JP2000025429A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2000025429A
JP2000025429A JP10197588A JP19758898A JP2000025429A JP 2000025429 A JP2000025429 A JP 2000025429A JP 10197588 A JP10197588 A JP 10197588A JP 19758898 A JP19758898 A JP 19758898A JP 2000025429 A JP2000025429 A JP 2000025429A
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bead core
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Shinichi Miyazaki
眞一 宮崎
Takafumi Taguchi
隆文 田口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビードコアの強度及びビード締め付け力を損
ねることなく大幅な軽量化を達成することができる。 【解決手段】 ビードコア2は、モノフィラメントコー
ド9Aを用いたコア9と、このコア9の周囲でシースコ
ード10Aを螺旋状に巻付けることにより形成される1
〜4層のシース10とからなる。前記モノフィラメント
コード9Aは、直径Kが2.0〜9.0mmかつ融点が
200゜C以上の有機繊維材を用いる。前記シースコー
ド10Aは、芳香族ポリアミド繊維のフィラメント11
の双撚り構造をなし、正量繊度Dを10000デニール
以上、かつ接着用樹脂の付着量をシースコードの重量の
5〜12%、しかも撚り係数Ntを0.2〜0.8とし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビードコアの強度
及びビード締め付け力を損ねることなく軽量化を達成し
た空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】タイヤのビード部には、カーカスの端部
を固定しかつリムとの嵌合を保つべく円環状の強固なビ
ードコアが設けられる。このビードコアaとしては、従
来、図4(A) 、(B) に示すように、スチールワイヤbの
多数本を横に並べた帯状のストランドcを複数層に巻重
ねた所謂テープビードタイプ、あるいは1本のスチール
ワイヤbを螺旋状に連続巻きした所謂シングルワインド
タイプのものが多用されている。
【0003】しかし近年、省燃費化等に伴うタイヤ重量
の低減化のために、このビードコアaに用いているスチ
ールワイヤbに代え、芳香族ポリアミド繊維コードを使
用することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この芳香族ポリアミド
繊維コードは、比重が小であるため軽量化の点で有利で
あるが、スチールワイヤに比べて低荷重での伸びが大き
くかつ破断時の伸度が小さいという特徴を有する。その
ため、ビードコアの廻りで巻上げられたカーカスコード
に急激な力が加わった時、ビードコア全体で強度が負担
されるのではなく、ビードコアのうち下側の芳香族ポリ
アミド繊維コードのみが伸びて、最初に破断し、続いて
その上側のコードが破断するというように破断が順次進
行していき、ビードコアに使用するコード1本当たりの
強度を総和したトータル強度に比して実際のビードコア
の強度が大巾に低下するという問題がある。
【0005】そこで本発明は、ビードコアとして、直径
が大な有機のモノフィラメントコードからなるコアの周
囲に、特定の構成を有する芳香族ポリアミド繊維のシー
スコードを螺旋状に巻き付けた構造を採用することを基
本として、一部のコードのみに力が集中することなく各
シースコードが有する強度を有効活用することができ、
ビードコアの強度及びビード締め付け力を損ねることな
く軽量化を図りうる空気入りタイヤの提供を目的として
いる。
【0006】なお、特に前記強度の有効活用により、芳
香族ポリアミド繊維の使用量自体を必要最小限に止める
ことができるため、スチールワイヤのビードコアに対し
てだけでなく、芳香族ポリアミド繊維を用いた従来のビ
ードコアに対しても軽量化を達成できる。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、トレッド部からサイドウォール部をへて
ビード部のビードコアの廻りで折り返されるカーカスを
具える空気入りタイヤであって、前記ビードコアは、モ
ノフィラメントコードを用いたコアと、このコアの周囲
でシースコードを螺旋状に巻付けることにより形成され
る1〜4層のシースとからなり、前記モノフィラメント
コードは、直径が2.0〜9.0mmかつ融点が200
゜C以上の有機繊維材を用いるとともに、前記シースコ
ードは、芳香族ポリアミド繊維のフィラメントを撚り合
わせた双撚り構造をなすとともに、この双撚りされたシ
ースコードは、正量繊度Dを10000デニール以上、
かつ接着用樹脂の付着量をシースコードの重量の5〜1
2%、しかも撚り係数Ntの値を0.2〜0.8とした
ことを特徴としている。なお撚り係数Ntは次式(1)
で定義される、 Nt=N×{√(0.139×D/ρ)}×10-3 ----(1) 但し、N:10cm当たりの撚り数 ρ:芳香族ポリアミド繊維の比重(g/cm3
【0008】又ビードコアの強度及びビード締め付け力
を、従来のスチールワイヤのビードコアと同レベル若し
くはそれ以上に高めるためには、前記シースコードの正
量繊度Dを25000デニール以上、かつ前記撚り係数
Ntの値を0.2〜0.6とすることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
示例とともに説明する。図1において、空気入りタイヤ
1は、本例では、重荷重用タイヤであって、ビードコア
2が通る両側のビード部3、3と、各ビード部3からタ
イヤ半径方向外向きにのびるサイドウォール部4と、そ
の上端間を継ぐトレッド部5とを具える。又前記ビード
部3、3間にカーカス6が架け渡されるとともに、この
カーカス6の外側かつトレッド部5の内方にはベルト層
7が周方向に巻装される。
【0010】前記カーカス6は、カーカスコードをタイ
ヤ赤道Cに対して70〜90゜の角度で配列した1枚以
上のカーカスプライから形成され、該カーカスプライ
は、前記トレッド部5からサイドウォール部4をへてビ
ード部3のビードコア2の廻りで内側かつ外側に折り返
されて係止される。前記カーカスコードとして、ナイロ
ン、ポリエステル、レーヨン、芳香族ポリアミド等から
なる有機繊維コード、およびスチール等の金属繊維コー
ド等が使用しうるが、軽量化の観点から有機繊維コード
が好ましい。
【0011】又前記ベルト層7は、複数のベルトプラ
イ、本例では、スチール製のベルトコードをタイヤ赤道
Cに対して、例えば60±10°程度のコード角度で傾
けた最内となる第1のベルトプライ7Aと、タイヤ赤道
Cに対してベルトコードを30°以下の小なコード角度
で傾けた第2〜第4のベルトプライ7B、7C、7Dと
を具え、前記ベルトコードがプライ間で交差するように
コード角度若しくはコードの傾き方向を違えて重ね合わ
せている。
【0012】次ぎに、前記ビードコア2は、図2に拡大
して示すように、モノフィラメントコード9Aを用いた
コア9と、このコア9の周囲でシースコード10Aを螺
旋状に巻付けることにより形成される1〜4層のシース
10とから形成される。本例では、2層のシース10、
10を有する場合が例示されている。
【0013】前記モノフィラメントコード9Aは、直径
Kを2.0〜9.0mmとした太い有機繊維材から形成
され、主に前記シースコード10Aを螺旋状に巻付ける
ための芯材として機能する。すなわちビードコア2とし
ての強度は、主にシースコード10Aが受け持ち、モノ
フィラメントコード9Aは殆ど強度を負担しない。従っ
て、モノフィラメントコード9Aとしては、引張弾性率
などに規制されることなく種々の有機繊維材料が使用で
きるが、タイヤの加硫成形行程で加熱される熱に耐える
ことが必要であり、そのために融点が200゜C以上で
あることが必要である。
【0014】また前記シースコード10Aは、図3に示
すように、芳香族ポリアミド繊維からなるフィラメント
11を撚り合わせた双撚り構造をなし、詳しくは、フィ
ラメント11の束を一方向に撚った少なくとも2本のス
トランド12を、他方向に撚り合わせることにより形成
される。同図には、2本のストランド12を撚り合わせ
た所謂2本双撚りのものを例示しており、双撚り構造に
おいては、前記ストランド12間の10cm当たりの撚
り数N(上撚り数)は、ストランド12内のフィラメン
ト11の撚り数(下撚り数)と略同数である。
【0015】このシースコード10Aでは、次式(1)
で定義されるコードの撚り係数Ntが0.2以上かつ
0.8以下であることが必要である。 Nt=N×{√(0.139×D/ρ)}×10-3 ----(1)
【0016】なお、Nは10cm当たりの前記撚り数
(上撚り数)であり、Dはシースコード10Aの1本の
正量繊度(デニール)、ρはコード材料である芳香族ポ
リアミド繊維の比重(g/cm3 )である。又正量繊度D
は、コード太さの基準であり、JIS L 1017で
規定される。
【0017】このように、低い撚り係数Ntを有する双
撚り構造の採用によって、低荷重での伸びが小さくビー
ドコア用コードとして不可欠な優れた寸法安定性を得る
ことが可能になる。なお撚り係数Ntが0.8を越える
と、伸度が過大となり必要な寸法安定性および剛性の確
保が難しくなりビード締め付け力を低下させる。逆に
0.2未満の時、撚りが不十分となってコードとしての
まとまりが確保できず、ビードコアの製造が困難あるい
は製造効率を大幅に低下させる。従って、撚り係数Nt
は好ましくは0.2〜0.6の範囲である。又片撚り構
造を採用した場合には、必要な寸法安定性とコードとし
てのまとまりとの双方を得ることは困難である。
【0018】又前記シースコード10Aは、タイヤのゴ
ムとの間の接着性を高めるために、その表面を、例えば
レゾルシン−ホルマリン−ラテックス系(RFL系)等
の接着用樹脂で被覆する。この接着用樹脂としては他
に、エポキシ化合物、イソシアナート化合物、エチレン
尿素化合物、メチロールメラミン化合物、トリジアン化
合物等も併用できる。接着用樹脂は、フィラメント11
同士を固定する効果もある程度有するが、接着用樹脂の
付着量を増やしてコードとしてのまとまりを確保しょう
とすれば、コードの強度の低下を招く。従って前記付着
量を、ゴムとの接着に必要な最小限の範囲に止めてコー
ド自体の特性を維持させることが必要であり、そのため
に前記付着量を、この接着樹脂を付着したシースコード
10Aの重量の5〜12%に規制する。
【0019】このように前記ビードコア2では、実質的
な強度メンバーであるシースコード10Aが層状に取巻
まくパイプ状の構造となり、しかも各シースコード10
Aがコア9の廻りを螺旋状に位置替えする。そのため、
一部のコード10Aのみに力が集中することなく各シー
スコード10Aの強度を有効に発揮させることができ、
ビードコア2の強度及びビード締め付け力を効果的に向
上させうる。又ビードコア2の断面形状が、カーカスコ
ードに沿った円形状となるため、ビード締め付け力をさ
らに向上させることができる。
【0020】しかしシースコード10Aの1本当たりの
強度が過小なときには、前記向上効果を損ねる結果を招
くとともに、シースコード10Aの総本数およびシース
10の層数が増加してビードコア2の形状寸法が大型化
し、タイヤの設計並びに製造に支承をきたす。
【0021】従って、シースコード10Aの前記正量繊
度Dを10000デニール以上とすることが必要であ
り、特にスチールワイヤを用いた現行のビードコアと同
レベル若しくはそれ以上に、強度及びビード締め付け力
を高めるためには、前記正量繊度Dを25000デニー
ル以上とすることが好ましい。なお35000デニール
以上は過剰品質となるばかりか剛性が増大してリム組性
を阻害する。
【0022】なお本例では、シース10が2層のものを
例示してるが、要求するタイヤ性能に応じて1〜4層の
範囲で適宜設定することができる。又各シースコード1
0Aとも同構成とすることが好ましいが、シース10毎
にシースコード10Aの構成を違えることもできる。
【0023】また本願のタイヤは、重荷重用タイヤに限
定されることなく、乗用車用タイヤ、小型トラック用タ
イヤ、自動二輪車用タイヤ、あるいは航空機用タイヤな
ど、種々なタイヤとして形成することができる。
【0024】
【実施例】図1の構造を有するタイヤサイズ11R2
2.5の重荷重用タイヤを、表1、2の仕様に記載のビ
ードコアを用いて試作するとともに、この試作タイヤの
ビードコア重量、タイヤ破壊圧(ビードコアの強度)、
およびビード締め付け力をテストし、その結果を表1、
2に記載した。
【0025】(1) ビードコア重量:ビードコアのみの
重量を測定し、従来例1を100とした指数で示す。指
数が小なほど軽量である。 (2) タイヤ破壊圧(ビードコアの強度):試供タイヤ
をリム(7.50×22.5)にリム組みし、バルブか
らタイヤ内腔に水を充填し、ビードコアが破断したとき
の破壊水圧を測定し、従来例1を100とした指数で示
す。指数が大なほど強度が高い。 (3) ビード締め付け力:市販のホフマンビード締め付
け力測定機を用い、ビード径を規格リムの規格値まで拡
張したときの拡張力を「ビード締め付け力」として測定
し、従来例1を100とした指数で示す。指数が大なほ
ど締め付け力が高い。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】・ 表中、従来例1は標準的なスチールワ
イヤのビードコアを有するタイヤである。 ・ 従来例2は、芳香族ポリアミド繊維コードを用いた
テープビードタイプのビードコアを有するタイヤであ
り、一部のコードに力が集中し全体の強度が生かされて
いないため、トータル強度F(指数)に対するタイヤ破
壊圧P(指数)の比P/F(以下活用率)が0.43と
低い。 ・ 比較例1は、正量繊度Dが小であるため、タイヤ破
壊圧自体が小さく又活用率P/Fも0.47と低い。 ・ 比較例2は、撚り係数Ntが大きいため、ビード締
め付け力が極めて低くなり、又活用率P/Fも0.54
と低い。 ・ 比較例3は、接着用樹脂の付着量が大きいため、ビ
ード締め付け力はOKだが、コードが強度低下しタイヤ
破壊圧が小さく又活用率P/Fも0.46と低くなる。 ・ 実施例1は、シースコードが細め(正量繊度Dが少
な目)のため、従来例1と略同レベルのタイヤ破壊圧を
得るためにシースコードの本数およびシースの層数の増
大が必要である。そのため活用率P/Fも向上するとは
いえ0.64と向上効果は低い。 ・ 実施例2は、太め(正量繊度Dが大き目)のシース
コードを用いているため活用率P/Fが0.92と大幅
に向上するが、撚り係数Ntが大き目のためビード締め
付け力はやや低くなる。 ・ 実施例3は、太めのシースコードを用いかつ撚り係
数Ntが小さ目であるため活用率P/Fは0.96とさ
らに向上し、又タイヤ破壊圧およびビード締め付け力自
体も従来例1と略同等の値を発揮できる。 ・ 実施例4は、コアとしてポリエチレンテレフタレー
ト(PET)を用いているため、実施例3に比してやや
重くなるが、実施例3と性能的にはあまり変化はない。
【0029】
【発明の効果】本発明は叙上の如く構成しているため、
各シースコードが有する強度を有効活用することがで
き、ビードコアの強度及びビード締め付け力を損ねるこ
となく大幅な軽量化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のタイヤの断面図である。
【図2】ビードコアを拡大して示す断面図である。
【図3】シースコードを示す斜視図である。
【図4】(A) 、(B) 従来のビードコアを説明する断面図
である。
【符号の説明】
2 ビードコア 3 ビード部 4 サイドウォール部 5 トレッド部 6 カーカス 9 コア 9A モノフィラメントコード 10 シース 10A シースコード

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
    ード部のビードコアの廻りで折り返されるカーカスを具
    える空気入りタイヤであって、 前記ビードコアは、モノフィラメントコードを用いたコ
    アと、このコアの周囲でシースコードを螺旋状に巻付け
    ることにより形成される1〜4層のシースとからなり、 前記モノフィラメントコードは、直径が2.0〜9.0
    mmかつ融点が200゜C以上の有機繊維材を用いると
    ともに、 前記シースコードは、芳香族ポリアミド繊維のフィラメ
    ントを撚り合わせた双撚り構造をなすとともに、この双
    撚りされたシースコードは、正量繊度Dを10000デ
    ニール以上、かつ接着用樹脂の付着量をシースコードの
    重量の5〜12%、しかも下記式(1)に示される撚り
    係数Ntの値を0.2〜0.8としたことを特徴とする
    空気入りタイヤ。 Nt=N×{√(0.139×D/ρ)}×10-3 … (1) 但し、N:10cm当たりの撚り数 ρ:芳香族ポリアミド繊維の比重(g/cm3
  2. 【請求項2】前記シースコードは、前記正量繊度Dを2
    5000デニール以上、かつ前記撚り係数Ntの値を
    0.2〜0.6としたことを特徴とする請求項1記載の
    空気入りタイヤ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005533933A (ja) * 2002-01-17 2005-11-10 ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン ハイブリッドケーブル、該ケーブルの製造方法および該ケーブルを使用した複合ファブリック
JP2015123905A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ

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JP2005533933A (ja) * 2002-01-17 2005-11-10 ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン ハイブリッドケーブル、該ケーブルの製造方法および該ケーブルを使用した複合ファブリック
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