JP2000030889A - 静電気除去装置 - Google Patents

静電気除去装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】直線状の放電領域を形成し、安定してムラなく
高速で静電気を除去することができ、しかも発塵がなく
保守管理が容易で、寿命の長い静電気除去装置を提供す
る。 【解決手段】電極線を石英ガラス管の内壁に接する位置
に配置し、絶縁性液状高分子固着剤を該管内に充填し硬
化することにより電極線を固定した石英ガラス管封入電
極よりコロナ放電させ、発生したイオンによって静電気
を除去することを特徴とする静電気除去装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電気除去装置に
関する。さらに詳しくは、本発明は、直線状の放電領域
を形成し、安定してムラなく高速で静電気を除去するこ
とができ、しかも発塵がなく保守管理が容易で、寿命の
長い静電気除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】製造工場において発生する静電気は、生
産の障害となる場合が多いので、生産工程において、静
電気を除去する必要がある。例えば、製紙工程や印刷工
程において発生する静電気は、紙揃え不良、紙詰まり、
印刷不良などを引き起こす。フィルム生産工程において
発生する静電気は、ピンホールや傷の発生などを引き起
こす。半導体、IC、液晶などの生産工程では、電子回
路パターンの微細化に伴い、静電気によって引き起こさ
れる放電によって製品が破壊に至るなどの問題が生じて
いる。食品工業においては、製造過程で帯電することに
よって、製品や容器に塵埃が付着する。生産工程におい
て静電気を除去するために、放射線や高電圧のコロナ放
電などによってイオンを発生させ、発生したイオンを静
電気が蓄積している場所に積極的に導いて中和させる方
法が広く知られている。コロナ放電させるための電極と
しては、針電極や線条電極などが用いられる。しかし、
現在製品化されている静電気除去装置は、針電極を用い
るものが主体となっていて、線条電極方式のものはほと
んど存在しない。針電極は、尖った針状の電極の先端か
らコロナ放電させるもので、静電気を除去すべき対象物
の全幅にわたって複数個の針電極を配列して使用され
る。針電極には比較的短時間で焼損が生じ、放電電流の
均一な分布が妨げられるので、頻繁に清掃や交換を行う
必要がある。線条電極は、静電気を除去すべき対象物の
全幅にわたって細い電極線を空中に張り、交流又はパル
ス高電圧を印加するものである。コロナ放電を強めるた
めには電極線を極めて細くする必要があるが、空気酸化
や放電スパッタによる消耗、損傷と、高電圧信号による
振動などにより、常に断線のおそれがあり、それに伴う
人体などへの接触による危険性が危惧される。 線条電極は、直線状の電極全体に放電することにより、
針電極のような不連続の位置での放電に比べて、連続線
状にイオンが発生するため、対象物に対して均一かつ高
速な除電が可能であるが、電極線の金属表面に劣化が生
ずると、均一性が損なわれ、線条電極の特性が失われる
とともに、イオン発生量の減少による除電速度の低下も
生ずる。従来より使用されている針電極、線条電極とも
に、電極の劣化は大きな問題であり、通常3ないし6カ
月ごとのクリーニングや、1年程度での電極の交換が必
要とされる。このために、静電気除去装置の保守管理に
は多大の時間と費用を要する。例えば、紙やフィルムな
どを移動させつつ平面全体の均一な除電を必要とする印
刷機器や、それらの関連機器では、除電性能が劣化する
ことは、直ちに製品の品質の低下を引き起こすことにな
る。また、従来の静電気除去装置では、電極の劣化によ
る発塵が避けられず、静電気を除去すべき対象物に悪影
響を及ぼすおそれがある。さらに、電極を用いてコロナ
放電させる場合、電極自体の劣化による異物の発生のほ
かに、気体の酸化により生成する物質が電極表面に沈着
するという問題もある。このために、安定してムラなく
高速で静電気を除去することができ、しかも発塵がなく
保守管理が容易で、寿命の長い高性能の静電気除去装置
が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、直線状の放
電領域を形成し、安定してムラなく高速で静電気を除去
することができ、しかも発塵がなく保守管理が容易で、
寿命の長い静電気除去装置を提供することを目的として
なされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、電極線を石英ガラ
ス管内に高分子固着剤により固定した石英ガラス管封入
電極を用いることにより、劣化と発塵がなく、長期間安
定した性能を発揮する静電気除去装置を得ることができ
ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、(1)電極線を石英
ガラス管の内壁に接する位置に配置し、絶縁性液状高分
子固着剤を該管内に充填し硬化することにより電極線を
固定した石英ガラス管封入電極よりコロナ放電させ、発
生したイオンによって静電気を除去することを特徴とす
る静電気除去装置、(2)2本の石英ガラス管封入電極
を平行に配置し、高電圧側の電極を固定し、低電圧側の
電極を移動可能とし、両電極を密接又は近接状態におい
てコロナ放電させ、両電極の間隔を広げて電極のクリー
ニングを行う第(1)項記載の静電気除去装置、及び、
(3)+パルス用の電源回路と−パルス用の電源回路を
個別に設けたブリッジ型高電圧パルス発生回路を用い、
+電圧と−電圧を個別に設定可能とした第(2)項記載の
静電気除去装置、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の静電気除去装置は、電極
線を石英ガラス管の内壁に接する位置に配置し、絶縁性
液状高分子固着剤を該管内に充填し硬化することにより
電極線を固定した石英ガラス管封入電極を用いる。図1
は、本発明装置に用いる石英ガラス管封入電極の説明図
である。図1(a)に示す態様においては、石英ガラス管
1の内壁に接する位置にスパイラル状の単芯極細線から
なる電極線2を配置し、高分子固着剤3を用いて固着し
ている。図1(b)に示す態様においては、石英ガラス管
1の内壁に接する位置に極細編組線からなる電極線4を
配置し、高分子固着剤3を用いて固着している。本発明
に用いる石英ガラス管の寸法に特に制限はないが、内径
が1.5〜2.0mmであることが好ましい。内径が1.5m
m未満であると、スパイラル状の電極線を配置して高分
子固着剤で固定する作業が困難となるおそれがある。内
径が2.0mmを超えると、発生イオンを対象物に送ると
きの風損が大きくなり、除電時間が長くなるおそれがあ
る。石英ガラス管の長さに特に制限はなく、静電気除去
の対象物の寸法に応じて適宜選択することができ、例え
ば、300mm、600mm、950mmなどとすることがで
きる。本発明に用いる電極線の形状に特に制限はなく、
例えば、単芯極細線、極細編組線などを挙げることがで
きる。電極線の材質にも特に制限はなく、例えば、銅
線、チタン線、タングステン線などを挙げることができ
る。電極線の太さは、0.05〜0.3mmであることが好
ましく、0.1〜0.2mmであることがより好ましい。電
極線の太さが0.05mm未満であると、石英ガラス管封
入電極製造の際の作業性が低下するおそれがある。電極
線の太さが0.3mmを超えると、コロナ放電の強さが低
下するおそれがある。電極線の末端は、高電圧発生回路
から放電用電圧の供給を受ける電極端子部5として石英
ガラス管の外側に出しておく。
【0006】本発明に用いる高分子固着剤に特に制限は
なく、例えば、二液型ゲル状シリコーン、ポリウレタ
ン、エポキシ樹脂などを挙げることができる。これらの
中でゲル状シリコーンは、接着強度が大きく、適度の弾
性を有して電極線と石英ガラス管の寸法変化に対応しな
がら電極線を固定することができ、石英ガラス管が破壊
された場合にもガラス片の飛散を防止することができる
ので、特に好適に使用することができる。本発明装置に
用いる石英ガラス管封入電極は、スパイラル状の単芯線
や極細編組線などを電極線として用いることができるの
で、電極線の長さを石英ガラス管封入電極の実長よりも
はるかに長くして、強力なコロナ放電を行うことができ
る。また、高分子固着剤により石英ガラス管内が充填さ
れ、電極線が空気と接触することがないので、コロナ放
電により電極線が酸化されるおそれがない。電極線は、
石英ガラス管と高分子固着剤により保護されているの
で、物理的にも損傷を受けるおそれがない。このため
に、本発明装置に用いる石英ガラス管封入電極は、寿命
が長く、保守管理が容易であり、発塵による周辺の汚染
を生じない。
【0007】本発明装置においては、1本の石英ガラス
管封入電極を高電圧側の電極とし、低電圧側の電極に対
向させて、両者の間でコロナ放電させることが好まし
い。低電圧側の電極に特に制限はなく、例えば、ステン
レス鋼製の板、棒などを用いることも可能であるが、安
定してコロナ放電させるためには、低電圧側の電極にも
石英ガラス管封入電極を用いることが好ましい。すなわ
ち、本発明装置においては、2本の石英ガラス管封入電
極を平行に配置し、一方を高電圧側の電極とし、他方を
低電圧側の電極として、両者の間でコロナ放電させるこ
とが好ましい。図2は、2本の石英ガラス管封入電極を
線状対面電極として配置した状態を示す説明図である。
図2(a)に示す態様においては、高電圧側の電極6と低
電圧側の電極7を密接した状態に配置し、図2(b)に示
す態様においては、高電圧側の電極6と低電圧側の電極
7を距離dを離して近接した状態に配置している。高電
圧側の電極の端子8に±Vの電圧を加え、低電圧側の電
極の端子9を接地して0Vにしたとき、両電極間の電位
差は±Vとなる。石英ガラス管の管壁の厚さをLとする
と、図2(a)に示す態様においてはVが空間距離2Lの
放電電圧以上になり、図2(b)に示す態様においてはV
が空間距離2L+dの放電電圧以上になると、両電極間
にコロナ放電が始まりイオンが発生する。両電極間の間
隔は、どの位置においても一定の距離2L又は2L+d
が保たれ、石英ガラスの均一な超絶縁特性によって、直
線状に均一な放電領域が形成される。本発明の静電気除
去装置において、石英ガラス管封入電極を線状対面電極
として配置すると、針電極方式と異なり、極めて均一性
の高い直線放電領域から発生する大量のイオンによっ
て、高速かつ均一な静電気の除去を行うことができる。
【0008】本発明の静電気除去装置は、線状対面電極
として平行に配置したコロナ放電をさせる2本の石英ガ
ラス管封入電極のうち、高電圧側の電極を固定し、低電
圧側の電極を移動可能とした構成とすることができる。
図3は、高電圧側の電極を固定し、低電圧側の電極を移
動可能とした態様の本発明装置の斜視図であり、図3
(a)は、通常作動時の状態を、図3(b)は、電極をクリ
ーニングするときの状態を示す。石英ガラス管封入電極
は、電極線自体は酸化されることがなく、特別の保守管
理を必要としないが、対面する両電極管の間で放電する
ために、長時間使用すると、放電時のスパッタリングに
よって、石英ガラス管の表面に空気酸化物が付着する。
空気酸化物が蓄積すると、イオン発生量が減少したり、
酸化物の蓄積量が多くなると、発塵が生ずる場合もあ
る。このような場合には、石英ガラス管の表面をクリー
ニングすることが必要となる。図3に示す態様の本発明
装置においては、高電圧側の電極6は、電極固定ユニッ
ト10及び11の固定ネジ12及び13により固定され
ている。低電圧側の電極7は、電極固定ユニット10及
び11の固定ネジ14及び15により、高電圧側の電極
6に密接して固定されている。固定ネジ14及び15
は、長穴16及び17の中を通り、ネジを締めることに
よって低電圧側の電極7を高電圧側の電極6に押し付け
る。図3(a)に示す通常作動時においては、高電圧側の
電極6の端子8に高電圧を印加し、低電圧側の電極7の
端子9を接地し、両電極間に電位差を与えることによ
り、コロナ放電が起こり、直線状に均一に大量のイオン
が発生する。発生したイオンは、送風ユニット18の吹
き出し口19から出る風によって、図中の矢印(→)の
方向に送られ、静電気を除去すべき対象物に当てられ
る。帯電した対象物は、イオンと接触することにより、
静電気が中和され、高速で静電気の除去が行われる。図
3(b)に示すクリーニング時においては、固定ネジ14
及び15をゆるめ、低電圧側の電極7を高電圧側の電極
6から離することができるので、石英ガラス管封入電極
の表面を容易にクリーニングすることができる。
【0009】本発明の静電気除去装置は、+パルス用の
電源回路と−パルス用の電源回路を個別に設けたブリッ
ジ型高電圧パルス発生回路を用い、+電圧と−電圧を個
別に設定可能とすることが好ましい。図4は、本発明装
置に用いる高電圧パルス発生回路の一態様の回路図であ
る。回路20は周波数設定用発振回路であり、周波数設
定用可変抵抗VR1により周波数を変えることができ
る。回路21及び22は、それぞれ±高電圧パルス幅設
定用回路であり、パルス幅設定用可変抵抗VR2及びV
R3によりパルス幅を調整することができる。+パルス
と−パルスは、VR1により設定された周波数で交互に
発生する。+パルスは、まずブリッジ回路の低電圧側パ
ワートランジスタQ4をドライブする。また、+パルス
は、+パルス用レベルシフト回路23を通り、+パルス
用遅延回路24を通って、高電圧側パワートランジスタ
Q1をドライブする。この結果、Q4がオンしたのち、
わずかに遅れてQ1がオンする。一方、回路入力DC電
圧Viは、+パルス用電圧設定回路Vaの出力電圧設定用
可変抵抗VRAで設定された電圧が、流れ込み防止ダイ
オードD1を通過して出力電圧充電/パルス出力時放電
用コンデンサC1に電圧V1として充電される。このた
めに、Q4とQ1がオンすると、高電圧パルス発生トラ
ンスTの一次側に電圧V1が加えられ、トランスの二次
側のV+と0Vに+高電圧パルスが発生し、電極は+放
電する。Q4とQ1がオンしている間に放電された出力
電圧充電/パルス出力時放電用コンデンサC1の電圧
は、+高電圧パルスの発生が終わると、再びV1電圧に
充電されて次の+パルスによるドライブに備えられる。
【0010】次に、−パルスが発生すると、+パルスが
発生したときと同様に、まずブリッジ回路の低電圧側パ
ワートランジスタQ3をドライブする。また、−パルス
は、−パルス用レベルシフト回路25を通り、−パルス
用遅延回路26を通って、高電圧側パワートランジスタ
Q2をドライブする。この結果、Q3がオンしたのち、
わずかに遅れてQ2がオンする。一方、−パルス用電圧
設定回路Vbの出力電圧設定用可変抵抗VRBで設定さ
れた電圧V2が、流れ込み防止ダイオードD2を通過し
て出力電圧充電/パルス出力時放電用コンデンサC2に
充電される。このために、Q3とQ2がオンすると、高
電圧パルス発生トランスTの一次側に電圧V2が加えら
れ、トランスの二次側のV−と0Vに−高電圧パルスが
発生し、電極は−放電する。Q3とQ2がオンしている
間に放電された出力電圧充電/パルス出力時放電用コン
デンサC2の電圧は、−高電圧パルスの発生が終わる
と、再びV2電圧に充電されて次の−パルスによるドラ
イブに備えられる。本回路においては、流れ込み防止ダ
イオードD1及びD2が挿入されているので、設定電圧
V1とV2が異なる場合でも、高い方の設定電圧、すな
わち出力電圧充電/パルス出力時放電用コンデンサC1
又はC2の充電電圧の電流が、低い方の電圧方向に流れ
込んで互いに影響を及ぼすおそれはない。また、出力電
圧充電/パルス出力時放電用コンデンサC1及びC2が
挿入されているので、一定時間以上電流が流れるおそれ
がなく、Q1〜Q4が万一直流的にドライブされた場合
でも、電流制限抵抗R1で規制された以上の電流が流れ
ることはなく、安全と異常放電防止が保障される。
【0011】また、遅延回路24及び26も、設定電圧
V1及びV2、すなわち出力電圧充電/パルス出力時放
電用コンデンサC1及びC2の充電電圧に、互いに影響
されない。例えば、+パルスでドライブする場合、V1
がV2より高いとき、Q4がQ1より一瞬早くドライブ
されると、その間にV1の電流がQ1からトランスを経
由し、Q2の逆電圧防止ダイオードを通じて出力電圧充
電/パルス出力時放電用コンデンサC2に流れ込み、C
2電圧を上昇させる。逆電圧防止ダイオードに電流が流
れた次の瞬間、Q4がオンするときの逆電圧防止ダイオ
ードのリカバリショート電流による出力電圧充電/パル
ス出力時放電用コンデンサC1及びC2の電圧変動とド
ライブ素子を破壊から防止する。このように回路を構成
することによって、±高電圧パルスの発生電圧を個別に
設定することができる。すなわち、上記のブリッジ型高
電圧パルス発生回路によれば、通常の高電圧トランス1
個で構成するブリッジ方式を基本として、パルス発生周
波数、±パルス幅及び±パルス電圧を個別に調整するこ
とができる。このために、従来の高電圧パルス発生回路
のように、±パルス電圧が固定されたものであったり、
あるいは、±パルス電圧を個別に調整するために、セン
タータップトランスやトランスを2個備えたものとする
必要はない。従来のコロナ放電によるイオンを利用する
静電気除去装置は、運転条件によっては対象物の帯電を
逆に増加させるような場合もあった。本発明の静電気除
去装置は、高電圧パルス発生回路において、+電圧と−
電圧を個別に設定できるので、静電気を除去すべき対象
物の帯電の状態に応じてキメ細かく運転条件を設定し、
対象物の帯電を完全にかつ効率的に除去することができ
る。
【0012】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 長さ300mm、外径2.8mm、内径1.6mmの石英ガラス
管2本に、それぞれ電極線としてスパイラル状に巻いた
直径0.15mm、長さ600mmのチタン線を挿入した。
次いで、石英ガラス管に二液型ゲル状シリコーンを注入
し、硬化させて、電極線を石英ガラス管の内壁に接する
状態で固定し、図1(a)に示す形状の石英ガラス管封入
電極2本を作製した。この石英ガラス管封入電極2本、
電極固定ユニット2個及び送風ユニットを組み合わせ
て、図3に示す構造の静電気除去装置を組み立て、さら
に図4に示す高電圧パルス発生回路を接続して、本発明
の静電気除去装置を完成した。この静電気除去装置を用
いて、帯電プレートによる静電気除去試験を行った。寸
法150mm×150mm、厚さ3mmのアルミニウム板(接
地間容量20PF)に、1,000Vになるよう帯電さ
せ、石英ガラス管封入電極からの距離を変えて静電気除
去試験を行い、中央部の帯電電位が100Vに低下する
までの時間を除電時間として求めた。なお、高電圧パル
ス発生回路のパルス発生周波数は200〜300Hz、±
パルス幅は2〜4マイクロ秒、±パルス電圧は7〜8k
Vとした。石英ガラス管封入電極と帯電プレートの距離
が10cm、20cm、30cm、50cm、100cm及び15
0cmのとき、除電時間は、それぞれ0.6秒、1.0秒、
1.5秒、1.9秒、4.0秒及び6.9秒であった。 比較例1 石英ガラス管封入電極の代わりに針電極を用い、実施例
1と同様にして帯電プレートの静電気除去試験を行っ
た。用いた針電極は、長さ300mmで、コロナ放電用の
針16本を有するものであった。針電極と帯電プレート
の距離が10cm、20cm、30cm、50cm、100cm及
び150cmのとき、除電時間は、それぞれ1.5秒、2.
6秒、5.0秒、7.9秒、19.7秒及び35.4秒であ
った。実施例1と比較例1の結果を、第1表に示す。
【0013】
【表1】
【0014】第1表の結果から、石英ガラス管封入電極
を備えた本発明の静電気除去装置を用いた実施例1にお
いては、従来の針電極を備えた静電気除去装置を用いた
比較例1に比べて、電極と帯電プレートの距離が同じ場
合、除電時間は約3分の1であり、本発明の静電気除去
装置を用いることにより、迅速かつ効果的に静電気を除
去し得ることが分かる。
【0015】
【発明の効果】本発明の静電気除去装置は、線状の石英
ガラス管封入電極よりコロナ放電させ、前述したよう
に、断線時の危険など線条電極の短所を解決すると同時
に長所を生かすことによって、安定した放電を行って連
続線状に大量のイオンを発生し、迅速に帯電した対象物
の静電気を除去することができ、製品としての効果は大
である。また、電極線が石英ガラス管内に封入されて直
接空気と接触することがないので、長寿命かつ無発塵で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明装置に用いる石英ガラス管封入
電極の説明図である。
【図2】図2は、2本の石英ガラス管封入電極を線状対
面電極として配置した状態を示す説明図である。
【図3】図3は、本発明装置の一態様の斜視図である。
【図4】図4は、本発明装置に用いる高電圧パルス発生
回路の一態様の回路図である。
【符号の説明】
1 石英ガラス管 2 単芯極細線からなる電極線 3 高分子固着剤 4 極細編組線からなる電極線 5 電極端子部 6 高電圧側の電極 7 低電圧側の電極 8 高電圧側の電極の端子 9 低電圧側の電極の端子 10 電極固定ユニット 11 電極固定ユニット 12 固定ネジ 13 固定ネジ 14 固定ネジ 15 固定ネジ 16 長穴 17 長穴 18 送風ユニット 19 吹き出し口 20 周波数設定用発振回路 21 +高電圧パルス幅設定用回路 22 −高電圧パルス幅設定用回路 23 +パルス用レベルシフト回路 24 +パルス用遅延回路 25 −パルス用レベルシフト回路 26 −パルス用遅延回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極線を石英ガラス管の内壁に接する位置
    に配置し、絶縁性液状高分子固着剤を該管内に充填し硬
    化することにより電極線を固定した石英ガラス管封入電
    極よりコロナ放電させ、発生したイオンによって静電気
    を除去することを特徴とする静電気除去装置。
  2. 【請求項2】2本の石英ガラス管封入電極を平行に配置
    し、高電圧側の電極を固定し、低電圧側の電極を移動可
    能とし、両電極を密接又は近接状態においてコロナ放電
    させ、両電極の間隔を広げて電極のクリーニングを行う
    請求項1記載の静電気除去装置。
  3. 【請求項3】+パルス用の電源回路と−パルス用の電源
    回路を個別に設けたブリッジ型高電圧パルス発生回路を
    用い、+電圧と−電圧を個別に設定可能とした請求項2
    記載の静電気除去装置。
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