェロンとその糖鎖およびそれらの用途に関するもので
あり、より詳細には、新規構造を有するヒトγ−インタ
ーフェロンとその糖鎖およびそれらの用途に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトインターフェロンには、α−インタ
ーフェロン(別名、白血球インターフェロン)、β−イ
ンターフェロン(別名、線維芽細胞インターフェロン)
およびγ−インターフェロン(別名、免疫インターフェ
ロン、タイプIIインターフェロン)が知られており、
このうち、α−インターフェロンについてはリンパ芽球
などから、β−インターフェロンについては、線維芽細
胞などからの天然型ヒトインターフェロンの製造方法が
確立され、最近、これらを利用した医薬品が市販される
までに至った。
【0003】一方、ヒトγ−インターフェロンについて
は、多数の製造方法が提案されているものの、いずれも
未だ工業的に実施されるに至っていない。
【0004】一般に、ヒトγ−インターフェロンの大量
製造方法として最も期待され、可能性が高いとされてき
た方法は、遺伝子組換え技術による大腸菌を用いたγ−
インターフェロンの製造方法である(特開昭58−20
1995号公報、特開昭60−202899号公報参
照)。
【0005】しかしながら、この方法で製造されるγ−
インターフェロンは、ポリペプチド鎖構造のみからなっ
ていて、糖鎖構造を有する天然型ヒトγ−インターフェ
ロンには程遠いものである。そこで、ヒトγ−インター
フェロン遺伝子をチャイニーズハムスター卵巣細胞(C
HO細胞)に導入し、この細胞から糖鎖構造を有するヒ
トγ−インターフェロンを製造する方法が検討された
(特開昭62−289600号公報)。
【0006】また、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・
バイオケミストリー(European Journa
l of Biochemistry)、第156巻、
651〜654頁(1986年)では、このチャイニー
ズハムスター卵巣細胞から製造されるヒトγ−インター
フェロンの糖鎖構造について詳細に報告し、その構造
は、化7に示す糖鎖構造であると結論している。
【0007】
【化7】
【0008】しかしながら、これらは、あくまでチャイ
ニーズハムスター卵巣細胞からのヒトγ−インターフェ
ロンの糖鎖構造を示しているに過ぎない。
【0009】ヒト由来細胞からのγ−インターフェロン
の糖鎖構造については、「日経バイオテク」、1986
年9月22日号、5頁にその一部が報告され、その構造
は、化8に示す構造であるとしている。
【0010】
【化8】
【0011】しかしながら、その糖鎖構造の結合様式は
不明であり、チャイニーズハムスター卵巣細胞からのも
のとの異同も明らかでない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ヒト疾患を治療し、ま
たは、予防するには、本質的にヒト由来の細胞から産生
され、かつ、構造の解明されたヒトγ−インターフェロ
ンを使用することが、抗原、抗体反応などの副作用の懸
念もなく、安全であり優れている。本発明は、天然型ヒ
トγ−インターフェロンの糖鎖構造を解明することを目
差し、併せてそれらの用途を確立しようとするものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】ヒト由来の細胞に誘導剤
を接触させて天然型ヒトγ−インターフェロンを産生さ
せ、これを高度に精製、採取し、そのポリペプチド鎖並
びに糖鎖を解析し、その天然型ヒトγ−インターフェロ
ンの構造を解明した。その結果、ヒト由来細胞に誘導剤
を接触させ産生されるヒトγ−インターフェロンは、新
規な構造を持つ糖蛋白質であって、配列表に於ける配列
番号1乃至5のいずれかのポリペプチド鎖のN末端側か
ら第25番目および第97番目に存在するアスパラギン
の一方または双方に、化1乃至6のいずれかの構造(た
だし、これら化1乃至6中のNeuAc、GlcNA
c、Gal、ManおよびFucは、本明細書を通じ
て、それぞれ、N−アセチルノイラミン酸、N−アセチ
ル−D−グルコサミン、D−ガラクトース、D−マンノ
ース及びL−フコースを示すものとする。)で示される
糖鎖を結合しているヒトγ−インターフェロンであるこ
とを見い出し、更に、このヒトγ−インターフェロンの
用途を確立して本発明を完成した。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】本発明のヒトγ−インターフェロンの製造
方法は、本発明で新規構造のヒトγ−インターフェロン
を確立したことより、種々の製造方法を適宜選択できる
こととなった。
【0021】一般には、ヒト由来の細胞に誘導剤を接触
させて天然型ヒトγ−インターフェロンを産生させ、こ
れを精製採取する。
【0022】また、遺伝子組換え技術によって、ヒトγ
−インターフェロン遺伝子を他のヒト由来細胞に導入す
るか、または細胞融合技術によって、ヒトγ−インター
フェロン産生能を有するヒト由来の細胞を他のヒト由来
の細胞と融合させて、ヒトγ−インターフェロンを誘導
剤の接触を必要とすることなく産生させたり、その産生
量を高めたりして、本発明のヒトγ−インターフェロン
を製造することも有利に実施できる。
【0023】また、必要ならば、遺伝子組換え技術によ
る大腸菌などの微生物から産生したヒトγ−ポリペプチ
ド鎖または有機化学的若しくは生化学的に合成されるポ
リペプチド鎖などに、例えば、グリコシル トランスフ
ェラーゼを用いて糖鎖を生化学的に転移させるなどの方
法を採用して本発明のヒトγ−インターフェロンを製造
することも随意である。
【0024】ヒト由来の細胞としては、例えば、特公昭
63−1296号公報に開示されているBALL−1細
胞、TALL−1細胞、MOLT−3細胞などの培養株
化されたヒト由来の細胞、特開昭63−152993号
公報に開示されているHBL−38細胞、HL−60細
胞、KG−1細胞、ML−1細胞などの培養株化された
ヒト由来の骨髄単球系細胞などが適宜使用され、更に必
要ならば、ヒト末梢血から調製されるバフィーコートな
どの白血球細胞を用いることもできる。
【0025】これら細胞を用いて、ヒトγ−インターフ
ェロンを産生せしめる方法は、通常、ヒト由来の細胞を
約20〜40℃に保った栄養培地に細胞濃度約10
10 /mlになるように浮遊させ、これに誘導剤を加
えて接触させることにより行なわれる。
【0026】誘導剤としてはγ−インターフェロンが産
生されるものであればよく、通常、例えば、フィトヘマ
グルチニン、コンカナバリンA、ポークウィードミトー
ゲン、リポポリサッカリド、リピドA、エンドトキシ
ン、多糖類、細菌などのミトーゲンが好適である。
【0027】また、感作化された細胞にとっては、抗原
もγ−インターフェロン誘導剤である。これらγ−イン
ターフェロン誘導剤を用いる場合には、通常約0.00
1μg/ml〜10mg/mlの濃度で使用される。必
要ならば、例えば、ウイルス、核酸、ポリヌクレオチド
などのα−インターフェロン誘導剤を併用することもで
きる。
【0028】このようにして産生されたヒトγ−インタ
ーフェロンは、公知の分離精製方法、例えば、塩析・透
析、濾過、遠心分離、濃縮、凍結乾燥などを行うことに
よって容易に精製分離し、採取することができる。
【0029】更に高度の精製を必要とする場合には、例
えば、イオン交換体への吸着・溶出、ゲル濾過、アフィ
ニティークロマトグラフィー、等電点分画、高速液体ク
ロマトグラフィー、電気泳動などの公知の方法を更に組
み合わせればよく、とりわけ、モノクローナル抗体を利
用したクロマトグラフィーなどにより最高純度のヒトγ
−インターフェロンを採取することも可能である。
【0030】このようにして得られるヒトγ−インター
フェロンは、ヒトγ−インターフェロン感受性疾患の治
療剤、予防剤などとして有利に利用できる。ヒトγ−イ
ンターフェロン感受性疾患とは、ヒトγ−インターフェ
ロンによって治療され、若しくは予防される疾患であ
り、それがウイルス性疾患、例えば、流行性血膜炎、ヘ
ルペス性角膜炎、インフルエンザ、風疹、血清肝炎、エ
イズなどであってもよく、また、非ウイスル性疾患、例
えば、大腸癌、腎癌、肺癌、肝癌、骨肉腫などの悪性腫
瘍、更には、アトピー性アレルギー、重症筋無力症、膠
原病、悪性貧血、関節リウマチ、全身性エリテマトーデ
スなどの免疫疾患などであってもよい。
【0031】また、ヒトγ−インターフェロン感受性疾
患の治療剤、予防剤は、その目的に応じて、その形状を
自由に選択できる。その一例を上げれば、噴霧剤、点眼
剤、うがい剤、注射剤などの液剤、軟膏のようなペース
ト剤、粉剤、顆粒剤、錠剤などの固剤などである。
【0032】これら薬剤に、ヒトγ−インターフェロン
を、通常、グラム当り1〜10,000,000単位程
度の活性を含有させればよく、必要に応じてヒトγ−イ
ンターフェロンとともに他のリンホカイン、例えば、α
−インターフェロン、β−インターフェロン、ツモア・
ネクロシス・ファクター、リンホトキシン、インターロ
イキン2、B細胞分化因子など、更には、他の天然また
は合成化学療法剤などの1種または2種以上を有効成分
として含有せしめ、その治療、予防効果を更に高めるこ
とも有利に実施できる。
【0033】更に必要ならば、補助剤、増量剤、安定剤
などの1種または2種以上を併用することも随意であ
る。このようにして製造される本発明のヒトγ−インタ
ーフェロン感受性疾患の治療剤、予防剤は、例えば、抗
ウイルス剤、抗腫瘍剤として、また、抗腫瘍性化学療法
剤の抗腫瘍効果増強剤、悪性腫瘍の転移抑制、再発防止
剤、免疫調節剤、免疫疾患治療剤などとして有利に利用
できる。
【0034】ヒトに種特異性の高いインターフェロンの
活性は、「蛋白質 核酸 酵素」、第20巻、第6号、
616〜643頁(1975年)に報告されているヒト
羊膜由来のFL細胞を使用して、公知のプラーク半減法
で測定した。
【0035】なお、ヒトγ−インターフェロンの活性
は、抗ヒトα−インターフェロン抗体及び抗ヒトβ−イ
ンターフェロン抗体を共存させて、ヒトα−インターフ
ェロン及びヒトβ−インターフェロンを中和後測定し
た。
【0036】以下、実施例で本発明を説明する。
【0037】なお、これら実施例は、本発明を例示して
いるものであって、本発明の限定を意図しているもので
はない。
【0038】
【実施例A−1】<ヒトγ−インターフェロン>
【実施例A−1(1)】<高純度ヒトγ−インターフェ
ロンの調製>新生児のハムスターに、ウサギから公知の
方法で調製した抗血清を予め注射し、ハムスターの免疫
反応を弱めた後、その皮下にKG−1細胞(ATCC
CCL246)を移植し、その後、通常の方法で3週間
飼育した。皮下に生じた約15gの腫瘍を摘出した後、
コラゲナーゼ含有生理食塩水に懸濁して、細胞を分散、
分取した。この細胞をRPMI1640培地で洗浄した
後、同じ組成の培地に細胞濃度が約2×10/mlに
なるように浮遊させ、これにml当り約5μgのリポポ
リサッカリドを加え、37℃、2日間保ち、ヒトγ−イ
ンターフェロンを産生させた。これを遠心分離し、上清
ml当り約45,000単位、ハムスター1匹当り約3
5,000,000単位のヒトγ−インターフェロンを
得た。この上清を膜濃縮し、精密濾過後、常法に従っ
て、抗ヒトγ−インターフェロン抗体カラム(商品名、
γ−Sepharose、英国セルテック社製造)を用
いるカラムクロマトグラフィーを行い、次いで濃縮、ゲ
ル濾過してヒトγ−インターフェロン活性を有する画分
を採取し、活性収率約80%でヒトγ−インターフェロ
ン溶液を得た。
【0039】本品は、高度に精製されたヒトγ−インタ
ーフェロンであって、その比活性は約2×10単位/
mg蛋白質であった。
【0040】
【実施例A−1(2)】<ヒトγ−インターフェロンの
分子量>実施例A−1(1)の方法で調製した高純度ヒ
トγ−インターフェロンを用いて、ユー・ケー・レムリ
(U.K.Laemmli)、ネイチャー(Natur
e)、第227巻、680頁(1970年)に記載され
ている方法に準じて、SDS−ポリアクリルアミドゲル
電気泳動方法により測定したところ、約24,000、
約20,000、約16,000を中心に複数のバンド
が観察された。それらの量は、モル比で、それぞれ、約
7:2:1であった。また、そのいずれのバンドにもヒ
トγ−インターフェロンの活性がみとめられた。更に、
アール・エイ・カピタニー(R.A.Kapitan
y)等、アナリティカル バイオケミストリー(Ana
lytical Biochemistry)、第56
巻、361頁(1973年)に記載されている方法に準
じてPAS染色(periodic acid Shi
ff base stain)により糖鎖の存在を調べ
たところ、分子量約24,000および約20,000
のバンドが陽性を示した。
【0041】
【実施例A−1(3)】<ヒトγ−インターフェロンの
アミノ酸配列>実施例A−1(1)の方法で調製した高
純度ヒトγ−インターフェロンを用いて、エルンスト・
リンデルクネヒト(Ernst Rinderknec
ht)等、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケ
ミストリー(The Journal of Biol
ogical Chemistry)、第256巻、6
790〜6797頁(1984年)に記載されている方
法に準じてアミノ酸配列を調べた。
【0042】即ち、ヒトγ−インターフェロンを、トリ
プシンまたはV8プロテアーゼ(米国、シグマ社製造)
で分解し、得られるペプチド断片を高速液体クロマトグ
ラフィーで分取し、それぞれを気相プロテインシークエ
ンサー(商品名470A型、米国、アプライドバイオシ
ステム社製造)にかけ、次いで高速液体クロマトグラフ
ィーにより分析して、アミノ酸配列を求めた。ただし、
糖鎖を結合したペプチド断片は、グリコペプチダーゼA
(生化学工業株式会社製造)で糖鎖をはずした後、気相
プロテインシークエンサーにかけた。
【0043】以上の分析結果から、ヒトγ−インターフ
ェロンは、主要構造として、配列表に於ける配列番号1
乃至5で示されるいずれかのポリペプチド鎖を有してお
り、そのN末端側から第25番目および第97番目に存
在するアスパラギンの一方または双方に糖鎖をグリコシ
ルアミン型で結合していることが判明した。
【0044】換言すれば、配列表に於ける配列番号2で
示されるポリペプチド鎖は、配列表に於ける配列番号1
で示されるポリペプチド鎖のC末端側から9個のアミノ
酸を欠失しているポリペプチド鎖であり、同様に、配列
表に於ける配列番号3、配列表に於ける配列番号4およ
び配列表に於ける配列番号5で示されるポリペプチド鎖
は、式Iで示されるポリペプチド鎖のC末端側から、そ
れぞれ、10個、11個および12個のアミノ酸を欠失
しているポリペプチド鎖である。これらポリペプチド鎖
のうち、とりわけ、配列表に於ける配列番号4で示され
るポリペプチド鎖の含量が高く、モル比で約50乃至8
0%を占めることも判明した。
【0045】
【実施例A−1(4)】<ヒトγ−インターフェロンの
糖鎖構造>実施例A−1(1)の方法で調製した高純度
ヒトγ−インターフェロンを用いて、それに結合してい
る糖鎖構造を調べた。
【0046】
【実施例A−1(4)(a)】<糖鎖を構成する中性糖
及びアミノ糖>ヒトγ−インターフェロンを、ヨーロピ
アン・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Eur
opean Journal of Biochemi
stry)、第156巻、651〜654頁(1986
年)に記載されている方法に準じてメタノリシス後、ト
リメチルシリル化し、ガスクロマトグラフィーを行って
中性糖を分析した。また、ヒトγ−インターフェロン
を、アール・ジェイ・シンプソン(R.K.Simps
on)等、ザ・ジャーナル・オブ・バイロジカル・ケミ
ストリー(The Journal of Biolo
gical Chemistry)、第25巻1、19
36〜1940頁(1976年)に記載されている方法
に準じて、メタンスルホン酸で加水分解後、エイ・エム
・ベラ(A.M.Bella)等、ジャーナル・オブ・
クロマトグラフィー(Journalof Chrom
atography)、第51巻、314〜315頁
(1970年)に記載されている方法に準じて、アミノ
酸分析器によりアミノ糖を分析した。
【0047】以上の中性糖およびアミノ糖の分析結果か
ら、ヒトγ−インターフェロンに結合している中性糖お
よびアミノ糖は、D−マンノース、D−ガラクトース、
L−フコース、N−アセチル−D−グルコサミンから構
成され、その組成比は、それぞれ、3.00:2.1
6:0.82:3.94であることが判明した。
【0048】
【実施例A−1(4)(b)】<構成糖の配列とその結
合様式>ヒトγ−インターフェロンを、エス・ハセ
(S.Hase)、ザ・ジャーナル・オブ・バイオケミ
ストリー(The Journal of Bioch
emistry)、第95巻、197〜203頁(19
84年)に記載されている方法に準じてヒドラジン分解
し、ピリジルアミノ化し、次いで、ゲル濾過して過剰試
薬を除去し、得られたピリジルアミノ化糖鎖を用いて構
成糖の配列とその結合様式を調べた。
【0049】まず、このピリジルアミノ化糖鎖を陰イオ
ン交換クロマトグラフィーにかけたところ、モノシアロ
糖鎖(monosialylated oligosa
ccharide)とジシアロ糖鎖(disialyl
ated oligosaccharide)を含んで
いることが判明した。
【0050】また、このピリジルアミノ化糖鎖をノイラ
ミニダーゼで処理し、脱シアロピリジルアミノ化糖鎖を
得、これを高速液体クロマトグラフィーで分子サイズ別
に分画した。得られた各画分をエキソグリコシダーゼに
よる逐次分解法で構成糖の配列を決定した。
【0051】更に、このピリジルアミノ化糖鎖を逆相カ
ラムクロマトグラフィーで分画し、得られた各画分を5
00−MHz H−NMRスペクトロスコピー(sp
ectroscopy)にかけその結合様式を決定し
た。
【0052】以上の分析結果から、ヒトγ−インターフ
ェロンは、先に解明したポリペプチド鎖に、化1乃至6
で示されるいずれかの糖鎖をグリコシルアミン型で結合
していることが判明した。
【0053】
【化1】
【0054】
【化2】
【0055】
【化3】
【0056】
【化4】
【0057】
【化5】
【0058】
【化6】
【0059】これら糖鎖構造は、α−インターフェロ
ン、β−インターフェロンはもちろんのこと、チャイニ
ーズハムスター卵巣細胞からのヒトγ−インターフェロ
ンでも見い出されておらず、いずれも、本発明で初めて
解明された構造である。
【0060】また、これら新規糖鎖構造の含量は高く、
モル比で約50乃至80%を占めることが判明した。
【0061】なお、これら糖鎖構造以外に、比較的少量
ではあるが、チャイニーズハムスター卵巣細胞からのヒ
トγ−インターフェロンで知られている糖鎖構造も存在
していることが判明した。
【0062】上述の結果から、本発明のヒトγ−インタ
ーフェロンは、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動法での分子量約24,000のものは、該ポリペプチ
ド鎖のN末端側から第25番目および第97番目のアス
パラギンの双方に糖鎖を結合し、分子量約20,000
のものは、該アスパラギンのいずれか一方に糖鎖を結合
しているものと判断される。
【0063】以上をまとめると、ヒト由来細胞からのヒ
トγ−インターフェロンは、主要構造として、配列表に
於ける配列番号1乃至5のいずれかのポリペプチド鎖の
N末端側から第25番目および第97番目に存在するア
スパラギンの一方または双方に、化1乃至6のいずれか
で示される糖鎖を結合している新規構造のヒトγ−イン
ターフェロンであると結論される。
【0064】
【化1】
【0065】
【化2】
【0066】
【化3】
【0067】
【化4】
【0068】
【化5】
【0069】
【化6】
【0070】本品は、各種ウイルス性疾患、悪性腫瘍な
どの治療剤、予防剤の有効成分として、またヒトγ−イ
ンターフェロン誘導体の製造原料などとして有利に利用
できる。
【0071】
【実施例A−2】<ヒトγ−インターフェロン>実施例
A−1(1)の方法に準じて、新生児ハムスターの皮下
にHBL−38細胞を移植し、その後、通常の方法で、
4週間飼育した。皮下に生じた約20gの腫瘍を摘出し
た後、コラゲナーゼ含有生理食塩水に懸濁して、細胞を
分散、分取した。
【0072】この細胞を、イーグルの最少基本培地で洗
浄した後、37℃に保った同じ組成の培地に、細胞濃度
が約2×10/mlになるように希釈し、これにml
当りフィトヘマグルチニン200μg及びリピドA5μ
gを加え、37℃で、2日間保ってインターフェロンを
産生させた。これを遠心分離し、上清ml当り約93,
000単位のγ−インターフェロンを得た。ハムスター
1匹当り、約183,000,000単位のγ−インタ
ーフェロンが得られた。
【0073】この上清を実施例A−1(1)の方法に準
じて、精製し、活性収率約80%でヒトγ−インターフ
ェロン溶液を得た。
【0074】本品は、高度に精製されたヒトγ−インタ
ーフェロンであって、その比活性は約2×10単位/
mg蛋白質であった。
【0075】この高度に精製されたヒトγ−インターフ
ェロンを用いて、実施例A−1(2)、(3)、(4)
の方法に準じて、その分子量、アミノ酸配列、糖鎖構造
を調べたところ、本実施例のヒトγ−インターフェロン
は、主要構造として、実施例A−1の場合と同一の新規
構造を有するヒトγ−インターフェロンであることが判
明した。
【0076】本品は、実施例A−1の場合と同様に、各
種疾患の治療剤、予防剤の有効成分として、またヒトγ
−インターフェロン誘導体の製造原料などとして有利に
利用できる。
【0077】
【実施例A−3】<ヒトγ−インターフェロン>ヒト末
梢血から調製されたバフィーコートを、細胞濃度が2.
5×10/mlになるように仔牛血清10v/v%を
補足したイーグルの最少基本培地に浮遊させ、これにm
l当り約10μgのフィトヘマグルチニンを加え、37
℃、3日間保ち、ヒトγ−インターフェロンを産生させ
た。これを遠心分離し、上清ml当り約1,000単位
のヒトγ−インターフェロンを得た。
【0078】この上清を実施例A−1(1)の方法に準
じて、精製し、活性収率約75%でヒトγ−インターフ
ェロン溶液を得た。
【0079】本品は、高度に精製されたヒトγ−インタ
ーフェロンであって、その比活性は約2×10単位/
mg蛋白質であった。
【0080】この高度に精製されたヒトγ−インターフ
ェロンを用いて、実施例A−1(2)、(3)、(4)
の方法に準じて、その分子量、アミノ酸配列、糖鎖構造
を調べたところ、本実施例のヒトγ−インターフェロン
は、主要構造として、実施例A−1の場合と同一の新規
構造を有するヒトγ−インターフェロンであることが判
明した。
【0081】本品は、実施例A−1の場合と同様に、各
種疾患の治療剤、予防剤の有効成分として、またヒトγ
−インターフェロン誘導体の製造原料などとして有利に
利用できる。
【0082】
【実施例B−1】<液 剤>生理食塩水に、実施例A
−1の方法で調製した高度に精製されたヒトγ−インタ
ーフェロンをml当り50単位の割合で含有せしめ、無
菌的に濾過し、得られる濾液を滅菌した50ml容プラ
スチック容器に充填し、キャップシールして液剤を製造
した。
【0083】本品は、流行性結膜炎やインフルエンザな
どのウイルス性疾患の治療剤、予防剤として噴霧用、点
眼用、点鼻用、うがい用などに好適である。
【0084】
【実施例B−2】<注 射 剤>生理食塩水に、実施例
A−1の方法で調製した高度に精製されたヒトγ−イン
ターフェロンをml当り100,000単位の割合で含
有せしめ、これを無菌的に濾過し、得られる濾液を滅菌
したガラス容器に2mlずつ採り、凍結乾燥して密栓
し、乾燥注射剤を製造した。
【0085】本品は、実施例B−1の場合と同様にウイ
ルス性疾患の治療剤、予防剤として有利に利用できる。
【0086】また、乳癌、肺癌、肝癌、白血病などの悪
性腫瘍の治療剤、予防剤として、また、アトピー性アレ
ルギー、悪性貧血、関節リウマチ、全身性エリテマトー
デスなどの免疫疾患の治療剤、予防剤としても好適であ
る。
【0087】更に、メルファラン、メソトレキサート、
ドキソルビシンなどの化学療法剤の抗腫瘍効果増強剤と
して利用することも好都合である。
【0088】
【実施例B−3】<注 射 剤>生理食塩水に、実施例
A−2の方法で調製した高度に精製されたヒトγ−イン
ターフェロンをml当り250,000単位の割合で含
有せしめ、これを、実施例B−2の方法に準じて、ガラ
ス容器に充填し、凍結乾燥、密栓し、乾燥注射剤を製造
した。
【0089】本品は、実施例B−2の場合と同様に各種
ウイルス性疾患、悪性腫瘍などの治療剤、予防剤として
有利に利用できる。
【0090】
【実施例B−4】<注 射 剤>生理食塩水に、実施例
A−3の方法で調製した高度に精製されたヒトγ−イン
ターフェロン、リンパ芽球様細胞由来のα−インターフ
ェロン及びリンパ芽球様細胞由来のツモア・ネクロシス
・ファクターをml当りそれぞれ、1,000単位、1
00,000単位および100,000単位の割合で含
有せしめ、これを無菌的に濾過し、実施例B−2と同様
に凍結乾燥して乾燥注射剤を得た。
【0091】本品は、各種ウイルス性疾患の治療剤、予
防剤として好適である。また、乳癌、肺癌、肝癌、胃
癌、白血病などの各種悪性腫瘍の治療剤、予防剤とし
て、また、アトピー性アレルギー、膠原病、関節リウマ
チ、全身性エリテマトーデスなどの免疫疾患の治療剤、
予防剤としても好適である。
【0092】更に、テガフール、マイトマイシンC、硫
酸ビンクリスチンなどの化学療法剤の抗腫瘍効果増強剤
として利用することも好都合である。
【0093】
【実施例B−5】<錠 剤>常法に従って、澱粉とマ
ルトースとを基材として錠剤を製造するに際し、実施例
A−1の方法で調製した高度に精製されたヒトγ−イン
ターフェロンおよびリンパ芽球様細胞由来のツモア・ネ
クロシス・ファクター(TNF−α)を1錠(200m
g)当り10,000単位ずつ含有せしめて錠剤を製造
し、これにメチルセルロースフタレートをコーティング
して腸溶性錠剤を得た。
【0094】本品は、小腸、大腸などの各種ウイルス性
疾患の治療剤、予防剤として有利に利用できる。また、
大腸癌、結腸癌、腎癌、肝癌などの治療剤、予防剤とし
て、また、アトピー性アレルギー、重症筋無力症、関節
リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの免疫疾患の治
療剤、予防剤としても有利に利用できる。
【0095】更に、ドキソルピシン、フルオロウラシ
ル、マイトマイシンCなどの化学療法剤の抗腫瘍効果増
強剤として利用することも好都合である。
【0096】
【発明の効果】本文で詳記したように、ヒト疾患の治
療、予防に使用するヒトγ−インターフェロンとして
は、本質的にヒト細胞由来のものであって、その構造の
解明されたものが望ましい。
【0097】しかしながら、従来、ヒト由来細胞からの
γ−インターフェロンの詳細な構造は知られておらず、
ヒトγ−インターフェロン遺伝子を導入したチャイニー
ズハムスター卵巣細胞からのヒトγ−インターフェロン
との異同も明らかでなかった。
【0098】本発明は、天然型ヒトγ−インターフェロ
ンの構造を解明するとともに、その製造方法を確立し、
安心して使用しうる治療剤、予防剤を確立した。
【0099】また、本発明は、天然型ヒトγ−インター
フェロンの構造を解明したことにより、これを大量生産
する上での製造方法の選択の幅を拡大できるだけでな
く、この構造の解明されたヒトγ−インターフェロンを
原料としてその誘導体の製造、更には類似構造の新薬開
発を促進するなど、その波及効果も著しく、医薬品工業
分野での産業的意義は極めて大きい。
【0100】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo <120> Sugar Chains of Interferon-γ <130> 10037104 <141> 1999-5-27 <150> JP 184,069/88 <151> 1988-07-23 <160> 5 <210> 1 <211> 138 <212> PRT <213> Human cell <220> <221> PEPTIDE <223> The amino acid 1, Glu, is a pyroglutamic acid, i.e., a pyrrolidone carboxylic acid. <400> 1 Glu Asp Pro Tyr Val Lys Glu Ala Glu Asn Leu Lys Lys Tyr Phe 1 5 10 15 Asn Ala Gly His Ser Asp Val Ala Asp Asn Gly Thr Leu Phe Leu 20 25 30 Gly Ile Leu Lys Asn Trp Lys Glu Glu Ser Asp Arg Lys Ile Met 35 40 45 Gln Ser Gln Ile Val Ser Phe Tyr Phe Lys Leu Phe Lys Asn Phe 50 55 60 Lys Asp Asp Gln Ser Ile Gln Lys Ser Val Glu Thr Ile Lys Glu 65 70 75 Asp Met Asn Val Lys Phe Phe Asn Ser Asn Lys Lys Lys Arg Asp 80 85 90 Asp Phe Glu Lys Leu Thr Asn Tyr Ser Val Thr Asp Leu Asn Val 95 100 105 Gln Arg Lys Ala Ile His Glu Leu Ile Gln Val Met Ala Glu Leu 110 115 120 Ser Pro Ala Ala Lys Thr Gly Lys Arg Lys Arg Ser Gln Met Leu 125 130 135 Phe Agr Gly <210> 2 <211> 129 <212> PRT <213> Human cell <220> <221> PEPTIDE <223> The amino acid 1, Glu, is a pyroglutamic acid, i.e., a pyrrolidone carboxylic acid. <400> 2 Glu Asp Pro Tyr Val Lys Glu Ala Glu Asn Leu Lys Lys Tyr Phe 1 5 10 15 Asn Ala Gly His Ser Asp Val Ala Asp Asn Gly Thr Leu Phe Leu 20 25 30 Gly Ile Leu Lys Asn Trp Lys Glu Glu Ser Asp Arg Lys Ile Met 35 40 45 Gln Ser Gln Ile Val Ser Phe Tyr Phe Lys Leu Phe Lys Asn Phe 50 55 60 Lys Asp Asp Gln Ser Ile Gln Lys Ser Val Glu Thr Ile Lys Glu 65 70 75 Asp Met Asn Val Lys Phe Phe Asn Ser Asn Lys Lys Lys Arg Asp 80 85 90 Asp Phe Glu Lys Leu Thr Asn Tyr Ser Val Thr Asp Leu Asn Val 95 100 105 Gln Arg Lys Ala Ile His Glu Leu Ile Gln Val Met Ala Glu Leu 110 115 120 Ser Pro Ala Ala Lys Thr Gly Lys Arg 125 <210> 3 <211> 128 <212> PRT <213> Human cell <220> <221> PEPTIDE <223> The amino acid 1, Glu, is a pyroglutamic acid, i.e., a pyrrolidone carboxylic acid. <400> 3 Glu Asp Pro Tyr Val Lys Glu Ala Glu Asn Leu Lys Lys Tyr Phe 1 5 10 15 Asn Ala Gly His Ser Asp Val Ala Asp Asn Gly Thr Leu Phe Leu 20 25 30 Gly Ile Leu Lys Asn Trp Lys Glu Glu Ser Asp Arg Lys Ile Met 35 40 45 Gln Ser Gln Ile Val Ser Phe Tyr Phe Lys Leu Phe Lys Asn Phe 50 55 60 Lys Asp Asp Gln Ser Ile Gln Lys Ser Val Glu Thr Ile Lys Glu 65 70 75 Asp Met Asn Val Lys Phe Phe Asn Ser Asn Lys Lys Lys Arg Asp 80 85 90 Asp Phe Glu Lys Leu Thr Asn Tyr Ser Val Thr Asp Leu Asn Val 95 100 105 Gln Arg Lys Ala Ile His Glu Leu Ile Gln Val Met Ala Glu Leu 110 115 120 Ser Pro Ala Ala Lys Thr Gly Lys 125 <210> 4 <211> 127 <212> PRT <213> Human cell <220> <221> PEPTIDE <223> The amino acid 1, Glu, is a pyroglutamic acid, i.e., a pyrrolidone carboxylic acid. <400> 4 Glu Asp Pro Tyr Val Lys Glu Ala Glu Asn Leu Lys Lys Tyr Phe 1 5 10 15 Asn Ala Gly His Ser Asp Val Ala Asp Asn Gly Thr Leu Phe Leu 20 25 30 Gly Ile Leu Lys Asn Trp Lys Glu Glu Ser Asp Arg Lys Ile Met 35 40 45 Gln Ser Gln Ile Val Ser Phe Tyr Phe Lys Leu Phe Lys Asn Phe 50 55 60 Lys Asp Asp Gln Ser Ile Gln Lys Ser Val Glu Thr Ile Lys Glu 65 70 75 Asp Met Asn Val Lys Phe Phe Asn Ser Asn Lys Lys Lys Arg Asp 80 85 90 Asp Phe Glu Lys Leu Thr Asn Tyr Ser Val Thr Asp Leu Asn Val 95 100 105 Gln Arg Lys Ala Ile His Glu Leu Ile Gln Val Met Ala Glu Leu 110 115 120 Ser Pro Ala Ala Lys Thr Gly 125 <210> 5 <211> 126 <212> PRT <213> Human cell <220> <221> PEPTIDE <223> The amino acid 1, Glu, is a pyroglutamic acid, i.e., a pyrrolidone carboxylic acid. <400> 5 Glu Asp Pro Tyr Val Lys Glu Ala Glu Asn Leu Lys Lys Tyr Phe 1 5 10 15 Asn Ala Gly His Ser Asp Val Ala Asp Asn Gly Thr Leu Phe Leu 20 25 30 Gly Ile Leu Lys Asn Trp Lys Glu Glu Ser Asp Arg Lys Ile Met 35 40 45 Gln Ser Gln Ile Val Ser Phe Tyr Phe Lys Leu Phe Lys Asn Phe 50 55 60 Lys Asp Asp Gln Ser Ile Gln Lys Ser Val Glu Thr Ile Lys Glu 65 70 75 Asp Met Asn Val Lys Phe Phe Asn Ser Asn Lys Lys Lys Arg Asp 80 85 90 Asp Phe Glu Lys Leu Thr Asn Tyr Ser Val Thr Asp Leu Asn Val 95 100 105 Gln Arg Lys Ala Ile His Glu Leu Ile Gln Val Met Ala Glu Leu 110 115 120 Ser Pro Ala Ala Lys Thr 125
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/00 637 A61K 31/00 637A 31/715 609 31/715 609 38/21 ABH 37/66 ABHF

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表に於ける配列番号1乃至5のいず
    れかに示すポリペプチド鎖を有するヒトγ−インターフ
    ェロンに結合してなる化1乃至6のいずれかに示す構造
    を有する糖鎖。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 ただし、これら化1乃至6中、NeuAc、GlcNAc、G
    al、ManおよびFucは、それぞれ、N−アセチルノイラ
    ミン酸、N−アセチル−D−グルコサミン、D−ガラク
    トース、D−マンノース及びL−フコースを示すものと
    する。)
  2. 【請求項2】 配列表に於ける配列番号1乃至5に示す
    いずれかのポリペプチド鎖のN末端側から第25番目お
    よび第97番目に存在するアスパラギンの一方または双
    方に結合している請求項1に記載の糖鎖。
  3. 【請求項3】 ヒトγ−インターフェロン産生能を有す
    るヒト由来の細胞に誘導剤を接触させて産生されるヒト
    γ−インターフェロンに結合してなる請求項1または2
    に記載の糖鎖。
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