JP2000024149A - ゴルフクラブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴルフプレーヤーの様々な要求に対応して
クラブヘッドの重心位置、重心高さ、重量、バランスを
変えることによって打撃加重、打撃速度、打撃入角度を
プレイヤーが独自で簡単に調整できるようにする。 【解決手段】 クラブヘッド４のソール１には傾斜状
部分１６を形成し、またインサート部６Ａ〜６Ｃは収容
凹部９Ａ〜９Ｃが形成されており収容凹部９Ａ〜９Ｃに
おもり７及び１０を嵌め込み取外し可能に固定し、複数
の異種のおもり７及び１０を組替えることによってヘッ
ドの水平面及び垂直面内における重心の位置、重心の高
さ、重量、バランスを調整可能とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はゴルフクラブに関
し、特にゴルフプレイヤーの様々な要求に応じてゴルフ
クラブの重心位置、重心高低差、全体重量又はゴルフク
ラブに必要とするバランスをゴルフプレイヤー独自で簡
単に調整できるようにしたゴルフクラブに関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】ゴルフクラブを用いた全ての競技では、
打撃したボールを正確に飛ばすことが重要である。ボー
ルの飛行特性は打撃されたゴルフボールのスピン量、圧
縮加重及び回転方向が密接に関係することが知られてい
る。ゴルフプレイヤーはシャフトをグリップした手を操
作すること及び体の回転や体重移動により、ゴルフボー
ルのスピン量や、圧縮加重及び回転方向を微妙にコント
ロールし、ゴルフボールを所望の方向位置へ飛ばすこと
を行っている。

【０００３】しかし、上級者又はプロゴルフプレイヤー
以外の初級及び中級のプレイヤーには、ゴルフボールの
スピン量や圧縮加重及び回転方向を、微妙にコントロー
ルすることは極めて難しく、ゴルフボールを所望する位
置へ正確に飛ばし、フックやスライスをさせることなく
ゴルフクラブのスイートスポットで、ゴルフボールを打
撃することに困難を強いられている。このスイートスポ
ットは、一般的にヘッド重心を通る打撃フェースに垂直
線上に位置する打撃フェース上のエリア、又は点と定義
される。

【０００４】そこで特に初級及び中級のゴルフプレイヤ
ーにとっては、ゴルフボールの飛行特性にクラブヘッド
の重心位置、重心高低、重量、パランス及びゴルフボー
ルにかかる打撃加重に大きく影響され、重心高低差はゴ
ルフボールの打ち出した角度に密接な関係を持ち、重心
が高くなるとゴルフボールの打ち出した角度が低くなる
ことが知られている。

【０００５】そして、複数のゴルフ各クラブの重心位置
を異ならせるように設計されたゴルフクラブセットが提
案されているが（例えば、米国特許第３０５９９２６
号）、これは一本のゴルフクラブについて、ゴルフプレ
イヤーの様々な要求に応じて重心の位置及び高低差を調
節できるものではなかった。

【０００６】上記に対し、本件発明者はクラブヘッドに
数箇所のインサート部材を形成し、異なる重量と、異な
る材質のおもりをゴルフプレイヤーの様々な要求に応じ
て、組み合わせて挿入、固定し、重心の位置、高低差及
び重量、バランスを調整できるように開発して提案する
に至った。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ゴルフプレイヤーは初
級や中級であってもレベルや技術はそれぞれ異なり、ま
たゴルフプレイヤーのクラブスイングの軌道、打撃フォ
ーム、クラブの重量やバランスあるいは、速度や打撃力
等、これらの要求もそれぞれ微妙に異なっている。しか
し上記特許のクラブヘッドではそのような微妙な要求に
細かく対応しきれないのが実情である。

【０００８】本発明はどのような状況においても、ゴル
フプレイヤーの様々な要求に対応しクラブヘッドの重心
位置、重心高低、重量、バランスを変化させることによ
って、打撃加重、打撃速度をプレイヤーが簡単に独自で
調整できるように開発されたゴルフクラブの提供を課題
とする。

【０００９】

【課題を解決させるための手段】そこで、本発明に係わ
るゴルフクラブは、クラブヘッドが少なくとも打撃フェ
ース及びソールを含んで構成されており、該ソールには
水平又は傾斜状部分が形成され、該水平又は傾斜状部分
にはインサート部材が数箇所に分かれて取り外し可能に
固定され、該インサート部材は複数の異種のおもりを用
いて交換可能を有し、上記インサート部材が交換される
ことによって、上記クラブの水平面内及び垂直面内にお
ける重心、重量、バランス、打撃加重、打撃速度が調整
可能となっていることを特徴とする。

【００１０】本発明の特徴の１つはクラブヘッドのソー
ルに水平又は傾斜状部分を形成し、該水平又は傾斜状部
分に複数の重心を偏心したインサート部材を固定するこ
とができ、またインサート部材を交換することでクラブ
ヘッドの重心、重量、バランス、打撃加重、打撃速度を
様々な要求に対応し、前後、左右、上下に細かく設定す
ることができる。

【００１１】ソールの水平又は傾斜状部分は、ゴルフク
ラブの重心の高低差を調整する上で必要であり左右方向
に傾斜してもよく、また前方になるほど高くなるように
傾斜していてもよいが、クラブヘッド本来の形態を考慮
すると、ソールの傾斜状部分は、フェース側から後方へ
なるに従って高くなる様に傾斜されているのがよい。さ
らにソールの傾斜状部分の角度はクラブヘッドを水平面
に対しスクエアに置いた状態で５°〜６５°の範囲から
設定するのがよい。

【００１２】また、インサート部材は傾斜状部分に直接
固定してもよいが、インサート部材がソールの最低位置
よりも下方に突出していると、打撃時にインサート部材
が地面と干渉し、円滑なスイングができないおそれがあ
る。そこでソールの水平面及び傾斜状部分に複数の凹部
を形成し、該複数の凹部内にはインサート部材を取り外
しし可能に嵌め込んで固定する方法がよい。

【００１３】また、傾斜状部分はソールのいずれの位置
に設けてもよいが、クラブフェースの中央線とソールが
交わるところからソール後半部へ引いた直線上付近に位
置する方が好ましい。また、ソール面の中心よりゴルフ
クラブの先端部と付け根部へ直角線に引いた直角線上付
近にくるように水平面又は傾斜状部分に形成されるのが
好ましい。従って、重心の位置、高低差及び打撃入角度
の調整が簡単であるため凹部は上記傾斜状部分に形成さ
れる方法がよい。

【００１４】凹部の形状はインサート部材を取り外し
て、複数の異種の部材を任意で嵌め込む可能性があるの
で、凹部は他の凹部とも同一の形状とするのがよい。さ
らに、凹部のインサート部材の面積は多い程微妙な調整
ができて好ましい。

【００１５】インサート部材は複数の異種のおもりを交
換可能を有し、かつ重心、重量、バランスを変化させる
ことによって、打撃加重、打撃速度を調整できればどの
ような構造でもよい。

【００１６】例えばケース、蓋及び複数の異種のおもり
からインサート部材を構成し、複数のおもりには相互に
異なる重量のおもりを含む一方、ケースにはおもりの収
容凹部を同一の大きさで形成し、複数の収容凹部には、
複数の異種のおもりを収容して固定することができるも
のとする。

【００１７】また蓋によって封鎖することを構造採用す
ることができることとし、インサート部材の重心、重
量、バランス、打撃加重、打撃速度を調整させることが
できるものである。

【００１８】また、インサート部材はソールの水平面及
び傾斜状部分の凹部に取り外し可能で、かつ固定できれ
ばどのような方法で固定してもよく、ねじを用いて締め
付け固定するのがよい。

【００１９】例えばケース及び、蓋またインサート部材
の中央にねじ穴を形成し、ソールの水平面及び傾斜状部
分は凹部に形成した雌ねじに螺合させ、又は凹部に植設
したねじをインサート部材に挿通させ、これにナット等
を用いて螺合させることによりインサート部材を締め付
け固定させることができる。

【００２０】また、インサート部材は設定した位置に取
り外し可能に固定されるものが好ましい。そこで複数の
異種のおもりの中央にねじ穴を挿通させ、様々な要望に
対応しおもりを嵌め込ませて止めるのがよい。

【００２１】

【発明の形態】以下、発明の実施の形態を実施例にもと
づき図面を参照にして詳細に説明する。図１は本発明に
係わるゴルフクラブの好ましい実施形態を示す。図１に
おいて、クラブヘッド４には円筒状のホーゼル部２が形
成され、このホーゼル部２にはシャフト（図示せず）が
差込まれて固定されている。そしてクラブヘッド４は打
撃フェース３、トップフェース５及びソール１から構成
されて、鍛造によって中空状に製作されている。又は、
打撃フェース３、トップフェース５が連帯となった鋳造
及びソール１の鍛造を組み合わせ中空状に製作されてい
る。

【００２２】上記ソール２の先端部１２、付け根部１３
及び後半部１４には傾斜状部分１６が形成され、この傾
斜状部分１６は５°〜６５°の範囲内の角度で後ろにな
るほど高くなるように設定されている。

【００２３】上記傾斜部分１６には凹部９Ａ、９Ｂ及び
９Ｃが形成され、この凹部９Ｃはその中心が打撃フェー
ス３のほぼ中央を前後方向に通る直線上にくるように設
定されている。また、ソール１のほぼ中心より上下方向
に通る直線上付近に、凹部９Ａ及び９Ｂが設定されてい
る。

【００２４】また、図５に示されている上記凹部９Ａ、
９Ｂ及び９Ｃの底面中央にはねじ穴１５が形成されてお
り、このねじ穴１５の周りは平坦に形成されている。

【００２５】図５に示されている上記凹部９Ａ、９Ｂ及
び９Ｃには、おもり７又は１０が取り外しし可能に嵌め
込まれて固定されている。この凹部９Ａ、９Ｂ及び９Ｃ
は蓋８及び３個のおもり７又は１０から構成され、各お
もり７又は１０の材料には比重の異なる金属、ガラス、
プラスティック、木材などを用いて選抜されるのが好ま
しいが、比重の異なるおもりの材料はこれに限らない。
従って複数の異なる重量のおもり７又は１０は使用者の
要望にあわせて組み合わせて形成されているものであ
る。

【００２６】また収容凹部９Ａ〜９Ｃ及び蓋８にはその
中央にねじ穴１５が形成されているものである。

【００２７】上記収容凹部９Ａ〜９Ｃには複数の異なっ
た重量のおもり７が収容され蓋８によってボルトを用い
て固定されている。またおもり１０は収容凹部に嵌め込
み、ボルトを用いて直接固定されている。おもり１０は
外側から直接固定されているため、明確に判別できるよ
うに構成されている。

【００２８】例えば、打撃したゴルフボールにスライス
回転が発生しやすいコルフプレイヤーの場合、収容凹部
９Ａのおもり７又は１０の重量を収容凹部９Ｂのおもり
７又は１０の重量を軽くすることでクラブヘッド４で打
撃したボールはストレート系又はドロー系の軌道で飛行
し、プレイヤーが目標とする近くへプレイヤーがコント
ロールすることなくゴルフボールを着地させることとな
る。

【００２９】他方、打撃したゴルフボールにフック回転
が発生しやすいプレイヤーの場合、収容凹部９Ａおもり
を収容凹部９Ｂのおもり７又は１０の重量を重たくし、
それぞれボルト１１を締め付けて固定することでクラブ
ヘッド４の重心は、トウ側に位置し、クラブヘッド４で
打撃したボールは、ストレート系又はフェード系の軌道
で飛行するのでフック回転が発生しやすいプレイヤーが
打撃したボールであってもフック回転することなく目標
の近くへゴルフボールをコントロールすることなくゴル
フボールを着地させることとなる。

【００３０】また、ソール１にそれぞれの収容部材９
Ａ、９Ｂ及び９Ｃを傾斜配置しているので、例えば収容
凹部９Ｃの重心が高い位置にくるように収容凹部９Ｃに
おもり７又はおもり１０の重量を、収容凹部９Ａ及び９
Ｂに嵌め込まれたおもり７又は１０の重量よりも軽くす
れば、クラブヘッド４の重心の位置が高くなりクラブヘ
ッド４でゴルフボールを打撃するとゴルフボールを低い
飛行軌道で飛ばせることができる。

【００３１】逆に、クラブヘッド４の重心を低くすると
ゴルフボールを高い飛行軌道で飛ばせることができる。

【００３２】さらにクラブフェース３に設定された角度
でゴルフボールを飛行させたい場合にはクラブヘッド４
の重心を通常の高さに設定すればよい。従って収容凹部
９Ａ、９Ｂ及び９Ｃに嵌め込むおもり７又は１０の重量
を同じにすることで通常のゴルフクラブの設定にするこ
とができる。

【００３３】従ってゴルフプレイヤーの打撃フォームを
変更し修正することなく、またクラブヘッド４の打撃フ
ェース３の角度を変更することなく所望の飛行特性でゴ
ルフボールを飛ばすことができることとなる。

【００３４】またゴルフプレイヤーは打撃フォームを変
更し修正することなく４のソール１に組込まれたインサ
ート部６Ａ、６Ｂ及び６Ｃのおもり７又は１０の重量を
任意に設定することで、ゴルフクラブ全体の重量、バラ
ンス及び打撃加重、打撃速度を変化させることとなる。

【００３５】例えば収容凹部９Ａ、９Ｂ及び９Ｃに収容
されたおもり７又は１０の重量を重くするとゴルフボー
ルを強く打撃することになり、バランスもゴルフクラブ
全体のクラブヘッド側へ移動することとなる。

【００３６】逆に収容凹部９Ａ、９Ｂ及び９Ｃに収容さ
れたおもり７又は１０の重量を任意に設定し軽くするこ
とでゴルフクラブ全体の重量は軽くなりグリップ側へバ
ランスも移動し打撃速度も速くさせることとなる。

【００３７】他方女性や高年配のプレイヤーの場合には
おもり７又は１０の重量が軽いものを任意で設定するこ
とにより、クラブヘッド４を軽くして使い勝手のよいク
ラブとすることができる。

【発明の効果】

【００３８】本発明によればクラブヘッドのソールに水
平面及び傾斜状部分を形成し、該水平面及び傾斜状部分
の重心の位置、高さ、重量、バランスを変えることによ
って打撃加重、打撃速度、打撃入角度を調整できるイン
サート部材、おもりを固定して、また取り外し交換する
ことによりゴルフプレイヤーの様々な要求に対応して前
後、左右、上下にゴルフプレイヤーの独自による細かい
設定にできるものである。

【００３９】従って、その結果ゴルフプレイヤーの打撃
フォームを変更し修正することなくまた、打撃を低下さ
せることなくさらにはゴルフヘッドの形状を変更するこ
となく打撃したゴルフボールをプレイヤーの所望する方
向へ正確に飛ばすことができ、技能向上を得ることがで
きることとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係わるゴルフクラブの好ましい実施
形態を示す底面図である。

【図２】 上記実施形態を示す平面図である。

【図３】 上記実施形態を示す側面図である。

【図４】 上記実施形態を示す正面図である。

【図５】 上記実施形態を示す底面の分解図である。

【符号の説明】

１ ソール ２ ホーゼル ３ フェース ４ クラブヘッド ５ トップフェース ６Ａ〜６Ｃ インサート部材 ７ おもり ８ 蓋 ９Ａ〜９Ｃ 収容凹部 １０ おもり １１ ボルト（ねじ式） １２ 先端部 １３ 付け根部 １４ 後半部 １５ ねじ穴 １６ 傾斜状部分

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 クラブヘッドは打撃フェース及びソール
   を含んで構成されており、該ソールには水平又は傾斜状
   部分が形成され、該複数のインサート部材は取り外し可
   能にして固定され、該複数のインサート部材は複数の異
   種のおもりを交換可能とし、かつその複数の異種のおも
   りを組み合わせ偏心させて構成されており、上記複数の
   インサート部材を取り替えることにより、クラブヘッド
   の水平面内及び／又は垂直面内における重心の位置、高
   さ及び重量、バランスを調整可能となっている特徴を有
   するゴルフクラブ。
2. 【請求項２】 上記ソールの水平又は傾斜状部分には複
   数の凹部が形成されており、該複数の凹部内には複数の
   異種のおもりが取り外しし可能にして固定され埋め込ま
   れている請求項１記載のゴルフクラブ。
3. 【請求項３】 上記ソールの水平又は傾斜状部分が、上
   記打撃フェースより後方になるに従い高くなるように、
   水平又は傾斜されている請求項１又は２記載のゴルフク
   ラブ。
4. 【請求項４】 上記ソールの水平又は傾斜状部分がクラ
   ブヘッドを水平面に対し、直角方向線上に置いた状態で
   水平面に対しての角度を５゜〜６５°の角度を有する請
   求項３記載のゴルフクラブ。
5. 【請求項５】 上記複数の凹部は上記インサート部材が
   上記打撃フェースのほぼ中央を通る直線上にかかるよう
   にして、かつソールの中心位置より垂直線上にかかるよ
   うに上記水平又は傾斜状部分に形成されている請求項２
   記載のゴルフクラブ。
6. 【請求項６】 上記インサート部材は蓋、ケース、又は
   複数の異種のおもりから構成されており、上記複数の異
   種のおもりは相互に比重の異なるおもりが含まれている
   一方、上記ケースが蓋又は複数の異種のおもりによって
   封鎖されている請求項１、２又は５記載のゴルフクラ
   ブ。
7. 【請求項７】 上記蓋、ケース又は複数の異種のおもり
   のほぼ中央にねじ穴が、上記ケースのねじ穴の周囲に上
   記複数の収容凹部が形成されており、上記インサート部
   材が上記ソールの水平又は傾斜状部分又は複数の凹部の
   ねじによって締め付け固定されている請求項６記載のゴ
   ルフクラブ。