JP2000024514A - 有機物分解光触媒とその製造方法 - Google Patents

有機物分解光触媒とその製造方法

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JP2000024514A
JP2000024514A JP10195176A JP19517698A JP2000024514A JP 2000024514 A JP2000024514 A JP 2000024514A JP 10195176 A JP10195176 A JP 10195176A JP 19517698 A JP19517698 A JP 19517698A JP 2000024514 A JP2000024514 A JP 2000024514A
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titanium oxide
substrate
glass
oxide thin
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Tadahide Iwashita
肇秀 岩下
Yoshimitsu Hirooka
義光 廣岡
Yukihisa Mitani
恭久 三谷
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒による浄化効率を向上し、小電力の光
源を用いても浄化に要する時間が大幅に短縮でき、しか
も装置の小型化も図れる有機物分解光触媒を提供する。 【解決手段】 有機物分解光触媒2は、基体として石英
ガラスからなる管状の透明な耐熱ガラスペレット7の外
周面1aおよび内周面1bの両面に酸化チタン薄膜光触
媒層3を被装し、両端部1cには透明なガラス面8を露
呈させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】近年、居住空間や作業空間で
の悪臭や自動車の排気ガスなどの有害物質による汚染が
問題となり、また、生活排水や産業廃水など水質汚染、
特に、活性汚泥法などで処理が難しい有機塩素系の溶剤
やゴルフ場の農薬などによる水源の汚染など、環境の汚
染が重大な社会問題となっているが、この発明は、それ
らの汚染源である悪臭や空気中の有害物質除去あるいは
廃水処理や浄水処理などの環境浄化材として用いられる
有機物分解光触媒とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、空気中の悪臭、有害物質の除去方
法として、例えば、空気中の有害物質の除去する方法
として、酸やアルカリなどの吸収液や吸着剤等に吸収
あるいは吸着させる方法、芳香剤を使用して悪臭を隠
蔽する方法があり、また、水質汚染に対処して活性汚
泥法により分解する方法がよく行われている。の方法
によれば使用済みの処理液や、吸着剤の処理が問題とな
り、二次公害を起こす恐れがある。の方法によれば芳
香剤自体の臭いによる被害がでる恐れがあり、の方法
による場合は処理能力が低く、汚泥臭の発散が避けられ
ない問題がある。そこで、半導体(例えば、酸化チタ
ン)に光を照射すると強い還元作用をもつ電子と、強い
酸化作用をもつ正孔が生成し、半導体に接触した分子種
(有機物)を酸化還元作用により分解する(光触媒作用
という)ことに着目すれば、光触媒作用を有する光触媒
として例えば特許第2600103号の掲載公報に、
「表面に孔径の揃った細孔を有する酸化チタン膜で表面
が被覆され、かつ球状のシリカゲルが融着してできてい
る光触媒フィルター」が記載されている。この光触媒フ
ィルターは、電灯あるいは太陽光などの外部からの光を
受けてフィルター表面の酸化チタンに生成した電子と正
孔の酸化還元作用により、悪臭やN0x,SOxなどの空
気中の有害物質あるいは水中に溶解している有機溶剤や
農薬などの環境を汚染している有機化合物を分解するも
のである。上記の特許掲載公報には、表面積が最も広い
という観点から、シリカゲルや耐熱ガラスの球形ペレッ
トを基体とし、その表面に酸化チタン薄膜を被装した有
機物分解光触媒が好ましい旨、記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成を有する従来の有機物分解触媒は、光触媒フ
ィルターの表面全体を酸化チタン膜にて被装しているの
で、光を照射した際に表面の酸化チタン膜が活性化され
て光触媒作用をする一方、表面の酸化チタン膜によって
光の透過が阻止される。このため、光の陰となる部分の
光触媒フィルターの酸化チタン膜は活性化されず、大量
の作業環境の空気、生活排水の処理のためには、容量の
大きい光触媒フィルターと高出力(高電力)の光源を必
要とし、しかも浄化に長時間を要するという問題があ
る。
【0004】また、ペレット状のシリカゲルを基体とす
る有機物分解光触媒では、シリカゲルが吸水して乳白色
となるために光の透過性が悪くなるとともに、基体が膨
張することから光触媒装置(容器)内への光触媒の充填
率を抑える必要があるために隙間が生じ、隣接する有機
物分解光触媒が相互に摩擦し合って被装した酸化チタン
膜が剥落されるので、光触媒の寿命が短く頻繁に交換を
要するという問題がある。
【0005】本発明は上述の点に鑑みなされたもので、
光触媒による浄化効率を向上し、小電力の光源を用いて
も浄化に要する時間が大幅に短縮でき、しかも装置の小
型化も図れる有機物分解光触媒とその製造方法を提供す
ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために本発明の請求項1に係る有機物分解光触媒は、棒
状の透明な耐熱ガラスペレットを基体としてその外周面
にのみ酸化チタン薄膜光触媒層を被装し、前記基体の両
端部にガラス面を露呈させている。
【0007】酸化チタン薄膜光触媒層を支持する基体と
なる棒状の耐熱ガラスペレットは、短寸で形状が円柱
状、角柱状等からなり、耐熱ガラスとして石英ガラス、
ケイ酸ガラス、アルミナケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラ
スなどが使用されている。基体は光の透過率が高いこと
が好ましく、酸化チタン膜を焼成する際に500〜60
0℃の高温まで加熱する必要があることからである。耐
熱ガラスペレットの棒状の基体の両端部には、酸化チタ
ン膜が全く被装されておらず、透明なガラス面を露呈さ
せているため、照射光は両端のガラス面より基体内を透
過し、酸化チタン薄膜光触媒(層)を内側より活性化する
と共に、基体を一端から他端にわたって透過し、他端か
ら外部へ放出され、他端側に隣接する有機物分解光触媒
に光が照射される。このようにして照射した光は、次々
と有機物分解光触媒に当たり、表面に被装された酸化チ
タン薄膜光触媒(層)を活性化する。
【0008】請求項2に記載のように、管状の透明な耐
熱ガラスペレットを基体としてその外周面および内周面
に酸化チタン薄膜光触媒層を被装し、前記基体の両端部
にガラス面を露呈させると、一層好ましい。
【0009】請求項2記載の有機物分解光触媒は、請求
項1の耐熱ガラスと同様の透明な耐熱ガラスを使用し、
形状は円管状、角管状等を問わず中空管体(筒体)状で
あって、短寸のペレット状に成形されている。その管状
の耐熱ガラスペレット(以下、管状ペレットともいう)
の両端部は、請求項1の光触媒と同様に透明なガラス面
が露呈している。つまり、その管状ペレットの外周面お
よび内周面にだけ酸化チタン薄膜光触媒層が被装され、
両端部には被装されていないから、酸化チタン薄膜光触
媒層による有機物分解に必要な光は、外周面の酸化チタ
ン薄膜光触媒層に当たって活性化するとともに、管状ペ
レットの中空部に両端の開口から直接に、あるいは両端
のガラス面を透過して照射され、内周面の被装された酸
化チタン薄膜光触媒(層)を活性化させる。また、管状ペ
レットの外周面および内周面の両周面に酸化チタン薄膜
光触媒層を被装しているので、請求項1記載の光触媒に
比べても酸化チタン薄膜光触媒層の面積が大幅に拡大
し、光触媒作用が一層効率よく起こる。
【0010】しかも請求項1記載の光触媒と同様に、基
体の両端部には透明なガラス面を露呈させているため、
照射光は両端のガラス面より中空な基体内を透過し、酸
化チタン薄膜光触媒(層)を内側より活性化するととも
に、中空な基体を一端から他端にわたって透過し、他端
から外部へ放出され、他端側に隣接する有機物分解光触
媒に光が照射され、て照射した光は、次々と有機物分解
光触媒に当たり、表面に被装された酸化チタン薄膜光触
媒(層)を活性化するという作用も発揮する。さらに、有
機物分解光触媒を所定の透明容器内に充填し、光を照射
しながら該透明容器内に処理対象液や有機物等を含むガ
スを流通させた際に、その液やガスは有機物分解光触媒
の外周面の酸化チタン薄膜光触媒層に接触するととも
に、内周面の酸化チタン薄膜光触媒層にも接触すること
があるので、光触媒作用は一層強力である。
【0011】請求項3に記載のように、前記基体を石英
ガラスで形成することが好ましい。請求項3に記載の有
機物分解触媒によれば、光線透過率は通常のソーダガラ
スでは約65%であるが、前記基体が石英ガラスである
から、85%以上の光透過率を有するので、光を照射し
た際に基体を透過して次々に酸化チタン薄膜光触媒層に
当たって活性化させる。特に合成石英ガラスにすれば、
光透過率は99%を超え、光触媒作用がさらにアップす
る。また、製造上、チタニアゾルを塗工して加熱焼成す
る時の温度が500℃以上に達するので、これに耐える
ことが必要であるが、石英ガラスは1000℃の高温に
も耐えて変形することがない(因みに、ソーダガラスで
は軟化点が500〜700℃である)。これにより、石
英ガラスを使用することにより酸化チタン薄膜光触媒層
を安定して容易に焼成することができ、分解エネルギー
源である光がより多く透過する。
【0012】請求項4に記載のように、前記基体が円管
形又は円柱形の形状である場合に、その外径を1〜5m
mで、長さを1〜5mmにすることができる。
【0013】請求項4記載の発明によれば、所定の透明
容器内に多数の光触媒を充填して処理対象物との接触を
活発に行えるので、特に悪臭やガス中の有害物質を除去
するのに適している。
【0014】請求項5に記載の有機物分解光触媒の製造
方法は、長尺の透明な耐熱ガラス棒の表面にチタニアゾ
ルをコーティングした後、加熱焼成することにより前記
耐熱ガラス棒の表面に酸化チタン薄膜光触媒層を被装
し、該耐熱ガラス棒を長さ方向において一定の長さごと
に裁断してペレット状の有機物分解光触媒に形成するこ
とである。
【0015】請求項5に記載の有機物分解光触媒の製造
方法に用いるチタニアゾルは、超微粒子のの酸化チタン
を水に懸濁させたり,アルコールと四塩化チタンや金属
チタンとの反応によって得られるチタンのアルコキシド
を加水分解したりすることによって調整される。このチ
タニアゾルにポリエチレングリコールまたはポリエチレ
ンオキサイドを添加したものを、耐熱ガラス棒にコーテ
ィングした後、室温から徐々に加熱昇温して焼成(焼成
温度は600〜700℃が好ましい)する。この操作に
より、耐熱ガラス棒にコーティングされたチタニアゾル
は、光触媒として高性能の結晶形がアナターゼ型である
酸化チタン薄膜光触媒(層)に変わる。
【0016】このようにして酸化チタン薄膜光触媒層を
コーティングした耐熱ガラス棒を、ガラス裁断機により
ペレット状(例えば、長さ2〜5mm)に一定長さごとに
カットすることにより、有機物分解光触媒が製造され
る。酸化チタン薄膜光触媒層をコーティングされた耐熱
ガラス棒の切断面には、酸化チタン薄膜光触媒層は被覆
されず、透明なガラスが露呈される。このような方法に
よって、請求項1に記載の有機物分解光触媒が、連続的
にかつ安価に製造される。
【0017】請求項6に記載の有機物分解触媒の製造方
法は、長尺の透明な中空耐熱ガラス管の内外周面を含む
全表面にチタニアゾルをコーティングした後、加熱焼成
することにより前記中空耐熱ガラス管の全表面に酸化チ
タン薄膜光触媒層を被装し、該中空耐熱ガラス管を長さ
方向において一定の長さごとに裁断してペレット状の有
機物分解光触媒に形成するものである。
【0018】請求項6の方法により、請求項5の方法と
同様に、請求項2に記載の有機物分解光触媒が、連続的
にかつ安価に製造される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る有機物分解光
触媒について実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】実施例1 図1は本発明の第1実施例に係る有機物分解光触媒を示
す斜視図である。本例の有機物分解光触媒1は、基体と
して石英ガラスから形成した透明な耐熱ガラス棒を使用
した短寸で細径の丸棒状の耐熱ガラスペレット6からな
り、その外周面1aに酸化チタン薄膜光触媒層3が被装
され、両端部1cに透明なガラス面4が酸化チタン薄膜
光触媒層3が被装されずに露呈している。この光触媒1
は、本例では直径2〜2.5mmで、長さが2〜5mm
である。
【0021】酸化チタン薄膜光触媒層3は、基体として
の上記線状の石英ガラス体にチタニアゾルをディップコ
ートして、乾燥し、600〜700℃の温度で焼成され
ている。チタニアゾルは、例えば、チタンテトライソプ
ロポシド120gを1000mlのイソプロパノールで
希釈し、攪拌しながら、ジイソプロパナールアミン40
gと水10gを添加し、さらに分子量1000のポリエ
チレングリコール10gを添加して透明なゾル液を調整
した。このチタニアゾルに上記石英ガラス棒をディップ
して遅い速度でゆっくりと引き上げるか、または空気を
吹き付けて余分なチタニアゾルをふるい落としながら引
き上げて薄いチタニアゾル膜をその石英ガラス棒の表面
に被装する。石英ガラス棒にコートされたチタニアゾル
を乾燥し、室温から徐々に680℃まで加熱昇温して焼
成して酸化チタン薄膜光触媒層3とした。外周面に酸化
チタン薄膜光触媒層3を被覆した石英ガラス棒を、ガラ
ス体裁断機により、一定長さ(本例では、2〜5mm)
ごとペレット状にカットすることにより有機物分解触媒
1を形成する。
【0022】実施例2 図2は本発明の第2実施例に係る有機物分解光触媒を示
す斜視図である。本例の有機物分解光触媒2は、図2に
示すように、基体として石英ガラスからなる管状(筒
状)の透明な耐熱ガラスペレット7の外周面2aおよび
中空部2dの内周面2bの両面にそれぞれ酸化チタン薄
膜光触媒層3を被装し、両端部2cには透明なガラス面
8を露呈させ、そこには酸化チタン薄膜光触媒層3は被
装していない。
【0023】酸化チタン薄膜光触媒層3は、基体として
の長尺で透明な中空石英ガラス管の外周面と内周面に
は、チタニアゾルをコーティングして、乾燥し、400
〜700℃の温度で焼成される。なお、チタニアゾル
は、上記実施例1と同様に調整される。コーティング
は、先ず中空石英ガラス管全体をチタニアゾル溶液中に
浸漬(ディッピング)した状態で、中空部の上端より吸
引してチタニアゾルの溶液を吸引することによって、石
英ガラス管の外周面と内周面にチタニアゾルをコートす
る。それからこの石英ガラス管をゆっくりと引き上げ、
または空気を吹き付けて余分なチタニアゾルをふるい落
としながら引き上げ、チタニアゾル膜をその石英ガラス
管の内外周面にそれぞれ被装する。
【0024】チタニアゾルを内外の両周面にコートした
石英ガラス管を、実施例1と同様に乾燥し、室温から徐
々に680℃まで加熱昇温して焼成し、そのチタニアゾ
ルを酸化チタン薄膜光触媒層とする。内外両周面に酸化
チタン薄膜光触媒層3を被覆した石英ガラス管を、実施
例1と同様なガラス体裁断機により、一定長さ(例えば
数mm乃至数cm)ごとペレット状にカットすることに
より有機物分解触媒2を形成する。
【0025】比較例1 従来の有機物分解光触媒10であって、基体として直径
約3mmのシリカゲルで形成した球体を用い、実施例1
に記載のチタニアゾル溶液にディッピングし、実施例1
と同様な条件で乾燥し、焼成して、その球形の基体の表
面10eに酸化チタン薄膜光触媒層3を被装している。
【0026】以上、実施例1、実施例2、比較例1の有
機物分解光触媒1、2、10を試料として、次の試験条
件により有機物分解性能を比較した。試験器は図3に示
すように、所定の透明な合成石英ガラス筒体20(外径
=16mm、内径=13mm、長さ=500mm)に上
記有機物分解光触媒2(実施例1の有機物分解光触媒1
または実施例2の有機物分解光触媒2、比較例1の有機
物分解光触媒10の何れか)を100g充填し、処理対
象とする有機物含有試料22として、メチレンブルー1
00ppmの水溶液50mlを、10ml/minの流
速で下方より上方に循環させながら(循環手段はポン
プ、図示せず)、側方より光源23により照射する。光
源23には、本試験では253.7nmの波長を主体と
して照射するUV(紫外線)ランプを使用した。具体的
には、石英ガラス筒体20を中心に、その周囲を内周面
を乱反射鏡で形成した円筒形の乱反射板24で取り囲む
とともに、石英ガラス筒体20を挟んで一対の棒状光源
(UVランプ)23を相対向する位置に立設している。
このため、一対の棒状光源(UVランプ)23から照射
される光は、直接におよび乱反射鏡で反射されて石英ガ
ラス筒体20の周囲の全方向から有機物分解光触媒2に
照射される。
【0027】こうして照射開始後、有機物分解光触媒1
(実施例1)および有機物分解光触媒10(比較例1)
について光線透過率が95%以上の透明度となるまでの
時間を測定してその触媒の有機物分解性能の指標とし
た。これにより測定した結果を表1に示した。
【0028】 表1に示すように、従来の有機物分解光触媒10(比較
例1)では、光線透過率95%の透明度に達するまでに
は、500Wの光源を使用して7時間を要していたが、
実施例1の有機物分解光触媒1を使用した場合には、光
源23の電力量を72Wに減じても同様に7時間で光線
透過率95%以上の透明度に達した。つまり、電力量を
ほぼ1/7に削減して同一の効果が得られたから、触媒
効率としては数倍向上し、ランニングコストが削減され
経済的になった。次に、上記とまったく同一の条件にお
いて、メチレンブルー100ppmの水溶液に、過酸化
水素水を添加するかあるいはオゾンを導入して過酸化水
素3%水溶液の50mlを、10ml/minの流速で
循環し、有機物分解光触媒1(実施例1)・有機物分解
光触媒2(実施例2)および有機物分解光触媒10(比
較例1)について、光線透過率が95%以上の透明度と
なるまでの時間を測定してその触媒の有機物分解性能の
指標とした。これにより測定した結果を表1に示した。
【0029】 表2 触媒の種類 光源の電力量 所要時間 実施例1 72W 1/4時間(15分) 実施例2 72W 1/12時間(5分) 比較例1 500W 3時間 表2に示すように、従来の有機物分解光触媒(比較例
1)では、光線透過率95%の透明度に達するまでに
は、500Wの光源23を使用して3時間に短縮され、
また実施例1の有機物分解光触媒1については光源の電
力量72Wで光線透過率95%以上の透明度に達するま
での時間が15分に短縮された。この結果から各有機物
分解光触媒1・10による触媒作用が酸素を補給するこ
とによって、向上することが確認され、特に本発明の実
施例1の有機物分解光触媒1にあっては、1/28と飛
躍的に短縮されることが分かった。さらに実施例2の有
機物分解光触媒2によれば、実施例1と同電力の光源2
3によって5分(1/12時間)という驚異的に短い時
間で光線透過率95%以上の透明度に達し、実施例1の
有機物分解光触媒1と比較しても有機物分解光触媒2の
触媒作用が極めて優れたものであることが認められた。
【0030】上記の試験結果から、本発明の実施例2に
係る有機物分解光触媒2による有機化合物の分解除去な
どの光触媒作用が極めて顕著で卓越していること、特に
濃度3%程度のわずかな量の酸素補給を被触媒ガスや被
触媒液に対し添加することにより、触媒作用が一層活発
になって触媒作用が向上することが確認される。これ
は、酸化チタン薄膜光触媒層3の全表面積が実施例1に
比べて倍近くまで拡大したこと、所定の光を有機物分解
光触媒1・2・10に照射した際に、実施例2の有機物
分解光触媒2は実施例1の有機物分解光触媒1と同様に
両端部に透明なガラス面8を設けているので、基体とし
ての耐熱ガラスペレット7の本体内を光が透過し、他端
から放出され、他端側に隣接する他の有機物分解光触媒
2に照射され、補給された酸素も作用して次々と有機物
分解光触媒2の光触媒層3を活性化させること、有機物
分解光触媒2の一端のガラス面8より内部に照射された
光が内周面の光触媒層3に当たって活性化させること、
悪臭や空気中の有害物質、あるいは水中に溶解している
環境汚染の源になる有機化合物質が、有機物分解光触媒
2の外周面の光触媒層3だけでなく中空部を流通して内
周面の光触媒層3にも接触することなど−が理由であ
る。
【0031】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明の有機物分解光触媒には、次のような優れた効果
がある。
【0032】(1) 請求項1に係る発明の耐熱ガラスペレ
ットの棒状の基体の両端部には、酸化チタン膜が全く被
装されておらず、透明なガラス面を露呈させているた
め、照射光は両端のガラス面より基体内を透過し、酸化
チタン薄膜光触媒(層)を内側からも活性化させるととも
に、基体を一端から他端にわたって透過し、他端から外
部へ放出され、他端側に隣接する有機物分解光触媒の光
触媒層に光が照射される。このようにして照射した光
は、次々と有機物分解光触媒に当たり、表面に被装され
た酸化チタン薄膜光触媒(層)を活性化するので、悪臭や
環境汚染物質などの有機化合物に対し光触媒を発揮して
有機化合物を分解除去する。とくに、表1および表2の
試験結果から明らかなように従来のこの種の有機物分解
光触媒に比べて、光源の電力量を1/7に削減しても同
一の効果が得られ経済的であるうえに、酸素を補給する
ことにより、従来の有機物分解光触媒に比べて光触媒に
よる処理時間が1/12と大幅に短縮される。
【0033】(2) 請求項1に係る発明では、両端部に請
求項1の光触媒と同様の透明なガラス面が露呈し、次々
に隣接している光触媒の酸化チタン薄膜光触媒層による
有機物分解に必要な光を透過して照射するという効果に
加えて、筒状ペレットの外周面および内周面の両周面に
酸化チタン薄膜光触媒層を被装しているので、請求項1
記載の光触媒に比べても酸化チタン薄膜光触媒層の面積
が大幅に拡大し、光触媒作用が一層効率よく起こるとい
う効果がある。さらに、有機物分解光触媒を所定の容器
内に充填し、光を照射しながら該容器内に処理対象液や
有機物等を含むガスを流通させた際に、その液やガスは
有機物分解光触媒の外周面の酸化チタン薄膜光触媒層に
接触するとともに、内周面の酸化チタン薄膜光触媒層に
も接触することがあるので、光触媒作用は一層強力であ
る。そして、表2の試験結果に示すように、従来の光触
媒に比べて低電力の光源で、悪臭や空気中の有害物質あ
るいは水中に溶解している環境汚染の源になる有機化合
物質を分解除去する時間が1/36に短縮されるととも
に、請求項1(実施例1)の光触媒に比べても1/3に
処理時間が短縮されることから明らかなように、顕著で
卓越した光触媒作用が発揮される。
【0034】(3) 請求項3に係る発明では、光線透過率
に優れていることから、光を照射した際に本体内体を透
過して次々に酸化チタン薄膜光触媒層に当たって活性化
させるという効果がある。また、耐熱性の面でも優れて
いるので、製造上も加熱焼成時の温度が500℃以上に
なっても変形せず、酸化チタン薄膜光触媒層を安定して
容易に焼成することができる。
【0035】(4) 請求項4記載の発明では、所定の容器
内に多数の光触媒を充填して処理対象物との接触を活発
に行えるので、特に悪臭やガス中の有害物質を除去する
のに好適である。
【0036】(5) 請求項5に記載の発明では、酸化チタ
ン薄膜光触媒層を被装した耐熱ガラス棒を、ガラス裁断
機によりペレット状(例えば、長さ2〜5mm)に一定長
さごとにカットすることにより、請求項1に係る有機物
分解光触媒を連続的にかつ安価に製造でき、しかも、耐
熱ガラスベレットの両端に透明なガラス面を確実に露呈
させられる。
【0037】(6) 請求項6に記載の発明では、請求項5
の発明と同様の効果があり、請求項2に記載の有機物分
解光触媒が連続的にかつ安価に製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る有機物分解光触媒を
示す斜視図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る有機物分解光触媒を
示す斜視図である。
【図3】有機物分解光触媒の有機物分解性能を試験する
ための試験器を概略的に示す斜視図で、乱反射板24の
一部(正面部分)を切り欠いて表している。
【図4】比較例1としての球形の有機物分解触媒を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1:有機物分解光触媒 2:有機物分解光触媒 3:酸化チタン薄膜光触媒層 4・8:ガラス面 20:石英ガラス管 21:有機物分解光触媒 22:被処理液(又は被処理気体) 23:光源 24:乱反射板
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 21/06 ZAB B01D 53/36 G J (72)発明者 廣岡 義光 奈良県生駒市喜里が丘2丁目5番1号 (72)発明者 三谷 恭久 島根県益田市幸町10番2号 Fターム(参考) 4C080 AA07 BB02 CC02 CC12 HH05 JJ03 KK08 MM02 NN01 QQ03 4D048 AA22 AB03 BA07X BB01 BB05 CA03 4G069 AA03 AA08 BA04A BA14A BA48A CA10 CA17 DA05 EA06 FB15 FB30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棒状の透明な耐熱ガラスペレットを基体
    としてその外周面にのみ酸化チタン薄膜光触媒層を被装
    し、前記基体の両端部にガラス面を露呈させたことを特
    徴とする有機物分解光触媒。
  2. 【請求項2】 管状の透明な耐熱ガラスペレットを基体
    としてその外周面および内周面に酸化チタン薄膜光触媒
    層を被装し、前記基体の両端部にガラス面を露呈させた
    ことを特徴とする有機物分解光触媒。
  3. 【請求項3】 前記基体を石英ガラスで形成した請求項
    1又は2記載の有機物分解光触媒。
  4. 【請求項4】 前記基体が円管形又は円柱形からなり、
    その外径が1〜5mmで、長さが1〜5mmである請求
    項1〜3のいずれかに記載の有機物分解光触媒。
  5. 【請求項5】 長尺の透明な耐熱ガラス棒の表面にチタ
    ニアゾルをコーティングした後、 加熱焼成することにより前記耐熱ガラス棒の表面に酸化
    チタン薄膜光触媒層を被装し、 該耐熱ガラス棒を長さ方向において一定の長さごとに裁
    断してペレット状の有機物分解光触媒に形成したことを
    特徴とする有機物分解光触媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 長尺の透明な中空耐熱ガラス管の内外周
    面を含む全表面にチタニアゾルをコーティングした後、 加熱焼成することにより前記中空耐熱ガラス管の全表面
    に酸化チタン薄膜光触媒層を被装し、 該中空耐熱ガラス管を長さ方向において一定の長さごと
    に裁断してペレット状の有機物分解光触媒に形成したこ
    とを特徴とする有機物分解光触媒の製造方法。
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