JP2000025717A - 圧力容器の検査方法及び増し締め装置 - Google Patents

圧力容器の検査方法及び増し締め装置

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JP2000025717A
JP2000025717A JP10193313A JP19331398A JP2000025717A JP 2000025717 A JP2000025717 A JP 2000025717A JP 10193313 A JP10193313 A JP 10193313A JP 19331398 A JP19331398 A JP 19331398A JP 2000025717 A JP2000025717 A JP 2000025717A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 市場で一度蓋が開栓された恐れのある圧力容
器を残圧検査以外の方法で発見する。 【解決手段】 増し締め装置において、ヘッドユニット
に備えられたサーボモータにより回転駆動されて圧力容
器(例えばビール樽)の蓋と係合して蓋を回転させる係
合部を、増締め工程前に、先ず蓋の緩み方向に逆転駆動
させることで緩め確認工程を実行する。緩め確認工程で
は、規定のトルクで締付けられた蓋であれば開かない弱
めのトルク(例えば0.5kgf・m)が蓋に付与される。こ
のとき蓋が緩んだことによる係合部の回転が検出されれ
ば、市場で蓋が開栓された恐れのある異常判定がなされ
る。次の増締め工程では蓋に締付けトルク(例えば2kg
f・m)が付与される。増締めが完了しているはずの時
点で係合部(つまり蓋)の回転が検出されれば蓋やパッ
キン等の異常の恐れがある異常判定がなされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビール樽などの圧
力容器の検査方法及び増し締め装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ビール樽などの圧力容器は、市場から回
収されて繰り返し使用される。これらの圧力容器は再使
用する前に容器の性能チェックのため、蓋が緩んでいな
いか、蓋のバルブのシール性は劣化していないかが検査
される。
【0003】現在の樽ビール充填ラインでは、外洗機お
よび内洗機の前後に、圧力容器の性能チェックのため
に、残圧検査装置および蓋の増し締め装置が設置されて
いる。残圧検査装置では市場から返ってきた圧力容器の
残圧を取り出してセンサでモニタすることで残圧を検査
し、蓋のねじやパッキン等がおかしくなってシール性能
が低下しているもの、あるいは市場で蓋が一度開栓され
て圧力容器の中に異物(タバコの吸い殻等)が入ってい
る恐れがあるものを探し出す。残圧検査のときに圧力が
たたない圧力容器については、上記のうちいずれかの異
常の恐れがあるためリジェクトして再検査される。
【0004】増し締め装置では、蓋に嵌合させた係合部
(回転体)を、ナットランナー、モータ等の回転駆動力
を用い、トルクリミッタ、パウダクラッチなど、回転ト
ルクを制御できるものを介して蓋の増し締めを行ってい
た。市場から回収されたときに緩みのある蓋は増し締め
工程で規定の強さに増し締めされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、市場に出回っ
ていたとき店のサーバで圧力容器(樽)の中のビールや
ジュースが空になっても残っていると思ってガスが抜か
れる場合があった。このような圧力容器は、開栓されて
いなくても残圧が低いため、残圧検査のときにリジェク
トされてしまう。リジェクトされた圧力容器は、作業員
が再検査する訳であるが、パッキン等の異常によって残
圧が低いのか、市場で蓋が開栓されたために残圧が低い
のか、それとも単にガスが抜かれていただけなのかな
ど、その原因までははっきりしない。そのため、再検査
の作業が手間どることになっていた。そのため、圧力容
器が異常であると判定されたときの要因を大まかにでも
把握できることが望まれていた。
【0006】また、市場において蓋が一度開栓されて手
締めされているだけの圧力容器の中には、炭酸飲料の残
り液から発生した炭酸ガスによって残圧が高くなってい
るものがある可能性がある。この場合、残圧検査で正常
と判定されて見逃される恐れがあった。
【0007】本発明は前記課題を解決するためになされ
たものであって、その目的は、市場で一度蓋が開栓され
た恐れのある圧力容器を残圧検査以外の方法で発見でき
る圧力容器の検査方法及び増し締め装置を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明では、規定の力で締め付けられ
た蓋であれば開かない弱いトルクを緩め方向に蓋に付与
し、該蓋の回転が検出されたときは異常と判定する。
【0009】請求項2に記載の発明では、蓋と係合して
回転する係合部と、該係合部に回転力を付与する回転駆
動手段と、該回転駆動手段を回転制御する制御手段と、
前記係合部の回転の有無を検出するための検出手段とを
有し、前記制御手段は、前記蓋を増し締めする前に、前
記係合部により係合させた蓋に先ず緩み方向に増し締め
時より弱い設定トルクを付与するように前記回転駆動手
段を制御し、前記蓋に緩め方向の設定トルクを付与する
過程で、前記検出手段により、該蓋の回転が検出されな
ければ正常と判断し、該蓋の回転が検出されれば異常と
判断する判定手段を備えている。
【0010】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記蓋に緩め方向の設定トルクを付
与して該蓋が回転するか否かをみる緩め確認工程の終了
後、前記制御手段が、該蓋と係合する前記係合部に増し
締め方向に締付けトルクを付与するように前記回転駆動
手段を制御する増し締め過程において、前記判定手段
は、前記蓋が増し締め完了しているはずの時点で、前記
検出手段により前記係合部の回転が検出されたときは異
常と判断することをその要旨とする。
【0011】請求項4に記載の発明では、請求項2又は
請求項3に記載の発明において、前記制御手段は、前記
係合部を一定回転速度で回転させるように前記回転駆動
手段のトルクを制御し、前記検出手段は該係合部の回転
トルクがその回転方向の設定トルクに達したことをもっ
て、該係合部の回転停止状態を検出することをその要旨
とする。
【0012】請求項5に記載の発明では、請求項2又は
請求項3に記載の発明において、前記制御手段は、前記
係合部に一定トルクを付与する前記回転駆動手段を制御
し、前記検出手段は、該係合部の回転速度を検出するも
のであって、該係合部の回転速度が零速度になったこと
をもって、該係合部の回転停止状態を検出することをそ
の要旨とする。
【0013】(作用)従って、請求項1に記載の発明に
よれば、規定の力で締め付けられた蓋であれば開かない
弱いトルクが緩め方向に蓋に付与される。市場で一度開
栓された圧力容器の蓋は手締めされているだけなどその
締付力が相対的に弱いので、このとき蓋が緩む。蓋の回
転が検出されれば異常と判定される。
【0014】請求項2に記載の発明によれば、蓋を増し
締めする前に、蓋に係合した係合部に蓋の緩み方向に増
し締め時より弱い設定トルクが付与される。この過程で
蓋が緩まず、検出手段により蓋の回転が検出されなけれ
ば、判定手段により正常な圧力容器であると判断され
る。また、この過程で蓋が緩み、検出手段により蓋の回
転が検出されれば、判定手段により異常な圧力容器であ
ると判定される。
【0015】請求項3に記載の発明によれば、蓋に緩め
方向の設定トルクを付与して蓋の緩みの有無を確認する
緩め確認工程の終了後、蓋と係合する係合部に増し締め
方向に締付けトルクが付与される。この増し締め過程に
おいて、蓋の増し締めが完了しているはずの時点で、検
出手段により係合部の回転が検出されたときは、判定手
段によりその圧力容器が異常であると判定される。
【0016】請求項4に記載の発明によれば、一定回転
速度で係合部を回転させるべく回転駆動手段のトルクが
制御される。蓋が緩まないときは、係合部に付与された
トルクが設定トルクに達するので、検出手段によりトル
クが設定トルクに達したことが検出されないときは異常
な圧力容器であると判定される。
【0017】また、増締め工程では、蓋に係合した係合
部に締付けトルクが付与されたとき、蓋のねじやパッキ
ン等に異常のある圧力容器であれば、蓋の増締めが完了
しているはずの時点になっても、検出手段によりトルク
が締付けトルクに達したことが検出されない。このとき
は異常な圧力容器であると判定される。
【0018】請求項5に記載の発明によれば、一定トル
クで係合部を回転させるように回転駆動手段が制御され
る。手締めされただけの蓋は一定トルクが付与されると
緩んでしまうので、検出手段により検出された係合部の
回転速度が零速度で無いものは、市場で蓋が開栓された
恐れのある異常な圧力容器であると判定される。
【0019】また、増締め工程では、蓋やパッキン等に
異常のない圧力容器であれば、蓋に一定トルクが付与さ
れて蓋が増締め方向に回転されることで蓋は増締めされ
る。蓋の増締めが終わると係合部の回転速度が零速度に
なる。増締めが完了しているはずの時点になっても、係
合部の回転速度が零速度でないと検出手段により検出さ
れたときは、異常な圧力容器であると判定される。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
を具体化した第1の実施形態を図1〜図7を用いて説明
する。図6,図7は、増し締め装置のそれぞれ平面断面
図、側断面図である。増し締め装置1は、ヘッドユニッ
ト2、搬入コンベア3,検査ライン4,搬出コンベア
5、不良品排出ライン6とを備える。から構成される。
【0021】搬入コンベア3の出口には切出装置7が配
設されている。切出装置7は2本のアーム8の先端を開
閉することで、搬入コンベア3上に一列に縦列する圧力
容器(本例ではビール樽)9を1個ずつ切り出し、4個
の圧力容器9を所定の間隔を開けながら搬入させる。検
査ライン4のコンベア4a上にはその長手方向に4つの
検査ポジションが設定されており、4つの検査ポジショ
ンには圧力容器9を把持するための4つの把持装置10
が配設されている。把持装置10は、圧力容器9を両側
から把持する上下4本ずつ(計8本)のアーム11を備
える。
【0022】図7に示すように、切出装置7のアーム8
は、それぞれの回転軸12がリンク機構を介して連結さ
れ、エアシリンダ(いずれも図示せず)の駆動によって
開閉駆動される。把持装置10のアーム11は、4本の
回転軸13の下端に取り付けられたギヤ14が左右(図
6における上下方向)ごとに噛合し、左右の回転軸13
の1つずつがリンク機構(図示せず)を介して連結さ
れ、エアシリンダ15の駆動によって8本のアーム11
が同期して開閉するようになっている。なお、図7にお
いてはエアシリンダ15は4本のうち2本のみ図示して
いる。また、図6では、説明の便宜上、アーム11が圧
力容器9を把持する状態と、圧力容器9を把持しない開
放状態とを1つの図面上に描いている。実際には4つの
把持装置10のアーム11は同期して駆動される。
【0023】検査ライン4を囲う門型のフレーム16に
は、支持バー17が2本のリニアガイド18に案内され
て昇降可能に設けられている。支持バー17は、2つの
ナット体19に螺着された2本のスクリュー軸20,2
1がモータ22の駆動に基づいて正逆回転することによ
り、リニアガイド18に沿って昇降する。2本のスクリ
ュー軸20,21はチェーン23によって作動連結さ
れ、駆動側のスクリュー軸20の回転力が被動側のスク
リュー軸21にチェーン23を介して伝達される。
【0024】支持バー17には各検査ポジションの真上
に相当する位置に4つのヘッドユニット2が配設されて
いる。検査の対象となる圧力容器9はその容量に応じた
複数種のサイズがあり、4つのヘッドユニット2は支持
バー17の昇降によって圧力容器の高さに応じて高さ調
節される。
【0025】図6に示すように、搬出コンベア5の入口
部分には不良品排出コンベア6が直交するように接続さ
れている。搬出コンベア5を挟んで不良品排出コンベア
6と対向する位置には押出装置24が配設されている。
押出装置24はエアシリンダ25により進退駆動される
押出バー26を備え、検査ライン4において不良と判断
された圧力容器9は押出バー26により不良品排出コン
ベア6に押し出されてリジェクトされる。検査ライン4
において良品と判断された圧力容器9は、検査ライン4
から搬出コンベア5をそのまま真っ直ぐ流れて次の工程
に送られる。
【0026】この増し締め装置1が対象とする圧力容器
(本例ではビール樽)9は、本実施形態では図4に示す
ような蓋27を備える。蓋27はバルブ構造を有し、圧
力容器9の口部9aに対し、その上面が口部9aの上面
にほぼ面一となる状態に螺着されている。蓋27の中央
に凹みがありその上端内周面側には180°の位置に二
つの爪部28が形成されている。凹みの底部中央にある
環状の突起29を上から押すと、圧力容器9の内圧が抜
ける構造になっている。
【0027】図1はヘッドユニット2の側断面図を示
す。ヘッドユニット2は、支持バー17から下方に延出
する支持板30に固定されたリニアレール31に対し、
その側部に設けられた可動ブロック32を係合させるこ
とにより、リニアレール31に沿って昇降可能に配設さ
れている。支持板30にはエアシリンダ33が配設さ
れ、そのロッド33aの先端部は可動ブロック32から
延出する支持部32aに連結されている。
【0028】可動ブロック32に支持された円筒状のハ
ウジング34の内側には上下一対のベアリング35を介
して筒体36が回転可能に支持されている。回転駆動手
段としてのサーボモータ37の駆動軸37aは減速機3
8に連結され、減速機38の出力軸と一体回転可能に固
定されたリング36aに筒体36は一体回転可能に固定
されている。筒体36には回転軸39がスプライン結合
されて挿通されており、筒体36に対して回転軸39は
軸方向にスライド可能かつ一体回転可能となっている。
【0029】回転軸39の下端にはカップリング40を
介してヘッド41のハウジング42が連結されている。
カップリング40は十字継手であり、固定片43、中間
連結材44および可動片45の3部品からなる。
【0030】固定片43の側部両端(同図において紙面
直交方向両端)から下方へ延出する2つの延出部と、可
動片45の側部両端(同図において左右両端)から上方
へ延出する2つの延出部との各孔に、中間連結材44か
ら十字状に突出するピン46が挿通されることで、3つ
の部品43〜45は連結されている。可動片43は固定
片45に対してピン46の軸方向に沿ってX・Y水平面
内の変位、およびピン46を中心とするX・Y軸回りの
相対回動が可能になっている。
【0031】筒体36の下端に固定されたリング47の
下面には略円筒状のスカート部48が回転軸39と一体
回転可能な状態に固定されている。スカート部48の下
部はラッパ状に拡開し、その斜状の上面にハウジング4
2の上部部材42aの開口に斜状に形成された内周面を
当接させた状態で、ヘッド41はスカート部48に対し
て相対変位可能な状態で係合している。
【0032】カップリング40の固定片43は回転軸3
9に対して一体回転可能に連結されている。ヘッド41
はリング47と固定片43との間に配設されたバネ(コ
イルバネ)49の付勢力によって下方に付勢されてい
る。よって、ヘッドユニット2が下降するときにヘッド
41が下方から力を受けると、バネ49の付勢力に抗し
て回転軸39が筒体36内を上方へスライドすることに
より、ヘッド41が上方へ退避できるようになってい
る。
【0033】ハウジング42の下面には環状の押圧部5
0が固定されており、樹脂からなるその下部には圧力容
器9の蓋27を案内できるテーパ面50aがその内周面
に形成されている。ハウジング42の下面には係合部5
1が回転軸39と同一軸心上に位置するように下方へ突
出して形成されている。係合部51の下端面には蓋27
の2つの爪部28と係合可能な4つの位置に凹部51a
が形成されている。
【0034】サーボモータ(以下、単にモータという)
37は、図3に示すように検出手段としてのサーボドラ
イバ52を介して、判定手段としてのコントローラ53
(例えばプログラマブルコントローラ)に接続されてい
る。サーボドライバ52は、蓋27に一定の回転トルク
を付与する方法として、トルク制限制御またはトルク制
御の設定を選択できる。サーボドライバはモータを制御
しているときの電圧、電流値、回転数などの制御情報を
モータ37から信号として入力し、フィードバックされ
たこれらの信号情報に基づいて予め設定された制御方法
でモータ37を回転制御する。回転数はモータ37に組
付けられたロータリエンコーダにより検出される。モー
タ37は一定電圧の下で電流にほぼ比例したトルクを発
生する。なお、サーボドライバ52およびコントローラ
53により制御手段が構成される。
【0035】図1に示すように、本実施形態では、増締
め工程の前に、緩め方向(開栓方向)に蓋を回転させる
緩め確認工程が追加される。緩め確認工程では、手締め
されているだけの蓋27は開栓され、規定のトルクで締
め付けられた正常な蓋27は開栓されないトルクで、蓋
27を緩め方向に回転する。本例では図1に示すよう
に、増締め工程でのトルクが2kgf ・mに設定されてい
るのに対し、緩め確認工程でのトルクは0.5kgf ・m
に設定されている。緩め確認工程で蓋27が開栓される
圧力容器9は、市場で開栓された恐れがあるものとして
リジェクトされる。
【0036】本実施形態では蓋27に規定のトルク
(0.5または2kgf ・m)を付与するためのモータ3
7の制御方法として、トルク制限制御を採用している。
トルク制限制御とは、モータ37を一定の回転速度に維
持できるように電流値を補償する電流値制御を行い、電
流値が予め設定されたトルク制限値に達すると、それ以
上の電流はカットする制御方法である。サーボドライバ
52はコントローラ53から逆転指令を入力したときは
モータ37を逆転駆動させ、正転指令を入力したときは
モータを正転駆動させる。電流値がトルク制限値に達し
て電流をカットしたときにはサーボドライバ52からコ
ントローラ53にカット信号が入力される。コントロー
ラ53はカット信号を入力するとモータ37の駆動を停
止させる停止指令をする。このため、規定トルクが蓋2
7に付与されたところでモータ37を止めることができ
る。
【0037】図2に示すように、サーボドライバ52の
設定データは、緩め確認工程においては、一定回転速度
N1,トルク制限値It1に設定され、増締め工程におい
ては、一定回転速度N2,トルク制限値It2に設定され
ている。トルク制限値It1は0.5kgf ・mのトルクを
発生できる電流値であり、トルク制限値It2は2kgf・
mのトルクを発生できる電流値である(図1を参照)。
【0038】コントローラ53は、図3に示すように、
メモリ54とタイマ55を備える。メモリ54には、緩
め確認工程と増締め工程の制御のためのプログラムデー
タが記憶されている。プログラムデータでは、先ず逆転
指令をして緩め確認工程を実行させ、次いで正転指令を
して増締め工程を実行させる設定がなされている。緩め
確認工程では、カット信号を入力するか、カット信号の
入力がないまま逆転指令から所定時間t1が経過する
と、サーボドライバ52に停止指令をする。また、増締
め工程では、カット信号を入力するか、カット信号の入
力がないまま正転指令から所定時間t2が経過すると、
サーボドライバ52に停止指令をする。所定時間t1,
t2は、タイマ55により計時される。
【0039】係合部51の先端には凹部51aが90゜
の位置に4つ形成されているので、仮にヘッドユニット
2を下降したときに蓋27の爪部28と凹部51aの位
置関係が合わず係合部51の凹部51aが爪部28に嵌
まらなくても、係合部51は90゜回転するまでに蓋2
7に係合する。このように係合部51が蓋27に嵌まる
までに最大必要となる時間に少し余裕を見込んだ時間に
設定時間t1は決められている。設定時間t1は例えば
1〜2秒あれば十分で、本例では約1秒に設定されてい
る。
【0040】また、ビール樽には略三角形状の蓋を備え
るものもあり、このような圧力容器を対象とする場合、
ヘッドユニット2の係合部には蓋のカット面と係合でき
る120゜の三位置に爪が形成されている。この場合
も、120゜回れば蓋に係合部の爪が嵌まるので、設定
時間t1は例えば1〜2秒あれば十分である。どちらの
場合も例えば係合部が180゜回転するのに要する時間
を設定時間t1に設定すればよい。
【0041】また、設定時間t2は、係合部51が蓋2
7と係合するまで回転するのに要する時間と、仮に蓋2
7が緩んでいても蓋27が増締めされるだけの回転に要
する時間との合計時間に、少し余裕を見込んだ時間に設
定されている。設定時間t2は例えば1.5〜3秒あれ
ば十分で、本例では約1.5秒に設定されている。
【0042】コントローラ53は、緩め確認工程でカッ
ト信号を入力したときは正常判定をだし、カット信号の
入力がないまま所定時間t1を経過したときは異常判定
をだす。緩め確認工程での判定結果が異常である場合は
次の増し締めは行わない。また、増締め工程でカット信
号を入力したときは正常判定をだし、カット信号の入力
がないまま所定時間t2を経過したときは異常判定をだ
す。緩め確認工程または増締め工程で異常判定がなされ
た圧力容器9は、リジェクトの対象としてコントローラ
53に記憶される。緩め確認工程と増締め工程共に正常
と判断された圧力容器9は、次の工程に送られる。
【0043】次に増し締め装置1の動作を説明する。切
出装置7によって一個ずつ切り出された4つの圧力容器
9は各検査ポジションにおいて各把持装置10のアーム
11によって把持されて位置決めされる。次にエアシリ
ンダ33が駆動されてヘッドユニット2が下降し、圧力
容器9の上端部に押圧部50が押しつけられる。このと
き大抵の場合は、ヘッドユニット2が下降しただけで
は、係合部51の凹部51aが一度では蓋27の爪部2
8に嵌まらない。
【0044】コントローラ53はメモリ54に記憶され
たプログラムデータを実行する。先ずサーボドライバ5
2に逆転指令を出す。その結果、モータ37が逆転駆動
され、モータ37を一定回転速度N1で回転させるよう
に電流値制御が行われる。市場で開栓されておらず蓋2
7が規定のトルクで締められた圧力容器9であれば、係
合部51が回転し始めて蓋27に係合した時点で、直ぐ
に電流値がトルク制限値It1に達して直ちにカット信号
が出力される(図2を参照)。カット信号が出力された
時点でサーボドライバ52に停止指令が出され、モータ
37の駆動が停止される。この場合、コントローラ53
は蓋27が規定のトルクで締まっていて市場で開栓され
た恐れのない正常な圧力容器9であると判定する。
【0045】一方、市場において蓋27が一度でも開栓
された圧力容器9は、係合部51が回転して蓋27に係
合してから、電流値がトルク制限値It1に達する前に、
0.5kgf・m未満のトルクで蓋27が緩んでしまう。
このため、図2に示すように小さいトルクのまま係合部
51が回転し続け、カット信号が入力されないまま所定
時間t1が経過する。所定時間t1の経過時点で、コン
トローラ53からサーボドライバ52に停止指令が出さ
れ、モータ37の駆動が停止される。この場合、コント
ローラ53は蓋27が市場で開栓された恐れのある異常
な圧力容器9であると判定する。異常判定がなされた場
合、次の増締め工程に進まない。
【0046】緩め確認工程において正常と判定された圧
力容器9については、引き続き次の増締め工程に移る。
増締め工程では、コントローラ53はモータ37の駆動
停止を確認すると、サーボドライバ52に正転指令を出
力する。その結果、モータ37が正転駆動され、モータ
37は一定回転速度N2で回転するように電流値制御さ
れる。
【0047】係合部51が回転し始めて蓋27に係合す
ると、蓋27に回転トルクが付与されて蓋27が増締め
される。蓋27のねじやパッキン等に損傷のない圧力容
器9であれば、蓋27が増締めされるに連れて負荷が大
きくなるので回転速度が落ち、これを補償するように電
流値が上昇する。そして、規定のトルク(例えば2kgf
・m)で蓋27が締め付けられたところで電流値がトル
ク制限値It2に達してカット信号が出力される(図2を
参照)。カット信号が出力された時点でコントローラ5
3からサーボドライバ52に停止指令が出される。この
場合、コントローラ53は蓋27が規定のトルクで締付
けられた正常な圧力容器9であると判定する。
【0048】一方、蓋のねじやパッキン等に異常がある
圧力容器9であれば、図2に示すように、電流値がトル
ク制限値It2に達する前の小さなトルクで係合部51が
回転し続ける。つまり、係合部51が回転し始めてから
所定時間t2が経過してもカット信号が入力されない。
所定時間t2の経過時点で、コントローラ53からサー
ボドライバ52に停止指令が出され、モータ37の駆動
が停止される。この場合、コントローラ53は蓋27や
パッキン等に異常がある圧力容器9であると判定する。
判定結果はコントローラ53に保存される。
【0049】ヘッドユニット2による緩め確認工程と増
締め工程が終了すると、ヘッドユニット2が上昇して待
機位置に戻るとともに、把持装置10のアーム11が開
かれる。そして、検査ライン4のコンベア4aが駆動さ
れて4つの圧力容器9が検査ライン4から搬出される。
この搬出過程においてリジェクトの対象と判定された異
常判定の圧力容器9は、押出装置24の押出バー26に
よって不良品排出コンベア6に押し出される。一方、正
常判定された圧力容器9は、検査ライン4から搬出コン
ベア5をそのまま真っ直ぐ次の工程に送られる。
【0050】以上詳述したように本実施形態によれば、
以下の効果が得られる。 (1)増締め段階で蓋27に一度緩め方向の回転トルク
を付与し、そのとき蓋27が緩むか否かを検出するよう
にしたので、市場で蓋27が開栓された恐れがある圧力
容器9を、残圧検査以外の方法で発見することができ
る。例えば蓋27を手締めした後、炭酸飲料の残り液か
ら発生した炭酸ガスによって残圧が高くなって残圧検査
で見逃される恐れのある圧力容器9でも、確実に発見で
きる。また、増し締め装置1でリジェクトされた圧力容
器9は、市場で蓋27が開栓された恐れのある圧力容器
9であると大まかにでも分かるので、作業員による再検
査の作業が手間どらない。
【0051】(2)増し締め装置1が残圧検査装置の上
流側に設置されたラインにおいては、市場で蓋27が開
栓された圧力容器9を増締め段階でリジェクトできるこ
とから、残圧検査装置に送られる圧力容器9の個数を減
らして、残圧検査装置の作業負担を減らすことができ
る。また残圧検査装置でリジェクトされた圧力容器9
は、蓋27のねじやパッキン等の異常が原因である可能
性が高いと大まかに分かるので、再検査作業がし易い。
【0052】(3)増し締め装置1を利用し、増締め工
程前に緩み確認工程を追加する方法を採ったので、ヘッ
ドユニット2の昇降時間が増える訳ではなく、多くても
1〜2秒程度の極く短時間の緩め確認工程が増えるだけ
なので、増し締め装置1の作業効率をさほど落とさずに
済む。
【0053】(4)トルク制限制御を採用し、一定回転
数で回転させるようにモータ37を制御するので、緩め
確認工程において蓋27が緩んでいたり、増締め工程に
おいて蓋27のねじが損傷しているなどの異常の圧力容
器9のときでも、蓋27が勢いよく(高速回転で)空回
りしてしまうことを回避できる。
【0054】(5)トルク制限制御であって、係合部5
1の回転トルクが緩め用の設定トルクに達した時点で直
ぐに正常であることが分かってその時点で緩め確認工程
を終了し、次の増締め工程に移るので、正常な圧力容器
9の検査時に余分に増える検査時間は所定時間t1より
さらに少なく、例えばその数分の1で済む。
【0055】(第2の実施形態)次に本発明を具体化し
た第2の実施形態を図1,図8,図9等に基づいて説明
する。この実施形態では、モータの制御方法が前記第1
の実施形態と異なる。なお、増し締め装置1およびヘッ
ドユニット2の構造については、前記第1の実施形態と
同様であるので、同様の部分については同じ符号を使用
して説明を省略し、特に異なる制御方法についてのみ説
明をする。
【0056】市場で一度開栓された恐れのある圧力容器
9を発見するための考え方そのものは、図1に示す考え
方によるものであり、同様に先ず緩め確認工程を行って
から増締め工程を行う。増締め工程でのトルクが2kgf
・mに設定され、緩め確認工程でのトルクは、増締め工
程でのトルクよりかなり小さな0.5kgf・mに設定さ
れている。
【0057】蓋27に一定の回転トルクを付与する方法
として、本実施形態ではサーボドライバ52に設定する
制御方法としてトルク制御を採用している。トルク制御
とは、一定の回転トルクでモータ37を回転させる電流
値制御である。サーボドライバ52はモータ37に組付
けられたロータリエンコーダから入力する回転信号から
モータの回転速度を検出しており、図8に示すようにそ
の回転速度が零速度になったときに零速度信号をコント
ローラ53に対して出力する。
【0058】図9に示すようにトルク制御のためのデー
タ設定は、緩め確認工程におけるモータ37の電流値が
0.5kgf・mのトルクに相当する一定電流値It1、増
締め工程におけるモータ37の電流値が2kgf・mのト
ルクに相当する一定電流値It2に設定されている。
【0059】コントローラ53は、メモリ54に緩め確
認工程と増締め工程における制御のためのプログラムデ
ータが記憶されている。プログラムデータでは、先ず逆
転指令をして緩め確認工程を実行し、モータ37の駆動
停止を確認後、次に正転指令をして増締め工程を実行す
る設定がなされている。緩め確認工程では、零速度信号
を入力するか、零速度信号の入力がないまま逆転指令か
ら所定時間t1が経過すると、サーボドライバ52に停
止指令をする。また、増締め工程では、零速度信号を入
力するか、零速度信号の入力がないまま正転指令から所
定時間t2が経過すると、サーボドライバ52に停止指
令をする。所定時間t1,t2は、タイマ55により計
時される。
【0060】緩め確認工程で零速度信号を入力したとき
は正常判定をだし、零速度信号を入力しないまま所定時
間t1が経過したときは異常判定をだす。異常判定した
場合は次の増締め工程に進まない。また、増締め工程で
零速度信号を入力したときは正常判定をだし、零速度信
号を入力しないまま所定時間t2が経過したときは異常
判定をだす。緩め確認工程または増締め工程で異常判定
がなされた圧力容器9は、リジェクトの対象とされる。
緩め確認工程と増締め工程共に正常と判断された圧力容
器9は、次の工程に送られる。
【0061】設定時間t1,t2は、前記第1の実施形
態と同じ考え方に基づき設定されている。例えば係合部
51が180゜回転するのに要する時間に少し余裕を見
込んで設定時間t1を設定すればよい。例えば設定時間
t1は1〜2秒の範囲内であり、本例では約1秒に設定
されている。また、設定時間t2についても、係合部5
1が蓋27と係合するまで回転するのに要する時間と、
仮に蓋27が緩んでいても蓋27が増締めされるだけの
回転に要する時間との合計時間に、少し余裕を見込んだ
時間に設定されている。本例では設定時間t2は、例え
ば1.5〜3秒の範囲内であり、特に約1.5秒に設定
されている。
【0062】この増し締め装置1によれば、モータ37
は一定の回転トルクで電流値制御される。先ず緩め確認
工程では、モータ37が逆転駆動され、図9に示すよう
に一定電流値It1、つまり一定トルク0.5kgf・mで
回転制御される。蓋27が規定のトルクで締められた圧
力容器9であれば、係合部が回転し始めて蓋27に係合
した時点でその回転が停止し、直ちに零速度信号が出力
され、モータ37の駆動が停止される。この場合、コン
トローラ53は蓋27が規定のトルクで締まっている正
常な圧力容器9であると判定する。
【0063】一方、市場において蓋27が一度開栓され
た圧力容器9は、係合部51が蓋27に係合したときに
付加される一定トルク0.5kgf・mで緩んでしまうた
め、そのまま回転し続ける。そして、零速度信号の出力
がないまま所定時間t1が経過し、所定時間t1が経過
した時点で、コントローラ53からサーボドライバ52
に停止指令が出され、モータ37の駆動が停止される。
この場合、コントローラ53は蓋27が市場で開栓され
た恐れがある異常な圧力容器9であると判定する。異常
判定がなされた場合、次の増締め工程に進まない。
【0064】緩め確認工程において正常と判定された圧
力容器9については、モータ37が停止後、引き続き増
締め工程に移ることになる。増締め工程では、モータ3
7が正転駆動され、図9に示すように一定電流値It2、
つまり一定トルク2kgf・mで回転制御される。係合部
51が回転し始めて蓋27に係合すると、蓋27に回転
トルク2kgf・mが付与される。
【0065】蓋27のねじやパッキン等に異常がない圧
力容器9であれば、蓋27が増締めされるに連れて大き
くなる負荷によって回転速度が落ち、2kgf・mのトル
クで増締めされたところで係合部51の回転が停止し、
零速度信号が出力される。零速度信号が出力された時点
でコントローラ53からサーボドライバ52に停止指令
が出され、モータ37の駆動が停止される。この場合、
コントローラ53は蓋27が規定のトルクで締付けら
れ、蓋27のねじやパッキン等に異常がない正常な圧力
容器9であると判定する。
【0066】一方、蓋27のねじやパッキン等に異常が
ある圧力容器9であれば、図9に示すように、係合部5
1が蓋27に係合したときに蓋27に付加された2kgf
・mのトルクによって、蓋27は回転し続けるだけでい
つまで経っても締め付けが終わることがなく、蓋27は
回転し続ける。その結果、零速度信号が入力されないま
ま所定時間t2が経過し、モータ37の駆動が停止され
る。この場合、コントローラ53は蓋27のねじやパッ
キン等に異常がある異常な圧力容器9であると判定す
る。判定結果はコントローラ53に保存される。
【0067】ヘッドユニット2による緩め確認工程と増
締め工程が終了した後、異常判定がなされた圧力容器9
は、検査ライン4から搬出される際に、押出装置24の
押出バー26によって不良品排出コンベア6に押し出さ
れる。一方、正常判定がなされた圧力容器9は、検査ラ
イン4から搬出コンベア5をそのまま真っ直ぐ次の工程
に送られる。
【0068】以上詳述したように本実施形態によれば、
前記第1の実施形態で述べた効果(1)〜(3)が同様
に得られる。その他、次の効果が得られる。 (6)トルク制御であって、モータ37の駆動が開始さ
れた後に係合部51の回転速度が零速度であることが検
出された時点で直ぐに正常であることが分かるので、正
常な圧力容器9の検査時に余分に増える検査時間は所定
時間t1よりさらに少なく、例えばその数分の1で済
む。
【0069】なお、実施形態は上記に限定されず、以下
のように変更してもよい。 ○ タイマ55により所定時間t1,t2の経過で見る
代わりに、ロータリエンコーダからの信号に基づいて係
合部51(つまりヘッド41)の回転量を検出し、緩め
確認工程であれば蓋27に係合部51が嵌まった以後の
所定時期に達したこと、増締め工程であれば蓋27の増
締めが完了するはずの所定時期に達したことを検出する
ようにしてもよい。例えば所定時期に達する前に、カッ
ト信号または零速度信号の入力がない場合に、異常な圧
力容器9であると判定するようにしてもよい。要する
に、緩め確認工程であれば蓋27に係合部51が嵌まっ
た以後の所定時期に達したこと、増締め工程であれば蓋
27の増締めが完了するはずの所定時期に達したことを
検出できれば、その他の方法に代替できる。例えば緩め
確認工程において、係合部51が180゜回転する前に
カット信号または零速度信号の入力がないときに異常判
定をする方法を採用することができる。
【0070】○ 緩め確認工程および増締め工程におい
て、係合部51(ヘッド41)の回転の有無を判断する
方法は、ロータリエンコーダからの信号に基づいて回転
の有無を判断してもよい。この構成によれば、カット信
号あるいは零速度信号を出力できる構成でないドライバ
を使用する場合でも、ロータエンコーダからの信号に基
づいて係合部51の回転の有無を検出できる。
【0071】○ 係合部51(あるいはモータ)の回転
角度から異常であるか否かを判定することもできる。サ
ーボドライバ52に係合部51が設定回転角だけ回転し
たときに信号を出力させるような設定をし、係合部51
が設定回転角の回転をした信号を入力したら異常である
というプログラムを組んでおく。緩め確認工程のときは
例えば設定回転角として180゜を設定すればよい。
【0072】○ 回転駆動手段は、モータ(電動機)に
限定されない。例えばエア圧により回転力を発生させる
ナットランナー等の流体式の回転駆動機器を使用しても
よい。ナットランナー等の流体式の回転駆動機器を使用
する場合は、トルクセンサからの信号や、エア圧をフィ
ードバックして得られた信号に基づいて電空比例弁を制
御することにより、発生トルクを制御することができ
る。例えば一定回転数を維持できるようにエア圧を補償
する制御を採用し、所定時間t1,t2が経過する前に
エア圧が設定圧に達しない場合に異常判定をするように
してもよい。また、一定トルクが得られるエア圧でナッ
トランナーを駆動し、所定時間t1,t2が経過する前
にナットランナーの回転速度が零速度に達しない場合に
異常判定をするようにしてもよい。また、モータを使用
する場合もサーボモータに限定されず、電流のフィード
バックをとって汎用のモータを使って、トルク制限制御
またはトルク制御を行うようにしてもよい。
【0073】○ 増し締め装置は、充填ラインにおいて
残圧検査装置の上流側でも下流側でもどちらに設置して
もよい。 ○ 増し締め装置以外の装置において、緩め確認工程の
検査を取り入れてもよい。また、緩め確認工程の検査の
みを実施する検査装置とすることもできる。
【0074】○ 対象となる圧力容器は、ビールやジュ
ースなどが充填される樽容器に限定されず、その他の液
体、さらには気体を充填するためのものであっても構わ
ない。ねじで螺着する方式の蓋(バルブ)を有する圧力
容器であればよい。
【0075】次に、前記各実施形態及び別例から把握で
きる請求項に記載した発明以外の技術的思想について、
それらの効果と共に以下に記載する。 (1)圧力容器の検査方法において、規定の力で締め付
けられた蓋であれば開かない弱いトルクを一度にまたは
徐々に蓋に付与し、そのときの回転速度またはトルクな
どの情報を取り込んで、蓋の異常を検出すること。この
方法によれば、市場において蓋が開栓された恐れのある
圧力容器を残圧検査以外の方法で発見できる。
【0076】(2)請求項1又は前記(1)において、
増し締め装置を使って、増し締め前に蓋を緩め方向に回
転させる。この方法によれば、増し締め装置を利用して
残圧検査以外の方法で、市場で開栓された圧力容器を発
見できる。
【0077】(3)請求項1及び前記(1),(2)の
いずれかにおいて、蓋に緩み方向に前記トルクを付与
し、設定時間(t1)内に蓋の回転が検出されなければ
正常と判断し、該設定時間が経過しても蓋の回転が検出
されなければ異常と判断する。この方法または装置によ
れば、設定時間が経過するまでに正常か異常かの判定が
できる。
【0078】(4)請求項2〜5において、前記緩め方
向の設定トルクは、規定の力で締め付けられた蓋であれ
ば開かないトルクである。この構成によれば、請求項2
〜5と同様の効果が得られる。
【0079】(5)請求項2〜5及び前記(4)のいず
れかにおいて、蓋に緩み方向に前記トルクを付与したと
き、前記検出手段により設定時間(t1)内に蓋の回転
が検出されなければ正常と判断し、該設定時間が経過し
ても蓋の回転が検出されなければ異常と判断する。この
構成によれば、設定時間が経過するまでに正常か異常か
の判定ができる。
【0080】(6)前記(5)において、緩め方向のト
ルクを付与したときの設定時間は、前記蓋に前記係合部
が嵌まるのに最大必要な所定回転量だけ前記係合部が回
転するのに必要な時間より長く、かつ2秒以内である。
この構成によれば、短時間で検査が終了するので、増し
締め作業能力をさほど低下させずに済む。
【0081】(7)請求項2〜5及び前記(4)〜
(6)のいずれかにおいて、前記係合部と、前記回転駆
動手段と、前記制御手段と、前記検出手段とを備えてい
る増し締め用のヘッドユニット。このヘッドユニットに
よれば、請求項2〜5及び前記(4)〜(6)のいずれ
かと同様の効果が得られる。
【0082】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載の発
明によれば、規定の力で締め付けられた蓋であれば開か
ない弱い緩め方向のトルクを蓋に付与し、蓋が回転した
ときは異常と判断するので、市場で蓋が開栓された恐れ
のある圧力容器を発見できる。
【0083】請求項2に記載の発明によれば、蓋を増し
締めする前に、増し締め時より弱い設定トルクを蓋に緩
み方向に付与し、蓋が緩んで回転が検出されたことをも
って異常と判定するので、市場で蓋が開栓された恐れの
ある圧力容器を発見できる。
【0084】請求項3に記載の発明によれば、緩め確認
工程が終了した後、増し締めを行って、蓋の増し締めが
完了しているはずの時点で係合部の回転が検出されたこ
とをもって、蓋のねじやパッキン等の異常を発見でき
る。
【0085】請求項4に記載の発明によれば、一定回転
速度で係合部を回転させ、係合部の回転トルクがその回
転方向の設定トルクに達したことをもって正常な圧力容
器と判定することで、市場で蓋が開栓された恐れのある
異常な圧力容器の発見や、増締めされなかった異常な圧
力容器の発見を可能にする。
【0086】請求項5に記載の発明によれば、一定トル
クで係合部を回転させ、係合部の回転速度が零速度にな
ったことをもって正常な圧力容器と判定することで、市
場にで蓋が開栓された恐れのある異常な圧力容器の発見
や、増締めされなかった異常な圧力容器の発見を可能に
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態において検査方法を示すグラ
フ。
【図2】トルク制限制御による異常判定方法を説明する
グラフ。
【図3】増し締め装置の電気的構成を示すブロック図。
【図4】圧力容器の蓋部分を示す平面図。
【図5】ヘッドユニットの側断面図。
【図6】増し締め装置の平断面図。
【図7】増し締め装置の側断面図。
【図8】第2の実施形態の増し締め装置の電気的構成を
示すブロック図。
【図9】トルク制御による異常判定方法を説明するグラ
フ。
【符号の説明】
1…増し締め装置、2…ヘッドユニット、9…圧力容
器、27…蓋、37…回転駆動手段としてのサーボモー
タ、51…係合部、52…制御手段を構成するとともに
検出手段としてのサーボドライバ、53…制御手段を構
成するとともに判定手段としてのコントローラ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 規定の力で締め付けられた蓋であれば開
    かない弱いトルクを緩め方向に蓋に付与し、該蓋の回転
    が検出されたときは異常と判定する圧力容器の検査方
    法。
  2. 【請求項2】 蓋と係合して回転する係合部と、該係合
    部に回転力を付与する回転駆動手段と、該回転駆動手段
    を回転制御する制御手段と、前記係合部の回転の有無を
    検出するための検出手段とを有し、 前記制御手段は、前記蓋を増し締めする前に、前記係合
    部により係合させた蓋に先ず緩み方向に増し締め時より
    弱い設定トルクを付与するように前記回転駆動手段を制
    御し、 前記蓋に緩め方向の設定トルクを付与する過程で、前記
    検出手段により、該蓋の回転が検出されなければ正常と
    判断し、該蓋の回転が検出されれば異常と判断する判定
    手段を備えていることを特徴とする圧力容器の増し締め
    装置。
  3. 【請求項3】 前記蓋に緩め方向の設定トルクを付与し
    て該蓋が回転するか否かをみる緩め確認工程の終了後、
    前記制御手段が、該蓋と係合する前記係合部に増し締め
    方向に締付けトルクを付与するように前記回転駆動手段
    を制御する増し締め過程において、前記判定手段は、前
    記蓋が増し締め完了しているはずの時点で、前記検出手
    段により前記係合部の回転が検出されたときは異常と判
    断することを特徴とする請求項2に記載の圧力容器の増
    し締め装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記係合部を一定回転
    速度で回転させるように前記回転駆動手段のトルクを制
    御し、前記検出手段は該係合部の回転トルクがその回転
    方向の設定トルクに達したことをもって、該係合部の回
    転停止状態を検出することを特徴とする請求項2又は請
    求項3に記載の圧力容器の増し締め装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記係合部に一定トル
    クを付与する前記回転駆動手段を制御し、前記検出手段
    は、該係合部の回転速度を検出するものであって、該係
    合部の回転速度が零速度になったことをもって、該係合
    部の回転停止状態を検出することを特徴とする請求項2
    又は請求項3に記載の圧力容器の増し締め装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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