JP2000021750A - マスクフィルタの設計方法、マスクフィルタ、及び露光装置 - Google Patents

マスクフィルタの設計方法、マスクフィルタ、及び露光装置

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JP2000021750A
JP2000021750A JP10199836A JP19983698A JP2000021750A JP 2000021750 A JP2000021750 A JP 2000021750A JP 10199836 A JP10199836 A JP 10199836A JP 19983698 A JP19983698 A JP 19983698A JP 2000021750 A JP2000021750 A JP 2000021750A
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mask filter
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illumination light
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Koji Yoshida
幸司 吉田
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    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems
    • G03F7/70191Optical correction elements, filters or phase plates for controlling intensity, wavelength, polarisation, phase or the like

Abstract

(57)【要約】 【課題】 対象領域の各位置を所望の照明開口数で照明
する。 【解決手段】 マスクフィルタ(3)の照明光入射面の
各位置に応じた照明光の強度分布を求め、対象領域上に
おける所望の照明開口数を設定した後、照明光入射面の
各位置における照明光の強度分布に基づいて、対象領域
における前記複数の照明パラメータの分布が前記目標分
布値と所定の精度で一致するマスクフィルタ(3)の透
過率分布を算出する。こうして算出された透過率分布の
マスクフィルタ(3)を使用した照明系(10)から射
出される照明光で対象領域を照明する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスクフィルタの
設計方法、マスクフィルタ、及び露光装置に係り、より
詳細には、光源から射出された照明光が対象領域に照射
される前に経由する、所定の光透過率分布率を有するマ
スクフィルタの設計方法、該マスクフィルタの設計方法
によって得られた光透過率分布を有するマスクフィル
タ、及び該マスクフィルタを備え、半導体素子等をリソ
グラフィ工程で製造する際に用いられる露光装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子、液晶表示素子等
を製造するためのリソグラフィ工程では、マスク又はレ
チクル(以下、適宜「マスク」又は「レチクル」と総称
する)に形成されたパターンを投影光学系を介してレジ
スト等が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板
(以下、適宜「感応基板」又は「ウエハ」という)上に
転写する露光装置が用いられている。
【0003】かかる露光装置では、ウエハ上のショット
領域内における露光光の照度ムラを低減するために、レ
チクルに照射する照明光を射出する照明系にオプチカル
インテグレータを備える照度均一化光学系を配置し、レ
チクルに照射される照明光の照度の均一化を図ってい
た。この照明光の照度の均一化により、ウエハに照射さ
れる露光光の強度が均一化され、ウエハ上における露光
光の照度のムラによる、転写されたラインパターンの線
幅やドットパターンの大きさの均一性を含む露光精度の
低減を防止していた。
【0004】こうした照度均一化光学系では、オプチカ
ルインテグレータとして、例えば多数の点光源がレチク
ルを同時に照明するのと同等な照明光を射出するフライ
アイレンズアレイを使用して、レチクルに照射される照
明光の照度の均一化を図る構成が比較的多く採用されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
露光装置においては、ウエハ露光の露光精度の低減防止
を露光光の照度の均一化によって図っている。この露光
精度の低減の防止には、露光光の照度の均一化制御も重
要な要素であるが、ウエハ上の各位置における照明開口
数の制御も重要な要素である。これは、転写されるパタ
ーンに対する解像力は、ウエハ上の各位置における照明
開口数に依存するからである。すなわち、同一の線幅の
パターンをウエハ上の異なる位置に転写する場合、これ
らの位置で互いに照明開口数が異なると、解像度の相違
から転写されたラインパターンの線幅やドットパターン
の大きさが異なることになる。
【0006】例えば、転写されたラインパターンの線幅
の変化がロジック回路の配線で発生すると、電気信号の
伝播経路でインピーダンス変化が発生することになるの
で、ロジック回路としての高速動作ができなくなる。ま
た、転写されたドットパターンの大きさが変化すると、
これがコンタクトホール用である場合には、十分な導通
性が保証できなかったり、また、周辺パターンとの絶縁
性の保証ができなかったりする。
【0007】上述のように、ウエハの露光にあたって高
い露光精度を達成するには、ウエハ上の各位置における
照度及び照明開口数の均一化が重要であるが、これら双
方を同時に理想的なものとすることは一般に不可能であ
る。すなわち、照度の均一化を図るほど照明開口数の均
一化を犠牲にすることになるし、また、照明開口数の均
一化を図るほど照度の均一化を犠牲にすることになる。
【0008】ところで、ウエハ露光で高い露光精度を達
成するにあたって、転写されるパターンの種類によっ
て、照度の均一性と照明開口数の均一性との重要度が異
なる。例えば、転写されるパターンがライン・アンド・
スペース(以下、「L/S」という)パターンのような
周期パターンの場合には、ドットパターンのような孤立
パターンに比べて、照明開口数の均一性の重要性が高く
なる。したがって、転写されるパターンに応じて、照度
の均一化と照明開口数の均一化とに関する適切な度合い
が異なる。こうした転写されるパターンの相違は、多層
露光にあたっての各層のパターン間で発生するのは勿論
のこと、同一層の露光のためのレチクルパターンであっ
てもレチクルパターン内の領域間でも発生する。
【0009】したがって、ウエハ上のショット領域内で
高い露光精度を達成するためには、ショット領域の各位
置における照明開口数を精度良く制御することが必要で
あるが、こうしたショット領域の各位置における照明開
口数を精度良く制御する具体的技術については提案され
ていない。
【0010】本発明は、かかる事情の下でなされたもの
であり、その第1の目的は、対象領域の各位置における
照明開口数が所望の値となる透過率分布を有するマスク
フィルタの設計方法を提供することにある。
【0011】また、本発明の第2の目的は、対象領域の
各位置における照明開口数を所望の値とするマスクフィ
ルタを提供することにある。
【0012】また、本発明の第3の目的は、マスク及び
感応基板の各位置における照明開口数を所望の値とし
て、マスクに形成されたパターンを感応基板に転写する
露光装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、光源から射出された照明光が対象領域(IA)に照
射される前に経由するマスクフィルタの設計方法であっ
て、該マスクフィルタ(3)の照明光入射面の各位置に
応じた前記照明光の強度分布を求める第1工程と;前記
対象領域(IA)上の各位置に到達する前記照明光が経
由する前記マスクフィルタ(3)の各位置における透過
率によって定まる、前記対象領域(IA)における第1
方向に関する前記照明光の入射角の広がり度に応じた第
1照明開口数及び前記第1方向と異なる第2方向に関す
る前記照明光の入射角の広がり度に応じた第2照明開口
数を少なくとも含む複数の照明パラメータの目標分布を
設定する第2工程と;前記マスクフィルタ(3)の照明
光入射面の各位置における前記照明光の強度分布に基づ
いて、前記対象領域(IA)における前記複数の照明パ
ラメータの分布が前記目標分布値と所定の精度で一致す
る前記マスクフィルタ(3)の透過率分布を算出する第
3工程とを含む。
【0014】本請求項1のマスクフィルタの設計方法で
は、まず、このマスクフィルタの照明光入射面の各位置
に応じた照明光の強度分布を求める(第1工程)。すな
わち、マスクフィルタの設計にあたっての入力条件を求
める。
【0015】ここで、照明光の強度分布とは、マスクフ
ィルタの照明光入射面の各位置における照明光の入射角
がほぼ一定の場合には、各位置に入射する照明光強度の
分布をいい、また、マスクフィルタの照明光入射面の各
位置において照明光が様々な入射角を有する場合には、
各位置における照明光の入射角毎の強度分布をいう。こ
うした強度分布は、光源の特性と光源から射出された照
明光がマスクフィルタに到達するまでに経由する光学系
の特性とから計算によって求めることが可能である。ま
た、マスクフィルタの照明光入射面の各位置における照
明光の入射角がほぼ一定の場合には、マスクフィルタの
照明光入射面が配置される位置に受光面を有する2次元
光検出器を配置して光検出器の受光面の強度分布を測定
することにより、前記強度分布を求めることができる。
【0016】次に、前記対象領域上の各位置に到達する
照明光が経由するマスクフィルタの各位置における透過
率によって定まる、対象領域における第1方向に関する
前記照明光の入射角の広がり度に応じた第1照明開口数
及び第1方向と異なる第2方向に関する照明光の入射角
の広がり度に応じた第2照明開口数を少なくとも含む複
数の照明パラメータの目標分布を設定する(第2工
程)。すなわち、マスクフィルタの設計にあたっての出
力条件を設定する。
【0017】ここで、照明開口数を少なくとも2つの異
なる方向に応じて設定するのは、対象領域上の各方向に
応じて存在する照明開口数のそれぞれの値がすべて同一
の値とは限らないからである。なお、これらの方向の数
を2つとするときは、互いに直交する方向とすることが
好ましい。
【0018】以上のように、入力条件と出力条件とが与
えられた後、マスクフィルタと対象領域との間の光学系
を考慮して、対象領域の各位置毎に、光源から照明光が
射出されたときにその位置に到達する照明光が経由した
マスクフィルタの位置及びその照明光のマスクフィルタ
への入射角をすべて求める。引き続き、マスクフィルタ
の透過率分布すなわちマスクフィルタの各位置の透過率
を変数として、マスクフィルタの照明光入射面の各位置
における照明光の強度分布に基づき、対象領域の各位置
毎にその位置への照明光の入射角及びその入射角で入射
する照明光の強度をすべて求める。そして、求めた照明
光の入射角及びその入射角で入射する照明光の強度か
ら、対象領域の各位置ごとに、第1照明開口数及び第2
照明開口数をマスクフィルタの各位置の透過率を求め
る。次に、こうして求めた第1照明開口数及び第2照明
開口数の分布が目標分布と所定の精度で一致する変数の
値を求めることにより、マスクフィルタの透過率分布を
求める。すなわち、入力条件であるマスクフィルタの照
明光入射面の各位置における照明光の強度分布に基づい
て、出力条件である対象領域における複数の照明パラメ
ータの分布が目標分布と所定の精度で一致するマスクフ
ィルタの透過率分布を算出する(第3工程)。
【0019】こうした第3工程によるマスクフィルタの
透過率分布は、入力条件やマスクフィルタを介した照明
光が対象領域に到達するまでに経由する光学系の性質が
極端なものでない限り、必ず存在する。
【0020】したがって、請求項1のマスクフィルタの
設計方法によれば、使用する光学系の性質等の与えられ
た光学的条件を制約条件としながら、対象領域の各位置
の照明開口数を所定の精度で所望の値とすることを実現
するマスクフィルタを設計することができる。
【0021】なお、マスクフィルタの透過率分布の算出
は一般には決定論的に最適解を求めることは困難であ
る。そこで、非線形計画問題として、逐次的な近似法に
より近似解を求めることが現実的である。
【0022】請求項2に記載の発明は、請求項1のマス
クフィルタの設計方法において、前記照明光は、フライ
アイレンズ(4)を介して前記対象領域へ照射され、前
記マスクフィルタ(3)は、前記対象領域と光学的に共
役な前記フライアイレンズ(4)の入射面又はその近傍
面に配置されることを特徴とする。
【0023】これによれば、フライアレイレンズの使用
によって、フライアレイレンズの各レンズ要素から射出
された照明光を、多数の点光源が対象領域を同時に照明
するのと同等な照明光とすることができる。したがっ
て、対象領域における照明光の強度分布の均一化を図る
ことができる。
【0024】また、マスクフィルタを対象領域と光学的
に共役な面又はその近傍面に配置するので、マスクフィ
ルタのある位置に入射した照明光は、入射角に拘わらず
全て対象領域上の同一の位置に入射する。すなわち、マ
スクフィルタのある位置に入射した照明光が、入射角に
よって、対象領域上の様々な位置に入射することはな
い。したがって、前記第3工程において、対象領域の各
位置に関しては、各フライアレイレンズのレンズ要素毎
に、その位置に共役なマスクフィルタ上の位置のみを考
えればよいので、マスクフィルタの透過率分布の算出が
より簡易なものとなる。
【0025】請求項3に記載の発明は、請求項1のマス
クフィルタの設計方法において、前記複数の照明パラメ
ータが、前記対象領域上の各位置に到達する前記照明光
が経由する前記マスクフィルタ(3)における透過率の
平均透過率を更に含むことを特徴とする。
【0026】対象領域上の各位置における照明光の光量
は、その位置に到達する照明光の光量の総和であるの
で、対象領域上の各位置における照明光の光量は、その
位置に到達する照明光が経由するマスクフィルタの各位
置の透過率に依存する。この結果、マスクフィルタに入
射する照明光の強度分布がほぼ均一分布である場合に
は、対象領域上の各位置における照明光の光量は、対象
領域上の各位置に到達する照明光が経由するマスクフィ
ルタの各位置における透過率の平均透過率に依存するこ
とになる。
【0027】したがって、請求項3のマスクフィルタの
設計方法によれば、マスクフィルタに入射する照明光の
強度分布がほぼ均一分布である場合には、対象領域の各
位置における照明開口数に加えて、対象領域の各位置に
おける照明光量をも所望の値とすることができる。
【0028】請求項4に記載の発明は、請求項1又は3
のマスクフィルタの設計方法において、前記複数の照明
パラメータの目標分布は、前記対象領域(IA)が仮想
的にマトリクス状に分割された各部分対象領域(IA
(g,h);この仮想的な分割領域の行番号がiであ
り、列番号がjである(図3参照))毎に応じて定めら
れた前記複数の照明パラメータの目標値によって決定さ
れることを特徴とする。
【0029】これによれば、照明パラメータの目標分布
が、対象領域が仮想的にマトリクス状に分割された各部
分対象領域毎に応じて定められた照明パラメータの目標
値によって決定されるので、照明パラメータの目標分布
が連続的なものとして設定された場合と比べて、マスク
フィルタの透過率分布の算出が簡易なものとなる。
【0030】請求項5に記載の発明は、請求項4のマス
クフィルタの設計方法において、前記マスクフィルタ
(3)が仮想的にマトリクス状に分割された各第1分割
領域(3(i,j);ここで、この仮想的な分割領域の
行番号がiであり、列番号がjである(図3参照))か
ら射出されたそれぞれの照明光が、前記対象領域の全域
を照明し、かつ、前記第1分割領域(3(i,j))が
仮想的にマトリクス状に分割された第2分割領域(3
(i,j;g,h);ここで、この仮想的な分割領域の
行番号がgであり、列番号がhである(図5参照))か
ら射出された照明光が、それぞれの前記第2分割領域
(3(i,j;g,h))に応じた前記部分対象領域
(IA(g,h))を照明することを特徴とする。
【0031】本請求項5のような、対象領域と第1分割
領域との対応が成立し、かつ、部分対象領域と第2分割
領域との対応が成立するときには、一つの部分対象領域
には、各第1分割領域毎にその内部の特定の第2の分割
領域のみを経由した照明光が1体1の関係で照射され
る。すなわち、マスクフィルタ上の1つの第2分割領域
を経由した照明光は、対象領域上の1つの部分対象領域
のみに到達し、複数の照射領域に到達することはない。
こうした対応関係は、各第1分割領域のそれぞれが対象
領域と共役関係にあるときに成立する。
【0032】このとき、各部分対象領域の照明開口数
は、各部分対象領域に到達する照明光が経由するマスク
フィルタの各第2分割領域への照明光の入射角を考慮す
ることなく、これらの第2分割領域のマスクフィルタ上
における位置分布と、これらの各第2分割領域の透過率
及び照明光の入射強度とによって決まると考えてよい。
また、各部分対象領域に照射される照明光の強度は、各
部分対象領域に到達する照明光が経由するマスクフィル
タの各第2分割領域の透過率とこれらの第2分割領域へ
の照明光の入射強度とによって決まる。
【0033】したがって、照明開口数の適性化にあたっ
て、各第2分割領域への照明光の入射角を考慮する場合
と比べて、マスクフィルタの透過率分布の算出が簡易な
ものとなる。
【0034】ところで、請求項5のマスクフィルタの設
計方法において、マスクフィルタに入射する照明光の強
度分布がある程度均一である場合には、各部分対象領域
の照明開口数は、各部分対象領域に到達する照明光が経
由するマスクフィルタの第2分割領域のマスクフィルタ
上における位置分布とこれらの各第2分割領域の透過率
とによって決まる。すなわち、各部分対象領域の照明開
口数は、マスクフィルタの特性のみで決まる。
【0035】具体的には、請求項6に記載の発明のよう
に、前記各部分対象領域(IA(g,h))に関する第
1の照明開口数は、前記各部分対象領域(IA(g,
h))のそれぞれに応じた前記第2分割領域(3(i,
j;g,h))の透過率に関する、前記マスクフィルタ
(3)へ入射する前記照明光の光軸と前記マスクフィル
タ(3)との交点を通り前記第1方向へ延びる第1軸
(X軸)周りの慣性モーメントを、前記各部分対象領域
(IA(g,h))のそれぞれに応じた前記第2分割領
域(3(i,j;g,h))の透過率の平均値で除算し
た商によって定め、前記各部分対象領域(IA(g,
h))に関する第2の照明開口数は、前記各部分対象領
域(IA(g,h))のそれぞれに応じた前記第2分割
領域(3(i,j;g,h))の透過率に関する、前記
マスクフィルタ(3)へ入射する前記照明光の光軸と前
記マスクフィルタ(3)との交点を通り前記第2方向へ
延びる第2軸(Y軸)周りの慣性モーメントを、前記各
部分対象領域(IA(g,h))のそれぞれに応じた前
記第2分割領域(3(i,j;g,h))の透過率の平
均値で除算した商によって定めることができる。
【0036】さらに、各部分対象領域に照射される照明
光の強度は、請求項7に記載の発明のように、前記各部
分対象領域に応じた前記第2分割領域の透過率の平均値
によって定義される前記各部分対象領域に関するマスク
透過率という1つのパラメータによって決まる。
【0037】したがって、請求項5のマスクフィルタの
設計方法において、何らかの光学的手段によってマスク
フィルタに入射する照明光の強度分布をある程度均一化
することを前提とすれば、設計の目的物であるマスクフ
ィルタに関する特性値のみで、各部分対象領域に関する
照明開口数を求めることができ、また、上述のマスク透
過率という1つのパラメータで各部分対象領域に照射さ
れる照明光の強度を求めることができるので、マスクフ
ィルタの透過率分布、すなわち各第2分割領域の透過率
の適性値をより簡易に算出することができる。
【0038】請求項8に記載の発明は、前記第3の工程
における算出において、前記所定の精度は、前記複数の
照明パラメータ毎に設定されることを特徴とする。
【0039】ここで、「所定の精度が照明パラメータ毎
に設定される」とは、照明パラメータ毎に達成すべき精
度が設定される以外に、照明パラメータの全てによる総
合精度が設定された上で、総合精度に寄与する各照明パ
ラメータの精度の重みが照明パラメータ毎に設定される
ことも含んでいる。
【0040】前述のように、対象領域上における照度及
び照明開口数の均一化の双方を同時に目標値とすること
は一般に不可能である。また、露光装置を想定した場
合、転写しようとするパターンの種類によって、露光照
度の適性化の重要度と照明開口数の適性化の重要度が異
なっている。
【0041】請求項8のマスクフィルタの設計方法で
は、これを考慮して、複数の照明パラメータ毎に達成す
べき精度が設定されることにしている。したがって、適
性化の重要度が高い照明パラメータほど高い精度を設定
することができるので、マスクフィルタが使用されると
きの状況に応じたマスクフィルタを設計することができ
る。
【0042】請求項9に記載の発明は、請求項1〜8に
記載のマスクフィルタの設計方法において、前記第3工
程における算出は、遺伝的アルゴリズムを用いて行われ
ることを特徴とする。
【0043】前述のように、対象領域における照明開口
数の分布、すなわち対象領域の各位置における照明開口
数の制御は、マスクフィルタの透過率の制御によって行
うことができる。こうした、マスクフィルタの透過率の
算出は、最適化における非線形計画問題となる。これ
は、対象領域のある位置に関する特定方向に関する照明
開口数を調整するためにマスクフィルタのある位置の透
過率を変化させると、その変化が、対象領域のその位置
に関する他の方向に関する照明開口数及び他の位置の照
明開口数に同時に影響を及ぼすためである。
【0044】こうした非線形計画問題においては、可変
パラメータが取り得るすべての値について計算を実施
し、その中から所望の状態に最も近い状態のパラメータ
値を求める方法により最適解を求めることが原理的には
可能である。しかしながら、例えばマスクフィルタの各
位置の透過率を0〜100%の範囲を1%刻みで変化さ
せ得るとし、また、比較的計算量が少なくなる請求項7
に記載の発明の場合を想定するとともに、対象領域に対
応する第1分割領域がマスクフィルタ上でm行n列のマ
トリクス状に存在し、対象領域がk行l列のマトリクス
状に分割された部分対象領域について、照明開口数を適
性化することを考えると、101(m+n+k+l ) の場合につ
いて、各部分対象領域の照明開口数を計算することが必
要となる。ここで、照明光量の均一化使用される実用的
なフライアイレンズのレンズ要素(例えば、10行10
列の配列)毎に応じて第1分割領域を設定することと
し、かつ対象領域を実用的な部分対象領域に仮想的に分
割した場合(たとえば、10行10列の配列)を考える
と、約1080通りの場合について計算が必要となり、現
在存在するどのような計算機を使っても数十年以上の計
算時間を要する。さらに、マスクフィルタの各位置の透
過率の変化が連続的であるとした場合には、なおさら計
算時間を要することになる。
【0045】そこで、マスクフィルタの透過率分布の算
出にあたっては、近似解を求めることになるが、上述の
ような照明開口数の適性化の場合には、一般に多峰性の
最適化問題となる。すなわち、大域的な最適解の探査を
することが必要となる。したがって、単峰性の最適化問
題に対して有効なシンプレクス法(山上り法)を用いる
のでは、局所的な最適解の探査しかできないので、結果
を得たとしても局所的な最適解の近似解であることが保
証されるのみで、真の最適解とはかけ離れた解となって
いる可能性がある。
【0046】請求項9のマスクフィルタの設計方法で
は、これを考慮して、大域的な最適解の探査をすること
ができる遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm )を
採用している。したがって、短い計算時間で最適解の近
似解を出力することができる。また、更に計算時間を掛
けるに従って、より最適解に近い解を求めることがで
き、十分な計算時間を与えれば最終的にほぼ真の最適解
を求めることができる。
【0047】請求項10に記載の発明は、光源から射出
された照明光が対象領域に照射される前に経由するマス
クフィルタ(3)において、請求項1〜9のいずれかに
記載のマスクフィルタの設計方法によって算出された透
過率分布を有することを特徴とする。
【0048】本請求項10のマスクフィルタは、請求項
1〜9のいずれかに記載されたマスクフィルタの設計方
法により算出された透過率分布を有するので、このマス
クフィルタを光源と対象領域との間の光路上の所定位置
に配設することにより、対象領域の各位置を所望の照明
開口数を含む照明パラメータ値で照明することができ
る。
【0049】請求項11に記載の発明は、照明系(1
0)が射出した露光用照明光でマスク(R)を照射し、
前記マスク(R)に形成されたパターンを感応基板
(W)に転写する露光装置において、前記照明系(1
0)は、入射した光を前記マスク(R)へ向けて射出す
る請求項10に記載のマスクフィルタ(3)を備えるこ
とを特徴とする。
【0050】本請求項11の露光装置では、照明系内に
請求項10に記載のマスクフィルタを配設し、このマス
クフィルタを経由した照明光でマスクを照射している。
したがって、マスク上の照明領域の各位置ひいては感応
基板上の被露光領域の各位置を、所望の照明開口数を含
む照明パラメータ値で照明することができる。
【0051】請求項12に記載の発明は、請求項11の
露光装置において、前記照明系(10)がフライアイレ
ンズ(4)を更に備え、前記マスクフィルタ(3)が、
前記マスク(R)と光学的に共役な前記フライアイレン
ズ(4)の入射面又はその近傍面に配置されることを特
徴とする。
【0052】これによれば、フライアレイレンズの各レ
ンズ要素からは、多数の点光源が対象領域を同時に照明
するのと同等な照明光が射出されるので、照明光の強度
分布の均一化を含む照明パラメータの適性化をマスクフ
ィルタで行うことが容易となる。
【0053】請求項13に記載の発明は、光源から射出
された照明光が対象領域(IA)に照射される前に経由
するマスクフィルタの設計方法において、前記対象領域
(IA)上の各位置における前記照明光の入射状態が所
定状態となるように前記マスクフィルタ(3)の透過率
分布を、遺伝的アルゴリズムを用いて決定することを特
徴とする。
【0054】前述のように、対象領域上の各位置におけ
る照明光の入射状態が所定状態となるようにマスクフィ
ルタの透過率分布を決定することは、一般に多峰性の非
線形最適化問題である。
【0055】請求項13のマスクフィルタの設計方法で
は、これを考慮して、大域的な最適解の探査をすること
ができる遺伝的アルゴリズムを採用している。したがっ
て、対象領域における照明光の入射状態を所定状態とす
るマスクフィルタの透過率分布に関し、短い計算時間で
最適解の近似解を出力することができる。また、更に計
算時間を掛けるに従って、より最適解に近い解を求める
ことができ、十分な計算時間を与えれば、ほぼ真の最終
的に最適解を求めることができる。
【0056】請求項13のマスクフィルタの設計方法に
おいて、対象領域への照明光の入射状態には様々考えら
れるが、請求項14に記載の発明のように、前記対象領
域(IA)上の各位置における前記照明光の入射状態
が、前記対象領域(IA)上の各位置における前記照明
光の開口数及び前記対象領域上の各位置における前記照
明光の強度の少なくとも一方を含むことができる。
【0057】また、請求項13のマスクフィルタの設計
方法において、請求項15に記載の発明のように、前記
照明光は、フライアイレンズ(4)を介して前記対象領
域へ照射され、前記マスクフィルタ(3)は、前記対象
領域(IA)と光学的に共役な前記フライアイレンズ
(4)の入射面又はその近傍面に配置されることとする
ことができる。
【0058】これによれば、フライアレイレンズの使用
によって、対象領域における照明光の強度分布の均一化
を図ることができるとともに、対象領域の各位置におけ
る照明光の入射状態を求めるのにあたって、各フライア
レイレンズのレンズ要素毎に、その位置に共役なマスク
フィルタ上の位置のみを考慮すればよく、マスクフィル
タの透過率分布を求めることが容易となる。
【0059】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る露光装置及び
露光方法の一実施形態を図1〜図10に基づいて説明す
る。
【0060】図1には、一実施形態に係る露光装置10
0の概略的な構成が示されている。この露光装置100
は、いわゆるステップ・アンド・スキャン露光方式の投
影露光装置である。
【0061】この露光装置100は、露光用照明光を射
出する照明系10、マスクとしてのレチクルRを保持す
るレチクルステージRST、投影光学系PL、感応基板
としてのウエハWを保持してXY平面内をXY2次元方
向に移動する基板テーブル18を備えたXYステージ装
置14、及びこれらの制御系等を備えている。この制御
系には、主制御装置20が含まれている。
【0062】図2は、前記照明系10の具体的構成の一
例を説明するための図である。図2に示されるように、
この照明系10は、光源1、ビーム整形光学系2、フラ
イアイレンズ6、マスクフィルタ3、フライアイレンズ
4、照明系開口絞り板5、第1リレーレンズ7A、第2
リレーレンズ7B、固定レチクルブラインド8A、及び
可動レチクルブラインド8B等を備えている。
【0063】ここで、この照明系10の上記構成各部に
ついて説明する。光源1としては、例えば、KrFエキ
シマレーザ光源(発振波長248nm)、ArFエキシ
マレーザ光源(発振波長193nm)、若しくはF2
キシマレーザ光源(発振波長157nm)等のエキシマ
レーザ光源、又は金属蒸気レーザ光源若しくはYAGレ
ーザの高調波発生装置等のパルス光源、又は超高圧水銀
ランプ(g線、i線等)等が使用される。
【0064】前記ビーム整形光学系2は、光源1から発
光された照明ビームLBの断面形状を、該レーザビーム
LBの光路後方に設けられたフライアイレンズ6に効率
よく入射するように整形するもので、例えばシリンダレ
ンズやビームエキスパンダ(いずれも図示省略)等で構
成される。
【0065】フライアレイレンズ6は、マトリクス状に
配列された複数のレンズ要素からなり、ビーム整形光学
系2後方の照明ビームLBの光路上に配置される。そし
て、フライアイレンズ4の入射面を均一な照度分布で照
明するために多数の2次光源を形成する。
【0066】前記マスクフィルタ3は、フライアイレン
ズ6後方の照明ビームLBの光路上、レチクルRの共役
面に設定されている前記フライアイレンズ4の入射面又
はこの入射面の近傍に配置されている。すなわち、この
マスクフィルタ3は、ほぼレチクルRの共役面に配置さ
れている。このマスクフィルタ3は透過率分布を有して
おり、入射位置に応じた透過率で照明ビームLBを透過
させる。この透過率分布については後述する。
【0067】前記フライアイレンズ4は、m行n列のマ
トリクス状に配列された、互いに同一形状かつ同一材質
のレンズ要素4(i,j)(ここで、i=1〜m,j=
1〜n;図3参照)から成る。また、フライアレイレン
ズ4は、マスクフィルタ3後方の照明ビームLBの光路
上に配置され、レチクルRを均一な照度分布で照明する
ために多数の3次光源を形成する。この3次光源から射
出される露光用照明光を以下においては、「照明光I
L」と呼ぶものとする。
【0068】図3には、マスクフィルタ3及びフライア
レイレンズ4との配列関係が示されている。マスクフィ
ルタ3は、図3に示されるように、フライアレイレンズ
4のレンズ要素4(i,j)のそれぞれに一対一に対応
する第1分割領域としての仮想的な分割領域3(i,
j)(ここで、i=1〜m,j=1〜n)を有してい
る。そして、分割領域3(i,j)を経由したが照明ビ
ームLBが、対応するレンズ要素4(i,j)に入射
し、各レンズ要素4(i,j)がそれぞれ一つの2次光
源を形成する。なお、図3においては、分割領域3
(i,j)及びレンズ要素4(i,j)については、引
出し線を省略し、各要素の位置に符号を記している。
【0069】図2に戻り、前記フライアイレンズ4の射
出面の近傍に、円板状部材から成る照明系開口絞り板5
が配置されている。この照明系開口絞り板5には、等角
度間隔で、例えば通常の円形開口より成る開口絞り、小
さな円形開口より成りコヒーレンスファクタであるσ値
を小さくするための開口絞り、輪帯照明用の輪帯状の開
口絞り、及び変形光源法用に複数の開口を偏心させて配
置して成る変形開口絞り(図2ではこのうちの2種類の
開口絞りのみが図示されている)等が配置されている。
この照明系開口絞り板5は、主制御装置20により制御
されるモータ等の駆動装置51により回転されるように
なっており、これによりいずれかの開口絞りが照明光I
Lの光路上に選択的に設定される。
【0070】照明系開口絞り板5後方の照明光ILの光
路上に、固定レチクルブラインド8A及び可動レチクル
ブラインド8Bを介在させて第1リレーレンズ7A及び
第2リレーレンズ7Bから成るリレー光学系が配置され
ている。
【0071】固定レチクルブラインド8Aは、レチクル
Rのパターン面に対する共役面から僅かにデフォーカス
した面に配置され、レチクルR上の照明領域IAR(図
4参照)を規定する矩形開口が形成されている。また、
この固定レチクルブラインド8Aの近傍に走査方向の位
置及び幅が可変の開口部を有する可動レチクルブライン
ド8Bが配置され、走査露光の開始時及び終了時にその
可動レチクルブラインド8Bを介して照明領域IARを
更に制限することによって、不要な部分の露光が防止さ
れるようになっている。
【0072】リレー光学系を構成する第2リレーレンズ
7B後方の照明光ILの光路上には、当該第2リレーレ
ンズ7Bを通過した照明光ILをレチクルRに向けて反
射する折り曲げミラーMが配置されている。
【0073】このようにして構成された照明系10の作
用を簡単に説明すると、光源1から発光された照明ビー
ムLBは、ビーム整形光学系2に入射して、ここで後方
のフライアイレンズ6に効率よく入射するようにその断
面形状が整形された後、フライアイレンズ6を介してマ
スクフィルタ3に入射する。そして、このマスクフィル
タ3を透過したレーザビームLBは、フライアイレンズ
4に入射する。これにより、フライアイレンズ4の射出
端に多数の3次光源が形成される。この多数の3次光源
から射出された照明光ILは、照明系開口絞り板5上の
いずれかの開口絞りを通過した後、第1リレーレンズ7
Aを経て固定レチクルブラインド8Aの矩形の開口部及
び可動レチクルブラインド8Bを通過した後、第2リレ
ーレンズ7Bを通過する。この照射光は、ミラーMによ
って光路が垂直下方に折り曲げられた後、レチクルステ
ージRST上に保持されたレチクルR上の矩形の照明領
域IAR(図4参照)をほぼ均一な照度分布、ほぼ均一
なX軸周りの照明開口数分布、及びほぼ均一なY軸周り
の照明開口数分布で照明する。
【0074】図1に戻り、前記レチクルステージRST
上にはレチクルRが、例えば真空吸着により固定されて
いる。レチクルステージRSTは、レチクルRの位置決
めのため、照明光学系の光軸IX(後述する投影光学系
PLの光軸AXに一致)に垂直な平面内で2次元的に
(X軸方向及びこれに直交するY軸方向及びXY平面に
直交するZ軸回りの回転方向に)微少駆動可能に構成さ
れている。
【0075】また、このレチクルステージRSTは、不
図示のレチクルベース上をリニアモータ等で構成された
レチクル駆動部(図示省略)により、所定の走査方向
(ここではY軸方向とする)に指定された走査速度で移
動可能となっている。このレチクルステージRSTは、
レチクルRの全面が少なくとも照明光学系の光軸IXを
横切ることができるだけの移動ストロークを有してい
る。
【0076】レチクルステージRST上にはレチクルレ
ーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16か
らのレーザビームを反射する移動鏡15が固定されてお
り、レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置
はレチクル干渉計16によって、例えば0.5〜1nm
程度の分解能で常時検出される。ここで、実際には、レ
チクルステージRST上には走査方向(Y軸方向)に直
交する反射面を有する移動鏡と非走査方向(X軸方向)
に直交する反射面を有する移動鏡とが設けられ、レチク
ル干渉計16は走査方向に1軸、非走査方向には2軸設
けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡1
5、レチクル干渉計16として示されている。
【0077】レチクル干渉計16からのレチクルステー
ジRSTの位置情報はステージ制御系19及びこれを介
して主制御装置20に送られ、ステージ制御系19では
主制御装置20からの指示に応じてレチクルステージR
STの位置情報に基づいてレチクル駆動部(図示省略)
を介してレチクルステージRSTを駆動する。
【0078】なお、不図示のレチクルアライメント系に
より所定の基準位置にレチクルRが精度良く位置決めさ
れるように、レチクルステージRSTの初期位置が決定
されるため、移動鏡15の位置をレチクル干渉計16で
測定するだけでレチクルRの位置を十分高精度に測定し
たことになる。
【0079】前記投影光学系PLは、レチクルRの下方
でその光軸方向を鉛直軸(Z軸)方向として不図示の本
体コラムに保持され、鉛直軸方向(光軸方向)に所定間
隔で配置された複数枚のレンズエレメント(屈折光学素
子)とこれらのレンズエレメントを保持する鏡筒から成
り、この投影光学系の瞳面EPは、前記二次光源面と互
いに共役な位置関係となっており、レチクルR面とフー
リエ変換の位置関係となっている。また、瞳面近傍には
開口絞り46が配されており、この開口絞り46の開口
の大きさを変えることにより投影光学系PLの開口数
(N.A.)を自在に調整することができる。開口絞り
46としては、ここでは虹彩絞りが用いられ、不図示の
絞り駆動機構により開口絞り46の開口径を変えること
で、投影光学系PLの開口数は、所定範囲で可変となっ
ている。絞り駆動機構は、主制御装置20により制御さ
れる。
【0080】この開口絞り46を通過した回折光が、レ
チクルRと互いに共役な位置関係に置かれたウエハW上
での結像に寄与することになる。
【0081】上述のようにして照明光で照明されたレチ
クルR上のパターンの像が、投影光学系PLを介して所
定の投影倍率(例えば1/4、又は1/5等)でウエハ
W上に投影され、ウエハW上の所定の領域にパターンの
縮小像が形成される。
【0082】前記XYステージ装置14は、不図示のベ
ース上を走査方向であるY軸方向(図1における左右方
向)に往復移動可能なYステージ16と、このYステー
ジ16上をY軸方向と直交するX軸方向(図1における
紙面直交方向)に往復移動可能なXステージ12と、こ
のXステージ12上に設けられた基板テーブル18とを
有している。また、基板テーブル18上に、ウエハホル
ダ25が載置され、このウエハホルダ25によって感応
基板としてのウエハWが真空吸着によって保持されてい
る。
【0083】基板テーブル18は、Xステージ12上に
XY方向に位置決めされかつZ軸方向の移動及びXY面
に対する傾斜が許容された状態で取り付けられている。
そして、この基板テーブル18は、異なる3点の支持点
で不図示の3本の軸によって支持されており、これら3
本の軸が駆動機構としてのウエハ駆動装置21によって
独立してZ軸方向に駆動され、これによって基板テーブ
ル18上に保持されたウエハWの面位置(Z軸方向位置
及びXY平面に対する傾斜)が所望の状態に設定される
ようになっている。
【0084】基板テーブル18上にはウエハレーザ干渉
計(以下、「ウエハ干渉計」という)28からのレーザ
ビームを反射する移動鏡27が固定され、外部に配置さ
れたウエハ干渉計28により、基板テーブル18のXY
面内での位置が例えば0.5〜1nm程度の分解能で常
時検出されている。
【0085】ここで、実際には、基板テーブル18上に
は走査方向であるY軸方向に直交する反射面を有する移
動鏡と非走査方向であるX軸方向に直交する反射面を有
する移動鏡とが設けられ、ウエハ干渉計28は走査方向
に1軸、非走査方向には2軸設けられているが、図1で
はこれらが代表的に移動鏡27、ウエハ干渉計28とし
て示されている。基板テーブル18の位置情報(又は速
度情報)はステージ制御系19及びこれを介して主制御
装置20に送られ、ステージ制御系19では主制御装置
20からの指示に応じて前記位置情報(又は速度情報)
に基づいてウエハ駆動装置21(これは、Xステージ1
2、Yステージ16の駆動系及び基板テーブル18の駆
動系の全てを含む)を介してYステージ16、Xステー
ジ12を制御する。
【0086】また、基板テーブル18上には、不図示の
オフアクシス方式のアライメント検出系の検出中心から
投影光学系PLの光軸までの距離を計測するベースライ
ン計測等のための各種基準マークが形成された基準マー
ク板FMが固定されている。
【0087】更に、図1の装置には、ウエハW表面の露
光領域IA(前述した照明領域IARに共役なウエハW
上の領域:図4参照)内部分及びその近傍領域のZ方向
(光軸AX方向)の位置を検出するための斜入射光式の
フォーカス検出系(焦点位置検出系)の一つである、多
点フォーカス位置検出系が設けられている。この多点フ
ォーカス位置検出系は、光ファイバ束、ミラー、集光レ
ンズ、パターン形成板、レンズ、ミラー及び照射対物レ
ンズ等(いずれも不図示)から成る照射光学系40と、
集光対物レンズ、回転方向振動板、結像レンズ、受光用
スリット板及び多数のフォトセンサを有する受光器等
(いずれも不図示)から成る受光光学系42とから構成
されている。この多点フォーカス位置検出系の詳細な構
成等については、例えば特開平6−283403号公報
に開示されている。
【0088】更に、図1の装置には、投影光学系PLの
側面に配置され、ウエハW上に形成された位置検出用マ
ーク(アライメントマーク)を観測する結像アライメン
トセンサから成る不図示のオフ・アクシス方式のアライ
ンメント顕微鏡と、このアラインメント顕微鏡の観測結
果及びウエハ干渉計28からのウエハWの位置情報を入
力し、ウエハW上における位置検出用マークの位置を求
める不図示の画像処理装置とを備えている。この画像処
理装置で求められた位置検出用マークの位置は、主制御
装置20に供給される。
【0089】本実施形態の露光装置100においては、
図4に示されるように、レチクルRの走査方向(Y軸方
向)に対して垂直な方向に長手方向を有する長方形(ス
リット状)の照明領域IARでレチクルRが照明され、
レチクルRは露光時に−Y方向に速度VR で走査(スキ
ャン)される。照明領域IAR(中心は光軸AXとほぼ
一致)は投影光学系PLを介してウエハW上に投影さ
れ、照明領域IARに共役なスリット状の投影領域、す
なわち露光領域IAが形成される。ウエハWはレチクル
Rとは倒立結像関係にあるため、ウエハWは速度VR の
方向とは反対方向(+Y方向)にレチクルRに同期して
速度VW で走査され、ウエハW上のショット領域SAの
全面が露光可能となっている。走査速度の比VW /VR
は正確に投影光学系PLの縮小倍率に応じたものになっ
ており、レチクルRのパターン領域PAのパターンがウ
エハW上のショット領域SA上に正確に縮小転写され
る。照明領域IARの長手方向の幅は、固定レチクルブ
ラインド8AによってレチクルR上のパターン領域PA
よりも広く、遮光領域STの最大幅よりも狭くなるよう
に設定され、レチクルRを走査(スキャン)することに
よりパターン領域PA全面が照明されるようになってい
る。
【0090】この走査型露光装置100では、上記の走
査露光の際に、不図示のアライメント検出系の検出信号
に基づいて主制御装置20によりステージ制御系19及
びウエハ駆動装置21等を介してレチクルRとウエハW
との位置合わせ(アライメント)が行なわれ、また、多
点フォーカス位置検出系(40、42)の検出信号に基
づいて、レチクルRのパターン面とウエハW表面とが投
影光学系PLに関して共役となるように、かつ投影光学
系PLの結像面とウエハW表面とが一致する(ウエハ表
面が投影光学系PLの最良結像面の焦点深度の範囲内に
入る)ように、主制御装置20によりステージ制御系1
9及びウエハ駆動装置21を介して基板テーブル18が
Z軸方向及び傾斜方向に駆動制御されて面位置の調整
(合わせ面の設定)が行なわれる。
【0091】次に、前記マスクフィルタ3の透過率分布
について説明する。この透過率分布は、前述の露光装置
100において、レチクルRの照明領域IARひいては
ウエハWの露光領域IAがほぼ均一な照度分布、ほぼ均
一なX軸周りの照明開口数分布、及びほぼ均一なY軸周
りの照明開口数分布で照明されるように設定されてい
る。こうした透過率分布は、以下のようにして求められ
る。なお、以下の説明では、前記照明開口絞り板5では
照明光の遮断は一切行わず、全ての第1分割領域3
(i,j)を経由した光がレチクルRに到達するものと
している。
【0092】図5には、各第1分割領域3(i,j)の
部分領域(第2分割領域)と露光領域IA(対象領域)
の内部領域(部分対象領域)との対応関係の例が示され
ている。すなわち、図5においては、マスクフィルタ3
が2行2列のマトリクス状に配列された第1分割領域3
(i,j)(ここで、i=1又は2、j=1又は2)を
有し、かつ、露光領域IAが仮想的に2行2列のマトリ
クス状に分割された部分領域IA(g,h)(ここで、
g=1又は2、h=1又は2)からなる場合を示してい
る。なお、前述のように、各第1分割領域3(i,j)
と露光領域IAとは光学的にほぼ共役な位置関係にある
が、図5では、さらに正立関係にあるとしている。ま
た、マスクフィルタ3において露光領域IAにおけるX
方向及びY方向と共役な方向は、必ずしも露光領域IA
におけるX方向及びY方向のそれぞれと平行であるとは
限らないが、以下ではこれらの方向もそれぞれX方向及
びY方向と呼ぶ。
【0093】各第1分割領域3(i,j)と露光領域I
Aとは光学的にほぼ共役な位置関係にあるので、各部分
領域IA(g,h)に到達する照明光は、図5において
IA(2,2)について例示するように、各第1分割領
域3(i,j)が仮想的に2行2列のマトリクス状に分
割された第2分割領域3(i,j;g,h)を経由す
る。また、第2分割領域3(i,j;g,h)を経由し
た照明光以外は部分領域IA(g,h)には到達しな
い。なお、図5において、第2分割領域3(i,j;
g,h)については引出し線を使用せず、領域上に符号
を記している。この関係は、図5の場合のように、露光
領域IAを2行2列に分割した場合に限られず、任意の
分割について成立する。
【0094】ここで、特定の部分領域IA(g1,h
1)(例えば、図5におけるIA(2,2))の照度I
(g1,h1)を考えると、照度I(g1,h1)は、
各第2分割領域3(i,j;g1,h1)の透過率p
(i,j;g1,h1)に依存することになる。ところ
で、フライアイレンズ4の各レンズ要素4(i,j)は
互いに同一形状かつ同一形状であるので、各第2分割領
域3(i,j;g1,h1)は互いに同一形状すなわち
同一面積となる。また、マスクフィルタ3に入射する照
明光は、フライアイレンズ6の作用によって、ある程度
の照度分布の均一化が図られているので、照度I(g
1,h1)は、次の(1)式で計算される透過率p
(i,j;g1,h1)の平均値pA(g1,h1)に
依存することになる。
【0095】
【数1】
【0096】この関係は、全ての部分領域IA(g,
h)について成立する。すなわち、各部分領域IA
(g,h)の照度I(g,h)は、次の(2)式で計算
される、平均値pA(g,h)に依存することになる。
以下、この平均値pA(g,h)を「部分領域透過率p
A(g,h)」という。
【0097】
【数2】
【0098】次に、部分領域IA(g,h)におけるX
軸周りの照明開口数σX (g,h)及びY軸周りの照明
開口数σY (g,h)を考える。
【0099】ところで、ある位置を複数の点光源PS
(i)で照明するとき、これらの点光源が平面上に配置
され、その照明位置とそれぞれが光学的に共役な位置に
配置されている場合を考える。このとき、その照明位置
における特定の軸周りの開口数は、各点光源PS(q)
からその照明位置に到達する照明光強度の点光源PS
(q)配置の中心を通る前記特定の軸と共役関係にある
軸周りの慣性モーメントの和をその照明位置の照度で除
した値σに比例する。ここで、点光源PS(q)の配置
の中心を通る前記特定の軸と共役関係にある軸と点光源
PS(q)との距離をρ(q)とし、各点光源PS
(q)からその照明位置に到達する照明光の強度をI
(q)として、値σは、次の(3)式によって求められ
る。
【0100】
【数3】
【0101】一方、本実施形態においては、部分領域I
A(g1,h1)に到達する照明光は、それぞれが部分
領域IA(g1,h1)とほぼ共役な位置関係にある第
2分割領域3(i,j;g1,h1)を経由する。すな
わち、部分領域IA(g1,h1)を第2分割領域3
(i,j;g1,h1)に存在する光源で照明している
と考えてよい。また、マスクフィルタ3に入射する照明
ビームはある程度均一化されているので、第2分割領域
3(i,j;g1,h1)から射出される照明ビームの
強度は各第2分割領域3(i,j;g1,h1)の部分
領域透過率pA(i,j;g1,h1)によって相違す
ると考えてよい。また、部分領域IA(g1,h1)に
到達する照明光の照度は、部分領域透過率pA(g1,
h1)に比例している。
【0102】したがって、フライアイレンズ4に入射す
る照明ビームが経由するマスクフィルタ3の領域の中心
を通るX軸から第2分割領域3(i,j;g1,h1)
の中心点までの距離をρX (i,j;g1,h1)とす
ると、部分領域IA(g1,h1)におけるX軸周りの
照明開口数σX (g1,h1)は、次の(4)式によっ
て計算される部分領域照明開口数σPX(g1,h1)に
比例する。
【0103】
【数4】
【0104】また、フライアイレンズ4に入射する照明
ビームが経由するマスクフィルタ3の領域の中心を通る
Y軸から第2分割領域3(i,j;g1,h1)の中心
点までの距離をρY (i,j;g1,h1)とすると、
部分領域IA(g1,h1)におけるY軸周りの照明開
口数σY (g1,h1)は、次の(5)式によって求め
られる、部分領域照明開口数σPY(g1,h1)に比例
する。
【0105】
【数5】
【0106】上記の関係は、この関係は、全ての部分領
域IA(g,h)について成立する。したがって、各部
分領域IA(g,h)におけるX軸周りの照明開口数σ
X (g,h)は、次の(6)式によって求められる部分
領域照明開口数σPX(g,h)に比例する。また、各部
分領域IA(g,h)におけるY軸周りの照明開口数σ
Y (g,h)は、次の(7)式によって求められる、部
分領域照明開口数σPY(g,h)に比例する。
【0107】
【数6】
【0108】
【数7】
【0109】本実施形態のマスクフィルタ3は、レチク
ルRの照明領域IARひいてはウエハWの露光領域IA
がほぼ均一な照度分布、ほぼ均一なX軸周りの照明開口
数分布、及びほぼ均一なY軸周りの照明開口数分布で照
明されるように設定されているのであるから、部分領域
透過率pA(g,h)、部分領域照明開口数σPX(g,
h)、及び部分領域照明開口数σPY(g,h)を全ての
部分領域IA(g,h)にわたって均一化するような、
マスク透過率p(i,j;g,h)を有していることに
なる。こうした、各第2分割領域(i,j;g,h)の
マスク透過率p(i,j;g,h)は、例えばワークス
テーション等の計算機を用いて、以下のようにして算出
される。
【0110】本実施形態では、マスク透過率p(i,
j;g,h)が全て1の場合における、X軸周りの部分
領域開口数σPX0 (g,h)、すなわち、次の(8)式
によって計算される部分領域開口数σPX0 (g,h)を
導入する。
【0111】
【数8】
【0112】そして、この部分領域開口数σPX0 (g,
h)によって、部分領域開口数σPX(g,h)を規格化
した部分領域相対開口数σRX(g,h)、すなわち、 σRX(g,h)=σPX(g,h)/σPX0 (g,h) …(9) によって計算される部分領域相対開口数σRX(g,h)
を新たに定義する。
【0113】また、マスク透過率p(i,j;g,h)
が全て1の場合における、Y軸周りの部分領域開口数σ
PY0 (g,h)、すなわち、次の(10)式によって計
算される部分領域開口数σPY0 (g,h)を導入する。
【0114】
【数9】
【0115】そして、この部分領域開口数σPY0 (g,
h)によって、部分領域開口数σPY(g,h)を規格化
した部分領域相対開口数σRY(g,h)、すなわち、 σRY(g,h)=σPY(g,h)/σPY0 (g,h) …(11) によって計算される部分領域相対開口数σRY(g,h)
を新たに定義する。
【0116】更に、各部分領域透過率pA(g,h)の
目標値OpA、各部分領域相対開口数σRX(g,h)の
目標値OσRX、及び各部分領域相対開口数σRY(g,
h)の目標値OσRYを設定する。また、マスク透過率p
(i,j;g,h)の適性化の目安として、 OB(g,h)=(A×(σRX(g,h)−OσRX))2 +(B×(σRY(g,h)−OσRY))2 +(C×(pA(g,h)−OpA))2 …(12) ここで、A,B,C:定数 で定義される目的関数OB(g,h)を使用する。な
お、(12)式における定数A,B,Cは、X軸周りの
照明開口数、Y軸周りの照明開口数、及び照度のそれぞ
れの適性化の重要度に応じて定められる。例えば、部分
領域相対開口数σRY(g,h)と部分領域相対開口数σ
RY(g,h)との適性化の重要度が同一であり、部分領
域相対開口数σRX(g,h),σRY(g,h)の適性化
の重要度が、部分領域透過率pA(g,h)の適性化の
重要度よりも10倍だけ重要な場合には、 A:B:C=10:10:1 とする。
【0117】こうして、定められた目的関数OB(g,
h)の値を極力小さくするマスク透過率p(i,j;
g,h)すなわち最適解の近似解を、遺伝的アルゴリズ
ムを使用して求める。
【0118】以下、本実施形態におけるマスク透過率p
(i,j;g,h)の設計方法を図6〜図10に基づい
て説明する。図6には、本実施形態において、遺伝的ア
ルゴリズムで遺伝子表現された解の集合である遺伝子集
団が最適解を含む遺伝子集団に変遷していく過程が示さ
れいる。また、図7には、図6の過程を実現する処理の
フローチャートが示されている。以下、図7のフローチ
ャートに沿って、図6を適宜参照しながら説明する。な
お、本実施形態では、フライアイレンズ4がX方向の共
役方向に7目、Y方向の共役方向に22目のレンズ要素
を有するものとし、これに伴い、第1分割領域3(i,
j)も7行22列に配列されているとしている。また、
第1分割領域3(i,j)は、X軸及びY軸について対
称な透過率分布を有するとしている。したがって、図8
に示されるような、XY座標の第1象限(i=1〜1
1,j=4〜7)の44個の第1分割領域3(i,j)
内の第2分割領域3(i,j;g,h)について、遺伝
的アルゴリズムによる演算を実行してマスク透過率p
(i,j;g,h)を求めている。なお、図8において
は、第1分割領域3(i,j)については引出し線を省
略し、各要素上に符号を記している。また、この遺伝的
アルゴリズムによる演算では、初期集団を第1世代と
し、第tM 世代(例えば、tM =100000)までの
世代交代を行わせる。
【0119】まず、前述のように、部分領域透過率pA
(g1,h1)の目標値OpA、各部分領域相対開口数
σRX(g1,h1)の目標値OσRX、及び各部分領域相
対開口数σRY(g1,h1)の目標値OσRYを設定す
る。そして、ステップ201において、第0世代(t=
0)の段階であることを設定する。次に、ステップ20
2において、遺伝子集団の初期集団を生成する。この初
期集団は、各マスク透過率p(i,j;g1,h1)を
それぞれランダムに特定の値としたものを1組の遺伝子
として、複数組の遺伝子から構成される。本実施形態で
は、初期集団を40組の遺伝子から構成した。なお、初
期集団の遺伝子の数を多くすると、最適解の大域探索性
がより保証されるが、総演算量がより多くなることにな
る。また、初期集団の遺伝子の数を少なくすると、総演
算量がより少なくなるが、最適解の大域探索がより保証
されないことになる。そして、ステップ203におい
て、上述の初期集団を第1世代とする(t←t+1)。
【0120】次に、ステップ204において、第tM
代までの世代交代が行われたか否かが判定される。ここ
では、世代交代がまだ行われていないので、ステップ2
05へ進む。ステップ205では、母集団である遺伝子
集団からランダムに3個の親遺伝子PRT1,PRT
2,PRT3を選択(図6における選択A)を行う。そ
して、ステップ206において、これらの親遺伝子PR
T1,PRT2,PRT3から10個の子遺伝子C1〜
C10を交叉によって生成する。ここで、交叉とは、各
親遺伝子の形質を反映した形質を有する子遺伝子を生成
することをいう。こうした交叉の実行には、所望の交叉
方式に応じて用意された専用の交叉オペレータが使用さ
れる。
【0121】ここで、各遺伝子を構成するマスク透過率
p(i,j;g1,h1)は0〜1の間の連続値である
ので、これに適した交叉方式を採用する必要がある。連
続値を対象とする交叉方式用の交叉オペレータとして
は、UNDX(「A Real CodedGenetic Algorithm for
Function Optimization using Unimodal DistributedCr
ossover, I.Ono and S.Kobayashi, Proceeding of 7th
International JointConference on Genetic Algolithm
s, pp.246-253, 1997」参照)やBLX−α(「Real-co
ded Genetic Algorithm and Interval-Schemata, L.J.E
shleman and J.D.Schaffer, Foundation of Genetic Al
golithms, pp.187-202, 1993 」参照」)がある。本実
施形態では、交叉オペレータとしてUNDXを使用し
た。
【0122】以下、ステップ206における交叉につい
て、図9を参照して説明する。なお、本実施形態では、
各遺伝子は44個の成分を有するので、44次元ベクト
ル空間内の点として表現されるが、図9においては、こ
れを3次元ベクトル空間内の点として表現している。
【0123】まず、図9(A)に示されるように、親遺
伝子PRT1,PRT2,PRT3のベクトル空間内の
対応点PR1 ,PR2 ,PR3 を設定し、点PR1 と点
PR2 との中点M及び点PR3 から線分PR1 PR2
下ろした垂線の足をHとする。
【0124】次に、図9(B)に示されるように、点M
を期待値とし、σa を標準偏差とした正規乱数に従い、
線分PR1 PR2 上に点P1 を生成する。ここで、σa
は、点PR1 と点PR2 との間の距離L12に比例するよ
うにする。すなわち、 σa =Ca ×L12 …(13) ここで、Ca :定数 とする。この(13)式において、定数Ca は任意に設
定することができる。なお、定数Ca を大きくすると、
最適解の大域的な探索がより保証されるが、演算量が増
大する。一方、定数Ca を小さくすると、演算量が減少
するが、最適解の大域的な探索がより保証されなくな
る。
【0125】ここで、点Mを期待値とするのは、点Mで
表現される遺伝子が親遺伝子PRT1の形質と親遺伝子
PRT2の形質とを均等に反映したものだからである。
なお、図9(B)で示されるように生成された点P1
表現される遺伝子は、親遺伝子PRT1の形質と親遺伝
子PRT2の形質とをある比率で反映したしたものとな
っている。
【0126】次いで、図9(C)に示されるように、点
1 を期待値として、σb を標準偏差とした44個の正
規乱数に従う44次元の正規分布の確率空間を想定す
る。σb は定数であればどのような値でも良い。なお、
標準偏差σb を大きくすると、最適解の大域的な探索が
より保証されるが、演算量が増大する。一方、標準偏差
σb を小さくすると、演算量が減少するが、最適解の大
域的な探索がより保証されなくなる。
【0127】引き続き、図9(D)に示されるように、
図9(C)で生成した44次元の正規分布の確率空間を
持つ44次元の正規乱数に従って点P2 を生成する。こ
の点P2 で表現される遺伝子は、親遺伝子PRT1の形
質と親遺伝子PRT2の形質と反映しているとともに、
親遺伝子PRT1の形質及び親遺伝子PRT2の形質以
外の形質も反映したものとなっている。
【0128】次に、図9(E)に示されるように、点P
1 を含み、ベクトルPR1 PR2 に垂直な超平面πを設
定する。そして、点P2 から超平面πへ落とした足を点
3とする。引き続き、図9(F)に示されるように、
点P1 を起点とし、ベクトルP1 3 に平行な成分を持
ち、点P1 を期待値として、σc を標準偏差とした正規
乱数に従う長さを持つベクトルP1 4 となるような点
4 を生成する。ここで、σc は、図9(A)における
点Hと点PR3 との距離LH3の(1/44)乗に比例す
るようにする。すなわち、 σc =Cc ×LH3 1/44 …(14) ここで、Cc :定数 とする。(14)式において、定数Cc は任意に設定す
ることができる。なお、定数Cc を大きくすると、最適
解の大域的な探索がより保証されるが、演算量が増大す
る。一方、定数Cc を小さくすると、演算量が減少する
が、最適解の大域的な探索がより保証されなくなる。
【0129】こうして得られた点P4 で表現される遺伝
子は、親遺伝子PRT1及び親遺伝子PRT2の双方の
形質を基本としながら、親遺伝子PRT3の形質もある
程度反映しつつ、これらの親遺伝子以外の形質も反映し
たものとなっている。
【0130】以上のようにして、1回の交叉が行われ、
点P4 で表現される新生遺伝子すなわち子遺伝子C1が
得られる。すなわち、点P4 の44次元の座標が、子遺
伝子C1の44個のマスク透過率p(i,j;g1,h
1)に対応する。
【0131】この後、以上の図9を参照して説明した交
叉を9回繰り返すことで、総計10個の子遺伝子C1〜
C10を生成する。
【0132】次いで、図7に戻り、ステップ207にお
いて、家族集合(図6参照)の構成員である親遺伝子P
RT1,PRT2(形質伝達の基本遺伝子)及び子遺伝
子C1〜C10のそれぞれについて、前記目的関数OB
(g1,h1)の値を計算する。
【0133】ところで、ステップ206で生成された子
遺伝子C1〜C10の各マスク透過率p(i,j;g
1,h1)は、その値が制限されていない。すなわち、
上記の交叉によって生成された子遺伝子C1〜C10の
各マスク透過率p(i,j;g1,h1)は、負値であ
ったり、1よりも大きな値であったりする。しかし、現
実には、マスク透過率p(i,j;g1,h1)は、0
〜1の値でなければならない。そこで、ステップ207
においては、目的関数OB(g1,h1)の値の計算に
先立って、子遺伝子C1〜C10の全てのマスク透過率
を検査し、0未満であれば強制的に0に変更する。ま
た、1つの子遺伝子中の最大透過率に着目し、その最大
透過率が1より大きければ、それが1になるように、そ
の子遺伝子中のマスク透過率p(i,j;g1,h1)
の全体を定数倍する処理を行う。
【0134】次に、ステップ208において、目的関数
OB(g1,h1)の値が小さなものほど優良であると
して、優良遺伝子を2つ選択する(図6の選択B:淘
汰)。引き続き、ステップ209において、ステップ2
08における淘汰の結果として生き残った2の遺伝子
で、遺伝子集団の中の親遺伝子PRT1,PRT2とな
った遺伝子を置き換える(世代交代)。そして、ステッ
プ210において、世代交代が行われた遺伝子集団中で
最も目的関数OB(g1,h1)の小さな最良遺伝子を
求める。
【0135】こうして、世代交代の処理が終了すると、
ステップ203に遷移し、新たな遺伝子集団を第2世代
とする(t←t+1)。次に、ステップ204におい
て、第tM 世代までの世代交代が行われたか否かが判定
される。
【0136】以後、第tM 世代までの世代交代が行われ
るまで、上述のステップ205〜203が繰り返されて
世代交代の処理が行われる。そして、ステップ204に
おいて、第tM 世代までの世代交代が行われたと判定さ
れると、遺伝的アルゴリズムによる演算処理を終了す
る。
【0137】こうして、第tM 世代における最良解を得
ることにより、第1の部分領域IA(g1,h1)につ
いて、その部分領域IA(g1,h1)を、目標照度、
X軸周りの目標照明開口数、及びY軸周りの目標照明開
口数で照明する、マスクフィルタ3の透過率分布が求め
られる。なお、上記で求めた第tM 世代における最良解
による、目標照度、X軸周りの目標照明開口数、及びY
軸周りの目標照明開口数との一致度を更に高めたい場合
には、第tM 世代の遺伝子集団を初期集団として、前述
の遺伝的アルゴリスムによる演算を行えばよい。これ
は、遺伝的アルゴリズムによる最適値の探索では、世代
を重ねるごとに、最適化の度合いが上がることはある
が、下がることはないからである。
【0138】図10には、上述の演算によって求められ
たマスクフィルタ3の透過率分布の一例が示されてい
る。なお、図10では、図8に示したマスクフィルタ3
の一部と同一のものを示しており、各第1分割領域3
(i,j)の要素上に透過率を記している。ここで、図
10の結果を得るための演算にあたっては、前記目的関
数において、A=10,B=10,C=1と設定し、前
記XおよびY方向の部分領域相対照明NAおよび部分領
域透過率の目標値をそれぞれ0σRX=0.99,0σRY
=1.01,0pA=0.99とし、交代世代数tM
100000とした。また、前述の(B)式においてC
a =0.5、(14)式においてCc =0.35とする
とともに、前述のσb を1とした。このとき、現在通常
に使用されている計算機による計算所要時間は、数十分
程度であった。
【0139】次に、第2の部分領域IA(g2,h2)
について、第1の部分領域IA(g1,h1)の場合と
同様にして、その部分領域IA(g2,h2)に応じた
マスクフィルタ3の透過率分布、すなわちマスク透過率
p(i,j;g2,h2)を求める。以後、残りの全て
の部分領域IA(g,h)について、第1の部分領域I
A(g1,h1)の場合と同様にして、各部分領域IA
(g,h)の応じたマスクフィルタ3の透過率分布、す
なわちマスク透過率p(i,j;g,h)を求める。
【0140】こうして、レチクルRの照明領域IARひ
いてはウエハWの露光領域を均一な照度分布、X軸周り
の照明開口数分布、及びY軸周りの照明開口数分布で照
明する、マスクフィルタ3の透過率分布が、実用的な演
算時間で求められる。
【0141】したがって、本実施形態の露光装置100
では、マスクフィルタ3が上述のようにして求められた
透過率分布を有するので、露光領域IAの全域につい
て、均一な照度分布、X軸周りの照明開口数分布、及び
Y軸周りの照明開口数分布で照明することができるの
で、高精度な露光をすることができる。
【0142】ところで、多層露光における各層用のレチ
クルパターンでは、そのパターン毎に、照度の均一度の
重要度と照明開口数の均一度の重要度が異なる。例え
ば、レチクルパターンがL/Sパターンのような周期パ
ターンの場合には、ドットパターンのような孤立パター
ンに比べて、照明開口数の均一性の重要性が高くなる。
すなわち、各層用のレチクルパターン毎に、前述の目標
値OpA、OσRX、及びOσRX、並びに前述の目的関数
OB(g,h)における定数A,B,Cの所望値が異な
ることになる。こうした場合には、各層のレチクルパタ
ーンに応じて、目標値OpA、OσRX、及びOσRYを設
定するとともに、目的関数OB(g,h)における定数
A,B,Cを設定して求めた透過率分布のマスクフィル
タを用意し、レチクル毎にマスクフィルタを交換するよ
うにすることが可能である。
【0143】また、同一層の露光のためのレチクルパタ
ーンであっても、レチクルパターン内の領域間で、目的
関数OB(g,h)における定数A,B,Cの所望値が
異なることも考えられる。こうした場合には、露光領域
IAの全ての部分領域IA(g,h)について均一化を
図るのではなく、各部分領域IA(g,h)毎に、前述
の目標値OpA、OσRX、及びOσRYを設定するととも
に、目的関数OB(g,h)における定数A,B,Cを
設定して、マスクフィルタの透過率分布を求めることが
できる。
【0144】また、上記の実施形態では、照明開口絞り
板5を設けているが、照明開口絞り板5の照明光の遮断
機能をも含む複数のマスクフィルタを用意して、マスク
フィルタを適宜交換することにすれば、開口絞り5を除
くことができる。
【0145】また、上記の実施形態では、マスクフィル
タの透過率分布を求める演算は全て遺伝的アルゴリズム
で行ったが、最適化問題が単峰性の問題となるまで遺伝
的アルゴリズムを用い、その後にシンプレクス法等の単
峰性の最適化問題に適したアルゴリズムで演算すること
としてもよい。また、大域探索を行うことをより確実に
するために、定期的(例えば、100世代交代毎)に、
交叉にあたって親遺伝子の形質とは無関係の突然変異
(ミューテーション)遺伝子を発生させることも可能で
ある。
【0146】また、上記の実施形態では、マスクフィル
タへの入射光強度はほぼ均一な分布であることを仮定し
たが、この入射光強度にムラがあるときは、このムラを
予め測定しておき、このムラに応じてマスクフィルタの
透過率分布を調整することにより、露光領域における照
明ムラを除去することができる。
【0147】なお、本発明は、ステップ・アンド・リピ
ート機、ステップ・アンド・スキャン機、ステップ・ア
ンド・スティッチング機を問わず、また、ウエハ露光装
置、液晶露光装置等の露光装置に適応できる。
【0148】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、請求項1
〜9に係るマスクフィルタの設計方法によれば、使用す
る光学系の性質等の与えられた光学的条件を制約条件と
しながら、対象領域の各位置の照明開口数を所定の精度
で調整するマスクフィルタの透過率分布を求めるので、
対象領域の照明開口数分布を精度良く調整するマスクフ
ィルタを設計することができる。
【0149】また、請求項10に係るマスクフィルタに
よれば、請求項1〜9のいずれかに係るマスクフィルタ
の設計方法で求められた透過率分布を有するので、対象
領域の各位置における照明開口数を精度良く所望の値と
することができる。
【0150】また、請求項11又は12に係る露光装置
によれば、請求項10に係るマスクフィルタを照明系に
備えるので、マスク及び感応基板の各位置における照明
開口数を所望の値として、マスクに形成されたパターン
を感応基板に高精度に転写することができる。
【0151】また、請求項13〜15に係るマスクフィ
ルタの設計方法によれば、マスクフィルタの透過率分布
を決定するのに遺伝的アルゴリズムを用いるので、多峰
性の非線形最適化問題である対象領域上の各位置におけ
る照明光の入射状態が所定状態となるようにマスクフィ
ルタの透過率分布を決定にあたって、短い計算時間で最
適解の近似解を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る露光装置の概略構成
を示す図である。
【図2】図1の露光装置の照明系10を説明するための
図である。
【図3】マスクフィルタ3とフライアイレンズ4の位置
関係を説明するための図である。
【図4】図1の露光装置による走査露光の原理を説明す
るための図である。
【図5】第1分割領域3(i,j)の部分領域(第2分
割領域)と露光領域IAの内部領域との対応関係を説明
するための図である。
【図6】遺伝的アルゴリズムで遺伝子表現された解の集
合である遺伝子集団が最適解を含む遺伝子集団に変遷し
ていく過程を説明するための図である。
【図7】図6の過程を実現する処理のフローチャートで
ある。
【図8】遺伝的アルゴリズムによる計算対象となるマス
クフィルタ上の領域の例を説明するための図である。
【図9】交叉処理を説明するための図である(A〜
F)。
【図10】マスクフィルタの透過率分布の計算結果の一
例を示す図である。
【符号の説明】
3…マスクフィルタ、4…フライアイレンズ、6…フラ
イアイレンズ、10…照明系、R…レチクル(マス
ク)、W…ウエハ(感応基板)。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から射出された照明光が対象領域に
    照射される前に経由するマスクフィルタの設計方法であ
    って、 該マスクフィルタの照明光入射面の各位置に応じた前記
    照明光の強度分布を求める第1工程と;前記対象領域上
    の各位置に到達する前記照明光が経由する前記マスクフ
    ィルタの各位置における透過率によって定まる、前記対
    象領域における第1方向に関する前記照明光の入射角の
    広がり度に応じた第1照明開口数及び前記第1方向と異
    なる第2方向に関する前記照明光の入射角の広がり度に
    応じた第2照明開口数を少なくとも含む複数の照明パラ
    メータの目標分布を設定する第2工程と;前記マスクフ
    ィルタの照明光入射面の各位置における前記照明光の強
    度分布に基づいて、前記対象領域における前記複数の照
    明パラメータの分布が前記目標分布値と所定の精度で一
    致する前記マスクフィルタの透過率分布を算出する第3
    工程とを含むマスクフィルタの設計方法。
  2. 【請求項2】 前記照明光は、フライアイレンズを介し
    て前記対象領域へ照射され、前記マスクフィルタは、前
    記対象領域と光学的に共役な前記フライアイレンズの入
    射面又はその近傍面に配置されることを特徴とする請求
    項1に記載のマスクフィルタの設計方法。
  3. 【請求項3】 前記複数の照明パラメータは、前記対象
    領域上の各位置に到達する前記照明光が経由する前記マ
    スクフィルタの各位置における透過率の平均透過率を更
    に含むことを特徴とする請求項1に記載のマスクフィル
    タの設計方法。
  4. 【請求項4】 前記複数の照明パラメータの目標分布
    は、前記対象領域が仮想的にマトリクス状に分割された
    各部分対象領域毎に応じて定められた前記複数の照明パ
    ラメータの目標値によって決定されることを特徴とする
    請求項1又は3に記載のマスクフィルタの設計方法。
  5. 【請求項5】 前記マスクフィルタが仮想的にマトリク
    ス状に分割された各第1分割領域から射出されたそれぞ
    れの照明光が、前記対象領域の全域を照明し、かつ、前
    記第1分割領域が仮想的にマトリクス状に分割された第
    2分割領域から射出された照明光が、それぞれの前記第
    2分割領域に応じた前記部分対象領域を照明することを
    特徴とする請求項4に記載のマスクフィルタの設計方
    法。
  6. 【請求項6】 前記各部分対象領域に関する第1照明開
    口数は、前記各部分対象領域のそれぞれに応じた前記第
    2分割領域の透過率に関する、前記マスクフィルタへ入
    射する前記照明光の光軸と前記マスクフィルタとの交点
    を通り前記第1方向へ延びる第1軸周りの慣性モーメン
    トを、前記各部分対象領域のそれぞれに応じた前記第2
    分割領域の透過率の平均値で除算した商によって定ま
    り、 前記各部分対象領域に関する第2照明開口数は、前記各
    部分対象領域のそれぞれに応じた前記第2分割領域の透
    過率に関する、前記マスクフィルタへ入射する前記照明
    光の光軸と前記マスクフィルタとの交点を通り前記第2
    方向へ延びる第2軸周りの慣性モーメントを、前記各部
    分対象領域のそれぞれに応じた前記第2分割領域の透過
    率の平均値で除算した商によって定まることを特徴とす
    る請求項5に記載のマスクフィルタの設計方法。
  7. 【請求項7】 前記各部分対象領域に関するマスク透過
    率は、前記各部分対象領域に応じた前記第2分割領域の
    透過率の平均値によって定まることを特徴とする請求項
    5に記載のマスクフィルタの設計方法。
  8. 【請求項8】 前記第3の工程における算出において、
    前記所定の精度は、前記複数の照明パラメータ毎に設定
    されることを特徴とする請求項1に記載のマスクフィル
    タの設計方法。
  9. 【請求項9】 前記第3工程における算出は、遺伝的ア
    ルゴリズムを用いて行われることを特徴とする請求項1
    〜8に記載のマスクフィルタの設計方法。
  10. 【請求項10】 光源から射出された照明光が対象領域
    に照射される前に経由するマスクフィルタにおいて、請
    求項1〜9のいずれかに記載のマスクフィルタの設計方
    法によって算出された透過率分布を有することを特徴と
    するマスクフィルタ。
  11. 【請求項11】 照明系が射出した露光用照明光でマス
    クを照射し、前記マスクに形成されたパターンを感応基
    板に転写する露光装置において、 前記照明系は、入射した光を前記マスクへ向けて射出す
    る請求項10に記載のマスクフィルタを備えることを特
    徴とする露光装置。
  12. 【請求項12】 前記照明系はフライアイレンズを更に
    備え、前記マスクフィルタは、前記マスクと光学的に共
    役な前記フライアイレンズの入射面又はその近傍面に配
    置されることを特徴とする請求項11に記載の露光装
    置。
  13. 【請求項13】 光源から射出された照明光が対象領域
    に照射される前に経由するマスクフィルタの設計方法に
    おいて、 前記対象領域上の各位置における前記照明光の入射状態
    が所定状態となるように前記マスクフィルタの透過率分
    布を遺伝的アルゴリズムを用いて決定することを特徴と
    するマスクフィルタの設計方法。
  14. 【請求項14】 前記対象領域上の各位置における前記
    照明光の入射状態は、前記対象領域上の各位置における
    前記照明光の開口数及び前記対象領域上の各位置におけ
    る前記照明光の強度の少なくとも一方を含むことを特徴
    とする請求項13に記載のマスクフィルタの設計方法。
  15. 【請求項15】 前記照明光は、フライアイレンズを介
    して前記対象領域へ照射され、前記マスクフィルタは、
    前記対象領域と光学的に共役な前記フライアイレンズの
    入射面又はその近傍面に配置されることを特徴とする請
    求項13又は14に記載のマスクフィルタの設計方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6741394B1 (en) 1998-03-12 2004-05-25 Nikon Corporation Optical integrator, illumination optical apparatus, exposure apparatus and observation apparatus
KR101972481B1 (ko) * 2018-10-05 2019-04-25 주식회사 레다즈 마이크로 소자를 타겟 오브젝트에 선택적으로 전사하는 장치
JP2019511748A (ja) * 2016-03-31 2019-04-25 シャンハイ マイクロ エレクトロニクス イクイプメント(グループ)カンパニー リミティド 光強度調整方法

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