JP2000032779A - 電源装置、その制御方法、及び画像形成装置 - Google Patents

電源装置、その制御方法、及び画像形成装置

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JP2000032779A
JP2000032779A JP10212023A JP21202398A JP2000032779A JP 2000032779 A JP2000032779 A JP 2000032779A JP 10212023 A JP10212023 A JP 10212023A JP 21202398 A JP21202398 A JP 21202398A JP 2000032779 A JP2000032779 A JP 2000032779A
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power supply
capacitor
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voltage
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Atsuhiko Yamaguchi
敦彦 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動回路の損失を最小限に抑え、しかも部品
点数の削減も可能にした高電圧電源装置を提供する。 【解決手段】 負荷に対して高電圧出力を行うトランス
121と、トランス121を駆動するために交互にスイ
ッチング動作を行うドライブトランジスタ107,11
7とを備える。ドライブトランジスタ107,117の
ベース電流を急峻に流出、引き込むためのコンデンサ1
05,115の充放電電位を利用して、ドライブトラン
ジスタ107,117の前段のトランジスタ102,1
12のエミッタ電位にバイアスを印加することで、ドラ
イブトランジスタ107,117の同時オンを回避する
為の基準電圧VH,VLを設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばコンデンサ
容量成分の大きな負荷を駆動する電源装置、その制御方
法、及び電子写真プロセスを用いたレーザビームプリン
タ、複写機、ファクシミリ等の、前記電源装置で駆動さ
れる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザビームプリンタ、複写機及びファ
クシミリ装置等の電子写真プロセスを用いた画像形成装
置は、メインコントローラユニット、光学ユニット、感
光ドラムユニット、現像ユニット、転写ユニット、定着
ユニット、カセット部、搬送ユニット、低圧電源ユニッ
ト、高電圧電源装置、並びにエンジンコントローラユニ
ット等に代表されるユニット及び装置により構成されて
いる。
【0003】メインコントローラユニットは、ホストコ
ンピュータから送信された特定の制御コードに従い画像
データの編集を行い、光学ユニットはメインコントロー
ラからの画像データを光信号に変換する。感光ドラムユ
ニットは光学ユニットからの光信号により静電潜像を形
成し、現像ユニットは、感光ドラムユニット上の静電潜
像にトナーを付着させる。
【0004】また、転写ユニットは、感光ドラム上の静
電潜像に従い付着したトナーを被印刷物(主に紙、OH
P用紙)に転写し、定着ユニットは、被印刷物上に転写
されたトナーを加圧、溶融して定着させる。カセット部
は被印刷物を格納しておくもので、搬送ユニットは被印
刷物を搬送する。さらに、低圧電源ユニットは、商用電
源から直流電圧を生成し、高電圧電源装置は、プロセス
系へ印加する高電圧を発生する。エンジンコントローラ
ユニットは、これらエンジン部の制御を掌る。
【0005】高電圧電源装置は、帯電高電圧電源ユニッ
ト、現像高電圧電源ユニット、転写高電圧電源ユニット
及び定着バイアス電源ユニット等の制御や高電圧出力回
路の目的からモジュール化されたユニットで構成され、
交流出力、直流出力またはこれを重畳した出力が、それ
ぞれの出力端子から出力される。高電圧出力は、機器の
設置される環境がいかなる場合においても最適な状態を
再現することが望ましい。
【0006】近年、電子写真プロセス技術の発達により
高電圧出力の低電圧化が進んでいるが、カラー化や高速
化に伴い、駆動しなければならない負荷条件は、種々様
々なものとなっている。
【0007】その中でも、ユーザの利便性を向上させる
為にユーザ交換を行うユニットを最小限に抑える様に機
器が設計されており、この為に電子写真プロセスの為の
高電圧電源ユニットにおいても、従来とは異なる種類の
負荷(高容量性負荷、低抵抗負荷、これらの複合型)を
高速でドライブ(駆動)する必要が生じてきた。
【0008】図4は、従来の高電圧電源装置(矩形波出
力高電圧電源装置)の一構成例を示す回路図である。
【0009】この高電圧電源装置は、重容量性負荷に対
して高電圧出力を高速に出力する為に、高電圧交流出力
(矩形波出力)を制御発生する回路である。
【0010】本従来例では、負荷を高速に駆動しかつ駆
動トランジスタの損失を抑える為に、直列接続されたド
ライブトランジスタ419,423を交互にスイッチン
グ動作させる。また、意図的に同時不動作領域を設ける
ことにより、トランジスタ419,423の同時オンを
積極的に回避するとともに、トランジスタの熱損失によ
る発熱も回避している。
【0011】同図中のCLK信号は、交流出力の基本と
なる周波数で動作しているクロック信号であり、電源電
圧Vddと接地電圧GNDとの間で振幅を繰り返してい
る信号である。このクロック信号は、“H”区間(電源
Vdd電位レベル)と“L”区間(GND電位レベル)
との比率は、“H”:“L”=0:10,10:0以外
の任意の値に設定される。
【0012】図中の426は、高電圧出力を行うための
高電圧トランスであり、この高電圧トランス426は、
アルミ電解コンデンサやセラミックコンデンサ等に代表
されるコンデンサ425により、高電圧トランス駆動用
トランジスタ419及びトランジスタ423と交流的に
結合されている。
【0013】トランジスタ419の前段には、トランジ
スタ419のベース電流引き込み用トランジスタ405
が配置され、このトランジスタ405のベース端子に
は、駆動用クロック信号であるCLK信号が印加されて
いる。トランジスタ405のエミッタ端子には、ダイオ
ード406のアノードが接続され、ダイオード406の
カソードには固定抵抗407とコンデンサ408が接続
され、コンデンサ408には固定抵抗409が接続され
ている。
【0014】固定抵抗407,409は、トランジスタ
410のエミッタに接続され、トランジスタ410のコ
レクタは接地され、トランジスタ410ベース端子電位
は、電源Vddに対する抵抗401,402,403の
定数設定により決定される任意の電圧VHに固定されて
いる。
【0015】一方、NPNトランジスタ423に関して
は、前段にトランジスタ416が接続され、トランジス
タ416のベース端子にはCLK信号が印加され、エミ
ッタ端子にはダイオード413のカソード端子が接続さ
れている。ダイオード413のアノード端子には抵抗4
15,412が接続され、抵抗415の逆端にはコンデ
ンサ414が接続されている。
【0016】コンデンサ414及び抵抗412は、トラ
ンジスタ411のエミッタ端子に接続されている。トラ
ンジスタ411のコレクタ端子は電源電圧Vddに接続
され、そのベース端子は、電源電圧Vddに対する抵抗
401,402,403の定数設定により決定される任
意の電圧VLに固定されている。
【0017】次に、図5を参照しつつ本従来例の動作を
説明する。
【0018】先ず、CLK信号がGNDレベルから電源
電圧Vddに向かい上昇していった場合について説明す
る。
【0019】CLK信号電位が上昇して、抵抗401,
402,403で規定される電位VHを超えた時点にて
(実際には、VHに、トランジスタ410のベースエミ
ッタ間電圧VBEとダイオード406の順方向電圧Vf
を加えた電位となるが、本説明では動作上大きな影響が
無いためこの値を無視することとする)、トランジスタ
410がオンしてトランジスタ405のエミッタ電位が
VH電位まで下げられる。
【0020】この時、トランジスタ405のベースには
前記CLK電位が印加されている為にトランジスタ41
0のオンとほぼ同時刻にトランジスタ405もオン状態
に推移する。トランジスタ405がオンすることによ
り、トランジスタ419のベース電流が流れる様に働
き、トランジスタ419もオン状態に推移する。
【0021】一方、トランジスタ423の状態は、CL
K電位がVLレベルから上昇した時点にてオフしている
為、CLK信号がVLレベルからVHレベルまで変化す
る為に要した時間T1の期間については、トランジスタ
419及びトランジスタ423共にオフ状態を保持する
様に回路が動作する。この為、CLK信号上昇時には、
確実にトランジスタ419及びトランジスタ423の同
時オフ期間を抵抗401,402,403の定数だけで
任意に規定可能となる。
【0022】また、CLK信号が電源電圧Vdd電位か
らGNDレベルへ下降する場合には、トランジスタ41
0がオン状態にある為、トランジスタ405のエミッタ
電位はトランジスタ410によってVHレベルに固定さ
れている。そのため、CLK電位がVHレベルにまで下
降するまで、トランジスタ405はオン状態を維持し、
CLKがVHレベルから下がった時点にてオフ状態に遷
移し、トランジスタ419をオフする。
【0023】さらに、CLK電位レベルが下がり、VL
レベルを下回った時点において、トランジスタトランジ
スタ411がオン状態に移行し、トランジスタ416に
関してもトランジスタ411のオンと同時刻にオン状態
となり、トランジスタ423をオンさせるように動作し
て、トランジスタ423はオンする。トランジスタ42
3のオン状態は、CLK電位が再びVLレベルに上昇す
るまで維持する。
【0024】この様に、CLK信号下降時には、抵抗4
01,402,403の値により決定されるVH電位か
らVL電位までの変化時間分T2だけトランジスタ41
9,423のオフ時間を規定できる。
【0025】前述の通り、ドライブトランジスタ41
9,423の強制オフ時間を設定できる為、CLK周期
は短くなった場合、及びトランジスタを大電力対応にし
てスイッチング速度が遅くなった場合においても対応可
能となる。
【0026】次に、本従来例のもう一つの動作に関して
説明を行う。これは、前記回路中のドライブトランジス
タ419,423を活性領域ではなく飽和領域で駆動す
る為に、スイッチング過渡期の応答特性を更に改善する
為の従来技術の一例である。即ち、活性領域での動作時
間を極力抑えるように働く回路例である。
【0027】CLK電位がVH電位を超えた時点にて、
トランジスタ405及びトランジスタ410がオン状態
に遷移する。トランジスタ405のエミッタ端子にはコ
ンデンサ408が接続されているため、トランジスタ4
05のオン直後にトランジスタ405のコレクタ電流は
コンデンサ408を充電する為に急激に流れる結果、ド
ライブトランジスタ419のベース電流を強制的に引き
込むことになる。トランジスタ419のベース電流が急
激に流れる為、トランジスタ419は急速にオン状態へ
遷移することになり、トランジスタ419のスイッチン
グ速度も改善される。
【0028】CLK電位がVH電位を下回り、トランジ
スタ405,410がオフ状態となった場合には、コン
デンサ408に充電されていた電荷は固定抵抗407,
409を介して放電される。ここで、コンデンサ408
の充電電流の制限は、電源電圧Vddに接続されている
固定抵抗404により決定され、放電電流は固定抵抗4
07,409により決定される。
【0029】図5には記述していないが、他方のドライ
ブトランジスタ423についても同様にコンデンサ41
4の働きにより急激なトランジスタ423のベース電流
注入を行い、スイッチング速度向上を果たしている。
【0030】この様に、ドライブトランジスタのベース
電流を駆動するトランジスタにコンデンサを追加して、
コンデンサ充放電電流によりドライブトランジスタのス
イッチング速度を急峻にし、矩形波出力等の単位時間内
電圧変化の大きい信号生成の為のドライブ回路を、一般
的な部品の組み合わせで実現している。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例においては、ドライブトランジスタ419,423
の同時オンを回避する為に、固定抵抗器401〜403
にて基準電圧VH,VLを設定し、この基準電圧によっ
てオン/オフするトランジスタ410,411を前段に
使用していた。このような構造にすることにより、同時
オンを積極的に回避することは可能となったが、前段に
設けられたトランジスタ410,411の損失が大き
く、駆動回路としての効率を一層向上させることが困難
であった。
【0032】トランジスタ411を例にとって具体的に
説明する。トランジスタ411のコレクタ電位は電源電
圧Vddに固定され、そのベース電位は抵抗器401〜
403で決定される値VLをとる。一般的にVLは、同
時オン回避期間を大きく設定したいが為に、電源電圧V
ddに比べ非常に低い電位に設定される。その結果、ト
ランジスタ411のオン時には、このトランジスタ41
1のコレクタ−エミッタ間電圧VCEが、VddからV
Lを差し引いた値と同じ電圧となる。また、トランジス
タ411のコレクタ電流IC_411は、ドライブトラ
ンジスタ423のベース電流とほぼ等しいため、 (Vdd−VL)*IC_411 で表される大きな損失がトランジスタ411で生ずるこ
とになる。
【0033】また、このトランジスタ411での損失
(発熱)を抑えようとすると、VL電位を上昇させなけ
ればならず、この場合には、トランジスタ同時オフ期間
の余裕を保てなくなるので、VLはある制限を受けてし
まう。
【0034】このように、上記従来例では、トランス4
26のドライブトランジスタ419,423の効率を向
上させるために、回路の致命的状況を回避するような設
計がなされているが、そのために前段のトランジスタの
効率が犠牲になる、といった問題があった。
【0035】本発明は上記従来の問題点に鑑み、駆動回
路の損失を最小限に抑え、しかも部品点数の削減も可能
にした電源装置、その制御方法、及び前記電源装置を搭
載した画像形成装置を提供することを目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明に係る電源装置では、負荷に対
して電圧出力を行うトランスと、前記トランスを駆動す
るために交互にスイッチング動作を行う第1及び第2の
トランジスタと、第1の基準電圧を発生し、該第1の基
準電圧に基づいて第1のコンデンサを充放電して前記第
1のトランジスタを駆動する第1の駆動回路と、第2の
基準電圧を発生し、該第2の基準電圧に基づいて第2の
コンデンサを充放電して前記第2のトランジスタを駆動
する第2の駆動回路とを備えた電源装置において、前記
第1の駆動回路は、前記第1のトランジスタを高速スイ
ッチングすると共に前記第1の基準電圧を発生するため
の前記第1のコンデンサを有する第1の充放電回路を備
え、前記第2の駆動回路は、前記第2のトランジスタを
高速スイッチングすると共に前記第2の基準電圧を発生
するための前記第2のコンデンサを有する第2の充放電
回路を備えたことを特徴とする。
【0037】請求項2記載の発明に係る電源装置では、
上記請求項1に係る発明において、前記第1の充放電回
路は、前記第1のトランジスタのオフ時に、該第1のト
ランジスタのオンタイミングを設定するための前記第1
の基準電圧を設定し、前記第2の充放電回路は、前記第
2のトランジスタのオフ時に、該第2のトランジスタの
オンタイミングを設定するための前記第2の基準電圧を
設定する構成にしたことを特徴とする。
【0038】請求項3記載の発明に係る電源装置では、
上記請求項1または請求項2に係る発明において、前記
第1の充放電回路は前記第1のコンデンサと第1の抵抗
で構成すると共に、前記第2の充放電回路は前記第2の
コンデンサと第2の抵抗で構成し、前記第1及び第2の
コンデンサの値と第1及び第2の抵抗の値とを可変に構
成したことを特徴とする。
【0039】請求項4記載の発明に係る電源装置の制御
方法では、負荷に対して電圧出力を行うトランスを駆動
するために、第1及び第2の基準電位に基づいて交互に
スイッチング動作を行う第1及び第2のトランジスタを
備えた電源装置に対し、第1のコンデンサの充放電電位
を用いて前記第1のトランジスタを高速スイッチングす
ると共に前記第1の基準電圧を発生し、第2のコンデン
サの充放電電位を用いて前記第2のトランジスタを高速
スイッチングすると共に前記第2の基準電圧を発生する
ことを特徴とする。
【0040】請求項5記載の発明に係る電源装置の制御
方法では、上記請求項4に係る発明において、前記第1
のトランジスタのオフ時に、該第1のトランジスタのオ
ンタイミングを設定するための前記第1の基準電圧を設
定し、前記第2のトランジスタのオフ時に、該第2のト
ランジスタのオンタイミングを設定するための前記第2
の基準電圧を設定することを特徴とする。
【0041】請求項6記載の発明に係る電源装置の制御
方法では、上記請求項4または請求項5に係る発明にお
いて、前記第1及び第2のコンデンサの充放電電位を可
変にしたことを特徴とする。
【0042】請求項7記載の発明に係る画像形成装置で
は、上記請求項1乃至請求項3に係る発明の電源装置
と、該電源装置によって生成された高電圧出力で画像形
成動作を行う画像形成部とを備えたことを特徴とする。
【0043】請求項8記載の発明に係る画像形成装置で
は、上記請求項7に係る発明において、前記画像形成部
の画像形成動作は、電子写真プロセスを用いたものであ
ることを特徴とする。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0045】図1は、本発明の実施形態に係る電源装置
の構成を示す回路図である。
【0046】同図中の121は、高電圧出力を行う為の
高圧トランスである。この高圧トランス121は、アル
ミ電解コンデンサやセラミックコンデンサ等で代表され
るコンデンサ120により、高圧トランス駆動用のドラ
イブトランジスタ107,117と交流的に結合されて
いる。これは、高圧トランス121の出力端子にDC電
圧源122からの直流高圧電圧が入力され、出力端12
3にこの入力された直流電圧と交流電圧が重畳されて出
力される構造となっているためである。なお、直流高圧
電圧が印加されない場合には、交流的結合は必ずしも必
要はない。
【0047】高圧トランス駆動用のトランジスタ107
のベース端子には、抵抗101及びトランジスタ102
のコレクタ端子が接続されている。トランジスタ102
のベース端子には、交流出力周波数及びデューティの基
準となるクロック信号CLKが入力されている。このク
ロック信号CLKは、電源電圧Vddと、接地電圧GN
Dとの間で振幅を繰り返す信号である。
【0048】トランジスタ102のエミッタは、ショッ
トキーバリアダイオード103のアノードに接続されて
いる。ショットキーバリアダイオード103のカソード
にはコンデンサ105及び抵抗104が接続され、コン
デンサ105にはさらに抵抗106が接続され、そして
抵抗104,106の片端はGNDに接地されている。
【0049】トランジスタ107には、保護用ダイオー
ド108がコレクタ、エミッタ間に接続されている。抵
抗109,119に関しては、ドライブトランジスタ1
07,117の異常時(短絡時)の保護用抵抗である。
これらの抵抗109,119は、電源電圧Vdd自体に
短絡保護機能を有する場合には0Ωとしても構わない。
【0050】接地側に接続されたドライブトランジスタ
117のベースには、抵抗111とトランジスタ112
のコレクタが接続され、トランジスタ112のエミッタ
にはショットキーバリアダイオード113のカソードが
接続され、ショットキーバリアダイオード113のアノ
ードにはコンデンサ115及び抵抗114が接続され、
コンデンサ115の片端には抵抗116が接続されてい
る。抵抗116,114は各々電源電圧Vddに接続さ
れている。
【0051】トランジスタ112のベースは、クロック
信号CLKに接続されている。ドライブトランジスタ1
17には保護用ダイオード118がコレクタ−エミッタ
間に接続されている。
【0052】次に、図2の波形図を参照して本実施形態
の動作を説明する。
【0053】GNDレベルから電源電圧Vddレベルの
間にて振幅する信号であるCLKが、トランジスタ10
2のベースに接続されているために、トランジスタ10
2のベース電位はCLKと等しくなる。トランジスタ1
02のエミッタは、ダイオード103を介してコンデン
サ105に接続されている。なお、本実施形態において
は、ダイオード103の順方向電圧に関しては無いもの
とする。この順方向電圧を無視しても本実施形態の効果
には差異がない。
【0054】CLK電位がGNDレベルより上昇し、V
Hレベルを超えた時点において、トランジスタ102は
オン状態となり、トランジスタ102のコレクタ電流
が、抵抗104、コンデンサ105及び抵抗106に流
れ込む。コンデンサ105は、トランジスタ102のオ
ン状態が継続する限り(CLK電位がVHレベルを超え
Vdd電位になり下降始めるまで)、トランジスタ10
2のコレクタ電流により充電される。
【0055】次に、CLKレベルが下降を続けてGND
レベルに到達し更にVHレベルにまで上昇するまで、ト
ランジスタ102はオフ状態となるために、コンデンサ
105に充電された電荷は、抵抗104を通じて放電さ
れる。ダイオード103のカソード電位は、トランジス
タ102のオフ直後の電位を上限として、コンデンサ1
05の容量及び抵抗104の抵抗値により決定される時
定数により減衰する。
【0056】このダイオード103のカソード電位の減
衰は、CLK信号が再び上昇しトランジスタ102のオ
ンレベルに到達するまで継続される。この為、次の周期
でのトランジスタ102のオンレベルを決定しているV
H電位に関しては、コンデンサ105の静電容量と、抵
抗104の抵抗値と、CLK周期(特に“L”レベルデ
ューティ:時間)とにより決定される。
【0057】この様に、従来例において固定抵抗とトラ
ンジスタの組み合わせにて設定していた基準電圧が、本
実施形態ではコンデンサ105及び抵抗104の充放電
にて設定可能となる(コンデンサ105と抵抗104の
時定数で決定される)。
【0058】通常時の動作として、トランジスタ102
のオン直後は、コンデンサ105を充電するための充電
電流を流し込む必要がある為、ドライブトランジスタ1
07のベース電流を急峻に引き込むことになり、従来例
と変わらない高速動作を行う。また、コンデンサ105
に電荷蓄積が終了した時点からは、抵抗104にて制限
される電流がトランジスタ102のコレクタ電流とな
る。
【0059】つまり、コンデンサ105は、本来の目的
であるドライブトランジスタ107のベース電流の急峻
な吸い込みを行うと共に、ドライブトランジスタ107
の動作していない期間においては、ドライブトランジス
タ107のオンタイミングを設定する為の基準電位であ
るVHを設定するセルフバイアス回路としての動作を行
うことになる。即ち、CLKの時期によりその動作の目
的を交互に移しながら、目的とする動作を行うことが可
能となる。
【0060】図2中のIで示す区間に関しては、コンデ
ンサ105は充電状態を示すと共に、ドライブトランジ
スタ107のベース電流を急峻に引き込む動作を行い、
IIの区間に関しては、次のCLK電位上昇時のトラン
ジスタ102のオンタイミングを設定するVHレベルを
確定する為の放電期間である。
【0061】一方、ドライブトランジスタ117に関し
て説明をすると、クロック信号CLKが“H”レベルの
間は、トランジスタ112はオフ状態を続け、CLK電
位が下降し始めVLレベルを下回った時点にて、トラン
ジスタ112はオン状態となる。トランジスタ112が
オン状態となると、コンデンサ115に充電されていた
電荷がトランジスタ112を通じてドライブトランジス
タ117のベースに急峻に流れ込む。
【0062】トランジスタ112のオン状態は、CLK
の“L”レベル時において保持され、さらにCLKが上
昇し始め、トランジスタ112のエミッタ電位を上回る
まで継続する。この時、コンデンサ115の電荷は放電
される。
【0063】トランジスタ112のオン直後には、コン
デンサ115に充電された電荷を急速に放電する為に、
ドライブトランジスタ117のベース電流は、一時的に
急激に流入してドライブトランジスタ117のオンを高
速に実行する。
【0064】CLK電位がトランジスタ112のエミッ
タ電位を上回ると、トランジスタ112はオフとなり、
コンデンサ115は充電される。コンデンサ115の充
電電圧は、コンデンサ115の静電容量と、抵抗116
と、CLK周期とにより決定されるVLレベルとなる。
このVLレベルは、次にCLKレベルが下降しトランジ
スタ112をオンさせる為の基準電圧となる。
【0065】この様にドライブトランジスタ117側に
おいても、従来例の様に抵抗及びトランジスタにより設
定していた基準電圧VLを、コンデンサ116にて代用
してトランジスタ112をセルフバイアスする形を形成
している。
【0066】ここで、図2中のIIIの区間はコンデン
サ充電期間であり、IV区間は放電期間となる。III
期間にて充電動作を行いVLレベルを設定する様動作す
る。
【0067】上記動作をクロックCLKの繰り返しに準
じて連続的に行うことにより、部品点数を減らした場合
においても、従来例と同様の動作を実行でき、かつ発熱
等の損失の少ない駆動回路を実現している。すなわち、
本実施形態では、駆動回路系の効率を低下させている従
来の基準電圧設定部及びトランジスタ部分について、従
来から設けられている部品であるドライブトランジスタ
のベース電流供給用コンデンサの充放電電圧を利用し
て、ドライブトランジスタ駆動用のトランジスタ回路に
自己バイアス電圧を持たせる構成とし、これによって基
準電圧設定機能の代用を行うようにした。
【0068】より詳しく述べると、本来、ドライブトラ
ンジスタ107,117のベース電流を急峻に流出、引
き込むためのコンデンサ105,115の充放電電位を
利用して、ドライブトランジスタ107,117の前段
のトランジスタ102,112のエミッタ電位にバイア
スを印加することで、ドライブトランジスタ107,1
17の同時オンを回避する為の基準電圧VH,VLを設
定可能している。これにより、従来例の抵抗401,4
02,403による基準電圧設定部を削除することがで
き、さらに従来例のトランジスタ410,411も削除
可能となるため、回路の効率が一層向上し、加えて部品
点数も削減される。
【0069】なお、各基準電圧VH,VLの設定は、そ
れぞれ抵抗106,116と、コンデンサ105,11
5の静電容量を可変することにより可能となる。また、
CLK周波数やデューティが変更された場合または変動
した場合においても、これらの容量を可変することで対
応が可能となる。
【0070】さらに、上記実施形態では、クロック信号
CLKが固定周波数でかつ固定デューティの場合におい
て説明したが、クロック信号の周波数及びデューティを
複数有し同一機器にて可変する場合には、コンデンサ容
量の異なるものを複数個接続し、アナログスイッチ及び
選択信号を利用することにより、コンデンサ容量、抵抗
値を選択使用して充放電電圧を適宜可変して、複数周波
数及びデューティへ対応することも可能である。
【0071】また、本実施形態では、ダイオード10
3,113をショットキーバリアダイオードとしたが、
通常の小信号ダイオードを使用しても、回路動作上問題
は生じないため、ショットキーバリアダイオードの使用
を限定するものではない。
【0072】次に、上記高電圧電源装置を搭載した画像
形成装置について説明する。
【0073】図3は、上記実施形態の高電圧電源装置を
搭載した画像形成装置(複写機)の一構成例を示す断面
図である。
【0074】この画像形成装置は、電子写真プロセスに
よって画像形成を行うもので、上記実施形態で実現され
る高電圧電源装置200は、このプロセス系(例えば、
感光体302、現像器303、転写部306及び定着部
307)へ印加する高電圧を発生する。
【0075】原稿給送装置201上に積載された原稿
は、1枚ずつ順次原稿台ガラス面202上に搬送され
る。原稿ガラス面202の所定位置へ搬送されると、ス
キャナ部のランプ203が点灯し、かつスキャナ・ユニ
ット204が移動して原稿を照射する。原稿の反射光
は、ミラー205,206,207及びレンズ208を
介してCCDイメージ・センサ(以下、単にCCDとい
う)209に入力される。
【0076】CCD209に照射された原稿の反射光
は、このCCD209で光電変換される。その変換され
た電気信号は、画像処理部210において、各種の画像
処理が施されてメモリに格納される。メモリに格納され
た電気信号は、露光制御部301にて変調された光信号
に変換されて感光体302を照射する。この照射光によ
って感光体302上に作られた潜像は、現像器303に
よって現像される。
【0077】上記現像された像の先端とタイミングを合
わせて転写紙カセット304もしくは305より転写紙
が転送され、転写部306においてこの転写紙に上記現
像された像が転写される。転写された像は定着部307
にて転写紙に定着された後、排紙部308より装置外部
に排出される。
【0078】排紙部308から出力された転写紙は、出
力用紙処理装置(ソータ)311でソート機能が働いて
いる場合には各ビンに、またはソート機能が働いていな
い場合にはソータの最上位のビンに排出される。
【0079】このように、上記実施形態で実現される高
電圧電源装置により画像形成動作を行うので、画像形成
装置全体の高速化と低消費電力化に寄与することができ
る。
【0080】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1乃至請求
項3に係る発明である電源装置、及び請求項4乃至請求
項6に係る発明である電源装置の制御方法によれば、発
熱等による損失を解消することができ、しかも部品点数
の削減も可能となる。これにより、回路構成が単純でか
つ信頼性の高い、安価な電源装置が実現可能になる。
【0081】請求項7及び請求項8記載の発明に係る画
像形成装置では、請求項1乃至請求項3記載の電源装置
からの高電圧出力により画像形成動作を行うので、画像
形成装置全体の高速化と低消費電力化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電源装置の構成を示す
回路図である。
【図2】実施形態の動作を示すタイミング図である。
【図3】実施形態の高電圧電源装置を搭載した画像形成
装置(複写機)の一構成例を示す断面図である。
【図4】従来の高電圧電源装置(矩形波出力高電圧電源
装置)の一構成例を示す回路図である。
【図5】図4に示した高電圧電源装置の動作を示すタイ
ミング図である。
【符号の説明】
107,117 第1及び第2のトランジスタ(ドライ
ブトランジスタ) 102,112 ドライブトランジスタ駆動用のトラン
ジスタ 105,115 第1及び第2のコンデンサ 104,114 第1及び第2の抵抗 120 トランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H027 ZA01 5H007 CA01 CB17 CC32 DB03 5J055 AX02 AX11 AX12 AX44 BX16 CX12 CX19 DX04 DX05 DX56 DX72 DX84 EX02 EX06 EY01 EY07 EY10 EY12 EY17 EZ00 EZ51 GX01 GX04 GX09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負荷に対して電圧出力を行うトランス
    と、前記トランスを駆動するために交互にスイッチング
    動作を行う第1及び第2のトランジスタと、第1の基準
    電圧を発生し、該第1の基準電圧に基づいて第1のコン
    デンサを充放電して前記第1のトランジスタを駆動する
    第1の駆動回路と、第2の基準電圧を発生し、該第2の
    基準電圧に基づいて第2のコンデンサを充放電して前記
    第2のトランジスタを駆動する第2の駆動回路とを備え
    た電源装置において、 前記第1の駆動回路は、前記第1のトランジスタを高速
    スイッチングすると共に前記第1の基準電圧を発生する
    ための前記第1のコンデンサを有する第1の充放電回路
    を備え、 前記第2の駆動回路は、前記第2のトランジスタを高速
    スイッチングすると共に前記第2の基準電圧を発生する
    ための前記第2のコンデンサを有する第2の充放電回路
    を備えたことを特徴とする電源装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の充放電回路は、前記第1のト
    ランジスタのオフ時に、該第1のトランジスタのオンタ
    イミングを設定するための前記第1の基準電圧を設定
    し、前記第2の充放電回路は、前記第2のトランジスタ
    のオフ時に、該第2のトランジスタのオンタイミングを
    設定するための前記第2の基準電圧を設定する構成にし
    たことを特徴とする請求項1記載の電源装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の充放電回路は前記第1のコン
    デンサと第1の抵抗で構成すると共に、前記第2の充放
    電回路は前記第2のコンデンサと第2の抵抗で構成し、
    前記第1及び第2のコンデンサの値と第1及び第2の抵
    抗の値とを可変に構成したことを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の電源装置。
  4. 【請求項4】 負荷に対して電圧出力を行うトランスを
    駆動するために、第1及び第2の基準電位に基づいて交
    互にスイッチング動作を行う第1及び第2のトランジス
    タを備えた電源装置に対し、 第1のコンデンサの充放電電位を用いて前記第1のトラ
    ンジスタを高速スイッチングすると共に前記第1の基準
    電圧を発生し、第2のコンデンサの充放電電位を用いて
    前記第2のトランジスタを高速スイッチングすると共に
    前記第2の基準電圧を発生することを特徴とする電源装
    置の制御方法。
  5. 【請求項5】 前記第1のトランジスタのオフ時に、該
    第1のトランジスタのオンタイミングを設定するための
    前記第1の基準電圧を設定し、前記第2のトランジスタ
    のオフ時に、該第2のトランジスタのオンタイミングを
    設定するための前記第2の基準電圧を設定することを特
    徴とする請求項4記載の電源装置の制御方法。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2のコンデンサの充放電
    電位を可変にしたことを特徴とする請求項4または請求
    項5記載の電源装置の制御方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項3記載の電源装置
    と、該電源装置によって生成された高電圧出力で画像形
    成動作を行う画像形成部とを備えたことを特徴とする画
    像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記画像形成部の画像形成動作は、電子
    写真プロセスを用いたものであることを特徴とする請求
    項7記載の画像形成装置。
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