JP2000031487A - 半導体装置とその製造方法 - Google Patents

半導体装置とその製造方法

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JP2000031487A
JP2000031487A JP10199900A JP19990098A JP2000031487A JP 2000031487 A JP2000031487 A JP 2000031487A JP 10199900 A JP10199900 A JP 10199900A JP 19990098 A JP19990098 A JP 19990098A JP 2000031487 A JP2000031487 A JP 2000031487A
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heat
semiconductor device
semiconductor
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Shigeki Hirasawa
茂樹 平澤
Masahiko Nishiyama
雅彦 西山
Satoru Isomura
悟 磯村
Hide Yamaguchi
日出 山口
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】密集して形成されたSOI構造の発熱トランジ
スタ素子に接続される多層構造の配線を有する半導体装
置において、製造コストを増加させることなく、配線の
温度上昇を防止可能な半導体装置を実現する。 【解決手段】発熱源であるトランジスタ素子1に接続さ
れる配線5に配線5の幅以内の距離に近接して放熱用の
金属線21を形成する。放熱用の金属線21はSOI構
造のトランジスタ素子1の領域15の直上部の領域を避
けて形成されており、放熱用の金属線21はさらにトラ
ンジスタ領域15から離れる方向に延びている。トラン
ジスタ素子1から配線に伝わった熱は近接する金属線2
1を経て放熱されるため配線5の局所温度上昇を防止で
きる。放熱用の金属線21は配線と同様に、かつ同時に
形成できる。したがって、製造コストを増加することな
く、半導体装置の寿命信頼度を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータ用高
速演算LSIなどの半導体装置に係わり、特に、トラン
ジスタ素子などを接続する多層配線の局所温度上昇を防
止するのに優れた半導体装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】LSI内部の局所温度上昇を防止する従
来の半導体装置として、特開平9―129725号公報
にあるように、多層の配線間を接続する放熱用のダミー
ホールを絶縁膜中に形成し、高温となる配線とその上下
にある他の配線とを熱的に接続し、配線の温度上昇を防
止する方法がある。
【0003】また、他の半導体装置として、特開昭49
―17179号公報にあるように、配線と絶縁された放
熱用の第2の金属層を発熱素子部の上部の絶縁膜内に設
ける方法がある。これは、トランジスタ素子の温度上昇
を防止する目的で設けられるものであり、配線とは3μ
m以上の距離をおいて第2の金属層が基板上部の全面に
連続して形成される。
【0004】また、他の半導体装置として、特許第25
72098号公報にあるように、発熱するポリシリコン
抵抗素子と基板との間の絶縁膜内に熱伝導体を設ける方
法がある。これは、ポリシリコン抵抗素子の温度上昇を
防止する目的のためのものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記第1の
従来技術(特開平9―129725号公報)にあって
は、放熱用のダミーホールが形成される材料として、絶
縁膜よりも熱伝導率が大きくかつ電気的に絶縁材料であ
る必要がある(配線材料は導電性材料であるため配線材
料とも異なる)。そのため、放熱用のダミーホールの形
成によって半導体製造プロセスのプロセス数が増え、製
造コストが増加するという問題があった。
【0006】仮に、ダミーホールが形成される材料を配
線材料やスルーホール材料と同一材料とした場合には、
このダミーホールが形成される材料によって配線間が電
気的に接続されることになり、電気的機能を損なう問題
があった。
【0007】また、上記第2の従来技術(特開昭49―
17179号公報)にあっては、LSI内部で最も高温
になる発熱トランジスタ素子部の温度を下げることを目
的として、発熱素子の上部に第2の金属層を設けたもの
であるため、配線への金属層の影響がないように、この
第2の金属層と配線とは3μm以上の距離をおいてい
る。つまり、配線の温度上昇防止を目的としたものでは
なく、配線への直接的な温度上昇防止効果は望めない。
【0008】この第2の従来技術では、放熱用の金属層
は高発熱トランジスタ素子の直上も含めて配線層以外の
全面にわたって連続して形成されているため、配線層と
放熱用の金属層とを3μm以上離さなければ、逆に高発
熱トランジスタ素子からの熱を配線層に伝えてしまう恐
れがあった。
【0009】また、上記第3の従来技術(特許第257
2098号公報)にあっては、発熱素子と基板との間に
他の構造物がなければ発熱素子の温度上昇防止に有効だ
が、多層配線の基板から数えて第2層以上の配線層の温
度上昇防止として利用しようとしても最近の高集積LS
Iでは配線が密になっているため、第1層の配線層が邪
魔をして第2層の配線の直下に熱伝導体を形成すること
ができないという問題がある。
【0010】本発明の目的は、密集して形成されたSO
I(Silicon on Insulator)構造の発熱トランジスタ素
子に接続される多層構造の配線を有する半導体装置にお
いて、製造コストを大幅に増加させることなく、配線の
温度上昇を防止可能な半導体装置及びその製造方法を実
現することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、次のように構成される。 (1)半導体基板上に多数のトランジスタ素子などの半
導体素子が形成され、上記半導体素子を電気的に接続す
る多数の配線が絶縁膜中に形成される半導体装置におい
て、上記配線に近接した部分に線状あるいは板状の放熱
部材が形成され、上記配線と上記放熱部材とが互いに近
接する部分の間隔は、上記配線の幅以内の距離とし、上
記放熱部材と上記配線とは上記絶縁膜中にて上記半導体
基板から同じ距離の位置に形成され、上記放熱部材は、
上記配線と同一材料であり、かつ上記配線とは電気的に
絶縁され、上記放熱部材のほとんどの部分は、上記トラ
ンジスタ素子の直上部を回避して配置されている。
【0012】(2)好ましくは、上記(1)において、
上記放熱部材は、半導体基板に接続されている。
【0013】(3)また、半導体基板上に多数のトラン
ジスタ素子などの半導体素子が形成され、上記半導体素
子を電気的に接続する多数の配線が絶縁膜中に形成され
ている半導体装置において、上記トランジスタ素子とそ
の直上部に位置する上記配線との間に、一部分が配置さ
れる、線状あるいは板状の放熱部材を備え、この放熱部
材の他の部分は、上記トランジスタ素子の直上部から離
れた領域に延びており、上記放熱部材は、上記配線及び
上記トランジスタ素子と電気的に絶縁されている。
【0014】(4)また、半導体基板上に多数のトラン
ジスタ素子などの半導体素子が形成され、上記半導体素
子を電気的に接続する配線が多層の構造で絶縁膜中に形
成されている半導体装置において、上記トランジスタ素
子と他の半導体素子との間を接続している1つながりの
配線でかつ上記半導体基板側から第1層目の配線と第2
層目の配線とを接続するスルーホールを途中に有してい
る配線のパターンが、配線長を最小とする配線パターン
とは異なり、上記スルーホールが上記トランジスタ素子
から2μm以上離れた位置になるように上記配線を迂回
させた配線パターンとなっている。
【0015】(5)また、半導体基板上に多数のトラン
ジスタ素子などの半導体素子が形成され、上記半導体素
子を電気的に接続する多数の配線が絶縁膜中に形成され
ている半導体装置において、上記半導体基板の内部を通
った配線で上記トランジスタ素子と上記絶縁膜中の配線
との間を電気的に接続している。
【0016】(6)また、半導体基板上に多数のトラン
ジスタ素子などの半導体素子が形成され、上記半導体素
子を電気的に接続する多数の配線が絶縁膜中に形成され
ている半導体装置において、上記半導体素子に電気的に
接続された配線と電気的に接続されていない配線とが距
離0.5μm以下で近接平行して形成されている。
【0017】(7)また、半導体基板上に多数のトラン
ジスタ素子などの半導体素子が形成され、上記半導体素
子を電気的に接続する多数の配線が絶縁膜中に形成され
ている半導体装置の製造方法において、上記配線に近接
した部分に形成される、線状あるいは板状の放熱部材で
あって、上記配線と上記放熱部材とが互いに近接する部
分の間隔は、上記配線の幅以内の距離とし、上記放熱部
材と上記配線とは上記絶縁膜中にて上記半導体基板から
同じ距離の位置に形成され、上記放熱部材は、上記配線
と同一材料であり、かつ上記配線とは電気的に絶縁さ
れ、上記放熱部材のほとんどの部分は、上記トランジス
タ素子の直上部を回避して配置されるように、上記放熱
部材が上記配線の形成とほぼ同時に形成される。
【0018】放熱用部材は、トランジスタ素子の直上部
を回避して配置されているため、放熱用部材の直下は低
温の半導体基板となっており、放熱用部材から半導体基
板への絶縁膜を経た熱伝導でこの放熱用部材が冷却さ
れ、放熱用部材が配線に近接しているため、配線から放
熱部材への伝熱によって配線が冷却され配線の温度上昇
を防止することができる。
【0019】配線と放熱部材とは、ほぼ同時に形成され
るため、放熱部材を設けても半導体製造で工程数が増加
することがなく、半導体装置の製造コストが大幅に増加
することはない。
【0020】また、放熱部材として、電気回路上で使用
していないトランジスタ構造を利用して半導体基板に接
続する場合には、放熱部材の長さ方向の熱伝導により、
放熱効果が大きい。
【0021】また、第2層の配線と第1層の配線のスル
ーホールによる接続位置をトランジスタ領域から2μm
以上離して構成する場合には、配線の長さ方向の熱伝導
によって第2層の配線の温度上昇を抑制できる。
【0022】また、トランジスタ素子との接続を基板の
内部で行うように構成する場合には、トランジスタ素子
からの熱が配線に伝わっても、それが基板で放熱される
ため、絶縁膜中にある配線の温度上昇を抑制できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施形態を
図1から図5を参照して説明する。図1は、本発明の第
1の実施形態を適用した半導体装置の垂直断面図であ
る。図2は、本発明の第1の実施形態を適用した半導体
装置内部のトランジスタ素子1、抵抗素子2、第1層の
配線3の部分のみを拡大した平面図(素子配置は異なっ
ているが図1の領域4に相当する)である。
【0024】なお、ここで、基板11に近い方から第1
層、第2層、・・・の配線と呼ぶ。図3は、第1の実施
形態の第2層の配線5と、第3層の配線6と、トランジ
スタ素子1のみを示した拡大平面図である。図4は、図
2又は図3の8―8線に沿った垂直断面図である。
【0025】また、図5は、図2又は図3の9―9線に
沿った垂直断面図である。なお、図2は、図4又は図5
の10―10線に沿った断面となっている。また、いず
れの図においても、説明に必要な部分以外は省略してあ
る。
【0026】半導体装置は、シリコン基板11の表面部
分に多数のトランジスタ素子1、抵抗素子2、容量素子
などの半導体素子が形成され、それらを接続する多層構
造の配線3、5、6(例えば、ポリシリコン、アルミニ
ウム、銅などの7層構造)、絶縁層12(例えばSiO
2)によって構成されている。
【0027】図4、図5に示すように、SOI(Silico
n on Insulator)構造のトランジスタ素子1は下層の
絶縁膜13(例えばSiO2)、側壁の絶縁膜14(例
えばSiO2)によって囲まれた直方体形状のシリコン
領域15(以下、SOI領域15と呼ぶ)の中に形成さ
れている。
【0028】トランジスタ素子1には例えばバイポーラ
型トランジスタの場合ベース、エミッタ、コレクタ配線
の3本の配線16、17、18が接続されている。多層
配線構造はシリコン基板11の面方向に延びる各層ごと
の配線3、5、6とそれらを層間で接続するスルーホー
ル19によって構成されている。
【0029】図3、図4、図5に示すように、トランジ
スタ素子1に接続される第2層の配線5に近接して、配
線5と同じ金属材料で、配線5には接続しない放熱用の
金属線21が設けられている。この放熱用の金属線21
は、第2層の配線5と同じ層に形成されており、SOI
領域15の直上部を避けた部分に形成され、配線5に近
接する部分22と、SOI領域15から離れた方向に延
びる部分23とがある。
【0030】配線5に近接する部分22にて、配線5と
放熱用金属線21との距離は、配線5の幅(例えば、
0.5μm)以下とする。さらに、望ましくは配線5の
厚さ(例えば0.4μm)以下とする。また、第3層の
配線6と同じ高さでトランジスタ素子1に接続される第
2層の配線5の直上を通過して、SOI領域15から離
れた方向に延びるような放熱用の金属線24が設けられ
ている。
【0031】放熱用の金属線24は、第3層の配線6と
同じ金属材料で、第2層の配線5に接続せず、かつ第3
層の配線6にも接続しない。図1に示すように、半導体
装置は、セラミック基板26にバンプ電極27で取り付
けられており、シリコン基板11の裏面28にはフィン
などの冷却構造29が設けられている。
【0032】以上のように構成された半導体装置に通電
した場合の動作を説明する。トランジスタ素子1に、配
線3、5、6、16、17、18、スルーホール19、
バンプ電極27、セラミック基板26の内部の配線を経
て電流が供給され、トランジスタの機能をする。トラン
ジスタ素子1は、周囲を絶縁膜13、14で囲まれたS
OI領域15の中に形成されているため、寄生容量が小
さく高速に動作させることができる。
【0033】トランジスタ素子1が動作する際に、エミ
ッタ領域7にて発熱し、温度が上昇する。発熱した熱
は、SOI領域15に広がり、約半分の熱が絶縁膜1
3、14を横切って低温のシリコン基板11に伝わる。
残りの熱は、配線3、5、16、17、18を伝導して
広がり、絶縁層12を横切って低温のシリコン基板11
に伝わる。シリコン基板11に伝わった熱は、シリコン
基板11の裏面28にある冷却構造29によって除去さ
れる。
【0034】このように、配線3、5、16、17、1
8には、トランジスタ素子1から熱が伝わるため、トラ
ンジスタ素子1近くの部分の温度が特に上昇する。配線
の金属材料は温度が上昇すると、エレクトロマイグレー
ション現象により断線してしまう恐れがある。
【0035】このため、トランジスタ素子1に直接触れ
る部分の配線16、17、18や第1層の配線3には、
電気抵抗が大きいという欠点があるが温度に対して機械
的に強い材料(例えばタングステン、ポリシリコン)を
用いる。トランジスタ素子1から少し離れた部分の第2
層以上の配線5、6には電気抵抗が小さいような材料
(例えばアルミニウム、銅)を用いる。
【0036】従って、このような構成では第2層の配線
5のトランジスタ素子1に近い部分31が最も温度上昇
に対して弱い部分となる。この第1の実施形態では、配
線5のトランジスタ素子1に近い部分31に近接して放
熱用の金属線21、24が設けられており、配線5の熱
を低温の基板11に伝達して、配線5の温度上昇を小さ
くすることができる。
【0037】放熱用の金属線21、24は、SOI領域
15の直上部には形成されていないため、金属線21、
24の直下は低温の基板11が位置しており、金属線2
1、24から基板11に伝熱される。仮に、高温のSO
I領域15の直上部に放熱用の金属線21、24があっ
たとすると、逆にSOI領域15から金属線21、24
に熱が伝わってしまい放熱とは逆の作用になってしまう
ため、SOI領域15の直上部には放熱用の金属線2
1、24を設けない。
【0038】放熱用の金属線21、24は、配線3、
5、6、16、17、18には接続していないため、放
熱用の金属線21、24を形成しても信号速度低下など
の配線の電気的機能を損なうことがない。放熱用の金属
線21は配線5のトランジスタ素子1に近い部分31に
近接する部分22と共にSOI領域15から離れた方向
に延びる部分23があり、複雑なパターンで密集して形
成される配線5のパターンでも、配線5の最も高温とな
る部分31を局所的に効率良く冷却することができる。
【0039】配線の密度が高く複雑な配線パターンの場
合であっても、その配線間のすきまを利用して放熱用の
金属線を形成するものとし、信号伝達速度を最大になる
ように設計された配線パターンを金属線を形成しても変
化させないように金属線を形成する。
【0040】多層配線は、スパッタによる金属膜付着、
エッチングあるいは化学的機械研磨による不要な金属膜
除去、化学気相成長あるいはスピンコートによる絶縁膜
の付着、エッチングによる配線用溝やスルーホール用穴
の形成を繰り返して形成するが、放熱用の金属線21、
24はそれぞれ同じ高さにある配線5、6と同時に形成
するため、放熱用の金属線21、24を形成することに
より、LSIの製造コストが増すことはない。その結
果、放熱用の金属線21、24の金属材料は配線5、6
と同じ材料であるため、不純物混入によるLSIの信頼
性低下を生じることもない。
【0041】以上のように、本発明の第1の実施形態に
よれば、密集して形成されたSOI構造の発熱トランジ
スタ素子に接続される多層構造の配線を有する半導体装
置において、製造コストを大幅に増加させることなく、
配線の温度上昇を防止可能な半導体装置を実現すること
ができる。
【0042】また、配線の局所温度上昇を防止すること
ができ、半導体装置の寿命信頼度が向上し、さらに電気
特性の劣化を防止できる。
【0043】以上の説明は、第2層の配線の温度上昇を
低減させることについて述べたが、第1層の配線材料と
して温度上昇に弱い材料を用いた場合や第3層の配線の
温度を低減させることを目的とする場合についても、本
発明は適用可能であり、上述した例と同様な効果を得る
ことができる。
【0044】また、放熱用の金属線の材料として、配線
材料とは異なり、熱伝導率が大きい材料を用いても、さ
らに配線材料よりも温度上昇に対して強い材料を用いる
場合についても、本発明を適用すれば、配線の温度を低
下させることができる。
【0045】また、配線と金属線を形成する層の絶縁膜
の材料として他の部分の絶縁膜(例えばSiO2)と異
なり熱伝導率が大きい材料(例えばSi34)を用いれ
ば、配線と金属線との間の伝熱が大きくなるため、温度
低減効果がより大きい。
【0046】また、SOI構造でないトランジスタ構造
の場合や、MOS型トランジスタ構造の場合にも、本発
明を適用することができ、その効果は上述した例と同様
である。
【0047】次に、本発明の第2の実施形態を図6から
図8を参照して説明する。図6は、本発明の第2の実施
形態である半導体装置の平面図であり、図7は図6の3
7―37線に沿った垂直断面図であり、図8は図6の3
8―38線に沿った垂直断面図である。この第2の実施
形態は、2つの高発熱トランジスタ素子41、42を接
続する第2層の配線43が他の第1層の配線44を跨い
でいる(迂回している)構造である。
【0048】この第2の実施形態の場合、トランジスタ
素子41、42が高温になるため、配線43の温度が上
昇する。放熱用の金属線45は、配線43に近接して形
成されている。放熱用の金属線45は、電気回路上で使
用していないトランジスタ構造46を経由してシリコン
基板11に接続されている。放熱用の金属線45は、信
号用の配線43、44とは接続していないため、配線の
電気的機能を損なうことがない。
【0049】以上のように、本発明の第2の実施形態に
よれば、第1の実施形態と同様な効果が得られ他、放熱
用の金属線45が基板11に接続されているため、放熱
効果は非常に大きい。また、電気的に使われていないト
ランジスタ構造を放熱部品として利用しているため、L
SIの製造コストが増加することはない。
【0050】なお、半導体装置の内部には電気回路上で
使用していないトランジスタ構造が多くあるため、この
第2の実施形態のように、それを放熱部品として利用す
ることが製造コストを増加させることがなく有効である
が、それとは別に放熱専用のスルーホールにより放熱用
の金属線と基板を接続してもよい。
【0051】次に、本発明の第3の実施形態を図9及び
図10を参照して説明する。図9は、本発明の第3の実
施形態である半導体装置の平面図であり、図10は図9
の47―47線に沿った垂直断面図である。
【0052】この第3の実施形態は、高発熱トランジス
タ素子のSOI領域15の上部を第2層の配線48が通
過する構造である。放熱用の金属線49は、SOI領域
15の上部に位置する部分を有し、配線48とSOI領
域15との間の領域に形成される。また、放熱用の金属
線49は、第1層の配線と同じ高さに形成されている。
さらに、放熱用の金属線49は、SOI領域15の上部
以外の部分に位置する部分も有し、この部分は、SOI
領域15の上部に位置する部分よりも広い面積の部分5
0となっている。
【0053】この場合、配線48はトランジスタ素子に
接続されているいないにも拘らず、SOI領域15の上
部を通過する部分の局所温度が上昇する。これに対し
て、放熱用の金属線49がSOI領域15と配線48と
の間に形成されているため、SOI領域15から金属線
49に熱が伝わり広い面積部分50から基板11に放熱
するため配線48の温度上昇を低減することができる。
以上のように、本発明の第3の実施形態によれば、第1
の実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0054】続いて、本発明の第4の実施形態を図11
を参照して説明する。図11は、本発明の第4の実施形
態である半導体装置の平面図である。この図11に示し
た例は、図6に示した例と同様に、2つの高発熱トラン
ジスタ素子41と42とが第1層の配線52及び第2層
の配線53により接続され、第2層の配線53が他の第
1層の配線44を跨いでいる(迂回している)構造であ
る。また、第2層の配線53は、SOI領域から2μm
以上離れて形成されている(図11の矢印51にて距離
を示す)。
【0055】この場合、第1層の配線52がSOI領域
から2μm以上の距離まで延びているため、トランジス
タ素子41から伝わった熱が、配線52から基板11に
伝わり冷却されるため、第2層の配線53の温度上昇を
低減することができる。
【0056】また、この場合、2つのトランジスタ素子
41と42とを接続する配線52の長さが、素子41と
42との最短距離(図6に示した配線3、43が最短の
配線長となる配線位置)より長くなるため、電気信号の
伝達速度が低下することが考えられるが、この伝達速度
の低下が電気回路上、問題とならない場合に適用するこ
とができる。
【0057】以上のように、本発明の第4の実施形態に
よれば、第1の実施形態と同様な効果を得ることができ
る。
【0058】次に、本発明の第5の実施形態を図12を
参照して説明する。図12は、本発明の第5の実施形態
である半導体装置の垂直断面図である。この図12にお
いて、配線55の一端が、シリコン基板11の内部にて
絶縁膜13の上部にあるシリコン領域54の内部からS
OI領域15の中の高発熱SOI構造トランジスタ素子
1に接続され、配線55の他端が基板11上部の絶縁膜
12中にある配線56に接続され、トランジスタ素子1
と配線56とを電気的に接続している。配線55の材料
として、例えばポリシリコンを用い、この配線55とシ
リコン基板11とを電気的に絶縁するために絶縁膜57
を周囲に設けている。
【0059】絶縁膜57はSOI領域15の周辺の絶縁
膜14と連続しており、SOI領域15はシリコン領域
54やシリコン基板11と直接接触することはない。こ
の場合、配線55がシリコン領域54の内部を通過する
部分でトランジスタ素子1から配線55に伝わった熱が
シリコン基板11やシリコン領域54に伝わるため、基
板11上部の絶縁膜12中にある配線56の温度上昇を
低減することができる。以上のように、本発明の第5の
実施形態によれば、第1の実施形態と同様な効果を得る
ことができる。
【0060】次に、コンピュータを用いた数値シミュレ
ーションにより本発明の効果を求めた結果を示す。図1
3は計算対象とした半導体装置の要部平面図であり、図
14は図13の30―30線に沿った垂直断面図であ
る。図13及び図14に示す構成は、放熱用の金属34
及び35が、配線33の近傍に配置され、かつ、発熱体
であるトランジスタ素子1の直上部を避けて配置されて
いる。この構成が、本発明の特徴とする構成である。以
下に、数値シミュレーションを行った各構成部分の寸法
を記載する。
【0061】図13及び図14に示す構造において、3
0μm×30μm×10μm(縦×横×高さ)のシリコ
ン基板11に、1個のSOI構造トランジスタ素子1と
ポリシリコン抵抗素子2とがあり、エミッタ領域7が2
μm×0.5μm×0.2μm(縦×横×厚さ)で、発熱
量は3mW、SOI領域15が4μm×4μm×1.5
μm(縦×横×高さ)、絶縁膜13、14の厚さ0.4
μm、配線32、33と2本の放熱用の金属線34、3
5の垂直断面寸法を全て0.5μm×0.5μmとする。
【0062】また、配線33と金属線34、35との隙
間を配線33の幅と同じ0.5μmとし、第1層の配線
32の材料をタングステン、第2層の配線33と放熱用
の金属線34、35の材料を銅、ポリシリコン抵抗素子
2の寸法を3μm×1μm×0.2μm(縦×横×厚
さ)で、発熱量は1mWとする。
【0063】数値シミュレーション結果によると、シリ
コン基板11の温度を基準として、放熱用の金属線3
4、35がない場合には、エミッタ領域7の温度上昇は
30℃となり、ポリシリコン抵抗素子2の温度上昇が2
5℃となった。また、第1層の配線32の最大温度上昇
は25℃となり、第2層の配線33の最大温度上昇が1
9℃となった。
【0064】これに対して、放熱用の金属線34、35
を設けた場合には、シリコン基板11の温度を基準とし
て、第2層の配線33の最大温度上昇が16℃となり、
第2層の配線33の温度上昇を15%低減できる効果が
ある。
【0065】放熱用の金属線34、35を配線33に接
近させればさせる程、本発明の効果は大きくなるが、放
熱用の金属線34、35と配線33との間の絶縁膜の電
気絶縁特性から、その最小距離が決まる。
【0066】配線のエレクトロマイグレーションによる
寿命は、温度上昇に対して指数関数的に低下する傾向に
あり、配線温度上昇を3℃低下させることは、配線の寿
命を例えば20%延長させる効果がある。
【0067】上述した本発明の半導体装置の製造に際し
て、放熱用の金属線21、24、34、35、45、4
9は、これら金属線と半導体基板(シリコン基板)11
からの距離が同等である、つまり、同一平面上に形成さ
れる配線と同時に形成することができる。
【0068】したがって、本発明の半導体装置の製造方
法は、通常の半導体装置の製造方法に加えて、放熱用の
金属線を、配線の形成と同様にして形成する必要がある
が、上述したように、放熱用の金属線は、配線と同時に
形成することが可能であるので、特別な行程を追加する
必要が無く、製造コストをほとんど増加させることな
く、上記放熱用の金属線を形成することができる。
【0069】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているため、次のような効果がある。密集して形成され
たSOI構造の発熱トランジスタ素子に接続される多層
構造の配線を有する半導体装置において、製造コストを
増加させることなく、配線の温度上昇を防止可能な半導
体装置及びその製造方法を実現することができる。
【0070】また、半導体装置内部の多層配線の局所温
度上昇を防止することができ、半導体装置の寿命信頼度
が向上し、電気特性の劣化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である半導体装置の垂
直断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の部分拡大平面図であ
る。
【図3】本発明の第1の実施形態の部分拡大平面図であ
る。
【図4】図2の8―8線に沿った垂直断面図である。
【図5】図2の9―9線に沿った垂直断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態である半導体装置の平
面図である。
【図7】図6の37―37線に沿った垂直断面図であ
る。
【図8】図6の38―38線に沿った垂直断面図であ
る。
【図9】本発明の第3の実施形態である半導体装置の平
面図である。
【図10】図9の47―47線に沿った垂直断面図であ
る。
【図11】本発明の第4の実施形態である半導体装置の
平面図である。
【図12】本発明の第5の実施形態である半導体装置の
垂直断面図である。
【図13】本発明の効果を示す数値シミュレーションの
計算対象とした半導体装置の要部平面図である。
【図14】図13の30―30線に沿った垂直断面図で
ある。
【符号の説明】
1 トランジスタ素子 2 抵抗素子 3 第1層の配線 5 第2層の配線 6 第3層の配線 7 エミッタ領域 11 シリコン基板 12 絶縁層 13、14 絶縁膜 15 SOI領域 16、17、18 配線 19 スルーホール 21、24 放熱用の金属線 26 セラミック基板 27 バンプ電極 29 冷却構造 32、33 配線 34、35 放熱用の金属線 41、42 トランジスタ素子 43、44 配線 45 放熱用の金属線 46 放熱に利用した電気的な動作をしな
いトランジスタ構造 48 配線 49 放熱用の金属線 52、53 配線 54 シリコン領域 55、56 配線 57 絶縁膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯村 悟 東京都青梅市今井2326番地 株式会社日立 製作所デバイス開発センタ内 (72)発明者 山口 日出 東京都青梅市今井2326番地 株式会社日立 製作所デバイス開発センタ内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に多数のトランジスタ素子な
    どの半導体素子が形成され、上記半導体素子を電気的に
    接続する多数の配線が絶縁膜中に形成される半導体装置
    において、 上記配線に近接した部分に線状あるいは板状の放熱用部
    材が形成され、上記配線と上記放熱用部材とが互いに近
    接する部分の間隔は、上記配線の幅以内の距離とし、上
    記放熱用部材と上記配線とは上記絶縁膜中にて上記半導
    体基板から同じ距離の位置に形成され、上記放熱用部材
    は、上記配線と同一材料であり、かつ上記配線とは電気
    的に絶縁され、上記放熱用部材のほとんどの部分は、上
    記トランジスタ素子の直上部を回避して配置されている
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の半導体装置において、上記
    放熱用部材は、半導体基板に接続されていることを特徴
    とする半導体装置。
  3. 【請求項3】半導体基板上に多数のトランジスタ素子な
    どの半導体素子が形成され、上記半導体素子を電気的に
    接続する多数の配線が絶縁膜中に形成されている半導体
    装置において、 上記トランジスタ素子とその直上部に位置する上記配線
    との間に、一部分が配置される、線状あるいは板状の放
    熱用部材を備え、この放熱用部材の他の部分は、上記ト
    ランジスタ素子の直上部から離れた領域に延びており、
    上記放熱用部材は、上記配線及び上記トランジスタ素子
    と電気的に絶縁されていることを特徴とする半導体装
    置。
  4. 【請求項4】半導体基板上に多数のトランジスタ素子な
    どの半導体素子が形成され、上記半導体素子を電気的に
    接続する配線が多層の構造で絶縁膜中に形成されている
    半導体装置において、 上記トランジスタ素子と他の半導体素子との間を接続し
    ている1つながりの配線でかつ上記半導体基板側から第
    1層目の配線と第2層目の配線とを接続するスルーホー
    ルを途中に有している配線のパターンが、配線長を最小
    とする配線パターンとは異なり、上記スルーホールが上
    記トランジスタ素子から2μm以上離れた位置になるよ
    うに上記配線を迂回させた配線パターンとなっているこ
    とを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】半導体基板上に多数のトランジスタ素子な
    どの半導体素子が形成され、上記半導体素子を電気的に
    接続する多数の配線が絶縁膜中に形成されている半導体
    装置において、 上記半導体基板の内部を通った配線で上記トランジスタ
    素子と上記絶縁膜中の配線との間を電気的に接続してい
    ることを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】半導体基板上に多数のトランジスタ素子な
    どの半導体素子が形成され、上記半導体素子を電気的に
    接続する多数の配線が絶縁膜中に形成されている半導体
    装置において、 上記半導体素子に電気的に接続された配線と電気的に接
    続されていない配線とが距離0.5μm以下で近接平行
    して形成されていることを特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】半導体基板上に多数のトランジスタ素子な
    どの半導体素子が形成され、上記半導体素子を電気的に
    接続する多数の配線が絶縁膜中に形成されている半導体
    装置の製造方法において、 上記配線に近接した部分に形成される、線状あるいは板
    状の放熱用部材であって、上記配線と上記放熱用部材と
    が互いに近接する部分の間隔は、上記配線の幅以内の距
    離とし、上記放熱用部材と上記配線とは上記絶縁膜中に
    て上記半導体基板から同じ距離の位置に形成され、上記
    放熱用部材は、上記配線と同一材料であり、かつ上記配
    線とは電気的に絶縁され、上記放熱用部材のほとんどの
    部分は、上記トランジスタ素子の直上部を回避して配置
    されるように、上記放熱用部材が上記配線の形成とほぼ
    同時に形成されることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
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