JP2000029389A - 蓄光性熱収縮チューブ - Google Patents

蓄光性熱収縮チューブ

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JP2000029389A
JP2000029389A JP10197146A JP19714698A JP2000029389A JP 2000029389 A JP2000029389 A JP 2000029389A JP 10197146 A JP10197146 A JP 10197146A JP 19714698 A JP19714698 A JP 19714698A JP 2000029389 A JP2000029389 A JP 2000029389A
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heat
luminous
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Taro Fujita
太郎 藤田
Tomoyoshi Kishimoto
知佳 岸本
Masamichi Hirota
正道 廣田
Kiyoshi Kato
清 加藤
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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    • G09F13/00Illuminated signs; Luminous advertising
    • G09F13/20Illuminated signs; Luminous advertising with luminescent surfaces or parts
    • G09F13/22Illuminated signs; Luminous advertising with luminescent surfaces or parts electroluminescent

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄光性熱収縮チューブの(1)発光強度を高
めること、(2)耐水性を向上させること、および
(3)蓄光性熱収縮チューブに識別手段を付加するこ
と、を通じて蓄光性熱収縮チューブを使い、より広範囲
の用途に対して、簡便で効果的な夜間あるいは暗所での
識別手段を提供すること。 【解決手段】 (1)蓄光性の熱収縮層の内面に、光反
射性の層を形成する。(2)蓄光性の熱収縮層2の外側
に、撥水性もしくは遮水性を有する熱可塑性樹脂を含む
層4を形成する。(3)蓄光性の熱収縮層2の内側に、
ホットメルト接着剤を含む層5を形成する。(4)蓄光
性の熱収縮層の外側に、識別のための印を形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安全標識や案内標
識の支柱、自転車や車椅子等のフレームあるいは輪のス
ポーク、アンテナや電気配線、釣り具やスキューバ用
品、カーアクセサリーやインテリア等種々の用途におい
て、対象物の一部または全部を被覆して、対象物の保
護、識別等に使用される蓄光性熱収縮チューブに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】蓄光性を有する熱収縮チューブは、例え
ば、特開平7−107887号公報に示されるように、
蓄光顔料を熱可塑性樹脂に添加して構成する方法が知ら
れており、魚釣における釣針とテグスの結合部の上部に
装着して、当該部分の傷つきを防止するとともに、その
発光性により集魚効果を発揮する用途で考案がなされて
いる。このような蓄光性チューブを、安全標識や案内標
識の支柱、自転車や車椅子のフレーム等に被せて、夜間
における視認性を高めるたり、また、各種電気部品やカ
ーアクセサリーに被せて夜間や照明を落とした室内での
識別を容易にしたりする用途に使用することが考えられ
るが、特別な電源が不要で、ある程度の対象物サイズを
カバーし簡便に被覆ができるという熱収縮チューブの利
便性にもかかわらず、あまり普及していない。
【0003】発明者等は、その理由を種々検討した結
果、次のような問題があることを見出した。すなわち、
熱収縮チューブを構成する熱可塑性樹脂に蓄光性顔料を
添加しただけでは発光強度が十分でない場合が多く、熱
収縮チューブを被せる対象が暗色の場合は発光強度が弱
くなる傾向がある。また、前記の釣り具のように水分に
さらされる環境下で使用した場合、チューブ内に浸透し
た水分により蓄光性顔料が劣化したり、あるいは外部に
溶出するため発光性が低下し、長時間使用しているとそ
の特性が低下してしまう。
【0004】また、熱収縮チューブを識別用途に使用す
る場合、通常は異なる色を用いる等により相互に区別す
ることが行われるが、蓄光性顔料を添加した熱収縮チュ
ーブにおいては、現在得られる蓄光性顔料の色が緑、
黄、青の付近に限られているため、色による識別ができ
ず、単に発光する機能だけを利用する用途に限定せざる
をえないという問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の種々
の問題点を考慮し、蓄光性を有する熱収縮チューブの
(1)発光強度を高めること、(2)耐水性を向上する
こと、および(3)蓄光性熱収縮チューブに識別手段を
付加すること、を通じて蓄光性熱収縮チューブにより、
より広範囲の用途に対して、簡便で効果的な夜間あるい
は暗所での物体の視認性を高めたり、識別を容易にする
手段を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の問
題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、次に述べ
る手段により、これらを解決し利便性の高い蓄光性熱収
縮チューブを得ることができることを見出し、本発明を
完成した。すなわち、本発明は、蓄光性を有する熱収縮
チューブの発光強度を高めるために、蓄光顔料を含む熱
可塑性樹脂組成物により形成した熱収縮層の内面に、光
反射性の層を形成したことを特徴とする。光反射性の層
を蓄光層の内面に設けることにより、蓄光層から内側へ
向かう光を反射させることができ、外側へ放射する光の
強度を高めることができる。
【0007】また本発明は、光反射性の層を、明色の顔
料を含む熱可塑性樹脂組成物により形成したことを特徴
とする。光反射性の層を、蓄光層と同様に熱可塑性樹脂
組成物で形成するため二層押出等を使用することがで
き、同樹脂組成物に明色の顔料を含めることにより、容
易に光反射層を形成することができる。
【0008】さらに本発明は、光反射性の層が、熱収縮
性であることを特徴とする。光反射性の層を、蓄光層と
同様に熱収縮性とすることにより、被覆対象への収縮加
工をスムースに行なうことができ、被覆対象にしっかり
フィットし良好な外観をえることができる。
【0009】また、耐水性について鋭意検討した結果、
本発明者らは、水が蓄光層へ浸入する主要な経路が2つ
あり、少なくともその一方あるいは両方を抑える必要が
あることを見出した。その一方は、熱収縮チューブの表
面から浸入する経路であり、もう一方は熱収縮チューブ
と被覆対象物の界面に浸入した水分が同チューブの内側
表面から内部へ浸入する経路である。
【0010】まず、蓄光性熱収縮チューブの表面から浸
入する水分を防止するために、本発明は、蓄光顔料を含
む熱可塑性樹脂組成物により形成した熱収縮層の外側
に、撥水性もしくは遮水性を有する熱可塑性樹脂を含む
層を形成したことを特徴とする。
【0011】次に、蓄光性熱収縮チューブと被覆対象物
の界面に浸入した水分が同チューブの内側表面から内部
へ浸入するのを防止するために、本発明は、蓄光顔料を
含む熱可塑性樹脂組成物により形成した熱収縮層の内面
の一部または全部に、ホットメルト接着剤を含む層を形
成したことを特徴とする。
【0012】さらに、本発明は、内側から、ホットメル
ト接着剤を含む層、光反射性の層、蓄光顔料を含む熱可
塑性樹脂組成物により形成した熱収縮層、及び撥水性も
しくは遮水性を有する熱可塑性樹脂を含む層を順次形成
したことを特徴とする。このような構成をとることによ
り、発光強度に優れ、水分の浸入による蓄光顔料の劣化
を防ぎ長期使用に耐える蓄光性熱収縮チューブが得られ
る。
【0013】また、本発明は、蓄光顔料を含む熱可塑性
樹脂組成物により形成した熱収縮層の外側に、識別のた
めの印を形成させたことを特徴とする。前記印が蓄光性
の熱収縮層から出た光を遮るため、その印として文字、
数字、記号、絵等を使うことにより、熱収縮チューブを
被覆した対象物に発光性の識別マークを施すことができ
る。
【0014】本発明において、光反射性の層が、明色の
顔料を含む熱可塑性樹脂組成物であり同時にホットメル
ト接着剤であるように処方すれば、発光強度を高めると
共に耐水性に優れた蓄光性熱収縮チューブを、より簡単
な構造と製造方法で得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、蓄光性熱収縮チ
ューブは加熱することにより径方向に収縮する性質をも
つもので、この製造に使用する熱可塑性樹脂としては、
ポリエチレンやエチレン酢酸ビニル共重合体のようなエ
チレン系の共重合体,エチレンプロピレンゴムやクロロ
プレンゴム,フッ素ゴムのような合成ゴム,ポリエチレ
ンテレフタレートのようなポリエステル樹脂、12−ナ
イロンのようなポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
フッ素樹脂等が例示でき、これらを単体で用いたり、ブ
レンドして使用するすることができる。特に、収縮チュ
ーブにした時の加工性、収縮時の作業性、蓄光顔料を添
加した時の光透過性、およびコスト等を総合すると、ポ
リエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等のエチレン
系の共重合体が好ましい。
【0016】前記の熱可塑性樹脂に添加する蓄光性顔料
としては、例えば、蛍光体や燐光体等を用いて暗所で蓄
光するようにした蛍光顔料を用いることができる。具体
的な例としては、アルカリ土類アルミン酸塩に賦活剤と
してユーロビウムを賦活助剤としてデスプロシウムまた
はネオジウムを添加した無機蛍光顔料、2,5−ビス
[5’−第三ブチルベンゾオキサゾリル(2)]チオフェ
ン等の有機蛍光顔料が好ましい。蓄光性材料の使用量は
特に限定されないが、熱収縮性材料の重量中に占める割
合が5〜100重量%の範囲が好ましい。この割合が5
%未満となると、発光度が不足し、一方100重量%を
超えるとチューブの機械的強度が低下すると共にコスト
的にも高くなってしまう。
【0017】蓄光性を有する熱収縮チューブの発光強度
を高めるため、その内面に形成する光反射性の層として
は、アウミニウム等の金属箔を当該チューブの内面に貼
り付けたり、明色の顔料を含む熱可塑性樹脂組成物を当
該チューブの内面に溶融押出する等により形成すること
ができる。前記の熱可塑性樹脂組成物としては、蓄光性
熱収縮チューブを構成するのと同じ樹脂を用いることが
でき、同じ理由からポリエチレン、エチレン酢酸ビニル
共重合体等のエチレン系の共重合体が好ましい。明色の
顔料としては、白色、黄色、淡青色等の顔料を用いるこ
とができるが、光の反射特性や蓄光性の熱収縮層の色合
いに与える影響が少ない点から、酸化チタン、亜鉛華、
リトポン(硫化亜鉛/硫酸バリウムの混合物)、沈降性
硫酸バリウムバライト(硫酸バリウムが主成分)、炭酸
カルシウム、せっこう、沈降性シリカ(ホワイトカーボ
ン)などの白色顔料が好ましい。この中でも、反射特性
から酸化チタンが最も好ましい。
【0018】明色の顔料を含む熱可塑性樹脂組成物の層
を蓄光性熱収縮チューブの内面に形成する方法としてと
くに好ましいのは、熱収縮層と反射層を同時押出し、後
述する方法により両方の層に熱収縮性をもたせる方法で
あり、この場合は、同チューブを熱収縮する際に収縮が
スムースに進行し仕上がり外観が良好になるという利点
がある。
【0019】次に、蓄光性熱収縮層の外側に形成する層
に含まれる撥水性もしくは遮水性を有する熱可塑性樹脂
としては、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、ポリ
塩化ビニリデン等の塩素系樹脂、ポリテトラフルオロエ
チレン、ポリフッ化ビニリデン、パーフルオロアルキル
ビニルエーテル、ヘキサフルオロプロピレン等のフッ素
系樹脂、シリコーン樹脂等を主成分とする樹脂組成物が
適している。この中でも、特にフッ素含有率の高いフッ
素樹脂が好ましい。前記の撥水性もしくは遮水性を有す
る層の厚さは、その目的に反しない範囲に設定して透光
性の低下を最小限に防ぐことが望ましい。
【0020】また、蓄光性熱収縮層の内面の一部または
全部に形成する層に含まれるホットメルト接着剤として
は、ポリエチレンやエチレン酢酸ビニル共重合体のよう
なエチレン系の共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂等を含む樹脂
組成物を、蓄光性熱収縮層および被覆する対象物の材質
により、これらに対する接着性を考慮して選択すればよ
い。前記樹脂組成物には、収縮チューブを加熱した時の
流動性を増加させたり接着性を増加させるために、石油
樹脂、テルペン樹脂などの低分子量の樹脂添加剤を添加
してもよい。この中でも、熱収縮チューブの内面に形成
する際の加工性、収縮時の溶融しやすさ、被着物への接
着性等から、酢酸ビニル含量が20重量%以上、メルト
インデックスが100以上のエチレン酢酸ビニル共重合
体が好ましい。ここで、メルトインデックスとは、19
0℃において2160gの荷重下で測定した値をいう。
【0021】前記のホットメルト接着剤を含む層は、蓄
光性熱収縮チューブの内面全面に形成させてもよいが、
チューブ両端から一定の長さ部分にのみ形成させても、
防水性を十分に確保できる場合もあり、対象の物品の形
状や使用される状況に応じて使い分ければよい。
【0022】また、酸化チタンなどの明色顔料を前記の
ホットメルト接着剤に添加して光反射性を持たせること
も可能であり、この場合、ホットメルト接着剤層は、光
反射層としての役割と防水層としての役割を担うことに
なり、構造および製造的に効率化を図ることができる。
【0023】以上の蓄光性熱収縮チューブ層、光反射性
の層、撥水性もしくは遮水性を有する熱可塑性樹脂を含
む層およびホットメルト接着剤を含む層を構成する樹脂
組成物には、それぞれの特性を損なわない範囲で、充填
剤、老化防止剤、滑剤、架橋剤もしくは架橋助剤等の添
加物を加えることができる。
【0024】本発明の蓄光性熱収縮チューブの製造に
は、通常の熱収縮チューブに関して行われる方法が適用
できる。例えば、蓄光性熱収縮チューブの各層を構成す
る樹脂組成物の材料をそれぞれ、ロール混合機、ニーダ
ー、押出機等により均一に混合し、押出機により一層も
しくは多層のチューブに成形した後、化学架橋あるいは
放射線照射架橋等により、架橋層を設け、このチューブ
を径方向に熱延伸し、この延伸状態を保持したまま冷却
する方法である。ホットメルト接着剤の層は、前記のよ
うに多層押出により他の層と同時に形成することもでき
るが、熱収縮チューブを製造した後、その内面に塗布す
ることも可能である。特に、熱収縮チューブ内面の一部
にホットメルト接着剤の層を形成させる場合には、後者
の方法が適している。
【0025】本発明において、蓄光性熱収縮チューブ上
に設ける印は、グラビア印刷、熱転写、ホットスタン
プ、インクジェット等の方式により、顔料ないしは染料
を含むインクを、蓄光性熱収縮チューブの表面あるいは
撥水性もしくは遮水性の層の表面に印刷することにより
形成することができる。この印刷は、チューブを押出等
により成形する段階で行うこともできるが、種々の印を
印刷できるように、蓄光性熱収縮チューブを成形した後
に行うことが適当である。
【0026】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を更
に詳細に説明する。 比較例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名エバテートD2
010F、住友化学製、酢酸ビニル含量5重量%、メル
トフローレート1)100重量部に対して、酸化防止剤
(商品名スミライザーWXR、住友化学製、4,4'-チオ
ビス-(6-第三-ブチル-3-メチルフェノール))0.2重
量部、及び、緑色の蛍光顔料(商品名N−夜光G−30
0M、根本特殊化学製、SrAl24:Eu2+,D
3+)10重量部をロール混合機で均一に混合した。こ
の混合物を押出機でチューブ状(内径8mm、肉厚1.
2mm)に押出し、これに加速電圧2MeVの電子線を
240kGy照射して架橋した。次に、このチューブを
温度140℃で加熱し、内部に圧縮空気を送入して径方
向に延伸し、延伸状態を保持したまま水中に浸漬して冷
却することにより内径24mm、肉厚0.4mmの熱収
縮チューブを得た。得られたチューブの蓄光強度を測定
するため、チューブを直径15mmの黒色樹脂パイプに
収縮させた後、D65常用電源を用い400ルックスの
照度にて20分間励起し、TOPCON製色彩輝度計B
M−5Aにて残光強度を測定したところ、5分後、10
分後、60分後、120分後に表1に示す結果となっ
た。
【0027】実施例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体(前記エバテートD20
10F)100重量部に対して、白色顔料としてルチル
型酸化チタン(石原産業製)10重量部をロール混合機
で均一に混合した。この混合物を内層として厚み0.3
mmで、外層は比較例1の材料を用いてかつ同サイズ
で、二層押出機を使用して二層チューブとして押出し
た。これを比較例1と同様に、電子線照射して架橋し、
加熱して延伸後に冷却し、熱収縮チューブを得た。この
チューブについて比較例1と同様の方法で残光強度を測
定したところ、表1に示す結果となり、反射層のある実
施例1の方が2.7倍から5.6倍と大幅に発光強度が
増大し、実施例1のチューブは励起後60分までは字が
読めるだけの明かりを保持していた。実施例1のチュー
ブが比較例1のチューブに比較して大幅な発光強度を示
した一つの理由は、内側が光反射性の白色である実施例
1が、内側が黒色である比較例1より反射光の寄与が大
きかったためと考えられる。しかしながら、蓄光性熱収
縮チューブ層から発せられる光が、内側と外側へ均等に
放射すると仮定し、実施例1では内側に向かった光が1
00%反射され、一方、比較例1では内側に向かった光
が100%吸収される場合でも、発光強度の差は最大2
倍と考えられ、前記のようにこれをはるかに上回る発光
強度差がえられたのは、予想できない効果であった。
【0028】
【表1】
【0029】実施例2 実施例1と同様に、エバテートD2010F/スミライ
ザーWXR/N−夜光G−300Mの配合比が、10
0/0.2/10、100/0.2/50、100
/0.2/100である材料を用意した。これらを内層
とし、撥水性樹脂であるポリフッ化ビニリデン(商品名
カイナー2800、三菱化学製)を外層として、二層押
出機を用い、内層は実施例1と同サイズ、外層は厚み
0.3mmとして二層チューブを押出した。これら実施
例1と同様に、電子線照射して架橋し、加熱して延伸後
に冷却し、熱収縮チューブを得た。この熱収縮チューブ
の耐水性を調べるために、直径15mmの白色の樹脂パ
イプに収縮させ、24時間、水中に浸漬した。その後、
実施例1と同様にして10分後の残光強度を測定し、結
果を表2に示した。
【0030】比較例2 実施例2と同じエバテートD2010F/スミライザー
WXR/N−夜光G−300Mの配合比で、同サイズの
一層チューブを3種押出成形し、実施例2と同様の方法
で熱収縮チューブを作製した。実施例2と同様な方法と
条件で耐水性試験を行ない、残光強度を測定し、結果を
表2に示した。
【0031】
【表2】
【0032】実施例2と比較例2より、撥水層を設ける
ことにより、残光強度が7〜61%増大することが判
る。また、材料中の蓄光顔料が多いほど撥水層の効果が
大きいが、これは材料中の蓄光顔料の多い方が表面に露
出する顔料の割合が多く、水中への溶出等により発光特
性が失われやすいためと考えられる。
【0033】実施例3 二層押出機を用いて、実施例1の材料を外層、エチレン
−酢酸ビニル共重合体(エバフレックスEV220、三
井デュポン・ポリケミカル製、商品名、酢酸ビニル含量
28%、メルトインデックス150)を内層として押出
し、二層チューブを作製した。外層は実施例1と同サイ
ズ、内層は厚み0.4mmとした。これを直径15mm
の樹脂パイプに被せて水中に浸漬した。24時間後に取
り出し、チューブを切断して内面を目視で調べると、チ
ューブ内面への水の侵入は認められなかった。
【0034】実施例4 三層押出機を用い、3層構造のチューブを作製した。最
も内側はエバフレックスEV220、100重量部に実
施例1のルチル型酸化チタン10重量部をロール混合機
で均一に混合したもので、ホットメルト接着剤の機能を
持った反射層である。中間層は実施例1の材料を用いた
蓄光層、最も外側は実施例2の撥水層とした。この熱収
縮チューブの耐水性を実施例2と同様な方法で調べ、そ
の結果を表2に示した。この3層チューブは、撥水層を
設けた実施例2の収縮チューブに比較してさらに残光強
度が向上しており、防水と反射層の役割を併せ持つホッ
トメルト接着剤層の効果が発現していると考えられる。
【0035】実施例5 実施例1のチューブの表面に、約直径5mmの白および
黒の文字を印字した。白の文字は市販の油性マジックイ
ンキを使用し、黒の文字はカーボンを顔料とするインク
をコーティングしたテープを熱転写方式で印字した。こ
のチューブを、直径15mmの樹脂パイプに収縮させ
て、実施例1と同様の条件で励起した後、暗所で見たと
ころ、約50cm離れても白および黒の文字を識別する
ことができた。
【0036】
【発明の効果】本発明の構成をとることにより、蓄光性
熱収縮チューブの残光強度を高め、耐水性を改善し、ま
た表面に印刷した印により識別機能を付与することがで
きるため、種々の標識、フレーム、てすり、電気器具、
部品等にこのチューブを収縮被覆することにより、視認
性や識別機能を高め安全性や利便性を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光反射性の層を内面に形成させた蓄光性熱収縮
チューブの1例を示す断面図。
【図2】撥水性もしくは遮水性を有する熱可塑性樹脂組
成物を含む熱収縮層を外側に形成させた蓄光性熱収縮チ
ューブの1例を示す断面図。
【図3】ホットメルト接着剤層および撥水性もしくは遮
水性を有する熱可塑性樹脂組成物を含む熱収縮層を設け
た蓄光性熱収縮チューブの1例を示す断面図。
【図4】表面に識別のための印を設けた蓄光性熱収縮チ
ューブの1例を示す斜視図。
【符号の説明】
1:蓄光性熱収縮チューブ 2:蓄光顔料を含む熱可塑性樹脂組成物により形成した
蓄光性の熱収縮層 3:光反射性の層 4:撥水性もしくは遮水性を有する熱可塑性樹脂組成物
を含む熱収縮層 5:ホットメルト接着剤を含む層 6:識別のための印
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣田 正道 大阪府泉南郡熊取町大字野田950番地 住 友電気工業株式会社熊取製作所内 (72)発明者 加藤 清 東京都港区元赤坂一丁目3番12号 住友電 気工業株式会社東京事務所内 Fターム(参考) 4F100 AA20H AK01A AK68 AR00B AR00C BA03 BA07 BA10B BA10C CA13A CB03 DA02 GB32 GB41 GB71 HB31A JA03B JA03C JB06C JB16A JD05C JN06B JN13A 4F211 AA10 AB12 AB17 AD05 AD20 AE01 AG03 AG08 AH17 AH33 SA11 SC01 SD04 SD11 SG08 SH22 SK07 SN13 SP25 5C096 AA01 AA15 AA17 BA03 BA04 BB03 BB04 BB34 BB39 CA02 CC37 EA03 EA04 FA03 FA11 FA13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄光顔料を含む熱可塑性樹脂組成物によ
    り形成した熱収縮層の内面に、光反射性の層を形成した
    ことを特徴とする蓄光性熱収縮チューブ。
  2. 【請求項2】 光反射性の層を、明色の顔料を含む熱可
    塑性樹脂組成物により形成したことを特徴とする請求項
    1記載の蓄光性熱収縮チューブ。
  3. 【請求項3】 光反射性の層が、熱収縮性であることを
    特徴とする請求項2載の蓄光性熱収縮チューブ。
  4. 【請求項4】 蓄光顔料を含む熱可塑性樹脂組成物によ
    り形成した熱収縮層の外側に、撥水性もしくは遮水性を
    有する熱可塑性樹脂を含む熱収縮層を形成したことを特
    徴とする蓄光性熱収縮チューブ。
  5. 【請求項5】 蓄光顔料を含む熱可塑性樹脂組成物によ
    り形成した熱収縮層の内面の一部または全部に、ホット
    メルト接着剤を含む層を形成したことを特徴とする蓄光
    性熱収縮チューブ。
  6. 【請求項6】 内側から、ホットメルト接着剤を含む
    層、光反射性の層、蓄光顔料を含む熱可塑性樹脂組成物
    により形成した熱収縮層、及び撥水性もしくは遮水性を
    有する熱可塑性樹脂を含む層を順次形成したことを特徴
    とする蓄光性熱収縮チューブ。
  7. 【請求項7】 蓄光顔料を含む熱可塑性樹脂組成物によ
    り形成した熱収縮層の外側に、識別のための印を形成さ
    せたことを特徴とする蓄光性熱収縮チューブ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010520836A (ja) * 2007-03-13 2010-06-17 ルフトハンザ・テッヒニク・アクチェンゲゼルシャフト 航空機の脱出経路標識
JP2016153200A (ja) * 2015-02-20 2016-08-25 タキロン株式会社 蓄光性複層樹脂部材

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