JP2000028448A - 送配電線荷重監視システム - Google Patents

送配電線荷重監視システム

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JP2000028448A
JP2000028448A JP19890998A JP19890998A JP2000028448A JP 2000028448 A JP2000028448 A JP 2000028448A JP 19890998 A JP19890998 A JP 19890998A JP 19890998 A JP19890998 A JP 19890998A JP 2000028448 A JP2000028448 A JP 2000028448A
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Hiroko Ogawa
裕子 小川
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サージや落雷等の状況下においても、正確に
送配電線の荷重を検知して通知する。 【解決手段】 鉄塔11〜13に橋架された送電線14
の荷重を監視する送配電線荷重監視システムにおいて、
グレーティングによる反射光の波長がそれぞれ異なる波
長に設定され、送電線の荷重に応じて反射光の波長が変
化する歪センサ20〜22を各送電線にそれぞれ設置
し、光源17から各歪センサにブロードな光を出力し、
計測器18がこの歪センサからグレーティングによる反
射光を取り込んでその波長に基づいて各送電線に加わる
荷重を計測して、送電線の荷重異常を監視する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄塔又は電柱に橋
架された送配電線に歪センサを取り付け、送配電線の風
雪荷重や着氷電荷重等の変動や異常を検出する送配電線
荷重監視システムに関する。
【0002】
【関連する背景技術】従来この種のシステムには、例え
ば特開昭53−37081号公報に示すようなロードセ
ルをセンサとして使用して、送電線に加わる荷重の変動
を歪として検出し、送電線の荷重変動や異常を監視する
ものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記システ
ムでは、サージや落雷等による劣化や故障の回避、高分
解能の計測が難しいという問題点があった。
【0004】また、各ロードセルに電源の供給が必要と
なるとともに、複数個のロードセルを1本のリード線で
接続することができないので、製作コストが高くなると
いう問題点があった。
【0005】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、サージや落雷等の状況下においても、正確に送配電
線の荷重を検知して通知することができる送配電線荷重
監視システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、鉄塔又は電柱に橋架された送配電線の
荷重を監視する送配電線荷重監視システムにおいて、前
記送配電線のうちの所定の各送配電線に設置されるとと
もに、グレーティングによる反射光の波長がそれぞれ異
なる波長に設定され、該送配電線の荷重に応じて前記反
射光の波長が変化する複数の歪センサと、前記各歪セン
サに該反射光の波長を含む波長帯のブロードな光を出力
する光源と、前記各歪センサからの反射光の波長を計測
し、該反射光の波長に基づき前記各送配電線の荷重を監
視する例えば測定器からなる監視手段とを備えた送配電
線荷重監視システムが提供される。
【0007】すなわち、各歪センサのグレーティングに
よる反射光を取り込み、上記反射光の波長に基づき、監
視手段が各送配電線に加わる荷重を求めて、上記送配電
線の荷重変動や異常を監視している。
【0008】各歪センサは、前記反射光の中心波長がそ
れぞれ異なる波長に設定されるとともに、前記送配電線
の荷重に応じて変化する該反射光の波長の範囲が前記中
心波長を含み、かつそれぞれ異なる範囲になるように予
め設定されることが好ましい。
【0009】反射光の中心波長及び該反射光の波長の変
化範囲は、前記荷重に伴う歪量と反射光の波長シフト量
の関係に基づいてあらかじめ設定されるのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係る送配電線荷重監視シ
ステムを図1乃至図6の図面に基づいて説明する。
【0011】図1は、本発明に係る送配電線荷重監視シ
ステムの構成の一例を示す構成図である。図において、
各鉄塔11〜13には、図示しない発変電所等から張り
出された複数の送電線14が架設されるとともに、各鉄
塔11〜13には、保守担当事業所16から張り出され
た光ファイバ複合架空地線(OPGW)15が架設され
ている。
【0012】保守担当事業所16は、OPGW15に波
長帯のブロードな光を出力する光源17と、OPGW1
5からの光を受光して波長を測定する測定器18とから
構成されている。光源17は、例えば図2の入力スペク
トルの波形図に示すように、波長帯がλA〜λB(nm)
のブロードな光をOPGW15に出力している。光源1
7からの光は、鉄塔に架設されたOPGW15から歪セ
ンサを透過して次の歪センサに入力している。また、測
定器18は、例えば波長計や光スペクトラムアナライザ
やファイバ型のファブリペロー干渉計(FFP)を用い
た装置等からなり、各歪センサ20〜22から送電線の
荷重に応じた各歪センサ20〜22からの反射光の波長
(以下、「ブラッグ波長」という)変化を、図3の反射
スペクトルから測定し、送電線に加わった荷重を計測し
ている。この測定器18に入力されるブラッグ波長は、
λA〜λB(nm)の波長帯のブロードな光出力に多重さ
れた反射スペクトルとして現される。
【0013】各鉄塔11〜13と送電線14との間に
は、光ファイバの一種であるFBG(Fiber Bragg Grat
ing)を使用した歪センサ20〜22が取り付けられて
おり、上記歪センサは、鉄塔間に架設されたOPGW1
5を介してシリアルに接続されている。また、上記荷重
監視システムでの接続形態の終端部は、全ての歪センサ
を透過した光が反射しないように開放状態に設定されて
いる。
【0014】歪センサ20〜22は、図4に示すよう
に、枠体23に設けられた例えば圧延鋼材からなる支持
部材24に、張力等による歪を検知するFBG25が付
設されている。FBG25は、光ファイバのコアの中に
OPGW15から入力する光の進行方向に沿うように回
析格子26を作成したものである。
【0015】本実施例では、この回析格子26で回析さ
れる反射光の特定波長(中心波長)を各歪センサ20〜
22毎に予め異なる波長、例えば図3に示すように、歪
センサ20における中心波長をλ1(nm)に、歪セン
サ21における中心波長をλ2(nm)に、歪センサ2
2における中心波長をλ3(nm)に、図示しない次の
歪センサにおける中心波長をλ4(nm)に設定し、ブ
ラッグ波長が歪によってシフトすることを利用してい
る。
【0016】なお、本発明者らは、上記荷重の増減に対
するブラッグ波長の変化が、ほぼ直線状に変化し、歪と
ブラッグ波長とは比例関係にあることを実験によって確
認した。
【0017】歪センサ20〜22では、各送電線14に
加わる荷重の変動を歪として検知し、その歪に基づいて
変化した波長の反射光を、保守担当事業所16に送出し
ており、光源17からの光は、歪センサを介して次の歪
センサに順次入力されている。また、各歪センサ20〜
22からの反射光は、光源17からの光の進行方向とは
逆の進行方向で、自己より保守担当事業所16側に接続
された歪センサをそれぞれ介して測定器18に入力され
ている。
【0018】ところで、上記荷重監視システムでは、上
記歪に基づいて変化するブラッグ波長の範囲が複数の歪
センサにおいて重なり合うと、測定器18では、いずれ
のセンサからの波長なのか判断ができなくなる。このた
め、本発明では、上記変化するブラッグ波長の範囲を、
各歪センサ毎に異なる波長の範囲に予め設定しておく必
要がある。以下に、その設定の一例を述べる。
【0019】まず、例えばフルスケールの荷重W(kg
f)に対するフルスケールの歪量をS(με)とする
と、FBGの歪に対する波長のシフト量λS(nm/μ
ε)から、フルスケールでの波長シフト量λFを求める
と、 λF=λS×S(nm) となる。ここで、温度に依存した波長シフト量λTと波
長の半値幅λHを考慮に入れると、中心波長間隔Δλ
は、 Δλ=λF+λT+λH(nm) となる。ここで、シリアルに接続された歪センサのうち
の歪センサ20における中心波長を上記λ1(nm)と
すると、歪センサ21における中心波長λ2(nm)
は、 λ2=λ1+Δλ(nm) となり、同様にしてN番目の歪センサにおける中心波長
λNは、 λN=λ1+Δλ×(N−1)(nm) N:任意の整数 となる。実際に、この変化する波長の範囲を予め設定す
る方法としては、例えば図4に示した支持部材24に歪
を制限するストッパを取りつけ(図示せず)、ある一定
以上の張力が発生しても、支持部材24に予め設定した
値以上の歪が生じないように制限することによって、F
BG25によるブラッグ波長の変化範囲を設定する方法
が考えられる。
【0020】なお、本実施例の荷重監視システムにおい
て設置される歪センサの個数Nは、光源17の使用可能
な波長の範囲によって制限される。
【0021】このような送配電線荷重監視システムにお
いて、保守担当事業所16の光源17から出力されたブ
ロードな光は、OPGW15を介して鉄塔11〜13に
設置された各歪センサ20〜22に順次入力しており、
各歪センサ20〜22からは、送電線に加わる荷重に応
じて変化する波長の反射光を、同じOPGW15を介し
て測定器18に出力する。
【0022】測定器18では、入力する反射光の反射ス
ペクトラムを測定し、その光出力レベルに基づいて各歪
センサ20〜22からのブラッグ波長の変化を測定し、
送電線14に加わった荷重を測定する。例えば、鉄塔1
3に橋架された送電線14に雪が付着し、図5、図6に
示すように、歪センサ22からのブラッグ波長がλ3か
らλ3+Δλa,λ3+Δλbと順に変化する場合、測定器
18は、上記変化するブラッグ波長に応じた送電線14
の荷重の履歴を検出して管理者に通知することができ
る。これにより、管理者は、上記通知された荷重から送
電線の荷重異常を検知し、送電の停止などの処置を行う
ことが可能となる。
【0023】従って、本実施例では、橋架された光ファ
イバを介して鉄塔の各ポイントに設置したFBG使用の
歪センサをシリアルに接続して、送電線に加わる荷重に
応じたブラッグ波長を信号伝送するので、歪センサはF
BG使用により電気的に絶縁され、サージや落雷等の状
況下においても、正確に送電線の荷重を検知して通知す
ることができる。
【0024】また、本実施例では、1本の光ファイバに
複数の歪センサをシリアルに接続することができるの
で、複数の歪センサによる同時多点計測を実現でき、か
つリード線等の部品点数を削減して製作コストを低減で
きる。
【0025】また、本実施例では、光ファイバで歪セン
サからのブラッグ波長を信号伝送するので、歪センサ等
の計測系に電源が不要になるとともに、遠隔の荷重監視
が実現できる。
【0026】また、本実施例では、歪センサの中心波長
とその波長の変化範囲を、荷重に伴う歪量と反射光の波
長シフト量の関係に基づいて予め設定するので、高分解
能で、かつ広ダイナミックレンジで変化する荷重を計測
することができる。
【0027】なお、本発明は、これら実施例に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
の変形実施が可能である。例えば、本発明の歪センサ
は、利用者の要求に応じて、大型のものから小型のもの
まで設計が可能なので、荷重監視の対象物には重量のも
のから軽量のものまで測定が可能となる。このため、上
記荷重監視システムは、被監視対象物が本実施例の送電
線に限らず、配電線の荷重監視等にも用いることがで
き、この場合にも上記実施例と同様の効果を得ることが
できる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、鉄塔
又は電柱に橋架された送配電線の荷重を監視する送配電
線荷重監視システムにおいて、前記送配電線のうちの所
定の各送配電線に設置されるとともに、グレーティング
による反射光の波長がそれぞれ異なる波長に設定され、
該送配電線の荷重に応じて前記反射光の波長が変化する
複数の歪センサと、前記各歪センサに該反射光の波長を
含む波長帯のブロードな光を出力する光源と、前記各歪
センサからの反射光の波長を計測し、該反射光の波長に
基づき前記各送配電線の荷重を監視する監視手段とを備
えたので、サージや落雷等の状況下においても、正確に
送配電線の荷重を検知して通知することができる。
【0029】各歪センサは、前記反射光の中心波長がそ
れぞれ異なる波長に設定されるとともに、前記送配電線
の荷重に応じて変化する該反射光の波長の範囲が前記中
心波長を含み、かつそれぞれ異なる範囲になるように予
め設定されるので、同時多点計測による正確な送配電線
の荷重検知が可能になる。
【0030】反射光の中心波長及び該反射光の波長の変
化範囲は、前記荷重に伴う歪量と反射光の波長シフト量
の関係に基づいて予め設定されるので、高分解能で、か
つ広ダイナミックレンジで送配電線の荷重を計測でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る送配電線荷重監視システムの構成
の一例を示す構成図である。
【図2】図1に示した光源から出力される光の入力スペ
クトルを示す波形図である。
【図3】同じく測定器に取り込まれる光の反射スペクト
ルを示す波形図である。
【図4】同じく歪センサの構成の一例を示す構成図であ
る。
【図5】図1に示した歪センサからのブラッグ波長が変
化した場合の光の反射スペクトルを示す波形図である。
【図6】同じくブラッグ波長が変化した場合の光の反射
スペクトルを示す波形図である。
【符号の説明】
11〜13 鉄塔 14 送電線 15 OPGW 16 保守担当事業所 17 光源 18 測定器 20〜22 歪センサ 26 FBG

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄塔又は電柱に橋架された送配電線の荷
    重を監視する送配電線荷重監視システムにおいて、 前記送配電線のうちの所定の各送配電線に設置されると
    ともに、グレーティングによる反射光の波長がそれぞれ
    異なる波長に設定され、該送配電線の荷重に応じて前記
    反射光の波長が変化する複数の歪センサと、 前記各歪センサに該反射光の波長を含む波長帯のブロー
    ドな光を出力する光源と、 前記各歪センサからの反射光の波長を計測し、該反射光
    の波長に基づき前記各送配電線の荷重を監視する監視手
    段とを備えたことを特徴とする送配電線荷重監視システ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記各歪センサは、前記反射光の中心波
    長がそれぞれ異なる波長に設定されるとともに、前記送
    配電線の荷重に応じて変化する該反射光の波長の範囲が
    前記中心波長を含み、かつそれぞれ異なる範囲になるよ
    うに予め設定されることを特徴とする請求項1に記載の
    送配電線荷重監視システム。
  3. 【請求項3】 前記反射光の中心波長及び該反射光の波
    長の変化範囲は、前記荷重に伴う歪量と反射光の波長シ
    フト量の関係に基づいて予め設定されることを特徴とす
    る請求項2に記載の送配電線荷重監視システム。
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