JP2000024411A - 飲料水製造設備及び製造方法 - Google Patents

飲料水製造設備及び製造方法

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JP2000024411A
JP2000024411A JP10194368A JP19436898A JP2000024411A JP 2000024411 A JP2000024411 A JP 2000024411A JP 10194368 A JP10194368 A JP 10194368A JP 19436898 A JP19436898 A JP 19436898A JP 2000024411 A JP2000024411 A JP 2000024411A
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treated
membrane separation
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sedimentation
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Mikio Sato
三生男 佐藤
Isamu Inoue
勇 井上
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設備の小型化が可能であり、飲料水の製造効
率を向上させることが可能な飲料水製造設備及び方法を
提供することを目的とする。 【解決手段】 この発明は、被処理水を凝集沈殿装置4
に投入してフロックの生成・凝集沈殿を行いフロックを
除去した清澄水を膜分離装置19で膜分離する飲料水製
造設備10において、凝集沈殿装置4として、被処理水
を受容しフロックの生成・凝集沈殿を行うチャンバ7、
チャンバ7の下部に回転自在に連結されフロックを含む
被処理水を吐出管14を通して槽5内の空間に吐出する
ディストリビュータを備える高速凝集沈殿装置4を用い
る。この場合、ディストリビュータ13の回転により被
処理水が均等に吐出・分散され、均等な上昇流となるの
で、スラッジブランケットが均一となる。また、被処理
水の均等な上昇流が得られ、槽5の表面積負荷を高める
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲料水製造設備及
び製造方法に係り、より詳細には、河川水などの水源か
ら取水した被処理水から飲料水を製造するための設備及
び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来からある飲料水製造設備の
一例を示す概略図である。同図に示すように、この製造
設備は、河川水などの水源100から被処理水を取水す
る取水設備101、混和槽102、凝集槽103、凝集
沈殿槽104及び膜分離装置106を備える。この製造
設備において、被処理水は、取水設備101から混和槽
102に送られ、混和槽102で凝集剤、アルカリ剤や
次亜塩素酸ソーダなどの添加・被処理水の急速攪拌が行
われ、フロックが生成される。次いで、フロックを含む
被処理水は凝集槽103に送られ、凝集槽103で被処
理水の緩速攪拌・被処理水中のフロックの成長が行われ
る。更に、フロックを含む被処理水は凝集沈殿槽104
に送られ、凝集沈殿槽104でフロックの凝集沈殿・フ
ロックを除去した清澄水の生成が行われる。なお、凝集
沈殿槽104は、傾斜板105を有し、フロックの沈殿
効率を高めるようにしている。清澄水は膜分離装置10
6に送られ、膜分離装置106で膜分離され、こうして
飲料水の製造が行われる。
【0003】図6は、従来からある飲料水製造設備の他
の例を示す概略図である。同図に示すように、この製造
設備は、上述した製造設備における混和槽102、凝集
槽103及び凝集沈殿槽104をスラッジブランケット
型高速凝集沈殿装置に置き換えたものである。この高速
凝集沈殿装置は、単一の沈殿槽108内で被処理水中の
フロックを凝集沈殿させ、フロックを除去した清澄水を
生成するものであり、高速凝集沈殿装置107は、沈殿
槽108内に上下が開放された円錐形ミキシングチャン
バ109を有し、その内部に投入される被処理水を攪拌
機110で攪拌混合することによりフロックの生成及び
凝集沈殿を行う。ここで、凝集沈殿されたフロックは、
ミキシングチャンバ109の下方に形成されるスラッジ
ブランケットゾーン111で捕捉されるので、スラッジ
ブランケットゾーン111の上には、フロックが除去さ
れた清澄水が生成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の飲料水製造設備はいずれも大きな設置スペース
を必要とするので、省スペース化の観点からは好ましく
ない。また、従来の設備では、膜分離装置106で膜閉
塞が引き起こされ、早期に膜交換が必要となり、膜分離
装置106の長期安定運転を図ることが困難となり、ひ
いては飲料水の製造効率が低下してしまう。
【0005】そこで、本発明は、設備の小型化が可能で
あり、飲料水の製造効率を向上させることが可能な飲料
水製造設備及び製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点について鋭意検討した結果、従来のいずれの設備も、
清澄水の濁度については相当に小さくすることができる
ものの、濁度計では測定できないサブミクロン粒子や二
酸化マンガンを十分除去することができず、このサブミ
クロン粒子及び二酸化マンガン粒子によって膜分離装置
において膜閉塞が起こることを見い出した。
【0007】そこで、この発明の飲料水製造設備は、被
処理水を凝集沈殿装置に投入してフロックの生成及び凝
集沈殿を行い、被処理水からフロックを除去した清澄水
を膜分離装置で膜分離する飲料水製造設備において、凝
集沈殿装置として、沈殿槽と、沈殿槽内に設けられ、被
処理水を受容しフロックの生成及び凝集沈殿を行うミキ
シングチャンバと、ミキシングチャンバの下部に回転自
在に連結され、凝集沈殿したフロックを沈殿槽内の空間
に吐出する吐出管を有するディストリビュータとを備え
る高速凝集沈殿装置を用いることを特徴とする。
【0008】この構成によれば、被処理水をミキシング
チャンバ内に投入すると、ミキシングチャンバ内でフロ
ックの生成及び凝集沈殿が行われる。そして、ディスト
リビュータを回転させると、沈降性の良いフロックを含
む被処理水が吐出管を通して沈殿槽とミキシングチャン
バとの間の空間に吐出される。このとき、フロックを含
む被処理水は均等に分散され、均等な上昇流が得られる
ので、均一なスラッジブランケットが形成される。その
結果、膜閉塞の原因となる微細なサブミクロン粒子や二
酸化マンガン粒子等の清澄水への混入が十分に防止され
る。また、スラッジブランケットゾーンでは、均等な上
昇流が得られるので、沈殿槽の単位面積、単位時間当た
りの被処理水の処理量を表す表面積負荷を高めることが
可能となる。
【0009】また、この発明の飲料水製造設備は、清澄
水中のマンガンを除去し膜分離装置に送出するマンガン
砂ろ過装置を更に備えることが好ましい。この場合、製
造設備は、清澄水中のマンガンを膜分離装置に送る前に
マンガン砂ろ過装置によって除去することができるの
で、膜分離装置においてマンガンによる膜の閉塞を十分
に防止することができる。従って、この製造設備は、マ
ンガンを多量に含有するような水源をもつ飲料水製造設
備で特に有用である。なお、本発明に用いるマンガン砂
ろ過装置は、マンガン砂ろ過装置の長期安定運転の観点
から、水及び空気を用いた逆洗手段を備えることが好ま
しい。
【0010】また、この発明の飲料水製造方法は、被処
理水を凝集沈殿装置に投入してフロックの生成及び凝集
沈殿を行い、被処理水からフロックを除去した清澄水を
膜分離装置で膜分離する飲料水の製造方法において、被
処理水を沈殿槽内に設けられたミキシングチャンバに投
入し、ミキシングチャンバ内でフロックの生成及び凝集
沈殿を行い、フロックをミキシングチャンバの下部に回
転自在に連結されるディストリビュータに送り、そのデ
ィストリビュータを回転させることによりディストリビ
ュータの吐出管を通してフロックを含む被処理水を沈殿
槽内の空間に吐出し、被処理水からフロックを除去した
清澄水を生成し、その清澄水を膜分離装置で膜分離する
ことを特徴とする。
【0011】この構成によれば、被処理水をミキシング
チャンバ内に投入すると、ミキシングチャンバ内でフロ
ックの生成及び凝集沈殿が行われる。そして、ディスト
リビュータを回転させると、沈降性の良いフロックを含
む被処理水が吐出管を通して沈殿槽内の空間に吐出され
る。このとき、フロックを含む被処理水は均等に分散さ
れ、均等な上昇流が得られるので、均一なスラッジブラ
ンケットが形成される。その結果、膜閉塞の原因となる
微細なサブミクロン粒子や二酸化マンガン粒子等の清澄
水への混入が十分に防止される。また、スラッジブラン
ケットゾーンでは、均等な上昇流が得られるので、沈殿
槽の単位面積、単位時間当たりの被処理水の処理量を表
す表面積負荷を高めることが可能となる。
【0012】また、この発明の飲料水製造方法は、清澄
水を膜分離装置で膜分離する前に、清澄水中のマンガン
を除去することが好ましい。この方法は、清澄水中のマ
ンガンを膜分離装置に送る前に除去することができるの
で、膜分離装置においてマンガンによる膜閉塞を十分に
防止できる。従って、この方法は、マンガンを多量に含
有する水源をもつ飲料水製造設備で特に有用である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明の飲料水
製造設備の実施形態について詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明の飲料水製造設備の好適な
実施形態を示す概略断面図である。同図に示すように、
飲料水製造設備10は、河川等の水源1から、処理すべ
き被処理水を取水する取水設備2を備える。取水設備2
は、被処理水流入ラインL0を通して被処理水をポンプ
3により高速凝集沈殿装置(以下、「超高速凝集沈殿装
置」という)4に送り、超高速凝集沈殿装置4は、単一
の沈殿槽5内で被処理水中の濁質成分をフロック化して
凝集沈殿させ、清澄水を生成する。
【0015】ここで、超高速凝集沈殿装置4について図
2を参照して詳細に説明する。図2は、超高速凝集沈殿
装置4を示す断面図である。図2に示すように、沈殿槽
5は、上部が開放された有底円筒状となっており、沈殿
槽5の上部にはその上部を塞ぐように架台6が架設され
ている。架台6の中央部からは、下部開口を有する円筒
状のミキシングチャンバ7が垂設され、ミキシングチャ
ンバ7は、架台6に沈殿槽5と同軸状に固定されてい
る。ミキシングチャンバ7は、被処理水を導入するため
の被処理水流入ラインL0に被処理水導入ラインL1を
介して連通されている。
【0016】ミキシングチャンバ7には、各種添加剤を
注入するための注入ノズル8が複数設けられ、これら注
入ノズル8は、ミキシングチャンバ7においてその長手
方向に沿って所定間隔で配設されている。添加剤として
は、例えばPAC等の高分子凝集剤や溶解性マンガンを
除去するための次亜塩素酸ソーダなどが用いられる。
【0017】また、図2に示すように、ミキシングチャ
ンバ7には、被処理水と添加剤とを混合攪拌するための
攪拌タービン9が内蔵されている。攪拌タービン9は、
複数の攪拌翼11を備えた中空円筒体として形成され、
ミキシングチャンバ7と同軸状に架台6から回転自在に
垂設されている。攪拌タービン9は、架台6上に載置さ
れた駆動部9aによって回転駆動される。また、攪拌タ
ービン9の内部にはセンターシャフト12が挿通され、
ミキシングチャンバ7と同軸状に架台6から回転自在に
垂設され、架台6上に載置された駆動部12aによって
回転駆動される。
【0018】また、センターシャフト12には、中空状
のディストリビュータ13が固定されている。ディスト
リビュータ13は、その内部空間とミキシングチャンバ
7の内部空間とが連通するようにミキシングチャンバ7
の下部に連結され、センターシャフト12の回転によっ
てミキシングチャンバ7の中心軸周りに回転自在となっ
ている。ディストリビュータ13は、センターシャフト
12の回転軸から水平方向に延びる複数本(例えば4
本)の吐出管14を有し、各吐出管14の下側には、複
数の吐出孔が形成されている。なお、センターシャフト
12は、沈殿槽5の底部まで延びており、このセンター
シャフト12には、汚泥掻寄機15が取り付けられてい
る。
【0019】ここで、前述した超高速凝集沈殿装置4の
作動について説明する。
【0020】まず、被処理水流入ラインL0及び被処理
水導入ラインL1を通して被処理水をミキシングチャン
バ7内に導入する。また、ミキシングチャンバ7内の被
処理水には、注入ノズル8から任意のタイミングで添加
剤を注入する。ミキシングチャンバ7内の被処理水及び
添加剤は、駆動部9aによって回転駆動される攪拌ター
ビン9によって混合攪拌され、被処理水中の懸濁物質等
が凝集して凝集フロック(初期フロック)が形成され
る。このとき、沈降性の良好な凝集フロックが効率よく
形成される。従って、凝集剤の使用量を低減することが
できる。
【0021】そして、沈殿した凝集フロックを含む被処
理水は、ディストリビュータ13の回転によりその吐出
管14の吐出孔から沈殿槽5内に均等に分配され、沈殿
槽5内に上昇流が発生する一方、フロックが沈降し、上
昇流速とフロックの沈降速度とが釣り合うことにより吐
出管14の上方にスラッジブランケットゾーン16が形
成される。このとき、均等な上昇流が得られるので、均
一なスラッジブランケットが形成される。この結果、膜
閉塞の原因となる微細なサブミクロン粒子及び二酸化マ
ンガン粒子等がスラッジブランケットゾーン16中の大
きなフロックによって十分に捕捉される。従って、これ
ら粒子の清澄水への混入が十分に防止され、清澄水の水
質が向上する。また、スラッジブランケットゾーン16
では均等な上昇流が得られるので、沈殿槽の単位面積、
単位時間当たりの被処理水の処理量を表す表面積負荷を
高めることが可能となり、超高速凝集沈殿装置4の大幅
な省スペース化、ひいては飲料水製造設備10の省スペ
ース化を図ることができる。例えば、超高速凝集沈殿装
置4は、ミキシングチャンバ7及び回転するディストリ
ビュータ13を使用しない従来のスラッジブランケット
型高速凝集沈殿装置の1/8〜1/4の大きさとするこ
とができる。
【0022】一方、被処理水中の凝集フロックのうち、
沈殿槽5内で沈降分離したものは、沈殿槽5の下部で汚
泥掻寄機15によって攪拌されて濃縮汚泥層17を形成
する。この濃縮汚泥層17から、界面検知計の指示値に
基づいて制御される汚泥引抜ポンプ18によって、濃縮
汚泥を随時引抜くことにより、スラッジブランケットゾ
ーン16の界面高さは一定の範囲内に保たれる。
【0023】こうしてスラッジブランケットゾーン16
の上に生成される清澄水は、飲料水として適した水質と
するため、ポンプ40により清澄水流入ラインL2を通
して膜分離装置19に送られ、膜分離装置19で膜分離
される。膜分離装置19で用いられる膜としては、中空
糸膜であってUF膜、MF膜等のいずれかが用いられ
る。膜分離装置19において、流入される清澄水から
は、膜分離を困難とさせるサブミクロン粒子及び二酸化
マンガン粒子等の微粒子が十分に取り除かれているた
め、膜の閉塞が十分に防止される。従って、膜分離装置
19の長期安定運転が可能となり、ひいては飲料水の製
造効率を向上させることができる。また、膜分離装置1
9の下流側には、ろ過水を貯留するろ過水貯槽42が設
けられ、ろ過水貯槽42から膜分離装置19のろ過水側
まで膜洗浄水ラインL11が延びている。従って、ろ過
水貯槽42からのろ過水によって膜分離装置19の膜の
逆洗を行うことが可能となっており、逆洗により生成さ
れる濁質を含む濃縮水は、清澄水流入ラインL2に導入
される。ラインL2の途中には電磁弁43が設けられ、
この電磁弁43の位置で膜洗浄排水ラインL12が分岐
し、このラインL12は被処理水流入ラインL0まで延
びている。電磁弁43は、清澄水を膜分離装置19に流
入させると共に、膜の逆洗により生成される濁質を含む
濃縮水を膜洗浄排水ラインL12に導くものである。こ
のように、膜分離装置19の膜の逆洗で生成される濃縮
水が超高速凝集沈殿装置4の上流側に返送されるので、
濃縮水が有効利用されることとなり、水回収効率が高め
られる。
【0024】ところで、水源1から取水した被処理水中
の溶解性マンガン濃度が高い場合(例えば0.1mg/
l以上)、清澄水中に、超高速凝集沈殿装置4で処理し
きれなかった溶解性マンガンが残留する場合がある。こ
のような場合に、直接、即ち前処理を行わずに清澄水を
膜分離すると、膜分離装置19は、高いろ過能力を維持
することができず、短期間に膜の閉塞を起こすおそれが
ある。この理由は、膜分離装置19で逆洗時に次亜塩素
酸ソーダを添加すると、マンガンが次亜塩素酸ソーダに
よって酸化され、膜の透過側が閉塞を起こすおそれがあ
るからである。
【0025】そこで、図3に示すように、飲料水製造設
備30において、清澄水中の溶解性マンガンを除去する
マンガン砂ろ過装置23が設けられることが好ましい。
図3は、本発明の飲料水製造設備の第2実施形態を示す
概略図である。
【0026】図3に示すように、マンガン砂ろ過装置2
3は、例えば有底円筒状のろ過槽24を有し、その内部
は仕切り板25で上部空間と下部空間とに分割されてい
る。仕切り板25には、上部空間と下部空間とを連通さ
せる複数の集水ノズル26が貫通し、仕切り板25の上
には、ろ層27が配置されている。ろ層27は300〜
600mmの厚さであり、例えば平均粒径0.4〜1.
2mmのマンガン砂で構成されている。ろ層27は、ポ
ンプ41によりラインL5を通して投入される清澄水に
浸漬されている。また、ろ過槽24には、下部空間に連
通する排水ラインL6が接続され、この排水ラインL6
を通して下部空間中のマンガン除去された清澄水が膜分
離装置19に送出される。また、清澄水には、薬品タン
ク28内に収容される次亜塩素酸ソーダがポンプ29に
よりラインL7を通して添加される。この場合、排水ラ
インL6中の塩素濃度が0.5〜2.0mg/lとなる
ように添加されることが好ましい。これにより、膜原水
となる清澄水中のマンガン濃度が0.01mg/l以下
に保持される。なお、塩素濃度及びマンガン濃度はそれ
ぞれ塩素濃度計31及びマンガン濃度計32によって検
出され、これらの指示値に基づきコントローラ33によ
り薬品タンク28から次亜塩素酸ソーダの注入量が制御
される。
【0027】ところで、溶解性マンガンの酸化反応はマ
ンガン砂表面における反応である。しかしながら、マン
ガン砂表面には、二酸化マンガン以外の懸濁物質が付着
するため反応速度が大幅に低下するおそれがある。
【0028】そこで、ろ過槽24には、懸濁物質を除去
すべく、下部空間に連通する逆洗空気用ラインL8を介
して逆洗用ブロワ36が接続され、逆洗水用ラインL9
を介して逆洗用水源が接続され、逆洗水用ラインL9に
はポンプ38が取り付けられている。即ち、マンガン砂
ろ過装置23は、水及び空気を用いた逆洗機能を備えて
いる。従って、逆洗用ブロワ36から逆洗空気用ライン
L8を通して空気が下部空間に送られ、同時に逆洗水が
逆洗水用ラインL9を通してポンプ38により下部空間
に送られると、空気及び水によって、マンガン砂に付着
した懸濁物質及び二酸化マンガンが効率よく除去されて
ろ層27の上部に十分排出される。このため、マンガン
砂表面におけるマンガンの酸化反応速度の低下が十分に
防止され、高いマンガン除去能が維持される。また、飲
料水製造設備30にマンガン砂ろ過装置23を導入する
ことで、膜分離装置19において膜の洗浄時に使用する
次亜塩素酸ソーダを使用する必要がなくなり、設備全体
として次亜塩素酸ソーダの使用量を低減することができ
る。
【0029】そして、逆洗で生成された逆洗排水は、水
回収効率を向上させる観点から、逆洗排水返送ラインL
10を通して被処理水流入ラインL0に送られることが
好ましい。なお、逆洗空気用ラインL8、逆洗用ブロワ
36、逆洗水用ラインL9及び逆洗用水源により逆洗手
段が構成される。
【0030】以下、本発明の内容を実施例により具体的
に説明する。
【0031】
【実施例】(実施例1)飲料水製造設備において、超高
速凝集沈殿装置と、膜分離装置とを用いた。膜分離装置
で用いる膜モジュールとして、中空糸膜モジュールを用
いた。
【0032】このような製造設備において、濁度65
度、マンガン濃度0.5mg/lの表流水を被処理水と
して飲料水の製造を行った。この被処理水を超高速凝集
沈殿装置で処理するにあたっては、PAC50mg/
l、次亜塩素酸ソーダ3mg/lをミキシングチャンバ
内に注入し、超高速凝集沈殿装置における被処理水の面
積負荷を3m3/m2/時とした。
【0033】また、膜分離装置においては、透過流束
(FLUX)を1.5m3/m2/日とした。また、逆洗
頻度を1回/45分とし、このとき使用する逆洗水には
次亜塩素酸ソーダを5mg/l添加した。このとき、処
理槽内の水の濁度は1.0〜5.0度であり、その平均
値は2.5度であった。
【0034】このようにして飲料水を製造し、膜分離装
置における膜のろ過差圧を測定し、その経時変化を調べ
た。その結果を図4に示す。図4に示すように、設備の
作動開始から90日経過後、ろ過差圧はほとんど上昇し
ていなかった。
【0035】(比較例1)超高速凝集沈殿装置に代え
て、回転するディストリビュータを用いない従来のスラ
ッジブランケット型凝集沈殿池を用いた以外は、実施例
1と同様にして飲料水製造設備を構成した。そして、膜
分離装置における膜原水となる処理槽内の水の濁度を測
定した。その結果、濁度は1.2〜8.0度(平均2.
8度)であった。また、膜分離装置における膜のろ過差
圧を測定し、その経時変化を調べた。その結果を図4に
示す。図4に示すように、当初40kPaであったろ過
差圧が20日経過後に上昇し始め、50日経過後にはろ
過差圧は100kPa(2.5倍)に上昇していた。
【0036】(比較例2)超高速凝集沈殿装置に代え
て、混和槽、凝集槽及び傾斜板を備えた凝集沈殿槽を用
い、更に凝集沈殿槽における面積負荷を1m3/m2/時
とした以外は、実施例1と同様にして飲料水製造設備を
構成した。そして、膜分離装置における膜原水の濁度を
測定した。その結果、濁度は2.6〜6.5度(平均
3.1度)であった。また、膜分離装置における膜のろ
過差圧を測定し、その経時変化を調べた。その結果を図
4に示す。図4に示すように、当初40kPaであった
ろ過差圧が飲料水の製造開始直後から上昇し始め、20
日経過後にはろ過差圧は100kPa(2.5倍)に上
昇していた。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように本発明の飲料水製造設
備及び製造方法によれば、ディストリビュータの回転に
より沈降性の良いフロックを含む被処理水が吐出管を通
して沈殿槽内の空間に出されると、フロックを含む被処
理水は均等に分散され、均等な上昇流が得られるので、
均一なスラッジブランケットが形成される。その結果、
微細なサブミクロン粒子や二酸化マンガン粒子等の清澄
水への混入が十分に防止され、膜分離装置における膜閉
塞が十分に防止され、膜分離装置の長期安定運転が可能
となり、ひいては飲料水の製造効率が向上する。また、
沈殿槽内で均等な上昇流が得られるので、沈殿槽の表面
積負荷を高めることが可能となり、高速凝集沈殿装置の
大幅な省スペース化、ひいては飲料水製造設備の小型化
を図ることができる。
【0038】また、本発明の飲料水製造設備においてマ
ンガン砂ろ過装置を備える場合、この設備は、マンガン
を多く含有しうる水源を有する製造設備に特に有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の飲料水製造設備の一の実施形態を示す
概略図である。
【図2】図1の超高速凝集沈殿装置を示す断面図であ
る。
【図3】本発明の飲料水製造設備の他の実施形態を示す
概略図である。
【図4】膜分離装置の膜におけるろ過差圧の経時変化を
示すグラフである。
【図5】従来の飲料水製造設備の一例を示す概略図であ
る。
【図6】従来の飲料水製造設備の他の例を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
1…飲料水製造設備、4…超高速凝集沈殿装置、5…沈
殿槽(凝集沈殿槽)、7…ミキシングチャンバ、13…
ディストリビュータ、、14…吹出管、16…スラッジ
ブランケットゾーン、19…膜分離装置、23…マンガ
ン砂ろ過装置、36…逆洗用ブロワ(逆洗手段)、L8
…逆洗空気用ライン(逆洗手段)、L9…逆洗水用ライ
ン(逆洗手段)、L10…逆洗排水返送ライン。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 29/08 540A Fターム(参考) 4D006 GA06 GA07 HA01 KA02 KB13 KB15 KC03 KC16 KD24 MA01 PB04 PB05 4D062 BA03 BB13 CA14 CA20 DA04 DA39 DA40 EA06 FA16 FA17

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理水を凝集沈殿装置に投入してフロ
    ックの生成及び凝集沈殿を行い、前記被処理水から前記
    フロックを除去した清澄水を膜分離装置で膜分離する飲
    料水製造設備において、 前記凝集沈殿装置として、 沈殿槽と、 前記沈殿槽内に設けられ、前記被処理水を受容し前記フ
    ロックの生成及び凝集沈殿を行うミキシングチャンバ
    と、 前記ミキシングチャンバの下部に回転自在に連結され、
    凝集沈殿した前記フロックを含む被処理水を前記沈殿槽
    内の空間に吐出する吐出管を有するディストリビュータ
    と、を備える高速凝集沈殿装置を用いることを特徴とす
    る飲料水製造設備。
  2. 【請求項2】 前記清澄水中のマンガンを除去し前記膜
    分離装置に送出するマンガン砂ろ過装置を更に備えるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の飲料水製造設備。
  3. 【請求項3】 前記マンガン砂ろ過装置が、水及び空気
    を用いた逆洗手段を備えることを特徴とする請求項2に
    記載の飲料水製造設備。
  4. 【請求項4】 前記逆洗手段によって生成される逆洗排
    水を前記凝集沈殿装置に返送するための逆洗排水返送ラ
    インを更に備えることを特徴とする請求項3に記載の飲
    料水製造設備。
  5. 【請求項5】 前記膜分離装置で生成される濁質を含む
    濃縮水を前記凝集沈殿装置に返送するための膜洗浄排水
    ラインを更に備えることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか一項に記載の飲料水製造設備。
  6. 【請求項6】 被処理水を凝集沈殿装置に投入してフロ
    ックの生成及び凝集沈殿を行い、前記被処理水から前記
    フロックを除去した清澄水を膜分離装置で膜分離する飲
    料水の製造方法において、 前記被処理水を沈殿槽内に設けられたミキシングチャン
    バに投入し、 前記ミキシングチャンバ内で前記フロックの生成及び凝
    集沈殿を行い、 前記フロックを前記ミキシングチャンバの下部に回転自
    在に連結されるディストリビュータに送り、そのディス
    トリビュータを回転させることにより前記ディストリビ
    ュータの吐出管を通して前記フロックを含む被処理水を
    前記沈殿槽内の空間に吐出し、 前記被処理水から前記フロックを除去した清澄水を生成
    し、その清澄水を前記膜分離装置で膜分離することを特
    徴とする飲料水の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記清澄水を前記膜分離装置で膜分離す
    る前に、前記清澄水中のマンガンを除去することを特徴
    とする請求項6に記載の飲料水の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記マンガン砂ろ過装置におけるろ過後
    の残留塩素濃度が0.5〜2.0mg/lになるように
    前記清澄水に次亜塩素酸ソーダを注入することを特徴と
    する請求項7に記載の飲料水の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記膜分離装置で生成される濁質を含む
    濃縮水を前記凝集沈殿装置に返送することを特徴とする
    請求項6〜8のいずれか一項に記載の飲料水の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006263650A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Ngk Insulators Ltd セラミック膜浄水製造設備及びその運転方法
CN106914041A (zh) * 2016-11-30 2017-07-04 广东新环机电装备制造有限公司 一种沉淀池水处理吸泥机
CN114790064A (zh) * 2022-05-27 2022-07-26 杭州钰龙环境科技有限公司 一种原水除锰除铁处理系统及其工作方法

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