JP2000033365A - 廃水の処理方法 - Google Patents
廃水の処理方法Info
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Abstract
理を効率的に行うと共に、排水の後処理の負荷を軽減す
る。 【構成】 被処理廃水を濃縮して濃縮液と凝縮液とし、
前記凝縮液を放散塔に導き、加圧下で操作して揮発性物
質を含有する圧力の高い蒸気を発生させ、前記の圧力の
高い蒸気を前記濃縮液の噴霧媒体として使用して、焼却
炉内に吹き込んで焼却する廃水の処理方法。 【効果】 上記の目的を達成できる他、廃水の焼却のた
めに新たにスチーム源が必要であったり、スチーム量が
不足するような現場でも適用できる。さらには、焼却の
前処理として濃縮を行う場合に、効果的に濃縮を行うこ
とができる。
Description
揮発性物質を含有する廃水の処理方法に関するものであ
る。より詳しくは、揮発性物質を含有する廃水から前記
の揮発性物質を含む圧力の高い蒸気を取り出して、焼却
炉内に吹き込む廃水の噴霧媒体に利用する処理方法に係
るものである。
は、これまでにも活性汚泥処理が用いられているが、高
濃度の有機物を含有する廃水の処理方法としては、焼却
処理が有効な方法であると考えられている。焼却処理で
は、焼却に要する燃料を節減するため、焼却の前処理と
して廃水を可能なかぎり濃縮することが行われている。
廃水の濃縮には、蒸留法、常圧または減圧蒸発法等が用
いられているが、廃水中に有機物や有害物質等の揮発性
物質を含有している場合には、発生する蒸気中に前述の
揮発性物質が混入するため、これらの物質を含む凝縮液
を別途処理することが必要であった。
て、濃縮装置で発生する廃蒸気を使用して濃縮廃液ある
いは助燃用液体燃料の微粒化ならびに噴霧を行うこと
が、特公昭51−19718号に記載されている。ま
た、揮発性の有害物質を含有している排水を濃縮して焼
却処理する方法において、燃焼用空気と排水を直接接触
させ、揮発性有害物質と水分を該空気中に蒸発させてほ
ぼ水蒸気飽和状態の空気として取り出し、これを焼却用
装置に供給して、排水や燃料の燃焼の用に供すること
で、同時に揮発性有害物質を燃焼除去する方法が、特公
昭51−35068号に記載されている。前記の方法で
は、水蒸気飽和状態の空気の温度が高くなると、水分量
が多くなり燃焼が不安定になるため、空気温度を80℃
以下として焼却用装置に供給するものである。
を焼却処理する方法において、廃水の濃縮と焼却処理を
効率的に行うと共に、系外へ排出する排水の後処理の負
荷を軽減するための処理方法を提供するものである。し
かも、揮発性物質を高濃度に含有する廃水の処理にも適
用可能な方法である。他の目的としては、廃水を焼却炉
内に吹き込んで焼却処理する際に必要とされるスチーム
等の噴霧媒体の負荷を少なくすることができる処理方法
である。さらには、焼却の前処理として濃縮を行う場合
に、何らの制限を与えることなく、効果的な濃縮を可能
とする方法である。
濃縮して濃縮液と凝縮液とし、前記凝縮液を放散塔に導
き、加圧下で操作して揮発性物質等を含有する圧力の高
い蒸気を発生させ、前記の圧力の高い蒸気を前記濃縮液
の噴霧媒体として使用して、焼却炉内に吹き込んで焼却
処理することを特徴とする廃水の処理方法である。上記
の廃水の処理方法においては、噴霧媒体として使用する
蒸気の圧力は2kg/cm2G以上とすることが望まし
い。
は、廃水のCOD成分を構成する有機物や、シアン類,
アミン類等の有毒物質,悪臭物質等を含むもので、廃水
を濃縮処理した場合に、蒸気中に移行するような揮発性
物質を成分として含んでいるものである。
する。図1は、本発明に使用することができる焼却処理
装置の一例を示すものである。図中の、焼却炉1は、炉
壁が耐火物等で形成されており、炉の上部に燃料2と空
気3を導入する配管を備えたバーナー4が設けられてい
る。焼却処理では、焼却に要する燃料を節減するため、
焼却の前処理として廃水を予め濃縮することが行われ
る。被処理廃水6は、濃縮装置10に供給され、外部か
ら加熱されたりスチーム等により濃縮されて、濃縮液1
2と発生した蒸気等を冷却した凝縮液11とになる。前
記の凝縮液11は、さらに放散塔5に導かれ、加圧下で
操作して揮発性物質等を含有する圧力の高い蒸気7を発
生させ、これを濃縮液12の噴霧媒体として使用する。
放散塔5は加圧できる構造で、塔内に導入された凝縮液
11を加熱して、圧力の高い蒸気7を得ると共に、前記
凝縮液中に含まれている揮発性物質等をストリッピング
するものである。放散塔5で得られた揮発性物質等を含
有する圧力の高い蒸気7は、配管を経由してスプレーノ
ズル9に送られ濃縮液12の噴霧媒体として使用され
る。濃縮液12は、スプレーノズルから焼却炉1内に噴
霧・供給することにより、廃水の成分の熱分解等の反応
と、有機物の焼却が行われる。一方、放散塔5から排出
される排水は、二度にわたって揮発性物質を放散させ
て、冷却・凝縮した結果残されたものであるから、質、
量共に改善されるので、後段の活性汚泥等の処理がし易
しくなり、場合によってはそのまま放流できる程度にま
で浄化されることになる。
縮された廃水は、焼却処理により分解・反応して無害化
され、焼却炉からの排ガスは、焼却炉の出口を通り水ス
クラバーや除害塔を通して常法により冷却・除塵されて
から排出される。排ガス中に、さらにHcl,SO2等
の酸性ガスが存在する場合には、常法によりそれらを吸
収除去してから大気中へ放出するようにする。そのよう
な一例として、図1では焼却炉の出口に続いて、液中燃
焼缶を設置しておき、高温の排ガスがダウンカマーチュ
ーブを経て液中燃焼缶内の液中に吹き込まれ冷却・除塵
される形式を示したが、本発明で用いる焼却炉は、これ
に限らずいろいろの形式のものを用いることが可能であ
る。
別種の廃水を、焼却炉1内に噴霧するようにしてもよ
い。これは、廃水には様々なものがあり、含まれている
揮発性物質が容易に放散でき、その濃度が低く、濃縮・
放散工程を経て系外へ放出される排水が直接放流可能な
程度にまで清浄化されるようなケースでは、揮発性物質
が少ない廃水を直接に焼却炉内に噴霧するようにし、両
者を組み合わせることにより、本発明による効果が顕著
に現われるからである。すなわち、前記のようなケース
では、性状の異なる廃水を同時に処理することができ、
焼却処理すべき廃水の量を低減できることから、廃水を
高温度で焼却処理する際には、廃水に含まれている大量
の水も同時に蒸発させ高温にすることになるので、これ
に要する燃料を節減することにつながり、省エネルギー
になる。さらに、放散塔5の下部から排出される排水
は、揮発性物質が少なくなりCOD値等も減少するため
に、放流に要する後処理の負荷を軽減することができ
る。
を含んだ凝縮液11は、放散塔5で再蒸発させ発生する
蒸気を濃縮液12の噴霧媒体として使用することによ
り、凝縮液に含まれた揮発性物質を濃縮液と共に焼却す
ることができ、廃水の濃縮の際の凝縮液を別途処理する
ための負荷を低減することになる。また、放散塔5から
の排水は質、量共に改善され、後段の活性汚泥等の処理
がし易くなる。濃縮装置10において生ずる凝縮液11
は、必ずしも全量を放散工程にて処理しなければならな
いわけではなく、全体のマスバランスや熱エネルギー等
を考慮して、凝縮液の一部を放散工程に回すようにして
もよいし、一部を放散工程で循環させるようにしてもよ
い。
効果的に使用したり、廃熱を利用することが多く、前者
としてはスチームによる多重効用濃縮、後者としては液
中燃焼排ガス等のような100℃以下の排ガスのごとく
低位の熱源が用いられるケースがある。このような場合
には、濃縮時に発生する蒸気は大気圧以下であり、これ
を廃水等の噴霧源として直接使用することは困難である
が、本発明の場合には、それらの蒸気を一旦凝縮液とし
てから、別途放散塔に導入して圧力の高い蒸気として使
用するため、前処理の濃縮操作に関して、何らの制限を
与えるものではなく、効果的な濃縮を保証することがで
きる。すなわち、これまで濃縮が困難とされていた揮発
性成分を含む廃水でも濃縮対象とすることができるし、
前述のごとき省エネルギー的濃縮方法や低位の熱源を利
用した濃縮にも対応が可能である。そして、前段の濃縮
工程と後段の放散工程を組み合わせることで任意の濃縮
倍率を設定することができる。例えば焼却処理による熱
を有効利用し、濃縮工程に活用した例が図2であり、図
1に示した装置の濃縮装置10に、焼却処理による温度
の高い冷却水または排ガスを送りこみ濃縮処理に利用し
ているケースである。すなわち、焼却炉1の下部に設け
られている冷却水に高温の排ガスが吹き込まれ冷却・除
塵された際に、冷却水の温度が高くなり、排ガスも温度
が高いので、これらの冷却水や排ガスを濃縮装置10に
導いて熱交換を行い濃縮に利用するものである。廃水の
濃縮と焼却処理は、原則的には図1における方法と同様
である。
気の圧力は、2kg/cm2G以上、好ましくは3〜1
5kg/cm2G、より好ましくは3〜10kg/cm
2Gの範囲とすることがよい。これは、放散塔5で圧力
の高い蒸気を発生させて、濃縮液の噴霧媒体として使用
するためには、少なくとも2kg/cm2G以上とする
ことが必要であり、上限は装置としてあまり大型なもの
とならない程度に抑えるためである。ノズルの構造や噴
霧粒径等によって異なってくるが、噴霧媒体は噴霧流体
の10〜30wt%の範囲とすることが一般的である。
噴霧媒体が過剰となると、燃料の使用量が増大する。ま
た、不足すると噴霧粒子の径が大きくなり、燃焼性が悪
くなる。本発明では、放散塔5で発生させた蒸気を、濃
縮液の噴霧媒体として使用して焼却炉1内に吹き込み焼
却処理しているが、上述のような蒸気の圧力範囲では、
水蒸気の飽和温度が140〜190℃程度で比較的高い
温度であると共に、別途焼却炉内では焼却処理のために
高温を維持するように燃料が空気と共に吹き込まれて燃
焼域を形成しているので、安定した燃焼を維持すること
ができる。
00ppmの廃水Aを焼却処理した。廃水Aは濃縮装置
10に供給され、焼却炉1の下部に液中燃焼缶を設置し
ておき、高温の燃焼ガスがダウンカマーチューブを経て
液中燃焼缶内に吹き込まれ90℃水分飽和となった排ガ
ス13を使用して、減圧下で2分の1まで濃縮した。前
記の濃縮工程により、濃縮液12と発生した蒸気等を冷
却した濃縮液11とに分離した。このとき得られた凝縮
液11のCODは、約5,000ppmであった。放散
塔5へ前記の凝縮液11を導入し、放散塔内の操作圧力
を5kg/cm2Gで、高圧スチームにより前記凝縮液
を間接加熱して、凝縮液中に含まれている揮発性物質等
をストリッピングし、前記凝縮液11の20%相当を圧
力5kg/cm2G,約150℃の蒸気7とした。前記
の蒸気7は、配管を経由してスプレーノズル9に送られ
前述の濃縮液12の噴霧媒体として使用し、焼却炉1内
に濃縮液12と共に噴霧・供給した。焼却炉1は、その
上部より燃料の灯油と空気を送りこみ、950℃で焼却
処理を行った。放散塔5の下部から排出された排水は、
COD約1,000ppmに低減しており、十分活性汚
泥処理にて処理することが可能な程度に浄化されてい
た。一方、焼却炉内に噴霧・供給した濃縮液12は、焼
却処理により有機物はほとんど完全に分解され、焼却炉
からの排ガスは液中燃焼缶を通り冷却・除塵されてから
排出された。
水を焼却処理する方法において、焼却処理を効率的に行
うと共に、系外へ排出する排水の後処理の負荷を軽減す
ることができる。このため、後処理までを含めて考えれ
ば、廃水を焼却処理する場合に、濃縮、焼却、後処理を
有機的に結合し、トータルの省エネルギーを図りなが
ら、焼却をミニマム化するシステムの一環をなすもので
ある。そして、揮発性物質を高濃度に含有する廃水の処
理に適用しても効果的な方法である。廃水を焼却炉内に
吹き込んで焼却処理する際に必要とされるスチーム等の
噴霧媒体の負荷を少なくすることができる処理方法であ
る。このため、廃水を焼却処理するために新たにスチー
ム源が必要であったり、スチーム量が不足するような現
場でも適用可能である。さらには、焼却の前処理として
濃縮を行う時にも、単純に濃縮した場合には濃縮限界が
低い場合にも、揮発性物質を別途処理して少なくできる
ため、濃縮限界を高めることができ、効果的に濃縮を行
うことができる。
のである。
理による熱を廃水の濃縮工程に利用する場合の説明図で
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 被処理廃水を濃縮して濃縮液と凝縮液と
し、前記凝縮液を放散塔に導き、加圧下で操作して揮発
性物質等を含有する圧力の高い蒸気を発生させ、前記の
圧力の高い蒸気を前記濃縮液の噴霧媒体として使用し
て、焼却炉内に吹き込んで焼却処理することを特徴とす
る廃水の処理方法。 - 【請求項2】 噴霧媒体として使用する蒸気の圧力が2
kg/cm2G以上である請求項1に記載の廃水の処理
方法。
Priority Applications (1)
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JP23219198A JP3861256B2 (ja) | 1998-07-15 | 1998-07-15 | 廃水の処理方法 |
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-
1998
- 1998-07-15 JP JP23219198A patent/JP3861256B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN114890604B (zh) * | 2022-06-21 | 2023-04-07 | 江苏省环境工程技术有限公司 | 一种基于液中焚烧技术的含盐废液处理系统及方法 |
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