JP2000027964A - 往復駆動装置及び画像読取装置 - Google Patents

往復駆動装置及び画像読取装置

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JP2000027964A
JP2000027964A JP10198400A JP19840098A JP2000027964A JP 2000027964 A JP2000027964 A JP 2000027964A JP 10198400 A JP10198400 A JP 10198400A JP 19840098 A JP19840098 A JP 19840098A JP 2000027964 A JP2000027964 A JP 2000027964A
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gear
carrier
lever
planetary gear
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English (en)
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Kanji Yano
寛治 矢野
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、簡単な構成で部品点数も少なく、
装備される装置本体の小型化が図れると共に操作性も維
持し得る往復駆動装置及びこれを装備した画像読取装置
を提供することを可能にすることを目的としている。 【解決手段】 サンギア15を中心に公転する第1、第2
の遊星ギア18,19が該サンギア15の公転軸12を中心に回
転可能なキャリア16a,16bに設けられ、該キャリア16
bの所定位置に設けられた係止ピン22a〜22dに係合し
得るレバー23がソレノイド27により回動される。原稿台
1に取り付けられたラック30に噛合する第3のギア26が
第4のギア25を介して第2の遊星ギア19に噛合し、或い
は第3のギア26が第1の遊星ギア18に噛合し、或いは離
間して原稿台1を前進、後進、停止させる。原稿台1に
設けたカム1a,1bがレバー29を介してソレノイド27
のスイッチ28を動作させるように構成したことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原稿台等の移動体
を往復移動させるための往復駆動装置及びこれを備えた
画像読取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から往復駆動装置の一例として原稿
台移動型の複写機等があるが、その原稿台駆動は像担持
体や転写紙の搬送等の本体駆動と同期しながら定速前進
運動と後進運動の往復運動が要求される。
【0003】これを実現するための往復駆動装置として
は本体駆動も兼ねる一方向回転のモータを駆動源として
前進駆動、後進駆動または駆動の遮断をするためのバネ
クラッチを2個及びその切り換えのためのソレノイド2
個とギア列の組み合わせが用いられていた。
【0004】また、特開平4-346331号に示されたように
エンドレスのラックの上ラックと下ラックに遊星ギアを
噛み合わせることにより前進、後進を行う装置も開発さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来例では、バネクラッチ自体の部品点数が多く、各部
品の精度にバラツキが生じると、変音や滑り、或いはバ
ネ切れや連れ回りといった現象が発生するという問題が
あるため個々の部品精度や組み立て精度が要求され、コ
ストアップになるという問題があった。
【0006】また、バネクラッチやソレノイドの占める
体積や重量が大きいため特に小型複写機等においては往
復駆動装置全体のスペースが大きくなり、装置の小型化
が困難となっていた。
【0007】また、前述の特開平4-346331号に示された
技術では部品点数の削減になっているが大型のエンドレ
スラックが装置本体の奥側に配置され、駆動部の占有面
積が大きくなるという問題がある。
【0008】更に、この往復駆動装置はニュートラル状
態がないため、例えば、複写機において転写紙が定着ロ
ーラに巻き付いてジャムした時や停電若しくは電源コー
ドが抜かれた時、或いは現像トナーが不足した時等の複
写機のコピー動作中に異常が発生した時には原稿台が正
常な位置(ホームポジション)で停止しないので不具合
の処置が困難になる場合があった。
【0009】また、モータの回転や停止のタイミングに
もバラツキが発生するのでコピー終了時の原稿台停止位
置にもバラツキが発生し、小型複写機を収納する場合に
もその処置が困難になる場合があった。
【0010】また、ニュートラル状態を可能にするため
には別途クラッチ装置を設けなければならず、部品点数
が増加するという問題もあった。
【0011】本発明は前記課題を解決するものであり、
その目的とするところは、簡単な構成で部品点数も少な
く、装備される装置本体の小型化が図れると共に操作性
も維持し得る往復駆動装置及びこれを装備した画像読取
装置を提供せんとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明に係る往復駆動装置は、一方向に回転するギア
に噛み合って自転しながら前記ギアを中心に公転可能に
支持された第1及び第2の遊星ギアと、移動体を往復移
動させるラックと、前記ラックと噛み合い且つ前記第1
の遊星ギアと噛合可能な第3のギアと、前記第3のギア
と噛み合い且つ前記第2の遊星ギアの公転により噛合可
能な第4のギアと、前記第1及び第2の遊星ギアを自転
及び公転可能に支持すると共に回転可能に支持されたキ
ャリアと、前記キャリアを回転状態と非回転状態とに切
り換える切り換え機構とを有し、前記移動体を前進、後
進、停止させるように構成したことを特徴とする。
【0013】上記構成によれば、移動体に設けられたラ
ックに噛合する第3のギアに対して駆動源により一方向
に回転駆動されるギアに該ギアを中心に公転可能に噛合
する第1の遊星ギアを噛み合わせて該第1の遊星ギアを
支持するキャリアを切り換え機構により非回転状態に保
持することで一方向に回転駆動されるギア、第1の遊星
ギア、第3のギア、ラックを介して移動体を一方向(例
えば後進方向)に移動させることが出来る。
【0014】また、前記第3のギアに噛合する第4のギ
アに対して前記駆動源により一方向に回転駆動されるギ
アに該ギアを中心に公転可能に噛合する第2の遊星ギア
を噛み合わせて該第2の遊星ギアを支持するキャリアを
切り換え機構により非回転状態に保持することで一方向
に回転駆動されるギア、第2の遊星ギア、第4のギア、
第3のギア、ラックを介して移動体を他方向(例えば前
進方向)に移動させることが出来る。
【0015】また、切り換え機構によりキャリアを非回
転状態から回転状態にすることで第3のギア、或いは第
4のギアに対する第1の遊星ギア、第2の遊星ギアの噛
合を解除してニュートラル状態に遷移させ、移動体を停
止させることが出来る。
【0016】また、前記第1または第2の遊星ギアに摩
擦負荷を与えた場合には、該第1または第2の遊星ギア
が回転することで、その反力がキャリアを公転させる公
転力に転換されるためキャリアの回転がスムーズに行わ
れ、移動体の前進、後進または停止の切り換えを確実に
行なうことが出来る。
【0017】また、前記切り換え機構が前記キャリアを
非回転状態に保持している際の前記キャリア側から受け
る反力が所定値以上の時、該キャリアを非回転状態から
回転状態に切り換えるように構成した場合には、移動体
が前進または後進している時、キャリアからの反力が設
定値以上になると切り換え機構がキャリアを保持出来な
くなって該キャリアを回転させることで第1の遊星ギア
と第3のギアとの噛合、または第2の遊星ギアと第4の
ギアとの噛合が外れるので移動体は停止し、該移動体に
異常負荷が作用しても各ギアが損傷することがない。
【0018】
【発明の実施の形態】図により本発明に係る往復駆動装
置及び画像読取装置の一実施形態を具体的に説明する。
図1は本発明に係る往復駆動装置を備えた画像読取装置
の構成を示す模式断面図、図2は本発明に係る往復駆動
装置の第1実施形態の構成を示す断面説明図、図3は図
2の矢印A方向から見た側面図、図4〜図6は第1実施
形態の動作を示す図、図7は本発明に係る往復駆動装置
の第2実施形態の構成を示す断面説明図である。
【0019】先ず、図1を用いて本発明に係る往復駆動
装置を備えた画像読取装置の全体構成について説明す
る。図1において、移動体となる原稿台1は詳しくは後
述する往復駆動装置2により図の矢印a,b方向に往復
移動する。
【0020】原稿台1の下部には原稿台ガラスが設けら
れており、更に該原稿台ガラスの下部に設けられた照明
ランプ3から照射されたスリット光は原稿台ガラス上を
原稿台1と共に移動する原稿の原稿面に反射して原稿画
像を短焦点レンズアレイ4を介して表面が一様に帯電さ
れた電子写真感光体ドラム5の表面に結像させ、静電潜
像を形成する。感光体ドラム5の表面上に形成された静
電潜像は現像器6によりトナーを供給して現像される。
【0021】従って、本実施形態では原稿台1上に載置
された原稿の画像情報を読み取る画像読取手段が照明ラ
ンプ3、短焦点レンズアレイ4、感光体ドラム5等によ
り構成されている。
【0022】一方、図示しない転写紙は給紙口から一枚
ずつ繰り出された後、レジストローラ8により感光体ド
ラム5の回転に同期して該感光体ドラム5と転写帯電器
7との間に搬送され、該転写帯電器7の作用により感光
体ドラム5の表面に形成されたトナー画像が転写紙に転
写される。
【0023】転写紙にトナー画像が転写された後は定着
器9に送られて加熱、加圧処理がされ、トナー画像が転
写紙に永久定着された後機外に排出される。感光体ドラ
ム5上の残留トナーはクリーナ10により除去され、次の
複写準備がなされる。
【0024】図1に示す複写機の奥側所定位置には図2
及び図3に示す往復駆動装置2が配置されている。図2
に示す前側板11a及び奥側板11bは往復駆動装置2の筐
体であり、後述する各ギアを両側板11a,11b間に回転
自在に支持している。
【0025】キャリア16a,16bの回転中心でもある第
1の遊星ギア及び第2の遊星ギアの公転軸12は両側板11
a,11bに設けられた軸受13a,13bにより回転自在に
軸支されており、軸受13aは前側板11a、軸受13bは奥
側板11bに夫々取り付けられている。
【0026】図2において公転軸12の右端部には図示し
ない駆動源となるモータにより回転駆動される駆動ギア
14がピン14aを介して固定されている。また、公転軸12
には第1、第2の遊星ギアに夫々噛合するサンギア15が
ピン15aを介して固定されている。
【0027】また、公転軸12の軸受13a,13bよりも内
側にはキャリア16a,16bを公転軸12に対して回転自在
に軸支する軸受17a,17bが設けられている。これによ
り、サンギア15は駆動ギア14により回転駆動される公転
軸12と一体的に図3の反時計回り方向に回転し、キャリ
ア16a,16bは公転軸12に対して空転し得るように構成
されている。
【0028】サンギア15は二段ギアで構成されており、
該サンギア15の小径ギア15bと第1の遊星ギア18とは常
時噛合し、該サンギア15の大径ギア15cと第2の遊星ギ
ア19とは常時噛合するように構成されている。
【0029】公転軸12に対して回転自在に軸支されたキ
ャリア16a,16bは第1、第2の遊星ギア18,19の夫々
の回転軸20,21を挟持して互いに平行に配置され、第
1、第2の遊星ギア18,19は夫々回転軸20,21に対して
回転自在に遊嵌されている。
【0030】図3に示すように、奥側のキャリア16bの
奥側表面の所定位置には4つの係止ピン22a〜22dが設
けられており、これ等の係止ピン22a〜22dが公転軸12
を中心に回転するキャリア16a,16bと一体的に回転す
る際に該係止ピン22a〜22dに係合し得る爪23aを有す
る切り換え機構を構成するレバー23が奥側板11bに対し
て軸24を中心に回動可能に取り付けられている。
【0031】また、第4のギア25、第3のギア26が前側
板11aと奥側板11bとに支持された軸25a,26aに遊嵌
されて回転自在に軸支されており、第4のギア25と第3
のギア26とは常時噛合されている。
【0032】図3に示すように、係止ピン22aがレバー
23の爪23aに係止された時、公転軸12を中心に公転する
第2の遊星ギア19が第4のギア25に噛合し、図5(b)
に示すように、係止ピン22cがレバー23の爪23aに係止
された時、同じく公転軸12を中心に公転する第1の遊星
ギア18が第3のギア26に噛合するようになっている。
【0033】また、図4(a)、図5(a)、図6
(a)に示すように、係止ピン22b,22dの夫々がレバ
ー23の爪23aに係止された時、第1の遊星ギア18及び第
2の遊星ギア19は夫々第3のギア26、第4のギア25のい
ずれのギアとも噛合しないようになっている。
【0034】キャリア16a,16bを回転状態と非回転状
態とに切り換える切り換え機構を構成するレバー23の中
間部に設けた爪23aと係止ピン22a〜22dのいずれかが
当接係合して係止されるとキャリア16a,16bは非回転
状態になり、該爪23aと係止ピン22a〜22dとの係合が
外れて離間すると、キャリア16a,16bは公転軸12を中
心に回転し得る回転状態となる。
【0035】図2、図3に示すように、レバー23は奥側
板11bに設けられた軸24を中心に回動出来るように該奥
側板11bの内側に設けられており、該レバー23の軸24と
反対側の端部には駆動手段となるソレノイド27のプラン
ジャと連結されたスプリングピン27aが遊嵌される長穴
23bが形成されている。
【0036】また、レバー23には図示しないバネが掛け
られており、このバネの弾性力によりレバー23は常時図
3の実線で示す位置方向に付勢されている。そして、ソ
レノイド27がON状態になるとレバー23は図3の破線で
示す位置に回動し、係止ピン22a〜22dを係止していた
レバー23の爪23aが該係止ピン22a〜22dから外れてキ
ャリア16a,16bが公転軸12を中心に回転可能に遷移す
る。
【0037】ソレノイド27はスイッチ28と図示しない制
御回路により制御されて動作するようになっており、ス
イッチ28は奥側板11bの奥側表面に固定され、該スイッ
チ28の上部にレバー29が回動可能に取り付けられてい
る。
【0038】図4(a)に示すように、原稿台1の裏面
側で且つ奥側の位置の給紙側と排紙側の両端部には前記
レバー29に当接して該レバー29を回動し得るカム1a,
1bが設けられている。カム1a,1bは逆台形状でカ
ム1bの方が図4(a)の左右方向(図1の矢印a,b
方向)に長い寸法を有して構成されている。
【0039】そして、原稿台1が図1の矢印a,b方向
に移動してカム1a,1bがレバー29の上部先端部に当
接して該レバー29を押圧して回動させると、該レバー29
の回動によりスイッチ28の接触部が押し込まれて該スイ
ッチ28がOFFからONに遷移し、カム1a,1bがレ
バー29から退避すると該レバー29が復帰してスイッチ28
がONからOFFに遷移する。
【0040】原稿台1はスライドレール34により複写機
本体に対して往復移動可能に支持されており、該原稿台
1の裏面側にはスライドレール34の移動方向である図1
の矢印a,b方向に配置されたラック30が固定されてい
る。ラック30には第3のギア26が噛合しており、図3に
示すように第4のギア25に第2の遊星ギア19が噛合する
か、或いは図5(b)に示すように第3のギア26に第1
の遊星ギア18が噛合して第3のギア26に正転或いは逆転
の回転駆動力が伝達されると、ラック30を介して移動体
となる原稿台1が往復移動する。
【0041】即ち、図3に示す状態では第2の遊星ギア
19と第4のギア25が噛合しているので図示しない駆動源
から駆動ギア14に伝達された回転駆動力はサンギア15、
第2の遊星ギア19、第4のギア25及び第3のギア26を介
してラック30に伝達され、該ラック30は原稿台1と一体
的に図3の矢印a方向に移動する。
【0042】また、図5(b)に示すようにキャリア16
a,16bが略180°回転して第1の遊星ギア18と第3
のギア26とが噛合すると、図示しない駆動源から駆動ギ
ア14に伝達された回転駆動力はサンギア15、第1の遊星
ギア18及び第3のギア26を介してラック30に伝達され、
該ラック30は原稿台1と一体的に図5(b)の矢印b方
向に移動する。
【0043】図2において、第1の遊星ギア18の左側面
には該第1の遊星ギア18に摩擦負荷を与えるための摩擦
部材となるドーナツ板状のフェルト31が設けられてお
り、一端が奥側のキャリア16bに固定された圧縮バネ32
の他端に取り付けられた摺動部材33をフェルト31に押圧
することで第1の遊星ギア18に所定の摩擦負荷が与えら
れるようになっている。
【0044】尚、本実施形態では第1の遊星ギア18に対
して摩擦負荷を与えるように構成した一例を示したが、
第2の遊星ギア19に対して同様の構成で摩擦負荷を与え
るように構成しても良い。
【0045】レバー23の爪23aが係止ピン22a〜22dの
いずれにも係合しない時、第2の遊星ギア19と回転軸20
との摩擦負荷、或いは第1の遊星ギア18と回転軸21との
摩擦負荷によりキャリア16a,16bは回転するが上述の
ように第1の遊星ギア18或いは第2の遊星ギア19の側面
にフェルト31により摩擦負荷を与えることでキャリア16
a,16bを確実に回転させることが出来る。
【0046】次に図4〜図6を用いて原稿台1の移動状
態と往復駆動装置2の動作の状態について説明する。図
4(a)は複写機の待機状態であり、キャリア16bに設
けられた係止ピン22bがレバー23の爪23aに係止されて
第1、第2の遊星ギア18,19が第4のギア25、第3のギ
ア26から離間した状態で保持され、第3のギア26は駆動
されず、原稿台1が停止したニュートラル状態にある。
【0047】次に複写機のコピーボタンが押下される
と、駆動ギア14に接続された図示しないモータが回転を
開始してキャリア16a,16bに図4(a)の反時計回り
方向の回転力が付与され、ソレノイド27が一度ON状態
になってレバー23の爪23aが係止ピン22bから外れると
キャリア16a,16bが回転を始める。そして、ソレノイ
ド27は直ちにOFF状態に遷移してレバー23は図4
(a)の実線位置へと復帰する。
【0048】キャリア16a,16bが公転軸12を中心に図
4(a)の反時計回り方向に所定角度回転すると、次に
係止ピン22aがレバー23の爪23aに係止されてキャリア
16a,16bは図4(b)に示す位置で停止し、第2の遊
星ギア19と第4のギア25が噛合し、駆動ギア14、サンギ
ア15、第2の遊星ギア19、第4のギア25を介して第3の
ギア26に回転駆動力が伝達され、該第3のギア26が図4
(b)の時計回り方向に回転すると、ラック30を介して
原稿台1が図4(b)の矢印a方向に移動(後進)す
る。
【0049】原稿台1が図4(b)の矢印a方向に移動
してカム1aがレバー29を押し下げるとソレノイド27は
再び所定時間だけON状態となり、これによって係止ピ
ン22aとレバー23の爪23aとの係合が外れ、カム1aが
通過すると直ぐにOFF状態に戻る。キャリア16a,16
bは公転軸12を中心に図4(b)の反時計回り方向に約
135°回転し、図5(a)に示すように係止ピン22d
とレバー23の爪23aとが係合する。
【0050】この時、図5(a)に示すように、第4の
ギア25と第2の遊星ギア19との噛合が外れてニュートラ
ル状態となる。この状態は、図1に示す照明ランプ3、
定着器9、或いは図示しない高圧電源が正常動作になる
まで続き、正常動作になると、ソレノイド27は再度ON
状態になった後すぐにOFF状態に戻る。
【0051】前記ソレノイド27の動作によりレバー23も
回動して爪23aと係止ピン22dとの係合が外れ、キャリ
ア16a,16bが公転軸12を中心に図5(a)の反時計回
り方向に回転して図5(b)に示すように係止ピン22c
が爪23aに係止される。
【0052】この状態で第1の遊星ギア18と第3のギア
26とが噛合し、駆動ギア14、サンギア15、第1の遊星ギ
ア18を介して第3のギア26に回転駆動力が伝達され、該
第3のギア26が図5(b)の反時計回り方向に回転する
とラック30を介して原稿台1が図5(b)の矢印b方向
に移動(前進)する。
【0053】この時、原稿台1上に載置された原稿の原
稿画像の画像読取(原稿スキャン)が行われる。原稿台
1が図5(b)の矢印b方向に前進移動を行ってカム1
bがレバー29と当接してスイッチ28をONさせることで
ソレノイド27は所定時間だけON状態になった後、カム
1bが通過すると直ぐにOFF状態に戻る。
【0054】前記ソレノイド27の動作によりレバー23の
爪23aと係止ピン22cとの係合は解除され、キャリア16
a,16bが公転軸12を中心に図5(b)の反時計回り方
向に回転して今度は図6(a)に示すようにレバー23の
爪23aと係止ピン22bとが係合してニュートラル状態に
遷移する。
【0055】この時、定着器9が正常に動作し、転写紙
も遅延なく正常に搬送されていればソレノイド27は再度
所定時間だけON状態になり、すぐにOFF状態に戻
る。ソレノイド27の動作によりレバー23の爪23aと係止
ピン22bとの係合は解除され、キャリア16a,16bが公
転軸12を中心に図6(a)の反時計回り方向に回転して
図6(b)に示すように爪23aが係止ピン22aを係止し
て第2の遊星ギア19が第4のギア25と噛合して前述と同
様に原稿台1は図6(b)の矢印a方向に移動する。
【0056】原稿台1が図6(b)の矢印a方向に移動
して所定時間(t1 秒)経過するとソレノイド27は再度
所定時間(t2 秒)ON状態となる。そして、レバー23
の爪23aと係止ピン22aとの係合は解除され、キャリア
16a,16bは図6(b)の反時計回り方向に約315°
回転して図4(a)に示すように爪23aが係止ピン22b
を係止してニュートラル状態に復帰する。そして、駆動
ギア14に接続された図示しないモータが停止してコピー
動作が終了する。
【0057】尚、連続コピーで残りのコピーがある場合
には図6(a)の状態から図4(b)の状態に遷移し、
図5(a)→図5(b)→図6(a)→図4(b)→図
5(a)の動作を繰り返して残りのコピーが0の時、図
6(b)→図4(a)の状態に遷移してコピー動作を終
了する。
【0058】次に図7を用いて本発明に係る往復駆動装
置の第2実施形態の構成について説明する。尚、前記第
1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して
説明を省略する。
【0059】本実施形態では前記第1実施形態のレバー
23の代わりに中間部に山形形状の爪41aを有するレバー
41が奥側板11bの内側面に軸42により回動可能に軸支し
て設けられており、該レバー41の他端部に形成された長
穴41bにはソレノイド27のプランジャーがスプリングピ
ン27aにより遊嵌されている。
【0060】レバー41の中間部にはギア列に付与される
過負荷を防止するリミッターとなる山形形状の爪41aが
形成されており、該爪41aは前記第1実施形態のレバー
23の爪23aと同様に係止ピン22a〜22dと係合してキャ
リア16a,16bを非回転状態に保持する。
【0061】レバー41の爪41aの各係止ピン22a〜22d
と接触する面は、各係止ピン22a〜22dの移動方向であ
る図7の矢印B方向に対してθ°の角度を有するように
傾斜面に形成されている。
【0062】また、レバー41には該レバー41が軸42を中
心にして図7の反時計回り方向に常時付勢するバネ43が
取り付けられている。ソレノイド27がOFF状態の時は
レバー41は図7の破線で示す位置に保持されており、ソ
レノイド27がON状態になるとレバー41は図7の実線で
示す位置に移動する。
【0063】ソレノイド27がON状態になるとレバー41
は係止ピン22a〜22dと係合する位置に移動し、キャリ
ア16a,16bは前記第1実施形態と同様に各係止ピン22
a〜22dの位置に対応して非回転状態に遷移する。
【0064】従って、レバー41の爪41aと係止ピン22c
とが係合すると第2の遊星ギア19と第4のギア25とが噛
合して原稿台1は後進状態となり、レバー41の爪41aと
係止ピン22aとが係合すると第1の遊星ギア18と第3の
ギア26とが噛合して前進状態となる。また、レバー41の
爪41aと係止ピン22b,22dとが夫々係合するとニュー
トラル状態になる。
【0065】レバー41の爪41aと各係止ピン22a〜22d
との係合はソレノイド27がON状態の時に行われ、ソレ
ノイド27がOFF状態になるとレバー41の爪41aと各係
止ピン22a〜22dとの係合が解除されてキャリア16a,
16bが公転軸12を中心に図7の反時計回り方向に回転す
る。これにより、原稿台1の前進、後進、ニュートラル
(停止)状態は前記第1実施形態と同様に行われる。
【0066】原稿台1が前進中または後進中にユーザー
が原稿台1の動きに逆らって無理に停止させたりした
時、各ギアに余分の負荷を与える虞れがある。そこで、
本実施形態ではレバー41の爪41aを傾斜面で構成したこ
とで、レバー41の爪41aと係止ピン22a,22cとの係合
において該爪41aの傾斜面には係止ピン22a,22cの回
転力の cosθ倍の力がレバー41を退ける方向に作用す
る。
【0067】これにより、キャリア16a,16bを非回転
状態に保持している際にレバー41がキャリア16a,16b
側から受ける反力が所定値以上になった時、ソレノイド
27の吸引力が力負けしてレバー41を退避させてキャリア
16a,16bを非回転状態から回転状態に切り換えるよう
に該ソレノイド27の吸引力とレバー41の長さを設定すれ
ば、係止ピン22a,22cはレバー41の爪41aを押し退け
てキャリア16a,16bが回転することが出来、各ギアの
ダメージを防止することが出来る。
【0068】他の構成は前記第1実施形態と同様に構成
され、同様な効果を得ることが出来る。
【0069】
【発明の効果】本発明は、上述の如き構成と作用とを有
するので、簡単な構成で部品点数も少なく、装備される
装置本体の小型化が図れると共に操作性も維持し得る往
復駆動装置及びこれを装備した画像読取装置を提供する
ことが出来る。
【0070】即ち、移動体に設けられたラックに噛合す
る第3のギアに対して駆動源により一方向に回転駆動さ
れるギアに該ギアを中心に公転可能に噛合する第1の遊
星ギアを噛み合わせて該第1の遊星ギアを支持するキャ
リアを切り換え機構により非回転状態に保持することで
一方向に回転駆動されるギア、第1の遊星ギア、第3の
ギア、ラックを介して移動体を一方向(例えば後進方
向)に移動させることが出来る。
【0071】また、前記第3のギアに噛合する第4のギ
アに対して前記駆動源により一方向に回転駆動されるギ
アに該ギアを中心に公転可能に噛合する第2の遊星ギア
を噛み合わせて該第2の遊星ギアを支持するキャリアを
切り換え機構により非回転状態に保持することで一方向
に回転駆動されるギア、第2の遊星ギア、第4のギア、
第3のギア、ラックを介して移動体を他方向(例えば前
進方向)に移動させることが出来る。
【0072】また、切り換え機構によりキャリアを非回
転状態から回転状態にすることで第3のギア、或いは第
4のギアに対する第1の遊星ギア、第2の遊星ギアの噛
合を解除してニュートラル状態に遷移させ、移動体を停
止させることが出来る。
【0073】また、前記第1または第2の遊星ギアに摩
擦負荷を与えた場合には、該第1または第2の遊星ギア
が回転することで、その反力がキャリアを公転させる公
転力に転換されるためキャリアの回転がスムーズに行わ
れ、移動体の前進、後進または停止の切り換えを確実に
行なうことが出来る。
【0074】また、前記切り換え機構が前記キャリアを
非回転状態に保持している際の前記キャリア側から受け
る反力が所定値以上の時、該キャリアを非回転状態から
回転状態に切り換えるように構成した場合には、移動体
が前進または後進している時、キャリアからの反力が設
定値以上になると切り換え機構がキャリアを保持出来な
くなって該キャリアを回転させることで第1の遊星ギア
と第3のギアとの噛合、または第2の遊星ギアと第4の
ギアとの噛合が外れるので移動体は停止し、該移動体に
異常負荷が作用しても各ギアが損傷することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る往復駆動装置を備えた画像読取装
置の構成を示す模式断面図である。
【図2】本発明に係る往復駆動装置の第1実施形態の構
成を示す断面説明図である。
【図3】図2の矢印A方向から見た側面図である。
【図4】第1実施形態の動作を示す図である。
【図5】第1実施形態の動作を示す図である。
【図6】第1実施形態の動作を示す図である。
【図7】本発明に係る往復駆動装置の第2実施形態の構
成を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1…原稿台、1a,1b…カム、2…往復駆動装置、3
…照明ランプ、4…短焦点レンズアレイ、5…感光体ド
ラム、6…現像器、7…転写帯電器、8…レジストロー
ラ、9…定着器、10…クリーナ、11a…前側板、11b…
奥側板、12…公転軸、13a,13b…軸受、14…駆動ギ
ア、14a…ピン、15…サンギア、15a…ピン、15b…小
径ギア、15c…大径ギア、16a,16b…キャリア、17
a,17b…軸受、18…第1の遊星ギア、19…第2の遊星
ギア、20,21…回転軸、22a〜22d…係止ピン、23…レ
バー、23a…爪、23b…長穴、24…軸、25…第4のギ
ア、26…第3のギア、25a,26a…軸、27…ソレノイ
ド、27a…スプリングピン、28…スイッチ、29…レバ
ー、30…ラック、31…フェルト、32…圧縮バネ、33…摺
動部材、41…レバー、41a…爪、41b…長穴、42…軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向に回転するギアに噛み合って自転
    しながら前記ギアを中心に公転可能に支持された第1及
    び第2の遊星ギアと、 移動体を往復移動させるラックと、 前記ラックと噛み合い且つ前記第1の遊星ギアと噛合可
    能な第3のギアと、 前記第3のギアと噛み合い且つ前記第2の遊星ギアの公
    転により噛合可能な第4のギアと、 前記第1及び第2の遊星ギアを自転及び公転可能に支持
    すると共に回転可能に支持されたキャリアと、 前記キャリアを回転状態と非回転状態とに切り換える切
    り換え機構とを有し、 前記移動体を前進、後進、停止させるように構成したこ
    とを特徴とする往復駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記第1または第2の遊星ギアに摩擦負
    荷を与えたことを特徴とする請求項1に記載の往復駆動
    装置。
  3. 【請求項3】 前記切り換え機構が前記キャリアを非回
    転状態に保持している際の前記キャリア側から受ける反
    力が所定値以上の時、該キャリアを非回転状態から回転
    状態に切り換えるように構成したことを特徴とする請求
    項1に記載の往復駆動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の往
    復駆動装置により往復移動される前記移動体は原稿台で
    あり、該原稿台上に載置された原稿の画像情報を読み取
    る画像読取手段を有することを特徴とする画像読取装
    置。
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